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発明の名称 交流電圧発生装置および動力出力装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68363(P2007−68363A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253843(P2005−253843)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 及部 七郎斎 / 中村 誠 / 石川 哲浩
要約 課題
多相の交流電圧を発生することができる交流電圧発生装置を提供する。

解決手段
動力出力装置100は、モータジェネレータMG1,MG2,MGRと、インバータ20,30,40とを備える。モータジェネレータMG1,MG2,MGRは、それぞれ3相コイル12,14,16を含む。インバータ20は、3相コイル12の中性点N1の電位を周期的に変化させ、インバータ30は、3相コイル14の中性点N2の電位を中性点N1の電位変化に対して2π/3ずらした位相で周期的に変化させ、インバータ40は、3相コイル16の中性点N3の電位を中性点N1の電位変化に対して4π/3ずらした位相で周期的に変化させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
m(mは3以上の自然数)個の多相巻線と、
前記m個の多相巻線にそれぞれ接続されるm個の電圧変換装置と、
前記m個の電圧変換装置を制御する制御手段とを備え、
前記m個の多相巻線の各々は、星形結線され、
前記制御手段は、前記m個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が生じるように前記m個の電圧変換装置を協調して制御し、
前記m個の電圧変換装置の各々は、前記制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する、交流電圧発生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、単相交流電圧の発生を要求されたとき、前記m個の多相巻線のうち2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように、前記2個の多相巻線にそれぞれ接続される2個の電圧変換装置を協調して制御し、
前記2個の電圧変換装置の各々は、前記制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する、請求項1に記載の交流電圧発生装置。
【請求項3】
前記m個の多相巻線の中性点に生じる前記m相交流電圧をm相交流負荷へ出力するための第1の出力端子と、
前記2個の多相巻線の中性点間に生じる前記単相交流電圧を単相交流負荷へ出力するための第2の出力端子と、
前記単相交流電圧の発生を要求されたとき、前記2個の多相巻線の中性点を前記第1の出力端子から前記第2の出力端子に繋ぎかえる切替手段とをさらに備える、請求項2に記載の交流電圧発生装置。
【請求項4】
各々が多相巻線を固定子巻線として含むn(nは3以上の自然数)個の電動機と、
n個の前記多相巻線にそれぞれ接続されるn個の電圧変換装置と、
前記n個の電圧変換装置を制御する制御手段とを備え、
前記n個の多相巻線の各々は、星形結線され、
前記制御手段は、前記n個の電動機のうちm(mは3以上n以下の自然数)個の電動機にそれぞれ含まれるm個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が生じるように、前記m個の多相巻線にそれぞれ接続されるm個の電圧変換装置を協調して制御し、
前記m個の電圧変換装置の各々は、前記制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する、動力出力装置。
【請求項5】
n>mであり、
前記n個の電動機のうち前記m個の電動機以外の電動機のいずれかは、車両の内燃機関に連結されて前記内燃機関の動力を用いて発電し、
前記m個の電圧変換装置は、前記発電された電力を用いて、前記m個の多相巻線の中性点に前記m相交流電圧を生成する、請求項4に記載の動力出力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、単相交流電圧の発生を要求されたとき、前記m個の電動機のうち2個の電動機にそれぞれ含まれる2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように、前記2個の多相巻線にそれぞれ接続される2個の電圧変換装置を協調して制御し、
前記2個の電圧変換装置の各々は、前記制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する、請求項4に記載の動力出力装置。
【請求項7】
前記m個の多相巻線の中性点に生じる前記m相交流電圧をm相交流負荷へ出力するための第1の出力端子と、
前記2個の多相巻線の中性点間に生じる前記単相交流電圧を単相交流負荷へ出力するための第2の出力端子と、
前記単相交流電圧の発生を要求されたとき、前記2個の多相巻線の中性点を前記第1の出力端子から前記第2の出力端子に繋ぎかえる切替手段とをさらに備える、請求項6に記載の動力出力装置。
【請求項8】
第1から第3の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む第1から第3の電動機と、
前記第1から第3の多相巻線にそれぞれ接続される第1から第3の電圧変換装置と、
前記第1から第3の電圧変換装置を制御する制御手段とを備え、
前記第1から第3の多相巻線の各々は、星形結線され、
前記第1の電動機は、車両の内燃機関に連結されて前記内燃機関の動力を用いて発電し、
前記制御手段は、前記第2および第3の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように前記第2および第3の電圧変換装置を協調して制御し、
前記第2および第3の電圧変換装置は、前記第1の電動機によって発電された電力を用いて、前記制御手段からの指令に応じて前記第2および第3の多相巻線の中性点間に前記単相交流電圧を生成する、動力出力装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、交流電圧発生装置および動力出力装置に関し、特に、交流電圧を発生して負荷装置へ供給可能な交流電圧発生装置および動力出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第2695083号公報(特許文献1)は、電気動力駆動の車両に使用される電動機駆動および動力処理装置を開示する。この電動機駆動および動力処理装置は、二次電池と、インバータIA,IBと、誘導電動機MA,MBと、制御ユニットとを備える。誘導電動機MA,MBは、Y結線された巻線CA,CBをそれぞれ含み、巻線CA,CBの中性点NA,NBには、EMIフィルターを介して入力/出力ポートが接続される。
【0003】
インバータIA,IBは、それぞれ誘導電動機MA,MBに対応して設けられ、それぞれ巻線CA,CBに接続される。そして、インバータIA,IBは、二次電池に並列に接続される。
【0004】
この電動機駆動および動力処理装置においては、インバータIA,IBは、中性点NA,NB間に正弦波の調整された交流電力を発生し、その発生した交流電力を入力/出力ポートに接続された外部装置へ供給することができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2695083号公報
【特許文献2】特開平8−126121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許第2695083号公報では、誘導電動機MA,MBおよびそれらにそれぞれ対応して設けられるインバータIA,IBを用いて、中性点NA,NB間に単相の交流電圧しか発生することができず、多相の交流電圧を発生することはできない。
【0006】
また、インバータIA,IBの入力電圧(システム電圧)は、各誘導電動機MA,MBにおいてモータ駆動分と交流電圧生成分とに用いられるので、電動機の駆動と交流電圧の発生とが同時に要求されると、所望の駆動トルクを発生するのに必要な電圧または/および交流電圧の発生に必要な電圧の不足が発生し得る。
【0007】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多相の交流電圧を発生することができる交流電圧発生装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、多相の交流電圧を発生することができる動力出力装置を提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、電動機の駆動と交流電圧の発生とが同時に要求されても、所望の電圧を確保することができる動力出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、交流電圧発生装置は、m(mは3以上の自然数)個の多相巻線と、m個の多相巻線にそれぞれ接続されるm個の電圧変換装置と、m個の電圧変換装置を制御する制御手段とを備える。m個の多相巻線の各々は、星形結線される。制御手段は、m個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が生じるようにm個の電圧変換装置を協調して制御する。m個の電圧変換装置の各々は、制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する。
【0011】
この発明による交流電圧発生装置においては、制御手段によりm(m≧3)個の電圧変換装置が協調して制御され、m個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が発生する。したがって、この発明による交流電圧発生装置によれば、多相の交流電圧を発生して車両外部の負荷へ供給することができる。
【0012】
好ましくは、制御手段は、単相交流電圧の発生を要求されたとき、m個の多相巻線のうち2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように、その2個の多相巻線にそれぞれ接続される2個の電圧変換装置を協調して制御する。その2個の電圧変換装置の各々は、制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する。
【0013】
この交流電圧発生装置においては、単相交流電圧の発生が要求されると、制御手段によりm個の電圧変換装置のうち2個の電圧変換装置が協調して制御され、その2個の電圧変換装置にそれぞれ対応する2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が発生する。したがって、この交流電圧発生装置によれば、単相交流電圧を発生して車両外部の負荷へ供給することができる。
【0014】
さらに好ましくは、交流電圧発生装置は、m個の多相巻線の中性点に生じるm相交流電圧をm相交流負荷へ出力するための第1の出力端子と、2個の多相巻線の中性点間に生じる単相交流電圧を単相交流負荷へ出力するための第2の出力端子と、単相交流電圧の発生を要求されたとき、その2個の多相巻線の中性点を第1の出力端子から第2の出力端子に繋ぎかえる切替手段とをさらに備える。
【0015】
この交流電圧発生装置においては、単相交流電圧の発生が要求されると、交流電圧が生じる2個の多相巻線の中性点が第1の出力端子から第2の出力端子に切替手段によって繋ぎかえられる。したがって、この交流電圧発生装置によれば、要求された交流電圧に応じて出力端子を切替えて負荷へ出力することができる。
【0016】
また、この発明によれば、動力出力装置は、各々が多相巻線を固定子巻線として含むn(nは3以上の自然数)個の電動機と、n個の電動機にそれぞれ含まれるn個の多相巻線にそれぞれ接続されるn個の電圧変換装置と、n個の電圧変換装置を制御する制御手段とを備える。n個の多相巻線の各々は、星形結線される。制御手段は、n個の電動機のうちm(mは3以上n以下の自然数)個の電動機にそれぞれ含まれるm個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が生じるように、そのm個の多相巻線にそれぞれ接続されるm個の電圧変換装置を協調して制御する。そのm個の電圧変換装置の各々は、制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する。
【0017】
この発明による動力出力装置においては、制御手段によりm(m≧3)個の電圧変換装置が協調して制御され、そのm個の電圧変換装置にそれぞれ接続されるm個の多相巻線の中性点にm相交流電圧が発生する。したがって、この発明による動力出力装置によれば、多相の交流電圧を発生して車両外部の負荷へ供給することができる。
【0018】
好ましくは、n>mであり、n個の電動機のうちm個の電動機以外の電動機のいずれかは、車両の内燃機関に連結されて内燃機関の動力を用いて発電する。協調制御されるm個の電圧変換装置は、その発電された電力を用いて、m個の多相巻線の中性点にm相交流電圧を生成する。
【0019】
この動力出力装置においては、内燃機関の動力を用いて発電する電動機以外のm個の電動機を用いてm相交流電圧が生成されるので、内燃機関の動力を用いて発電する電動機においては、電圧変換装置の入力電圧(システム電圧)の全てが電動機の駆動に充てられ、m相交流電圧の生成に用いられるm個の電動機においては、システム電圧の全てがm相交流電圧の生成分に充てられる。したがって、この動力出力装置によれば、大電力(高電圧)の発電を行ないつつ、所望のm相交流電圧を生成することができる。
【0020】
好ましくは、制御手段は、単相交流電圧の発生を要求されたとき、m個の電動機のうち2個の電動機にそれぞれ含まれる2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように、その2個の多相巻線にそれぞれ接続される2個の電圧変換装置を協調して制御する。その2個の電圧変換装置の各々は、制御手段からの指令に応じて、対応する多相巻線の中性点電位を制御する。
【0021】
この動力出力装置においては、単相交流電圧の発生が要求されると、制御手段によりm個の電圧変換装置のうち2個の電圧変換装置が協調して制御され、その2個の電圧変換装置にそれぞれ対応する2個の電動機にそれぞれ含まれる2個の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が発生する。したがって、この動力出力装置によれば、単相交流電圧を発生して車両外部の負荷へ供給することができる。
【0022】
さらに好ましくは、動力出力装置は、m個の多相巻線の中性点に生じるm相交流電圧をm相交流負荷へ出力するための第1の出力端子と、2個の多相巻線の中性点間に生じる単相交流電圧を単相交流負荷へ出力するための第2の出力端子と、単相交流電圧の発生を要求されたとき、その2個の多相巻線の中性点を第1の出力端子から第2の出力端子に繋ぎかえる切替手段とをさらに備える。
【0023】
この動力出力装置においては、単相交流電圧の発生が要求されると、交流電圧が生じる2個の多相巻線の中性点が第1の出力端子から第2の出力端子に切替手段によって繋ぎかえられる。したがって、この動力出力装置によれば、要求された交流電圧に応じて出力端子を切替えて負荷へ出力することができる。
【0024】
また、この発明によれば、動力出力装置は、第1から第3の多相巻線をそれぞれ固定子巻線として含む第1から第3の電動機と、第1から第3の多相巻線にそれぞれ接続される第1から第3の電圧変換装置と、第1から第3の電圧変換装置を制御する制御手段とを備える。第1から第3の多相巻線の各々は、星形結線される。第1の電動機は、車両の内燃機関に連結されて内燃機関の動力を用いて発電する。制御手段は、第2および第3の多相巻線の中性点間に単相交流電圧が生じるように第2および第3の電圧変換装置を協調して制御する。第2および第3の電圧変換装置は、第1の電動機によって発電された電力を用いて、制御手段からの指令に応じて第2および第3の多相巻線の中性点間に単相交流電圧を生成する。
【0025】
この発明による動力出力装置においては、内燃機関の動力を用いて第1の電動機により発電を行ない、第2および第3の電動機を用いて単相交流電圧が生成されるので、第1の電動機においては、電圧変換装置の入力電圧(システム電圧)の全てが第1の電動機の駆動に充てられ、第2および第3の電動機においては、システム電圧の全てが単相交流電圧の生成分に充てられる。したがって、この発明による動力出力装置によれば、大電力(高電圧)の発電を行ないつつ、所望の単相交流電圧を生成することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、m(m≧3)個の多相巻線を用いて多相の交流電圧を発生し、その発生した多相交流電圧を車両外部の負荷へ供給することができる。
【0027】
また、内燃機関の動力を用いて発電する電動機と交流電圧の発生に用いる電動機とを機能分担することにより、内燃機関の動力を用いて大電力(高電圧)の発電を行ないつつ、所望の交流電圧を生成して車両外部の負荷へ供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による動力出力装置の全体ブロック図である。図1を参照して、動力出力装置100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20,30,40と、モータジェネレータMG1,MG2,MGRと、エンジン4と、ACラインACL1〜ACL3と、ACポート50と、出力端子55と、制御装置60と、電源ラインPL1,PL2と、接地ラインSLと、コンデンサC1,C2と、U相ラインUL1〜UL3と、V相ラインVL1〜VL3と、W相ラインWL1〜WL3と、電圧センサ71,72とを備える。
【0030】
この動力出力装置100は、車両に搭載され、たとえばエンジン4およびモータジェネレータMG2,MGRを動力源とするハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)に搭載される。そして、モータジェネレータMG1は、エンジン4と連結され、エンジン4の始動を行なうモータとして動作し、かつ、エンジン4によって駆動される発電機として動作するものとしてハイブリッド自動車に組込まれる。モータジェネレータMG2,MGRは、それぞれ前輪2および後輪3と連結され、それぞれ前輪2および後輪3を駆動するモータとしてハイブリッド自動車に組込まれる。
【0031】
蓄電装置Bの正極は、電源ラインPL1に接続され、蓄電装置Bの負極は、接地ラインSLに接続される。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間に接続される。
【0032】
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、npn型トランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。npn型トランジスタQ1,Q2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列に接続される。各npn型トランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。そして、リアクトルLの一端は、npn型トランジスタQ1,Q2の接続点に接続され、その他端は、電源ラインPL1に接続される。
【0033】
なお、上記のnpn型トランジスタおよび以下の本明細書中のnpn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができ、また、npn型トランジスタに代えてパワーMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
【0034】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に接続される。インバータ20は、U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26を含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ11,Q12から成り、V相アーム24は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ13,Q14から成り、W相アーム26は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ15,Q16から成る。各npn型トランジスタQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続される。
【0035】
インバータ30は、U相アーム32、V相アーム34およびW相アーム36を含む。また、インバータ40は、U相アーム42、V相アーム44およびW相アーム46を含む。インバータ30,40の構成は、インバータ20と同様である。
【0036】
モータジェネレータMG1は、3相コイル12をステータコイルとして含む。3相コイル12を形成するU相コイルU1、V相コイルV1およびW相コイルW1の一端は、互いに接続されて中性点N1を形成し、各相コイルの他端は、インバータ20のU相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26における各npn型トランジスタの接続点にそれぞれ接続される。
【0037】
モータジェネレータMG2,MGRは、それぞれ3相コイル14,16をステータコイルとして含む。モータジェネレータMG2,MGRの構成は、モータジェネレータMG1と同様である。
【0038】
ACラインACL1の一端は3相コイル12の中性点N1に接続され、その他端はACポート50に接続される。ACラインACL2の一端は3相コイル14の中性点N2に接続され、その他端はACポート50に接続される。ACラインACL3の一端は3相コイル16の中性点N3に接続され、その他端はACポート50に接続される。ACポート50は、ACラインACL1〜ACL3と出力端子55との間に配設される。
【0039】
蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。蓄電装置Bは、直流電力を昇圧コンバータ10へ出力する。また、蓄電装置Bは、昇圧コンバータ10から出力される直流電圧によって充電される。なお、蓄電装置Bとして、大容量のキャパシタを用いてもよい。
【0040】
電圧センサ71は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出した電圧VBを制御装置60へ出力する。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。
【0041】
昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、蓄電装置Bから受ける直流電圧をリアクトルLを用いて昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインPL2に供給する。具体的には、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、npn型トランジスタQ2のスイッチング動作に応じて流れる電流をリアクトルLに磁場エネルギーとして蓄積することによって蓄電装置Bからの直流電圧を昇圧する。そして、昇圧コンバータ10は、その昇圧した昇圧電圧をnpn型トランジスタQ2がオフされたタイミングに同期してダイオードD1を介して電源ラインPL2へ出力する。また、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、電源ラインPL2から供給される直流電圧を降圧して蓄電装置Bを充電する。
【0042】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。電圧センサ72は、コンデンサC2の端子間電圧、すなわち接地ラインSLに対する電源ラインPL2の電圧(以下、この電圧を「システム電圧」とも称する。)を検出し、その検出したシステム電圧VHを制御装置60へ出力する。
【0043】
インバータ20は、制御装置60からの信号PWM1に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。これにより、モータジェネレータMG1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ20は、エンジン4からの出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0044】
インバータ30は、制御装置60からの信号PWM2に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ30は、車両の回生制動時、前輪2からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0045】
インバータ40は、制御装置60からの信号PWM3に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMGRへ出力する。これにより、モータジェネレータMGRは、トルク指令値TR3によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ40は、車両の回生制動時、後輪3からの回転力を受けてモータジェネレータMGRが発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM3に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0046】
なお、ここで言う回生制動とは、車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0047】
ここで、出力端子55に接続される負荷(図示せず、以下同じ。)への3相交流電圧の出力が要求されると、インバータ20,30,40は、互いに2π/3ずつ位相がずれた交流電圧をそれぞれ中性点N1,N2,N3に発生させる。すなわち、インバータ20は、中性点N1に交流電圧を発生させるように、制御装置60からの制御信号PWM1に基づいて中性点N1の電位を制御し、インバータ30は、中性点N1に発生する交流電圧に対して位相が2π/3ずれた交流電圧を中性点N2に発生させるように、制御装置60からの制御信号PWM2に基づいて中性点N2の電位を制御し、インバータ40は、中性点N1に発生する交流電圧に対して位相が4π/3ずれた交流電圧を中性点N3に発生させるように、制御装置60からの制御信号PWM3に基づいて中性点N3の電位を制御する。
【0048】
モータジェネレータMG1,MG2,MGRの各々は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン4と連結され、エンジン4の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ20へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン4の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、車両の前輪2と連結され、インバータ30から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ30へ出力する。モータジェネレータMGRは、車両の後輪3と連結され、インバータ40から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMGRは、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ40へ出力する。
【0049】
ACポート50は、ACラインACL1〜ACL3と出力端子55との接続/切離しを行なうリレーと、ACラインACL1〜ACL3に発生する電圧Vac1〜Vac3および電流Iac1〜Iac3をそれぞれ検出するための電圧センサおよび電流センサとを含む(いずれも図示せず)。ACポート50は、制御装置60からH(論理ハイ)レベルの出力許可信号ENを受けるとリレーをオンさせ、出力端子55をACラインACL1〜ACL3と電気的に接続する。また、ACポート50は、ACラインACL1〜ACL3における電圧Vac1〜Vac3および電流Iac1〜Iac3を検出し、その検出値を制御装置60へ出力する。出力端子55は、中性点N1〜N3に発生した3相交流電圧を車両外部の負荷へ出力するためのコンセントである。
【0050】
制御装置60は、昇圧コンバータ10を駆動するための信号PWCおよびインバータ20,30,40を駆動するための信号PWM1〜PWM3を生成し、その生成した信号PWC,PWM1〜PWM3をそれぞれ昇圧コンバータ10およびインバータ20,30,40へ出力する。
【0051】
ここで、制御装置60は、出力端子55に接続される負荷への3相交流電圧の出力を要求するHレベルの信号ACをECU(Electronic Control Unit:図示せず、以下同じ。)から受けると、Hレベルの出力許可信号ENをACポート50へ出力する。そして、制御装置60は、中性点N1〜N3に3相交流電圧が発生するようにインバータ20,30,40を協調して制御する。制御の詳細については、後ほど説明する。
【0052】
図2は、図1に示した制御装置60の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置60は、コンバータ制御部61と、第1〜第3のインバータ制御部62〜64と、AC出力制御部65とを含む。コンバータ制御部61は、電圧センサ71からの電圧VB、電圧センサ72からのシステム電圧VH、ECUからのトルク指令値TR1〜TR3およびモータ回転数ω1〜ω3に基づいて、昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWCを生成し、その生成した信号PWCを昇圧コンバータ10へ出力する。
【0053】
第1のインバータ制御部62は、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1、モータ電流MCRT1およびモータ回転数ω1、ならびにシステム電圧VHに基づいて、インバータ20のnpn型トランジスタQ11〜Q16をオン/オフするための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。
【0054】
第2のインバータ制御部63は、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2、モータ電流MCRT2およびモータ回転数ω2、ならびにシステム電圧VHに基づいて、インバータ30のnpn型トランジスタQ21〜Q26をオン/オフするための信号PWM2を生成し、その生成した信号PWM2をインバータ30へ出力する。
【0055】
第3のインバータ制御部64は、モータジェネレータMGRのトルク指令値TR3、モータ電流MCRT3およびモータ回転数ω3、ならびにシステム電圧VHに基づいて、インバータ40のnpn型トランジスタQ31〜Q36をオン/オフするための信号PWM3を生成し、その生成した信号PWM3をインバータ40へ出力する。
【0056】
なお、上記のモータ回転数ω1〜ω3およびモータ電流MCRT1〜MCRT3は、それぞれ図示されない回転センサおよび電流センサによって検出される。
【0057】
AC出力制御部65は、ECUからの信号ACに基づいて、中性点N1〜N3に3相交流電圧を発生するか否かを判定する。ここで、信号ACは、たとえばAC出力スイッチ(図示せず)の操作に応じて論理レベルが変化する信号であり、Hレベルの信号ACは、出力端子55に接続される負荷への3相交流電圧の出力を要求する信号である。
【0058】
そして、AC出力制御部65は、Hレベルの信号ACを受けると、ACポート50において検出された電圧Vac1〜Vac3に基づいて、中性点N1〜N3に3相交流電圧を発生するための交流電圧指令を生成し、その生成した交流電圧指令を第1〜第3のインバータ制御部62〜64へ出力する。また、AC出力制御部65は、Hレベルの信号ACを受けると、Hレベルの出力許可信号ENをACポート50へ出力する。
【0059】
図3は、図2に示したコンバータ制御部61の機能ブロック図である。図3を参照して、コンバータ制御部61は、インバータ入力電圧指令演算部112と、フィードバック電圧指令演算部114と、デューティー比演算部116と、PWM信号変換部118とを含む。
【0060】
インバータ入力電圧指令演算部112は、トルク指令値TR1〜TR3およびモータ回転数ω1〜ω3に基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)すなわち電圧指令VH_comを演算し、その演算した電圧指令VH_comをフィードバック電圧指令演算部114へ出力する。
【0061】
フィードバック電圧指令演算部114は、電圧センサ72によって検出されるシステム電圧VHと、インバータ入力電圧指令演算部112からの電圧指令VH_comとに基づいて、昇圧コンバータ10の出力電圧であるシステム電圧VHを電圧指令VH_comに制御するためのフィードバック電圧指令VH_com_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令VH_com_fbをデューティー比演算部116へ出力する。
【0062】
デューティー比演算部116は、電圧センサ71からの電圧VBと、フィードバック電圧指令演算部114からのフィードバック電圧指令VH_com_fbとに基づいて、システム電圧VHを電圧指令VH_comに制御するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をPWM信号変換部118へ出力する。
【0063】
PWM信号変換部118は、デューティー比演算部116から受けたデューティー比に基づいて、昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2をオン/オフするためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWCとして昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0064】
なお、昇圧コンバータ10の下アームのnpn型トランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルLにおける電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上アームのnpn型トランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインPL2の電圧が下がる。そこで、npn型トランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインPL2の電圧を蓄電装置Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御することができる。
【0065】
図4は、図2に示した第1のインバータ制御部62およびAC出力制御部65の詳細な機能ブロック図である。なお、AC出力制御部65については、第1のインバータ制御部62に関係する部分のみが示されている。図4を参照して、第1のインバータ制御部62は、電流変換部122と、MG1電流指令演算部124と、PI制御部126,128と、変換部130と、PWM信号生成部132とから成る。
【0066】
電流変換部122は、モータジェネレータMG1のモータ回転数ω1を用いて、ACポート50において検出されたモータ電流MCRT1(U相電流Iu1,V相電流Iv1,W相電流Iw1から成る。)をd軸電流Id1およびq軸電流Iq1に変換する。MG1電流指令演算部124は、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1に基づいて、d,q軸におけるモータジェネレータMG1の電流指令Id1r,Iq1rを算出する。
【0067】
PI制御部126は、電流変換部122からのd軸電流Id1とMG1電流指令演算部124からの電流指令Id1rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部130へ出力する。PI制御部128は、電流変換部122からのq軸電流Iq1とMG1電流指令演算部124からの電流指令Iq1rとの偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を変換部130へ出力する。
【0068】
変換部130は、モータ回転数ω1を用いて、PI制御部126,128からそれぞれ受けるd,q軸上の電圧指令をU,V,W各相電圧指令に変換する。
【0069】
PWM信号生成部132は、変換部130からのU,V,W各相電圧指令にAC出力制御部65からの交流電圧指令を重畳した電圧指令、およびシステム電圧VHに基づいて、インバータ20に対応するPWM信号Pu1,Pv1,Pw1を生成し、その生成したPWM信号Pu1,Pv1,Pw1を信号PWM1としてインバータ20へ出力する。
【0070】
AC出力制御部65は、乗算部134と、PI制御部136と、減算部138とから成る。乗算部134は、定数100√2にsinωtを乗算することによって中性点N1に発生する交流電圧の目標値を生成し、その生成した目標値を減算部138へ出力する。ここで、定数100√2は、中性点N1に発生する交流電圧の波高値であり、発生する交流電圧に応じて値を変えることができる。また、ωは、発生する交流電圧の周波数である。
【0071】
PI制御部136は、乗算部134からの電圧目標値とACポート50において検出されたACラインACL1の電圧Vac1(すなわち中性点N1の電位)との偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部138へ出力する。そして、減算部138は、乗算部134の出力値からPI制御部136の出力値を減算し、その演算結果を第1のインバータ制御部62に対する交流電圧指令として第1のインバータ制御部62へ出力する。
【0072】
この第1のインバータ制御部62においては、変換部130からのU,V,W各相電圧指令にAC出力制御部65からの交流電圧指令が一律に重畳される。これにより、インバータ20の上アームと下アームとのスイッチングデューティーの総和がAC出力制御部65からの交流電圧指令に応じて周期的に変化し、その結果、その交流電圧指令に応じて中性点N1の電位が周期的に変化する。
【0073】
図5は、図2に示した第2のインバータ制御部63およびAC出力制御部65の詳細な機能ブロック図である。なお、AC出力制御部65については、第2のインバータ制御部63に関係する部分のみが示されている。図5を参照して、第2のインバータ制御部63は、電流変換部142と、MG2電流指令演算部144と、PI制御部146,148と、変換部150と、PWM信号生成部152とから成る。この第2のインバータ制御部63の構成は、図4に示した第1のインバータ制御部62の構成と同様である。
【0074】
AC出力制御部65は、乗算部154と、PI制御部156と、減算部158とをさらに含む。乗算部154は、定数100√2にsin(ωt+2π/3)を乗算することによって中性点N2に発生する交流電圧の目標値を生成し、その生成した目標値を減算部158へ出力する。すなわち、この交流電圧の目標値は、第1のインバータ制御部62へ出力される交流電圧の目標値に対して位相が2π/3ずらされている。
【0075】
PI制御部156は、乗算部154からの電圧目標値とACポート50において検出されたACラインACL2の電圧Vac2(すなわち中性点N2の電位)との偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部158へ出力する。そして、減算部158は、乗算部154の出力値からPI制御部156の出力値を減算し、その演算結果を第2のインバータ制御部63に対する交流電圧指令として第2のインバータ制御部63へ出力する。
【0076】
この第2のインバータ制御部63においても、変換部150からのU,V,W各相電圧指令にAC出力制御部65からの交流電圧指令が一律に重畳される。これにより、インバータ30の上アームと下アームとのスイッチングデューティーの総和がAC出力制御部65からの交流電圧指令に応じて周期的に変化し、その結果、その交流電圧指令に応じて中性点N2の電位が周期的に変化する。そして、中性点N2の電位変化は、中性点N1の電位変化に対して位相が2π/3ずれている。
【0077】
図6は、図2に示した第3のインバータ制御部64およびAC出力制御部65の詳細な機能ブロック図である。なお、AC出力制御部65については、第3のインバータ制御部64に関係する部分のみが示されている。図6を参照して、第3のインバータ制御部64は、電流変換部162と、MGR電流指令演算部164と、PI制御部166,168と、変換部170と、PWM信号生成部172とから成る。この第3のインバータ制御部64の構成は、図4に示した第1のインバータ制御部62の構成と同様である。
【0078】
AC出力制御部65は、乗算部174と、PI制御部176と、減算部178とをさらに含む。乗算部174は、定数100√2にsin(ωt+4π/3)を乗算することによって中性点N3に発生する交流電圧の目標値を生成し、その生成した目標値を減算部178へ出力する。すなわち、この交流電圧の目標値は、第1のインバータ制御部62へ出力される交流電圧の目標値に対して位相が4π/3ずらされている。
【0079】
PI制御部176は、乗算部174からの電圧目標値とACポート50において検出されたACラインACL3の電圧Vac3(すなわち中性点N3の電位)との偏差を受け、その偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部178へ出力する。そして、減算部178は、乗算部174の出力値からPI制御部176の出力値を減算し、その演算結果を第3のインバータ制御部64に対する交流電圧指令として第3のインバータ制御部64へ出力する。
【0080】
この第3のインバータ制御部64においても、変換部170からのU,V,W各相電圧指令にAC出力制御部65からの交流電圧指令が一律に重畳される。これにより、インバータ40の上アームと下アームとのスイッチングデューティーの総和がAC出力制御部65からの交流電圧指令に応じて周期的に変化し、その結果、その交流電圧指令に応じて中性点N3の電位が周期的に変化する。そして、中性点N3の電位変化は、中性点N1の電位変化に対して位相が4π/3ずれている。
【0081】
なお、特に図示していないが、AC出力制御部65は、Hレベルの信号ACを受けているとき、生成した交流電圧指令を第1〜第3のインバータ制御部62〜64へ出力し、L(論理ロー)レベルの信号ACを受けているときは、第1〜第3のインバータ制御部62〜64へ出力する交流電圧指令を0とする。
【0082】
図7は、各インバータ20,30,40のスイッチングデューティーの総和および中性点N1〜N3に発生する3相交流電圧Vacの波形図である。図7を参照して、曲線k1〜k3は、それぞれインバータ20,30,40におけるスイッチングデューティーの総和の変化を示す。ここで、スイッチングデューティーの総和とは、各インバータにおける上アームのオンデューティーから下アームのオンデューティーを減算したものである。図7において、スイッチングデューティーの総和が正のときは、対応するモータジェネレータの中性点電位がシステム電圧VHの中間電位VH/2よりも高くなることを示し、スイッチングデューティーの総和が負のときは、中性点電位が中間電位VH/2よりも低くなることを示す。
【0083】
この動力出力装置100においては、図4に示したように、AC出力制御部65から第1のインバータ制御部62へ出力される交流電圧指令をモータジェネレータMG1のU,V,W各相電圧指令に一律に重畳させることにより、インバータ20のスイッチングデューティーの総和を曲線k1に従って周波数ωで周期的に変化させる。また、図5に示したように、AC出力制御部65から第2のインバータ制御部63へ出力される交流電圧指令をモータジェネレータMG2のU,V,W各相電圧指令に一律に重畳させることにより、インバータ30のスイッチングデューティーの総和を曲線k2に従って周波数ωで周期的に変化させる。さらに、図6に示したように、AC出力制御部65から第3のインバータ制御部64へ出力される交流電圧指令をモータジェネレータMGRのU,V,W各相電圧指令に一律に重畳させることにより、インバータ40のスイッチングデューティーの総和を曲線k3に従って周波数ωで周期的に変化させる。
【0084】
すなわち、曲線k2は曲線k1に対して位相が2π/3ずれており、曲線k3は、曲線k1に対して位相が4π/3(曲線k2に対して2π/3)ずれている。そうすると、中性点N1の電位は、曲線k1の変化に応じて曲線Uに示されるように周期的に変化し、中性点N2の電位は、曲線k2の変化に応じて曲線Vに示されるように周期的に変化し、中性点N3の電位は、曲線k3の変化に応じて曲線Wに示されるように周期的に変化する。
【0085】
このようにして、曲線U,V,Wで示される3相交流電圧Vacを中性点N1〜N3に生成することができる。そして、中性点N1〜N3に発生した3相交流電圧VacをACラインACL1〜ACL3を介して出力端子55に接続される負荷へ供給することができる。
【0086】
以上のように、この実施の形態1によれば、インバータ20,30,40が協調して制御され、中性点N1〜N3に3相交流電圧が発生する。したがって、出力端子55に接続される負荷へ3相交流電圧を供給することができる。
【0087】
また、この実施の形態1によれば、3相交流電圧を生成するための専用のインバータを別途備える必要がない。したがって、3相交流電圧の供給機能を備えつつ、車両の小型化および軽量化を図ることができる。
【0088】
[実施の形態2]
図8は、この発明の実施の形態2による動力出力装置の全体ブロック図である。図8を参照して、動力出力装置100Aは、図1に示した実施の形態1による動力出力装置100の構成において、ACラインACL1を備えず、ACポート50、出力端子55および制御装置60に代えてそれぞれACポート50A、出力端子56および制御装置60Aを備える。動力出力装置100Aのその他の構成は、動力出力装置100と同じである。
【0089】
ACポート50Aは、ACラインACL2,ACL3と出力端子56との間に配設される。ACポート50Aは、ACラインACL2,ACL3と出力端子56との接続/切離しを行なうリレーと、ACラインACL2,ACL3間に発生する電圧VacおよびACラインACL2,ACL3に流れる電流Iacをそれぞれ検出するための電圧センサおよび電流センサとを含む(いずれも図示せず)。ACポート50Aは、制御装置60AからHレベルの出力許可信号ENを受けるとリレーをオンさせ、出力端子56をACラインACL2,ACL3と電気的に接続する。また、ACポート50Aは、電圧Vacおよび電流Iacを検出し、その検出値を制御装置60Aへ出力する。出力端子56は、中性点N2,N3間に発生した単相交流電圧を車両外部の負荷へ出力するためのコンセントである。
【0090】
制御装置60Aは、Hレベルの信号ACをECUから受けると、Hレベルの出力許可信号ENをACポート50Aへ出力する。そして、制御装置60Aは、中性点N2,N3間に単相交流電圧が発生するようにインバータ30,40を協調して制御する。
【0091】
図9は、図8に示した制御装置60Aの機能ブロック図である。図9を参照して、制御装置60Aは、図2に示した実施の形態1における制御装置60の構成において、第1のインバータ部62およびAC出力制御部65に代えてそれぞれ第1のインバータ部62AおよびAC出力制御部65Aを含む。
【0092】
第1のインバータ制御部62Aは、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1、モータ電流MCRT1およびモータ回転数ω1、ならびにシステム電圧VHに基づいて、インバータ20のnpn型トランジスタQ11〜Q16をオン/オフするための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。
【0093】
AC出力制御部65Aは、ECUからの信号ACに基づいて、中性点N2,N3間に単相交流電圧を発生するか否かを判定する。そして、AC出力制御部65Aは、Hレベルの信号ACを受けると、ACポート50Aにおいて検出された電圧Vacに基づいて、中性点N2,N3間に単相交流電圧を発生するための交流電圧指令を生成し、その生成した交流電圧指令を第2および第3のインバータ制御部63,64へ出力する。また、AC出力制御部65Aは、Hレベルの信号ACを受けると、Hレベルの出力許可信号ENをACポート50Aへ出力する。
【0094】
図10は、図9に示した第1のインバータ制御部62Aの詳細な機能ブロック図である。図10を参照して、第1のインバータ制御部62Aは、図4に示した実施の形態1における第1のインバータ制御部62の構成において、AC出力制御部65からの交流電圧指令が重畳されない構成となっている。すなわち、第1のインバータ制御部62Aは、単相交流電圧の生成には無関係である。
【0095】
図11は、図9に示したAC出力制御部65Aの詳細な機能ブロック図である。なお、この図11では、AC出力制御部65Aからの交流電圧指令の出力先である第2および第3のインバータ制御部63,64についても示されている。
【0096】
図11を参照して、AC出力制御部65Aは、FB演算部182と、乗算部184と、減算部186とから成る。FB演算部182は、交流電圧参照値VrefとACポート50Aにおいて検出される電圧Vacとの偏差に基づいてフィードバック演算を行ない、その演算結果を出力する。ここで、交流電圧参照値Vrefは、中性点N2,N3間に発生する単相交流電圧の目標値である。また、フィードバック演算には、種々の公知の演算手法(比例積分制御など)を用いることができる。
【0097】
乗算部184は、交流電圧参照値VrefにFB演算部182の演算結果を加算した値をk倍(kは0以上1以下の定数)し、その演算結果を第2のインバータ制御部63に対する交流電圧指令として第2のインバータ制御部63へ出力する。減算部186は、乗算部184の出力値から乗算部184の入力値を減算し、その演算結果を第3のインバータ制御部64に対する交流電圧指令として第3のインバータ制御部64へ出力する。
【0098】
すなわち、交流電圧参照値VrefにFB演算部182の演算結果を加算した交流電圧指令は、k倍されて第2のインバータ制御部63へ出力され、−(1−k)倍されて第3のインバータ制御部64へ出力される。つまり、定数kは、中性点N2,N3間に単相交流電圧を発生する際のモータジェネレータMG2,MGRの電圧負担率であって、定数kが0.5を超えるとモータジェネレータMG2の負担が大きくなり、定数kが0.5よりも小さいとモータジェネレータMGRの負担が大きくなる。
【0099】
なお、特に図示していないが、このAC出力制御部65Aは、Hレベルの信号ACを受けているとき、生成した交流電圧指令を第2および第3のインバータ制御部63,64へ出力し、Lレベルの信号ACを受けているときは、第2および第3のインバータ制御部63,64へ出力する交流電圧指令を0とする。
【0100】
図12は、モータジェネレータMG1,MG2,MGRにおける電圧配分の考え方を説明するための図である。図12を参照して、インバータ20,30,40に供給されるシステム電圧VHは、各モータジェネレータにおいてトルクを発生させるための駆動制御分と中性点N2,N3間に単相交流電圧を発生させるための交流電圧負担分とに用いられる。
【0101】
ここで、モータジェネレータMG2における交流電圧負担分は、モータジェネレータMG2の中性点N2における交流電圧の生成に寄与する電圧であり、モータジェネレータMGRにおける交流電圧負担分は、モータジェネレータMGRの中性点N3における交流電圧の生成に寄与する電圧である。そして、モータジェネレータMG2における交流電圧負担分とモータジェネレータMGRにおける交流電圧負担分との合計(図における斜線部)がモータジェネレータMG2,MGRの中性点N2,N3間に発生する単相交流電圧に対応する。
【0102】
一方、モータジェネレータMG1は、単相交流電圧の発生には無関係であり、モータジェネレータMG1では、システム電圧VHの全てが駆動制御分に充てられる。したがって、モータジェネレータMG1では、単相交流電圧の生成を負担するモータジェネレータMG2,MGRに比べて高電圧で駆動制御することができ、大きな逆起電力を発生させることができる。すなわち、大電力の回生発電が可能である。
【0103】
また、モータジェネレータMG2,MGRでは、中性点N2,N3の電位を制御するためにPWM制御が行なわれるが、モータジェネレータMG1では、中性点N1の電位を制御する必要はないので、PWM制御よりも電圧利用率の高い矩形波制御や過変調制御を用いることができる。したがって、モータジェネレータMG1の駆動制御に矩形波制御や過変調制御を用いれば、さらに大電力の回生発電が可能となる。
【0104】
さらに、モータジェネレータMG2,MGRにおいては、回生発電を行なうための駆動制御とは無関係に単相交流電圧を生成することができるので、モータジェネレータMG1による回生発電中であっても単相交流電圧を生成するための電圧が十分に確保される。さらに車両が停止している場合には、モータジェネレータMG2,MGRにおいてシステム電圧VHの全てが単相交流電圧の生成に充てられる。
【0105】
以上により、この動力出力装置100Aにおいては、モータジェネレータMG1で大電力・高電圧の発電を行ないつつ、その発電された電力を用いてモータジェネレータMG2,MGRで大電力・高電圧の単相交流電圧を生成することができる。
【0106】
図13は、仮にモータジェネレータMG1を単相交流電圧の生成に用いた場合の電圧配分を示す図である。この図13は、この実施の形態2の効果を説明するために比較として示されるものである。
【0107】
図13を参照して、モータジェネレータMG1が単相交流電圧の生成を負担する場合、エンジン4からの出力を用いた回生発電のために利用できる電圧(駆動制御分)は、システム電圧VHよりも少なくなる。したがって、モータジェネレータMG1が発生する逆起電力が制限され、モータジェネレータMG1による回生発電量が制限され得る。
【0108】
また、中性点N1の電位を制御する必要があるので、モータジェネレータMG1の制御にはPWM制御を用いる必要がある。したがって、矩形波制御や過変調制御を用いることによってモータジェネレータMG1の電圧利用率を高めることはできない。さらに、回生発電中はモータジェネレータMG1の交流電圧負担分が少なくなり、所望の電圧レベルの単相交流電圧を発生できなくなる可能性もある。
【0109】
以上のように、この実施の形態2においては、モータジェネレータMG1をエンジン4の出力を用いた発電に専念させ、モータジェネレータMG2,MGRを用いて交流電圧を生成するようにしたので、モータジェネレータMG1ではシステム電圧VHの全てが発電のための駆動に充てられ、モータジェネレータMG2,MGRではシステム電圧VHの全てが交流電圧の生成に充てられる。したがって、この実施の形態2によれば、モータジェネレータMG1を用いて大電力・高電圧の発電を行なうことができる。そして、その発電された電力を用いてモータジェネレータMG2,MGRにより大電力・高電圧の交流電圧を生成することができる。
【0110】
なお、実施の形態1,2を機能的に組合わせ、交流電圧の供給を受ける負荷に応じて3相交流電圧および単相交流電圧のいずれかを生成して負荷へ出力するようにしてもよい。
【0111】
図14は、3相交流電圧および単相交流電圧のいずれも生成可能な動力出力装置における交流電圧の出力部分の構成を示す図である。図14を参照して、ACポート50Bは、ACラインACL1〜ACL3と出力端子55,56との間に配設される。ACポート50Bは、リレーRY1〜RY3から成る。リレーRY1は、ACラインACL1と出力ラインL1との間に配設される。リレーRY2は、ACラインACL2と出力ラインL2,L4との間に配設される。リレーRY3は、ACラインACL3と出力ラインL3,L5との間に配設される。そして、ラインL1〜L3は、3相交流負荷用の出力端子55に接続され、ラインL4,L5は、単相交流負荷用の出力端子56に接続される。
【0112】
リレーRY1は、制御装置(図示せず、以下同じ。)からHレベルの出力許可信号EN1を受けると、ACラインACL1を出力ラインL1と電気的に接続する。一方、リレーRY1は、出力許可信号EN1がLレベルのときは、ACラインACL1を出力ラインL1から電気的に切離す。
【0113】
リレーRY2は、制御装置からHレベルの出力許可信号EN1を受けると、ACラインACL2を出力ラインL2と電気的に接続する。また、リレーRY2は、制御装置からHレベルの出力許可信号EN2を受けると、ACラインACL2を出力ラインL4と電気的に接続する。一方、リレーRY2は、出力許可信号EN1,EN2のいずれもLレベルのときは、ACラインACL2を出力ラインL2,L4のいずれからも電気的に切離す。
【0114】
リレーRY3は、制御装置からHレベルの出力許可信号EN1を受けると、ACラインACL3を出力ラインL3と電気的に接続する。また、リレーRY3は、制御装置からHレベルの出力許可信号EN2を受けると、ACラインACL2を出力ラインL5と電気的に接続する。一方、リレーRY3は、出力許可信号EN1,EN2のいずれもLレベルのときは、ACラインACL2を出力ラインL3,L5のいずれからも電気的に切離す。
【0115】
すなわち、ACポート50Bは、Hレベルの出力許可信号EN1を受けると、ACラインACL1〜ACL3を出力端子55と電気的に接続し、Hレベルの出力許可信号EN2を受けると、ACラインACL2,ACL3を出力端子56と電気的に接続し、出力許可信号EN1,EN2のいずれもLレベルのときは、ACラインACL1〜ACL3を出力端子55,56のいずれからも電気的に切離す。
【0116】
出力端子55は、3相交流負荷が接続されると、Hレベルの信号S1を制御装置へ出力する。そうすると、制御装置は、信号ACに応じて中性点N1〜N3に3相交流電圧が生じるようにインバータ20,30,40を制御し、Hレベルの出力許可信号EN1をACポート50Bへ出力する。
【0117】
出力端子56は、単相交流負荷が接続されると、Hレベルの信号S2を制御装置へ出力する。そうすると、制御装置は、信号ACに応じて中性点N2,N3に単相交流電圧が生じるようにインバータ30,40を制御し、Hレベルの出力許可信号EN2をACポート50Bへ出力する。
【0118】
このように、出力端子55,56に接続される負荷に応じて3相交流電圧または単相交流電圧が生成され、かつ、ACラインACL1〜ACL3と出力端子55,56との接続がACポート50Bによって切替えられる。
【0119】
なお、上記においては、信号S1,S2の論理レベルに基づいて出力端子55,56への負荷の接続状態を自動認識し、負荷に応じて生成する交流電圧(3相交流電圧または単相交流電圧)およびその出力先(出力端子55または56)を自動で切替えるものとしたが、3相交流電圧を生成して出力端子55から出力可能とするか、それとも単相交流電圧を生成して出力端子56から出力可能とするかを利用者が切替えるための入力装置を設けてもよい。
【0120】
なお、上記の実施の形態2においては、モータジェネレータMG1はエンジン4からの出力を用いて回生発電を行ない、モータジェネレータMG2,MGRを用いて単相交流電圧を生成するものとしたが、モータジェネレータMG1,MG2,MGRの他にさらにモータジェネレータが搭載されていれば、発電を行なうモータジェネレータMG1を用いることなく3相交流電圧を生成することもできる。
【0121】
図15は、エアコン用のモータジェネレータMGACをさらに備えた動力出力装置の全体ブロック図である。図15を参照して、この動力出力装置100Bは、図8に示した実施の形態2による動力出力装置100Aの構成において、インバータ48と、モータジェネレータMGACと、ACラインACL4とをさらに備え、ACポート50Aおよび出力端子56に代えてそれぞれACポート50および出力端子55を備える。
【0122】
インバータ48は、インバータ20,30,40と並列に電源ラインPL2および接地ラインSLに接続される。インバータ48は、インバータ20などと同様の構成から成る。そして、インバータ48は、制御装置60Aからの制御信号に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMGACへ出力する。
【0123】
モータジェネレータMGACは、電動式のエアコン用コンプレッサであり、モータジェネレータMG1などと同様に3相コイルを含む(図示せず)。そして、その3相コイルの中性点N4にACラインACL4が接続される。モータジェネレータMGACは、インバータ48から受ける3相交流電圧によって駆動される。
【0124】
ACラインACL4の一端は、モータジェネレータMGACに含まれる3相コイルの中性点N4に接続され、その他端は、ACポート50に接続される。
【0125】
この動力出力装置100Bにおいては、実施の形態1による動力出力装置100においてインバータ20,30,40およびモータジェネレータMG1,MG2,MGRを用いて中性点N1〜N3に3相交流電圧が生成されるのと同様にして、インバータ30,40,48およびモータジェネレータMG2,MGR,MGACを用いて中性点N2〜N4に3相交流電圧が生成される。すなわち、この動力出力装置100Bは、3相交流電圧を発生して出力端子55から負荷へ供給することができる。
【0126】
そして、この動力出力装置100Bにおいては、エンジン4からの出力を用いて発電を行なうモータジェネレータMG1は、負荷へ供給する3相交流電圧の生成に無関係であるので、実施の形態2による動力出力装置100Aと同様に、大電力・高電圧の回生発電および大電力・高電圧の3相交流電圧の生成が可能である。
【0127】
なお、上記において、ACポート50に代えてACポート50Bを設け、ACポート50Bに接続される単相交流電圧出力用の出力端子56を設けてもよい。そして、負荷に応じて生成する交流電圧(3相交流電圧または単相交流電圧)およびその出力先(出力端子55または56)を切替えるようにしてもよい。
【0128】
なお、上記の各実施の形態においては、AC出力スイッチが操作されて信号ACがHレベルになると、車両の走行中および停車中に拘わらず3相交流電圧または単相交流電圧が生成されるものとしたが、3相交流電圧または単相交流電圧の生成を車両の停車中またはイグニッションキーがOFF位置のときに限定するようにしてもよい。車両が停止していれば、モータジェネレータMG2,MGRにおいてシステム電圧VHの全てを交流電圧生成分に充てることができるので、負荷に応じて高電圧の3相交流電圧または単相交流電圧を生成することができる。
【0129】
なお、上記において、3相コイル12,14,16は、この発明における「m個の多相巻線」に対応し、インバータ20,30,40は、この発明における「m個の電圧変換装置」に対応する。また、制御装置60は、この発明における「制御手段」に対応し、出力端子55は、この発明における「第1の出力端子」に対応する。さらに、出力端子56は、この発明における「第2の出力端子」に対応し、ACポート50Bは、この発明における「切替手段」に対応する。
【0130】
また、さらに、モータジェネレータMG1,MG2,MGR,MGACは、この発明における「n個の電動機」に対応し、インバータ20,30,40,48は、この発明における「n個の電圧変換装置」に対応する。また、さらに、モータジェネレータMG2,MGR,MGACは、この発明における「m個の電動機」に対応し、モータジェネレータMG1は、この発明における「n個の電動機のうちm個の電動機以外の電動機」に対応する。また、さらに、エンジン4は、この発明における「内燃機関」に対応し、インバータ30,40,48は、この発明における「m個の電圧変換装置」に対応する。
【0131】
また、さらに、3相コイル12,14,16は、それぞれこの発明における「第1から第3の多相巻線」に対応し、モータジェネレータMG1,MG2,MGRは、それぞれこの発明における「第1から第3の電動機」に対応する。また、さらに、インバータ20,30,40は、それぞれこの発明における「第1から第3の電圧変換装置」に対応する。
【0132】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】この発明の実施の形態1による動力出力装置の全体ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すコンバータ制御部の機能ブロック図である。
【図4】図2に示す第1のインバータ制御部およびAC出力制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図5】図2に示す第2のインバータ制御部およびAC出力制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図6】図2に示す第3のインバータ制御部およびAC出力制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図7】各インバータのスイッチングデューティーの総和および中性点に発生する3相交流電圧の波形図である。
【図8】この発明の実施の形態2による動力出力装置の全体ブロック図である。
【図9】図8に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図10】図9に示す第1のインバータ制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図11】図9に示すAC出力制御部の詳細な機能ブロック図である。
【図12】モータジェネレータにおける電圧配分の考え方を説明するための図である。
【図13】仮にモータジェネレータMG1を単相交流電圧の生成に用いた場合の電圧配分を示す図である。
【図14】3相交流電圧および単相交流電圧のいずれも生成可能な動力出力装置における交流電圧の出力部分の構成を示す図である。
【図15】エアコン用のモータジェネレータをさらに備えた動力出力装置の全体ブロック図である。
【符号の説明】
【0134】
2 前輪、3 後輪、4 エンジン、10 昇圧コンバータ、20,30,40,48 インバータ、22,32,42 U相アーム、24,34,44 V相アーム、26,36,46 W相アーム、50,50A,50B ACポート、55,56 出力端子、60,60A 制御装置、61 コンバータ制御部、62,62A 第1のインバータ制御部、63 第2のインバータ制御部、64 第3のインバータ制御部、65,65A AC出力制御部、71,72 電圧センサ、100,100A,100B 動力出力装置、112 インバータ入力電圧指令演算部、114 フィードバック電圧指令演算部、116 デューティー比演算部、118,132 PWM信号変換部、122,142,162 電流変換部、124 MG1電流指令演算部、126,128,136,146,148,156,166,168,176 PI制御部、130,150,170 変換部、134,154,174,184 乗算部、138,158,178,186 減算部、144 MG2電流指令演算部、164 MGR電流指令演算部、182 FB演算部、B 蓄電装置、C1,C2 コンデンサ、L リアクトル、Q1,Q2,Q11〜Q16,Q21〜Q26,Q31〜Q36 npn型トランジスタ、D1,D2,D11〜D16,D21〜D26,D31〜D36 ダイオード、MG1,MG2,MGR,MGAC モータジェネレータ、U1〜U3 U相コイル、V1〜V3 V相コイル、W1〜W3 W相コイル、N1〜N4 中性点、ACL1〜ACL4 ACライン、PL1,PL2 電源ライン、SL 接地ライン、UL1〜UL3 U相ライン、VL1〜VL3 V相ライン、WL1〜WL3 W相ライン、RY1〜RY3 リレー、L1〜L5 出力ライン。




 

 


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