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発明の名称 電力制御装置および電動車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−97343(P2007−97343A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−285043(P2005−285043)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 及部 七郎斎 / 佐々木 正一 / 中村 誠 / 石川 哲浩
要約 課題
車両の回生制動時に発生する余剰電力に応じて電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる電力制御装置を提供する。

解決手段
車両の回生制動時に蓄電装置Bに充電されない余剰電力ΔWが発生したとき、インバータ20,30の各々のゼロ電圧ベクトルを用いて中性点N1,N2間に電圧を発生させ、発生した余剰電力ΔWを中性点N1,N2間に接続された抵抗50によって消費させる。中性点N1,N2間に発生させる電圧は、抵抗50の抵抗値を用いて余剰電力ΔWに応じて算出される。
特許請求の範囲
【請求項1】
星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の多相交流電動機と、
星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の多相交流電動機と、
前記第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力により充電される蓄電装置と、
前記第1の多相巻線の第1の中性点と前記第2の多相巻線の第2の中性点との間に電気的に接続される電気負荷と、
前記回生電力のうち前記蓄電装置に充電されない余剰電力を算出し、その算出した余剰電力に応じて前記第1および第2の中性点間の電圧を制御する電圧制御手段とを備える、電力制御装置。
【請求項2】
前記電圧制御手段は、車両の制動時、前記車両の運動エネルギーを用いて前記第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力のうち、前記蓄電装置に充電されない余剰電力を算出する、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記電圧制御手段は、前記車両の運動エネルギーを用いて回生発電を行なっている前記第1および/または前記第2の多相交流電動機の回転数と減速トルクとに基づいて前記回生電力を算出する、請求項2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記電圧制御手段は、前記算出した回生電力と前記蓄電装置が受入可能な最大充電電力との電力差に基づいて前記余剰電力を算出する、請求項2または請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記電圧制御手段は、前記算出した余剰電力と前記電気負荷の抵抗値とに基づいて前記第1および第2の中性点間に生成する電圧の指令値を算出し、その算出した電圧指令値に基づいて前記第1および第2の中性点間の電圧を制御する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記第1および第2の中性点と前記電気負荷との間に配設され、前記電圧制御手段からの指令に応じて前記第1および第2の中性点を前記電気負荷と電気的に接続する接続部をさらに備え、
前記電圧制御手段は、前記余剰電力が発生したとき、前記接続部へ前記指令を出力する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記電圧制御手段は、前記余剰電力が発生したとき、前記第1および第2の中性点間に前記余剰電力に応じた電圧差を発生させる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力制御装置。
【請求項8】
星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の多相交流電動機と、
星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の多相交流電動機と、
前記第2の多相交流電動機の回転軸に機械的に結合される駆動輪と、
前記第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力により充電される蓄電装置と、
前記第1の多相巻線の第1の中性点と前記第2の多相巻線の第2の中性点との間に電気的に接続される電気負荷と、
車両の制動時、前記車両の運動エネルギーを用いて前記第2の多相交流電動機が発電する回生電力のうち、前記蓄電装置に充電されない余剰電力を算出し、その算出した余剰電力に応じて前記第1および第2の中性点間の電圧を制御する電圧制御手段とを備える、電動車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力制御装置および電動車両に関し、特に、電動車両の回生制動時における電力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(Electric Vehicle)やハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)などモータを動力源として走行する電動車両においては、車両の制動時、駆動輪からの回転力によりモータを回転させて回生発電を行なうとともに、回生発電電力に相当する制動力を車両の制動力として用いる回生制動が一般的に行なわれる。
【0003】
しかしながら、たとえば高速で長い下り坂を走行しているような場合、回生発電電力の増大によりバッテリが受入可能な電力量を超過すると、バッテリやインバータなどの電力装置に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
そこで、特開2004−254465号公報(特許文献1)は、回生制動時に発生する余剰電力を適切に処理してバッテリへの悪影響を抑止可能な回生制動装置を開示する。この回生制動装置においては、回生制動においてバッテリの好適な充電電力を超える余剰電力が回生発電の結果として発生すると、余剰電力の大きさに応じて複数の電気負荷から余剰電力消費負荷を選択し、その選択された余剰電力消費負荷により余剰電力を消費する。
【0005】
この回生制動装置によれば、余剰電力を捨てようとした電気負荷が既に稼動中であって余剰電力を捨てられなかったり、余剰電力消費専用の電気負荷を別途増設しなければならないといった問題を引き起こすことなく、余剰電力を消費することができる。その結果、簡素な構成でバッテリへの悪影響を抑止することができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−254465号公報
【特許文献2】特開平7−170611号公報
【特許文献3】特開2002−218793号公報
【特許文献4】特開2003−143897号公報
【特許文献5】特開2004−142662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2004−254465号公報に開示された回生制動装置は、余剰電力の大きさに応じて電気負荷を組合わせるに過ぎず、余剰電力の大きさに応じて余剰電力消費負荷による電力消費量を連続的に制御することはできない。したがって、余剰電力を十分に捨てきれなかったり、余分な電力を捨ててしまうおそれがある。
【0007】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両の回生制動時に発生する余剰電力に応じて電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる電力制御装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、回生制動時に発生する余剰電力に応じて電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる電動車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、電力制御装置は、星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の多相交流電動機と、星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の多相交流電動機と、第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力により充電される蓄電装置と、第1の多相巻線の第1の中性点と第2の多相巻線の第2の中性点との間に電気的に接続される電気負荷と、回生電力のうち蓄電装置に充電されない余剰電力を算出し、その算出した余剰電力に応じて第1および第2の中性点間の電圧を制御する電圧制御手段とを備える。
【0010】
この発明による電力制御装置においては、第1の多相交流電動機における第1の中性点と第2の多相交流電動機における第2の中性点との間に電気負荷が接続される。そして、第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力のうち蓄電装置に充電されない余剰電力に応じて第1および第2の中性点間の電圧が制御され、発生した余剰電力が電気負荷によって消費される。
【0011】
したがって、この発明による電力制御装置によれば、電気負荷による電力消費量を余剰電力に応じて連続的に制御することができる。その結果、発生した余剰電力を電気負荷により過不足なく消費させることができる。
【0012】
好ましくは、電圧制御手段は、車両の制動時、車両の運動エネルギーを用いて第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力のうち、蓄電装置に充電されない余剰電力を算出する。
【0013】
さらに好ましくは、電圧制御手段は、車両の運動エネルギーを用いて回生発電を行なっている第1および/または第2の多相交流電動機の回転数と減速トルクとに基づいて回生電力を算出する。
【0014】
さらに好ましくは、電圧制御手段は、算出した回生電力と蓄電装置が受入可能な最大充電電力との電力差に基づいて余剰電力を算出する。
【0015】
さらに好ましくは、電圧制御手段は、算出した余剰電力と電気負荷の抵抗値とに基づいて第1および第2の中性点間に生成する電圧の指令値を算出し、その算出した電圧指令値に基づいて第1および第2の中性点間の電圧を制御する。
【0016】
したがって、この電力制御装置によれば、回生制動時に発生する余剰電力と電気負荷の抵抗値とに基づいて、電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる。
【0017】
好ましくは、電力制御装置は、第1および第2の中性点と電気負荷との間に配設され、かつ、電圧制御手段からの指令に応じて第1および第2の中性点を電気負荷と電気的に接続する接続部をさらに備える。電圧制御手段は、余剰電力が発生したとき、接続部へ指令を出力する。
【0018】
この電力制御装置においては、余剰電力が発生したときに限り、電気負荷が第1および第2の中性点に電気的に接続される。したがって、この電力制御装置によれば、余剰電力が発生していないにも拘わらず、不必要に電気負荷で電力が消費されることを防止することができる。
【0019】
好ましくは、電圧制御手段は、余剰電力が発生したとき、第1および第2の中性点間に余剰電力に応じた電圧差を発生させる。
【0020】
この電力制御装置においては、余剰電力が発生したときに限り、第1および第2の中性点間に電圧差を発生させる。したがって、この電力制御装置によれば、不必要に電気負荷で電力が消費されることをより確実に防止することができる。
【0021】
また、この発明によれば、電動車両は、星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の多相交流電動機と、星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の多相交流電動機と、第2の多相交流電動機の回転軸に機械的に結合される駆動輪と、第1および第2の多相交流電動機の少なくとも一方が発電する回生電力により充電される蓄電装置と、第1の多相巻線の第1の中性点と第2の多相巻線の第2の中性点との間に電気的に接続される電気負荷と、車両の制動時、車両の運動エネルギーを用いて第2の多相交流電動機が発電する回生電力のうち、蓄電装置に充電されない余剰電力を算出し、その算出した余剰電力に応じて第1および第2の中性点間の電圧を制御する電圧制御手段とを備える。
【0022】
この発明による電動車両においては、車両の制動時、第2の多相交流電動機が駆動輪からの回転力を受けて回生発電する。ここで、蓄電装置の最大充電電力を超える回生発電が行なわれると余剰電力が発生するところ、その余剰電力に応じて第1および第2の中性点間の電圧が制御され、発生した余剰電力が電気負荷によって消費される。
【0023】
したがって、この発明による電動車両によれば、回生制動時に発生する余剰電力に応じて電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる。その結果、発生した余剰電力を電気負荷により過不足なく消費させることができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、車両の回生制動時に発生する余剰電力に応じて、電気負荷が接続された第1および第2の中性点間の電圧を制御するので、発生した余剰電力に応じて電気負荷による電力消費量を連続的に制御することができる。その結果、車両の回生制動時に発生した余剰電力を電気負荷により過不足なく消費させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
図1は、この発明の実施の形態による電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車100の全体ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド自動車100は、エンジン4と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分配機構3と、車輪2とを備える。また、ハイブリッド自動車100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20,30と、制御装置60と、コンデンサC1,C2と、電源ラインPL1,PL2と、接地ラインSLと、U相ラインUL1,UL2と、V相ラインVL1,VL2と、W相ラインWL1,WL2と、電圧センサ70,72と、電流センサ80,82とをさらに備える。さらに、ハイブリッド自動車100は、電力ラインDCL1,DCL2と、リレー回路40と、抵抗50とをさらに備える。
【0027】
このハイブリッド自動車100は、エンジン4およびモータジェネレータMG2を動力源として走行する。動力分配機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分配機構3としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。たとえば、モータジェネレータMG1のロータを中空としてその中心にエンジン4のクランク軸を通すことで動力分配機構3にエンジン4とモータジェネレータMG1,MG2とを機械的に接続することができる。
【0028】
なお、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示されない減速ギヤや作動ギヤによって車輪2に結合されている。また、動力分配機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組み込んでもよい。
【0029】
そして、モータジェネレータMG1は、エンジン4によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン4の始動を行ない得る電動機として動作するものとしてハイブリッド自動車100に組み込まれ、モータジェネレータMG2は、車輪2を駆動する電動機としてハイブリッド自動車100に組み込まれる。
【0030】
蓄電装置Bの正極は、電源ラインPL1に接続され、蓄電装置Bの負極は、接地ラインSLに接続される。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間に接続される。
【0031】
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、npn型トランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。npn型トランジスタQ1,Q2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列に接続される。各npn型トランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。そして、リアクトルLの一端は、npn型トランジスタQ1,Q2の接続点に接続され、その他端は、電源ラインPL1に接続される。
【0032】
なお、上記のnpn型トランジスタおよび以下の本明細書中のnpn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができ、また、npn型トランジスタに代えてパワーMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
【0033】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に接続される。インバータ20は、U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26を含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ11,Q12からなり、V相アーム24は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ13,Q14からなり、W相アーム26は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ15,Q16からなる。各npn型トランジスタQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続される。
【0034】
モータジェネレータMG1は、3相コイル12をステータコイルとして含む。3相コイル12を形成するU相コイルU1、V相コイルV1およびW相コイルW1の一端は、互いに接続されて中性点N1を形成し、U相コイルU1、V相コイルV1およびW相コイルW1の他端は、インバータ20のU相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26の各々における上下アームの接続点にそれぞれ接続される。
【0035】
インバータ30は、U相アーム32、V相アーム34およびW相アーム36を含む。モータジェネレータMG2は、3相コイル14をステータコイルとして含む。インバータ30およびモータジェネレータMG2の構成は、それぞれインバータ20およびモータジェネレータMG1と同様である。
【0036】
リレー回路40は、リレーRY1,RY2を含む。そして、中性点N1に電力ラインDCL1の一方端が接続され、その他方端がリレーRY1の一端に接続される。また、中性点N2に電力ラインDCL2の一方端が接続され、その他方端がリレーRY2の一端に接続される。さらに、リレーRY1の他端に抵抗50の一方端が接続され、リレーRY2の他端に抵抗50の他方端が接続される。
【0037】
蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。蓄電装置Bは、直流電力を昇圧コンバータ10へ出力する。また、蓄電装置Bは、昇圧コンバータ10によって充電される。なお、蓄電装置Bとして、大容量のキャパシタを用いてもよい。
【0038】
電圧センサ70は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出した電圧VBを制御装置60へ出力する。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。
【0039】
昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、蓄電装置Bから受ける直流電圧をリアクトルLを用いて昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインPL2に供給する。具体的には、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、npn型トランジスタQ2のスイッチング動作に応じて流れる電流をリアクトルLに磁場エネルギーとして蓄積することによって蓄電装置Bからの直流電圧を昇圧する。そして、昇圧コンバータ10は、その昇圧した昇圧電圧をnpn型トランジスタQ2がオフされたタイミングに同期してダイオードD1を介して電源ラインPL2へ出力する。また、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、電源ラインPL2から供給される直流電圧を降圧して蓄電装置Bを充電する。
【0040】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。電圧センサ72は、コンデンサC2の端子間電圧、すなわち接地ラインSLに対する電源ラインPL2の電圧VHを検出し、その検出した電圧VHを制御装置60へ出力する。
【0041】
インバータ20は、制御装置60からの信号PWM1に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ20は、エンジン4からの出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0042】
インバータ30は、制御装置60からの信号PWM2に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。また、インバータ30は、車両の回生制動時、車輪2からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0043】
ここで、車両の回生制動中に蓄電装置Bに充電されない回生電力がモータジェネレータMG2によって発電されると、インバータ20,30は、それぞれ制御装置60からの信号PWM1,PWM2に基づいて中性点N1,N2間に電圧を発生させる。すなわち、蓄電装置Bの最大充電電力を超える回生電力(以下、この超過電力を「余剰電力」とも称する。)が車両の回生制動時にモータジェネレータMG2によって発電されると、その余剰電力を中性点N1,N2間に接続された抵抗50で消費させるために、余剰電力に応じた電圧を中性点N1,N2間に発生させる。
【0044】
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、3相交流電動機であり、たとえばIPM(Interior Permanent Magnet)型3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン4と連結され、エンジン4の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ20へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン4の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、車両の車輪2と連結され、インバータ30から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ30へ出力する。
【0045】
リレー回路40のリレーRY1,RY2は、電力ラインDCL1,DCL2と抵抗50との接続/切離しを行なう。リレー回路40は、制御装置60から出力許可指令ENを受けるとリレーRY1,RY2をオンさせ、抵抗50を電力ラインDCL1,DCL2と電気的に接続する。
【0046】
抵抗50は、車両の回生制動時に余剰電力が発生したとき、モータジェネレータMG1,MG2の中性点N1,N2から電力ラインDCL1,DCL2を介して与えられる電力を消費する。抵抗50には、たとえばヒータなどを用いることができる。
【0047】
電流センサ80は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置60へ出力する。電流センサ82は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置60へ出力する。
【0048】
制御装置60は、図示されないECU(Electronic Control Unit)から出力されるモータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2、電圧センサ70からの電圧VBならびに電圧センサ72からの電圧VHに基づいて、昇圧コンバータ10を駆動するための信号PWCを生成し、その生成した信号PWCを昇圧コンバータ10へ出力する。
【0049】
また、制御装置60は、電圧VH、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1および電流センサ80からのモータ電流MCRT1に基づいて、モータジェネレータMG1を駆動するための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。さらに、制御装置60は、電圧VH、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2および電流センサ82からのモータ電流MCRT2に基づいて、モータジェネレータMG2を駆動するための信号PWM2を生成し、その生成した信号PWM2をインバータ30へ出力する。
【0050】
また、さらに、制御装置60は、ブレーキスイッチ(図示せず、以下同じ。)から信号BSを受け、また、ブレーキペダルの操作量(踏込量)を検出するセンサ(図示せず、以下同じ。)からブレーキペダルの操作量を示す信号BOPを受ける。制御装置60は、ブレーキペダルが運転者により操作されたことを示すH(論理ハイ)レベルの信号BSを受けると、モータジェネレータMG2による回生制動に伴なう回生発電により余剰電力が発生するか否かを判定する。そして、制御装置60は、余剰電力が発生すると判定すると、その余剰電力を抵抗50で消費するのに必要な電圧を中性点N1,N2間に発生させるための電圧指令を生成し、その電圧指令を用いてインバータ20,30に対する信号PWM1,PWM2を生成する。また、制御装置60は、Hレベルの信号BSを受けると、出力許可指令ENをリレー回路40へ出力する。
【0051】
図2は、図1に示したインバータ20,30およびモータジェネレータMG1,MG2のゼロ相等価回路を示した回路図である。図2を参照して、3相インバータであるインバータ20,30の各々においては、6個のnpn型トランジスタのオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧がゼロとなり、そのような電圧状態はゼロ電圧ベクトルと称される。ゼロ電圧ベクトルについては、上アームの3つのトランジスタは互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのトランジスタも互いに同じスイッチング状態とみなすことができるので、この図2では、インバータ20のnpn型トランジスタQ11,Q13,Q15は上アーム20Aとして総括的に示され、インバータ20のnpn型トランジスタQ12,Q14,Q16は下アーム20Bとして総括的に示されている。また、インバータ30のnpn型トランジスタQ21,Q23,Q25は上アーム30Aとして総括的に示され、インバータ30のnpn型トランジスタQ22,Q24,Q26は下アーム30Bとして総括的に示されている。
【0052】
このゼロ電圧ベクトルを用いて、インバータ20,30の各々において、対応するモータジェネレータのd軸電流およびq軸電流に変化を与えることなく、すなわちモータジェネレータのトルク制御に影響を与えることなく、対応する中性点の電位を制御することができる。
【0053】
そこで、車両の回生制動時に蓄電装置Bに充電されない余剰電力が発生したとき、インバータ20,30の各々のゼロ電圧ベクトルを用いて中性点N1,N2間に電圧差を発生させ、発生した余剰電力を中性点N1,N2間に接続された抵抗50によって消費させる。中性点N1,N2間に発生させる電圧差は、抵抗50の抵抗値を用いて余剰電力に応じて算出される。これにより、モータジェネレータMG2の回生トルク制御に影響を与えることなく、すなわちモータジェネレータMG2による回生制動力を保ちつつ、発生した余剰電力を過不足なく抵抗50で消費することができる。
【0054】
図3は、図1に示した制御装置60の機能ブロック図である。図3を参照して、制御装置60は、コンバータ制御部61と、第1のインバータ制御部62と、第2のインバータ制御部63と、余剰電力制御部64とを含む。コンバータ制御部61は、電圧センサ70からの電圧VB、電圧センサ72からの電圧VH、トルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2に基づいて、昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWCを生成し、その生成した信号PWCを昇圧コンバータ10へ出力する。
【0055】
第1のインバータ制御部62は、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1、モータ電流MCRT1およびモータ回転数MRN1、ならびに電圧VHに基づいて、インバータ20のnpn型トランジスタQ11〜Q16をオン/オフするための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。
【0056】
第2のインバータ制御部63は、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2、モータ電流MCRT2およびモータ回転数MRN2、ならびに電圧VHに基づいて、インバータ30のnpn型トランジスタQ21〜Q26をオン/オフするための信号PWM2を生成し、その生成した信号PWM2をインバータ30へ出力する。
【0057】
ここで、第1および第2のインバータ制御部62,63は、余剰電力に応じた電圧を中性点N1,N2間に生成するための電圧指令値を余剰電力制御部64から受けているとき、その電圧指令値に基づいてそれぞれインバータ20,30のゼロ電圧ベクトルを変化させて信号PWM1,PWM2を生成する。
【0058】
余剰電力制御部64は、ブレーキスイッチからの信号BS、ブレーキペダルの操作量を検出するセンサからの信号BOP、およびモータジェネレータMG2のモータ回転数MRN2に基づいて、モータジェネレータMG2による回生制動時に発生する余剰電力を算出し、その余剰電力と抵抗50の抵抗値とに基づいて、中性点N1,N2間に電圧を発生させるための電圧指令値を生成する。そして、余剰電力制御部64は、その生成した電圧指令値を第1および第2のインバータ制御部62,63へ出力する。また、余剰電力制御部64は、余剰電力が発生すると、出力許可指令ENをリレー回路40へ出力する。
【0059】
図4は、図3に示した第1および第2のインバータ制御部62,63ならびに余剰電力制御部64の詳細な機能ブロック図である。図4を参照して、第1のインバータ制御部62は、電流変換部102と、MG1電流指令演算部104と、PI制御部106,108と、変換部110と、PWM信号生成部114とから成る。
【0060】
電流変換部102は、モータジェネレータMG1のモータ回転数MRN1を用いて、電流センサ80によって検出されたU相電流Iu1およびV相電流Iv1をd軸電流Id1およびq軸電流Iq1に変換する。MG1電流指令演算部104は、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1に基づいて、d,q軸におけるモータジェネレータMG1の電流指令Id1r,Iq1rを算出する。
【0061】
PI制御部106は、電流変換部102からのd軸電流Id1とMG1電流指令演算部104からの電流指令Id1rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部110へ出力する。PI制御部108は、電流変換部102からのq軸電流Iq1とMG1電流指令演算部104からの電流指令Iq1rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部110へ出力する。
【0062】
変換部110は、モータ回転数MRN1を用いて、PI制御部106,108からそれぞれ受けるd,q軸上の電圧指令をモータジェネレータMG1のU,V,W各相電圧指令に変換する。
【0063】
PWM信号生成部114は、変換部110からのU,V,W各相電圧指令に余剰電力制御部64からの電圧指令値を重畳した電圧指令および電圧センサ72からの電圧VHに基づいて、インバータ20に対応するPWM信号Pu1,Pv1,Pw1を生成し、その生成したPWM信号Pu1,Pv1,Pw1を信号PWM1としてインバータ20へ出力する。
【0064】
なお、変換部110からのモータジェネレータMG1のU,V,W各相電圧指令に余剰電力制御部64からの電圧指令値を一律に重畳させることは、余剰電力制御部64からの電圧指令値に基づいてインバータ20のゼロ電圧ベクトルを変化させることに対応する。
【0065】
第2のインバータ制御部63は、電流変換部122と、MG2電流指令演算部124と、PI制御部126,128と、変換部130と、PWM信号生成部134とから成る。電流変換部122は、モータジェネレータMG2のモータ回転数MRN2を用いて、電流センサ82によって検出されたU相電流Iu2およびV相電流Iv2をd軸電流Id2およびq軸電流Iq2に変換する。MG2電流指令演算部124は、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2に基づいて、d,q軸におけるモータジェネレータMG2の電流指令Id2r,Iq2rを算出する。
【0066】
PI制御部126は、電流変換部122からのd軸電流Id2とMG2電流指令演算部124からの電流指令Id2rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部130へ出力する。PI制御部128は、電流変換部122からのq軸電流Iq2とMG2電流指令演算部124からの電流指令Iq2rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部130へ出力する。
【0067】
変換部130は、モータ回転数MRN2を用いて、PI制御部126,128からそれぞれ受けるd,q軸上の電圧指令をモータジェネレータMG2のU,V,W各相電圧指令に変換する。
【0068】
PWM信号生成部134は、変換部130からのモータジェネレータMG2の各相電圧指令に余剰電力制御部64からの電圧指令値を重畳した電圧指令および電圧VHに基づいて、インバータ30に対応するPWM信号Pu2,Pv2,Pw2を生成し、その生成したPWM信号Pu2,Pv2,Pw2を信号PWM2としてインバータ30へ出力する。
【0069】
なお、変換部130からのモータジェネレータMG2のU,V,W各相電圧指令に余剰電力制御部64からの電圧指令値を一律に重畳させることは、余剰電力制御部64からの電圧指令値に基づいてインバータ30のゼロ電圧ベクトルを変化させることに対応する。
【0070】
余剰電力制御部64は、指令演算部142と、乗算部144と、減算部146とから成る。指令演算部142は、信号BS,BOPおよびモータ回転数MRN2に基づいて、中性点N1,N2間に電圧を発生させるための電圧指令値VRを後述する方法により生成する。
【0071】
乗算部144は、指令演算部142からの電圧指令値VRをk倍(kは0以上1以下の定数)し、その演算結果を第1のインバータ制御部62へ出力する。減算部146は、乗算部144の出力値から電圧指令値VRを減算し、その演算結果を第2のインバータ制御部63へ出力する。
【0072】
すなわち、指令演算部142によって算出された電圧指令値VRは、k倍されて第1のインバータ制御部62へ出力され、−(1−k)倍されて第2のインバータ制御部63へ出力される。つまり、kは、電圧指令値VRに相当する電圧を中性点N1,N2間に生成する際のインバータ20,30の電圧負担率であって、kが0.5を超えるとインバータ20の電圧負担が大きくなり、kが0.5よりも小さいとインバータ30の電圧負担が大きくなる。
【0073】
なお、モータジェネレータMG2は、制動力を発生させるための回生トルク制御を行なっているので、中性点N1,N2間に電圧を生成するにあたってのインバータ30の電圧負担は小さい方が好ましい。一方、余剰電力が発生しているときはモータジェネレータMG1による発電は停止しているので、中性点N1,N2間に電圧を生成するにあたってのインバータ20の電圧負担は大きくても構わない。そこで、たとえばkを1とすることによって、中性点N1,N2間の電圧生成の負担を全てインバータ20に負わせてもよい。
【0074】
なお、余剰電力制御部64は、L(論理ロー)レベルの信号BSを受けているとき、または、余剰電力が発生していないときは、電圧指令値VRを0とする。したがって、余剰電力制御部64から第1および第2のインバータ制御部62,63へ出力される電圧指令値は0となる。
【0075】
図5は、図3,図4に示した余剰電力制御部64が行なう処理の制御構造を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとに制御装置60のメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0076】
図5を参照して、余剰電力制御部64は、信号BSに基づいてブレーキスイッチがONしたか否かを判定する(ステップS10)。余剰電力制御部64は、信号BSがLレベルであり、ブレーキスイッチがOFFしていると判定すると(ステップS10においてNO)、一連の処理を終了し、メインルーチンに処理が戻される。
【0077】
信号BSがHレベルであり、ステップS10においてブレーキスイッチがONしていると判定されると(ステップS10においてYES)、余剰電力制御部64は、ブレーキペダルの操作量を検出するセンサからの信号BOPに基づいて、モータジェネレータMG2が発生する回生制動トルクTGを算出する。そして、余剰電力制御部64は、その回生制動トルクTGにモータジェネレータMG2の回転数MRN2を乗じて、モータジェネレータMG2が発生する減速パワーWGを算出する(ステップS20)。なお、この減速パワーWGは、回生制動に伴なってモータジェネレータMG2が発電する回生電力に相当する。
【0078】
次いで、余剰電力制御部64は、蓄電装置Bの充電状態(State of Charge:SOC)および温度に基づいて蓄電装置Bの最大充電電力Winを算出する。この最大充電電力Winは、定性的には、蓄電装置BのSOCが低下しているときほど大きくなり、また、蓄電装置Bの温度が低下または上昇しているときほど小さくなる。そして、余剰電力制御部64は、その算出した蓄電装置Bの最大充電電力WinをステップS20において算出された減速パワーWGから減算して余剰電力ΔWを算出する(ステップS30)。
【0079】
余剰電力制御部64は、算出した余剰電力ΔWが0以下のときは(ステップS40においてNO)、余剰電力は発生しないと判断して一連の処理を終了し、メインルーチンに処理が戻される。
【0080】
一方、算出した余剰電力ΔWが0よりも大きいとき(ステップS40においてYES)、余剰電力制御部64は、余剰電力ΔWに応じて、中性点N1,N2間に発生させる電圧を算出する(ステップS50)。より具体的には、余剰電力制御部64は、余剰電力ΔWが抵抗50により全て消費されるものとして、抵抗50の抵抗値Rを用いて下式に基づき中性点N1,N2間に発生させる電圧Vを算出する。
【0081】
余剰電力ΔW=V2/R
そして、余剰電力制御部64は、上記の式に基づいて算出した電圧Vを電圧指令値VRとして第1および第2のインバータ制御部62,63へ出力するとともに(ステップS60)、リレー回路40へ出力許可指令ENを出力する(ステップS70)。
【0082】
以上のように、この実施の形態によれば、モータジェネレータMG1,MG2における中性点N1,N2間に抵抗50を接続し、ハイブリッド自動車100の回生制動時に発生する余剰電力ΔWが抵抗50で消費される。そして、発生する余剰電力ΔWに応じて中性点N1,N2間の電圧を制御するようにしたので、余剰電力ΔWに応じて抵抗50による電力消費量を連続的に制御することができる。したがって、抵抗50により余剰電力ΔWを過不足なく消費することができ、蓄電装置Bやインバータ20,30などへの悪影響を防止することができる。
【0083】
また、インバータ20,30のゼロ電圧ベクトルを制御して抵抗50に余剰電力ΔWを消費させるための電圧を生成するので、モータジェネレータMG2の回生トルク制御に影響を与えない。したがって、モータジェネレータMG2による制動力に影響を与えることなく、余剰電力ΔWを抵抗50で消費することができる。
【0084】
さらに、余剰電力ΔWを消費するための抵抗50に与える電圧を生成するための専用コンバータを別途備える必要がないので、車両の軽量化や小型化を阻害することはない。
【0085】
なお、上記の実施の形態においては、電動車両の一例としてエンジン4とモータジェネレータMG2を動力源とするハイブリッド自動車の場合について説明したが、この発明の適用範囲は、少なくとも2台のモータジェネレータを搭載した電気自動車や燃料電池自動車も含む。さらには、この発明は、一般に少なくとも2台のモータジェネレータを搭載した電動車両に適用可能である。この発明による電動車両が電気自動車または燃料電池自動車の場合、たとえば、モータジェネレータMG1,MG2は電気自動車または燃料電池自動車の駆動輪に連結される。
【0086】
また、上記の実施の形態においては、車輪2に連結されたモータジェネレータMG2により車両の制動時に回生発電が行なわれるものとしたが、たとえば、2台のモータジェネレータがともに車輪に連結された電動車両において、その2台のモータジェネレータにより車両の制動時に回生発電が行なわれてもよい。
【0087】
また、上記の実施の形態においては、抵抗50は、ヒータとしたが、その他の用途を有するものであってもよい。また、抵抗50に代えて、既知の抵抗値を有する車内負荷を用いてもよい。
【0088】
また、上記の実施の形態においては、ハイブリッド自動車100は、昇圧コンバータ10を備えるものとしたが、昇圧コンバータ10を備えないハイブリッド自動車100およびその他の電動車両においても、この発明は適用可能である。
【0089】
なお、上記において、モータジェネレータMG1,MG2は、それぞれこの発明における「第1の多相交流電動機」および「第2の多相交流電動機」に対応し、3相コイル12,14は、それぞれこの発明における「第1の多相巻線」および「第2の多相巻線」に対応する。また、抵抗50は、この発明における「電気負荷」に対応し、インバータ20,30、モータジェネレータMG1,MG2および制御装置60は、この発明における「電圧制御手段」を形成する。さらに、リレー回路40は、この発明における「接続部」に対応し、車輪2は、この発明における「駆動輪」に対応する。
【0090】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の実施の形態による電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【図2】図1に示すインバータおよびモータジェネレータのゼロ相等価回路を示した回路図である。
【図3】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図4】図3に示す第1および第2のインバータ制御部ならびに余剰電力制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図5】図3,図4に示す余剰電力制御部が行なう処理の制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
2 車輪、3 動力分配機構、4 エンジン、10 昇圧コンバータ、12,14 3相コイル、20,30 インバータ、20A,30A 上アーム、20B,30B 下アーム、22,32 U相アーム、24,34 V相アーム、26,36 W相アーム、40 リレー回路、50 抵抗、60 制御装置、61 コンバータ制御部、62 第1のインバータ制御部、63 第2のインバータ制御部、64 余剰電力制御部、70,72 電圧センサ、80,82 電流センサ、100 ハイブリッド自動車、102,122 電流変換部、104 MG1電流指令演算部、106,108,126,128 PI制御部、110,130 変換部、114,134 PWM信号生成部、124 MG2電流指令演算部、142 指令演算部、144 乗算部、146 減算部、B 蓄電装置、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2 電源ライン、SL 接地ライン、L リアクトル、Q1,Q2,Q11〜Q16,Q21〜Q26 npn型トランジスタ、D1,D2,D11〜D16,D21〜D26 ダイオード、MG1,MG2 モータジェネレータ、UL1,UL2 U相ライン、VL1,VL2 V相ライン、WL1,WL2 W相ライン、N1,N2 中性点、U1,U2 U相コイル、V1,V2 V相コイル、W1,W2 W相コイル、DCL1,DCL2 電力ライン、RY1,RY2 リレー。




 

 


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