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発明の名称 充電制御装置および電動車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68362(P2007−68362A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253841(P2005−253841)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 及部 七郎斎 / 石川 哲浩 / 中村 誠 / 峯澤 幸弘
要約 課題
外部の電源から蓄電装置を充電するための専用コンバータを別途備えることなく、かつ、インバータのスイッチング動作を不要にした充電制御装置を提供する。

解決手段
車両外部の商用電源から入力端子90に与えられる商用交流電圧は、トランス86によって蓄電装置Bの電圧VBよりも高い電圧レベルに昇圧されて中性点N1,N2に与えられる。商用電源から蓄電装置Bの充電時、インバータ20,30のnpn型トランジスタは全てオフされ、中性点N1,N2に与えられる交流電圧は、インバータ20,30の逆並列ダイオードにより整流されて電源ラインPL2に供給される。昇圧コンバータ10は、電源ラインPL2から蓄電装置Bへの充電電流を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
蓄電装置を充電するための充電制御装置であって、
星形結線された第1の多相巻線と、
星形結線された第2の多相巻線と、
前記第1および第2の多相巻線にそれぞれ接続され、各スイッチング素子に並列に接続される逆並列ダイオードを含む第1および第2のインバータと、
前記第1および第2のインバータの各々と前記蓄電装置との間に配設されるコンバータと、
前記第1の多相巻線の第1の中性点および前記第2の多相巻線の第2の中性点と電源との間に配設され、前記電源から供給される電圧を前記蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して前記第1および第2の中性点に与える昇圧装置とを備え、
前記第1および第2のインバータは、前記昇圧装置によって昇圧されて前記第1および第2の中性点に与えられる電圧を前記逆並列ダイオードを介して前記コンバータへ出力し、
前記コンバータは、前記蓄電装置の充電状態に基づいて、前記蓄電装置の充電電流を制御しつつ前記蓄電装置を充電する、充電制御装置。
【請求項2】
前記電源から供給される電圧は、交流電圧であり、
前記昇圧装置は、前記電源から供給される交流電圧を昇圧するトランスを含み、
前記第1および第2のインバータは、前記トランスによって昇圧されて前記第1および第2の中性点に与えられる交流電圧を前記逆並列ダイオードにより整流して前記コンバータへ出力する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記電源は、商用交流電源である、請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記第1および第2の多相巻線は、それぞれ固定子巻線として第1および第2の電動機に含まれ、
前記第1および第2の電動機、前記蓄電装置、前記コンバータ、前記第1および第2のインバータ、ならびに前記トランスの二次巻線は、前記第1および第2の電動機の少なくとも一方を動力源とする電動車両に搭載される、請求項2または請求項3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
蓄電装置と、
星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の電動機と、
星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の電動機と、
前記第1および第2の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各スイッチング素子に並列に接続される逆並列ダイオードを含む第1および第2のインバータと、
前記第1および第2のインバータの各々と前記蓄電装置との間に配設されるコンバータと、
前記第1の多相巻線の第1の中性点および前記第2の多相巻線の第2の中性点と車両外部の電源との間に配設され、前記電源から供給される電圧を前記蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して前記第1および第2の中性点に与える昇圧装置とを備え、
前記電源から前記蓄電装置の充電が行なわれるとき、
前記第1および第2のインバータは、前記昇圧装置によって昇圧されて前記第1および第2の中性点に与えられる電圧を前記逆並列ダイオードを介して前記コンバータへ出力し、
前記コンバータは、前記蓄電装置の充電状態に基づいて、前記蓄電装置の充電電流を制御しつつ前記蓄電装置を充電する、電動車両。
【請求項6】
前記電源から供給される電圧は、交流電圧であり、
前記昇圧装置は、前記電源から供給される交流電圧を昇圧するトランスを含み、
前記第1および第2のインバータは、前記トランスによって昇圧されて前記第1および第2の中性点に与えられる交流電圧を前記逆並列ダイオードにより整流して前記コンバータへ出力する、請求項5に記載の電動車両。
【請求項7】
前記電源は、商用交流電源である、請求項6に記載の電動車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、充電制御装置および電動車両に関し、特に、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される蓄電装置の充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第2695083号公報(特許文献1)は、電動車両に使用される電動機駆動および動力処理装置を開示する。この電動機駆動および動力処理装置は、二次電池と、インバータIA,IBと、誘導電動機MA,MBと、制御ユニットとを備える。誘導電動機MA,MBは、Y結線された巻線CA,CBをそれぞれ含み、巻線CA,CBの中性点NA,NBには、EMIフィルターを介して入力/出力ポートが接続される。
【0003】
インバータIA,IBは、それぞれ誘導電動機MA,MBに対応して設けられ、それぞれ巻線CA,CBに接続される。そして、インバータIA,IBは、二次電池に並列に接続される。
【0004】
この電動機駆動および動力処理装置においては、再充電モードで動作するとき、入力/出力ポートに接続される単相電源からEMIフィルターを介して巻線CA,CBの中性点NA,NB間に交流電力が供給され、インバータIA,IBは、その中性点NA,NB間に供給された交流電力を直流電力に変換して直流電源を充電する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2695083号公報
【特許文献2】特開平8−126121号公報
【特許文献3】特開平10−117445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許第2695083号公報に開示される電動機駆動および動力処理装置は、直流電源を充電するためのAC/DCコンバータを別途備える必要がない点で有用であるが、入力/出力ポートに接続される単相電源から供給される交流電圧を直流電源の電圧レベルに応じた直流電圧に変換する際にインバータIA,IBのスイッチング損失が発生する。
【0006】
また、巻線CA,CBの中性点NA,NB間に与えられる交流電圧をインバータIA,IBで直流電源の電圧レベルに応じた直流電圧に変換するので、インバータIA,IBのスイッチング制御も複雑になり得る。
【0007】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、外部の電源から蓄電装置を充電するための専用コンバータを別途備えることなく、かつ、インバータのスイッチング動作を不要にした充電制御装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、車両外部の電源から蓄電装置を充電するための専用コンバータを別途備えることなく、かつ、車両外部の電源からの充電時にインバータのスイッチング動作を不要にした電動車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、充電制御装置は、蓄電装置を充電するための充電制御装置であって、星形結線された第1の多相巻線と、星形結線された第2の多相巻線と、第1および第2の多相巻線にそれぞれ接続され、各スイッチング素子に並列に接続される逆並列ダイオードを含む第1および第2のインバータと、第1および第2のインバータの各々と蓄電装置との間に配設されるコンバータと、第1の多相巻線の第1の中性点および第2の多相巻線の第2の中性点と電源との間に配設され、電源から供給される電圧を蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して第1および第2の中性点に与える昇圧装置とを備える。第1および第2のインバータは、昇圧装置によって昇圧されて第1および第2の中性点に与えられる電圧を逆並列ダイオードを介してコンバータへ出力する。コンバータは、蓄電装置の充電状態に基づいて、蓄電装置の充電電流を制御しつつ蓄電装置を充電する。
【0010】
この発明による充電制御装置においては、第1の多相巻線の第1の中性点および第2の多相巻線の第2の中性点に電源からの電力が与えられ、第1および第2のインバータならびにコンバータを介して蓄電装置の充電が行なわれる。ここで、昇圧装置は、電源から供給される電圧を蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して第1および第2の中性点に与えるので、第1および第2のインバータは、各スイッチング素子を動作させることなく、第1および第2の中性点に与えられる電圧を逆並列ダイオードを介してコンバータへ供給できる。そして、コンバータを用いて蓄電装置の電流制御が行なわれる。
【0011】
したがって、この発明による充電制御装置によれば、第1および第2のインバータのスイッチングが不要であるので、充電時の損失を低減することができる。また、第1および第2のインバータをスイッチング制御する必要がないので、充電時の制御が容易である。
【0012】
好ましくは、電源から供給される電圧は、交流電圧である。昇圧装置は、電源から供給される交流電圧を昇圧するトランスを含む。第1および第2のインバータは、トランスによって昇圧されて第1および第2の中性点に与えられる交流電圧を逆並列ダイオードにより整流してコンバータへ出力する。
【0013】
この充電制御装置においては、昇圧装置がトランスで構成されるので、トランスの二次側が一次側と絶縁される。したがって、この充電制御装置によれば、第1および第2のインバータ、コンバータならびに蓄電装置を電源と絶縁することができる。
【0014】
さらに好ましくは、電源は、商用交流電源である。
したがって、この充電制御装置によれば、自宅などの商用交流電源を用いて容易かつ安全に蓄電装置を充電することができる。
【0015】
好ましくは、第1および第2の多相巻線は、それぞれ固定子巻線として第1および第2の電動機に含まれる。第1および第2の電動機、蓄電装置、コンバータ、第1および第2のインバータ、ならびにトランスの二次巻線は、第1および第2の電動機の少なくとも一方を動力源とする電動車両に搭載される。
【0016】
この充電制御装置においては、トランスの二次巻線は電動車両に搭載され、トランスの一次巻線は車両外部に設けられる。したがって、この充電制御装置によれば、電動車両の蓄電装置を車両外部の電源から非接触で充電することができる。
【0017】
また、この発明によれば、電動車両は、蓄電装置と、星形結線された第1の多相巻線を固定子巻線として含む第1の電動機と、星形結線された第2の多相巻線を固定子巻線として含む第2の電動機と、第1および第2の電動機にそれぞれ対応して設けられ、各スイッチング素子に並列に接続される逆並列ダイオードを含む第1および第2のインバータと、第1および第2のインバータの各々と蓄電装置との間に配設されるコンバータと、第1の多相巻線の第1の中性点および第2の多相巻線の第2の中性点と車両外部の電源との間に配設され、電源から供給される電圧を蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して第1および第2の中性点に与える昇圧装置とを備える。電源から蓄電装置の充電が行なわれるとき、第1および第2のインバータは、昇圧装置によって昇圧されて第1および第2の中性点に与えられる電圧を逆並列ダイオードを介してコンバータへ出力し、コンバータは、蓄電装置の充電状態に基づいて、蓄電装置の充電電流を制御しつつ蓄電装置を充電する。
【0018】
この発明による電動車両においては、第1の電動機の第1の中性点および第2の電動機の第2の中性点に車両外部の電源から電力が与えられ、第1および第2のインバータならびにコンバータを介して蓄電装置の充電が行なわれる。ここで、昇圧装置は、電源から供給される電圧を蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して第1および第2の中性点に与えるので、第1および第2のインバータは、各スイッチング素子を動作させることなく、第1および第2の中性点に与えられる電圧を逆並列ダイオードを介してコンバータへ供給できる。そして、コンバータを用いて蓄電装置の電流制御が行なわれる。
【0019】
したがって、この発明による電動車両によれば、充電用の専用コンバータを備えることなく、車両外部の電源から蓄電装置を充電することができる。そして、充電時に第1および第2のインバータのスイッチングが不要であるので、充電時の損失を低減することができる。また、第1および第2のインバータをスイッチング制御する必要がないので、充電時の制御が容易である。
【0020】
好ましくは、電源から供給される電圧は、交流電圧である。昇圧装置は、電源から供給される交流電圧を昇圧するトランスを含む。第1および第2のインバータは、トランスによって昇圧されて第1および第2の中性点に与えられる交流電圧を逆並列ダイオードにより整流してコンバータへ出力する。
【0021】
この電動車両においては、昇圧装置がトランスで構成されるので、トランスの二次側が一次側と絶縁される。したがって、この電動車両によれば、第1および第2のインバータ、コンバータならびに蓄電装置を電源と絶縁することができる。
【0022】
さらに好ましくは、電源は、商用交流電源である。
したがって、この電動車両によれば、自宅などの商用交流電源を用いて容易かつ安全に蓄電装置を充電することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、電源からの電圧を昇圧装置により蓄電装置の電圧よりも高い電圧レベルに昇圧して第1および第2の中性点に与えるので、第1および第2のインバータのスイッチング動作を不要にできる。したがって、充電時の損失を低減することができる。また、充電時の制御も容易になる。
【0024】
また、昇圧装置にトランスを用いることにより、第1および第2のインバータ、コンバータならびに蓄電装置を電源と絶縁することができる。さらに、非接触で外部電源から蓄電装置を充電することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
図1は、この発明の実施の形態による電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。図1を参照して、ハイブリッド自動車100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20,30と、モータジェネレータMG1,MG2と、エンジン4と、動力分配機構3と、車輪2と、制御装置60とを備える。
【0027】
また、ハイブリッド自動車100は、入力端子90と、整流器92と、インバータ94と、トランス86と、ACラインACL1,ACL2とを備える。さらに、ハイブリッド自動車100は、電源ラインPL1,PL2と、接地ラインSLと、コンデンサC1,C2と、U相ラインUL1〜UL3と、V相ラインVL1〜VL3と、W相ラインWL1〜WL3と、電圧センサ71,72,74と、電流センサ80,82,84とを備える。
【0028】
動力分配機構3は、エンジン4とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分配機構3としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン4およびモータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。たとえば、モータジェネレータMG1のロータを中空としてその中心にエンジン4のクランク軸を通すことで動力分配機構3にエンジン4とモータジェネレータMG1,MG2とを機械的に接続することができる。
【0029】
なお、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示されない減速ギヤや作動ギヤによって車輪2に結合されている。また、動力分配機構3の内部にモータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機をさらに組込んでもよい。
【0030】
そして、モータジェネレータMG1は、エンジン4によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン4の始動を行ない得る電動機として動作するものとしてハイブリッド自動車100に組込まれ、モータジェネレータMG2は、駆動輪である車輪2を駆動する電動機としてハイブリッド自動車100に組込まれる。
【0031】
蓄電装置Bの正極は、電源ラインPL1に接続され、蓄電装置Bの負極は、接地ラインSLに接続される。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間に接続される。
【0032】
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、npn型トランジスタQ1,Q2と、逆並列ダイオードD1,D2とを含む。npn型トランジスタQ1,Q2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に直列に接続される。各npn型トランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すように逆並列ダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。そして、リアクトルLの一端は、npn型トランジスタQ1,Q2の接続点に接続され、その他端は、電源ラインPL1に接続される。
【0033】
なお、上記のnpn型トランジスタおよび以下の本明細書中のnpn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができ、また、npn型トランジスタに代えてパワーMOSFET(metal oxide semiconductor field-effect transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
【0034】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に接続される。インバータ20は、U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26を含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ11,Q12から成り、V相アーム24は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ13,Q14から成り、W相アーム26は、直列に接続されたnpn型トランジスタQ15,Q16から成る。各npn型トランジスタQ11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流す逆並列ダイオードD11〜D16がそれぞれ接続される。
【0035】
モータジェネレータMG1は、3相コイル12をステータコイルとして含む。3相コイル12を形成するU相コイルU1、V相コイルV1およびW相コイルW1の一端は、互いに接続されて中性点N1を形成し、各相コイルの他端は、インバータ20のU相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26における各npn型トランジスタの接続点にそれぞれ接続される。
【0036】
インバータ30は、U相アーム32、V相アーム34およびW相アーム36を含む。モータジェネレータMG2は、3相コイル14をステータコイルとして含む。インバータ30およびモータジェネレータMG2の構成は、それぞれインバータ20およびモータジェネレータMG1と同様である。
【0037】
トランス86は、一次コイル87と、二次コイル88とを含む。二次コイル88は、ACラインACL1,ACL2を介してそれぞれモータジェネレータMG1,MG2の3相コイル12,14の中性点N1,N2に接続される。そして、一次コイル87にはインバータ94が接続され、インバータ94の一次側には整流器92が接続され、整流器92の一次側には入力端子90が接続される。
【0038】
蓄電装置Bは、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。蓄電装置Bは、直流電力を昇圧コンバータ10へ出力する。また、蓄電装置Bは、昇圧コンバータ10によって充電される。なお、蓄電装置Bとして、大容量のキャパシタを用いてもよい。
【0039】
電圧センサ71は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出した電圧VBを制御装置60へ出力する。電流センサ84は、蓄電装置Bに対して入出力される電流IBを検出し、その検出した電流IBを制御装置60へ出力する。コンデンサC1は、電源ラインPL1と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。
【0040】
昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、蓄電装置Bから受ける直流電圧をリアクトルLを用いて昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を電源ラインPL2へ出力する。具体的には、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、npn型トランジスタQ2のスイッチング動作に応じて流れる電流をリアクトルLに磁場エネルギーとして蓄積することによって蓄電装置Bからの直流電圧を昇圧する。そして、昇圧コンバータ10は、その昇圧した昇圧電圧をnpn型トランジスタQ2がオフされたタイミングに同期して逆並列ダイオードD1を介して電源ラインPL2へ出力する。また、昇圧コンバータ10は、入力端子90に接続される車両外部の商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれるとき、制御装置60からの信号PWCに基づいて、蓄電装置Bの充電電流を制御する。
【0041】
コンデンサC2は、電源ラインPL2と接地ラインSLとの間の電圧変動を平滑化する。電圧センサ72は、コンデンサC2の端子間電圧、すなわち接地ラインSLに対する電源ラインPL2の電圧VHを検出し、その検出した電圧VHを制御装置60へ出力する。
【0042】
インバータ20は、制御装置60からの信号PWM1に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。これにより、モータジェネレータMG1は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ20は、エンジン4の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0043】
インバータ30は、制御装置60からの信号PWM2に基づいて、電源ラインPL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ30は、車両の回生制動時、車輪2からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を制御装置60からの信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ラインPL2へ出力する。
【0044】
なお、ここで言う回生制動とは、車両を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0045】
また、インバータ20,30は、入力端子90に接続される商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれるとき、トランス86により昇圧されて3相コイル12,14の中性点N1,N2に与えられる交流電圧を整流して電源ラインPL2へ出力する。ここで、商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれるとき、インバータ20,30のnpn型トランジスタQ11〜Q16,Q21〜Q26は全てオフされ(ゲートシャットダウン)、逆並列ダイオードD11〜D16,D21〜D26を用いて整流が行なわれる。
【0046】
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン4の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ20へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン4の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ30から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ30へ出力する。
【0047】
トランス86は、インバータ94からの高周波交流電圧を蓄電装置Bの電圧VBよりも高い電圧レベルに昇圧し、その昇圧した交流電圧をACラインACL1,ACL2へ出力する。また、トランス86は、車両に搭載されるインバータ20,30などの各装置を入力端子90に接続される商用電源と絶縁する。電圧センサ74は、ACラインACL1,ACL2間の電圧VACを検出し、その検出した電圧VACを制御装置60へ出力する。
【0048】
入力端子90は、車両外部の商用電源から蓄電装置Bを充電する際に商用交流電圧を受けるための端子である。整流器92は、入力端子90に入力される商用交流電圧を整流してインバータ94へ出力する。インバータ94は、整流器92からの直流電圧を高周波の交流電圧に変換し、その変換した高周波交流電圧をトランス86の一次コイル87へ出力する。
【0049】
なお、商用電源からの商用交流電圧を整流器92およびインバータ94を用いて高周波化するのは、トランス86を高周波で動作させることによりトランス86の体格を小さくすることができるからである。
【0050】
電流センサ80は、モータジェネレータMG1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置60へ出力する。電流センサ82は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置60へ出力する。
【0051】
制御装置60は、昇圧コンバータ10を駆動するための信号PWCおよびインバータ20,30をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWC,PWM1,PWM2をそれぞれ昇圧コンバータ10およびインバータ20,30へ出力する。
【0052】
また、制御装置60は、入力端子90に接続される商用電源から蓄電装置Bの充電を行なうか否かを判定し、蓄電装置Bの充電を実行するとき、インバータ20,30のnpn型トランジスタQ11〜Q16,Q21〜Q26を全てオフするとともに、昇圧コンバータ10を用いて蓄電装置Bの充電制御を行なう。
【0053】
図2は、図1に示した制御装置60の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置60は、コンバータ制御部61と、第1のインバータ制御部62と、第2のインバータ制御部63と、AC入力制御部64とを含む。
【0054】
コンバータ制御部61は、電圧センサ71からの電圧VB、電圧センサ72からの電圧VH、HV−ECU(図示せず、以下同じ。)から出力されるモータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2、電流センサ84からの電流IB、ならびにAC入力制御部64からの充電電流目標値IBRおよび充電制御指令CHGに基づいて、昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWCを生成し、その生成した信号PWCを昇圧コンバータ10へ出力する。
【0055】
第1のインバータ制御部62は、モータジェネレータMG1のトルク指令値TR1およびモータ電流MCRT1ならびに電圧VHに基づいて、インバータ20のnpn型トランジスタQ11〜Q16をオン/オフするための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。ここで、第1のインバータ制御部62は、AC入力制御部64からゲートオフ指令GOFFを受けると、インバータ20のnpn型トランジスタQ11〜Q16を全てオフするように信号PWM1を生成してインバータ20へ出力する。
【0056】
第2のインバータ制御部63は、モータジェネレータMG2のトルク指令値TR2およびモータ電流MCRT2ならびに電圧VHに基づいて、インバータ30のnpn型トランジスタQ21〜Q26をオン/オフするための信号PWM2を生成し、その生成した信号PWM2をインバータ30へ出力する。ここで、第2のインバータ制御部63は、AC入力制御部64からゲートオフ指令GOFFを受けると、インバータ30のnpn型トランジスタQ21〜Q26を全てオフするように信号PWM2を生成してインバータ30へ出力する。
【0057】
AC入力制御部64は、図示されないイグニッションキー(またはイグニッションスイッチ、以下同じ。)からの信号IGおよび電圧センサ74からの電圧VACに基づいて、車両外部の商用電源から蓄電装置Bの充電を行なうか否かを判定する。そして、AC入力制御部64は、蓄電装置Bの充電実行時、第1および第2のインバータ制御部62,63へゲートオフ指令GOFFを出力するとともに、コンバータ制御部61へ充電制御指令CHGを出力する。なお、充電制御指令CHGは、蓄電装置Bの充電制御をコンバータ制御部61に指示する指令である。
【0058】
また、AC入力制御部64は、蓄電装置Bの充電実行時、HV−ECUから受ける蓄電装置Bの充電状態(State of Charge:SOC)に基づいて蓄電装置Bの充電電流目標値IBRを算出し、その算出した充電電流目標値IBRをコンバータ制御部61へ出力する。なお、蓄電装置BのSOCは、図示されない電池ECUなどによって公知の手法を用いて算出される。
【0059】
図3は、図2に示したAC入力制御部64による蓄電装置Bの充電実行判定に関するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、一定時間毎または所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
【0060】
図3を参照して、AC入力制御部64は、イグニッションキーからの信号IGに基づいて、イグニッションキーがOFF位置に回動されたか否かを判定する(ステップS10)。AC入力制御部64は、イグニッションキーがOFF位置にないと判定すると(ステップS10においてNO)、商用電源を入力端子90に接続して蓄電装置Bの充電を行なうのは不適切であると判断してステップS60へ処理を進め、制御はメインルーチンに移される。
【0061】
ステップS10においてイグニッションキーがOFF位置にあると判定されると(ステップS10においてYES)、AC入力制御部64は、電圧センサ74からの電圧VACに基づいて、商用電源からの商用交流電圧が入力端子90に入力されているか否かを判定する(ステップS20)。AC入力制御部64は、商用交流電圧の入力がないと判定すると(ステップS20においてNO)、充電処理を行なわずにステップS60へ処理を進め、制御はメインルーチンに移される。
【0062】
一方、ステップS20において入力端子90への商用交流電圧の入力が確認されると(ステップS20においてYES)、AC入力制御部64は、蓄電装置BのSOCに基づいて蓄電装置Bの充電電流目標値IBRを算出し、その算出した充電電流目標値IBRをコンバータ制御部61へ出力する(ステップS30)。たとえば、AC入力制御部64は、蓄電装置BのSOCが十分なレベルであることを示す基準値を蓄電装置BのSOCが下回っているとき、蓄電装置Bの充電電流目標値IBRを予め定められた値に設定する。なお、蓄電装置BのSOCに応じて充電電流目標値IBRの値を変化させてもよい。
【0063】
ステップS30において蓄電装置Bの充電電流が設定されると、AC入力制御部64は、第1および第2のインバータ制御部62,63へゲートオフ指令GOFFを出力する(ステップS40)。これにより、後述するように、第1および第2のインバータ制御部62,63は、それぞれインバータ20,30に含まれるnpn型トランジスタQ11〜Q16,Q21〜Q26を全てオフし、入力端子90に接続された商用電源から蓄電装置Bの充電中は、インバータ20,30のスイッチングが停止される。
【0064】
そして、ステップS40の処理に続いて、AC入力制御部64は、コンバータ制御部61へ充電制御指令CHGを出力し、コンバータ制御部61へ蓄電装置Bの充電制御の実行を指示する(ステップS50)。これにより、後述するように、コンバータ制御部61は、蓄電装置Bの充電制御を実行し、蓄電装置Bの充電中、昇圧コンバータ10は、蓄電装置Bの充電電流を充電電流目標値IBRに制御しつつ蓄電装置Bを充電する。その後、制御はメインルーチンに戻される(ステップS60)。
【0065】
図4は、図2に示したコンバータ制御部61の機能ブロック図である。図4を参照して、コンバータ制御部61は、インバータ入力電圧指令演算部111と、減算部112,114と、PI制御部113と、フィードバック電圧指令演算部115と、デューティー比演算部116と、PWM信号変換部117とを含む。
【0066】
インバータ入力電圧指令演算部111は、HV−ECUからのトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2に基づいて、インバータ入力電圧の最適値(目標値)すなわち電圧指令VH_comを演算し、その演算した電圧指令VH_comをフィードバック電圧指令演算部115へ出力する。
【0067】
減算部112は、AC入力制御部64からの充電電流目標値IBRと電流センサ84からの電流IBとを受け、充電電流目標値IBRから電流IBを減算し、その演算結果をPI制御部113へ出力する。
【0068】
PI制御部113は、減算部112から受ける充電電流目標値IBRと電流IBとの偏差を入力として比例積分演算を行ない、その演算結果を減算部114へ出力する。
【0069】
減算部114は、PI制御部113の出力値と電圧センサ72からの電圧VHとを受け、電圧VHからPI制御部113の出力値を減算し、その演算結果を電圧指令VH_IBとしてフィードバック電圧指令演算部115へ出力する。
【0070】
フィードバック電圧指令演算部115は、電圧VHと、AC入力制御部64からの充電制御指令CHGと、インバータ入力電圧指令演算部111からの電圧指令VH_comと、減算部114からの電圧指令VH_IBとを受ける。そして、フィードバック電圧指令演算部115は、充電制御指令CHGが非活性化されているとき、電圧VHとインバータ入力電圧指令演算部111からの電圧指令VH_comとに基づいて、電圧VHを電圧指令VH_comに制御するためのフィードバック電圧指令VH_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令VH_fbをデューティー比演算部116へ出力する。
【0071】
一方、フィードバック電圧指令演算部115は、充電制御指令CHGが活性化されているとき、電圧VHと減算部114からの電圧指令VH_IBとに基づいて、電圧VHを電圧指令VH_IBに制御するためのフィードバック電圧指令VH_fbを演算し、その演算したフィードバック電圧指令VH_fbをデューティー比演算部116へ出力する。
【0072】
デューティー比演算部116は、電圧センサ71からの電圧VBと、電圧VHと、フィードバック電圧指令演算部115からのフィードバック電圧指令VH_fbとに基づいて、電圧VHを電圧指令VH_comまたはVH_IBに制御するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をPWM信号変換部117へ出力する。
【0073】
PWM信号変換部117は、デューティー比演算部116から受けたデューティー比に基づいて、昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2をオン/オフするためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWCとして昇圧コンバータ10のnpn型トランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0074】
このコンバータ制御部61においては、AC入力制御部64からの充電制御指令CHGが非活性化されているとき、すなわち商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれていないとき、インバータ入力電圧指令演算部111によって演算される電圧指令VH_comに電圧VHが制御されるように、昇圧コンバータ10の上アームおよび下アームのスイッチングデューティーが制御される。
【0075】
一方、AC入力制御部64からの充電制御指令CHGが活性化されているとき、すなわち商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれているとき、蓄電装置Bの充電電流IBが充電電流目標値IBRに制御されるように、昇圧コンバータ10の上アームおよび下アームのスイッチングデューティーが制御される。
【0076】
図5は、図2に示した第1および第2のインバータ制御部62,63の機能ブロック図である。図5を参照して、第1および第2のインバータ制御部62,63の各々は、モータ制御用相電圧演算部120と、PWM信号変換部122とを含む。
【0077】
モータ制御用相電圧演算部120は、インバータ20,30の入力電圧である電圧VHを電圧センサ72から受け、モータジェネレータMG1(またはMG2)の各相に流れるモータ電流MCRT1(またはMCRT2)を電流センサ80(または82)から受け、トルク指令値TR1(またはTR2)をHV−ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部120は、これらの入力値に基づいて、モータジェネレータMG1(またはMG2)の各相コイルに印加する電圧を演算し、その演算した各相コイル電圧をPWM信号変換部122へ出力する。
【0078】
PWM信号変換部122は、AC入力制御部64からのゲートオフ指令GOFFが非活性化されているとき、モータ制御用相電圧演算部120から受ける各相コイル電圧指令に基づいて、実際にインバータ20(または30)の各npn型トランジスタQ11〜Q16(またはQ21〜Q26)をオン/オフする信号PWM1_0(信号PWM1の一種)(またはPWM2_0(信号PWM2の一種))を生成し、その生成した信号PWM1_0(またはPWM2_0)をインバータ20(または30)の各npn型トランジスタQ11〜Q16(またはQ21〜Q26)へ出力する。
【0079】
このようにして、各npn型トランジスタQ11〜Q16(またはQ21〜Q26)がスイッチング制御され、モータジェネレータMG1(またはMG2)が指令されたトルクを出力するようにモータジェネレータMG1(またはMG2)の各相に流す電流が制御さ
れる。その結果、トルク指令値TR1(またはTR2)に応じたモータトルクが出力される。
【0080】
また、PWM信号変換部122は、AC入力制御部64からのゲートオフ指令GOFFが活性化されているとき、モータ制御用相電圧演算部120の出力に拘わらず、インバータ20(または30)の各npn型トランジスタQ11〜Q16(またはQ21〜Q26)を全てオフする信号PWM1_1(信号PWM1の一種)(またはPWM2_1(信号PWM2の一種))を生成し、その生成した信号PWM1_1(またはPWM2_1)をインバータ20(または30)のnpn型トランジスタQ11〜Q16(またはQ21〜Q26)へ出力する。
【0081】
再び図1を参照して、ハイブリッド自動車100の全体動作について説明する。このハイブリッド自動車100は、エンジン4およびモータジェネレータMG2を動力源として走行する。また、エンジン4の出力を用いてモータジェネレータMG1により発電を行ない、蓄電装置Bに電力を供給することができる。さらに、車両の回生制動時は、モータジェネレータMG2の回転力を用いてモータジェネレータMG2により回生発電が行なわれ、蓄電装置Bに電力が供給される。
【0082】
そして、このハイブリッド自動車100においては、入力端子90に接続された商用電源を用いて蓄電装置Bを充電することができる。入力端子90に入力された商用交流電圧は、整流器92およびインバータ94を用いて高周波の交流電圧に変換されてトランス86へ与えられる。
【0083】
トランス86は、インバータ94からの高周波交流電圧を蓄電装置Bの電圧VBよりも高い電圧レベルに昇圧し、その昇圧した交流電圧をACラインACL1,ACL2を介してモータジェネレータMG1,MG2の3相コイル12,14の中性点N1,N2へ出力する。そして、中性点N1,N2に与えられた交流電圧は、インバータ20,30によって整流されて電源ラインPL2へ出力される。
【0084】
ここで、商用電源から蓄電装置Bの充電が行なわれているとき、インバータ20,30の各npn型トランジスタQ11〜Q16,Q21〜Q26は、スイッチングすることなく全てオフされる。しかしながら、中性点N1,N2に与えられる交流電圧は、トランス86によって蓄電装置Bの電圧VBよりも高い電圧レベルに昇圧されているので、インバータ20,30の逆並列ダイオードD16〜D16,D26〜D26が整流回路として機能し、中性点N1,N2に与えられる交流電圧が整流されて電源ラインPL2に供給される。
【0085】
そして、制御装置60は、蓄電装置BのSOCに基づいて蓄電装置Bの充電電流を設定し、昇圧コンバータ10は、制御装置60からの信号PWCに基づいて、電源ラインPL2から蓄電装置Bへの充電電流を制御しつつ、蓄電装置Bを充電する。
【0086】
以上のように、この実施の形態によれば、車両外部の商用電源からモータジェネレータMG1,MG2の3相コイル12,14の中性点N1,N2に交流電力を与えることにより、専用のAC/DCコンバータを別途備えることなく蓄電装置Bを充電することができる。
【0087】
そして、入力端子90と中性点N1,N2との間にトランス86を設け、商用電源からの商用交流電圧を蓄電装置Bの電圧VBよりも高い電圧レベルに昇圧して中性点N1,N2に与えるようにしたので、商用電源から蓄電装置Bを充電する際、インバータ20,30をスイッチングする必要がない。したがって、インバータ20,30におけるスイッチング損失を無くすことができ、全体として充電時の損失を低減することができる。また、モータジェネレータMG1,MG2やインバータ20,30などの装置と商用電源との絶縁も確保できる。
【0088】
なお、入力端子90からトランス86の一次コイル87までをハイブリッド自動車の外部に外出ししてもよい。
【0089】
図6は、この発明の実施の形態の変形例によるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。図6を参照して、このハイブリッド自動車100Aは、トランス86の二次コイル88を搭載し、トランス86の一次コイル87、入力端子90、整流器92およびインバータ94は、ハイブリッド自動車100Aの外部に設けられる。
【0090】
そして、トランス86の一次コイル87、入力端子90、整流器92およびインバータ94は、車両外部の充電設備として構成され、入力端子90に接続される商用電源から蓄電装置Bを充電する際に一次コイル87をハイブリッド自動車100Aに搭載された二次コイル88に近接させることにより、商用電源からの商用交流電圧を昇圧して中性点N1,N2に与えることができる。
【0091】
このハイブリッド自動車100Aによれば、商用電源から蓄電装置Bを充電する際に、ハイブリッド自動車100Aに対して非接触で充電することができる。また、トランス86の一次コイル87、入力端子90、整流器92およびインバータ94が車両外部に設けられるので、上記のハイブリッド自動車100に対して車両を軽量化できる。
【0092】
なお、上記の実施の形態においては、トランス86の小型化を目的に入力端子90とトランス86との間に整流器92およびインバータ94を備えるものとしたが、整流器92およびインバータ94を備えていなくても、この発明は適用可能である。
【0093】
また、上記の実施の形態においては、この発明による電動車両の一例としてハイブリッド自動車について説明したが、この発明は、電気自動車(Electric Vehicle)や、燃料電池(Fuel Cell)のほかにバッテリやキャパシタなどの蓄電装置を搭載した燃料電池車にも適用可能である。
【0094】
なお、上記において、3相コイル12,14は、それぞれこの発明における「第1の多相巻線」および「第2の多相巻線」に対応し、インバータ20,30は、それぞれこの発明における「第1のインバータ」および「第2のインバータ」に対応する。また、昇圧コンバータ10は、この発明における「コンバータ」に対応し、トランス86は、この発明における「昇圧装置」に対応する。さらに、モータジェネレータMG1,MG2は、それぞれこの発明における「第1の電動機」および「第2の電動機」に対応する。
【0095】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】この発明の実施の形態による電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すAC入力制御部による蓄電装置の充電実行判定に関するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図4】図2に示すコンバータ制御部の機能ブロック図である。
【図5】図2に示す第1および第2のインバータ制御部の機能ブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態の変形例によるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【符号の説明】
【0097】
2 車輪、3 動力分配機構、4 エンジン、10 昇圧コンバータ、12,14 3相コイル、20,30,94 インバータ、22,32 U相アーム、24,34 V相アーム、26,36 W相アーム、60 制御装置、61 コンバータ制御部、62 第1のインバータ制御部、63 第2のインバータ制御部、64 AC入力制御部、71,72,74 電圧センサ、80,82,84 電流センサ、86 トランス、87 一次コイル、88 二次コイル、90 入力端子、92 整流器、100,100A ハイブリッド自動車、111 インバータ入力電圧指令演算部、112,114 減算部、113 PI制御部、115 フィードバック電圧指令演算部、116 デューティー比演算部、117,122 PWM信号変換部、120 モータ制御用相電圧演算部、B 蓄電装置、ACL1,ACL2 ACライン、C1,C2 コンデンサ、D1,D2,D11〜D16,D21〜D26 逆並列ダイオード、L リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点、PL1,PL2 電源ライン、Q1,Q2,Q11〜Q16,Q21〜Q26 npn型トランジスタ、SL 接地ライン、U1,U2 U相コイル、UL1,UL2 U相ライン、V1,V2 V相コイル、VL1,VL2 V相ライン、W1,W2 W相コイル、WL1,WL2 W相ライン。




 

 


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