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発明の名称 DC/DCコンバータの異常検出装置およびそれを備えた車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28727(P2007−28727A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−204283(P2005−204283)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
発明者 大場 智 / 加藤 隆
要約 課題
異常検出精度を向上したDC/DCコンバータの異常検出装置を提供する。

解決手段
DC/DCコンバータ60は、電流共振型のDC/DCコンバータである。DC/DCコンバータ60は、平滑回路64を含み、平滑回路64によって平滑された出力電圧が補機バッテリB2へ出力される。一方、平滑回路64前のノードNDには、アナログ電圧線72の一端が接続され、その他端は、HV−ECU70のアナログ入力端子に接続される。そして、HV−ECU70は、平滑回路64によって平滑される前の平滑前電圧VPを取得し、その電圧VPの電圧波形に基づいてDC/DCコンバータ60の異常判定を行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】
電圧変換された直流電圧を平滑する平滑回路を含むDC/DCコンバータの異常検出装置であって、
前記平滑回路によって平滑される前の電圧を前記DC/DCコンバータから取得する電圧取得手段と、
前記電圧取得手段によって取得された平滑前電圧の波形に基づいて、前記DC/DCコンバータの異常の有無を判定する異常判定手段とを備えるDC/DCコンバータの異常検出装置。
【請求項2】
前記異常判定手段は、前記平滑前電圧の変動量が予め設定された第1の基準値を超えると、前記DC/DCコンバータを異常と判定する、請求項1に記載のDC/DCコンバータの異常検出装置。
【請求項3】
前記異常判定手段は、前記平滑前電圧の最小値が予め設定された第2の基準値を下回ると、前記DC/DCコンバータを異常と判定する、請求項1に記載のDC/DCコンバータの異常検出装置。
【請求項4】
前記DC/DCコンバータは、
入力される直流電圧をスイッチング素子を用いて交流電圧に変換するスイッチ回路と、
前記交流電圧の電圧レベルを変換する変圧器と、
前記変圧器によって電圧変換された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路と、
前記整流回路によって整流された直流電圧を平滑する前記平滑回路とを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のDC/DCコンバータの異常検出装置。
【請求項5】
前記異常判定手段は、前記平滑前電圧の変動量が予め設定された第1の基準値を超えたとき、または、前記平滑前電圧の最小値が予め設定された第2の基準値を下回ったとき、前記スイッチ回路を異常と判定する、請求項4に記載のDC/DCコンバータの異常検出装置。
【請求項6】
直流電源と、
前記直流電源からの電力を用いて車両の駆動力を発生する電動機と、
前記直流電源からの直流電圧を所定の電圧レベルに変換し、その変換した直流電圧を平滑して前記車両の補機へ出力するDC/DCコンバータと、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のDC/DCコンバータの異常検出装置とを備える車両。
【請求項7】
前記車両の駆動力を発生する内燃機関をさらに備える、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記DC/DCコンバータの異常検出装置は、当該車両を制御するハイブリッドECUに実装され、
前記DC/DCコンバータから取得される前記平滑前電圧は、前記ハイブリッドECUにアナログ入力される、請求項7に記載の車両。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、DC/DCコンバータの異常検出装置およびそれを備えた車両に関し、特に、ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載されるDC/DCコンバータの異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平11−332001号公報(特許文献1)は、DC/DCコンバータの出力電圧に基づいてDC/DCコンバータの異常を検出する異常検出装置を開示する。この異常検出装置は、DC/DCコンバータの出力電圧を検出する電圧センサと、電圧センサからの検出値に基づいてコンバータ異常が発生したか否かを判定する異常判定手段とを備える。
【0003】
異常判定手段は、電圧センサからの出力電圧検出値の変化の速さがコンバータ正常状態における出力電圧の変化の速さと異なる場合にコンバータ異常が発生したと判断する。たとえば、異常判定手段は、時間軸に対する出力電圧検出値の傾きを算出し、その算出した傾きをコンバータ正常状態に対応する基準の電圧傾きと比較することによって、コンバータ異常が発生したか否かを判定する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−332001号公報
【特許文献2】特開平9−308243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開平11−332001号公報に開示される異常検出装置は、DC/DCコンバータの出力電圧のみに基づいて異常を検出するので、十分な検出精度が得られないおそれがある。特に、スイッチング型のDC/DCコンバータにおいては、一般的にDC/DCコンバータの出力部に平滑回路が設けられるので、異常時に崩れた電圧波形が平滑回路によって平滑されてしまい、異常が発生しているにも拘わらず異常を検出できないおそれがある。
【0005】
また、DC/DCコンバータの最終的な出力電圧のみに基づく異常検出では、異常の発生箇所を特定するのは困難である。
【0006】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、異常検出精度を向上したDC/DCコンバータの異常検出装置を提供することである。
【0007】
また、この発明の別の目的は、異常検出精度を向上したDC/DCコンバータの異常検出装置を備えた車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明によれば、DC/DCコンバータの異常検出装置は、電圧変換された直流電圧を平滑する平滑回路を含むDC/DCコンバータの異常検出装置であって、平滑回路によって平滑される前の電圧をDC/DCコンバータから取得する電圧取得手段と、電圧取得手段によって取得された平滑前電圧の波形に基づいて、DC/DCコンバータの異常の有無を判定する異常判定手段とを備える。
【0009】
この発明によるDC/DCコンバータの異常検出装置においては、電圧取得手段は、平滑回路によって平滑される前の電圧をDC/DCコンバータから取得する。すなわち、DC/DCコンバータに異常が発生すると、DC/DCコンバータ内の電圧波形が崩れるところ、電圧取得手段は、DC/DCコンバータの異常によって崩れた電圧波形が平滑回路によって平滑された最終的な出力電圧ではなく、電圧波形が崩れたままの平滑前電圧を取得する。そして、異常判定手段は、DC/DCコンバータの異常時に波形が崩れる平滑前電圧の波形に基づいて、DC/DCコンバータの異常の有無を判定する。
【0010】
したがって、この発明によるDC/DCコンバータの異常検出装置によれば、DC/DCコンバータの異常発生時、確実かつ高精度にDC/DCコンバータの異常を検出することができる。また、DC/DCコンバータの異常時に崩れた電圧波形は、異常に関する情報を含んでいるので、この異常検出装置によれば、DC/DCコンバータの異常箇所を特定し得る。
【0011】
好ましくは、異常判定手段は、平滑前電圧の変動量が予め設定された第1の基準値を超えると、DC/DCコンバータを異常と判定する。
【0012】
DC/DCコンバータに異常が発生すると、DC/DCコンバータ内の電圧波形が崩れ、一般に電圧変動が増大する。そして、このDC/DCコンバータの異常検出装置においては、異常判定手段は、平滑回路によって平滑されていない電圧に基づいて異常判定を行なうので、DC/DCコンバータの異常時に増大した電圧変動量を正常時の電圧変動量と明確に判別することができる。
【0013】
したがって、このDC/DCコンバータの異常検出装置によれば、簡易かつ高精度にDC/DCコンバータの異常を検出することができる。
【0014】
また、好ましくは、異常判定手段は、平滑前電圧の最小値が予め設定された第2の基準値を下回ると、DC/DCコンバータを異常と判定する。
【0015】
DC/DCコンバータに異常が発生すると、電圧変動の増大とともに、電圧レベルも低下することが多い。そして、このDC/DCコンバータの異常検出装置においては、異常判定手段は、平滑回路によって平滑されていない電圧に基づいて異常判定を行なうので、DC/DCコンバータの異常時に低下した電圧最小値(変動する電圧の下ピーク値)を正常時の電圧最小値と明確に判別することができる。
【0016】
したがって、このDC/DCコンバータの異常検出装置によっても、簡易かつ高精度にDC/DCコンバータの異常を検出することができる。
【0017】
好ましくは、DC/DCコンバータは、入力される直流電圧をスイッチング素子を用いて交流電圧に変換するスイッチ回路と、交流電圧の電圧レベルを変換する変圧器と、変圧器によって電圧変換された交流電圧を直流電圧に整流する整流回路と、整流回路によって整流された直流電圧を平滑する平滑回路とを含む。
【0018】
さらに好ましくは、異常判定手段は、平滑前電圧の変動量が予め設定された第1の基準値を超えたとき、または、平滑前電圧の最小値が予め設定された第2の基準値を下回ったとき、スイッチ回路を異常と判定する。
【0019】
このDC/DCコンバータの異常検出装置は、いわゆるスイッチング型のDC/DCコンバータに適用される。そして、スイッチング型DC/DCコンバータにおいてスイッチ回路に異常が発生すると、正常時と比べて電圧変動量が大きくなったり、電圧レベルが低下するなどの変化が現われる。このような変化は、平滑回路によって平滑される前の電圧に顕著に現われる。そこで、異常判定手段は、上記のような変化が平滑前電圧に現われると、スイッチ回路を異常と判定する。
【0020】
したがって、このDC/DCコンバータの異常検出装置によれば、DC/DCコンバータの異常発生時、スイッチ回路の異常を特定することができる。
【0021】
また、この発明によれば、車両は、直流電源と、直流電源からの電力を用いて車両の駆動力を発生する電動機と、直流電源からの直流電圧を所定の電圧レベルに変換し、その変換した直流電圧を平滑して車両の補機へ出力するDC/DCコンバータと、上述したいずれかのDC/DCコンバータの異常検出装置とを備える。
【0022】
この発明による車両においては、上述したDC/DCコンバータの異常検出装置が備えられるので、確実かつ高精度にDC/DCコンバータの異常を検出することができる。したがって、この発明による車両によれば、車両の信頼性が向上する。また、DC/DCコンバータの異常箇所を特定し得るので、車両のメンテナンス性が向上する。
【0023】
好ましくは、車両は、車両の駆動力を発生する内燃機関をさらに備える。
この車両は、電動機と内燃機関とを動力源とするハイブリッド自動車である。したがって、この車両によれば、ハイブリッド自動車の信頼性が向上する。また、ハイブリッド自動車のメンテナンス性も向上する。
【0024】
さらに好ましくは、DC/DCコンバータの異常検出装置は、当該車両を制御するハイブリッドECUに実装される。DC/DCコンバータから取得される平滑前電圧は、ハイブリッドECUにアナログ入力される。
【0025】
したがって、この車両によれば、非常に簡易な構成でハイブリッド自動車の信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、DC/DCコンバータに含まれる平滑回路によって平滑される前の電圧に基づいてDC/DCコンバータの異常検出を行なうようにしたので、DC/DCコンバータの異常検出精度が向上する。また、DC/DCコンバータの異常時に崩れた電圧波形は、異常に関する情報を含んでいるので、この発明によれば、DC/DCコンバータの異常箇所を特定し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
図1は、この発明の実施の形態による車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド自動車100は、主バッテリB1と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ10と、インバータ20,30と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構40と、エンジン42と、ギヤ44と、駆動輪46と、MG−ECU(Electronic Control Unit)50と、電源線PL1,PL2と、接地線SLとを備える。また、ハイブリッド自動車100は、DC/DCコンバータ60と、補機バッテリB2と、HV−ECU70と、アナログ電圧線72とをさらに備える。
【0029】
主バッテリB1は、直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池からなる。主バッテリB1は、直流電圧を発生して電源線PL1へ出力する。また、主バッテリB1は、昇圧コンバータ10によって充電される。コンデンサC1は、電源線PL1と接地線SLとの間の電圧変動を平滑化する。
【0030】
昇圧コンバータ10は、MG−ECU50からの信号PWCに基づいて、主バッテリB1から受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した電圧を電源線PL2に供給する。また、昇圧コンバータ10は、MG−ECU50からの信号PWCに基づいて、電源線PL2の電圧を降圧して主バッテリB1を充電する。この昇圧コンバータ10には、電源線PL2と接地線との間に直列に接続されるスイッチング素子と、各スイッチング素子の接続点と電源線PL1との間に接続されるリアクトルとから成る昇降圧チョッパ型のコンバータなどが用いられる。
【0031】
コンデンサC2は、電源線PL2と接地線SLとの間の電圧変動を平滑化する。インバータ20は、MG−ECU50からの信号PWM1に基づいて、電源線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ20は、エンジン42からの出力を受けてモータジェネレータMG1が発電する3相交流電圧を直流電圧に変換して電源線PL2へ出力する。
【0032】
インバータ30は、MG−ECU50からの信号PWM2に基づいて、電源線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換してモータジェネレータMG2へ出力する。また、インバータ30は、ハイブリッド自動車100のの回生制動時、モータジェネレータMG2が発電する3相交流電圧を直流電圧に変換して電源線PL2へ出力する。
【0033】
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動発電機からなる。モータジェネレータMG1は、動力分割機構40を介して受けるエンジン42の回転力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ20へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ20から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、その発生した駆動力を動力分割機構40を介してエンジン42へ出力することによってエンジン42の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ30から受ける3相交流電圧によってこのハイブリッド自動車100の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、ハイブリッド自動車100の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ30へ出力する。
【0034】
エンジン42は、動力分割機構40およびギヤ44を介して駆動輪46を駆動するとともに、動力分割機構40を介してモータジェネレータMG1に回転力を与える。また、エンジン42は、モータジェネレータMG1からの駆動力を受けて始動する。
【0035】
動力分割機構は40は、エンジン42からの出力を駆動輪46の駆動力およびモータジェネレータMG1に与える回転力に分割する。また、動力分割機構40は、エンジン42の始動時、モータジェネレータMG1からの駆動力をエンジン42へ伝達する。ギヤ44は、モータジェネレータMG2および動力分割機構40からの回転数を減速して駆動輪46へ出力する。
【0036】
MG−ECU50は、HV−ECU70から受けるモータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値、モータジェネレータMG1,MG2のモータ回転数、主バッテリB1の電圧および電源線PL2の電圧に基づいて、昇圧コンバータ10を駆動するための信号PWCを生成し、その生成した信号PWCを昇圧コンバータ10へ出力する。なお、モータジェネレータMG1,MG2のモータ回転数ならびに主バッテリB1および電源線PL2の電圧は、図示されない各センサによって検出される。
【0037】
また、MG−ECU50は、電源線PL2の電圧ならびにモータジェネレータMG1の各相電流およびトルク指令値に基づいて、モータジェネレータMG1を駆動するための信号PWM1を生成し、その生成した信号PWM1をインバータ20へ出力する。さらに、MG−ECU50は、電源線PL2の電圧ならびにモータジェネレータMG2の各相電流およびトルク指令値に基づいて、モータジェネレータMG2を駆動するための信号PWM2を生成し、その生成した信号PWM2をインバータ30へ出力する。なお、モータジェネレータMG1,MG2の各相電流は、図示されない電流センサによって検出される。
【0038】
DC/DCコンバータ60は、電源線PL1および接地線SLに接続される。DC/DCコンバータ60は、電源線PL1から受ける直流電圧を補機電圧レベルまで降圧し、その降圧した電圧を補機バッテリB2および各補機(図示せず、以下同じ。)へ出力する。また、DC/DCコンバータ60は、補機バッテリB2および各補機へ出力する出力電圧が平滑化される前の電圧をアナログ電圧線72へ出力する。
【0039】
補機バッテリB2は、補機用電力を蓄電する二次電池である。アナログ電圧線72は、DC/DCコンバータ60から出力される平滑前電圧をHV−ECU70へアナログ入力するための電圧線であり、HV−ECU70のアナログ入力端子に接続される。
【0040】
HV−ECU70は、運転者によるアクセルペダルの開度やその他運転状況に基づいてモータジェネレータMG1,MG2のトルク指令値を演算し、その演算したトルク指令値をMG−ECU50へ出力する。
【0041】
また、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60から出力される平滑前電圧をDC/DCコンバータ60からアナログ電圧線72を介して受ける。そして、HV−ECU70は、その受けたDC/DCコンバータ60の出力電圧平滑前の電圧波形に基づいて、後述する方法によりDC/DCコンバータ60の異常を検出する。なお、特に図示しないが、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60の異常を検出すると、運転者に警告するために、たとえば運転パネルに警告灯を点灯させる。
【0042】
図2は、図1に示したDC/DCコンバータ60の回路図である。図2を参照して、DC/DCコンバータ60は、スイッチングトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1〜D4と、コンデンサC3,C4,CRと、トランス62と、コイルLRと、平滑回路64とを含む。
【0043】
スイッチングトランジスタQ1,Q2は、電源線PL1と接地線SLとの間に直列に接続される。各スイッチングトランジスタQ1,Q2は、たとえばMOSトランジスタから成る。ダイオードD1,D2は、それぞれスイッチングトランジスタQ1,Q2に逆並列に接続される。コンデンサC3,C4は、それぞれスイッチングトランジスタQ1,Q2に並列に接続される。
【0044】
トランス62は、一次コイルL1と、二次コイルL21,L22とから成る。一次コイルL1は、直列接続されたコイルLRおよびコンデンサCRに直列に接続される。そして、一次コイルL1、コイルLRおよびコンデンサCRから成る直列回路は、スイッチングトランジスタQ2に並列に接続され、LC直列共振回路を形成する。二次コイルL21,L22は、直列接続される。
【0045】
ダイオードD3のアノードは、トランス62の二次コイルL21に接続され、そのカソードは、ノードNDに接続される。ダイオードD4のアノードは、トランス62の二次コイルL22に接続され、そのカソードは、ノードNDに接続される。このダイオードD3,D4は、トランス62から出力される交流電圧を直流電圧に整流する。
【0046】
平滑回路64は、コイルL3と、コンデンサC5とから成る。コイルL3は、ノードNDと電源線86との間に接続される。コンデンサC5は、電源線86と二次コイルL21,L22の接続点に接続される電源線88との間に接続される。この平滑回路64は、ダイオードD3,D4によって整流された直流電圧を平滑化する。そして、電源線86,88にそれぞれ補機バッテリB2の正極および負極が接続され、平滑回路64によって平滑された出力電圧が補機バッテリB2へ出力される。
【0047】
HV−ECU70のアナログ入力端子に接続されるアナログ電圧線72は、ノードNDに接続される。すなわち、アナログ電圧線72は、平滑回路64によって平滑される前の電圧VP(以下では、「平滑前電圧VP」とも称する。)をHV−ECU70のアナログ入力端子へ伝達する。
【0048】
このDC/DCコンバータ60は、電流共振型のスイッチング型DC/DCコンバータである。すなわち、このDC/DCコンバータ60においては、トランス62の一次コイルL1およびコイルLRのインダクタンス値ならびにコンデンサCRの容量値によって決まる固有の直列共振周波数に近い周波数でスイッチングトランジスタQ1,Q2が交互にオン/オフされる。そうすると、一次コイルL1、コイルLRおよびコンデンサCRから成る直列共振回路に共振電流が流れ、トランス62に交流電流が供給される。そして、一次コイルL1と二次コイルL21,L22との巻数比に応じて電圧変換された交流電圧がダイオードD3,D4によって直流電圧に整流され、さらに平滑回路64によって平滑されて補機バッテリB2へ出力される。
【0049】
図3は、図2に示したアナログ電圧線72に出力される平滑前電圧VPの波形図である。この図3では、DC/DCコンバータ60が正常時の電圧VPの波形と、DC/DCコンバータ60の故障モード影響解析(Failure Modes and Effects Analysis)の結果から得られた、DC/DCコンバータ60が異常時の電圧VPの波形の一例とが示されている。
【0050】
図3を参照して、実線がアナログ電圧線72に出力される平滑前電圧VPを示す。DC/DCコンバータ60の正常時、平滑前電圧VPは、スイッチングトランジスタQ1,Q2のオン/オフ周波数に応じた周期T1で周期変動し、最大値VN1および最小値VN2からなる変動量ΔVNで変動する。この周期T1は、トランスL1の一次コイルL1、コイルLRおよびコンデンサCRから成る直列共振回路の共振周波数近傍で交互にオン/オフするスイッチングトランジスタQ1,Q2のスイッチング周期に対応する。
【0051】
一方、DC/DCコンバータ60の異常時、平滑前電圧VPは、正常時の周期T1よりも長い周期T2で周期変動し、最大値VA1および最小値VA2からなる変動量ΔVAで変動する。このDC/DCコンバータ60の異常時の平滑前電圧VPを正常時の平滑前電圧VPと比較すると、変動周期が大きくなったことに伴なって、異常時の変動量ΔVAは、正常時の変動量ΔVNよりも大きい。また、DC/DCコンバータ60の異常時の平滑前電圧VPの最小値VA2は、正常時の平滑前電圧VPの最小値VN2よりも小さい。
【0052】
DC/DCコンバータ60の異常時におけるこのような電圧波形は、スイッチングトランジスタQ1,Q2に異常が発生し、スイッチングトランジスタQ1,Q2が共振周波数近傍でオン/オフできなくなったことに起因している。DC/DCコンバータ60が異常時の平滑前電圧VPの電圧波形は、図3に示される波形に限定されるものではないが、上記の故障モード影響解析の結果から、図3に示されるような電圧波形となることが多いことが判明している。
【0053】
そこで、この実施の形態では、上記の知見に基づき、DC/DCコンバータ60の平滑回路64により出力電圧が平滑化される前の平滑前電圧VPをアナログ電圧線72を介してHV−ECU70へアナログ出力し、HV−ECU70において、平滑前電圧VPの変動量に基づいて、DC/DCコンバータ60の異常を検出するようにしたものである。
【0054】
図4は、図1に示したHV−ECU70において実行されるDC/DCコンバータ60の異常判定処理のフローチャートである。なお、この図4に示されるフローチャートによる処理は、一定の制御周期で繰返し実行される。
【0055】
図4を参照して、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60の平滑回路64によって出力電圧が平滑される前の平滑前電圧VPをDC/DCコンバータ60からアナログ電圧線72を介して取得する(ステップS10)。より具体的には、HV−ECU70のアナログ入力端子にアナログ電圧線72が接続されており、HV−ECU70は、アナログ電圧線72が接続されたアナログ入力端子から平滑前電圧VPを内部に取込む。
【0056】
HV−ECU70は、平滑前電圧VPを取得すると、その取得した平滑前電圧VPが最大値Vmaxよりも高いか否かを判定する(ステップS20)。この最大値Vmaxは、変動する平滑前電圧VPからその最大値すなわち上ピーク値を取得するための変数である。そして、HV−ECU70は、取得した平滑前電圧VPが最大値Vmaxよりも高いと判定すると(ステップS20においてYES)、その取得した平滑前電圧VPで最大値Vmaxを更新する(ステップS30)。一方、HV−ECU70は、取得した平滑前電圧VPが最大値Vmax以下であると判定すると(ステップS20においてNO)、ステップS40へ処理を進める。
【0057】
また、HV−ECU70は、取得した平滑前電圧VPが最小値Vminよりも低いか否かを判定する(ステップS40)。この最小値Vminは、変動する平滑前電圧VPからその最小値すなわち下ピーク値を取得するための変数である。そして、HV−ECU70は、取得した平滑前電圧VPが最小値Vminよりも低いと判定すると(ステップS40においてYES)、その取得した平滑前電圧VPで最小値Vminを更新する(ステップS50)。一方、HV−ECU70は、取得した平滑前電圧VPが最小値Vmin以上であると判定すると(ステップS40においてNO)、ステップS60へ処理を進める。
【0058】
次いで、HV−ECU70は、最大値Vmaxと最小値Vminとの差、すなわち平滑前電圧VPの変動量が予め設定された基準値Vth1よりも大きいか否かを判定する(ステップS60)。この基準値Vth1は、DC/DCコンバータ60の正常時の平滑前電圧VPの変動量、および故障モード影響解析から得られたDC/DCコンバータ60の異常時の平滑前電圧VPの変動量とに基づいて、適当な値に予め決定される。
【0059】
そして、HV−ECU70は、最大値Vmaxと最小値Vminとの差が基準値Vth1よりも大きいと判定すると(ステップS60においてYES)、DC/DCコンバータ60を異常であると判定する(ステップS70)。なお、このとき、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60の異常をスイッチングトランジスタQ1,Q2の異常によるものと特定する。そして、HV−ECU70は、一連の処理を終了する。一方、HV−ECU70は、最大値Vmaxと最小値Vminとの差が基準値Vth1以下であると判定すると(ステップS60においてNO)、ステップS70へ進むことなく一連の処理を終了する。
【0060】
なお、特に図示しないが、HV−ECU70は、ステップS70においてDC/DCコンバータ60を異常と判定すると、運転者に警告するための警報を運転パネルなどに出力し、DC/DCコンバータ60の交換あるいはリセットボタンの押下などに応じて、最大値Vmaxおよび最小値Vminの値を0にリセットする。
【0061】
なお、上記においては、HV−ECU70は、平滑前電圧VPの変動量に基づいてDC/DCコンバータ60の異常を判定するものとした。一方、上述したように、DC/DCコンバータ60異常時の平滑前電圧VPの最小値VA2は、正常時の平滑前電圧VPの最小値VN2よりも低下することから、平滑前電圧VPの最小値に基づいてDC/DCコンバータ60の異常を検出するようにしてもよい。
【0062】
図5は、図1に示したHV−ECU70において実行されるDC/DCコンバータ60の他の異常判定方法を示すフローチャートである。なお、この図5に示されるフローチャートによる処理は、一定の制御周期で繰返し実行される。
【0063】
図5を参照して、この異常判定方法は、図4に示した処理フローにおいて、ステップS20,S30を含まず、ステップS60に代えてステップS65を含む。すなわち、HV−ECU70は、ステップS10において平滑前電圧VPを取得すると、ステップS40へ処理を進める。
【0064】
ステップS40において、取得した平滑前電圧VPが最小値Vmin以上であると判定されると(ステップS40においてNO)、または、ステップS40において、取得した平滑前電圧VPが最小値Vminよりも低いと判定され(ステップS40においてYES)、かつ、ステップS50において、その取得した平滑前電圧VPで最小値Vminが更新されると、HV−ECU70は、最小値Vminが予め設定された基準値Vth2よりも小さいか否かを判定する(ステップS65)。この基準値Vth2は、DC/DCコンバータ60の正常時の平滑前電圧VPの最小値VN2、および故障モード影響解析から得られたDC/DCコンバータ60の異常時の平滑前電圧VPの最小値VA2とに基づいて、適当な値に予め決定される。
【0065】
そして、HV−ECU70は、最小値Vminが基準値Vth2よりも小さいと判定すると(ステップS65においてYES)、ステップS70へ処理を進める。一方、HV−ECU70は、最小値Vminが基準値Vth2以上であると判定すると(ステップS65においてNO)、ステップS70へ進むことなく一連の処理を終了する。
【0066】
以上のように、この実施の形態によれば、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60に含まれる平滑回路64によって平滑される前の平滑前電圧VPを取得する。そして、HV−ECU70は、DC/DCコンバータ60の異常時に波形が崩れる平滑前電圧VPに基づいて、DC/DCコンバータ60の異常検出を行なうようにしたので、DC/DCコンバータ60の異常発生時、確実かつ高精度にDC/DCコンバータ60の異常を検出することができる。
【0067】
また、DC/DCコンバータ60の異常時に崩れた平滑前電圧VPの電圧波形は、DC/DCコンバータ60の異常に関する情報を含んでいる。そして、HV−ECU70は、平滑前電圧VPの変動量または最小値が所定の基準値を超えると、DC/DCコンバータ60を異常であると判定するとともに、DC/DCコンバータ60の異常をスイッチングトランジスタQ1,Q2の異常によるものと特定する。
【0068】
そして、この実施の形態によれば、確実かつ高精度にDC/DCコンバータ60の異常を検出することができることにより、ハイブリッド車両100の信頼性およびメンテナンス性が向上する。
【0069】
なお、上記の実施の形態においては、DC/DCコンバータ60の平滑回路64の平滑前電圧VPに基づいてDC/DCコンバータ60の異常を検出するものとしたが、平滑回路64によって平滑される前の電流波形を電流センサによって検出し、その検出した電流波形に基づいてDC/DCコンバータ60の異常を検出するようにしてもよい。
【0070】
また、上記においては、主バッテリB1は、二次電池としたが、主バッテリB1は、燃料電池(Fuel Cell)であってもよい。そして、上記においては、この発明の実施の形態による車両の一例としてハイブリッド自動車の場合を説明したが、この発明は、ハイブリッド自動車のほか、電気自動車や燃料電池を搭載した燃料電池車などにも適用可能である。
【0071】
なお、上記において、アナログ電圧線72およびHV−ECU70は、この発明における「DC/DCコンバータの異常検出装置」に対応する。また、アナログ電圧線72およびHV−ECU70により実行されるステップS10の処理は、この発明における「電圧取得手段」に対応し、HV−ECU70により実行されるステップS70は、この発明における「異常判定手段」により実行される処理に対応する。さらに、スイッチングトランジスタQ1,Q2は、この発明における「スイッチ回路」に対応し、トランス62は、この発明における「変圧器」に対応し、ダイオードD3,D4は、この発明における「整流回路」に対応する。
【0072】
また、さらに、主バッテリB1は、この発明における「直流電源」に対応し、モータジェネレータMG2は、この発明における「電動機」に対応する。また、さらに、エンジン42は、この発明における「内燃機関」に対応し、HV−ECU70は、この発明における「ハイブリッドECU」に対応する。
【0073】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明の実施の形態による車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【図2】図1に示すDC/DCコンバータの回路図である。
【図3】図2に示すアナログ電圧線に出力される平滑前電圧の波形図である。
【図4】図1に示すHV−ECUにおいて実行されるDC/DCコンバータの異常判定処理のフローチャートである。
【図5】図1に示すHV−ECUにおいて実行されるDC/DCコンバータの他の異常判定方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 昇圧コンバータ、20,30 インバータ、40 動力分割機構、42 エンジン、44 ギヤ、46 駆動輪、50 MG−ECU、60 DC/DCコンバータ、62 トランス、64 平滑回路、70 HV−ECU、72 アナログ電圧線、86,88,PL1,PL2 電源線、B1 主バッテリ、C1〜C5,CR コンデンサ、MG1,MG2 モータジェネレータ、SL 接地線、B2 補機バッテリ、Q1,Q2 スイッチングトランジスタ、D1〜D4 ダイオード、LR,L3 コイル、L1 一次コイル、L21,L22 二次コイル、ND ノード。




 

 


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