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発明の名称 コイルの挿入方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89310(P2007−89310A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−275081(P2005−275081)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
発明者 杉嶌 栄 / 窪田 肇
要約 課題
相間絶縁紙を巻き込むことなくステータコアにコイルを挿入することができるコイルの挿入方法および装置を提供すること。

解決手段
コイル挿入装置10にて、ブレード治具21に引き掛けられたV相コイル70Vを挿入する際に、ステータコア110に組み付けられている相間絶縁紙120を相間絶縁紙開き部材51でスロット112の奥に引き込み、その相間絶縁紙120を相間絶縁紙押さえ部材31で保持する。そして、この状態のまま、ストリッパ25を上昇させてV相コイル70Vを押し上げてステータコア110のスロット112に挿入する。
特許請求の範囲
【請求項1】
ステータコアに形成されたスロットにコイルを挿入するコイルの挿入方法において、
前記スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアのセンタリングを行うとともに、前記スロットに装着されたスロット紙を広げる準備工程と、
前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に引き込んだ後、その相間絶縁紙を保持する相間絶縁紙処理工程と、
前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に保持した状態で次相コイルを前記スロットに挿入するコイル挿入工程と、を有することを特徴とするコイルの挿入方法。
【請求項2】
請求項1に記載するコイルの挿入装置において、
前記準備工程では、前記ステータコア内にセンタリングツールおよびアライメントスターを配置することにより、前記ステータコアのセンタリングおよび前記スロット紙の押し広げを行い、
前記相間絶縁紙処理工程では、前記ステータコアの上端部に相間絶縁紙引き込み手段を配置して前記相間絶縁紙を引き込み、前記ステータコアの下端部に相間絶縁紙保持手段を配置して前記相間絶縁紙を保持し、
前記コイル挿入工程では、次相コイルを引き掛けたブレード治具の先端を前記アライメントスターに連結した後、ストリッパを上昇させて前記次相コイルを押し上げて前記スロットに挿入することを特徴とするコイルの挿入方法。
【請求項3】
ステータコアに形成されたスロットにコイルを挿入するコイルの挿入装置において、
前記スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアをセンタリングするセンタリングツールと、
前記スロットに装着されたスロット紙を広げるアライメントスターと、
前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に引き込む相間絶縁紙引き込み手段と、
前記相間絶縁紙引き込み部によりスロットの奥に引き込まれた相間絶縁紙を保持する相間絶縁紙保持手段と、
次相コイルが引き掛けられるとともに前記アライメントスターに連結されるブレード治具と、
前記ブレード治具に引き掛けられた前記次相コイルを上昇させて前記スロットに挿入するストリッパと、を有することを特徴とするコイルの挿入装置。
【請求項4】
請求項3に記載するコイルの挿入装置において、
前記相間絶縁紙保持手段は、前記ステータコアの下端部で前記相間絶縁紙を保持する
ことを特徴とするコイルの挿入装置。
【請求項5】
請求項4に記載する相間絶縁紙の組み付け装置において、
前記相間絶縁紙保持手段に同期して移動して、前記次相コイルの径方向への広がりを抑制するコイル絞り手段が前記相間絶縁紙保持手段の下方に設けられていることを特徴とするコイルの挿入装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアのスロットにコイルを挿入するコイル挿入方法および装置に関する。さらに詳細には、ステータコアに組み付けられた相間絶縁紙を巻き込むことなくステータコアのスロットへコイルを挿入することができるコイルの挿入方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インサータ方式により、ステータコアに対してコイルおよび相間絶縁紙が順次組み付けられてステータが製造されている。例えば、三相ステータを製造する場合には、ステータコアにU相コイル、相間絶縁紙、V相コイル、相間絶縁紙、W相コイルの順で組み付けられる。ここで、ステータコアに挿入された相間絶縁紙は、スロット入口付近に位置しており、スロットの奥まで入れ込まれていない。このため、次相コイル(V相コイル、W相コイル)をステータコアに挿入する際に、相間絶縁紙を巻き込んでしまって相間絶縁紙が損傷するという問題があった。
【0003】
このため、次相コイルをステータコアに挿入する際に、相間絶縁紙を巻き込まないように相間絶縁紙をスロットの奥まで入れ込む技術の1つとして、例えば特開2004−364449号公報に開示されたものがある。ここに開示された技術では、インサータ方式により相間絶縁紙の連結脚部を所定のスロットの入口にセットした後、図11に示すように、相間絶縁紙120を拡張爪200によってスロットの奥まで移動させるようにしている。これにより、次相コイルの挿入時に相間絶縁紙がコイルに巻き込まれないようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−364449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した技術により、相間絶縁紙をスロットに挿入した後に、拡張爪200によってステータコアの奥まで移動させても、次相コイルを挿入する位置までステータコアが搬送される途中あるいは次相コイルを挿入する際に、相間絶縁紙の位置がずれてしまう、つまりスロット入口方向へ移動してしまうおそれがあった。なぜなら、拡張爪200によってスロットの奥まで移動させた相間絶縁紙がその位置で保持されていないからである。
そして、スロットの奥まで移動させた相間絶縁紙の位置がずれてしまうと、次相コイルを挿入する際にコイルが相間絶縁紙を巻き込んでしまい、相間絶縁紙が損傷して絶縁不良が発生する。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、相間絶縁紙を巻き込むことなくステータコアにコイルを挿入することができるコイルの挿入方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るコイルの挿入方法は、ステータコアに形成されたスロットにコイルを挿入するコイルの挿入方法において、前記スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアのセンタリングを行うとともに、前記スロットに装着されたスロット紙を広げる準備工程と、前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に引き込んだ後、その相間絶縁紙を保持する相関絶縁紙処理工程と、前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に保持した状態で次相コイルを前記スロットに挿入するコイル挿入工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
そして、本発明に係るコイルの挿入方法においては、前記準備工程では、前記ステータコア内にセンタリングツールおよびアライメントスターを配置することにより、前記ステータコアのセンタリングおよび前記スロット紙の押し広げを行い、前記相関絶縁紙処理工程では、前記ステータコアの上端部に相間絶縁紙引き込み手段を配置して前記相間絶縁紙を引き込み、前記ステータコアの下端部に相間絶縁紙保持手段を配置して前記相間絶縁紙を保持し、前記コイル挿入工程では、次相コイルを引き掛けたブレード治具の先端を前記アライメントスターに連結した後、ストリッパを上昇させて前記次相コイルを押し上げて前記スロットに挿入することが好ましい。
【0009】
本発明に係るコイルの挿入方法では、まず、スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアを、次相コイルを挿入する位置に配置する。そして、準備工程において、次相コイルの挿入位置に配置したステータコアをセンタリングするとともに、スロットに装着されたスロット紙を広げる。具体的には、ステータコア内にセンタリングツールおよびアライメントスターを配置して、ステータコアをセンタリングするとともにスロット紙を広げればよい。このように準備工程でステータコアのセンタリングおよびスロット紙を広げるのは、次相コイルのスロットへの挿入を正確かつスムーズに行うためである。なお、次相コイルとは、例えば、三相ステータであればV相コイルあるいはW相コイルが相当する。
【0010】
次いで、相間絶縁紙処理工程において、ステータコアに組み込まれた相間絶縁紙をスロットの奥に引き込み、その相間絶縁紙をスロットの奥に保持する。具体的には、ステータコアの上端部に相間絶縁紙引き込み手段を配置してスロットの奥に相間絶縁紙を引き込み、ステータコアの下端部に相間絶縁紙保持手段を配置して相間絶縁紙を保持すればよい。
そして、コイル挿入工程において、相間絶縁紙をスロットの奥に保持した状態で次相コイルをスロットに挿入する。具体的には、次相コイルを引き掛けたブレード治具の先端をアライメントスターに連結した後、ストリッパを上昇させて次相コイルを押し上げてスロットに挿入すればよい。
【0011】
このように、本発明のコイルの挿入方法では、次相コイルがスロットに挿入される際に、既にステータコアに組み付けられた相間絶縁紙がスロットの奥に保持されているため、次相コイルが相間絶縁紙を巻き込むことを防止することができる。これにより、次相コイルの挿入時に相間絶縁紙が損傷することがないので、絶縁不良が発生することがない。
【0012】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るコイルの挿入装置は、ステータコアに形成されたスロットにコイルを挿入するコイルの挿入装置において、前記スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアをセンタリングするセンタリングツールと、前記スロットに装着されたスロット紙を広げるアライメントスターと、前記相間絶縁紙を前記スロットの奥に引き込む相間絶縁紙引き込み手段と、前記相間絶縁紙引き込み部によりスロットの奥に引き込まれた相間絶縁紙を保持する相間絶縁紙保持手段と、次相コイルが引き掛けられるとともに前記アライメントスターに連結されるブレード治具と、前記ブレード治具に引き掛けられた前記次相コイルを上昇させて前記スロットに挿入するストリッパと、を有することを特徴とする。
【0013】
このコイルの挿入装置では、スロットにコイルおよび相間絶縁紙が既に挿入されたステータコアが次相コイルを挿入する位置に配置されると、センタリングツールによりステータコアがセンタリングされる。また、アライメントスターによりステータコアのスロットに装着されたスロット紙が広げられる。次いで、相間絶縁紙引き込み手段により、ステータコアに組み込まれた相間絶縁紙がスロットの奥に引き込まれる。そして、相間絶縁紙保持手段により、スロットの奥に引き込まれた相間絶縁紙がその位置に保持される。その後、相間絶縁紙がスロットの奥に保持された状態で、ブレード治具に引き掛けられた次相コイルがストリッパにより押し上げられスロットに挿入される。
【0014】
このように、本発明のコイルの挿入装置では、次相コイルがスロットに挿入される際に、既にステータコアに組み付けられた相間絶縁紙がスロットの奥に保持されているため、次相コイルが相間絶縁紙を巻き込むことを防止することができる。これにより、次相コイルの挿入時に相間絶縁紙が損傷することがないので、絶縁不良が発生することがない。
【0015】
本発明に係るコイルの挿入装置においては、前記相間絶縁紙保持手段は、前記ステータコアの下端部で前記相間絶縁紙を保持することが望ましい。
【0016】
次相コイルはステータコアの下方からストリッパにより押し上げられてスロットに挿入されるため、相間絶縁紙のうちステータコアの下端部に位置する部分がコイルに巻き込まれるおそれがある。このため、ステータコアの下端部で相間絶縁紙を保持することにより、コイル挿入時に巻き込まれるおそれがある相間絶縁紙の部分をスロットの奥に保持することができる。これにより、次相コイル挿入時にコイルが相間絶縁紙を巻き込むことを確実に防止することができる。
【0017】
また、本発明に係るコイルの挿入装置においては、前記相間絶縁紙保持手段に同期して移動して、前記次相コイルの径方向への広がりを抑制するコイル絞り手段が前記相間絶縁紙保持手段の下方に設けられていることが望ましい。
【0018】
次相コイルを挿入する際に次相コイルが径方向に広がっていると、相間絶縁紙保持手段に引っ掛かり損傷するおそれがある。そこで、このようなコイル絞り手段を設けることにより、次相コイルを挿入する際に、次相コイルの径方向への広がりが抑制されながらストリッパにより押し上げられる。これにより、次相コイルが相間絶縁紙保持手段に引っ掛かることを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るコイルの挿入方法及び装置によれば、上記した通り、ステータコアに組み付けられた相間絶縁紙を巻き込むことなく次相コイルをステータコアの所定のスロットに挿入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明のコイルの挿入方法および装置を具体化した最も好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、三相ブラシレスDCモータに使用するステータを製造する際に本発明を適用した場合について説明する。
【0021】
まず、コイルおよび相間絶縁紙が組み付けられるステータコアについて、図1を参照しながら説明する。図1は、スタータコアの概略構成を示す斜視図である。ステータコア110は、図1に示すように、平面視リング状で、径方向内側に向かって延びる48ヶのティース111、および、これらのティース111同士の間に位置する同じく48ヶのスロット112を有している。このステータコア110は、例えば方向性珪素鋼板をプレス打ち抜きして形成した鋼板を積み重ね互いに固着して構成されている。
【0022】
次に、上記したステータコア110に組み付ける相間絶縁紙について、図2を参照しながら説明する。図2は、相間絶縁紙の概略構成を示す平面図である。この相間絶縁紙120は、図2に示すように、中央部分が略長方形状に切り抜かれた略四角形の形状をなし、硬質な紙又は樹脂により形成されたものである。そして、相間絶縁紙120においては、その上下に帯状部121,122がそれぞれ形成されている。これら帯状部121,122には、折り曲げ成形された凸部121a,122aが備わっている。そして、帯状部121,122は、相間絶縁紙120の両端で連結脚部123,123により連結されて一体となっている。すなわち、相間絶縁紙120がステータコア110に組み付けられると、帯状部121,122がステータコア110の両端面から突出するような両端面一体型(はしご型)の形状をなしている。そして、相間絶縁紙120は、連結脚部123がステータコア110の所定のスロット112に挿入されることによりステータコア110に組み付けられる。
【0023】
次いで、上記したステータコアに組み付けられるコイルについて、図3を参照しながら説明する。図3は、ステータコアに組み付けるコイルが形成される状態を示す説明図である。ステータコア110に組み付けられる各相コイル70は、図3に示すように、巻線装置130を用い、図示しないフライヤによって、エナメル線71を巻枠131に巻き付けて略長円形状に成形される。
【0024】
ここで、巻枠131は、位置が固定された固定側巻枠131Fと、図中二点鎖線で示すように、平行移動可能な移動側巻枠131Mとを有している。さらに、移動側巻枠131Mは、図中下方ほど幅太となる六段の段差形状を有している。そして、エナメル線71を図示するように、固定側巻枠131Fと移動側巻枠131Mとの間で、この移動側巻枠131Mの各段に1ターンずつ巻き付けられるようにして巻回する。その後、移動側巻枠131Mを固定側巻枠131Fに近づけるよう(図中右側)に移動させ、巻回されたエナメル線71を矢印に示すように下方に落とすことで、各相コイル70が得られる。このようにして成形された各相コイル70は、図中下側に位置する巻線部分ほど、その周長が長くされている。
【0025】
続いて、本実施の形態に係るコイル挿入装置について、図4および図5を参照しながら説明する。図4は、コイル挿入装置の概略構成を示す側面図である。図5は、コイル挿入装置の主要部を示す図である。
本実施の形態に係るコイル挿入装置10には、ベース11上にアッパーツール20と、相間絶縁紙保持部30と、パレットリフト部40と、相間絶縁紙引き込み部50と、アライメント部60とが備わっている。
【0026】
アッパーツール20は、コイル70(V相コイル70V)をステータコア110のスロット112に挿入するための治具である。アッパーツール20は、ベース11上に形成された搬送レール上をスライドして巻線装置130とコイル挿入装置10との間を往復運動するようになっている。これにより、アッパーツール20を利用して巻線装置130で形成されたコイル70をステータコア110のスロット112に挿入することができる。
【0027】
このアッパーツール20には、図5および図6に示すように、ブレード治具21とストリッパ25とが備わっている。なお、図6は、アッパーツールの概略構成を示す平面図である。ブレード治具21には、環状に配置された固定ブレード22と、固定ブレード22間に配置された可動ブレード23と、それらのブレード22,23の外側に位置するコアガイド24とが備わっている。そして、固定ブレード22と可動ブレード23との間に巻線装置130からコイル70が落とし込まれるようになっている。コアガイド24は、その先端でステータコア110を保持するようになっている。そして、ブレード22,23の先端部は、コイル挿入時に後述するアライメントスター62に連結されるようになっている。なお、可動ブレード23は、ストリッパ25の上下動に連動して上下に動くようになっている。
【0028】
アッパーツール20に備わるストリッパ25は、固定ブレード22と可動ブレード23との間に引き掛けられたコイル70を押し上げてステータコア110のスロット112に組み付けるためのものである。このストリッパ25には、略円柱状の本体部26と、本体部26から径方向に突設され、固定ブレード22と可動ブレード23との間に挿入される押上げブレード部27とが備わっている。このストリッパ25は、上下方向へ移動可能となっている。そして、ストリッパ25を上昇させると、固定ブレード22と可動ブレード23との間に引き掛けられたコイル70が押し上げブレード部27によって押し上げられ、コイル70が固定ブレード22の先端を乗り越えることによりステータコア110の所定のスロット112に挿入されるようになっている。
【0029】
相間絶縁紙保持部30は、ステータコア110に組み付けられた相間絶縁紙120を保持するものであり、上下方向に移動可能になっている。相間絶縁紙保持部30には、相間絶縁紙押さえ部材31と、コイル絞り部材32とが備わっている。相間絶縁紙押さえ部材31は、後述する相間絶縁紙開き部材51によってスロット112の奥に引き込まれた相間絶縁紙120がスロット入口方向へ移動しないように保持するものである。この相間絶縁紙押さえ部材31は、円周上にほぼ等間隔に8個設けられている。
また、コイル絞り部材32は、コイル挿入時にブレード治具21に引き掛けられたコイル70の径方向への広がりを抑制するものである。コイル絞り部材32は相間絶縁紙押さえ部材31に連動して移動するようになっている。そして、コイル絞り部材32は、円周上にほぼ等間隔に8個設けられている。
【0030】
パレットリフト部40は、ステータコア110を搬送するための搬送パレット41を上下方向に移動させるものである。このパレットリフト部40により、ステータコア110が搬送パレット41とともにコイル挿入装置10において上下動するようになっている。
【0031】
相間絶縁紙引き込み部50は、ステータコア110に組み付けられた相間絶縁紙120をスロット112の奥へ移動させるものである。この相間絶縁紙引き込み部50には、図7に示すように、8個の相間絶縁紙開き部材51がほぼ等間隔で円周上に設けられている。図7は、相間絶縁紙開き部材の配置位置および動作を説明するための説明図である。これら相間絶縁紙開き部材51は、アクチュエータ52によりステータ径方向に移動可能になっている。これにより、相間絶縁紙引き込み部50では、相間絶縁紙開き部材51を移動させてステータコア110に組み付けられた相間絶縁紙110をスロット112の奥に移動させることができるようになっている。なお、相間絶縁紙引き込み部50は上下方向に移動可能になっている。
【0032】
アライメント部60は、搬送パレット41によりコイル挿入装置10に搬送されてきたステータコア110をセンタリングするとともに、ステータコア110のスロット112に装着されたスロット紙を広げるものである。このアライメント部60には、ステータコア110内に進入してステータコア110をセンタリングするセンタリングツール61と、スロット112に装着されたスロット紙を押し広げるアライメントスター62とが備わっており、上下方向に移動可能となっている。そして、センタリングツール61とアライメントスター62とはボルトにより締結されて一体化されている。
【0033】
次に、上記した構成を有するコイル挿入装置によるコイル挿入方法について、図5〜図10を参照しながら説明する。ここでは、V相コイル70Vをステータコア110のスロット112に挿入する場合について説明する。従って、ステータコア110にはU相コイルと70Uおよび相間絶縁紙120が既に組み付けられている。なお、図8は、ステータコアをセンタリングしてスロット紙を広げた状態を示す説明図である。図9は、ステータコアを下降させてアライメントスターとブレード治具を連結した状態を示す説明図である。図10は、ストリッパを上昇させてスロットにV相コイルを挿入した状態を示す説明図である。
【0034】
まず、図5に示すように、U相コイル70Uおよび相間絶縁紙120が組み付けられたステータコア110が搬送パレット41によってコイル挿入装置10に搬送され、搬送パレット41がパレットリフト部40にセットされる。これで、ステータコア110がコイル挿入位置に配置される。また、巻線装置130により形成されたV相コイル70Vが落とし込まれたアッパーツール20が、ベース11上の搬送レールをスライドしてコイル挿入位置に配置される。
【0035】
次いで、図8に示すように、アライメント部60が下降して、センタリングツール61およびアライメントスター62がステータコア110内に挿入される。これにより、ステータコア110がセンタリングされるとともに、スロット112に装着されたスロット紙が押し広げられる。
また、相間絶縁紙開き部材51の先端がステータコア110の上端面付近に位置するまで相間絶縁紙引き込み部50が下降する。このとき、相間絶縁紙開き部材51は、図7に破線で示すように、ティース111の先端付近に位置している。そして、図7に示すように、相間絶縁紙開き部材51が径外方向に移動して相間絶縁紙120をスロット112の奥まで引き込む。その後、相間絶縁紙保持部30が上昇して、相間絶縁紙押さえ部材31がスロット112の奥に引き込まれた相間絶縁紙120を保持する。
【0036】
次に、図9に示すように、相間絶縁紙保持部30、搬送パレット41、相間絶縁紙引き込み部50、およびアライメント部60が同時に下降する。これにより、アライメントスター62とブレード治具21の先端が連結する。そして、コアガイド24の先端がステータコア110の下端面に当接すると、相間絶縁紙保持部30、搬送パレット41、相間絶縁紙引き込み部50、およびアライメント部60が停止する。このように、ステータコア110が移動(下降)する際、相間絶縁紙120は相間絶縁紙保持部30および相間絶縁紙引き込み部50によってしっかりとスロット112の奥に保持されている。
【0037】
この状態から、ストリッパ25が上昇する。このストリッパ25の上昇に伴い、固定ブレード22と可動ブレード23との間に引き掛けられたV相コイル70Vが押し上げられる。ここで、V相コイル70Vは径方向に広がっているため、相間絶縁紙押さえ部材31に引っ掛かるおそれがある。しかしながら、本実施の形態に係るコイル挿入装置10には、相間絶縁紙押さえ部材31の下方にコイル絞り部材32が設けられている。このため、ストリッパ25により押し上げられるV相コイル70Vは、コイル絞り部材32によって径方向への広がりが抑制される。従って、ストリッパ25により押し上げられるV相コイル70Vが相間絶縁紙保持部材31に引っ掛かることが確実に防止される。
【0038】
そして、ストリッパ25により押し上げられたV相コイル70Vがスロット32に対して挿入側(図9中下側)から徐々に挿入されていく。さらに、ストリッパ25が上昇すると、V相コイル70Vがさらに上昇して、固定ブレード22の先端を乗り越えて、図10に示すように、V相コイル70Vがスロット112に挿入される。このように、コイル挿入装置10では、ステータコア110に既に組み付けられている相間絶縁紙120がスロット112の奥に引き込まれて保持された状態で、V相コイル70Vがステータコア110のスロット112に挿入される。このため、相間絶縁紙120を巻き込むことなくV相コイル70Vをステータコア110のスロット112に挿入することができる。
【0039】
以上、詳細に説明したように本実施の形態にコイル挿入装置10によるコイル挿入方法では、ブレード治具21に引き掛けられたV相コイル70Vを挿入する際に、ステータコア110に組み付けられている相間絶縁紙120を相間絶縁紙開き部材51でスロット112の奥に引き込み、その相間絶縁紙120を相間絶縁紙押さえ部材31で保持する。そして、この状態のまま、ストリッパ25を上昇させてV相コイル70Vを押し上げてステータコア110のスロット112に挿入する。このため、V相コイル70Vをスロット112に挿入する際に、V相コイル70Vが相間絶縁紙120を巻き込むことを確実に防止することができる。
【0040】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。上記した実施の形態では、三相ブラシレスDCモータに使用されるステータに対し本発明を適用した場合を例示したが、本発明は三相ブラシレスDCモータに使用されるステータに限られることなく、インサータ方式によりコイルが挿入されて製造されるステータであれば適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ステータコアの概略構成を示す斜視図である。
【図2】相間絶縁紙の概略構成を示す平面図である。
【図3】ステータコアに組み付けるコイルが形成される状態を示す説明図である。
【図4】コイル挿入装置の概略構成を示す側面図である。
【図5】コイル挿入装置の主要部を示す図である。
【図6】アッパーツールの概略構成を示す平面図である。
【図7】相間絶縁紙開き部材の配置位置および動作を説明するための説明図である。
【図8】ステータコアをセンタリングしてスロット紙を広げた状態を示す説明図である。
【図9】ステータコアを下降させてアライメントスターとブレード治具を連結した状態を示す説明図である。
【図10】ストリッパを上昇させてスロットにV相コイルを挿入した状態を示す説明図である。
【図11】ステータコアに相間絶縁紙を組み付けたときに拡張爪により相間絶縁紙をスロットの奥に移動させる従来技術を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 コイル挿入装置
15 ストリッパ
20 アッパーツール
21 ブレード治具
25 ストリッパ
30 相間絶縁紙保持部
31 相間絶縁紙押さえ部材
32 コイル絞り部材
40 パレットリフト部
41 搬送パレット
50 相間絶縁紙引き込み部
51 相間絶縁紙開き部材
60 アライメント部
61 センタリングツール
62 アライメントスター
70 コイル
70U U相コイル
70V V相コイル
110 ステータコア
112 スロット
120 相間絶縁紙
130 巻線装置




 

 


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