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発明の名称 車両用電源システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−104865(P2007−104865A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294946(P2005−294946)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 牧田 聖嗣 / 安保 正治 / 荒木 慎也 / 尾島 義敬 / 粂 宜伸
要約 課題
本発明は、車両走行に関連する負荷への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を防止して素子の保護を図ることができる車両用電源システムの提供を目的とする。

解決手段
非絶縁型のDC/DCコンバータ100の入出力側に充放電可能な第1電源40と第2電源42がそれぞれ接続された車両用電源システムにおいて、通常時に第2電源の電圧より小さい第1電源の電圧が、第2電源の電圧よりも大きくなった場合、第2電源側に流れる電流を所定閾値に制限する定電流制御を経て、第1電源側から第2電源への通常充電制御を開始する。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流電圧変換を行う非絶縁型のDC/DCコンバータを備え、DC/DCコンバータの入出力側に充放電可能な第1電源と第2電源が接続された車両用電源システムにおいて、
通常時に第1電源の電圧より大きい第2電源の電圧が、第1電源の電圧を下回った場合、第2電源側に流れる電流を所定閾値に制限する定電流制御を経て、第1電源側から第2電源への通常充電制御を開始することを特徴とする、車両用電源システム。
【請求項2】
第1電源側には、車両走行に関係しない負荷が接続され、第2電源側には、車両走行に関係する負荷が接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用電源システム。
【請求項3】
第1電源側には、車両走行に関係する負荷が接続され、第2電源側には、車両走行に関係しない負荷が接続されており、
通常時に第1電源の電圧より大きい第2電源の電圧が、第1電源の電圧を下回った場合、第1電源側の状態が安定しているか否かを判断し、第1電源側の状態が安定していると判断した場合に、第2電源側に流れる電流を所定閾値に制限する定電流制御を経て、第1電源側から第2電源への通常充電制御を開始することを特徴とする、請求項1に記載の車両用電源システム。
【請求項4】
第1電源側には、エンジンの回転に伴い電力を発生するオルタネータが接続されており、少なくとも第1電源の状態とオルタネータの作動状態とを考慮して、第1電源側の状態が安定しているか否かを判断することを特徴とする、請求項3に記載の車両用電源システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電圧変換を行う非絶縁型DC/DCコンバータを備え、非絶縁型DC/DCコンバータの入出力側に充放電可能な第1電源と第2電源がそれぞれ接続された車両用電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2電源以上を用いた電源システムとしては、それぞれ独立した2電源以上を必要とする制御部と、この制御部からの指令に基づき負荷を駆動する駆動部とを備える画像形成装置において、前記制御部から前記駆動部へ駆動電源を供給する駆動電源ラインにインターロックスイッチを有し、前記制御部から前記駆動部へ制御電源を供給する制御電源ラインに逆流防止ダイオードを備えることを特徴とする画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−323086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、冒頭部に記載したような種の車両用電源システムでは、上述の従来技術による画像形成装置においてと同様に、突入電流を防止する対策を講ずる必要があるが、それぞれの電源系に接続される負荷の種類・機能が多様であり、車両走行に関連する負荷への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を防止して素子の保護を図らなければならないという、車両用電源システム特有の課題がある。
【0004】
そこで、本発明は、車両走行に関連する負荷への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を防止して素子の保護を図ることができる車両用電源システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明は、直流電圧変換を行う非絶縁型のDC/DCコンバータを備え、DC/DCコンバータの入出力側に充放電可能な第1電源と第2電源が接続された車両用電源システムにおいて、
通常時に第1電源の電圧より大きい第2電源の電圧が、第1電源の電圧を下回った場合、第2電源側に流れる電流を所定閾値に制限する定電流制御を経て、第1電源側から第2電源への通常充電制御を開始することを特徴とする、車両用電源システム。
【0006】
第2の発明は、第1の発明に係る車両用電源システムにおいて、
第1電源側には、車両走行に関係しない負荷が接続され、第2電源側には、車両走行に関係する負荷が接続されていることを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1の発明に係る車両用電源システムにおいて、
第1電源側には、車両走行に関係する負荷が接続され、第2電源側には、車両走行に関係しない負荷が接続されており、
通常時に第1電源の電圧より大きい第2電源の電圧が、第1電源の電圧を下回った場合、第1電源側の状態が安定しているか否かを判断し、第1電源側の状態が安定していると判断した場合に、第2電源側に流れる電流を所定閾値に制限する定電流制御を経て、第1電源側から第2電源への通常充電制御を開始することを特徴とする、請求項1に記載の車両用電源システム。
【0008】
第4の発明は、第3の発明に係る車両用電源システムにおいて、
第1電源側には、エンジンの回転に伴い電力を発生するオルタネータが接続されており、少なくとも第1電源の状態とオルタネータの作動状態とを考慮して、第1電源側の状態が安定しているか否かを判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、直流電圧変換を行う非絶縁型DC/DCコンバータを備え、非絶縁型DC/DCコンバータの入出力側に充放電可能な第1電源と第2電源がそれぞれ接続された車両用電源システムにおいて、車両走行に関連する負荷への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を防止して素子の保護を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0011】
図1は、本発明による車両用電源システムの一実施例を示すシステム構成図である。本発明による車両用電源システムは、鉄道をはじめとする各種車両の電源システムとして用いることができ、例えば自動車分野においては、燃料電池車をはじめとするハイブリッド電気自動車の主電源や、電気自動車の回生システム用電源等に用いることができる。尚、以下では、特に自動車用の電源システムを例にして説明していく。
【0012】
本発明による車両用電源システムは、DC/DCコンバータ100を備え、DC/DCコンバータ100の入出力側に充放電可能な第1電源40と第2電源42がそれぞれ接続されている。ここで、充放電可能な電源とは、鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリや電気2重層キャパシタ等の容量性負荷を含む。以下では、前提として、便宜上、正常時の第2電源42の電圧は、正常時の第1電源40の電圧より高いものとする。
【0013】
DC/DCコンバータ100は、図1に示すように、同期整流型の非絶縁型DC/DCコンバータであり、第1電源40の+端子と第2電源42の+端子とが、コイル26、第2スイッチング素子22及び第3スイッチング素子24を介して接続されている。第2スイッチング素子22は、ソース側が第1電源40側になるように接続され、第3スイッチング素子24は、ソース側が第2電源42側になるように接続されている。コイル26と第2スイッチング素子22との間には、ソース側を接地した第1スイッチング素子20のドレイン側が接続されている。図1に示す例では、尚、スイッチング素子20,22,24は、MOSFET(metal oxide semiconductor field−effect transistor)からなる。尚、図1には、MOSFETにおいて形成されるボディダイオードが示されている。
【0014】
スイッチング素子20,22,24には、そのゲートに印加される電圧(以下、「ゲート電圧」という。)を制御する制御回路12,11,10が設定されている。スイッチング素子20,22は、制御回路12,11により供給される外部からの制御信号に応じて、ON/OFF制御される。DC/DCコンバータ100の出力側には、第2電源42側に出力される電流値を検出する電流検出器28が設定される。制御回路10は、後述する定電流制御を行う際、電流検出器28が検出する電流値と、DC/DCコンバータ100の入出力端子間の電位差(第1電源40と第2電源42との電位差)とに基づいて、第3スイッチング素子24のスイッチング動作を制御する。
【0015】
第1電源40側には、第1負荷30が接続され、第2電源42側には、第2負荷32が接続され、第1負荷30及び第2負荷32には、DC/DCコンバータ100により(制御回路11,12等により)制御された電圧が供給される。即ち、第1電源40の電圧は、DC/DCコンバータ100により昇圧されて第2電源42側に供給され、第2電源42の電圧は、DC/DCコンバータ100により降圧されて第1電源40側に供給される。
【0016】
次に、以上説明した基本構成を前提として、本発明による車両用電源システムによる特徴的な構成について、幾つかの実施例に分けて説明していく。
【実施例1】
【0017】
実施例1では、第1電源40側に接続される第1負荷30が、車両走行に関連した補機を含む場合に関する。車両走行に関連した補機とは、典型的には、車両の制動機能を確保する上で必須となるブレーキ装置(それを制御するECUを含む)や、車両の操舵機能を確保する上で重要な役割を果たすパワーステアリング装置(それを制御するECUを含む)であり、その他、エンジン、トランスミッション等を含んでもよい。
【0018】
この場合、第2負荷32は、車両走行に関連しない補機を含み、第2電源42側に接続される。尚、車両走行に関連しない補機の一部は、第1電源40側に接続されてもよい(即ち第1負荷30が、車両走行に関連しない補機を含んでもよい。)。車両走行に関連した補機とは、例えば、典型的には、オーディオ装置や空調装置であり、その他、ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングシグナルランプ、コーナーランプ等のランプ類、カーナビゲーション、メータ類、デフォガ、ワイパやパワーウィンドを駆動するアクチュエータ等を含んでもよい。
【0019】
第1電源40側には、エンジンの回転により発電する直流発電機34(以下、「オルタネータ34」という。)が接続される。オルタネータ34の発電量は、例えばエンジンを制御するECU(EFI・ECU)により、車両の走行状態に応じて制御される。例えば、車両の定常走行時やエンジンのアイドル運転時には、オルタネータ34の発電電圧は、第1電源40の放電が生じないような値に調整される。また、車両減速時(回生ブレーキ作動時)には、オルタネータ34の発電電圧は、定常走行時やアイドル運転時に比して大きな値に調整される。また、車両加速時には、アイドルストップ中(即ち、エンジン停止中)と同様、オルタネータ34の発電電圧はゼロになる(即ち、発電が行われない)。尚、本発明は、オルタネータ34の発電制御を特定するものでなく、如何なる態様の発電制御に対しても適用可能である。
【0020】
ところで、上述のような車両用電源システムにおいては、第2電源42側の第2負荷32(例えばスターター)の一時的な高出力の動作により、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況が想定される。或いは、長期の車両放置により暗電流によって第2電源42の残容量が低下し、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況が想定される。かかる状況では、車両走行に関連した第1負荷30への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を適切に防止できる態様の充電制御により第2電源42の充電を開始する必要がある。
【0021】
図2は、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況において、本実施例による車両用電源システムにおいて実現される充電制御のフローチャートである。尚、図2に示す処理ルーチンは、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回った場合に起動される割り込みルーチンであってよい。
【0022】
ステップ100では、第1電源側の状態が安定しているか否かが判定される。第1電源側の状態が安定しているか否かは、第1電源側から第2電源42への充電を開始しても、車両走行に関連した第1負荷30への必要な電力供給が可能か否かを指標として判断されてよい。第1電源側の状態は、第1電源40自体の状態(例えば、第1電源40の残容量や電圧V1、その他、温度等)や、オルタネータ34の作動状態、第1電源側の第1負荷30の作動状態に基づいて検知されてよい。例えば、第1電源40の充電量が基準レベル以上である場合や、オルタネータ34の発電量が基準レベル以上である場合には、第1電源側の状態が安定していると判断されてよい。
【0023】
第1電源側の状態が安定していると判断された場合(ステップ100のYES)は、ステップ110に進み、定電流制御が開始される。定電流制御は、後に図3等を参照して詳説する如く、第3スイッチング素子24のスイッチング動作を制御して、回路に流れる電流(即ち電流検出器28が検出する電流)を一定電流(第1の閾値Thr1)に制限する制御である。定電流制御の実行中は、ステップ120で第1電源の電圧V1及び第2電源42の電圧V2が監視される。定電流制御は、第2電源42の電圧V2が第1電源の電圧V1の上回った場合に(ステップ130のYES)、終了され(ステップ140)、その後、第2電源42に対する通常充電制御を開始する(ステップ150)。通常充電制御では、制御回路10,11,12は、第3スイッチング素子24をON状態に保ち、第1スイッチング素子20と第2スイッチング素子22を交互にオンオフさせて、第1電源40の電圧V1を所望の電圧まで昇圧して第2電源側に供給する。
【0024】
このように本実施例によれば、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況においても、直ちに第2電源42に対する通常充電制御を開始するのではなく、第1電源側の状態が安定していることを確認してから、定電流制御を経て、第2電源42に対する通常充電制御を開始するので、車両走行に関連した第1負荷30への必要な電力供給を確保しつつ、第2電源42への突入電流を防止してDC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を保護することができる。
【0025】
また、本実施例によれば、長期の車両放置により第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回った状況において、エンジン始動に必要な補機が第1電源40及び第2電源42の双方に接続されている場合であっても、上述の定電流制御を経ることで、第2電源42への突入電流を防止してDC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を保護しつつ、エンジン始動が可能となる。
【0026】
図3は、上記ステップ110で実行される定電流制御の一実施例を示すタイミングチャートである。図3(A)は、第1スイッチング素子20のON/OFF状態、図3(B)は、第2スイッチング素子22のON/OFF状態、図3(C)は、第3スイッチング素子24のゲート電圧の制御態様、即ち、第3スイッチング素子24のON/OFF状態(ON状態とOFF状態間のリニア制御態様)を示す。また、図3(D)は、第3スイッチング素子24を流れる電流I(電流検出器28が検出する電流I)、図3(E)は、定電流制御の実行状態(ON/OFF状態)を示す。尚、図3に示す例では、定電流制御は、第3スイッチング素子24を流れる電流Iが第2の閾値Thr2より小さくなったときに終了されている(図2の例では、第1電源の電圧V1と第2電源42の電圧V2の電位差が、突入電流の流れない電位差になったとき、即ち、第2電源42の電圧V2が、電圧V1より小さい所定閾値Vxを上回ったときに、終了される)。
【0027】
図3(A)〜(C)に示すように、定電流制御が開始されると、第1スイッチング素子20及び第2スイッチング素子22がOFF状態とされ、第3スイッチング素子24が徐々にON状態とされていく(即ち、第3スイッチング素子24のゲート電圧が徐々に増加されていく。)。このとき、図3(D)に示すように、第3スイッチング素子24を流れる電流Iは、第1の閾値Thr1付近で停留される。即ち、電流検出器28が検出する電流Iが第1の閾値Thr1を上回らないように、第3スイッチング素子24のゲート電圧がフィードバック制御される。この際、電流検出器28が検出する電流Iが低下した場合には、第3スイッチング素子24のゲート電圧が増加される(即ち、第3スイッチング素子24をよりON状態側に変化させる)。この結果、第2電源42の電圧V2が徐々に上昇し、やがて第3スイッチング素子24を流れる電流Iが第2の閾値Thr2より小さくなると、定電流制御が終了される。即ち、第3スイッチング素子24が完全にオンするゲート電圧まで上昇され、その状態で固定される。次いで、通常充電制御が開始される。通常充電制御が開始されると、図3(A)〜(C)に示すように、第3スイッチング素子24が完全にONした状態に維持され、第1スイッチング素子20と第2スイッチング素子22が交互にオンオフされる。
【0028】
図4は、上述の定電流制御が実行されない場合の電流Iを示すタイミングチャートである。この場合、図4に示すように、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回った状況において、第3スイッチング素子24が完全にオンするゲート電圧まで上昇されると、回路に大きな突入電流が流れ、これにより、DC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等の破壊が発生しうる。
【0029】
これに対して、本実施例によれば、図3に示したように、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回った状況において、第3スイッチング素子24のゲート電圧がリニア制御されて電流Iが第1の閾値Thr1に留まるように制限される。従って、第1の閾値Thr1を、DC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を破壊しないような値に設定することで、突入電流によるDC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等の破壊を確実に防止することができる。また、第2の閾値Thr2を、第1の閾値Thr1よりも小さく、且つ、第3スイッチング素子24が完全にONとなるときにも第2電源42への突入電流が発生しないような値に設定することで、突入電流を防止しつつ適切なタイミングで通常充電制御を開始することができる。
【0030】
図5は、上記ステップ110で実行される定電流制御のその他の一実施例を示すタイミングチャートである。図5(A)は、第1スイッチング素子20のON/OFF状態、図5(B)は、第2スイッチング素子22のON/OFF状態、図5(C)は、第3スイッチング素子24のゲート電圧、図5(D)は、第3スイッチング素子24を流れる電流I、図5(E)は、定電流制御の実行状態(ON/OFF状態)を示す。尚、図5に示す例では、図3に示す例と同様、定電流制御は、第3スイッチング素子24を流れる電流Iが第2の閾値Thr2より小さくなったときに終了される。
【0031】
図5(A)〜(C)に示すように、定電流制御が開始されると、第1スイッチング素子20がOFF状態とされ、第2スイッチング素子22がON状態とされ、第3スイッチング素子24が徐々にON状態とされていく。以下同様に、図5(D)に示すように、電流検出器28が検出する電流Iが第1の閾値Thr1を上回らないように、第3スイッチング素子24のゲート電圧がフィードバック制御され、やがて第3スイッチング素子24を流れる電流Iが第2の閾値Thr2より小さくなると、図5(E)に示すように、定電流制御が終了される。次いで、通常充電制御が開始されると、図5(A)〜(C)に示すように、第3スイッチング素子24が完全にONした状態に維持され、第1スイッチング素子20と第2スイッチング素子22が交互にオンオフされる。
【0032】
図6は、車両用電源システムのその他の実施例を示すシステム構成図である。図6に示す例は、第3スイッチング素子24が、図1に示す構成とは逆側に配置されている点が異なる。
【0033】
具体的には、図6に示すように、第1電源40の+端子と第2電源42の+端子とが、第3スイッチング素子24、コイル26及び第2スイッチング素子22を介して接続されている。第3スイッチング素子24は、ドレイン側が第1電源40側になるように接続され、第2スイッチング素子22は、ソース側が第1電源40側になるように接続されている。コイル26と第2スイッチング素子22との間には、ソース側を接地した第1スイッチング素子20のドレイン側が接続されている。コイル26と第2スイッチング素子22との間には、ソース側を接地した第1スイッチング素子20のドレイン側が接続されている。
【0034】
図6に示す構成に対しても上述と同様の態様で定電流制御を実行することができる。図7は、上記ステップ110で実行される定電流制御のその他の一実施例を示すタイミングチャートである。図7(A)は、第1スイッチング素子20のON/OFF状態、図7(B)は、第2スイッチング素子22のON/OFF状態、図7(C)は、第3スイッチング素子24のゲート電圧、図7(D)は、第3スイッチング素子24を流れる電流I、図7(E)は、図7(F)は、定電流制御の実行状態(ON/OFF状態)を示す。尚、図7に示す例では、定電流制御は、第2電源42の電圧V2と第1電源40の電圧V1との差が閾値Thr3より小さくなったとき(V1−V2<Thr3)に終了される。閾値Thr3は、第1電源40の電圧V1より僅かに小さい値であり、且つ、第3スイッチング素子24が完全にONとなるときにも第2電源42への突入電流が発生しないような値に設定される。
【0035】
図7(A)〜(C)に示すように、定電流制御が開始されると、第1スイッチング素子20がOFF状態とされ、第2スイッチング素子22がON状態とされ、第3スイッチング素子24が徐々にON状態とされていく。以下同様に、図7(D)に示すように、電流検出器28が検出する電流Iが第1の閾値Thr1に留まるように、第3スイッチング素子24のゲート電圧がフィードバック制御され、やがて図7(E)に示すように第2電源42の電圧V2が上昇して第1電源40の電圧V1との差が閾値Thr3より小さくなると、図7(F)に示すように、定電流制御が終了される。次いで、通常充電制御が開始されると、図5(A)〜(C)に示すように、第3スイッチング素子24が完全にONした状態に維持され、第1スイッチング素子20と第2スイッチング素子22が交互にオンオフされる。
【0036】
尚、本実施例1において、上述では、第1の閾値Thr1は一定値であったが、第1の閾値Thr1は、DC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を破壊しないような値を上限値とした適切な範囲内で、可変されてもよい。この場合、例えば上述の長期間放置後の起動時には、第1の閾値Thr1が比較的高い値に設定され、エンジン始動後に一時的に電圧V2が電圧V1を下回ったときには、第1の閾値Thr1が第2負荷32の要求に応じた値に設定されてもよい。
【0037】
また、上述では、電流検出器28が第3スイッチング素子24を流れる電流を検出しているが、第3スイッチング素子24自体が電流を検出できる機能を持った素子(例えば、センスMOSFET、センスダイオードMOSFET等)であれば、電流検出器28を省略することも可能である。
【実施例2】
【0038】
実施例2では、第2電源42側に接続される第2負荷32が、車両走行に関連した補機を含むと共に、動作時に一時的に高出力となる補機を含む場合に関する。動作時に一時的に高出力となる補機とは、典型的には、エンジンを始動させるスターターや、パワーステアリング装置である。この場合、車両走行に関連しない補機や、動作時に高出力とならない補機は、第2負荷32として第1電源40側に接続される。尚、かかる補機の一部は、第1電源40側に接続されてもよい。
【0039】
ところで、上述のような車両用電源システムにおいては、第2電源42側の第2負荷32(例えばスターターやパワーステアリング装置等)の一時的な高出力の動作により、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況が発生しやすくなる。或いは、長期の車両放置により暗電流によって第2電源42の残容量が低下し、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況も想定される。かかる状況では、車両走行に関連した第2負荷32への必要な電力供給を確保しつつ、突入電流を適切に防止できる態様の充電制御により第2電源42の充電を開始する必要がある。
【0040】
そこで、本実施例2において、第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況では、第2電源42に対する通常充電制御は、上述の定電流制御を経てから開始される。これにより、車両走行に関連した第2負荷32への必要な電力供給を確保しつつ、第2電源42への突入電流を防止してDC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を保護することができる。
【0041】
また、長期の車両放置により第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回った状況において、エンジン始動に必要な補機が第1電源40及び第2電源42の双方に接続されている場合(例えば、スターターが第2電源42側に接続され、EFI・ECUが第1電源40側に接続されている場合)であっても、上述の定電流制御を経ることで、第2電源42への突入電流を防止してDC/DCコンバータ100の回路素子や第2電源42等を保護しつつ、エンジン始動が可能となる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0043】
例えば、上述した実施例においては、図1等に示す車両用電源システムのように、同期整流型のDC/DCコンバータ100が用いられているが、本発明は、非絶縁型であれば如何なる形式のDC/DCコンバータ100に対しても適用可能である。また、同様の観点から、マルチフェーズ型の昇圧DC/DCコンバータにおいても、図8に示すように、各フェーズの出力の交点Xと、第2電源42との間に、第3スイッチング素子24を接続することで、上述と同様の定電流制御を実行することも可能である。また、当然ながらフェーズ数は3以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による車両用電源システムの一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】第2電源42の電圧V2が第1電源40の電圧V1を下回る状況において、本実施例による車両用電源システムにおいて実現される充電制御のフローチャートである。
【図3】定電流制御の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図4】本実施例による定電流制御が実行されない場合の電流Iを示すタイミングチャートである。
【図5】定電流制御のその他の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図6】車両用電源システムのその他の実施例を示すシステム構成図である。
【図7】図6の車両用電源システムにおける定電流制御の一実施例を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の適用可能なマルチフェーズ型の昇圧DC/DCコンバータを用いた車両用電源システムを示す図である。
【符号の説明】
【0045】
100 DC/DCコンバータ
20 第1スイッチング素子
22 第2スイッチング素子
24 第3スイッチング素子
26 コイル
30 第1負荷
32 第2負荷
34 オルタネータ
40 第1電源
42 第2電源




 

 


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