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発明の名称 回転電機の製造方法および回転電機の製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−82268(P2007−82268A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−262665(P2005−262665)
出願日 平成17年9月9日(2005.9.9)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 雪吹 晋吾 / 水谷 良治 / 遠藤 康浩 / 原田 健司
要約 課題
部材へのダメージを低減しつつ、かつ占積率が向上した回転電機を製造可能な、回転電機の製造方法および製造装置を提供する。

解決手段
分割ステータコア20は、コイルを巻回する芯部20Aと、芯部20Aよりも断面積が大きい磁極片20Bとを含む。回転電機の製造方法は、芯部20Aに巻回されるエナメル線22が磁極片20Bに当接しないようにエナメル線22位置を制限する巻線治具14を装着する工程と、エナメル線22を芯部20Aに巻回する工程とを含む。好ましくは、分割ステータコア20は、芯部20Aよりも断面積が大きい分割ヨーク部20Cをさらに含む。巻線治具は、芯部20Aに巻回されるエナメル線22が分割ヨーク部20Cに当接しないようにエナメル線22位置をさらに制限する。
特許請求の範囲
【請求項1】
分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片とを含み、
前記芯部に巻回される前記導電線が前記磁極片に当接しないように前記導電線位置を制限する巻線治具を装着する工程と、
前記導電線を前記芯部に巻回する工程とを含む、回転電機の製造方法。
【請求項2】
前記分割コアは、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部をさらに含み、
前記巻線治具は、前記芯部に巻回される前記導電線が前記分割ヨーク部に当接しないように前記導電線位置をさらに制限する、請求項1に記載の回転電機の製造方法。
【請求項3】
前記分割コアを前記分割ヨーク部側および前記磁極片側から拘束し、前記巻線治具よりも前記導電線位置の制限が緩和されたプレス治具を装着する工程と、
前記芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する工程とをさらに備える、請求項2に記載の回転電機の製造方法。
【請求項4】
分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片と、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、
前記分割コアを前記分割ヨーク部側および前記磁極片側から拘束するプレス治具を装着する工程と、
前記芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する工程とを備える、回転電機の製造方法。
【請求項5】
前記プレス治具は、弾性体を介して前記分割コアを拘束する、請求項4に記載の回転電機の製造方法。
【請求項6】
前記成形する工程において、前記コイルは対向する1対のポンチによって押圧され、
前記プレス治具は、前記1対のポンチの少なくともいずれか一方の移動方向をベース面に投影した方向に移動可能に前記ベース面に固定される、請求項4に記載の回転電機の製造方法。
【請求項7】
分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片と、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、
前記分割コアを拘束するプレス治具を装着する工程と、
前記芯部に巻回されたコイルに対して巻回後のコイルの最外周に沿った形状のポンチを用いて押圧して成形する工程とを備える、回転電機の製造方法。
【請求項8】
前記芯部に巻回されたコイルに対して前記分割コアの分割角度に沿った形状のポンチを用いて押圧して成形する工程をさらに備える、請求項7に記載の回転電機の製造方法。
【請求項9】
分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、
前記分割コアのコイルを巻回する芯部は、四角形の断面形状を有し、
前記芯部に対して前記回転電機の回転軸方向から前記四角形の対向する2辺に対して応力緩和部材を装着する工程と、
前記応力緩和部材が装着された前記芯部に対して導電線を巻回してコイルを形成する工程とを備える、回転電機の製造方法。
【請求項10】
前記導電線の巻回後に前記応力緩和部材を抜いて強磁性体の充填コアを挿入する工程をさらに備える、請求項9に記載の回転電機の製造方法。
【請求項11】
分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片と、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、
コイル巻回時において前記芯部に巻回される前記導電線が前記磁極片に当接しないように前記導電線位置を制限する第1の巻線治具と、
前記コイル巻回時において前記芯部に巻回される前記導電線が前記分割ヨーク部に当接しないように前記導電線位置をさらに制限する第2の巻線治具とを備える、回転電機の製造装置。
【請求項12】
分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片と、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、
前記分割コアを前記分割ヨーク部側および前記磁極片側から拘束するプレス治具と、
前記芯部に巻回されたコイルを押圧して成形するポンチとを備える、回転電機の製造装置。
【請求項13】
前記プレス治具は、弾性体を介して前記分割コアを拘束する、請求項12に記載の回転電機の製造装置。
【請求項14】
前記ポンチは、前記コイルを挟んで押圧する第1、第2のポンチを含み、
前記プレス治具は、前記第1、第2のポンチの少なくともいずれか一方の移動方向をベース面に投影した方向に移動可能に前記ベース面に固定される、請求項13に記載の回転電機の製造装置。
【請求項15】
分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、
前記分割コアは、
コイルを巻回する芯部と、
前記芯部よりも断面積が大きい磁極片と、
前記芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、
前記分割コアを拘束するプレス治具と、
前記芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する、巻回後のコイルの最外周に沿った形状を有する第1のポンチとを備える、回転電機の製造装置。
【請求項16】
前記第1のポンチによって押圧されたコイルに対してさらに押圧して成形する、前記分割コアの分割角度に沿った形状の第2のポンチをさらに備える、請求項15に記載の回転電機の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機の製造方法および回転電機の製造装置に関し、より特定的には分割コアを用いる回転電機の製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車輪を駆動するためのモータを搭載する車両、たとえばハイブリッド自動車、電気自動車および燃料電池自動車等が見られるようになってきている。
【0003】
高性能の車両を実現し、かつ限られた搭載スペースに収容するために、このようなモータは小型化および高性能化が要求される。
【0004】
特開2000−50583号公報(特許文献1)にはこのような車載用モータにおいて占積率を向上させるために、分割コアにコイルを巻回した後にコイルをプレス成形する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−50583号公報(図19)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モータの小型化には、モータのコイルの占積率(スロット空間に対する銅の割合)を向上させることが有効となる。占積率を向上させるためには素線間に生じる空隙を減らさなければならない。この空隙を減らすためにプレス成形が行なわれる。
【0006】
しかしながらコイルをプレス成形するときに、コイルの形状によってはコイルに対して部分的に応力が集中し、インシュレータや分割コアにダメージを与えたり絶縁破壊が生じたりするおそれがある。
【0007】
この発明の目的は、部材へのダメージを低減しつつ、かつ占積率が向上した回転電機を製造可能な、回転電機の製造方法および製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、要約すると、分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片とを含み、芯部に巻回される導電線が磁極片に当接しないように導電線位置を制限する巻線治具を装着する工程と、導電線を芯部に巻回する工程とを含む。
【0009】
好ましくは、分割コアは、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部をさらに含む。巻線治具は、芯部に巻回される導電線が分割ヨーク部に当接しないように導電線位置をさらに制限する。
【0010】
より好ましくは、回転電機の製造方法は、分割コアを分割ヨーク部側および磁極片側から拘束し、巻線治具よりも導電線位置の制限が緩和されたプレス治具を装着する工程と、芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する工程とをさらに備える。
【0011】
この発明は、他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片と、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、分割コアを分割ヨーク部側および磁極片側から拘束するプレス治具を装着する工程と、芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する工程とを備える。
【0012】
好ましくは、プレス治具は、弾性体を介して分割コアを拘束する。
好ましくは、成形する工程において、コイルは対向する1対のポンチによって押圧される。プレス治具は、1対のポンチの少なくともいずれか一方の移動方向をベース面に投影した方向に移動可能にベース面に固定される。
【0013】
この発明は、さらに他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片と、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含み、分割コアを拘束するプレス治具を装着する工程と、芯部に巻回されたコイルに対して巻回後のコイルの最外周に沿った形状のポンチを用いて押圧して成形する工程とを備える。
【0014】
好ましくは、請求項7に記載の回転電機の製造方法は、芯部に巻回されたコイルに対して分割コアの分割角度に沿った形状のポンチを用いて押圧して成形する工程をさらに備える。
【0015】
この発明は、さらに他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造方法であって、分割コアのコイルを巻回する芯部は、四角形の断面形状を有し、芯部に対して回転電機の回転軸方向から四角形の対向する2辺に対して応力緩和部材を装着する工程と、応力緩和部材が装着された芯部に対して導電線を巻回してコイルを形成する工程とを備える。
【0016】
好ましくは、回転電機の製造方法は、導電線の巻回後に応力緩和部材を抜いて強磁性体の充填コアを挿入する工程をさらに備える。
【0017】
この発明は、さらに他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片と、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含む。回転電機の製造装置は、コイル巻回時において芯部に巻回される導電線が磁極片に当接しないように導電線位置を制限する第1の巻線治具と、コイル巻回時において芯部に巻回される導電線が分割ヨーク部に当接しないように導電線位置をさらに制限する第2の巻線治具とを備える。
【0018】
この発明は、さらに他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片と、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含む。回転電機の製造装置は、分割コアを分割ヨーク部側および磁極片側から拘束するプレス治具と、芯部に巻回されたコイルを押圧して成形するポンチとを備える。
【0019】
好ましくは、プレス治具は、弾性体を介して分割コアを拘束する。
より好ましくは、ポンチは、コイルを挟んで押圧する第1、第2のポンチを含む。プレス治具は、第1、第2のポンチの少なくともいずれか一方の移動方向をベース面に投影した方向に移動可能にベース面に固定される。
【0020】
この発明は、さらに他の局面では、分割コアを用いる回転電機の製造装置であって、分割コアは、コイルを巻回する芯部と、芯部よりも断面積が大きい磁極片と、芯部よりも断面積が大きい分割ヨーク部とを含む。回転電機の製造装置は、分割コアを拘束するプレス治具と、芯部に巻回されたコイルを押圧して成形する、巻回後のコイルの最外周に沿った形状を有する第1のポンチとを備える。
【0021】
好ましくは、回転電機の製造装置は、第1のポンチによって押圧されたコイルに対してさらに押圧して成形する、分割コアの分割角度に沿った形状の第2のポンチをさらに備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、部材へのダメージを低減しつつ、かつ占積率が向上した回転電機を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
図1は、本発明の回転電機の製造方法が適用される回転電機の構造を示す概略図である。
【0025】
図1を参照して、回転電機1の回転軸に垂直な断面を説明する。回転電機1は、回転軸のまわりに回転するロータ2と、図示しないケースに固定されるステータ4とを含む。
【0026】
ステータ4は複数の分割コア6がリング状に組付けられ一体化されることにより形成されている。各分割コア6にはコイル8が巻回されている。
【0027】
分割コア6は、たとえば電磁鋼板が積層され形成される場合や、強磁性体の粉末を焼結して形成される場合などがある。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態における回転電機のステータ部分の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【0029】
図2を参照して、まず、第1にステップS1において分割ステータコアの形成が行なわれる。たとえば分割ステータコアは電磁鋼板を所定の厚みまで積層してこれらを溶接して形成したり、強磁性体の粉末を型により成形しこれを焼結して形成したりする。
【0030】
続いてステップS2において分割ステータコアに対して巻線治具をセットする。そしてステップS3において巻線治具がセットされた分割ステータコアに対してコイルを形成するように導電線を巻回していく。
【0031】
巻回するコイル用の導電線には、表面にエナメル等の絶縁被覆が形成されている。
続いて、ステップS4においてプレス治具がセットされ、続いてステップS5においてコイルの成形が行なわれる。
【0032】
通常、導電線を分割コアに巻回すると、導電線の剛性によるスプリングバックのため巻回した導電線が所望の巻回形状より膨れ上がってしまう。そこで巻回したコイル部分の占積率を高めかつ分割ステータコアの分割角度内に収めるためにステップS5においてプレス成形によってコイルを成形する。
【0033】
なお必要に応じてステップS6に示すように成形後のコイルのコイルエンド部に後に図15で説明するように充填コアを挿入してもよい。
【0034】
そしてステップS7においてコイルが巻回された分割ステータコアをリング状に組上げるステータ組付けが行なわれる。
【0035】
そしてステップS8において、リング状に組上げられた分割ステータコアのコイル端に対して圧着端子等を用いて関連するコイル端子を結線圧着する。そして、ステータの製造が完了する。
【0036】
図3は、図2のステップS2,S3の工程を説明するための図である。
図3を参照して、分割ステータコア20は、コイルを巻回する芯部20Aと、芯部20Aよりも各々断面積が大きい磁極片20Bおよび分割ヨーク部20Cとを含む。
【0037】
磁極片20Bは巻線治具14によって支持され、分割ヨーク部20Cは巻線治具12によって支持される。芯部20Aにはインシュレータ80がまず巻かれてその上からエナメル線22が1段ずつ整列して巻回されていく。エナメル線を巻回する際には、1段目の線が整列されて巻回された上に2段目が1段目の線と線の間部分の上に巻かれるようにすることによりエナメル線間の空隙を少なくすることができる。
【0038】
図4は、巻線治具の効果を説明するための図である。
図3で説明したようにエナメル線22に対して張力をかけながらコイルを巻回すると、1段目の線と線の間部分に2段目のエナメル線が食い込もうとするので、1段目の線は図4の上下方向に広がろうとする。この広がる力に対抗しつつ、かつ磁極片20Bおよび分割ヨーク部20Cを保護するために、巻線治具12,14に対して図4に示すように拘束力Fを加えながらエナメル線22の巻回を行なう。これにより部分A〜Dにおいて磁極片20Bの先端部分および分割ヨーク部20Cが保護される。
【0039】
図5は、図2のステップS4,S5における工程を説明するための図である。
図5を参照して、エナメル線22が巻回された分割ステータコア20は図3に示した巻線治具12,14から取外されて、分割ステータコア20はプレス治具32,34にセットされる。
【0040】
プレス治具32,34は、図4の部分A〜Dの形状が巻線治具12,14と異なっている。すなわちプレス治具32,34と分割コアとおよび巻回後のコイルの間には部分A〜Dは隙間が設けられている。
【0041】
コイルが巻回された分割コアは、分割角度にコイルが収まるようにポンチ36,38によって両側から押圧される。部分A〜Dの隙間にコイルが逃げるため、プレス時の応力緩和を図ることが可能となる。これにより、プレスに必要な面圧も少なくてすみ、インシュレータや分割ステータコア20に対して成形時に与えるダメージを軽減することができる。
【0042】
図6は、図5の周辺部分を説明するための図である。
図6を参照して、プレス上型44がプレス下型42に対してプレス方向X1に押し下げられる。これによりポンチ36,38は両側から分割ステータコア20のコイル巻回部分を挟むように加圧を加える。ポンチ36,38はプレス治具32,34に沿って移動を行なう。このとき分割ステータコア20の巻線具合により片当りが起こる場合があるので、治具32,34はプレス下型42に対してX2方向に移動可能に固定されている。
【0043】
図7は、図6におけるVII−VIIにおける断面図である。
図7を参照して、ポンチの移動方向がプレス下型のベース面に投影された方向に移動可能なようにプレス下型42にはレール43が設けられ、プレス治具32はレール43に噛み合う形状となっている。片当りが起こった場合には、プレス治具32,34がレール43に沿って移動し、両側から均等な面圧が加えられるように位置が自動調整される。
【0044】
このようにプレス治具32がレール43に沿ってスライド可能なことにより、コイルの巻線ばらつき、コアおよびインシュレータの左右形状ばらつきに伴う応力不均一を解消することができる。
【0045】
プレス治具32に対してプレス治具34がボルト46,48で取付けられており、これにより上下方向から拘束力が付与される。
【0046】
ポンチ36,38によって両脇から分割ステータコア20が押圧されると、分割ステータコア20には上下方向に延びようとする力が働く。このため上下方向からプレス治具32,34で拘束力を加えたことにより、分割ステータコア20の破壊が防がれる。
【0047】
図8はプレス治具の変形例を説明するための図である。
図8に示すように、図6で説明した構成に加えてプレス治具32,34の分割ステータコア20に当接する部分にシート状の弾性材52,54を配置しておく。これにより分割コアの磁極片側内周部および分割ヨーク側外周部に寸法ばらつきが生じた場合においても、分割コアのヨーク部および磁極片の部分にかかる曲げ応力を緩和することができる。
【0048】
[ポンチの変形例1]
図9は、ポンチでコイルを押圧した場合にコイルに与えられる応力を説明するための図である。
【0049】
図9に示すように、コイルに巻線の段差が存在する場合には、ポンチの加圧面が平坦であると段差の角部分にポンチがまず当接し、斜線ハッチングをしたコイルのエナメル線に応力が集中してしまう。このように応力が部分的に集中すると、コイルの間の絶縁に用いているエナメル被覆や、コアとの間にあるインシュレータを局所的に傷付けて絶縁破壊を起こしてしまうおそれがある。
【0050】
図10は、ポンチの第1の変形例を説明するための図である。
図10は、図5で説明した回転電機の製造装置においてポンチ36,38に代えてポンチ62,64を含む。他の部分については図5と同様であるので説明は繰返さない。
【0051】
図10に示したポンチ62,64は、コイルのエナメル線の巻数の違いによって生じている段差形状に沿う階段状の形状の押圧面を有している。このようなポンチ62,64でコイルを押圧することにより、図9に示すようなコイルの応力の集中はなくなり、コイルに加えられる応力が均等となり、応力が集中することによるエナメル被覆の絶縁破壊やインシュレータの破壊を防ぐことができる。
【0052】
[ポンチの変形例2]
なお、ポンチによる成形を2段階に分けて行なうこともできる。
【0053】
図11は、2段階に分けて成形を行なう場合の第1段階のポンチの第1例を示した図である。
【0054】
図11に示すように、第1段階のポンチはコイルのエナメル線22の平積み状態、すなわち階段形状の段差が生じないような同じ段数を巻回した状態において、巻回後のコイルの最外周に沿った形状のポンチ72,73を用いて押圧してコイルを成形する。そしてその後、階段状の形状にさらにエナメル線22をコイルの外周に巻回する。
【0055】
図12は、2段階に分けて成形を行なう場合の第1段階のポンチの第2例を示した図である。
【0056】
図12においては、コイルのエナメル線22を階段状に巻回した後に、巻回後のコイルの最外周に沿った形状、すなわち階段状の形状の押圧面を有するポンチ74,75を用いて押圧してコイルを成形する。このようにしてもコイルのエナメル線に均等な力が加わる。図11,図12で示したような第1段階のプレスによりエナメル線とエナメル線の間の空隙は小さくなり、エナメル線22の各々の断面形状は六角形に近い形状に塑性変形する。
【0057】
図13は、2段階に分けて成形を行なう場合の第2段階のプレスにおいて用いるポンチの形状を示した図である。
【0058】
図13に示すように第2段階においては分割コアの分割角度と平行なポンチ76,77を用いて押圧を行なう。
【0059】
この場合は、1段階目のプレスで既にコイルに均等な応力が加えられており、エナメル線22の各々の断面形状は六角形に近い形状に塑性変形した後である。つまり、たとえて言えば、土を踏み固めた後のような状態となっており応力が集中した部分のみが陥没するようなことは起こりにくくなっている。したがって、図9で示したようなコイル応力の集中は緩和されており、インシュレータや分割コアに与えられるダメージは軽減される。
【0060】
つまり、ポンチの変形例2では、第1段階として均等な圧力をコイルに与える工程を行ない、第2段階としてコイルを成形したい形状たとえばコア分割角度の押圧面でプレスし最適押込み量の調整を行なう工程である。
【0061】
[他の変形例]
図14は、図6におけるXIV−XIVの断面を示した図である。
【0062】
図14に示すように、分割ステータコア20の断面は四角形の形状を有している。この分割コアの側面から矢印で示すプレス方向のポンチによる加圧力が加わると、エッジE部分に応力が集中するおそれがある。
【0063】
したがってポンチでプレスする前に分割ステータコア20に対して、断面の四角形の対向する上下の辺部分に応力緩和部材である治具82,84を装着する。これにより、E部分において治具84によってプレス応力を受止めることが可能となる。これによりインシュレータ80やエナメル線22および分割ステータコア20に対してダメージが与えられることが防止される。
【0064】
図15は、図14のさらなる変形を説明するための図である。
図15では、図14の治具82,84をプレス終了後に抜取った後に、強磁性体の充填コア92,94を挿入する。これにより、分割ステータコア20に加えて充填コア92,94部分にも磁束が通過することが可能となる。すなわち磁路幅が増加する。つまり、ステータの磁気回路を拡大することに繋がり、磁気飽和が顕著なる高負荷領域でのトルク増加が可能となる。
【0065】
充填コアとしては、強磁性体の粉末を圧縮焼結したものを用いることができる。このような焼結コアは挿入しておいた状態でプレスを行なうと強度が低いため破壊されてしまうおそれがある。なお、強度が高い強磁性体であれば、図14の治具82,84の代わりに挿入した状態でプレスしておくことも可能である。
【0066】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、コイルをプレス成形する際に配線を逃がすスペースが設けられることにより、必要な面圧を抑制することができる。
【0067】
また上下から分割コアを拘束した状態で側方からプレスを行なうことにより、プレス時の分割コアの保護が可能となる。
【0068】
また、プレス治具をプレスのポンチの移動方向をベース面に投影した方向に移動可能に固定することにより、コイルの両側に対して均等に圧力を加えることが可能となる。
【0069】
また、階段状のポンチを用いたり、2段階に分けてプレスを行なったりすることにより、コイルに対して均等な応力でプレスを行なうことが可能となる。
【0070】
また、分割コアとコイルエンドとの隙間に治具を挿入した状態でプレスを行なうことにより、応力が集中する分割コアの角部を支持することができ、コアおよびインシュレータの保護が可能となる。
【0071】
さらに、コイルエンド部に充填コアを挿入することにより、スペースの有効利用が可能となる。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の回転電機の製造方法が適用される回転電機の構造を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における回転電機のステータ部分の製造工程を説明するためのフローチャートである。
【図3】図2のステップS2,S3の工程を説明するための図である。
【図4】巻線治具の効果を説明するための図である。
【図5】図2のステップS4,S5における工程を説明するための図である。
【図6】図5の周辺部分を説明するための図である。
【図7】図6におけるVII−VIIにおける断面図である。
【図8】プレス治具の変形例を説明するための図である。
【図9】ポンチでコイルを押圧した場合にコイルに与えられる応力を説明するための図である。
【図10】ポンチの第1の変形例を説明するための図である。
【図11】2段階に分けて成形を行なう場合の第1段階のポンチの第1例を示した図である。
【図12】2段階に分けて成形を行なう場合の第1段階のポンチの第2例を示した図である。
【図13】2段階に分けて成形を行なう場合の第2段階のプレスにおいて用いるポンチの形状を示した図である。
【図14】図6におけるXIV−XIVの断面を示した図である。
【図15】図14のさらなる変形を説明するための図である。
【符号の説明】
【0074】
1 回転電機、2 ロータ、4 ステータ、6 分割コア、8 コイル、12,14 巻線治具、20 分割ステータコア、20C 分割ヨーク部、20B 磁極片、20A 芯部、22 エナメル線、32,34 プレス治具、36,38 ポンチ、42 プレス下型、43 レール、44 プレス上型、46,48 ボルト、52,54 弾性材、62,64 ポンチ、72,73 ポンチ、74,75 ポンチ、76,77 ポンチ、80 インシュレータ、82,84 治具、92,94 充填コア。




 

 


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