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発明の名称 モータ制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−53894(P2007−53894A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2006−187726(P2006−187726)
出願日 平成18年7月7日(2006.7.7)
代理人 【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
発明者 小林 滋 / 田中 靜一 / 渡辺 誠一
要約 課題
モータ停止中(特に、イグニッションスイッチOFF時等の車両の電力状況がOFFであるとき)において、モータの推定温度の算出処理に掛かる作動電力の低減を図ることができるモータ制御装置を提供する。

解決手段
モータ20と、モータ20を駆動制御する制御部3と、を備えたパワーウインドウ装置1であって、制御部3は、モータ20の推定温度を算出する推定温度算出手段と、モータ停止中に所定の条件に応じて、作動モードを、モータ20を駆動可能である通常作動モードから、通常作動モードよりも消費電力が少ないスリープモードへ切り替えるモード切替手段と、スリープモードにおいて所定のスリープ時間Ts経過ごとに推定温度算出手段を所定のアクティブ時間Taだけ作動させる起動手段と、を備え、推定温度算出手段は、アクティブ時間Taの間に推定温度を算出する。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両電源から電力供給されることによって作動するモータと、該モータを駆動制御する制御部と、を備えたモータ制御装置であって、
前記制御部は、
前記モータの推定温度を算出する推定温度算出手段と、
モータ停止中に所定の条件に応じて、前記制御部の作動モードを、前記モータを駆動可能である通常作動モードから、該通常作動モードよりも消費電力が少ないスリープモードへ切り替えるモード切替手段と、
前記スリープモードにおいて所定のスリープ時間経過ごとに前記推定温度算出手段を所定のアクティブ時間だけ作動させる起動手段と、を備え、
前記推定温度算出手段は、前記アクティブ時間の間に前記推定温度を算出することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記推定温度を記憶する推定温度記憶手段を有し、
前記推定温度算出手段は、前記推定温度を新たに算出したときに、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を、新たに算出した推定温度に更新することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記推定温度算出手段は、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を補正するための補正値を算出し、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を前記補正値で補正することによって、新たな推定温度を算出することを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
車両電源から電力供給されることによって作動するモータと、該モータを駆動制御する制御部と、を備えたモータ制御装置であって、
前記制御部は、
前記モータの推定温度を算出する推定温度算出手段と、
前記推定温度算出手段によって算出された推定温度を記憶する推定温度記憶手段と、
モータ停止中に所定の条件に応じて、前記制御部の作動モードを、前記モータを駆動可能な通常作動モードから、該通常作動モードよりも消費電力が少ないスリープモードへ切り替えるモード切替手段と、
前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を補正するための補正値を算出する補正値算出手段と、
該補正値算出手段によって算出された補正値を記憶する補正値記憶手段と、
前記スリープモードにおいて所定のスリープ時間経過ごとに前記補正値算出手段を所定のアクティブ時間だけ作動させる起動手段と、を備え、
前記アクティブ時間の間に、前記補正値算出手段は前記補正値を算出すると共に、前記補正値記憶手段は前記補正値を記憶し、
前記推定温度算出手段は、前記スリープモードから前記通常作動モードへ復帰するときに、前記推定温度記憶手段が記憶する推定温度を前記補正値記憶手段が記憶する補正値で補正することによって、新たな推定温度を算出することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項5】
前記スリープ時間は、前記アクティブ時間よりも長く設定されたことを特徴とする請求項1又は4に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記制御部が車両の電力状況がOFFとなることを表す信号を受取ることであることを特徴とする請求項1又は4に記載のモータ制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はモータ制御装置に係り、特に焼損保護のためにモータの推定温度を算出する機能を有するモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの焼損保護のために、モータハウジングにバイメタルやPTCといった保護素子を内蔵することが行われている。モータが異常発熱した場合には、この保護素子によって電気回路が遮断され、モータへの通電が停止される。
ところが、上記保護素子をモータ近傍に配設すると、モータ体格が大きくなって装置全体が大型化してしまう。このため、特許文献1に記載のモータ制御装置では、上記保護素子を設けることなく、モータを駆動制御する制御部によって、モータに印加している電圧の大きさおよび印加時間と、前回の推定温度値から、モータの推定温度を算出するように構成している。特許文献1に記載のモータ制御装置では、算出された推定温度が所定の過熱保護温度以上になったときにはモータ駆動が停止され、さらに推定温度が過熱保護解除温度値になるまで停止状態が維持されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−164472号公報(第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両には多くの電装品が搭載されているため、これらに電力を供給する車載バッテリに負担が掛かるという問題がある。このため、電装品の省電力化を図ることが必要となってきている。
ところが、モータの推定温度を算出しているモータ制御装置においては、モータが停止した後に、イグニッションスイッチがOFFされ、エンジン駆動による発電が停止された状態でも、再度モータを駆動したときに的確な推定温度が必要なため、推定温度の算出処理を継続して行う必要がある。このため、モータが停止中であるにもかかわらず、マイコンは推定温度を算出する処理を継続しなければならず、定常的に車載バッテリの電力を消費し続けてしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、モータ停止中(特に、イグニッションスイッチOFF時等の車両の電力状況がOFFであるとき)において、モータの推定温度の算出処理に掛かる作動電力の低減を図ることができるモータ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明によれば、車両電源から電力供給されることによって作動するモータと、該モータを駆動制御する制御部と、を備えたモータ制御装置であって、前記制御部は、前記モータの推定温度を算出する推定温度算出手段と、モータ停止中に所定の条件に応じて、前記制御部の作動モードを、前記モータを駆動可能である通常作動モードから、該通常作動モードよりも消費電力が少ないスリープモードへ切り替えるモード切替手段と、前記スリープモードにおいて所定のスリープ時間経過ごとに前記推定温度算出手段を所定のアクティブ時間だけ作動させる起動手段と、を備え、前記推定温度算出手段は、前記アクティブ時間の間に前記推定温度を算出することにより解決される。
【0007】
このように本発明のモータ制御装置では、モータ停止中に所定の条件に応じて作動モードが通常作動モードからスリープモードへ切り替わるように構成されている。これにより、モータ停止時には電力消費を低く抑えて省電力化を図ることができる。特に、パワーウインドウ装置のように、ウインドウをモータで作動させることが走行時間に対してごく短時間しか行われないような装置においては、電力消費量を極めて低減することが可能となる。
さらに、本発明では、スリープモード中には所定のスリープ時間ごとにモータの推定温度が算出されるように構成されている。これにより、モータ停止時において省電力化を図りつつ、モータの推定温度を的確に把握し続けることができる。
【0008】
また、前記制御部は、前記推定温度を記憶する推定温度記憶手段を有し、前記推定温度算出手段は、前記推定温度を新たに算出したときに、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を、新たに算出した推定温度に更新する構成とすることができる。このように構成すると、推定温度記憶手段を随時更新して最新の推定温度を保持することができる。
【0009】
また、前記推定温度算出手段は、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を補正するための補正値を算出し、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を前記補正値で補正することによって、新たな推定温度を算出する構成とすることができる。このように構成すると、推定温度の算出処理では、推定温度自体を算出するのではなく、現在の推定温度に対する補正値のみを算出し、これを用いて新たな推定温度を算出すればよいので、算出処理の負荷を軽減することができる。
【0010】
また、本発明は、車両電源から電力供給されることによって作動するモータと、該モータを駆動制御する制御部と、を備えたモータ制御装置であって、前記制御部は、前記モータの推定温度を算出する推定温度算出手段と、前記推定温度算出手段によって算出された推定温度を記憶する推定温度記憶手段と、モータ停止中に所定の条件に応じて、前記制御部の作動モードを、前記モータを駆動可能な通常作動モードから、該通常作動モードよりも消費電力が少ないスリープモードへ切り替えるモード切替手段と、前記推定温度記憶手段に記憶された推定温度を補正するための補正値を算出する補正値算出手段と、該補正値算出手段によって算出された補正値を記憶する補正値記憶手段と、前記スリープモードにおいて所定のスリープ時間経過ごとに前記補正値算出手段を所定のアクティブ時間だけ作動させる起動手段と、を備え、前記アクティブ時間の間に、前記補正値算出手段は前記補正値を算出すると共に、前記補正値記憶手段は前記補正値を記憶し、前記推定温度算出手段は、前記スリープモードから前記通常作動モードへ復帰するときに、前記推定温度記憶手段が記憶する推定温度を前記補正値記憶手段が記憶する補正値で補正することによって、新たな推定温度を算出するように構成してもよい。
【0011】
このように構成すると、モータ停止中に所定の条件に応じて作動モードがスリープモードへ切り替えられるので省電力化を図ることができる。また、スリープモード中にはスリープモードへの切り替わり前に算出された推定温度に対する補正値が所定時間ごとに算出され、再び通常作動モードへ復帰したときに、この補正値を用いて推定温度を補正することによって新たな推定温度が算出される。これにより、通常作動モードに復帰したときにもモータの推定温度を的確に把握することができる。
【0012】
また、上記構成において、前記スリープ時間は、前記アクティブ時間よりも長く設定されると、消費電力を極めて小さく抑えることが可能となる。
また、前記所定の条件は、前記制御部が車両の電力状況がOFFとなることを表す信号を受取ることとすることができる。このように車両の電力状況がOFFのときに消費電力が少ないスリープモードへ切り替われば、車載バッテリの消費を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のモータ制御装置によれば、モータ停止後には、所定の条件(例えば、イグニッションスイッチのOFFに伴うエンジン駆動による発電停止時等の車両の電力状況がOFFとなったとき)で作動モードが通常作動モードから低消費電力動作モードであるスリープモードへ切り替えられる。そして、本発明では、このスリープモード中において、所定のスリープ時間ごとにモータの推定温度の算出処理が行われるように構成されているので、スリープモード中においても、モータ制御装置の作動電力を低減しつつ、モータの推定温度の算出処理を引き続き行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図7は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はパワーウインドウ装置の説明図、図2は図1のパワーウインドウ装置の電気構成図、図3は図2のコントローラの電気構成図、図4はモータ停止時の減算温度データを表すグラフ、図5はコントローラの動作モードを表す説明図、図6はアクティブモードでの推定温度の算出処理を表す処理フロー、図7はスリープモードでの推定温度の算出処理を表す処理フローである。
【0015】
図8〜図11は本発明の第2の実施形態に係るものであり、図8はモータ停止時の減算温度データを表すグラフ、図9はスリープ制御回路の電気構成の一部を示す説明図、図10はスリープモードでの推定温度の補正値の算出処理を表す処理フロー、図11はアクティブモードへの復帰時の処理を表す処理フローである。図12は本発明の第3の実施形態に係るアクティブモードでの推定温度の算出処理を表す処理フローである。
【0016】
以下に本発明のモータ制御装置をパワーウインドウ装置に適用した一実施形態について説明する。図1に本例のパワーウインドウ装置1(以下、「装置1」という)の説明図、図2にその電気構成図を示す。本例の装置1は、車両のドア10に配設される移動部材としてのウインドウガラス11をモータ20の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する昇降機構2と、昇降機構2の作動を制御するための制御部3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
【0017】
本例では、ウインドウガラス11は不図示のレールに沿って上方の全閉位置と下方の全開位置との間を昇降動作する。
本例の昇降機構2は、ドア10に固定された減速機構を有するモータ20と、モータ20に駆動される扇形状のギヤ21aを備えた昇降アーム21と、昇降アーム21とクロスして枢支される従動アーム22と、ドア10に固定された固定チャンネル23およびウインドウガラス11と一体のガラス側チャンネル24とを主要構成要素としている。
本例のモータ20は、制御部3から電力供給を受けることにより、回転子の巻線20aに通電され、これにより回転子とマグネットを有する固定子との間で磁気吸引作用が生じて回転子が正逆回転するように構成されている。本例の昇降機構2では、モータ20の回動に応じて昇降アーム21および従動アーム22が揺動すると、これらの各端部がチャンネル23,24により摺動規制を受け、Xリンクとして駆動し、ウインドウガラス11を昇降作動させる。
【0018】
本例のモータ20には、回転検出装置(位置検出装置)25が一体に備えられている。回転検出装置25は、モータ20の回転と同期したパルス信号を制御部3へ出力するものである。本例の回転検出装置25は、モータ20の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子25aで検出するように構成されている。
制御部3は、このパルス信号によって、ウインドウガラス11の昇降位置を算出する。また、制御部3は、パルス信号の間隔によってモータ20の回転速度、またはこれに対応するウインドウガラス11の昇降速度を算出することができる。
【0019】
なお、本例では、回転検出装置25にホール素子を用いたものを採用しているが、これに限らず、モータ20の回転速度を検出することができれば、エンコーダを採用してもよい。また、本例では、ウインドウガラス11の移動に応じたモータ20の出力軸の回転速度を検出するために、モータ20に回転検出装置25を一体に設けているが、これに限らず、公知の手段によってウインドウガラス11の移動速度を検出するようにしてもよい。
【0020】
本例の制御部3は、コントローラ31と、駆動回路32と、温度センサ33等が基板上に配設された構成となっている。これらには、車両に搭載される電源であるバッテリ6から作動に必要な電力が供給される。
本例のコントローラ31は、通常時、操作スイッチ4からの操作信号に基づいて駆動回路32を介してモータ20を正逆回転させて、ウインドウガラス11を開閉動作させる。また、コントローラ31には、車両のエンジン駆動状態やオルタネータの発電状態等の車両の電力状況を表す信号が入力可能に構成されている。例えば、本例では、コントローラ31には、車両の電力状況を表す信号としてイグニッション(IG)信号5が入力されるように構成されている。
【0021】
このIG信号5は、図外のイグニッションスイッチのON/OFFに伴って、イグニッションスイッチから直接またはECU等から間接的に入力されるようになっている。IG信号5がON信号のときは、車両の電力状況はONであり、IG信号5がOFF信号のときは、車両の電力状況はOFFである。
なお、「車両の電力状況がON」とは、エンジン駆動に基づく発電が行われ、バッテリ6が充電されつつ車両の電装品に対して電力供給可能な状況を指す。一方、「車両の電力状況がOFF」とは、エンジン駆動に基づく発電が停止されて、バッテリ6が充電されることなく車両の電装品に対して電力供給可能な状況を指す。
【0022】
本例のコントローラ31は、図3に示すように、CPU40、ROM,RAM等のメモリ41、入出力回路42、スリープ制御回路50等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPU40は、メモリ41,入出力回路42,スリープ制御回路50と、バス43を介して互いに接続されている。また、メモリ41には、CPU40が行う処理プログラムや各種データ等が記憶されている。
【0023】
本例の駆動回路32は、FETを備えるICによって構成されており、コントローラ31からの制御信号に基づいて、モータ20への電力供給の極性を切換えている。すなわち、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ20を正回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給し、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ20を逆回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
【0024】
本例の温度センサ33は、コントローラ31等が配設された基板周辺の温度を検出するものであり、本例では、モータ20から離れた位置に配設されている。
コントローラ31は、温度センサ33からの周辺温度検出信号を受け取り、これに基づいて基板周辺の雰囲気温度(周辺温度)を算出している。温度センサ33およびコントローラ31は、本発明の周辺温度検出部に相当する。
また、コントローラ31は、駆動回路32を介してモータ20へ通電した印加電圧の大きさおよび通電時間をカウントしている。また、回転検出装置25からのパルス信号によってモータ20の回転速度をモニターしている。
【0025】
また、コントローラ31は、メモリ41に設定された推定温度記憶手段としての温度カウンタに巻線20aの推定温度(モータ推定温度)を記憶している。また、この推定温度を算出するための基準データをメモリ41内に記憶している。推定温度算出手段としてのコントローラ31は、周辺温度,印加電圧,通電時間,回転速度等とこの基準データおよび現在の推定温度からモータ作動中の推定温度の変動分(補正値)を算出し、この変動分を現在の推定温度に加算することによって、新たに推定温度を算出している。この推定温度の算出処理は、所定の繰り返し処理時間ごとに行われる。
なお、本例では、特に巻線20aの推定温度を算出しているが、これに限らず、モータ20全体の推定温度を算出するようにしてもよい。
【0026】
そして、コントローラ31は、この推定温度が所定温度を超えた場合に駆動回路32からの電力供給を停止させて、巻線20aが焼損してしまうことを防止している。このように、本例の装置1では、コントローラ31によって算出した巻線20aの推定温度に基づいて電力供給を停止して、巻線20aを焼損から保護している。このため本例では、巻線温度検出のためにモータ20本体内にバイメタルやPTCといった比較的大きな保護素子を配置する必要がないので、モータ20を小型化することができる。
【0027】
また、推定温度算出手段としてのコントローラ31は、モータ停止中における推定温度の算出処理を行うために、現在の温度カウンタの値(推定温度)に対する所定時間当たりの減算温度ΔT(ΔT1,ΔT2)の関係を設定した減算温度データをメモリ41に記憶している。
すなわち、本例では、モータ停止中は、温度カウンタの値を減算温度ΔTに基づいて停止時間の経過にしたがって、所定の繰り返し時間ごとに減算していく。これにより、モータ停止中、最終的に温度カウンタの値は、温度センサ33からの周辺温度検出信号によって算出される周辺温度まで減算される。
【0028】
図4は、減算温度データを図示している。図中、減算温度データaは減算温度ΔT1,減算温度データbは減算温度ΔT2に対応する。本例では、後述するようにコントローラ31は、アクティブモード(通常作動モード)か、アクティブモードよりも消費電力が少ないスリープモード(低消費電力作動モード)のいずれかの作動モードで作動する。
アクティブモードでは、温度カウンタの更新が所定の繰り返し処理時間ごと(例えば、4msecごと)に行われる。そして、減算温度データbは、各温度カウンタの値に対して、この繰り返し処理時間の間に低下する温度低下分として設定されている。
【0029】
一方、スリープモードでは、スリープ状態で作動するスリープ時間Ts(例えば10sec)にアクティブ(作動)状態で作動するアクティブ時間Ta(例えば、4msec)を加算したスリープ周期P(図5参照)ごとに温度カウンタの更新が行われる。本例では、コントローラ31がスリープモードで作動している場合でも、モータ推定温度の算出処理が所定時間ごとに行われるので、常に、的確なモータ温度を把握することができる。
そして、減算温度データaは、各温度カウンタの値に対して、このスリープ周期Pの間に低下する温度低下分として設定されている。したがって、減算温度データaは、更新時間の長さに比例して減算温度データbよりも傾きが大きくなっている。
【0030】
このようにスリープモードにおける推定温度の算出処理では、補正値(減算温度)を演算し、この補正値を用いて温度カウンタの値を更新(減算)するので、低負荷な演算処理で更新を行うことができる。
なお、図4の例では、減算温度データa,bは、一次関数で近似されているが、これに限らず、複数の温度範囲ごとに高次関数で近似してもよい。
また、本例では、温度カウンタの値によって一意に減算温度ΔTが決定されるように構成されているが、これに限らず、温度カウンタの値から周辺温度を差し引いた差分温度の大きさによって減算温度が決定されるよう構成してもよい。このようにしても、最終的に温度カウンタの値を、周辺温度に等しくすることができる。
【0031】
また、本例では、減算温度データa,bを繰り返し処理時間に対する温度低下分として設定しているが、これに限らず、減算温度データa,bを単位時間当たりの温度低下分として設定してもよい。この場合、減算温度データa,bは一致し、前回の処理時間からの経過時間と減算温度データとの積で表される温度低下分を繰り返し処理時間ごとに差し引く処理を行う構成とすることができる。
【0032】
本例の操作スイッチ4は、2段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、開スイッチ,閉スイッチ及びオートスイッチを有している。この操作スイッチ4を乗員が操作することにより、コントローラ31へウインドウガラス11を開閉動作させるための指令信号が出力される。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
【0033】
コントローラ31は、操作スイッチ4から通常開指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4から通常閉指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常閉動作させる。
【0034】
また、操作スイッチ4は、一端側へ2段階操作されると開スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート開動作(すなわち操作を止めても全開位置まで開動作)させるためのオート開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ2段階操作されると閉スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート閉動作(すなわち操作を止めても全閉位置まで閉動作)させるためのオート閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
【0035】
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置までオート閉動作させる。
【0036】
次に、図5に基づいて、本例のコントローラ31の作動モードについて説明する。
本例のコントローラ31は、上述のようにアクティブモード(通常作動モード)またはスリープモード(低消費電力作動モード)で作動するように構成されている。アクティブモードでは、コントローラ31は操作スイッチ4からの操作信号に基づくモータ20の駆動制御処理や、モータ20の推定温度算出処理等のプログラム処理を行う。一方、スリープモードは節電モードであり、現状維持とアクティブモードへの復帰のための必要最小限の電力のみが消費され、システムとしてはほとんど停止状態となっている。
【0037】
図5(A)はアクティブモードを模式的に示しており、常時、作動状態(アクティブ状態)となっている。CPU40は、アクティブモードでは、メインクロック44からのクロック信号に基づいて、メモリ41に記憶された処理プログラムを実行するように構成されている。なお、アクティブ状態では、次述するように、CPU40はアクティブ信号ACT(Hレベル信号)を出力している。
一方、同図(B)は本例のスリープモードを模式的に示している。モード切替手段としてのCPU40は、イグニッションスイッチの状態を示す所定のIG信号5(OFF信号)を受取ると、スリープモードへ移行するように構成されている。このスリープモードでは、スリープ時間Tsとアクティブ時間Taが周期的に繰り返される。
【0038】
このスリープ時間Tsは、アクティブ時間Taよりも十分に長く設定されている。これにより、スリープモードでは、コントローラ31はほとんどの時間において休止状態となっており、省電力化を図ることができる。
本例では、コントローラ31に入力するIG信号5が、イグニッションスイッチがOFFであることを示すOFF信号であった場合に、コントローラ31が作動モードをアクティブモードからスリープモードへ切換可能となっている。
しかしながら、作動モードのスリープモードへの切換えは、これに限らず、モータ停止中に所定条件が満足されると行われるように構成すればよい。例えば、モータ20の作動終了から所定時間経過したことや、モータ停止中に推定温度が所定の温度に到達したこと等を所定条件とすることができる。
【0039】
このように本例のスリープモードでは、アクティブ状態とスリープ状態を交互に繰り返す。スリープ状態では、CPU40はプログラムの逐次実行動作を停止する。
しかし、CPU40は、スリープ制御回路50からウェイクアップ信号WU1を受けとると、アクティブ時間Taの間だけアクティブ状態へ復帰(ウェイクアップ)し、所定の処理を実行後、再び自動的にスリープ状態へ移行するように構成されている。
また、CPU40は、外部信号(WU2)を受けとると、スリープモードからアクティブモードへ復帰(ウェイクアップ)するようになっている。
【0040】
図3に示すように、本例のスリープ制御回路50は、スリープモードで作動中、スリープ状態となってから所定の復帰時間(スリープ時間Ts)が経過したときにアクティブモードへの移行を指示するウェイクアップ信号WU1を発生するものであり、サブクロック51,カウンタ52,レジスタ53および信号生成回路54を備えている。カウンタ52,レジスタ53は、バス43に接続されている。
【0041】
カウンタ52は、コントローラ31に電力供給されている間中、動作を継続するサブクロック51からのクロック信号をカウントアップする。このカウンタ52には、CPU40がアクティブモードで作動しているときには定期的にCPU40からクリア信号CLRが入力されるようになっている。このクリア信号CLRが入力されると、カウンタ52のカウント値はリセットされる。
レジスタ53には、スリープ時間Tsに応じたクロック信号のカウント設定値が設定されている。
【0042】
信号生成回路54は、カウンタ52のカウント値とレジスタ53のカウント設定値とを比較する比較器55と、スリープモード中のみ比較器55の出力信号を通過させるANDゲート56を備える。比較器55は、カウンタ52のカウント値がレジスタ53のカウント設定値を越えたときにウェイクアップ信号WU1を出力する。また、ANDゲート56の一方の入力端子には比較器55の出力信号が入力され、他方の入力端子にはCPU40からのアクティブ信号ACTをインバータ57によって反転させた反転信号が入力される。
CPU40は、アクティブ状態では、継続してアクティブ信号ACTを出力している。アクティブ信号ACTはHレベルの信号であり、アクティブ状態では、インバータ57の出力は、Lレベル信号となる。したがって、アクティブ状態では、ANDゲート56は無効化され、Hレベル信号であるウェイクアップ信号WU1が通過することはない。
【0043】
一方、スリープ状態では、CPU40はアクティブ信号ACTを出力しないので、インバータ57への入力はLレベル信号となり、結果、インバータ57の出力はHレベル信号となる。これにより、ANDゲート56は有効化される。この状態で、比較器55からウェイクアップ信号WU1が出力されると、ANDゲート56は、実質的にウェイクアップ信号WU1を通過させる。
割込信号であるウェイクアップ信号WU1は、CPU40の割込端子へ入力される。これにより、CPU40はスリープ状態からアクティブ状態へ直ちに復帰(ウェイクアップ)する。そして、アクティブ状態へ復帰後はアクティブ時間Ta経過するまでに、CPU40は後述する推定温度の算出処理を行った後、再びスリープ状態へ移行する。スリープ制御回路50とCPU40は、本発明の起動手段に相当する。
【0044】
また、CPU40には、外部から割込信号であるウェイクアップ信号WU2が入力されるようになっている。本例では、ウェイクアップ信号WU2は、操作スイッチ4を操作することに伴ってCPU40の割込端子へ入力されるようになっている。このウェイクアップ信号WU2が入力されると、CPU40はスリープモードからアクティブモードへ直ちに復帰し、通常のプログラム処理にしたがってモータ20の駆動制御を行う。
【0045】
次に、図6に基づいて、モータ停止中においてアクティブモードで作動しているときの推定温度の算出処理について説明する。この処理は、所定時間ごと(例えば、4msecごと)に繰り返し行われる。
まず、ステップS1でコントローラ31は、IG信号5に基づいて、車両のイグニッションスイッチのON/OFFを判定する。すなわち、コントローラ31は、IG信号5がOFF信号である場合にイグニッションスイッチがOFFであり、IG信号5がON信号である場合にイグニッションスイッチがONであると判定する。この処理は、アクティブモードからスリープモードへ移行するか否かを判定している。IG信号5がOFF信号の場合(ステップS1;Yes)は、スリープモード(ステップS2)へ移行する。
【0046】
なお、IG信号5がOFF信号となってから所定時間(例えば、数十秒程度)の経過前は、コントローラ31が、操作スイッチ4からの操作信号に基づいてモータ20を作動可能とし、これによってウインドウガラス11を昇降可能な構成であってもよい。この場合、ステップS1において、IG信号5がOFF信号となってから上記所定時間に対応した時間の経過後に、判定が「Yes」となってスリープモードへ移行するように構成することができる。
【0047】
一方、IG信号5がON信号の場合(ステップS1;No)は、ステップS3でCPU40は補正値(減算温度ΔT2)の算出処理を行う。この処理では、そのときの温度カウンタの値を読み出し、この温度カウンタの値に対応する減算温度ΔT2を減算温度データbから算出する。
そして、CPU40はステップS4で温度カウンタの更新処理を行う。この処理では、算出した減算温度ΔT2を、読み出した温度カウンタの値から差し引いて、再び温度カウンタに書き込む処理を行う。
【0048】
続いて、ステップS5でCPU40は、温度センサ33からの周辺温度検出信号に基づいて周辺温度を算出すると共に、温度カウンタの値が算出した周辺温度の値よりも小さいか否かを判定する。
温度カウンタの値の方が小さかった場合(ステップS5;Yes)は、温度カウンタの値を周辺温度に合わせるべく、ステップS6で温度カウンタの値を算出した周辺温度の値に更新して、再びステップS1へ戻る。
一方、温度カウンタの値が周辺温度の値以上であった場合(ステップS5;No)は、温度カウンタの値をステップS4で更新したままに維持して再びステップS1へ戻る。
このようにして、モータ停止後、IG信号5がOFF信号となるまでは、CPU40は、アクティブモードで温度カウンタの値を更新し続ける。
【0049】
次に、図7に基づいてスリープモードで作動しているときの推定温度の算出処理について説明する。この処理も所定時間ごと(例えば、10sec+4msecごと)に繰り返し行われる。
まず、ステップS11では、スリープモードで作動しているコントローラ31は、ウェイクアップ信号WU1の待機処理を行う。スリープ状態では、CPU40からアクティブ信号ACTが出力されていないので、スリープ時間Tsが経過すると比較器55から出力されたウェイクアップ信号WU1は、ANDゲート56を通過してCPU40へ入力される。
なお、本例では、スリープ状態でCPU40がウェイクアップ信号WU1を受けた場合に起動して処理を開始するように構成されているが、これに限らず、スリープ状態でCPU40は起動状態にあり、常時、ウェイクアップ信号WU1の入力があるか否かを検出し続けるようにしてもよい。
【0050】
CPU40にウェイクアップ信号WU1が入力されていない場合(ステップS11;No)は、スリープ時間Tsが未だ経過していないのでステップS11を繰り返す。
一方、CPU40にウェイクアップ信号WU1が入力された場合(ステップS11;Yes)は、ステップS12でCPU40はアクティブ状態へ復帰する。
そして、ステップS13でCPU40は補正値(減算温度ΔT1)の算出処理を行う。この処理では、そのときの温度カウンタの値を読み出し、この温度カウンタの値に対応する減算温度ΔT1を減算温度データaから算出する。
そして、CPU40はステップS14で温度カウンタの更新処理を行う。この処理では、算出した減算温度ΔT1を、読み出した温度カウンタの値から差し引いて、再び温度カウンタに書き込む処理を行う。
【0051】
続いて、ステップS15でCPU40は、温度センサ33からの周辺温度検出信号に基づいて周辺温度を算出すると共に、温度カウンタの値が算出した周辺温度の値よりも小さいか否かを判定する。
温度カウンタの値の方が小さかった場合(ステップS15;Yes)は、温度カウンタの値を周辺温度に合わせるべく、ステップS16で温度カウンタの値を算出した周辺温度の値に更新して、ステップS17へ移行する。
一方、温度カウンタの値が周辺温度の値以上であった場合(ステップS15;No)は、温度カウンタの値をステップS14で更新したままに維持してステップS17へ移行する。
【0052】
ステップS17では、再びスリープ状態へ戻るためにクリア信号CLRを出力してカウンタ52のリセットを行い、アクティブ状態への復帰からアクティブ時間Ta経過後に再びステップS11へ戻る。
このようにして、モータ停止中におけるスリープモードでは、所定時間経過ごとに、CPU40は、温度カウンタの値を更新し続ける。
なお、ウェイクアップ信号WU2がCPU40へ入力された場合には、割込処理によりスリープモードからアクティブモードへ強制的に復帰する。
【0053】
以下に本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し重複する説明は省略する。
(第2の実施形態)
上記実施形態では、スリープモードにおける推定温度の算出処理において、繰り返し処理時間ごとに補正値(ΔT1)を算出し、この補正値を差し引くことによって温度カウンタの値を逐次更新していたが、これに限らず、以下のように構成してもよい。すなわち、本例では、スリープモードでは補正値のみを算出しておき、アクティブモードへの移行時にスリープモードの作動時間分の補正値をまとめて温度カウンタの値から差し引くことによって、温度カウンタの値を更新するように構成している。このため、コントローラ31は、補正値を補正値記憶手段としてのメモリ41に記憶保持している。
【0054】
本例の減算温度データでは、図8に示すように、スリープモードの累積時間に対して減算温度ΣTが設定されている。なお、本例では、減算温度データcが一次関数で定義されているが、これに限らず、高次関数で定義してもよい。
本例のスリープ制御回路50には、図9に示すように、カウンタ58が付加されている。このカウンタ58は、アクティブモードからスリープモードへ移行するときにクリア信号CLRによってリセットされ、スリープモードで作動中は継続してサブクロック51からのクロック信号を受けてこれをカウントアップし続けるものである。このカウンタ58によってスリープモードの累積時間を算出することができる。
【0055】
次に、図10に基づいてスリープモードで作動しているときの推定温度の算出処理について説明する。ステップS21,S22は、上記実施形態のステップS11,S12と同じなので説明を省略する。
ステップS22でアクティブ状態へ復帰すると、ステップS23で補正値算出手段としてのCPU40は補正値(減算温度ΣT)の算出処理を行う。この処理では、そのときのカウンタ58の値に基づいて、減算温度データcから減算温度ΣTを算出する。
そして、CPU40はステップS24で補正値の更新処理を行う。この処理では、算出した減算温度ΣTを、補正値としてメモリ41に書き込む処理を行う。
【0056】
続いてステップS25では、再びスリープ状態へ戻るためにクリア信号CLRを出力してカウンタ52のリセットを行い、ステップS21へ戻る。
このようにして、モータ停止中におけるスリープモードでは、所定時間経過ごとに、CPU40は、補正値の値を更新し続ける。
【0057】
図11は、ウェイクアップ信号WU2がCPU40へ入力された場合の割込処理を示している。この処理によりコントローラ31は、スリープモードからアクティブモードへ強制的に復帰する。
ステップS31でCPU40の割込端子にウェイクアップ信号WU2が入力すると割込処理に入り、ステップS32でCPU40はスリープモードからアクティブモードへ復帰する。
そして、ステップS33で推定温度算出手段としてのCPU40は、推定温度の算出処理を行う。この処理では、スリープモードに移行する前に記憶され、スリープモード中は更新されることなく保持されていた温度カウンタの値から、ステップS24で最終的に記憶された補正値を差し引く処理が行われる。
【0058】
ステップS34では、CPU40は温度センサ33からの周辺温度検出信号に基づいて周辺温度を算出すると共に、温度カウンタの値が算出した周辺温度の値よりも小さいか否かを判定する。
温度カウンタの値の方が小さかった場合(ステップS34;Yes)は、温度カウンタの値を周辺温度に合わせるべく、ステップS35で温度カウンタの値を算出した周辺温度の値に更新して処理を終了する。
一方、温度カウンタの値が周辺温度の値以上であった場合(ステップS34;No)は、温度カウンタの値をステップS33で更新したままに維持して処理を終了する。
【0059】
このようにスリープモードでの動作中は、補正値のみを算出しアクティブモードへの復帰時に最新の補正値に基づいて温度カウンタの値を更新することによっても、省電力化を図りつつモータ停止中の推定温度を算出することができる。
【0060】
また、上記実施形態では、スリープモードからアクティブモードへ移行させるためにスリープ制御回路50をCPU40と別に配置した構成としたが、これに限らず、CPU40がスリープ制御回路50の機能を有する構成としてもよい。
【0061】
(第3の実施形態)
また、図12に基づいて本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態では、アクティブモードからスリープモードへ移行するか否かを、モータ20が回動を停止してからの時間に基づいて判定するものである。
まず、ステップS41でCPU40は、メインクロック44より入力されるクロック信号に基づいて、駆動回路32を介してモータ20を駆動するための制御信号の出力から所定の時間が経過したか否かを判定する。すなわち、通常動作においてモータ20が回動を停止してから所定の時間が経過したか否かが判定される。この処理は、アクティブモードからスリープモードへ移行するか否かを判定している。動作終了から所定時間経過した場合(ステップS41;Yes)は、ステップS42でCPU40はアクティブ信号ACTの出力を停止すると共に、クリア信号CLRを出力してカウンタ52をリセットしてスリープモード(ステップS42)へ移行する。
【0062】
一方、動作終了から所定時間経過していない場合(ステップS41;No)は、ステップS43でCPU40は補正値(減算温度ΔT2)の算出処理を行う。この処理では、そのときの温度カウンタの値を読み出し、この温度カウンタの値に対応する減算温度ΔT2を減算温度データbから算出する。
そして、CPU40はステップS44で温度カウンタの更新処理を行う。この処理では、算出した減算温度ΔT2を、読み出した温度カウンタの値から差し引いて、再び温度カウンタに書き込む処理を行う。
【0063】
続いて、ステップS45でCPU40は、温度センサ33からの周辺温度検出信号に基づいて周辺温度を算出すると共に、温度カウンタの値が算出した周辺温度の値よりも小さいか否かを判定する。
温度カウンタの値の方が小さかった場合(ステップS45;Yes)は、温度カウンタの値を周辺温度に合わせるべく、ステップS46で温度カウンタの値を算出した周辺温度の値に更新して、再びステップS41へ戻る。
一方、温度カウンタの値が周辺温度の値以上であった場合(ステップS45;No)は、温度カウンタの値をステップS44で更新したままに維持して再びステップS41へ戻る。
このようにして、モータ停止後、所定時間経過するまでは、CPU40は、アクティブモードで温度カウンタの値を更新し続ける。
【0064】
また、上記実施形態では、本発明をパワーウインドウ装置1に適用した例を示したが、これに限らず、モータを有する装置全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図である。
【図2】図1のパワーウインドウ装置の電気構成図である。
【図3】図2のコントローラの電気構成図である。
【図4】モータ停止時の減算温度データを表すグラフである。
【図5】コントローラの動作モードを表す説明図である。
【図6】アクティブモードでの推定温度の算出処理を表す処理フローである。
【図7】スリープモードでの推定温度の算出処理を表す処理フローである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るモータ停止時の減算温度データを表すグラフである。
【図9】スリープ制御回路の電気構成の一部を示す説明図である。
【図10】スリープモードでの推定温度の補正値の算出処理を表す処理フローである。
【図11】アクティブモードへの復帰時の処理を表す処理フローである。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るアクティブモードでの推定温度の算出処理を表す処理フローである。
【符号の説明】
【0066】
1‥パワーウインドウ装置、2‥昇降機構、3‥制御部、4‥操作スイッチ、
5‥イグニッション(IG)信号、6‥バッテリ、10‥ドア、
11‥ウインドウガラス、20‥モータ、20a‥巻線、21‥昇降アーム、
21a‥ギヤ、22‥従動アーム、23‥固定チャンネル、
24‥ガラス側チャンネル、25‥回転検出装置、25a‥ホール素子、
31‥コントローラ、32‥駆動回路、33‥温度センサ、40‥CPU、
41‥メモリ、42‥入出力回路、43‥バス、44‥メインクロック、
50‥スリープ制御回路、51‥サブクロック、52‥カウンタ、53‥レジスタ、
54‥信号生成回路、55‥比較器、56‥ANDゲート、57‥インバータ、
58‥カウンタ、a,b,c‥減算温度データ、ACT‥アクティブ信号、
CLR‥クリア信号、P‥スリープ周期、Ts‥スリープ時間、
Ta‥アクティブ時間、WU1,WU2‥ウェイクアップ信号




 

 


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