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電気回路 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 電気回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68336(P2007−68336A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−251628(P2005−251628)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 天野 正弥
要約 課題
スイッチの切片が電極に溶着する等、電流供給経路に異常が生じた場合であっても、電流供給経路を遮断することが可能な電気回路を提供する。

解決手段
制御部48は、衝突検知センサ50が入力する情報または開放検知センサが入力する情報によって、車両が衝突したと判断した場合または収納筐体42が開放されたと判断した場合には、リレースイッチ14を遮断状態とするためのリレー制御信号Sa,Sbを出力する。その後制御部48は、昇圧コンバータ回路24の出力に接続された電圧センサ34が示す値VMを読み込み、安全電圧VS以下とならない場合には、電圧を導通電圧VH1に固定したチョッパ制御信号C1をチョッパスイッチ30の制御端子T30に入力する。これによってチョッパスイッチ30は導通状態に固定され、ヒューズ12が溶断される。
特許請求の範囲
【請求項1】
切り換えスイッチを備え、
前記切り換えスイッチの切り換え動作に従って流れる電流に基づく電圧を出力する電気回路であって、
前記切り換えスイッチに電力を供給するための電源経路に設けられた電源スイッチと、
前記電源経路に設けられ、遮断電流値を超える電流が流れたときに電流を遮断する遮断素子と、
前記電源スイッチの異常を検出し、前記電源スイッチに異常が検出された場合には前記切り換えスイッチの状態を固定する制御回路と、
を備え、
前記切り換えスイッチの状態が固定された場合に前記遮断素子に流れる電流が前記遮断電流値を超えるように構成されていることを特徴とする電気回路。
【請求項2】
請求項1に記載の電気回路であって、
前記遮断素子から前記切り換えスイッチに至る経路に直列に接続され、前記切り換えスイッチの切り換え動作に従って流れる電流によって誘導起電力を発生させるインダクタを備えることを特徴とする電気回路。
【請求項3】
請求項2に記載の電気回路において、
前記切り換えスイッチの状態を固定した場合に前記インダクタを流れる飽和電流値が前記遮断電流値より大きくなるように構成されていることを特徴とする電気回路。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路を遮断する手段を備えた電気回路に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電圧源によって電動機を駆動するため、昇圧コンバータ回路、インバータ回路等が広く用いられる。例えば、ハイブリッド車、電気自動車では、車両に搭載された燃料電池等の電池から電動機への電力供給は、昇圧コンバータ回路、インバータ回路等を介して行われる。すなわち、電池の出力電圧は昇圧コンバータ回路によって昇圧され、昇圧コンバータ回路によって昇圧された出力電圧は、インバータ回路によって交流電圧に変換された上で電動機の電源入力端子に印加される。
【0003】
このように、電動機への電力供給がコンバータ回路、インバータ回路等を介して行われるのは、電動機の制御を容易にするためである。電動機の回転数は、主に電動機に印加される交流電圧の周波数によって、電動機のトルクは、主に電動機に印加される交流電圧の電圧振幅によって定まる。したがって、インバータ回路の出力電圧の周波数を制御することで電動機の回転数を、昇圧コンバータ回路の昇圧比を調整することで電動機のトルクを制御することができる。インバータ回路の出力電圧の周波数、昇圧コンバータ回路の昇圧比は、それぞれの回路に入力される制御信号の時間波形によって定まるため、これらの制御信号を出力する制御部を別途設けることで、電動機の回転数およびトルクの制御を行う構成を容易に実現することができる。
【0004】
一方、直流電圧源、昇圧コンバータ回路、インバータ回路等の高圧機器を備える装置では、装置内への異物混入、当該装置への衝撃等に対する安全対策を十分に考慮した設計とする必要がある。
【0005】
例えば、車両では、衝突に起因する機械的変形により絶縁構造が破壊され、これらの高圧機器において高電圧が印加されている部分が短絡されることがあるため、衝突時には高圧機器の動作が停止するように設計されるのが通常である。このような高圧機器の動作を停止する手段として、車両に衝突を検知する衝突検知センサを設け、衝突検知センサが衝突を検知した際には電池の出力端子に接続された電源スイッチを強制的に遮断状態とする装置が従来から採用されている。
【0006】
また、高圧機器を収納した筐体内部を点検する際にも、その動作を停止させることが好ましい。そのため、高圧機器を収納した筐体に、その筐体の蓋が開放されたことを検知する開放検知センサを備え、開放検知センサが筐体の蓋が開放されたことを検知した際には、直流電圧源の出力端子に接続されたスイッチを強制的に遮断状態とする装置も用いられている。
【0007】
なお、故障時に回路の一部を遮断するインバータ回路の構成が次の文献に記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開平5−344738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来から採用されている電源供給回路には電源スイッチに関する次のような課題がある。電源スイッチは、電極と切片とを備えて構成され、電極と切片とが接触している状態を導通状態、電極と切片とが離れている状態を遮断状態とする。電極と切片とが接触し、これらの接点に電流が流れている状態において切片を電極から急激に離すと、切片と電極との間に放電が生じる。この放電に基づく放電電流は、切片が電極から離れる直前において切片と電極との間の接点に流れていた電流が大きい程大きく、放電電流によって切片が溶融し変形する蓋然性が高くなる。
【0010】
このような現象は、電源供給回路を車両に搭載した場合に生じ易い。それは、車両の走行により電源スイッチに振動が加えられ、電源スイッチが故障する可能性が高くなるためである。例えば、電源スイッチの故障等により、切片の電極への付勢力が不十分となった場合には、切片は車両の走行による振動に起因して電極への離着を繰り返す。これによって、切片と電極との間の放電が繰り返され、切片が溶融し変形してしまう可能性がある。
【0011】
このような過程を経て切片が変形してしまうと、切片と電極との間における接触抵抗が著しく増大し、接触抵抗に基づくジュール熱による切片の溶融が促進される。そして、切片の溶融が促進されると、切片が電極に接触したまま離れることがない溶着した状態となるおそれがある。
【0012】
電源スイッチとしては、切片を駆動するばねや電磁石等の切片駆動手段を備え、状態の切り換えを切片駆動手段によって自動的に行うこととしたリレースイッチが広く用いられる。しかしながら、切片が電極に溶着してしまうと、そのような切片駆動手段によってリレースイッチを強制的に遮断状態とすることが不可能となり、安全対策が不十分となる。
【0013】
また、安全対策を万全にするため、リレースイッチを直流電圧源の正極側と負極側の両側に設けた構成が従来から採用されている。この構成では、正極側と負極側のいずれか一方に設けられたリレースイッチの切片が電極に溶着した場合であっても、他方のリレースイッチが正常であれば電池から供給される電流を強制的に遮断することができる。しかしながら、2つのリレースイッチを実装するための広い空間を設けなければならず、設計製造コストの観点からも不利である。
【0014】
本発明はこのような課題に対してなされたものであり、スイッチの切片が電極に溶着する等、電流供給経路に異常が生じた場合であっても、電流供給経路を遮断することが可能な電気回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、切り換えスイッチを備え、前記切り換えスイッチの切り換え動作に従って流れる電流に基づく電圧を出力する電気回路であって、前記切り換えスイッチに電力を供給するための電源経路に設けられた電源スイッチと、前記電源経路に設けられ、遮断電流値を超える電流が流れたときに電流を遮断する遮断素子と、前記電源スイッチの異常を検出し、前記電源スイッチに異常が検出された場合には前記切り換えスイッチの状態を固定する制御回路と、を備え、前記切り換えスイッチの状態が固定された場合に前記遮断素子に流れる電流が前記遮断電流値を超えるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る電気回路においては、前記遮断素子から前記切り換えスイッチに至る経路に直列に接続され、前記切り換えスイッチの切り換え動作に従って流れる電流によって誘導起電力を発生させるインダクタを備える構成とすることが好適である。
【0017】
また、本発明に係る電気回路は、前記切り換えスイッチの状態を固定した場合に前記インダクタを流れる飽和電流値が前記遮断電流値より大きくなるように構成されていることが好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電流供給経路を確実に遮断することが可能な電気回路を実現することができる。また、電源経路に電源スイッチを設ける本発明に係る電気回路にあっては、電源スイッチに異常が生じた場合であっても、電流供給経路を確実に遮断することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る電動機制御回路44の構成を示す図である。電動機制御回路44は車両に搭載され、車両を駆動する電動機46の制御を行う。電動機制御回路44は、走行用電池10、リレースイッチ14、昇圧コンバータ回路24、インバータ回路40、および制御部48を備えて構成される。
【0020】
走行用電池10は直列に接続された複数の単位電池10aを備えて構成され、単位電池10aの接続点のうち一つにはヒューズ12が直列に挿入される。走行用電池10の負極端子T2は昇圧コンバータ回路24の端子T4に接続され、走行用電池10の正極端子T1はリレースイッチ14を介して昇圧コンバータ回路24の端子T3に接続される。
【0021】
リレースイッチ14は、スイッチ16aおよびそれに並列に接続されたスイッチ16bと保護抵抗RPとの直列回路とを含んで構成され、スイッチ16a,16bは、それぞれ切片18a,18b、電極20a,20b、および切片駆動部22a,22bを備えて構成される。リレースイッチ14は、電極20a,20bと切片18a,18bとがそれぞれ接触している状態を導通状態、電極20a,20bと切片18a,18bとがそれぞれ離れている状態を遮断状態とする。
【0022】
切片駆動部22a,22bの端子Ta,Tbには、制御部48から制御信号Sa,Sbを入力するための信号線59a,59bが接続される。切片駆動部22a,22bのそれぞれは、リレー制御信号Sa,Sbに応じて、切片18a,18bが電極20a,20bに接触した状態、または切片18a,18bが電極20a,20bから離れた状態となるようそれぞれ切片18a,18bを駆動する。切片駆動部22a,22bとしては、電磁石とバネの付勢力によって切片18a,18bに駆動力を与える構成としたものが好適である。
【0023】
リレー制御信号Sa,Sbは、導通電圧VH0と遮断電圧VL0との2値の電圧をとり得る。切片駆動部22a,22bは、リレー制御信号Sa,Sbが導通電圧VH0であるときには切片18a,18bを電極20a,20bに接触させた状態に駆動し、遮断電圧VL0であるときには切片18a,18bを電極20a,20bから離れた状態に駆動する。
【0024】
昇圧コンバータ回路24は、昇圧インダクタ26、損失抵抗27、充放電スイッチ28、チョッパスイッチ30、ダイオード28a,30a、および出力キャパシタ32を含んで構成される。また、昇圧コンバータ回路24は、端子T3およびT4を入力端子、端子T5およびT6を出力端子とする。
【0025】
損失抵抗27は昇圧インダクタ26、走行用電池10、チョッパスイッチ30等、昇圧インダクタ26に直列に接続される回路素子が含む損失を等価な抵抗を以て表したものであり、昇圧インダクタ26に直列に接続される。
【0026】
端子T3は、直列に接続された損失抵抗27および昇圧インダクタ26を介して、チョッパスイッチ30と充放電スイッチ28との接続点である節点jに接続される。
【0027】
チョッパスイッチ30は節点jで充放電スイッチ28の片端に接続されその他端は端子T4および端子T6に接続される。充放電スイッチ28は節点jでチョッパスイッチ30の片端に接続され、その片端は端子T5に接続される。端子T5,T6間には出力キャパシタ32および電圧センサ34が接続される。また、電圧センサ34は信号線59Mによって制御部に接続されている。
【0028】
ダイオード30aはカソードが節点j側に接続されるようチョッパスイッチ30に並列接続され、ダイオード28aはアノードが節点j側に接続されるよう充放電スイッチ28に並列接続される。
【0029】
チョッパスイッチ30、充放電スイッチ28のそれぞれには、導通状態、遮断状態間の切り換えを行うための制御信号が入力される端子T30,T28が設けられており、制御部48から引き出された信号線59C1,信号線59C2がそれぞれ接続される。
【0030】
次に、インバータ回路40の構成について説明する。インバータ回路40は、パルス発生スイッチ361〜366およびダイオード381〜386を含んで構成される。また、端子T5,T6を入力端子とし、端子u、v、wを出力端子とする。パルス発生スイッチ361とパルス発生スイッチ364、パルス発生スイッチ362とパルス発生スイッチ365、パルス発生スイッチ363とパルス発生スイッチ366はそれぞれ節点u’,v’,w’で直列接続される。そして、節点u’v’,w’はそれぞれ電動機の端子u,v,wに接続される。
【0031】
また、パルス発生スイッチ361,365,363それぞれの両端のうち、節点u’v’,w’に接続されている側とは反対側の片端は端子T5に接続され、パルス発生スイッチ364,362,366それぞれの両端のうち、節点u’v’,w’に接続されている側とは反対側の片端は端子T6に接続される。
【0032】
パルス発生スイッチ361〜366のそれぞれには、導通状態、遮断状態間の切り換えを行うための制御信号を入力するための端子TD1〜TD6が設けられており、制御部48から引き出された信号線59D1〜59D6がそれぞれ接続される。
【0033】
制御部48は、リレースイッチ14、昇圧コンバータ回路24、インバータ回路40等を制御するための制御信号を出力するための回路(図示せず)を備える。制御部には、電池56が接続されており、制御部48が備える回路には電池56から電力が供給される。制御部48が備える回路の接地点Gは車両のボディに電気的に接続され、ボディと同電位とされる。また、制御部から出力される制御信号の電位は、接地点Gを基準電位とする。
【0034】
また、制御部48には、車両の衝突を検知する衝突検知センサ50、昇圧コンバータ回路24、インバータ回路40の収納筐体42が開放されたことを検知する開放検知センサ52が接続されている。衝突検知センサ50は、例えば加速度に応じた電圧を発生する加速度センサ等によって構成することができる。また、開放検知センサ52は、例えば収納筐体42を覆う蓋を外すことによって開閉するスイッチによって構成することができる。
【0035】
電動機制御回路44は、このような構成によって、走行用電池10が発生する電圧を昇圧コンバータ回路24において昇圧し、昇圧した電圧をインバータ回路40において三相パルス電圧に変換して電動機46に印加する。
【0036】
電動機46の回転数は三相パルス電圧の周波数を変化させることによって調整することができ、電動機46のトルクは三相パルス電圧の電圧振幅を変化させることによって調整することができる。したがって、制御部48によりインバータ回路40が出力する三相パルス電圧の周波数を変化させることで電動機46の回転数を調整することができ、制御部48により昇圧コンバータ回路24が出力する電圧振幅を変化させることで電動機46の回転数を調整することができる。
【0037】
本実施形態に係る電動機制御回路44は、車両が衝突したとき、または昇圧コンバータ回路24、インバータ回路40の収納筐体42が開放されたときにリレースイッチ14を強制的に遮断状態とする手段を備える。さらに、切片18a,18bがそれぞれ電極20a,20bへ溶着している場合には、ヒューズ12を溶断する手段を備える。
【0038】
車両が走行している状態では、リレースイッチ14は導通状態となっており、電動機46を回転させるための電力は、走行用電池10からリレースイッチ14、昇圧コンバータ回路24、およびインバータ回路40を介して電動機46に供給される。
【0039】
車両の衝突等によって車両に衝撃が与えられると、衝突検知センサ50は衝突情報信号を制御部48に入力する。また、点検等において収納筐体42が開放されると、開放検知センサ52は開放情報信号を制御部48に入力する。制御部48は、衝突情報信号または開放情報信号が入力されたことを認識すると、リレースイッチ14が遮断状態となるよう切片駆動部22a,22bを制御する。制御部48の制御によってリレースイッチ14が遮断状態となると、走行用電池10から昇圧コンバータ回路24およびインバータ回路40に供給される電流は遮断され、電動機制御回路44における各節点の電圧は低下する。
【0040】
しかしながら、電動機制御回路44は車両に搭載されるため、先に述べたように、リレースイッチ14が備える切片18a,18bがそれぞれ電極20a,20bへ溶着しているおそれがあり、必ずしもリレースイッチ14が遮断状態になるとは限らない。そこで、本実施形態に係る電動機制御回路44では、制御部48がリレースイッチ14が遮断状態となっていないと判断した場合には、昇圧コンバータ回路24に流入する電流がヒューズ12の溶断電流ICUTを超えるよう、昇圧コンバータ回路24またはインバータ回路40を制御する。
【0041】
リレースイッチ14が遮断状態となっているかの判断は、電圧センサ34が示す値に基づいて行う。そして、昇圧コンバータ回路24に流入する電流を増加するための昇圧コンバータ回路24の制御は、チョッパスイッチ30を導通状態に固定することで行う。また、昇圧コンバータ回路24に流入する電流を増加するためのインバータ回路40の制御は、パルス発生スイッチ361および364を導通状態に固定することで行う。これは、パルス発生スイッチ362および365、パルス発生スイッチ363および366を導通状態にすることによって行うことも可能である。
【0042】
このような、車両の衝突時または収納筐体42の開放時における電動機制御回路44の動作の詳細については後に説明する。ここではその前提として、リレースイッチ14を投入した後、車両が通常に走行している場合の電動機制御回路44の動作について説明する。
【0043】
車両が走行するためには、リレースイッチ14を投入する必要がある。リレースイッチ14の投入は、制御部48の制御によって行われる。制御部48は、リレー制御信号Sa,Sbをそれぞれ切片駆動部22a,22bの制御端子Ta,Tbに入力し、切片駆動部22a,22bはリレー制御信号Sa,Sbに従ってそれぞれ切片18a,18bを駆動する。投入直後の過大な電流による回路破壊を防止するため、制御部48は、まず切片18bを駆動してスイッチ16bを先に投入し、過渡状態がある程度収束して過渡電流が十分小さくなった後に18aを駆動してスイッチ16aを投入する。スイッチ16bには保護抵抗RPが直列に接続されているため、保護抵抗RPにおいて電圧降下が生じ、スイッチ16aが投入されるまでの間は、昇圧コンバータ回路24に印加される電圧および供給される電流が抑制される。以下では、このようにリレースイッチ14が投入され、過渡状態が収束した後の動作について述べる。
【0044】
まず、昇圧コンバータ回路24の動作について説明する。昇圧コンバータ回路24の端子T3,T4間には、リレースイッチ14を介して走行用電池10の電圧VEが印加されている。
【0045】
制御部48は、図2(a)に示すようなチョッパ制御信号C1をチョッパスイッチ30の制御端子T30に入力し、図2(b)に示すような充放電制御信号C2を充放電スイッチ28の制御端子T28に入力する。チョッパ制御信号C1の電圧は導通電圧VH1と遮断電圧VL1とを交互に繰り返す。ここで、電圧が導通電圧VH1となる周期をチョッパ導通周期TO1と、電圧が遮断電圧VL1となる周期をチョッパ遮断周期TC1とする。チョッパ制御信号C1が導通電圧VH1となるときにはチョッパスイッチ30は導通状態となり、チョッパ制御信号C1が遮断電圧VL1となるときにはチョッパスイッチ30は遮断状態となる。一方、充放電制御信号C2は、チョッパ制御信号C1が導通電圧VH1となるときには遮断電圧VL1となり、チョッパ制御信号C1が遮断電圧VL1となるときには導通電圧VH1となる。そして、充放電制御信号C2が導通電圧VH1となるときには充放電スイッチ28は導通状態となり、充放電制御信号C2が遮断電圧VL1となるときには充放電スイッチ28は遮断状態となる。したがって、チョッパスイッチ30と充放電スイッチ28は、交互に導通状態を繰り返す。
【0046】
チョッパスイッチ30が導通状態にあるとき、昇圧インダクタ26からチョッパスイッチ30に流れ込む電流ILは、時定数L/rで収束値IIに向かって増加する。ここにLは昇圧インダクタ26のインダクタンス値、rは損失抵抗27の抵抗値である。また、収束値IIはII=VE/rとして定まる。この収束値IIは、ヒューズ12の溶断電流ICUTを超えるようにVEの値とrの値との関係を調整することで決定することができる。また、予めその関係が定められているため変更できないのであれば、ヒューズ12として溶断電流がICUT以下であるものを適用すればよい。このように昇圧インダクタ26に流れ込む電流ILが増加している状態で、チョッパスイッチ30を遮断状態とし、続いて充電スイッチ28を導通状態に切り換えると、昇圧インダクタ26に流れる電流は瞬時零となり、昇圧インダクタ26の両端には節点jの側を正とする誘導起電力VIが発生する。この誘導起電力VIは、昇圧インダクタ26に流れ込む電流ILの時間微分値、およびインダクタンス値Lに比例するため、チョッパスイッチ30および充放電スイッチ28が切り換えられる直前において昇圧インダクタ26に流れていた電流が大きい程大きくなる。
【0047】
したがって、チョッパスイッチ30および充放電スイッチ28が切り換えられた後には、走行用電池10の電圧VEに誘導起電力VIが加えられた電圧が出力キャパシタ32に印加され、出力キャパシタ32はこの電圧によって充電されることとなる。
【0048】
チョッパスイッチ30が遮断状態に、充放電スイッチ28が導通状態に切り換えられた以後の出力キャパシタ32への充電電流は、昇圧インダクタ26のインダクタンス値L、損失抵抗値r、出力キャパシタ32の容量値C、昇圧コンバータ回路24からインバータ回路40の側を見た負荷抵抗値R等によって定まる時定数に従って変化する。それに伴って、出力キャパシタ32の両端の電圧VCは、チョッパスイッチ30が遮断状態へと切り換えられた直後における値よりも低下していく。このまま、充放電スイッチ28を導通状態、チョッパスイッチ30を遮断状態とした状態を維持すると、出力キャパシタ32の両端の電圧VCは走行用電池10の電圧VEにまで低下してしまい、昇圧効果が全くないことになってしまうため、出力キャパシタ32の両端の電圧VCが許容最低値以下とならないうちに、充放電スイッチ28を再び遮断状態へ、チョッパスイッチ30を再び導通状態へと切り換える必要がある。この切り換えの時期は、チョッパスイッチ30が遮断状態に、充放電スイッチ28が導通状態に切り換えられた時からチョッパ遮断周期TC1だけ経過した時である。すなわち、チョッパ遮断周期TC1は、出力キャパシタ32の両端の電圧VCが許容最低値以下とならないことを条件として決定されている。
【0049】
そして、再び昇圧インダクタ26からチョッパスイッチ30に流れ込む電流は、時定数L/rで収束値IIに向かって増加し、以降、同様の動作が繰り返されて出力キャパシタ32には走行用電池10の電圧VEよりも大きい電圧が充電される。
【0050】
このように、昇圧コンバータ回路24では、チョッパスイッチ30が遮断状態にあり、充放電スイッチ28が導通状態にあるときに、出力キャパシタ32の両端に走行用電池10の電圧VEよりも高い電圧が印加される。したがって、出力キャパシタ32の電圧VCを出力電圧とすることで、端子T3,T4間に印加されている電圧よりも高い電圧が得られる。
【0051】
なお、チョッパスイッチ30および充放電スイッチ28に並列に接続されたダイオード30aおよびは28aは、導通状態から遮断状態へと切り換えられた時に発生する誘導起電力によって、チョッパスイッチ30および充放電スイッチ28が破壊されないように設けられるものである。
【0052】
昇圧コンバータ回路24の出力電圧VCは、昇圧インダクタ26に発生する誘導起電力VIを変化させることによって調整することができる。上述のことから、チョッパスイッチ30が遮断状態へ、充放電スイッチ28が導通状態へと切り換えられる直前において昇圧インダクタ26からチョッパスイッチ30に流れ込んでいた電流は、チョッパ制御信号C1のチョッパ導通周期TO1が長い程大きくなる。したがって、チョッパ導通周期TO1を変化させることで誘電起電力VIを調整することができ、これに従った出力電圧VCが得られる。
【0053】
この動作を、出力キャパシタ32の充放電による電圧の昇降圧という観点から説明する。チョッパ導通周期TO1を長くすれば、充放電スイッチ28が導通状態となった時に節点jと走行用電池10の端子T2に接続される導線との間に現れる電圧は、先に充放電スイッチ28が導通状態にあった時よりも大きい値となる。したがって、出力キャパシタ32は、先に充放電スイッチ28が導通状態にあった時よりも大きな電圧を以て充電されるため、その両端の電圧VCは上昇する。
【0054】
一方、チョッパ導通周期TO1を短くすれば、充放電スイッチ28が導通状態となった時に節点jと走行用電池10の端子T2に接続される導線との間に現れる電圧は、先に充放電スイッチ28が導通状態にあった時よりも小さい値となる。したがって、出力キャパシタ32は、先に充放電スイッチ28が導通状態にあった時よりも小さな電圧を以て充電されるため、その両端の電圧VCは下降する。また、充放電スイッチ28が導通状態となった時に節点jと走行用電池10の端子T2に接続される導線との間に現れる電圧が、出力キャパシタ32両端に維持されている電圧よりも小さい場合、充放電スイッチ28が導通状態にある間には出力キャパシタ32から充放電スイッチ28を介して昇圧インダクタ26側に放電電流が流れ、その放電電流によるエネルギーが損失抵抗27によってジュール熱として消費される。このような動作によって、出力キャパシタ32両端の電圧VCは下降する。
【0055】
このように、出力キャパシタ32両端の電圧、すなわち端子T5,T6間に現れる電圧は、チョッパ導通周期TO1とチョッパ遮断周期TC1に従って定まる。そこで、制御部48が電圧センサ34から読み込んだ値に基づいてチョッパ導通周期TO1とチョッパ遮断周期TC1とをフィードバック制御することによって、端子T5,T6間に現れる電圧の目標値が得られるよう制御する構成とすることが好ましい。
【0056】
次に、インバータ回路40の動作について説明する。制御部48からは、図3(a)に示すようなパルス制御信号D1〜D6が出力され、それぞれパルス発生スイッチ361〜366の制御端子TD1〜TD6に入力される。パルス制御信号D1〜D6では、電圧が導通電圧VH2となる導通周期TO2と、電圧が遮断電圧VL2となる遮断周期TC2とが繰り返される。ここで導通周期TO2は遮断周期のTC2のちょうど半分である。
【0057】
パルス制御信号D1の電圧は、時刻t0において遮断電圧VL2から導通電圧VH2へと立ち上がった後、導通周期TO2の間導通電圧VH2を維持し、その後導通電圧VL2へと立ち下がって、遮断周期TC2の間遮断電圧VL2を維持する。パルス制御信号D2は、パルス制御信号D1に対して導通周期TO2の半分の時間だけ遅延している。すなわち、パルス制御信号D2の電圧は、時刻t0+TO2/2において遮断電圧VL2から導通電圧VH2へと立ち上がった後、導通周期TO2の間導通電圧VH2を維持し、その後導通電圧VL2へと立ち下がって、遮断周期TC2の間遮断電圧VL2を維持する。同様に、パルス制御信号D3はパルス制御信号D2に対して、パルス制御信号D4はパルス制御信号D3に対して、パルス制御信号D5はパルス制御信号D4に対して、パルス制御信号D6はパルス制御信号D5に対して、それぞれ導通周期TO2の半分の時間だけ遅延している。また、図3(a)から判るように、パルス制御信号D1はTO2の3倍の長さの周期を有するため、パルス制御信号D6に対して、導通周期TO2の半分の時間だけ遅延している。
【0058】
パルス発生スイッチ361〜366の制御端子TD1〜TD6に入力されるパルス制御信号D1〜D6の電圧が導通電圧VH2であるときには、パルス発生スイッチ361〜366は導通状態となり、遮断電圧VL2であるときには、パルス発生スイッチ361〜366は遮断状態となる。したがって、電動機46の端子uと端子vとの間の電圧Vuvは、パルス制御信号D1の電圧とパルス制御信号D2の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯に、インバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧VCとなる。また、電圧Vuvの電圧は、パルス制御信号D4の電圧とパルス制御信号D5の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯に、インバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧を逆極性とした電圧−VCとなる。
【0059】
同様の原理によって、電動機46の端子vと端子wの間の電圧Vvwは、パルス制御信号D5の電圧とパルス制御信号D6の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯にインバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧VCとなり、パルス制御信号D2の電圧とパルス制御信号D3の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯にインバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧を逆極性とした電圧−VCとなる。また、電動機46の端子wと端子uの間の電圧Vwuは、パルス制御信号D3の電圧とパルス制御信号D4の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯にインバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧VCとなり、パルス制御信号D1の電圧とパルス制御信号D6の電圧のいずれもが導通電圧VH2となる時間帯にインバータ回路40の端子T5,T6間に印加された電圧を逆極性とした電圧−VCとなる。図3(b)はこのようにして現れる電圧Vuv、電圧Vvw、および電圧Vwuの時間変化を示している。
【0060】
なお、パルス発生スイッチ361〜366のそれぞれに並列に接続されたダイオード381〜386は、導通状態から遮断状態へと切り換えられた時にパルス発生スイッチ361〜366が誘導起電力によって破壊されることを回避するためのものである。
【0061】
図3(b)から判るように、電圧Vuvは電圧Vvwに対して、電圧Vvwは電圧Vwuに対して、電圧Vwuは電圧Vuvに対して、それぞれ3分の1周期遅延した関係にある。インバータ回路40はこれらの電圧を電動機46に印加することによって電動機46を回転させる。
【0062】
電動機46は、回転子と界磁巻き線とを備えて構成され、回転子は界磁巻き線を流れる電流によって発生する回転磁界によって電磁力を得て回転する。本実施形態では、電動機46として、例えば、三相の界磁巻き線を備え、三相の界磁巻き線の相間に電圧Vuv、電圧Vvw、および電圧Vwuを印加して回転磁界を発生させる構成の誘導電動機を適用することが好適である。電動機46の回転数は、パルス制御信号D1〜D6の周期TO2+TC2を変化させることで調整することができる。また、電動機46のトルクは、パルス制御信号D1〜D6の電圧振幅VCによって定まるため、昇圧コンバータ回路24の出力電圧を、上述のチョッパ制御信号C1の導通周期TO1を変化させることで調整することができる。
【0063】
なお、ここで説明した三相パルス電圧によって電動機46を回転させる構成は、基本的な構成例の一つである。その他、それぞれの相に発生させるパルス電圧の波形や、異なる相に発生するパルス電圧の位相関係を最適化することにより、様々な構成を実現することが可能であることはいうまでもない。
【0064】
以上説明した電動機制御回路44の動作は、電動機制御回路44を搭載する車両が通常に走行している場合について説明したものである。次に、車両が衝突した際または収納筐体42が開放された際の動作について説明する。
【0065】
衝突検知センサ50は、車両が衝突したことを検知すると、衝突情報信号を制御部48に入力する。また、開放検知センサ52は、収納筐体42が開放されたことを検知すると、開放情報信号を制御部48に入力する。
【0066】
制御部48は衝突情報信号または開放情報信号が入力されたことを認識すると、リレースイッチ14を遮断状態とするリレー制御信号Sa,Sbをリレースイッチ14の制御端子TaおよびTbに入力する。これによってリレースイッチ14が遮断状態となると、走行用電池10から昇圧インダクタ26への電流供給が停止されるため、昇圧インダクタ26に流れる電流ILは零となる。このとき、たとえ充放電スイッチ28が導通状態にあったとしても、出力キャパシタ32への充電は行われない。その一方、出力キャパシタ32からインバータ回路40へは負荷電流の供給が引き続き行われるため、出力キャパシタ32両端の電圧、すなわち昇圧コンバータ回路24の出力電圧は急速に低下し、その値は零に収束する。
【0067】
このような動作によって、衝突に起因する機械的変形により収納筐体42の絶縁構造が破壊された場合や、電動機制御回路44が稼働状態にあるときに点検作業において誤って収納筐体42が開放された場合であっても、リレースイッチ14より負荷側に高電圧が印加されない状態とすることができる。
【0068】
しかしながら、電動機制御回路44は車両に搭載されるため、先に述べたように、リレースイッチ14が備える切片18a,18bがそれぞれ電極20a,20bへ溶着しているおそれがあり、必ずしもリレースイッチ14が遮断状態になるとは限らない。そこで、本実施形態に係る電動機制御回路44では、切片18a,18bがそれぞれ電極20a,20bへ溶着した場合であっても、ヒューズ12を溶断することにより走行用電池10より負荷側に電圧を印加しない構成とした。以下では、本実施形態におけるそのような処理を行う構成および動作について説明する。
【0069】
図4は、車両の衝突時または収納筐体42の開放時においてヒューズ12を溶断する際の制御部48が行う処理の流れを示す。制御部48は、衝突情報信号または開放情報信号が入力されたか否かを監視し(S1)、これらの信号のうちいずれかが入力されたものと判断した場合には、リレースイッチ14が遮断状態となるよう、電圧を遮断電圧VL0に固定したリレー制御信号Sa,Sbを出力する(S2)。その後、昇圧コンバータ回路24の出力端T5,T6間に接続された電圧センサ34が示す値を読み込み、電圧を遮断電圧VL0に固定したリレー制御信号Sa,Sbを出力してから予め定められた監視時間を経過したときに、電圧センサ34が示す値VMと予め定められた安全電圧VSとの比較を行う(S3)。そして、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VS以下である場合には処理を終了する。これは、電圧センサ34が示す値VMが低下すればリレースイッチ14が遮断状態になったと判断することができるためである。しかし、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VSを超えている場合には、切片18a,18bの電極20a,20bへの溶着等によってリレースイッチ14が遮断状態となっていないと判断できるため、ヒューズ12を溶断する処理を行う必要がある。そこで、制御部48は、電圧を導通電圧VH1に固定したチョッパ制御信号C1を出力する(S4)。図5(a)にそのチョッパ制御信号C1の様子を、図5(b)および(c)にはそれに対応する充放電制御信号C2および昇圧インダクタ26に流れる電流ILの様子を示す。図5(a)は時刻tfにチョッパ制御信号C1の電圧が導通電圧VH1に固定されることを示す。
【0070】
チョッパ制御信号C1の電圧が導通電圧VH1に固定されることによって、チョッパスイッチ30の制御端子T30には導通電圧VH1が印加されるため、時刻tf以降、チョッパスイッチ30は導通状態に固定される。チョッパスイッチ30が導通状態にあるときには昇圧インダクタ26からチョッパスイッチ30に流れ込む電流ILは時定数L/rで収束値IIに向かって増加することは上述の通りである。この電流ILの収束値IIは走行用電池10の電圧VEを損失抵抗値rで除したものである。
【0071】
時刻tf以前の定常状態においては、電流ILが収束値IIに至る前にチョッパスイッチ30は遮断状態へ、充放電スイッチ28は導通状態へと切り換えられるため、当該電流の増加は収束値IIより小さい切り換え時電流Ichを以て停止する。図5(c)の電流ILの電流増加曲線70は、時刻tf以前の定常状態において、電流ILがチョッパスイッチ30の導通周期TO1で時定数L/rで収束値IIに向かって増加し、その増加が切り換え時電流Ichに至った時に停止する様子を示すものである。また、充放電電流曲線72は、チョッパスイッチ30が遮断状態となり、充放電スイッチ28が導通状態となっているときに、昇圧インダクタ26から充放電スイッチ28を介して出力キャパシタ32およびインバータ回路40へ供給される電流の様子を示すものである。すなわち、電流ILはチョッパスイッチ30が遮断状態に切り換えられると同時に零となるが、昇圧インダクタ26の両端には、その値が急激にIchから零となったことに基づく誘導起電力VIが生じ、この誘導起電力VIによって出力キャパシタ32およびインバータ回路40へ流れる電流の変化を示している。なお、図5(c)に示した充放電電流曲線72は一つの例、かつ、そのおおよその曲線を示したものであり、出力キャパシタ32の充電電圧VC、負荷抵抗R、昇圧インダクタ26のインダクタンス値L、損失抵抗27の抵抗値r、出力キャパシタ32のキャパシタンス値Cによって大きく変化することはいうまでもない。
【0072】
時刻tf以降、チョッパスイッチ30が導通状態に固定されると、昇圧インダクタ26からチョッパスイッチ30に流れ込む電流は切り換え時電流Ichを超えて収束値IIに向かう。本実施形態に係る電動機制御回路44では、溶断電流ICUTが収束値IIよりも小さいため、走行用電池10から供給される電流ILがヒューズ12の溶断電流ICUTに至ると同時にヒューズ12が溶断し、走行用電池10から負荷への電流供給が遮断される。図5(c)のヒューズ溶断曲線74は、電流ILが時定数L/rで収束値IIに向かって増加する途中、点Fでその値が溶断電流ICUTに至り、ヒューズ12が溶断して電流ILが遮断されることを示している。
【0073】
制御部48は、電圧を導通電圧VH1に固定したチョッパ制御信号C1をチョッパスイッチ30の制御端子T30に入力した後(S4)、時刻tfから予め定められた監視時間を経過したときに、電圧センサ34が示す値VMと予め定められた安全電圧VSとの比較を行う(S5)。そして、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VS以下である場合には、処理を終了する。これは電圧センサ34が示す値VMが低下すれば、ヒューズ12が溶断したものと判断することができるからである。しかし、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VSを超えている場合には、ヒューズ12の不具合等によりヒューズ12が溶断していないものと判断できるため、警告装置58を稼働して走行用電池10から昇圧コンバータ回路24に至るまでの経路が遮断されなかった旨の警告を行う(S6)。警告装置58は、警告を鳴動するブザー、ディスプレイ等を適用する事が好適である。また、故障の際に故障状態を記憶する故障状態記憶部54を設け、これに走行用電池10から昇圧コンバータ回路24に至るまでの経路が遮断されなかった旨の情報を記憶することとしてもよい。警告装置58による警告処理が終了すると、制御部48はヒューズ12を溶断する処理を終了する。
【0074】
以上では、車両の衝突を検出した際にチョッパスイッチ30を強制的に導通状態とすることにより、ヒューズ12を溶断する動作処理について説明した。電動機制御回路44では、次のような動作処理によってもヒューズ12を溶断することが可能である。図6はその動作処理の流れを示すものである。制御部48は、衝突情報信号または開放情報信号が入力されたか否かを監視し(S10)、これらの信号のうちいずれかが入力されたものと判断した場合には、リレースイッチ14が遮断状態となるよう、電圧を遮断電圧VL0に固定したリレー制御信号Sa、Sbを出力する(S11)。その後、昇圧コンバータ回路24の出力に接続された電圧センサ34が示す値を読み込み、電圧を遮断電圧VL0に固定したリレー制御信号Sa、Sbを出力してから予め定められた監視時間を経過したときに、電圧センサ34が示す値VMと予め定められた安全電圧VSとの比較を行う(S12)。そして、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VS以下である場合には処理を終了する。これは、電圧センサ34が示す値VMが低下すれば、リレースイッチ14が遮断状態になったと判断することができるためである。しかし、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VSを超えている場合には、切片18a,18bの電極20a,20bへの溶着等によってリレースイッチ14が遮断状態となっていないと判断できるため、ヒューズ12を溶断する処理を行う必要がある。そこで、制御部48は、電圧を導通電圧VH2に固定したパルス制御信号D1をパルス発生スイッチ361の制御端子TD1に、電圧を導通電圧VH2に固定したパルス制御信号D4をパルス発生スイッチ364の制御端子TD4に入力する。図7にそのパルス制御信号D1およびパルス制御信号D4の様子を、他のパルス制御信号D2,D3,D5,D6の様子と共に示す。図7は時刻tfにパルス制御信号D1およびD4の電圧が導通電圧VH2に固定されたことを示す。
【0075】
パルス制御信号D1,D4の電圧が導通電圧VH2に固定されることによって、制御端子TD1および制御端子TD4には導通電圧VH2が印加され、時刻tf以降、パルス発生スイッチ361および364は導通状態に固定される。パルス発生スイッチ361および364が導通状態となると、走行用電池10、リレースイッチ14、および昇圧インダクタ26、およびダイオード28aを介してパルス発生スイッチ361および364に電流が流れる。そして、この電流は時定数L/rで増加し、先述の切り換え時電流Ichを超えて収束値IIに向かう。
【0076】
先述のように、本実施形態に係る電動機制御回路44では、溶断電流ICUTの値が収束値IIよりも小さい。したがって、パルス発生スイッチ361および364が導通状態に固定された後、走行用電池10からパルス発生スイッチ361および364に流れ込む電流がヒューズ12の溶断電流ICUTに至ると同時にヒューズ12が溶断し、走行用電池10から負荷への電流供給が遮断される。
【0077】
制御部48は、電圧を導通電圧VH2に固定したパルス制御信号D1およびD4を、制御端子TD1および制御端子TD4に入力した後(S13)、時刻tfから予め定められた監視時間を経過したときに、電圧センサ34が示す値VMと予め定められた安全電圧VSとの比較を行う(S14)。そして、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VS以下である場合には、処理を終了する。これは電圧センサ34が示す値VMが低下すれば、ヒューズ12が溶断したものと判断することができるからである。しかし、電圧センサ34が示す値VMが安全電圧VSを超えている場合には、ヒューズ12の不具合等によりヒューズ12が溶断していないものと判断できるため、図4に示した処理と同様、警告装置58を稼働して走行用電池10から昇圧コンバータ回路24に至るまでの経路が遮断されなかった旨の警告を行う(S15)。また、故障状態記憶部54に走行用電池10から昇圧コンバータ回路24に至るまでの経路が遮断されない旨の情報を記憶することとしてもよい。警告装置58による警告処理が終了すると、制御部48はヒューズ12を溶断する処理を終了する。
【0078】
なお、ここでは、パルス発生スイッチ361および364を導通状態にすることでヒューズ12を溶断する処理について説明したが、パルス発生スイッチ362および365、あるいはパルス発生スイッチ363および366を導通状態にすることでヒューズ12を溶断することも可能であることは図1に示す回路構成より明らかである。
【0079】
以上、本発明の実施形態に係る電動機制御回路44の構成および動作について説明した。本実施形態では、リレースイッチ14の切片18a,18bがそれぞれ電極20a,20bに溶着した場合でも、車両が衝突したとき、または収納筐体42を開放したときには、ヒューズ12を溶断することで走行用電池10から供給される電流を遮断することができる。そのため、衝突時または収納筐体42の内部を点検する際の安全対策をより確実にすることができる。また、制御部48による制御信号の設定のみでヒューズ12を溶断することができるため、ヒューズ12を溶断するための特別なハードウエアを実装する必要がないという利点がある。
【0080】
なお、チョッパスイッチ30、充放電スイッチ28またはパルス発生スイッチ361〜366としては、フォトトランジスタ60bと発光素子60aとを含んで構成される図8に示すような光スイッチ回路60を適用することが好適である。フォトトランジスタ60bは発光素子60aが点灯しているときにコレクタC・エミッタE間が導通状態となり、発光素子60aが消灯しているときにコレクタC・エミッタE間が遮断状態となる。また、発光素子60aの端子T7,T8間に遮断電圧VL1またはVL2が印加されているときには発光素子60aは消灯し、端子T7,T8間に導通電圧VH1またはVH2が印加されると発光素子60aは点灯する。光スイッチ回路60はこのような構成によって、発光素子60aの端子T7,T8間の電圧によって制御されるスイッチをなす。
【0081】
光スイッチ回路60では、フォトトランジスタ60bと発光素子60aとが絶縁されているため、フォトトランジスタ60bのコレクタCおよびエミッタEに接続される回路と、発光素子60aの端子T7,T8に接続される回路との間に十分な絶縁抵抗を確保することができる。発光素子60aの端子T7,T8のいずれか一方は、制御端子として使用し、他端は制御部48と共通の接地電位を有する接地点Gに接続すればよい。
【0082】
また、先に説明したチョッパスイッチ30、充放電スイッチ28またはパルス発生スイッチ361〜366は双方向に電流を流すことが可能なものである一方、ここでとりあげた光スイッチは、コレクタCからエミッタEに至る方向のみしか導通を許さないものである。しかしながら、図8に示すように、これらのスイッチにダイオード28a,30a,361〜366を並列に接続することで双方向スイッチが構成されこととなるため、回路動作に対しては何ら影響を及ぼすことはない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係る電動機制御回路の構成を示す図である。
【図2】チョッパ制御信号、充放電制御信号の時間変化を示す図である。
【図3】パルス制御信号、および電動機に印加される電圧の時間変化を示す図である。
【図4】チョッパ制御信号C1を導通電位VH1に固定することでヒューズを溶断する処理の流れを示す図である。
【図5】時間tf以降にチョッパ制御信号C1の電圧を導通電圧VH1に固定する様子を示す図である。
【図6】パルス制御信号D1およびD4の電圧を導通電位VH2に固定することでヒューズを溶断する処理の流れを示す図である。
【図7】時間tf以降にパルス制御信号D1およびD4の電圧を導通電圧VH2に固定する様子を示す図である。
【図8】光スイッチ回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10 走行用電池、10a 単位電池、12 ヒューズ、14 リレースイッチ、16a,16b スイッチ、18a,18b 切片、20a,20b 電極、22a,22b 切片駆動部、24 昇圧コンバータ回路、26 昇圧インダクタ、27 損失抵抗、28 充放電スイッチ、28a,30a,381〜386 ダイオード、30 チョッパスイッチ、32 出力キャパシタ、34 電圧センサ、361〜366 パルス発生スイッチ、40 インバータ回路、42 収納筐体、44 電動機制御回路、46 電動機、48 制御部、50 衝突検知センサ、52 開放検知センサ、54 故障状態記憶部、56 電池、、58 警告装置、59a,59b,59C1,59C2,59D1〜59D6 信号線、60 光スイッチ回路、60a 発光素子、60b フォトトランジスタ、70 電流増加曲線、72 充放電電流曲線、74 ヒューズ溶断曲線。




 

 


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