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発明の名称 モータ駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89264(P2007−89264A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−272340(P2005−272340)
出願日 平成17年9月20日(2005.9.20)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 吉田 寛史 / 茂刈 武志 / 金田 直哉 / 鈴木 崇広
要約 課題
二次電池およびキャパシタを電源とするモータ駆動装置において、突入電流の発生を確実に防止する。

解決手段
制御装置30は、車両システム起動開始前において、キャパシタC0の端子間電圧Vcがシステム電圧Vmと略同じとなるように電圧制御を行なう。キャパシタC0が過放電状態のとき、制御装置30は、バッテリBの電力を用いてモータジェネレータMG1を駆動してエンジンENGを始動させた後、所望のエンジン回転数でエンジンENGを駆動する。そして、エンジンENGの駆動力でモータジェネレータMG1に逆起電圧を発生させると、モータジェネレータMG1の中性点から単相交流出力電圧を取り出し、システムリレーSRP1,SRP2を介してキャパシタC0に供給する。キャパシタC0が過放電状態から脱すると、制御装置30は逆起電圧の多相交流出力電圧を用いてキャパシタC0を継続して充電する。
特許請求の範囲
【請求項1】
電源線へ直流電力を供給可能に設けられた直流電源と、
前記電源線と多相モータとの間に設けられ、前記多相モータを駆動制御するための電力変換を行なう駆動回路と、
前記電源線に、第1の開閉手段を介して接続された蓄電装置と、
前記多相モータにより始動され、始動後において前記多相モータを回転させ、回転数に応じた逆起電圧を発生させる逆起電圧発生手段と、
前記第1の開閉手段が開状態のとき、前記蓄電装置の電源電圧を前記電源線の電圧と略同じとなるように制御する電圧制御手段とを備え、
前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が所定の電圧以下となるとき、前記多相モータの逆起電圧の単相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成して前記蓄電装置に供給する、モータ駆動装置。
【請求項2】
前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧以下となるとき、前記多相モータの中性点から取り出した前記単相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成する、請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
前記蓄電装置は、第2の開閉手段を介して前記多相モータの中性点に接続され、
前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧以下となるとき、前記単相交流出力電圧から生成した電圧と前記蓄電装置の電源電圧との電圧差が所定のしきい値よりも小さいことに応じて、前記第2の開閉手段を閉状態とし、前記蓄電装置と前記多相モータの中性点とを電気的に接続する、請求項2に記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧よりも高く、かつ、前記電源線の電圧よりも低いとき、前記第1の開閉手段を閉状態とし、かつ、前記第2の開閉手段を開状態として、前記多相モータの逆起電圧の多相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成して前記蓄電装置に供給する、請求項3に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
前記逆起電圧発生手段は、車両に搭載された内燃機関であり、
前記内燃機関は、所定の回転数で回転して前記多相モータを回転させ、前記所定の回転数に応じた逆起電圧を前記多相モータに発生させる、請求項4に記載のモータ駆動装置。
【請求項6】
前記電圧制御手段は、前記車両の起動指示を受けると、前記蓄電装置の電源電圧が前記電源線の電圧と略同じとなったことに応じて、前記車両を起動させる、請求項5に記載のモータ駆動装置。
【請求項7】
前記直流電源と前記電源線との間で直流電圧を変換する電圧変換回路をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータを駆動するモータ駆動装置に関し、特に、二次電池とキャパシタとを電源として備えたモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、環境に配慮した自動車として、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源によって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
【0003】
また、電気自動車は、インバータを介して直流電源によって駆動されるモータを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、車両を適切に走行させつつエネルギー効率を向上させるためには、そのモータに対する負荷に応じた電力を供給し、回生時は効率良くエネルギーを回収することが求められる。
【0005】
このような要求に対応するために、たとえば特許文献1には、モータの電力供給源として、バッテリと大容量コンデンサ(電気二重層キャパシタ)とを備え、走行状態に応じてこれらの電力供給源とモータとの接続状態を切換える切換手段を有することを特徴とする電気自動車用電源装置が開示される。
【特許文献1】特開平7−231511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、電気二重層キャパシタにおいては、蓄電エネルギーはキャパシタの電圧の2乗に比例する。すなわち、電気二重層キャパシタを直流電源として使用した場合、消費エネルギーの増大に応じてキャパシタの電圧は低下する。過放電状態に至っては、電気二重層キャパシタの電圧はほぼ零近くになってしまう。
【0007】
したがって、上記の電気自動車用電源装置において、電気二重層キャパシタが過放電状態となって、キャパシタの電圧がほぼ零状態に至ったときには、システム電圧(モータに電力を供給する電源線の電圧に相当)との電圧差によって、電気二重層キャパシタに過大な電流(突入電流)が流れ込むおそれがある。特に、電気二重層キャパシタに瞬時に過大な突入電流が流れた場合、キャパシタ内部が加熱されて損傷する可能性がある。さらに、リレーの接点が溶着するという問題も起こり得る。
【0008】
それゆえ、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、突入電流から構成部品が保護され、信頼度の高いモータ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、モータ駆動装置は、電源線へ直流電力を供給可能に設けられた直流電源と、前記電源線と多相モータとの間に設けられ、前記多相モータを駆動制御するための電力変換を行なう駆動回路と、前記電源線に、第1の開閉手段を介して接続された蓄電装置と、前記多相モータにより始動され、始動後において前記多相モータを回転させ、回転数に応じた逆起電圧を発生させる逆起電圧発生手段と、前記第1の開閉手段が開状態のとき、前記蓄電装置の電源電圧を前記電源線の電圧と略同じとなるように制御する電圧制御手段とを備える。前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が所定の電圧以下となるとき、前記多相モータの逆起電圧の単相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成して前記蓄電装置に供給する。
【0010】
上記のモータ駆動装置によれば、蓄電装置と電源線との電圧差が解消されることから、前記開閉手段を閉状態としたときの突入電流の発生を防止でき、構成部品を保護することができる。特に、蓄電装置が過放電状態にあるときには、蓄電装置への供給電圧を制限して充電が行なわれることから、確実に突入電流を防止することができる。その結果、信頼度の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0011】
好ましくは、前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧以下となるとき、前記多相モータの中性点から取り出した前記単相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成する。
【0012】
上記のモータ駆動装置によれば、蓄電装置が過放電状態にあるときは、多相モータの中性点から逆起電圧の単相交流出力電圧を取り出し、単相交流出力電圧から蓄電装置を充電するための電圧を生成することで、容易に突入電流の発生を防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記蓄電装置は、第2の開閉手段を介して前記多相モータの中性点に接続される。前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧以下となるとき、前記単相交流出力電圧から生成した電圧と前記蓄電装置の電源電圧との電圧差が所定のしきい値よりも小さいことに応じて、前記第2の開閉手段を閉状態とし、前記蓄電装置と前記多相モータの中性点とを電気的に接続する。
【0014】
上記のモータ駆動装置によれば、単相交流出力電圧から生成した蓄電装置を充電するための電圧は、蓄電装置との電圧差が小さいことに応じて蓄電装置に供給が開始されることから、突入電流を確実に防止することができる。
【0015】
好ましくは、前記電圧制御手段は、前記蓄電装置の電源電圧が前記所定の電圧よりも高く、かつ、前記電源線の電圧よりも低いとき、前記第1の開閉手段を閉状態とし、かつ、前記第2の開閉手段を開状態として、前記多相モータの逆起電圧の多相交流出力電圧から前記蓄電装置を充電するための電圧を生成して前記蓄電装置に供給する。
【0016】
上記のモータ駆動装置によれば、蓄電装置が過放電状態から脱したときには、多相モータの逆起電圧の多相交流出力電圧から生成した電圧で蓄電装置を充電することによって、突入電流を回避しながら、迅速に蓄電装置を充電することができる。
【0017】
好ましくは、前記逆起電圧発生手段は、車両に搭載された内燃機関である。前記内燃機関は、所定の回転数で回転して前記多相モータを回転させ、前記所定の回転数に応じた逆起電圧を前記多相モータに発生させる。
【0018】
上記のモータ駆動装置によれば、内燃機関の回転数を制御することで、多相モータに所望の逆起電圧を発生させることができる。
【0019】
好ましくは、車両の起動指示を受けると、蓄電装置の電源電圧が電源線の電圧と略同じとなったことに応じて、車両を起動させる。
【0020】
上記のモータ駆動装置によれば、蓄電装置と電源線との電圧差が解消されたことに応じて車両が起動されるため、車両システムの起動時に突入電流が発生するのを防止することができる。
【0021】
好ましくは、モータ駆動装置は、直流電源と電源線との間で直流電圧を変換する電圧変換回路をさらに備える。
【0022】
上記のモータ駆動装置によれば、突入電流の発生を確実に防止できるため、直流電源および蓄電装置を電源とし、高い信頼性とエネルギー効率とを備えるモータ駆動装置を構築することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、蓄電装置と電源線との電圧差をなくすように電圧制御することにより、蓄電装置が過放電状態においても突入電流の発生を確実に防止することができる。その結果、信頼度の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
図1は、この発明の実施の形態に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置100は、バッテリBと、昇圧コンバータ12と、蓄電用のキャパシタC0と、平滑用のコンデンサC1,C2と、インバータ14,31と、電圧センサ10,20,22と、電流センサ24,28と、システムリレーSRB1,SRB2,SRC1,SRC2,SRP1,SRP2,SRU,SRV,SRWと、制御装置30とを備える。
【0026】
モータジェネレータMG1,MG2は、発電機としても電動機としても機能し得るが、以下に示すように、モータジェネレータMG1は、主として発電機として動作し、モータジェネレータMG2は、主として電動機として動作する。
【0027】
詳細には、モータジェネレータMG1は、三相交流回転機であり、加速時において、図示しないエンジンENGを始動する始動機として用いられる。このとき、モータジェネレータMG1は、バッテリBからの電力の供給を受けて電動機として駆動し、エンジンENGをクランキングして始動する。
【0028】
さらに、エンジンENGの始動後において、モータジェネレータMG1は、動力分割機構50を介して伝達されたエンジンENGの駆動力によって回転されて発電する。
【0029】
モータジェネレータMG1の発電した電力は、車両の運転状態やキャパシタC0の蓄電エネルギーおよびバッテリBの充電量によって使い分けられる。たとえば、通常走行時や急加速時においては、モータジェネレータMG1の発電した電力は、そのままモータジェネレータMG2を駆動させる電力となる。一方、キャパシタC0の蓄電エネルギーまたはバッテリBの充電量が所定の値よりも低いときには、モータジェネレータMG1の発電した電力は、インバータ14によって交流電力から直流電力に変換されて、キャパシタC0またはバッテリBに蓄えられる。
【0030】
モータジェネレータMG2は、三相交流回転機であり、バッテリBおよびキャパシタC0に蓄えられた電力およびモータジェネレータMG1が発電した電力の少なくとも一方によって駆動される。モータジェネレータMG2の駆動力は、減速機を介して車輪の駆動軸に伝達される。これにより、モータジェネレータMG2は、エンジンENGをアシストして車両を走行させたり、自己の駆動力のみによって車両を走行させたりする。
【0031】
また、車両の回生制動時には、モータジェネレータMG2は、減速機を介して車輪により回転されて発電機として動作する。このとき、モータジェネレータMG2により発電された回生電力は、インバータ31を介してキャパシタC0およびバッテリBに充電される。
【0032】
システムリレーSRB1は、バッテリBの正極と昇圧コンバータ12との間に接続される。システムリレーSRB2は、バッテリBの負極と昇圧コンバータ12との間に接続される。
【0033】
システムリレーSRB1,SRB2は、制御装置30からの信号SEBによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSRB1,SRB2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEBによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEBによりオフされる。
【0034】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインLN1とアースラインLN2との間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインLN1に接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインLN2に接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
【0035】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインLN1とアースラインLN2との間に並列に設けられる。
【0036】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0037】
各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG1は、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点N1に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0038】
インバータ31は、インバータ14と同様の構成から成る。
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。他にも、バッテリBは、燃料電池であっても良い。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
【0039】
コンデンサC1は、バッテリBから供給された直流電圧Vbを平滑化し、その平滑化した直流電圧Vbを昇圧コンバータ12へ供給する。
【0040】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、信号PWMCによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧Vbを昇圧してコンデンサC2に供給する。
【0041】
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWMCを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14および/またはインバータ31から供給された直流電圧を降圧してバッテリBを充電する。
【0042】
キャパシタC0は、たとえば電気二重層キャパシタからなり、電源ラインとアースラインに対して、バッテリBと並列に接続される。電源ラインLN1およびアースラインLN2とキャパシタC0との間は、システムリレーSRC1,SRC2によってそれぞれ電気的に結合/分離される。
【0043】
システムリレーSRC1は、昇圧コンバータ12とキャパシタC0の正電極との間に接続される。システムリレーSRC2は、昇圧コンバータ12とキャパシタC0の負電極との間に接続される。
【0044】
システムリレーSRC1,SRC2は、制御装置30からの信号SECによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSRC1,SRC2は、制御装置30からのHレベルの信号SECによりオンされ、制御装置30からのLレベルの信号SECによりオフされる。
【0045】
電圧センサ22は、キャパシタC0の両端の電圧Vcを検出し、その検出した電圧Vcを制御装置30へ出力する。
【0046】
この発明において、キャパシタC0は、さらに、システムリレーSRP1,SRP2によってモータジェネレータMG1の中性点N1と電気的に結合/分離される。
【0047】
詳細には、システムリレーSRP1は、キャパシタC0の正極とモータジェネレータMG1のW相コイルとの間に、後述するダイオードD9およびシステムリレーSRWを介して接続される。システムリレーSRP2は、キャパシタC0の負極とモータジェネレータMG1の中性点N1との間に接続される。
【0048】
システムリレーSRP1,SRP2は、制御装置30からの信号SEPによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSRP1,SRP2は、制御装置30からのHレベルの信号SEPによりオンされ、制御装置30からのLレベルの信号SEPによりオフされる。
【0049】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14,31へ供給する。電圧センサ20は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧Vm(インバータ14,31への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した出力電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0050】
インバータ14は、コンデンサC2を介して昇圧コンバータ12またはキャパシタC0から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG1を駆動する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1に従ったトルクを発生するように駆動される。
【0051】
また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介してキャパシタC0または昇圧コンバータ12へ供給する。なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0052】
インバータ31は、コンデンサC2を介して昇圧コンバータ12またはキャパシタC0から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータMG2を駆動する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように駆動される。
【0053】
また、インバータ31は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介してキャパシタC0または昇圧コンバータ12へ供給する。
【0054】
電流センサ24は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30へ出力する。電流センサ28は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30へ出力する。
【0055】
ここで、モータジェネレータMG1においては、U,V,W相の各相コイルの他端と各相アーム15,16,17の中間点との間に、システムリレーSRU,SRV,SRWがそれぞれ接続される。
【0056】
より具体的には、システムリレーSRUは、U相コイルの他端とNPNトランジスタQ3,Q4の中間点との間に接続される。システムリレーSRVは、V相コイルの他端とNPNトランジスタQ5,Q6の中間点との間に接続される。システムリレーSRWは、W相コイルの他端とNPNトランジスタQ7,Q8の中間点との間に接続される。
【0057】
なお、3つのシステムリレーSRU,SRV,SRWのうち、システムリレーSRWのみは、制御装置30からの信号SEMに応じて、W相コイルの他端を、NPNトランジスタQ7,Q8の中間点およびダイオードD9の陽極のいずれか一方に選択的に結合する。詳細には、システムリレーSRWは、制御装置30からのHレベルの信号SEMによりW相コイルの他端とNPNトランジスタQ7,Q8の中間点とを電気的に結合する。一方、システムリレーSRWは、制御装置30からのLレベルの信号SEMによりW相コイルの他端とダイオードD9の陽極とを電気的に結合する。
【0058】
その他のシステムリレーSRU,SRVについては、制御装置30からのHレベルの信号SEMによりオンされ、制御装置30からのLレベルの信号SEMによりオフされる。
【0059】
したがって、モータジェネレータMG1においては、制御装置30からのHレベルの信号SEMを受けると、各相コイルの他端と各相アーム15,16,17の中間点とが全て電気的に結合される。一方、制御装置30からのLレベルの信号SEMを受けると、U相コイルおよびV相コイルの他端とU相アーム15およびV相アーム16の中間点とが電気的に分離される一方、W相コイルの他端のみがダイオードD9の陽極に電気的に結合される。
【0060】
以上のように、この発明によるモータ駆動装置100は、モータジェネレータMG1とインバータ14およびキャパシタC0との接続関係を、システムリレーSRU,SRV,SRWおよびシステムリレーSRP1,SRP2を用いて切換える構成を有する。かかる構成は、後述するように、キャパシタC0の電圧制御手段において、突入電流からキャパシタC0、システムリレーSRC1,SRC2および昇圧コンバータ12などを保護することを意図したものである。
【0061】
制御装置30は、インバータ14の入力電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ電流MCRT1に基づいて、インバータ14がモータジェネレータMG1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、生成した信号PWM1をインバータ14へ出力する。
【0062】
また、制御装置30は、インバータ31の入力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2に基づいて、インバータ31がモータジェネレータMG2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
【0063】
さらに、制御装置30は、インバータ14がモータジェネレータMG1を駆動するとき、バッテリBの直流電圧Vb、インバータ14の入力電圧Vm、トルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0064】
また、制御装置30は、インバータ31がモータジェネレータMG2を駆動するとき、バッテリBの直流電圧Vb、インバータ31の入力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ回転数MRN2に基づいて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWMCを生成し、生成した信号PWMCを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0065】
さらに、制御装置30は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車の回生制動時、インバータ31の入力電圧Vm、トルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2に基づいて、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMI2を生成し、生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。この場合、インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8は、信号PWMI2によってスイッチング制御される。これにより、インバータ31は、モータジェネレータMG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換してキャパシタC0または昇圧コンバータ12へ供給する。
【0066】
以上の構成において、この発明によるモータ駆動装置100は、モータジェネレータMG1,MG2を力行モードで駆動させるときに必要な電力は、バッテリBの電力に加えて、キャパシタC0に蓄えられている電力を用いる。また、モータジェネレータMG1,MG2を回生モードで駆動させたときに発電した電力を、バッテリBとキャパシタC0とに充電する。特に、キャパシタC0に大容量の電気二重層キャパシタを採用することから、モータジェネレータMG1,MG2に迅速に電力を供給でき、モータ駆動時の応答性を高めることができる。その結果、車両の走行性能を確保することができる。
【0067】
一方、モータ駆動装置100に電気二重層キャパシタを搭載した場合、上述したように、キャパシタC0の端子間電圧Vcとシステム電圧(モータ駆動装置100の電源ラインの電圧に相当)との電圧差に起因して突入電流が発生し、バッテリB、インバータ14,31および昇圧コンバータ12などが損傷するおそれがある。また、システムリレーSRC1,SRC2において、接点間に溶着が生じるおそれもある。
【0068】
そこで、この発明によるモータ駆動装置100は、キャパシタC0による突入電流の回避手段として、以下に述べるキャパシタC0の電圧制御手段を備えることを特徴とする。これによれば、信頼性の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0069】
詳細には、この発明による電圧制御手段は、キャパシタC0の端子間電圧Vcとシステム電圧との間の電圧差を無くすための電圧制御を実行する。なお、システム電圧としては、電圧センサ20からのインバータ14,31の入力電圧Vmの検出値が用いられる。
【0070】
車両システム起動時においては、キャパシタC0が過放電状態となっている場合があり、キャパシタC0の端子間電圧Vcとシステム電圧Vmとの電圧差によって、過大な突入電流がキャパシタC0に流れ込むおそれがある。
【0071】
そこで、車両システム起動の際には、イグニッションキーIGがオンされたことに応じて、キャパシタC1の端子間電圧Vcをシステム電圧Vmと略同じとする電圧制御を行ない、制御終了後において通常のシステム起動を行なう構成とする。
【0072】
図2は、この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するためのフローチャートである。なお、以下の電圧制御は、モータ駆動装置100全体の制御を担う制御装置30によって実行される。
【0073】
図2を参照して、最初に、イグニッションキーIGがオンされたことに応じて(ステップS01)、制御装置30は、モータジェネレータMG1側のシステムリレーSRU,SRV,SRWにHレベルの信号SEMを出力する。これにより、システムリレーSRU,SRVはオンされる(ステップS02)。また、システムリレーSRWは、W相コイルの他端とW相アーム17の中間点とを電気的に結合する(ステップS03)。すなわち、モータジェネレータMG1は、インバータ14と電気的に接続される。
【0074】
次に、制御装置30は、バッテリB側のシステムリレーSRB1〜SRB3に、Hレベルの信号SEBを出力し、システムリレーSRB1〜SRB3をオンする(ステップS04)。
【0075】
このとき、高電圧のバッテリBをいきなり負荷に接続すると、瞬間的に過大な突入電流が流れるおそれがある。よって、電源供給開始時点においては、システムリレーSRB1に設けた抵抗R1によって突入電流を防止するような手順で、システムリレーSRB1〜SRB3がオン/オフされる。具体的には、最初に、システムリレーSRB1とシステムリレーSRB3とが同時にオンされる。これにより、システムリレーSRB1は、バッテリBからの直流電流を抵抗R1を介して昇圧コンバータ12に供給する。続いて、システムリレーSRB1,SRB3がオンされた状態で、システムリレーSRB2がオンされる。システムSRB2は、バッテリBからの直流電流を昇圧コンバータ12に直接供給する。最後に、システムリレーSRB1のみがオフされる。
【0076】
次に、制御装置30は、電圧センサ18からキャパシタC0の端子間電圧Vcを受けると、その端子間電圧Vcの電圧レベルに基づいて、以下に述べる手順に従って、キャパシタC0側のシステムリレーSRC1,SRC2をオンし、キャパシタC0をモータ駆動装置100に接続する。
【0077】
詳細には、制御装置30は、キャパシタC0の端子間電圧Vcが、キャパシタC0の接続時に突入電流を生じない電圧範囲内にあるか否かの判定を行なう。キャパシタC0が過放電状態にあるときに、いきなりキャパシタC0を接続すると、システム電圧Vmとの電圧差によって、キャパシタC0に過大な突入電流が流れることを考慮したものである。
【0078】
具体的には、最初に、制御装置30は、キャパシタC0の端子間電圧Vcが、過放電状態を示す所定の電圧(以下、過放電電圧とも称する)V1よりも大きいか否かを判断する(ステップS05)。
【0079】
ステップS05において、制御装置30は、キャパシタC0の端子間電圧Vcが過放電電圧V1以下であると判断されると、ステップS06以降のフローチャートに従ってキャパシタC0の充電動作を行なう。
【0080】
一方、ステップS05において、キャパシタC1の端子間電圧Vcが過放電電圧V1よりも大きいと判断されると、制御装置30は、続いて、端子間電圧Vcが所定の電圧下限値(以下、下限電圧V2とも称する)よりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。なお、このときの下限電圧V2は、キャパシタC0の端子間電圧Vcとシステム電圧Vmとの電圧差が、許容値以上の突入電流を発生させないときの端子間電圧Vcの下限値に予め設定されている。したがって、下限値V2は、過放電電圧V1より大きいものの、システム電圧Vmに対しては低電圧となる。
【0081】
ステップS15において、キャパシタC0の端子間電圧Vcが下限電圧V2より大きいと判断されると、制御装置30は、Hレベルの信号SECを出力してシステムリレーSRC1,SRC2をオンする(ステップS16)。キャパシタC0が接続されたことにより、モータ駆動装置100は、車両システム起動開始が可能なRDY状態となり(ステップS17)、以降、通常の車両システム起動動作を実行する。
【0082】
一方、ステップS15において、キャパシタC0の端子間電圧Vcが下限電圧V2以下であると判断されると、すなわち、端子間電圧Vcが過放電電圧V1より大きく、かつ、下限電圧V2以下であると判断されると、制御装置30は、図3のフローチャートに従ってキャパシタC0の充電動作を行なう。
【0083】
以上のように、図2のフローチャートにおいて、キャパシタC0の充電動作は、(1)端子間電圧Vcが過放電電圧V1以下となるときと、(2)端子間電圧Vcが過放電電圧V1より大きく、かつ下限電圧V2以下となるときとの2つの場合においてそれぞれ行なわれる。そして、この2つの充電動作は、以下に述べるように、モータジェネレータMG1に発生した逆起電圧を用いて行なわれる点で共通するものの、その逆起電圧を供給する構成において互いに相違する。逆起電圧とキャパシタC0の端子間電圧Vcとの電圧差を考慮したものである。
【0084】
(1)キャパシタC0の端子間電圧Vcが過放電電圧V1以下のとき
最初に、キャパシタC0の端子間電圧Vcが過放電電圧V1以下のときのキャパシタC0の充電動作について説明する。
【0085】
図2を参照して、ステップS05にて端子間電圧Vcが過放電電圧V1以下と判断されると、制御装置30は、以下のステップS06〜S14に従い、エンジンENGの駆動に伴なってモータジェネレータMG1に発生する逆起電圧によってキャパシタC0を充電する。なお、この逆起電圧は、一般に、ロータの回転角速度と永久磁石の磁束との積で表わされる。したがって、モータジェネレータMG1の回転角速度、すなわちエンジン回転数に比例して、生じる逆起電圧が上昇する。
【0086】
詳細には、まず、モータジェネレータMG1は、エンジンENGを始動する始動機として用いられる。このとき、制御装置30には、エンジン回転数がアイドル回転数に設定されるようにモータジェネレータMG1を駆動するための指令(トルク指令値TR1)が外部ECUから与えられる。
【0087】
制御装置30は、トルク指令値TR1、モータ電流MCRT1および電圧Vmに基づいて信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
【0088】
インバータ14は、昇圧コンバータ12からの直流電圧を信号PWMI1に応じて交流電圧に変換し、トルク指令値TR1に従ったトルクを出力するようにモータジェネレータMG1を駆動する。モータジェネレータMG1は、バッテリBからの電力の供給を受けて電動機として駆動し、動力分割機構50を介してエンジンENGをクランキングして始動させる(ステップS06)。
【0089】
エンジンの始動後、エンジン回転数が所定のアイドル回転数に到達したことに応じてエンジンENGの起動が完了すると(ステップS07)、制御装置30は、Lレベルの信号SEBを出力して、バッテリB側のシステムリレーSRB2,SRB3をオフする(ステップS08)。これにより、バッテリBがモータ駆動装置100から電気的に切り離される。
【0090】
ここで、エンジンENGの起動が完了すると、モータジェネレータMG1は、動力分割機構50を介して伝達されたエンジンENGの駆動力によって回転される。このとき、モータジェネレータMG1には、エンジン回転数に比例した逆起電圧が発生する。この発明は、このモータジェネレータMG1に発生した逆起電圧を用いてキャパシタC0を充電する構成とする。
【0091】
詳細には、モータジェネレータMG1には、図4に示すように、U,V,Wの3相の交流出力電圧Vu,Vv,Vwからなる逆起電圧が発生する。電気角360°を1周期とする3相交流出力電圧Vu,Vv,Vwは、等振幅で、かつ、位相が互いに電気角120°ずつ異なっている。そして、インバータ14の入力側に配されたコンデンサC2には、3相交流出力電圧Vu,Vv,Vwが整流されることによって、図4の中段に示す出力波形からなる端子間電圧Vmが得られる。
【0092】
そして、図4の時刻t0のタイミングにおいて、システムリレーSRC1,SRC2がオンされると、キャパシタC0は、コンデンサC2と電気的に接続され、図4中段の出力波形からなる端子間電圧Vmを受けて充電が開始されることになる。
【0093】
ところが、このとき、キャパシタC0は、上記のステップS05で述べたように、過放電状態であって端子間電圧Vcが略零である。そのため、コンデンサC2の端子間電圧VmとキャパシタC0の端子間電圧Vcとの電圧差により、キャパシタC0に瞬時的に過大な突入電流が流れ込むおそれがある。
【0094】
そこで、この発明は、モータジェネレータMG1の逆起電圧でキャパシタC0を充電する構成において、さらに、キャパシタC0が過放電状態であるときには、逆起電圧から単相の交流出力電圧を生成し、その生成した単相交流出力電圧を用いてキャパシタC0を充電する構成とする。
【0095】
詳細には、モータジェネレータMG1に逆起電圧が発生すると、制御装置30は、モータジェネレータMG1の中性点N1を用いて、3相交流出力電圧Vu,Vv,Vwのうちのいずれか1相の交流出力電圧(単相交流出力電圧)を生成する。本実施の形態では、例えばW相交流出力電圧を生成するものとする。そして、制御装置30は、その生成したW相交流出力電圧を、ダイオードD9,D10とシステムリレーSRP1,SRP2とを介して、キャパシタC0に印加する。
【0096】
ここで、単相交流出力電圧の生成は、具体的には、図1のモータ駆動装置100において、モータジェネレータMG1の各相コイルの他端とインバータ14の各相アーム15〜17の中間点との間に設けたシステムリレーSRU,SRV,SRWを切換えることによって行なわれる。
【0097】
詳細には、図2のステップS10に示すように、システムリレーSRU,SRVは、制御装置30からのLレベルに信号SEMに応じてオフされ、モータジェネレータMG1の中性点N1とU相アーム15およびV相アーム16の中間点とを電気的に分離する。
【0098】
一方、システムリレーSRWは、制御装置30からのLレベルの信号SEMに応じて、W相コイルの他端を、W相アーム17の中間点からダイオードD9の陽極に切換えて接続する(ステップS11)。これにより、W相コイルの一端である中性点N1は、システムリレーSRP2を介してキャパシタC0の負極に接続される。また、W相コイルの他端は、システムリレーSRW、ダイオードD9およびシステムリレーSRP1を介して、キャパシタC0の正極に接続される。すなわち、キャパシタC0は、システムリレーSRP1,SRP2を介してW相コイルに並列接続されることとなる。したがって、システムリレーSRP1,SRP2がオンされれば、W相コイルに生じた単相交流出力電圧Vwが整流されて、キャパシタC0に供給されることになる。
【0099】
図5は、この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するための模式図である。
【0100】
図5を参照して、3相交流出力電圧Vu,Vv,Vw(図中最上段参照)から生成された単相交流出力電圧(=W相交流出力電圧Vw)は、ダイオードD9,D10からなる整流回路を経ることにより、図中中段に示す半波整流された出力波形に変換される。すなわち、W相交流出力電圧Vwには、半周期おきに電圧レベルが略零となる期間T1が生じる。
【0101】
そして、このW相交流出力電圧VwのキャパシタC0への供給は、突入電流を防止する観点から、W相交流出力電圧Vwと端子間電圧Vcとの電圧差を考慮してシステムリレーSRP1,SRP2をオンすることにより開始される。
【0102】
詳細には、図2のステップS12において、制御装置30は、モータジェネレータMG1のモータ回転数MRN1からW相交流出力電圧Vwを算出し、かつ、電圧センサ20により端子間電圧Vcを検出する。そして、制御装置30は、両者の電圧差|Vw−Vc|を求めると、この電圧差が所定のしきい値V_std以下となるタイミングで、Hレベルの信号SEPを生成してシステムリレーSRP1,SRP2をオンする(ステップS13)。
【0103】
図5においては、端子間電圧Vcが略零を示すことから、W相交流出力電圧Vwが略零となる期間T1のタイミングt1において、システムリレーSRP1,SRP2がオンされる。そして、システムリレーSRP1,SRP2がオンされたタイミングt1以降の期間において、キャパシタC0には図中中段に示すW相交流出力電圧Vwが供給される。
【0104】
そして、W相交流出力電圧Vwが供給されたことに応じて、キャパシタC0の充電が開始されると(ステップS14)、キャパシタC0の端子間電圧Vmは、図5の最下段に示すように、W相交流出力電圧Vwの振幅に従って、なだらかに増加と減少とが繰り返される。すなわち、キャパシタC0は、W相交流出力電圧Vwの周期性で充放電が繰り返される。このとき、端子間電圧Vcは、キャパシタC0の蓄積エネルギーが漸増するに従って緩やかに増加する。
【0105】
そして、ステップS05に戻って、端子間電圧Vcが過放電電圧V1を越えたと判断されると、すなわち、キャパシタC0が過放電状態を脱却したと判断されると、制御装置30は、端子間電圧Vcが下限電圧V2以下であることに応じて、以下に述べる(2)のキャパシタC0の充電動作へ移行し、キャパシタC0をより迅速に充電する。
【0106】
(2)キャパシタC0の端子間電圧Vcが過放電電圧V1より大きく、下限電圧V2以下のとき
上記(1)の充電動作によってキャパシタC0が過放電状態を脱却したと判断されると、さらに、制御装置30は、図3のフローチャートに従って、キャパシタC0の充電動作を継続する。なお、以下に示す充電動作は、上記(1)の充電動作に継続して行なわれる場合のみならず、車両システム起動時のキャパシタC0の端子間電圧Vcが過放電電圧V1よりも大きく、かつ下限電圧V2以下である場合においては単独で行なわれる。
【0107】
図3は、この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するためのフローチャートである。
【0108】
図3を参照して、キャパシタC0の充電動作は、上記(1)で述べたのと同様にモータジェネレータMG1に発生した逆起電圧を用いて行なわれる。ただし、(2)の充電動作は、3相交流出力電圧Vu,Vv,Vwを全てキャパシタC0に供給して行なうことを特徴とする点において、単相交流出力電圧を用いてキャパシタC0を充電することを特徴とする上記(1)の充電動作とは異なる。
【0109】
詳細には、制御装置30は、図2のステップS15において、キャパシタC0の端子間電圧Vcが下限電圧V2以下であると判断すると、以下のステップS20〜S30に従って、モータジェネレータMG1に発生する逆起電圧によってキャパシタC0を充電する。なお、ステップS20に示すエンジンENGの起動動作は、図2のステップS06で述べたのと同様の手順で行なわれるため、詳細な説明は繰り返さない。
【0110】
なお、上記(1)の充電動作から(2)の充電動作に移行する場合においては、エンジンが既に起動されてバッテリBがモータ駆動装置100から切り離されていることから、ステップS20,S21の動作を省略するとともに、制御装置30が、Hレベルの信号SEBを出力して、バッテリB側のシステムリレーSRB2,SRB3をオンする(ステップS22)。さらに、制御装置30は、Hレベルの信号SEMを生成して、モータジェネレータMG1側のシステムリレーSRU,SRVをオンするとともに(ステップS23)、システムリレーSRWをインバータ14側に接続する。(ステップS24)。
【0111】
次に、制御装置30は、キャパシタC0の充電動作に先立って、インバータ14の入力電圧Vmが所定の電圧レベルV3よりも低いか否かを判定する(ステップS25)。このときの所定の電圧レベルV3は、システムリレーSRC1,SRC2をオンしてキャパシタC0を接続した際に、端子間電圧Vcと入力電圧Vmとの電圧差による突入電流の発生を防止可能な電圧レベルとする。入力電圧VmがステップS20のエンジンの起動によって高い電圧レベルに昇圧されていることを考慮したものである。
【0112】
ステップS23において、インバータ14の入力電圧Vmが所定の電圧V3よりも低いと判断されると、制御装置30は、Hレベルの信号SECを出力してシステムリレーSRC1,SRC2をオンする(ステップS26)。
【0113】
一方、ステップS25において、インバータ14の入力電圧Vmが所定の電圧V3以上であると判断されると、制御装置30は、コンデンサC2に蓄積されているエネルギーを消費して、入力電圧Vmを所定の電圧V3レベルにまで低減させる(ステップS30)。このエネルギー消費の具体的な方法としては、インバータ31の上側のNPNトランジスタのオンデューティーを大きくして、コンデンサC2からインバータ31を介してモータジェネレータMG2にエネルギーが流出する経路を設けることなどが挙げられる。
【0114】
次に、システムリレーSRC1,SRC2がオンされ、キャパシタC0がモータ駆動装置100に接続されると、エンジンENGの駆動力によってモータジェネレータMG1に発生した逆起電圧が、キャパシタC0に充電される。また、バッテリBからの電力供給を受けてキャパシタC0が充電される。
【0115】
具体的には、制御装置30は、モータジェネレータMG1において所望の逆起電圧が発生するためのエンジンの目標回転数を決定する(ステップS27)。所望の逆起電圧とは、キャパシタC0の端子間電圧Vcとインバータ14の入力電圧Vmとを略同じ電圧レベルとするために、キャパシタC0に供給しなければならない電力量から求められる。なお、ステップS25においては、制御装置30が、エンジン回転数と逆起電圧との相関を予めマップとして格納しており、所望の逆起電圧に対応するエンジン回転数を当該マップから選出する構成としてもよい。
【0116】
モータジェネレータMG1に発生した逆起電圧は、インバータ14において交流電力から直流電力に変換されてキャパシタC0に蓄えられる。これにより、キャパシタC0の端子間電圧Vcが増加する。
【0117】
制御装置30は、以上のキャパシタC0の充電動作を、インバータ14の入力電圧VmとキャパシタC0の端子間電圧Vcとの電圧差が所定のしきい値V_std以下となるまで継続する。最後に、制御装置30は、出力電圧Vmと端子間電圧Vcとの電圧差が所定のしきい値V_std以下にまで縮減されたことを確認して(ステップS28)、モータ駆動装置100を、車両システム起動開始が可能なRDY状態とする(ステップS29)。モータ駆動装置100は、RDY状態となったことに応じて、通常の車両システム起動動作を実行する。
【0118】
以上のように、この発明によるモータ駆動装置100によれば、車両システム起動時において、キャパシタC0の端子間電圧Vcとシステム電圧Vmとの電圧差が解消されたことを確認して通常のシステム起動動作に移行することから、突入電流から構成部品を保護することができる。特に、キャパシタC0が過放電状態にあるときには、キャパシタC0への印加電圧を制限して充電が行なわれることから、確実に突入電流を防止することができる。その結果、信頼度の高いモータ駆動装置を実現することができる。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0120】
この発明は、ハイブリッド自動車に搭載されるモータ駆動装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】この発明の実施の形態に従うモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するための模式図である。
【図5】この発明の実施の形態による車両システム起動時の電圧制御を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0122】
10,20,22 電圧センサ、12 昇圧コンバータ、14,31 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24,28 電流センサ、30 制御装置、50 動力分割機構、100 モータ駆動装置、B バッテリ、Q1〜Q8 NPNトランジスタ、D1〜D10 ダイオード、C0 キャパシタ、C1,C2 コンデンサ、L1 インダクタ、LN1 電源ライン、LN2 アースライン、MG1,MG2 モータジェネレータ、SRB1,SRB2,SRC1,SRC2,SRP1,SRP2,SRU,SRV,SRW システムリレー、ENG エンジン。




 

 


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