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発明の名称 ステータコア、それを用いたモータ及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−74841(P2007−74841A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−260370(P2005−260370)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 遠藤 康浩 / 水谷 良治 / 立松 和高
要約 課題
巻線の占積率を従来よりも高め、モータの出力を向上させる。

解決手段
絶縁皮膜に被われた磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉コア部24bを含み、圧粉コア部24bの少なくとも一部は巻線が巻かれる巻線スロット部Bの少なくとも一部を構成し、圧粉コア部24bは巻線スロット部Bの延伸方向に沿った巻線のずれを防止する巻線案内溝40を備えるステータコアを用いることによって上記課題を解決できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
絶縁皮膜に被われた磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉コア部を含むステータコアであって、
前記圧粉コア部の少なくとも一部は巻線が巻かれる巻線スロット部の少なくとも一部を構成し、
前記圧粉コア部は前記巻線スロット部の延伸方向に沿った巻線のずれを防止する巻線案内溝を備えることを特徴とするステータコア。
【請求項2】
請求項1に記載のステータコアにおいて、
前記巻線案内溝は、前記巻線スロット部の延伸方向に対して交差する方向に延設されていることを特徴とするステータコア。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステータコアにおいて、
前記圧粉コア部の表面の少なくとも一部は絶縁材の皮膜によって被覆されていることを特徴とするステータコア。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のステータコアにおいて、
電磁鋼板を積層して構成されたメインコア部をさらに備え、
前記圧粉コア部と前記メインコア部とを組み合わせて構成されていることを特徴とするステータコア。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のステータコアを含むステータと、
前記ステータコアに装着された巻線に流される電流によって発生される磁界と電磁気的に相互作用することによって回転するロータと、
を備えることを特徴とするモータ。
【請求項6】
絶縁皮膜に被われた磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉コア部を含むステータコアであって、巻線が回線されるスロット部と、スロット部に隣接する隣接部と、を備え、
前記隣接部には巻線に対応する凹部が設けられていることを特徴とするステータコア。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線の占積率を高めたステータコア、それを用いたモータ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータの小型化と高性能化が求められている。この要求に応じるために巻線の占積率を高める方法がある。ステータコアに巻かれる巻線の占積率を高めることによって、単位体積当たりの励磁効率を高めてモータの出力を向上させることができる。
【0003】
特許文献1には、図6の断面図に示すように、ティース12の幅寸法をステータ外周側からステータ内周側に向かって漸次小さくなるように形成したステータコア10が開示されている。ステータコア10は、電磁鋼板等の高透磁率材料を積層して構成された積層コア部12aと、その積層方向の両端部に巻線を巻きつける際にガイドとなる巻線受容面が設けられたコアエンド部12bと、を接合したティース12を含む構造として開示されている。積層コア部12aとコアエンド部12bとからなるティース12には、巻線14との電気的絶縁を保つために絶縁材料からなる絶縁キャップ16が装着される。
【0004】
また、特許文献2には、ティースに装着され、巻線が装着される絶縁体であって、巻線を整列させて装着するための案内溝が設けられた絶縁体を備えるステータコアが開示されている。案内溝は、絶縁体の巻線スロット部の側面においては軸方向に沿って延びるように凹設され、巻線スロット部の端面においては対応する両側面の案内溝を接続するように周方向に沿って凹設される。
【0005】
【特許文献1】特開2002−369418号公報
【特許文献2】特開2004−140964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ティース12を構成するコアエンド部12bには巻線14の収容空間を規定するための段差を有する巻線受容面が設けられているだけであり、このような段差ではティースに巻かれる巻線の巻線スロット部の延伸方向(図中の矢印方向)へのずれを抑制することができない。図6に特許文献1に記載のステータコア10の巻線スロット部の延伸方向(図中、矢印方向)に沿った断面図を示す。図6に示すように、ティース12に巻線14を巻き付ける際に巻線スロット部の延伸方向へ巻線14がずれ、巻線14を密着させて装着することが困難であり、巻線スロット部における巻線14の占積率が低下する問題がある。
【0007】
さらに、上記特許文献1及び2の技術では、ティース12とは別の絶縁キャップ16を製造し、ティース12に対して絶縁キャップ16を装着する。このように、ティース12とは別に製造された絶縁キャップ16を後でティース12に装着する構成では、絶縁キャップ16の厚みを厚くする必要があり、ティース12の巻線スロット部の空間に対する絶縁キャップ16の占める割合が高くなる。特に、上記特許文献1及び2の技術のように、絶縁キャップ16に巻線14の収容空間を規定するための段差や巻線を整列させるための案内溝を設けた場合、絶縁キャップ16の厚みを厚くせざるを得ず、ティース12に装着できる巻線14の占積率が低下する。また、ティース12及び絶縁キャップ16の加工上の精度は0.05mm程度であり、ティース12に絶縁キャップ16を装着するためにはクリアランスを0.1mm以上設けておく必要がある。この理由からも、ティース12に装着できる巻線14の占積率が低下する。その結果、モータの出力を高めることができなくなる。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、巻線の占積率を高めたステータコア、それを用いたモータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、絶縁皮膜に被われた磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉コア部を含むステータコアであって、前記圧粉コア部の少なくとも一部は巻線が巻かれる巻線スロット部の少なくとも一部を構成し、前記圧粉コア部は前記巻線スロット部の延伸方向に沿った巻線のずれを防止する巻線案内溝を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記巻線案内溝は、前記巻線スロット部の延伸方向に対して交差する方向に延設されていることが好適である。前記巻線案内溝の断面形状を前記巻線の断面形状に合わせ、前記巻線案内溝に前記巻線が嵌まり込むように構成することによって前記巻線を前記巻線スロット部の延伸方向に対してずれないように装着することが可能となる。また、前記圧粉コア部の表面の少なくとも一部は絶縁材の皮膜によって被覆されていることを特徴とする。
【0011】
このように、ティースを構成する前記圧粉コア部に前記巻線を整列させた状態で装着させるために前記巻線案内溝を前記圧粉コア部に直接形成することによって、前記巻線を所望の間隔で前記巻線スロット部に装着することができる。また、ティースに薄い絶縁樹脂等を電着塗装する等の方法によって、前記巻線と前記ティースとの電気的な絶縁を得る薄い絶縁材の皮膜を形成することができる。したがって、従来技術のように絶縁キャップを装着する場合に比べて、前記巻線スロット部において前記皮膜が占める体積を減らすことができ、前記巻線スロット部の空間に対する前記巻線の占積率を従来よりも高めることができる。
【0012】
また、本発明のステータコアは、電磁鋼板を積層して構成されたメインコア部をさらに備え、前記圧粉コア部と前記メインコア部とを組み合わせて構成されていることが好適である。このように、磁性粉末体を圧縮成形した圧粉コア部と、電磁鋼板を積層したメインコア部とに分けてティースを構成することによって、巻線案内溝を含むティースの複雑な形状部分は型を用いた圧縮成形によって圧粉コア部として簡易かつ容易に形成し、ティースの比較的単純な形状部分は電磁鋼板を積層することによってメインコア部として安価に形成することができる。
【0013】
このような本発明のステータコアを含むステータと、前記ステータコアに装着された巻線に流される電流によって発生される磁界と電磁気的に相互作用することによって回転するロータと、を備えるモータでは従来よりも出力を向上させることができる。
【0014】
また、本発明は、絶縁皮膜に被われた磁性粉末を圧縮成形してなる圧粉コア部を含むステータコアであって、巻線が回線されるスロット部と、スロット部に隣接する隣接部と、を備え、前記隣接部には巻線に対応する凹部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ステータコアにおける巻線の占積率を従来よりも高めることができる。したがって、モータの単位体積当たりの出力も従来よりも高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に本発明の実施の形態におけるモータ100の内部の平面断面図を示す。本発明の実施の形態におけるモータ100は、図1に示すように、ステータ102及びロータ104を含んで構成される。ロータ104は、回転軸34に軸受等を介して装着され、回転軸34を中心軸として回転可能に配置される。ステータ102は、ロータ104の周囲を取り囲むように配置されたインナーコア32、インナーコア32の外周に沿って略等間隔に配置された複数のステータコア20、ステータコア20の外周を取り囲むように配置されたアウターコア30、を含んで構成される。ステータコア20、インナーコア32及びアウターコア30は、それぞれ透磁性の高い磁性材料を主材料として構成されている。
【0017】
各ステータコア20には、巻線22が巻き付けられている。ステータコア20に装着された巻線22に電流を流すことによって、ステータ102の内部に磁界が発生する。この磁界との電磁気的な相互作用によってロータ104が回転軸34を中心に回転させられる。
【0018】
ステータコア20は、ティースと絶縁樹脂とを含んで構成される。ティースは、ステータコア20に巻かれた巻線22によって発生される磁場をステータ102の内部に効率的に導くために設けられる。ティースは、透磁率の高い高透磁性材料によって構成される。ティースと巻線22とは絶縁樹脂によって電気的に絶縁される。
【0019】
図2に示すように、ティース24は、メインコア部24aと圧粉コア部24bとに分割して構成することができる。例えば、圧粉コア部24bは、メインコア部24aを上下から挟むように配置される。ティース24は、鍔部A,巻線スロット部B及び端部Cを含む形状を有する。鍔部A及び端部Cは、巻線スロット部Bに隣接する隣接部となる。巻線スロット部Bは、鍔部Aから突出するように設けられ、ここに巻線22が巻かれる。本実施の形態では、圧粉コア部24bの巻線スロット部Bには巻線22を整列して装着するための巻線案内溝40が設けられている。
【0020】
メインコア部24aは、図3に示すように、変形した扇形状に打ち抜かれた電磁鋼板等の高透磁性板28を複数積層することによって形成される。扇形状の高透磁性板28の少なくとも一端にはT字型に張り出した鍔部28aが設けられる。高透磁性板28を積層してメインコア部24aを構成した場合、鍔部28aはティース24の鍔部Aに相当する部分となる。また、鍔部28aから突き出した突出部分28bは、巻線22を巻き付けるための巻線スロット部Bに相当する部分となる。
【0021】
なお、高透磁性板28を積層する際には、各高透磁性板28間をまたがって渦電流が流れないように各高透磁性板28間を電気的に絶縁することが好ましい。例えば、高透磁性板28間に絶縁性の樹脂層を挟み込むことが好適である。
【0022】
圧粉コア部24bは、高透磁性材料である磁性粉末体を型に導入し、プレス機等によって圧縮成形して形成される。磁性粉末体としては、例えば、燐酸塩被覆等の絶縁処理を外表面に施した粒径50〜500μm程度の鉄粉を用いることができる。このように、絶縁被覆された磁性粉末体を押し固めて圧粉コア部24bを成形することによって、ティース24の外形を高い精度で形成することができる。また、ティース24の内部での渦電流の発生を抑制することができる。
【0023】
図4に巻線スロット部Bの延伸方向に沿ったステータコア20の断面図を示す。図4に示すように、圧粉コア部24bの巻線スロット部Bに相当する部分に巻線22を整列させて装着するための巻線案内溝40が設けられる。図4では、巻線案内溝40を明確に示すために、巻線案内溝40に装着される巻線22の一部を取り除いたステータコア20を示している。巻線案内溝40は、圧粉コア部24bの突出方向、すなわち巻線スロット部Bの延伸方向、に沿った巻線22のずれを抑制できる形状とされる。
【0024】
例えば、図4の断面図に示すように、圧粉コア部24bの延伸方向に交差する方向に圧粉コア部24bの表面に亘って凹形状の巻線案内溝40を所定の間隔で隣接させて設ける。巻線案内溝40の断面の形状は巻線22の断面に対応する形状とすることが好適である。例えば、巻線22の断面が円形である場合には、図4の断面図に示すように、巻線案内溝40は半円形の断面を有するものとする。これによって、ティース24の巻線スロット部Bに巻線22を巻き付ける工程において、巻線22を巻線案内溝40に沿わせて巻きつけていくことによって巻線22が巻線案内溝40に嵌まり込み、巻線スロット部Bの延伸方向への巻線22のずれが抑制され、巻線22を巻線スロット部Bの延伸方向へ密着させて装着することが可能となる。したがって、巻線22の占積率を高くすることができる。
【0025】
また、図2に示すように、圧粉コア部24bにおける巻線スロット部Bに隣接する鍔部A及び端部Cに対応する部分に巻線22の取り出し用溝42を設けることも好適である。取り出し用溝42は、圧粉コア部24bの隣接部の少なくとも一方に設けられる。取り出し用溝42の断面の形状は、巻線案内溝40と同様に、巻線22の断面に対応する形状とすることが好適である。ティース24の巻線スロット部Bに巻線22を巻き付ける工程において、巻線22の端部を取り出し用溝42に沿わせて装着させることによって巻線22が取り出し用溝42に嵌まり込み、巻線22の巻き始め又は巻き終わりにおいて巻線22の端部を固定することができ、巻線22の巻き付け処理を容易にすることができる。したがって、巻線22を巻線スロット部Bに高い精度で装着させることができる。
【0026】
ティース24は、メインコア部24aと圧粉コア部24bとを組み合わせて構成される。メインコア部24aと圧粉コア部24bとは、構造的な「はめ合わせ」やエポキシ樹脂の接着剤等によって接合される。巻線案内溝40は、ティース24の上下部分を構成する圧粉コア部24bの両方に設けてもよいし、圧粉コア部24bの一方に設けてもよい。圧粉コア部24bの両方に巻線案内溝40を設ける場合には、図4に示すように、上下の圧粉コア部24bにおいて巻線案内溝40の凹部を互いに1/2ピッチずらして設けることが好適である。これによって、巻線22をティース24の巻線スロット部Bに巻き付ける際に巻線22を巻線スロット部Bの延伸方向に向けてずらしながら巻き付けることができる。
【0027】
図5に、巻線スロット部Bの延伸方向に直交するティース24の断面を示す。図4及び図5に示すように、ティース24の表面の少なくとも一部は絶縁材の皮膜29によって被覆される。ティース24と巻線22との間に電気的絶縁をもたせるためにティース24の少なくとも巻線スロット部Bの表面に絶縁材の皮膜29が形成される。
【0028】
巻線案内溝40に沿わせて巻線22を装着する際に巻線案内溝40内における巻線22のすべりを良くするため、皮膜29は高強度かつすべり性の良い絶縁材料を主成分とすることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、酸化珪素、セラミック、DLC(Diamond Like Cabon)等の絶縁材料を用いることが好適である。このような絶縁材料をティース24の巻線スロット部Bに電着塗装することによって、0.1mm以下の膜厚の高強度かつすべり性の高い皮膜29を形成することができる。
【0029】
このように、ティース24自体に巻線案内溝40や取り出し用溝42を形成し、ティース24の表面に絶縁材料の皮膜29を形成することによって、従来の絶縁キャップを用いた絶縁方法に比べて巻線スロット部Bの空間に対する絶縁部の占積率を低減することができる。従来の絶縁部が占有していた空間が少なくなっただけ巻線22を装着する空間が増え、巻線スロット部Bにおける巻線22の占積率を従来よりも高めることができる。その結果、モータの出力を従来よりも向上させることができる。
【0030】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。例えば、ティースを電磁鋼板の積層コア又は磁性粉末体を圧縮成形した圧粉コア部のいずれか一方のみで構成してもよい。また、巻線案内溝及び取り出し用溝のいずれか一方のみをティースに形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態におけるモータの構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるティースの構成を示す斜視図である。
【図3】ステータコアのメインコア部を構成する電磁鋼板を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるティースの形状を説明する断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるティースの形状を説明する断面図である。
【図6】従来のステータコアの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
20 ステータコア、22 巻線、24 ティース、24a メインコア部、24b 圧粉コア部、28 高透磁性板、28a 鍔部、28b 突出部分、29 皮膜、30 アウターコア、32 インナーコア、34 回転軸、40 巻線案内溝、42 取り出し用溝、100 モータ、102 ステータ、104 ロータ。




 

 


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