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発明の名称 ステータのコイル相間絶縁法および絶縁構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−74773(P2007−74773A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−256192(P2005−256192)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
発明者 窪田 肇
要約 課題
相間絶縁紙の組み付け作業を簡単にして組み付け不良を確実になくし、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができるステータのコイル相間絶縁法および絶縁構造を提供すること。

解決手段
ステータコア52の両端にそれぞれ環状絶縁紙10UV(10VW)を配置し、環状絶縁紙10UV(10VW)に形成された突起13(23)をスロット53に装着されたスロット紙54に接合して、環状絶縁紙10UV(10VW)をステータコア52に組み付けて固定した状態で、V相コイル51V(W相コイル51W)を所定のスロット53に挿入して、環状絶縁紙10UV(10VW)を異相コイル間に介在させて異相コイル間を絶縁する。
特許請求の範囲
【請求項1】
ステータコアに形成されたスロットに挿入される各相コイルのコイルエンド部で異相コイル間を絶縁するコイル相間絶縁法において、
前記スロットに挿入済みのコイルの形状に成形されてステータコア側端部に複数の突起が設けられた円環状相間絶縁紙を前記ステータコアの両端に配置し、
前記突起を前記スロットに装着されたスロット紙に接合して前記円環状相間絶縁紙を前記ステータコアに組み付け、
次相コイルを所定のスロットに挿入して、前記円環状相間絶縁紙を異相コイル間に介在させて異相コイル間を絶縁することを特徴とするステータのコイル相間絶縁法。
【請求項2】
請求項1に記載するステータのコイル相間絶縁法において、
前記円環状相間絶縁紙には前記突起が少なくとも3個以上等間隔で設けられていることを特徴とするステータのコイル相間絶縁法。
【請求項3】
ステータコアに形成されたスロットに挿入される各相コイルのコイルエンド部で異相コイル間が絶縁されたコイル相間絶縁構造であって、
前記スロットに挿入されたコイルの形状に成形されてステータコア側端部に複数の突起が設けられた円環状相間絶縁紙が前記ステータコアの両端に配置され、
前記突起が前記スロットに装着されたスロット紙に接合されて前記円環状相間絶縁紙が前記ステータコアに組み付けられ、
次相コイルが所定のスロットに挿入されるとともに、前記円環状相間絶縁紙が異相コイル間に介在されて異相コイル間が絶縁されたことを特徴とするステータのコイル相間絶縁構造。
【請求項4】
請求項3に記載するステータのコイル相間絶縁構造において、
前記円環状相間絶縁紙に前記突起が少なくとも3個以上等間隔で設けられていることを特徴とするステータのコイル相間絶縁構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアにおける各相コイルのコイルエンド部で異相コイル間を絶縁するコイル相間絶縁法に関する。より詳細には、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができるステータのコイル相間絶縁法および絶縁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータ(ステータ)においては、異相コイル間に絶縁距離を持たせる(絶縁性を確保する)ために、各相コイル間に相間絶縁紙を挿入している。例えば、三相モータでは、U相コイルとV相コイルとの間、V相コイルとW相コイルとの間に相間絶縁紙をそれぞれ挿入して各コイル相間を絶縁している。
【0003】
ここで、相間絶縁紙の1つとして、例えば、図14に示すような相間絶縁紙110が使用されている。すなわち、ステータコアのスロットに挿入される脚部140,140と、両端部で脚部140,140により連結されてステータコアに挿入したときに両端面から突出する平面部120,130とを有する両面一体型(はしご型)のものが使用されている。
【0004】
ところが、相間絶縁紙110を使用する場合、アッパーツールにより自動的に相間絶縁紙110をステータコアに組み付けるが、組み付け不良が発生して脚部140が切れてしまうことがあった。脚部140が切れてしまうと、相間絶縁紙110の平面部120,130が所定の位置からずれてしまう。そうすると、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができなくなる。
【0005】
また、相間絶縁紙110は、立体的かつはしご型形状をなしているため、成形が複雑であり、また切り抜かれた部分の材料が無駄になるため歩留まりが悪く材料費が高くなってしまう。さらに、相間絶縁紙110をステータコアに組み付けるためには、上記したようにアッパーツールを使用する。しかしながら、アッパーツールを使用するための設備構成は、複雑かつ高価なものである。
このようなことから、相間絶縁紙110を使用するコイル相間絶縁法はコスト面で不利であった。
【0006】
これに対して、はしご型形状ではなく環状の相間絶縁紙を使用してコイル相間の絶縁を行う技術が、例えば特開2005−110492号公報に開示されている。ここに開示されている技術では、異相コイルのコイルエンド部間に、図15に示すような3次元形状に予めプレス成形した環状絶縁紙150を配置してコイル相間の絶縁を行っている。そして、この技術では、環状絶縁紙150に取り付けられたストラップ160を、ステータコアの端面を押さえるサポータ治具の外面で固定することにより環状絶縁紙150の位置ずれを防止して、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保するようになっている。また、環状絶縁紙150を使用することにより、切り抜かれる部分がなくなるため材料を無駄にすることもないし、ステータコアへの組み付けにアッパーツールを使用する必要もなくなる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−110492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したような環状絶縁紙150を用いる場合、複雑な3次元形状にプレス成形する必要があるという問題がある。また、環状絶縁紙150を所定位置に固定するためにストラップ160をサポータ治具の外面に固定する必要があり、ステータコアへの組み付けが複雑であるという問題もあった。さらに、サポータ治具を取り外す際にストラップ160の処理を行う必要があり、その処理も複雑であるという問題がある。
【0009】
このように、環状絶縁紙150を使用するコイル相間絶縁法では、組み付け作業が複雑であるため組み付け不良が発生して異相コイル間における絶縁性を十分に確保することができないおそれがある。また、環状絶縁紙150を使用するコイル相間絶縁法では、組み付け作業およびストラップ160の処理が複雑で手間がかかるため、ステータの生産効率が悪化するという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、相間絶縁紙の組み付け作業を簡単にして組み付け不良を確実になくし、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができるステータのコイル相間絶縁法および絶縁構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るステータのコイル相間絶縁法は、ステータコアに形成されたスロットに挿入される各相コイルのコイルエンド部で異相コイル間を絶縁するコイル相間絶縁法において、前記スロットに挿入済みのコイルの形状に成形されてステータコア側端部に複数の突起が設けられた円環状相間絶縁紙を前記ステータコアの両端に配置し、前記突起を前記スロットに装着されたスロット紙に接合して前記円環状相間絶縁紙を前記ステータコアに組み付け、次相コイルを所定のスロットに挿入して、前記円環状相間絶縁紙を異相コイル間に介在させて異相コイル間を絶縁することを特徴とする。
【0012】
このコイル相間絶縁法では、スロットに挿入済みのコイルの形状に成形された円環状相間絶縁紙がステータコアの両端に配置されて、円環状相間絶縁紙のステータコア側端部に設けられた複数の突起がスロットに装着されたスロット紙に接合される。これで、円環状相間絶縁紙がステータコアに組み付けられて固定される。その後、次相コイルが所定のスロットに挿入される。これにより、円環状相間絶縁紙が異相コイル間に介在して異相コイル間が絶縁される。このとき、円環状相間絶縁紙は、突起がスロット紙に結合されているので位置がずれない。また、円環状相間絶縁紙のステータコアに対する組み付けは、円環状相間絶縁紙をステータコアの所定位置に配置して突起をスロット紙に接合するという非常に簡単なものである。つまり、上記した環状絶縁紙のようにストラップの取り扱い(組み付けおよび後処理)に手間取ることがない。このため、このコイル相間絶縁法では、相間絶縁紙の組み付け不良を確実に防止することができる。従って、このコイル相間絶縁法によれば、相間絶縁紙の組み付け作業が簡略化されるので組み付け不良を確実になくして、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0013】
また、このコイル相間絶縁法では、円環状相間絶縁紙を使用するため、切り抜かれる部分がなくなるため材料を無駄にすることもないし、ステータコアへの組み付けに複雑な設備が必要なアッパーツールを使用しなくてもよい。このため、このコイル相間絶縁法を用いることにより生産コスト面で有利になる。さらに、このコイル相間絶縁法は、上記したように、相間絶縁紙の組み付け作業が非常に簡単であるためステータの生産効率を向上させることができる。
【0014】
本発明に係るステータのコイル相間絶縁法においては、前記円環状相間絶縁紙には前記突起が少なくとも3個以上等間隔で設けられていることが好ましい。
【0015】
こうすることにより、円環状相間絶縁紙をスロット紙を介してステータコアに、よりしっかりと固定することができるため、円環状相間絶縁紙の位置ずれをより確実に防止することができるからである。その結果、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0016】
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るステータのコイル相間絶縁構造は、ステータコアに形成されたスロットに挿入される各相コイルのコイルエンド部で異相コイル間が絶縁されたコイル相間絶縁構造であって、前記スロットに挿入されたコイルの形状に成形されてステータコア側端部に複数の突起が設けられた円環状相間絶縁紙が前記ステータコアの両端に配置され、前記突起が前記スロットに装着されたスロット紙に接合されて前記円環状相間絶縁紙が前記ステータコアに組み付けられ、次相コイルが所定のスロットに挿入されるとともに、前記円環状相間絶縁紙が異相コイル間に介在されて異相コイル間が絶縁されたことを特徴とする。
【0017】
このコイル相間絶縁構造では、スロットに挿入されたコイルの形状に成形された円環状相間絶縁紙がステータコアの両端に配置され、円環状相間絶縁紙のステータコア側端部に設けられた複数の突起がスロットに装着されたスロット紙に接合されてステータコアに組み付けられて固定されている。このため、ステータコアに組み付けられた円環状相間絶縁紙の位置がずれない。また、円環状相間絶縁紙のステータコアに対する組み付けは、円環状相間絶縁紙をステータコアの所定位置に配置して突起をスロット紙に接合するという非常に簡単なものである。そして、このようにしてステータコアに組み付けられた円環状相間絶縁紙が次相コイルとの間、つまり異相コイル間に介在して異相コイル間が絶縁されている。従って、このコイル相間絶縁構造を採用することにより、相間絶縁紙の組み付け作業が簡略化されるので組み付け不良が確実になくなり、また組み付けられた相間絶縁紙の位置がずれないので、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0018】
また、このコイル相間絶縁構造では、円環状相間絶縁紙を使用するので切り抜かれる部分がなくなるため材料を無駄にすることもない。さらに、ステータコアへの相間絶縁紙の組み付けに複雑な設備が必要なアッパーツールを使用する必要もない。従って、このコイル相間絶縁構造を採用することにより生産コスト面でも有利になる。さらに、このコイル相間絶縁構造を採用することにより、上記したように相間絶縁紙の組み付け作業が非常に簡単になるためステータの生産効率を向上させることもできる。
【0019】
本発明に係るステータのコイル相間絶縁構造においては、前記円環状相間絶縁紙に前記突起が少なくとも3個以上等間隔で設けられていることが好ましい。
【0020】
このような構造にすることにより、円環状相間絶縁紙がスロット紙を介してステータコアによりしっかりと固定されるため、円環状相間絶縁紙の位置ずれがより確実に防止される。その結果として、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができるコイル相間絶縁構造とすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る相間絶縁紙によれば、上記した通り、相間絶縁紙の組み付け作業を簡単にして組み付け不良を確実になくし、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができるステータのコイル相間絶縁法および絶縁構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のコイル相間絶縁法および絶縁構造を具体化した最も好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。本実施の形態では、三相ブラシレスDCモータに使用するステータに対して本発明を適用した場合について説明する。
【0023】
そこでまず、本発明のコイル相間絶縁法を用いて本発明のコイル相間絶縁構造を実現させたステータについて、図1を参照しながら説明する。図1は、ステータの概略構成を示す斜視図である。ステータ50は、図1に示すように、U相コイル51U、V相コイル51V、およびW相コイル51Wを備える三相ステータである。このステータ50は、ステータコア52と、ステータコア52に配設される上記した三相のコイル51U,51V,51Wと、各コイルの相間(U相−V相間とV相−W相間)に配設される環状絶縁紙10UV,10VWとを備えている。なお、環状絶縁紙10UV,10VWの詳細については後述する。
【0024】
ここで、ステータコア52は、図2に示すように、複数枚の鋼板が積層されて一体的に接着されて形成されたドーナツ形状のものである。なお、図2は、ステータコアの概略構成を示す斜視図である。そして、ステータコア52の内周面には、各相コイル51U,51V,51Wを配設させるための複数のスロット53が所定の間隔をおいて形成されている。一方、各相のコイル51U,51V,51Wは、エナメル線を巻回して形成されたものである。そして、これら各相のコイル51U,51V,51Wが、環状絶縁紙10UV,10VWを介してステータコア52のスロット53に挿入されるようになっている。
【0025】
続いて、環状絶縁紙について、図3〜図6を参照しながら説明する。図3は、U−V相間環状絶縁紙の概略構成を示す展開図である。図4は、U−V相間環状絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。図5は、V−W相間環状絶縁紙の概略構成を示す展開図である。図6は、V−W相間環状絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。
【0026】
まず、U−V相間環状絶縁紙10UVについて説明する。U−V相間環状絶縁紙10UVは、図3に示すように上下に分割された帯状のものの両端を一部重ね合わせて接合して、図4に示すように環状に形成したものである。このため、U−V相間環状絶縁紙10UVでは、はしご型形状の相間絶縁紙のように材料を無駄にすることがない。U−V相間環状絶縁紙10UVには、帯部11と、凸部12と、突起13とが備わっている。帯部11は、U相コイル51UとV相コイル51Vのコイルエンド部間に介在する部分である。
【0027】
凸部12は、U相コイル51Uのコイルエンド根元部を覆うための部分であり、U相コイル51Uのコイルエンド根元部に倣うようにステータコア内側に突出している。これにより、凸部12によってU相コイル51Uのコイルエンド根元部がしっかりと覆われるようになっている。そして、凸部12は、帯部11とは別体成形されており、帯部11に貼り合わされている。本実施の形態では、凸部12は8個設けられている。なお、図4に示すように、帯部11のうち凸部12が配置される部分は切り欠かれている。
【0028】
突起13は、U−V相間環状絶縁紙10UVをステータコア52に対して固定するためのものであり、U−V相間環状絶縁紙10UVをステータコア52に組み付けた際に、スロット53に装着されたスロット紙54に接合されるようになっている。本実施の形態では、1つのU−V相間環状絶縁紙10UVに突起13を等間隔で4個設けている。なお、突起13は、1つのU−V相間環状絶縁紙10UVにおいて等間隔で3個以上設けることが好ましい。突起13を等間隔で3個以上設けることにより、U−V相間環状絶縁紙10UVをステータコア52に対して位置がずれることなくしっかりと固定することができるからである。
【0029】
このようにU−V相間環状絶縁紙10UVは、帯部11および突起13を切り抜き、別に成形した凸部12を帯部11に貼り合わせることにより、U相コイル51の形状に形成される。つまり、U−V相間環状絶縁紙10UVは、従来の環状絶縁紙150のように複雑なプレス成形をすることなく形成することができる。つまり、U−V相間環状絶縁紙10UVは、従来の環状絶縁紙に比べて簡単に形成することができる。
【0030】
次に、V−W相間環状絶縁紙10VWについて説明する。V−W相間環状絶縁紙10VWは、U−V相間環状絶縁紙10UVと同様に、図5に示すように上下に分割された帯状のものの両端を一部重ね合わせて接合して、図6に示すように環状に形成したものである。このため、V−W相間環状絶縁紙10VWでは、はしご型形状の相間絶縁紙のように材料を無駄にすることがない。V−W相間環状絶縁紙10VWには、帯部21と、凸部22と、突起23とが備わっている。帯部21は、V相コイル51VとW相コイル51Wのコイルエンド部間に介在する部分である。
【0031】
凸部22は、V相コイル51Vのコイルエンド根元部を覆うための部分であり、V相コイル51Vのコイルエンド根元部に倣うようにステータコア内側に突出している。これにより、凸部22によってV相コイル51Vのコイルエンド根元部がしっかりと覆われるようになっている。そして、凸部22は、帯部21を谷折りおよび山折りすることにより形成されている。本実施の形態では、凸部22は8個設けられている。
【0032】
突起23は、V−W相間環状絶縁紙10VWをステータコア52に対して固定するためのものであり、V−W相間環状絶縁紙10VWをステータコア52に組み付けた際に、スロット53に装着されたスロット紙54に接合されるようになっている。本実施の形態では、1つのV−W相間環状絶縁紙10VWに突起23を等間隔に4個設けている。なお、突起23は、1つのV−W相間環状絶縁紙10VWにおいて等間隔に3個以上設けることが好ましい。突起23を等間隔に3個以上設けることにより、V−W相間環状絶縁紙10VWをステータコア52に対して位置がずれることなくしっかりと固定することができるからである。
【0033】
このようにV−W相間環状絶縁紙10VWは、帯部21および突起23を切り抜き、帯部21を折り曲げて凸部22を成形して、V相コイル51Vの形状に形成されている。つまり、V−W相間環状絶縁紙10VWも、従来の環状絶縁紙150のように複雑なプレス成形をすることなく、非常に簡単に形成することができる。
【0034】
続いて、上記した環状絶縁紙10UV,10VWを使用したコイル相間絶縁法を実施してステータ50を組み立てる作業について、図7〜図13を参照しながら説明する。図7は、U相コイルをステータコアに挿入した状態を示す説明図である。図8は、U−V相間環状絶縁紙を所定位置に配置した状態を示す説明図である。図9は、U−V相間環状絶縁紙をステータコアに組み付けた後の状態を示す説明図である。図10は、突起が挿入されたスロット部分の図9に示す状態における断面図である。図11は、V相コイルをステータコアに挿入した状態を示す説明図である。図12は、V−W相間環状絶縁紙を所定位置に配置した状態を示す説明図である。図13は、V−W相間環状絶縁紙をステータコアに組み付けた後の状態を示す説明図である。
【0035】
まず、スロット53にスロット紙54が装着されたステータコア52に対して、公知のインサータ方式により、図7に示すようにU相コイル51Uがステータコア52における所定のスロット53に挿入され、U相コイル51Uの拡張が行われる。なお、コイルの拡張とは、次相のコイル(今回の場合であればV相コイル51Vとなる)をステータコア52の所定のスロット53に挿入するための空間を作るための工程である。
【0036】
そして、U相コイル51Uの拡張が終了すると、U−V相間環状絶縁紙10UVが図8に示すように所定位置に配置される。すなわち、ステータコア52の上方および下方にそれぞれU−V相間環状絶縁紙10UVが配置される。そして、上下方向(ステータ軸方向)からU−V相間環状絶縁紙10UVがそれぞれステータコア52に組み付けられる。このU−V相間環状絶縁紙10UVの搬送および組み付けは、図示しない組み付け治具を用いて自動的に行われる。
【0037】
このとき、図9に示すように、U−V相間環状絶縁紙10UVの凸部11はU相コイル51Uのコイルエンド根元部に配置され、突起13はV相コイ51Vが挿入されるスロット53に配置される。そして、図10に示すように、各突起13がスロット紙54に接合される。なお、突起13とスロット紙54との接合は、例えば超音波溶着などにより行えばよい。そして、突起13は等間隔で4個設けられているので、U−V相間環状絶縁紙10UVがスロット紙54を介してステータコア52にしっかりと固定される。このように、ステータコア52に対するU−V相間環状絶縁紙10UVの組み付け作業は非常に簡単であるため、組み付け不良を確実になくすことができる。
【0038】
次いで、公知のインサータ方式により、V相コイル51Vがステータコア52のスロット53に挿入されて拡張成形が行われる。このとき、U−V相間環状絶縁紙10UVがスロット紙54を介してステータコア52にしっかりと固定されているので、V相コイル51Vの挿入および拡張成形時にU−V相間環状絶縁紙10UVの位置がずれない。これにより、図11に示すように、U−V相間環状絶縁紙10UVがU相コイル51UとV相コイル51Vとの間に確実に介在して、U相コイル51UとV相コイル51Vとを完全に隔離することができる。従って、U相コイル51UとV相コイル51Vとのコイル相間において十分な絶縁性が確保される。
【0039】
次に、V−W相間環状絶縁紙10VWが図12に示すように所定位置に配置される。すなわち、ステータコア52の上方および下方にそれぞれV−W相間環状絶縁紙10VWが配置される。そして、上下方向(ステータ軸方向)からV−W相間環状絶縁紙10VWがそれぞれステータコア52に組み付けられる。このV−W相間環状絶縁紙10VWの搬送および組み付けは、図示しない組み付け治具を用いて自動的に行われる。このとき、図13に示すように、V−W相間環状絶縁紙10VWの凸部21はV相コイル51Vのコイルエンド根元部に配置され、突起23はW相コイ51Wが挿入されるスロット53に配置される。そして、各突起23がスロット紙54に接合される。突起23とスロット紙54との接合も、例えば超音波溶着などにより行えばよい。そして、突起23は等間隔で4個設けられているので、V−W相間環状絶縁紙10VWがスロット紙54を介してステータコア52にしっかりと固定される。このように、ステータコア52に対するV−W相間環状絶縁紙10VWの組み付け作業も非常に簡単であるため、組み付け不良を確実になくすことができる。
【0040】
その後、公知のインサータ方式により、W相コイル51Wがステータコア52の所定のスロット53に挿入されてコイルの最終成形が行われ、図1に示す三相ステータ50が完成する。ここで、V−W相間環状絶縁紙10VWがスロット紙54を介してステータコア52にしっかりと固定されているので、W相コイル51Wの挿入およびコイル成形時にV−W相間環状絶縁紙10VWの位置がずれない。これにより、V−W相間環状絶縁紙10VWがV相コイル51VとW相コイル51Wとの間に確実に介在して、V相コイル51VとW相コイル51Wとを完全に隔離することができる。従って、V相コイル51VとW相コイル51Wとのコイル相間において十分な絶縁性が確保される。
【0041】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るコイル相間絶縁法および絶縁構造では、環状絶縁紙10UV(10VW)をステータコア52の所定位置に配置して突起13(23)をスロット53に装着されたスロット紙54に接合し、環状絶縁紙10UV(10VW)をステータコア52に組み付けて固定した状態で、U−Vコイル相間(V−Wコイル相間)に環状絶縁紙10UV(10VW)を介在させている。このため、次相コイルの挿入や成形の際に、ステータコア52に組み付けられた環状絶縁紙10UV(10VW)の位置がずれない。また、環状絶縁紙10UV(10VW)のステータコア52への組み付けは、環状絶縁紙10UV(10VW)をステータコア52に配置して突起13(23)をスロット紙54に接合するという非常に簡単なものである。このため、環状絶縁紙10UV(10VW)の組み付け不良を確実に防止することができる。このように、本実施の形態に係るコイル相間絶縁法によれば、環状絶縁紙10UV(10VW)の組み付け不良が確実に防止され、ステータコア52に組み付けられた環状絶縁紙10UV(10VW)の位置がずれないので、コイルエンド部における異相コイル間の絶縁性を十分に確保することができる。
【0042】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、V−W相間絶縁紙10VWにおける凸部22は帯部21を折り曲げて形成しているが、U−V相間絶縁紙10UVと同様に、凸部22を別体で成形して帯部21に貼り付けてもよい。
【0043】
また、上記した実施の形態では、三相ブラシレスDCモータに使用するステータに対して本発明を適用したものを例示したが、本発明は三相ブラシレスDCモータに限られることなく、コイル相間の絶縁が必要な分布巻き方式のステータを使用するモータであれば本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ステータの概略構成を示す斜視図である。
【図2】ステータコアの概略構成を示す斜視図である。
【図3】U−V相間環状絶縁紙の概略構成を示す展開図である。
【図4】U−V相間環状絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。
【図5】V−W相間環状絶縁紙の概略構成を示す展開図である。
【図6】V−W相間環状絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。
【図7】U相コイルをステータコアに挿入した状態を示す説明図である。
【図8】U−V相間環状絶縁紙を所定位置に配置した状態を示す説明図である。
【図9】U−V相間環状絶縁紙をステータコアに組み付けた後の状態を示す説明図である。
【図10】突起が挿入されたスロット部分の図9に示す状態における断面図である。
【図11】V相コイルをステータコアに挿入した状態を示す説明図である。
【図12】ステータにおけるU−V相間絶縁紙の状態を示す断面図である。
【図13】V−W相間環状絶縁紙をステータコアに組み付けた後の状態を示す説明図である。
【図14】従来のはしご型形状の相間絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。
【図15】従来の環状絶縁紙の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10UV U−V相間環状絶縁紙
10VW V−W相間環状絶縁紙
11 帯部
12 凸部
13 突起
21 帯部
22 凸部
23 突起
50 ステータ
51U U相コイル
51V V相コイル
51W W相コイル
52 ステータコア
53 スロット
54 スロット紙




 

 


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