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発明の名称 DC−DCコンバータの制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20327(P2007−20327A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200163(P2005−200163)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 牧田 聖嗣 / 安保 正治 / 粂 宜伸 / 尾島 義敬 / 荒木 慎也
要約 課題
動作開始後におけるソフトスタート制御の解除を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることにある。

解決手段
充放電手段12,14の間に設けられるコイル18に接続される第1及び第2のMOSFET22,24を設ける。また、第2のMOSFET24のドレイン−ソース間に形成されたボディダイオード28の順方向に流れる電流を検出する。定常動作時、MOSFET22,24を互いに反転動作させて充放電手段12から14へ直流電力を供給する同期整流制御を実行する。一方、動作開始時、第1のMOSFET22のオンデューティ期間を徐々に増加させつつ第2のMOSFET24をオフさせるソフトスタート制御を実行する。そして、ソフトスタート制御時、第1のMOSFET22のオフデューティ期間中継続して上記の電流がゼロ以上である場合、そのソフトスタート制御を解除・終了して同期整流制御を開始する。
特許請求の範囲
【請求項1】
2つの充放電手段の間に設けられるコイルに接続される少なくとも一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子を互いに反転動作させることにより一方の充放電手段から他方の充放電手段へ直流電力を供給する通常制御実行手段と、を備えるDC−DCコンバータの制御装置であって、
動作開始時に、一方のスイッチング素子のオンデューティ期間を徐々に増加させつつ、他方のスイッチング素子のオフを継続させ或いは前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間中に該オフデューティ期間よりも短い時間だけ他方のスイッチング素子をオンさせるソフトスタート制御を実行するソフトスタート制御実行手段と、
前記他方のスイッチング素子が両端間に有する寄生ダイオードの順方向に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記ソフトスタート制御の実行中に、前記電流検出手段により検出される前記電流がゼロ以上の所定値以上である状態が所定期間継続する場合、該ソフトスタート制御を終了させるソフトスタート制御終了手段と、
を備えることを特徴とするDC−DCコンバータの制御装置。
【請求項2】
前記ソフトスタート制御終了手段は、前記ソフトスタート制御の実行中での前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間継続して、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値以上である場合、該ソフトスタート制御を終了させることを特徴とする請求項1記載のDC−DCコンバータの制御装置。
【請求項3】
前記ソフトスタート制御実行手段は、前記ソフトスタート制御の実行中での前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間中、前記他方のスイッチング素子を、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値以上である場合はオンさせ、一方、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値未満である場合はオフさせることを特徴とする請求項1又は2記載のDC−DCコンバータの制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバータの制御装置に係り、特に、2つの充放電手段の間に設けられるコイルに接続される少なくとも一対のスイッチング素子を適宜動作させることにより一方の充放電手段から他方の充放電手段へ直流電力を供給するDC−DCコンバータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2つの充放電手段の間に接続され、一方の充放電手段から他方の充放電手段へ直流電力を供給するDC−DCコンバータが知られている(例えば、特許文献1参照)。このDC−DCコンバータは、2つの充放電手段の間に設けられたコイルと、該コイルに接続された一対のスイッチング素子(MOSトランジスタ)と、を備えており、各スイッチング素子をオンオフさせつつ互いに反転動作させることで、一方の充放電手段から他方の充放電手段への直流電力変換を実現している。
【0003】
また、このDC−DCコンバータにおいては、動作開始時にスイッチング素子が長時間オン駆動されることに起因してそのスイッチング素子に過電流が流れてしまうのを防止するため、オンデューティ時間を動作開始当初は短くする一方でその後は徐々に長くしていき所望のオンデューティ時間に到達させるソフトスタート制御が実行される。このソフトスタート制御は、一対のスイッチング素子の一方については上記の如くオンデューティ時間を徐々に長くしていき、かつ、他方についてはオフを継続させるものである。
【0004】
更に、上記したDC−DCコンバータのコイルと充放電手段との間には、その経路を流れる電流を検出するための電流センサが設けられている。上記したソフトスタート制御は、この電流センサにより検出される電流値が所定のしきい値を超えることとなったときに終了され、その後は、通常どおり、一対のスイッチング素子が互いに反転して所定周期でオンオフされることとなっている。
【特許文献1】特許第3501226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のDC−DCコンバータにおいては、ソフトスタート制御を終了させるだけのために、コイルと充放電手段との間に電流センサを設けることが必要である。このため、DC−DCコンバータにおける部品点数が増加して、製造コストの増大や搭載スペースの拡大を招き、更には、電流センサの有するシャント抵抗の存在により大きな電力損失を招くこととなっていた。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、動作開始後におけるソフトスタート制御の解除を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させたDC−DCコンバータの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、2つの充放電手段の間に設けられるコイルに接続される少なくとも一対のスイッチング素子と、前記一対のスイッチング素子を互いに反転動作させることにより一方の充放電手段から他方の充放電手段へ直流電力を供給する通常制御実行手段と、を備えるDC−DCコンバータの制御装置であって、動作開始時に、一方のスイッチング素子のオンデューティ期間を徐々に増加させつつ、他方のスイッチング素子のオフを継続させ或いは前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間中に該オフデューティ期間よりも短い時間だけ他方のスイッチング素子をオンさせるソフトスタート制御を実行するソフトスタート制御実行手段と、前記他方のスイッチング素子が両端間に有する寄生ダイオードの順方向に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記ソフトスタート制御の実行中に、前記電流検出手段により検出される前記電流がゼロ以上の所定値以上である状態が所定期間継続する場合、該ソフトスタート制御を終了させるソフトスタート制御終了手段と、を備えるDC−DCコンバータの制御装置により達成される。
【0008】
この態様の発明において、動作開始時に、一方のスイッチング素子のオンデューティ期間を徐々に増加させつつ、他方のスイッチング素子のオフを継続させ或いは前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間中に該オフデューティ期間よりも短い時間だけ他方のスイッチング素子をオンさせるソフトスタート制御は、その制御実行中に、その他方のスイッチング素子が両端間に有する寄生ダイオードの順方向に流れる電流がゼロ以上の所定値以上である状態が所定期間継続する場合、終了される。かかる構成においては、ソフトスタート制御の実行中に何れのスイッチング素子にも過電流が流れることはない。また、寄生ダイオードは、スイッチング素子の構造上その両端に造られるものである。従って、本発明によれば、動作開始後におけるソフトスタート制御の解除を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることができる。
【0009】
この場合、上記したDC−DCコンバータの制御装置において、前記ソフトスタート制御終了手段は、前記ソフトスタート制御の実行中での前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間継続して、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値以上である場合、該ソフトスタート制御を終了させることとすればよい。
【0010】
また、上記したDC−DCコンバータの制御装置において、前記ソフトスタート制御実行手段は、前記ソフトスタート制御の実行中での前記一方のスイッチング素子のオフデューティ期間中、前記他方のスイッチング素子を、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値以上である場合はオンさせ、一方、前記電流検出手段により検出される前記電流が前記所定値未満である場合はオフさせることとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動作開始後におけるソフトスタート制御の解除を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、例えば車両などに搭載されたシステムである。図1に示す如く、本実施例のDC−DCコンバータ10は、2つの充放電手段12,14の間に設けられており、入力側の充放電手段12から出力側の充放電手段14へ直流電力を降圧して供給する直流−直流電圧変換器である。充放電手段12,14は、車両の有する発電機などで生成された電力を蓄えるキャパシタや例えば12ボルトや300ボルトなどの電圧を有するバッテリであり、車両のヘッドライトやエアコン等の補機の駆動に利用される。
【0014】
DC−DCコンバータ10は、リアクタンスLのコイル18と、半導体から構成された一対のスイッチング素子20と、を備えている。コイル18は、上記した2つの充放電手段12,14の間に設けられている。また、一対のスイッチング素子20は、直列接続された第1のMOSFET22及び第2のMOSFET24からなり、第1のMOSFET22は、その一端が入力側充放電手段12に接続されかつ他端がコイル18の一端に接続され、第2のMOSFET24は、その一端がコイル18の一端に接続されかつ他端が接地されたものとなっている。すなわち、コイル18の一端は、第1のMOSFET22と第2のMOSFET24との接続点に接続されている。また、コイル18の他端は、出力側充放電手段14に接続されている。
【0015】
第1のMOSFET22にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード26が、また、第2のMOSFET24にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード28が、それぞれ形成されている。ボディダイオード26は、コイル18の一端側及び第2のMOSFET24側から充放電手段12へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。また、ボディダイオード28は、接地側からコイル18の一端側及び第1のMOSFET22側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。
【0016】
第1のMOSFET22及び第2のMOSFET24の各ゲートにはそれぞれ、それらのMOSFET22,24をスイッチング駆動する制御部30が接続されている。制御部30は、第1のMOSFET22及び第2のMOSFET24それぞれをオンオフ駆動するドライバを有しており、後に詳述する如く、適宜DC−DCコンバータ10のスイッチングを制御して充放電手段12から充放電手段14への降圧変換を実施させる。
【0017】
制御部30には、第2のMOSFET24のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ32が接続されている。電流センサ32は、第2のMOSFET24のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード28のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部30へ向けて出力する。制御部30は、電流センサ32から供給される各電圧に基づいて、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流を検出する。
【0018】
次に、図2を参照して、本実施例のDC−DCコンバータ10の動作について説明する。図2は、本実施例のDC−DCコンバータ10の動作タイミングチャートを示す。尚、図2において、同図(A)は第1のMOSFET22のスイッチング動作のタイミングチャートを、同図(B)は第2のMOSFET24のスイッチング動作のタイミングチャートを、同図(C)は第1のMOSFET22のドレイン−ソース間に流れる電流(充放電手段12からコイル18側へ流れる方向を正とする。)のタイミングチャートを、同図(D)は第2のMOSFET24のドレイン−ソース間に流れる電流(ボディダイオード28の順方向すなわち接地側からコイル18側へ流れる方向を正とする。)のタイミングチャートを、それぞれ示す。
【0019】
本実施例において、制御部30は、DC−DCコンバータ10の動作開始後、定常時には、第1及び第2のMOSFET22,24を互いに反転動作させてオンオフのデューティ駆動を行う。すなわち、一方をオン駆動させるときは他方をオフ駆動させ、一方をオフ駆動させるときは他方をオン駆動させ、そして、そのオン・オフを所定周期で繰り返す。尚、上記したMOSFET22,24のオンオフの切り替え時には、両MOSFET22,24が共にオン状態とならないようにデッドタイムを設けることとしてもよい。以下、このようにMOSFET22,24を互いに反転動作させる制御を同期整流制御と称す。
【0020】
同期整流制御の実行時において、制御部30は、第1のMOSFET22に対するデューティ比γが出力側充放電手段14の電圧と入力側充放電手段12の電圧との比になるようにDC−DCコンバータ10の制御を行う。このような同期整流制御によれば、DC−DCコンバータ10の動作開始後の定常時において、スイッチング制御によって入力側充放電手段12の電圧を所望のとおり降圧し、そして、入力側充放電手段12の有する電力を出力側充放電手段14に供給することが可能となる。
【0021】
また、制御部30は、DC−DCコンバータ10の動作開始直後は、上記した同期整流制御に先立って、第1のMOSFET22に対するデューティ比が、定常時に算出される出力側充放電手段14の実現すべき電圧と入力側充放電手段12の電圧との比よりも小さいもの(例えばゼロ)からスタートされ、その後、徐々に増大していくようにDC−DCコンバータ10の制御を行う。この場合、第1のMOSFET22のオンデューティ期間は、図2(A)に示す如く、定常時におけるものよりも短いものからスタートされ、その後は徐々に増加されることとなる。また、制御部30は、上記の如く第1のMOSFET22のオンデューティ期間を徐々に増加していく過程においては、図2(B)に示す如く、第2のMOSFET24をオフ状態に維持させる。以下、このような制御をソフトスタート制御と称す。
【0022】
このようなソフトスタート制御によれば、第1のMOSFET22のオンデューティ時間が動作開始直後に非常に短いものから増加していくときにも、同期整流制御時において第1のMOSFET22に対して反転動作する第2のMOSFET24のオンデューティ時間が非常に長いものからスタートすることはない。このため、動作開始時に第2のMOSFET24がオン状態になることによって出力側の充放電手段14からコイル18を介して第2のMOSFET24側へ大きな電流(過電流)が流れることは回避され、第2のMOSFET24が過電流の流通によって破壊されることは防止される。
【0023】
制御部30は、上記したソフトスタート制御を開始した後、そのソフトスタート制御の実行中において、電流センサ32の出力信号に基づいて第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流を検出し、その電流値が所定値以上であるか否かを判別する。尚、この所定値は、ボディダイオード28の順方向を正方向としてゼロ又はゼロよりも僅かに大きく設定されたゼロ以上の値である。そして、ソフトスタート制御の実行中、第1のMOSFET22のデューティをオフにしているときに、そのオフデューティ期間継続して第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流値がゼロ以上に設定された所定値以上にあるか否かを判別する。
【0024】
第1のMOSFET22のオンデューティ期間中は、第1のMOSFET22に充放電手段12からコイル18側へ向けて電流が流れる。この電流は、図2(C)に示す如く、第1のMOSFET22がデューティオンである状態が長くなるほど大きくなる。また、第1のMOSFET22がデューティオン状態からデューティオフ状態へ切り替わると、その後、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向すなわち接地側からコイル18側へ向けて電流が流れ始める。この電流は、図2(D)に示す如く、第1のMOSFET22の切替当初はその切替直前に第1のMOSFET22に流れる電流とほぼ一致するが、その後は徐々に小さくなる。
【0025】
第1のMOSFET22のオフデューティ期間中、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れる状態が継続するときは、その第2のMOSFET24がオン状態とされても、出力側の充放電手段14からコイル18を介して第2のMOSFET24側へ大きな電流(過電流)が流れることはない。一方、第1のMOSFET22のオフデューティ期間中、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れない状態が一時期でもあるときは、その第2のMOSFET24がオン状態とされると、出力側の充放電手段14からコイル18を介して第2のMOSFET24側へ過電流が流れるおそれがある。
【0026】
そこで、かかる過電流を防止すべく、本実施例のシステムにおいて、制御部30は、ソフトスタート制御の実行中、第1のMOSFET22をデューティオフ状態にしているときに、そのオフデューティ期間に第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流の検出値がゼロ以上に設定された所定値未満になることがあると判別した場合は、以後もソフトスタート制御の実行を継続する。一方、第1のMOSFET22のオフデューティ期間中継続して第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流の検出値がゼロ以上に設定された所定値以上であると判別した場合(図2において時刻t1)は、その時点でソフトスタート制御を解除・終了させて、通常どおりの同期整流制御、すなわち、第1のMOSFET22を所望のデューティ比でオンオフ駆動させかつ第2のMOSFET24を第1のMOSFET22に対して反転動作させる処理の実行へ移行させる。この場合には、次以降の第1のMOSFET22のオフデューティ期間中は第2のMOSFET24がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行されることとなる。
【0027】
図3は、上記の機能を実現すべく、本実施例のシステムにおいて制御部30が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図3に示すルーチンは、DC−DCコンバータ10の動作開始後に起動されるルーチンである。図3に示すルーチンが起動されると、まずステップ70の処理が実行される。
【0028】
ステップ70では、ソフトスタート制御の初期設定として、第1及び第2のMOSFET22,24の双方をオフ状態にすると共に、第1設定時間tg1を“0”にリセットする処理が実行される。尚、この第1設定時間tg1は、第1のMOSFET22をオン状態に維持すべき継続時間であり、後述のステップ76における処理により変更される。本ステップ70の処理が実行されると、次にステップ72において、経過時間tを“0”にリセットする処理が実行される。
【0029】
ステップ74では、上記した第1設定時間tg1が、入力電圧と出力電圧とから定まる所望のデューティ比での、第1のMOSFET22をオン状態に維持すべきオンデューティ時間TG1未満であるか否かが判別される。その結果、tg1<TG1が成立すると判別された場合は、次にステップ76の処理が実行される。一方、tg1<TG1が成立しないと判別された場合は、次にステップ92の処理が実行される。
【0030】
ステップ76では、第1設定時間tg1を所定時間“a”だけインクリメントすると共に、第2設定時間tg2を演算する処理が実行される。尚、所定時間“a”は、前回処理から今回処理までに要する時間である。また、第2設定時間tg2は、第1のMOSFET22をオフ状態に維持すべき継続時間であり、第1設定時間tg1とデューティ周期TWとを用いて次式(1)の如く演算される。
【0031】
tg2=TW−tg1 ・・・(1)
ステップ78では、第1のMOSFET22をオン状態にする処理が実行される。そして、ステップ80では、第1のMOSFET22がオン状態にされてからの経過時間tが上記の第1設定時間tg1未満であるか否かが判別される。その結果、t<tg1が成立すると判別された場合は、上記ステップ78の処理が繰り返し実行される。一方、上記の経過時間tが第1設定時間tg1に達することによりt<tg1が成立しないと判別された場合は、次にステップ82の処理が実行される。
【0032】
ステップ82では、第1のMOSFET22をオフ状態にする処理が実行されると共に、上記の経過時間tを“0”にリセットし、更に、フラグflgを“1”にセットする処理が実行される。このフラグflgは、第2のMOSFET24のボディダイオード28の順方向に所定値以上の電流が流れていることを示すフラグである。
【0033】
ステップ84では、電流センサ32を用いて検出される第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流I(D)が、ゼロ以上の値に設定された所定値Ithを下回るか否かが判別される。その結果、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に向けて電流が流れることによりI(D)<Ithが成立しないと判別された場合は、次にステップ88の処理が実行される。
【0034】
ステップ88では、上記ステップ82において第1のMOSFET22がオフ状態にされてからの経過時間tが上記ステップ76で設定された第2設定時間tg2未満であるか否かが判別される。その結果、t<tg2が成立すると判別された場合は、上記ステップ84の処理が繰り返し実行される。
【0035】
一方、上記ステップ84において第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に向けた電流が流れなくなり、I(D)<Ithが成立すると判別された場合は、次にステップ86の処理が実行される。そして、ステップ86では、上記のフラグflgを“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ86の処理が実行されると、次に上記のステップ88の処理が実行される。
【0036】
また、ステップ88において、上記の経過時間tが第2設定時間tg2に達することによりt<tg2が成立しないと判別された場合は、次にステップ90の処理が実行される。ステップ90では、上記のフラグflgが“1”にセットされているか否かが判別される。かかる処理時点でフラグflgが“0”にリセットされているときは、第1のMOSFET222のオフデューティ期間(tg2)中に第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に向けた電流が流れないときがあったと判断できるので、かかる否定判定がなされた場合は、ソフトスタート制御の実行を継続すべく、次に上記ステップ72の処理が繰り返し実行される。一方、本ステップ90の処理時点でフラグflgが“1”にセットされているときは、第1のMOSFET22のオフデューティ期間(tg2)中に第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に向けた電流が継続して流れていたと判断できるので、かかる肯定判定がなされた場合は、次にステップ92の処理が実行される。
【0037】
ステップ92では、ソフトスタート制御を終了し、通常どおりの同期整流制御、すなわち、第1のMOSFET22を所望のデューティ比でオンオフ駆動させつつかつ第2のMOSFET24を第1のMOSFET22に対して反転動作させる制御を開始する処理が実行される。本ステップ92の処理が終了すると、今回の処理は終了される。
【0038】
このような降圧型のDC−DCコンバータ10を搭載するシステムによれば、動作開始後、ソフトスタート制御から同期整流制御への切り替えを、出力側の充放電手段14から第2のMOSFET24へ過電流を流すことなく適切に実現することができ、ソフトスタート制御の実行中に第2のMOSFET24へ過電流が流れるのを防止することができる。
【0039】
また、本実施例のシステムにおいて、動作開始後、ソフトスタート制御を解除・終了させて同期整流制御を開始させるためには、第2のMOSFET24に流れるボディダイオード28の順方向への電流が第1のMOSFET22のオフデューティ期間中継続して所定値以上であることが必要であるが、この電流検出は、半導体スイッチング素子である第2のMOSFET24の構造上ドレイン−ソース間に必然的に形成されるボディダイオード28の両端に生ずる電圧に基づいて行われる。
【0040】
このため、本実施例の構成によれば、DC−DCコンバータ10でのソフトスタート制御の終了を判断するための電流検出を行ううえで、シャント抵抗などの専用部品を経路上に別途設けることは不要であり、これにより、DC−DCコンバータ10における部品点数の削減を図り、製造コストの低減や小型・軽量化,省スペース化を図ることが可能であると共に、シャント抵抗の存在による電力ロスの発生を抑えることが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、DC−DCコンバータ10の動作開始後におけるソフトスタート制御の解除・終了を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることが可能となっている。
【0041】
尚、上記の第1実施例においては、一対のスイッチング素子20並びに第1のMOSFET22及び第2のMOSFET24が特許請求の範囲に記載した「一対のスイッチング素子」に、第1のMOSFET22が特許請求の範囲に記載した「一方のスイッチング素子」に、第2のMOSFET24が特許請求の範囲に記載した「他方のスイッチング素子」に、それぞれ相当している。
【0042】
また、上記の第1実施例においては、制御部30が、DC−DCコンバータ10について同期整流制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「通常制御実行手段」が、ソフトスタート制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御実行手段」が、電流センサ32を用いて第2のMOSFET24のドレイン−ソース間にボディダイオード28の順方向に流れる電流を検出することにより特許請求の範囲に記載した「電流検出手段」が、ソフトスタート制御の実行中において第1のMOSFET22のオフデューティ期間中に第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合にソフトスタート制御を終了することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御終了手段」が、それぞれ実現されている。
【0043】
ところで、上記の第1実施例においては、ソフトスタート制御を、第1のMOSFET22のオンデューティ期間を徐々に増加させると共に、第2のMOSFET24をオフ状態に維持させるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図4に示す如く、第1のMOSFET22のオフデューティ期間中、第2のMOSFET24に流れるボディダイオード28の順方向の電流が所定値以上であるときはその第2のMOSFET24をオンにし、その電流が所定値未満となった時点でその第2のMOSFET24をオフにするものとしてもよい。この場合、上記図3に示すルーチン中ステップ82において第1のMOSFET22をオフ状態にするのに加えて、第2のMOSFET24をオン状態にする処理が実行されると共に、ステップ86においてフラグflgを“0”にリセットするのに加えて、第2のMOSFET24をオフ状態にする処理が実行される。
【0044】
かかる構成によれば、ソフトスタート制御の実行中に第2のMOSFET24がオン状態とされても、そのオン状態はボディダイオード28の順方向に電流が流れているときにのみ実現されるので、出力側の充放電手段14からその第2のMOSFET24に過電流が流れ込むことは回避される。従って、この変形例においても、ソフトスタート制御の実行中に第2のMOSFET24に過電流が流れるのを防止できる。
【0045】
また、上記の第1実施例においては、電流センサ32を用いて第2のMOSFET24のドレイン−ソース間に生ずる電位差を検出することによりその第2のMOSFET24に流れる電流を検出し、その電流がボディダイオード28の順方向に向けて所定値以上であるか否かを判別することとしているが、この電流センサ32を、図5に示す如く、第2のMOSFET24のドレイン端子及びソース端子すなわちボディダイオード28の両端子を反転入力端子及び非反転入力端子に接続したコンパレータ40を設けたものとしてもよい。この場合、コンパレータ40は、第2のMOSFET24のドレイン−ソース間に生ずる電位差に応じて信号を出力し、コイル18と第1のMOSFET22と第2のMOSFET24との接続点の電圧が接地電圧よりも高い場合にオン信号を出力する。制御部30は、ソフトスタート制御の実行中における第1のMOSFET22のオフデューティ期間中に、コンパレータ40からオン信号が供給されたときは、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れないときがあったとして、ソフトスタート制御の実行を継続する一方、コンパレータ40からオン信号が全く供給されなくなったときは、その期間中継続して第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れたとして、ソフトスタート制御の実行を解除・終了することとなる。
【0046】
また、上記の実施例においては、第2のMOSFET24を、ドレイン−ソース間にボディダイオード28を形成させるものとしたが、この第2のMOSFET24を、図6に示す如く、ボディダイオード28のカソード端子を抵抗50を介して接地させたセンスダイオードとしてもよい。この場合には、電流センサ32として、抵抗50の両端子を反転入力端子及び非反転入力端子に接続したコンパレータ52を設け、このコンパレータ52は、抵抗50の両端間に生ずる電位差に応じて信号を出力し、ボディダイオード28のカソード端子の電圧が接地電圧よりも高い場合にオン信号を出力する。制御部30は、ソフトスタート制御の実行中における第1のMOSFET22のオフデューティ期間中に、コンパレータ52からオン信号が供給されたときは、第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れないときがあったとして、ソフトスタート制御の実行を継続する一方、コンパレータ40からオン信号が全く供給されなくなったときは、その期間中継続して第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に電流が流れたとして、ソフトスタート制御の実行を解除・終了することとなる。
【0047】
更に、同様に、図7に示す如く、第2のMOSFET24をそのドレインに共通に接続する第3のMOSFET60と共に一対のセンスMOS62として構成することとしてもよい。かかる構成においては、第3のMOSFET60が、第2のMOSFET24と同一の基板上に形成され、第2のMOSFET24に対して所定の分流比となるように所定の面積比に設定されることとなり、第2のMOSFET24に流れる電流が増減変化したときに、その変化と同等の比率で第3のMOSFET60に流れる電流も増減変化することとなる。この場合には、電流センサ32として、第3のMOSFET60にそのボディダイオード64の順方向に流れる電流を検出する構成を設けると共に、制御部30がその電流センサ32を用いて間接的に第2のMOSFET24にボディダイオード28の順方向に流れる電流を検出するものとすればよい。
【実施例2】
【0048】
図8は、本発明の第2実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図を示す。図8に示す如く、本実施例のDC−DCコンバータ100は、2つの充放電手段102,104の間に設けられており、入力側の充放電手段102から出力側の充放電手段104へ直流電力を昇圧して供給する直流−直流電圧変換器である。充放電手段102,104は、第1実施例の充放電手段12,14と同様に、車両の有する発電機などで生成された電力を蓄えるキャパシタや例えば12ボルトや300ボルトなどの電圧を有するバッテリであり、車両のヘッドライトやエアコン等の補機の駆動に利用される。
【0049】
DC−DCコンバータ100は、上記した2つの充放電手段102,104の間に設けられたリアクタンスLのコイル108と、半導体から構成された一対のスイッチング素子110と、を備えている。一対のスイッチング素子110は、直列接続された第1のMOSFET112及び第2のMOSFET114からなり、第1のMOSFET112は、その一端がコイル108の一端に接続されかつ他端が接地され、第2のMOSFET114は、その一端が出力側充放電手段104に接続されかつ他端がコイル108の一端に接続されたものとなっている。すなわち、コイル108の一端は、第1のMOSFET112と第2のMOSFET114との接続点に接続されている。また、コイル108の他端は、入力側充放電手段102に接続されている。
【0050】
第1のMOSFET112にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード116が、また、第2のMOSFET114にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード118が、それぞれ形成されている。ボディダイオード116は、接地側からコイル108の一端側及び第2のMOSFET114側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。また、ボディダイオード118は、コイル108の一端側及び第1のMOSFET112側から充放電手段104へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。
【0051】
第1のMOSFET112及び第2のMOSFET114の各ゲートにはそれぞれ、それらのMOSFET112,114をスイッチング駆動する制御部120が接続されている。制御部120は、第1のMOSFET112及び第2のMOSFET114それぞれをオンオフ駆動するドライバを有しており、後に詳述する如く、適宜DC−DCコンバータ100のスイッチングを制御して充放電手段102から充放電手段104への昇圧変換を実施させる。
【0052】
制御部120には、第2のMOSFET114のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ122が接続されている。電流センサ122は、第2のMOSFET114のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード118のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部120へ向けて出力する。制御部120は、電流センサ122から供給される各電圧に基づいて、第2のMOSFET114にボディダイオード118の順方向に流れる電流を検出する。
【0053】
次に、本実施例のDC−DCコンバータ100の動作について説明する。本実施例において、制御部120は、DC−DCコンバータ100の動作開始後、定常時には、第1及び第2のMOSFET112,114を互いに反転動作させてオンオフのデューティ駆動を行う。すなわち、一方をオン駆動させるときは他方をオフ駆動させ、一方をオフ駆動させるときは他方をオン駆動させ、そして、そのオン・オフを所定周期で繰り返す同期整流制御を実行する。尚、上記したMOSFET112,114のオンオフの切り替え時には、両MOSFET112,114が共にオン状態とならないようにデッドタイムを設けることとしてもよい。
【0054】
同期整流制御の実行時において、制御部120は、第1のMOSFET112に対するデューティ比γについて出力側充放電手段104の電圧と入力側充放電手段102の電圧との比が1/(1−γ)となる条件が満たされるようにDC−DCコンバータ100の制御を行う。このような同期整流制御によれば、DC−DCコンバータ100の動作開始後の定常時において、スイッチング制御によって入力側充放電手段102の電圧を所望のとおり昇圧し、そして、入力側充放電手段102の有する電力を出力側充放電手段104に供給することが可能となる。
【0055】
また、制御部120は、DC−DCコンバータ100の動作開始直後は、上記した同期整流制御に先立って、第1のMOSFET112に対するデューティ比が、上記した条件を満たすものよりも小さいもの(例えばゼロ)からスタートされ、その後徐々に増大し、かつ、その第1のMOSFET112のオンデューティ期間を徐々に増加していく過程で第2のMOSFET114をオフ状態に維持させるDC−DCコンバータ100のソフトスタート制御を実行する。この場合、第1のMOSFET112のオンデューティ期間は、定常時におけるものよりも短いものからスタートされ、その後は徐々に増加されることとなる。
【0056】
このようなソフトスタート制御によれば、第1のMOSFET112のオンデューティ時間が動作開始直後に非常に短いものから増加していくときにも、同期整流制御時において第1のMOSFET112に対して反転動作する第2のMOSFET114のオンデューティ時間が非常に長いものからスタートすることはない。このため、動作開始時に第2のMOSFET114がオン状態になることによって出力側の充放電手段104から第2のMOSFET114側へ大きな電流(過電流)が流れることは回避され、第2のMOSFET114が過電流の流通によって破壊されることは防止される。
【0057】
制御部120は、上記したソフトスタート制御を開始した後、そのソフトスタート制御の実行中において、電流センサ122の出力信号に基づいて第2のMOSFET114にボディダイオード118の順方向に流れる電流を検出し、その電流値が所定値以上であるか否かを判別する。尚、この所定値は、ボディダイオード118の順方向を正方向としてゼロ以上に設定された値である。そして、ソフトスタート制御の実行中、第1のMOSFET112のデューティをオフにしているときに、そのオフデューティ期間継続して第2のMOSFET114にボディダイオード118の順方向に流れる電流値がゼロ以上に設定された所定値以上にあるか否かを判別する。
【0058】
その結果、否定判定を行った場合は、以後もソフトスタート制御の実行を継続する一方、肯定判定を行った場合は、その時点でソフトスタート制御を解除・終了させて、通常どおりの同期整流制御、すなわち、第1のMOSFET112を所望のデューティ比でオンオフ駆動させかつ第2のMOSFET114を第1のMOSFET112に対して反転動作させる処理の実行へ移行させる。この場合には、次以降の第1のMOSFET112のオフデューティ期間中は第2のMOSFET114がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行される。
【0059】
このような昇圧型のDC−DCコンバータ100を搭載するシステムによれば、動作開始後、ソフトスタート制御から同期整流制御への切り替えを、出力側の充放電手段104から第2のMOSFET114へ過電流を流すことなく適切に実現することができ、ソフトスタート制御の実行中に第2のMOSFET114へ過電流が流れるのを防止することができる。
【0060】
また、本実施例のシステムにおいて、動作開始後、ソフトスタート制御を解除・終了させて同期整流制御を開始させるためには、第2のMOSFET114に流れるボディダイオード118の順方向への電流が第1のMOSFET112のオフデューティ期間中継続して所定値以上であることが必要であるが、この電流検出は、半導体スイッチング素子である第2のMOSFET114の構造上ドレイン−ソース間に必然的に形成されるボディダイオード118の両端に生ずる電圧に基づいて行われる。
【0061】
このため、本実施例の構成においても、上記第1実施例の構成と同様に、DC−DCコンバータ100でのソフトスタート制御の終了を判断するための電流検出を行ううえで、シャント抵抗などの専用部品を経路上に別途設けることは不要であり、これにより、DC−DCコンバータ100における部品点数の削減を図り、製造コストの低減や小型・軽量化,省スペース化を図ることが可能であると共に、シャント抵抗の存在による電力ロスの発生を抑えることが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、DC−DCコンバータ10の動作開始後におけるソフトスタート制御の解除・終了を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることが可能となっている。
【0062】
尚、上記の第2実施例においては、一対のスイッチング素子110並びに第1のMOSFET112及び第2のMOSFET114が特許請求の範囲に記載した「一対のスイッチング素子」に、第1のMOSFET112が特許請求の範囲に記載した「一方のスイッチング素子」に、第2のMOSFET114が特許請求の範囲に記載した「他方のスイッチング素子」に、それぞれ相当している。
【0063】
また、上記の第2実施例においては、制御部120が、DC−DCコンバータ100について同期整流制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「通常制御実行手段」が、ソフトスタート制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御実行手段」が、電流センサ122を用いて第2のMOSFET114のドレイン−ソース間にボディダイオード118の順方向に流れる電流を検出することにより特許請求の範囲に記載した「電流検出手段」が、ソフトスタート制御の実行中において第1のMOSFET112のオフデューティ期間中に第2のMOSFET114にボディダイオード118の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合にソフトスタート制御を終了することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御終了手段」が、それぞれ実現されている。
【実施例3】
【0064】
図9は、本発明の第3実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図を示す。図9に示す如く、本実施例のDC−DCコンバータ200は、2つの充放電手段202,204の間に設けられており、充放電手段202と充放電手段104との間で直流電力を昇圧又は降圧して供給する双方向の直流−直流電圧変換器である。充放電手段202,204は、第1実施例の充放電手段12,14と同様に、車両の有する発電機などで生成された電力を蓄えるキャパシタや例えば12ボルトや300ボルトなどの電圧を有するバッテリであり、車両のヘッドライトやエアコン等の補機の駆動に利用される。
【0065】
DC−DCコンバータ200は、上記した2つの充放電手段202,204の間に設けられたリアクタンスLのコイル208と、半導体から構成された4つのスイッチング素子である第1〜第4のMOSFET211〜214と、を備えている。第1のMOSFET211は、その一端が充放電手段202に接続されかつ他端がコイル208の一端に接続され、第2のMOSFET212は、その一端がコイル208の一端に接続されかつ他端が接地され、第3のMOSFET213は、その一端が充放電手段204に接続され他端がコイル208の他端に接続され、また、第4のMOSFET214は、その一端がコイル208の他端に接続されかつ他端が接地されたものとなっている。すなわち、コイル208は、その一端が第1のMOSFET211と第2のMOSFET212との接続点に接続されかつ他端が第3のMOSFET213と第4のMOSFET214との接続点に接続されたものとなっている。
【0066】
第1のMOSFET211にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード216が、第2のMOSFET212にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード217が、第3のMOSFET213にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード218が、第4のMOSFET214にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード219が、それぞれ形成されている。ボディダイオード216はコイル208の一端側及び第2のMOSFET212側から充放電手段202へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、ボディダイオード217は接地側からコイル208の一端側及び第1のMOSFET211側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、ボディダイオード218はコイル208の他端側及び第4のMOSFET214側から充放電手段204へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、また、ボディダイオード219は接地側からコイル208の他端側及び第3のMOSFET213側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。
【0067】
第1及び第4のMOSFET211〜214の各ゲートにはそれぞれ、それらのMOSFET211〜214をスイッチング駆動する制御部220が接続されている。制御部220は、第1〜第4のMOSFET211〜214それぞれをオンオフ駆動するドライバを有しており、後に詳述する如く、適宜DC−DCコンバータ200のスイッチングを制御して充放電手段202と充放電手段204との間で降圧変換及び昇圧変換を双方向に実施させる。
【0068】
制御部220には、第1のMOSFET211のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ221、第2のMOSFET212のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ222、及び、第3のMOSFET213のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ223、第4のMOSFET214のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ224が接続されている。電流センサ221は、第1のMOSFET211のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード216のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部220へ向けて出力する。電流センサ222は、第2のMOSFET212のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード217のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部220へ向けて出力する。電流センサ223は、第3のMOSFET213のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード218のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部220へ向けて出力する。また、電流センサ224は、第4のMOSFET214のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード219のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部220へ向けて出力する。制御部220は、電流センサ221から供給される各電圧に基づいて第1のMOSFET211にボディダイオード216の順方向に流れる電流を検出すると共に、同様に、電流センサ222〜224から供給される各電圧に基づいて第2のMOSFET212〜第4のMOSFET214にボディダイオード217〜219の順方向に流れる電流をそれぞれ検出する。
【0069】
次に、本実施例のDC−DCコンバータ200の動作について説明する。本実施例において、制御部220は、DC−DCコンバータ200を用いて充放電手段202から充放電手段204への電力供給を行う動作開始後、定常時の降圧時には、まず、第3のMOSFET213をオン状態にかつ第4のMOSFET214をオフ状態に固定した上で、次に、第1のMOSFET211と第2のMOSFET212とを互いに反転動作させてオンオフのデューティ駆動を行う同期整流制御を実行する。また、定常時の昇圧時には、まず、第1のMOSFET211をオン状態にかつ第2のMOSFET212をオフ状態に固定した上で、次に、第3のMOSFET213と第4のMOSFET214とを互いに反転動作させてオンオフのデューティ駆動を行う同期整流制御を実行する。
【0070】
制御部220は、降圧時は、第1のMOSFET211に対するデューティ比γが充放電手段204の電圧と充放電手段202の電圧との比になるように、また昇圧時は、第4のMOSFET214に対するデューティ比γについて充放電手段204の電圧と充放電手段202の電圧との比が1/(1−γ)となる条件が満たされるようにDC−DCコンバータ200の制御を行う。このような同期整流制御によれば、DC−DCコンバータ200の動作開始後の定常時において、スイッチング制御によって充放電手段202の電圧を所望のとおり降圧或いは昇圧し、そして、充放電手段202の有する電力を充放電手段204に供給することが可能となる。
【0071】
また、制御部220は、上記したDC−DCコンバータ200の動作開始直後、同期整流制御に先立って、降圧時は、第1のMOSFET211に対するデューティ比を、上記した条件を満たすものよりも小さいもの(例えばゼロ)からスタートし、その後徐々に増大し、かつその第1のMOSFET211のオンデューティ期間を徐々に増加していく過程で第2のMOSFET212をオフ状態に維持させる、また昇圧時は、第4のMOSFET214に対するデューティ比を、上記した条件を満たすものよりも小さいもの(例えばゼロ)からスタートし、その後徐々に増大し、かつその第4のMOSFET211のオンデューティ期間を徐々に増加していく過程で第3のMOSFET213をオフ状態に維持させるDC−DCコンバータ200のソフトスタート制御を実行する。
【0072】
このようなソフトスタート制御によれば、降圧時は第1のMOSFET211のオンデューティ時間が、また昇圧時は第4のMOSFETのオンデューティ期間が動作開始直後に非常に短いものから増加していくときにも、同期整流制御時において第1のMOSFET211に対して反転動作する第2のMOSFET212のオンデューティ時間や、第4のMOSFET214に対して反転動作する第3のMOSFET213のオンデューティ時間が非常に長いものからスタートすることはない。このため、充放電手段202から充放電手段204への電力供給を行う動作開始時に、降圧時は第2のMOSFET212が、昇圧時は第3のMOSFET213がオン状態になることによって充放電手段204から過電流が流れることは回避され、第2及び第3のMOSFET212,213が過電流の流通によって破壊されることは防止される。
【0073】
制御部220は、上記したソフトスタート制御を開始した後、そのソフトスタート制御の実行中において、降圧時は電流センサ222の出力信号に基づいて第2のMOSFET212にボディダイオード217の順方向に流れる電流を検出し、その電流値が所定値以上であるか否かを判別する。尚、この所定値は、ボディダイオード217の順方向を正方向としてゼロ以上に設定された値である。そして、ソフトスタート制御の実行中、第1のMOSFET211のデューティをオフにしているときに、そのオフデューティ期間継続して第2のMOSFET212にボディダイオード217の順方向に流れる電流値がゼロ以上に設定された所定値以上にあるか否かを判別する。その結果、否定判定を行った場合は、以後もソフトスタート制御の実行を継続する一方、肯定判定を行った場合は、その時点でソフトスタート制御を解除・終了させて、通常どおりの同期整流制御を実行させる。この場合には、次以降の第1のMOSFET211のオフデューティ期間中は第2のMOSFET212がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行される。
【0074】
また、昇圧時は、電流センサ223の出力信号に基づいて第3のMOSFET213にボディダイオード218の順方向に流れる電流を検出することにより、上記した降圧時と同様の手法で、ソフトスタート制御の実行継続や解除・終了についての判別を行う。そして、ソフトスタート制御の解除・終了条件が成立した場合は、次以降の第4のMOSFET214のオフデューティ期間中は第3のMOSFET213がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行される。
【0075】
尚、逆に、DC−DCコンバータ200を用いて充放電手段204から充放電手段202への電力供給を行う場合にも同様の処理を行う。このため、充放電手段204から充放電手段202への電力供給を行う際、同期整流制御によれば、その動作開始後の定常時において、スイッチング制御によって充放電手段204の電圧を所望のとおり降圧或いは昇圧し、そして、充放電手段204の有する電力を充放電手段202に供給することが可能となり、また、ソフトスタート制御によれば、降圧時は第1のMOSFET211がオン状態になることによって、また昇圧時は第4のMOSFET214がオン状態になることによって充放電手段202からの過電流は回避されるため、第1及び第4のMOSFET211,214が過電流の流通によって破壊されることは防止される。
【0076】
また、DC−DCコンバータ200を用いて充放電手段204から充放電手段202への電力供給を行う状況では、ソフトスタート制御の実行中、降圧時は電流センサ224の出力信号に基づいて第4のMOSFET214にボディダイオード219の順方向に流れる電流を検出し、その電流値が所定値以上であるか否かを判別する。そして、ソフトスタート制御の実行中、第3のMOSFET213のデューティをオフにしているときに、そのオフデューティ期間継続して第4のMOSFET214にボディダイオード219の順方向に流れる電流値がゼロ以上に設定された所定値以上にあるか否かを判別する。その結果、否定判定を行った場合は、以後もソフトスタート制御の実行を継続する一方、肯定判定を行った場合は、その時点でソフトスタート制御を解除・終了させて、通常どおりの同期整流制御を実行させる。この場合には、次以降の第3のMOSFET213のオフデューティ期間中は第4のMOSFET214がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行される。
【0077】
また、昇圧時は、電流センサ221の出力信号に基づいて第1のMOSFET211にボディダイオード216の順方向に流れる電流を検出することにより、上記した降圧時と同様の手法で、ソフトスタート制御の実行継続や解除・終了についての判別を行う。そして、ソフトスタート制御の解除・終了条件が成立した場合は、次以降の第2のMOSFET212のオフデューティ期間中は第1のMOSFET211がデューティオン状態とされて、同期整流制御が実行される。
【0078】
このように昇降圧型のDC−DCコンバータ200を搭載するシステムによれば、DC−DCコンバータ200でのソフトスタート制御の終了を判断するための電流検出を行ううえで、シャント抵抗などの専用部品を経路上に別途設けることは不要であり、これにより、DC−DCコンバータ200における部品点数の削減を図り、製造コストの低減や小型・軽量化,省スペース化を図ることが可能であると共に、シャント抵抗の存在による電力ロスの発生を抑えることが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、DC−DCコンバータ200の動作開始後におけるソフトスタート制御の解除・終了を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることが可能となっている。
【0079】
尚、上記の第3実施例においては、第1のMOSFET211及び第2のMOSFET212又は第3のMOSFET213及び第4のMOSFET214が特許請求の範囲に記載した「一対のスイッチング素子」に、充放電手段202から充放電手段204への降圧時には第1のMOSFET211が、昇圧時には第4のMOSFET214が、充放電手段204から充放電手段202への降圧時には第3のMOSFET213が、昇圧時には第2のMOSFET212が、特許請求の範囲に記載した「一方のスイッチング素子」に、充放電手段202から充放電手段204への降圧時には第2のMOSFET212が、昇圧時には第3のMOSFET213が、充放電手段204から充放電手段202への降圧時には第4のMOSFET214が、昇圧時には第1のMOSFET211が、特許請求の範囲に記載した「他方のスイッチング素子」に、それぞれ相当している。
【0080】
また、上記の第3実施例においては、制御部220が、DC−DCコンバータ200について同期整流制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「通常制御実行手段」が、ソフトスタート制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御実行手段」が、電流センサ221〜224を用いて第1〜第4のMOSFET211〜214のドレイン−ソース間にボディダイオード216〜219の順方向に流れる電流を検出することにより特許請求の範囲に記載した「電流検出手段」が、ソフトスタート制御の実行中において第1のMOSFET211のオフデューティ期間中に第2のMOSFET212にボディダイオード217の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合、第2のMOSFET212のオフデューティ期間中に第1のMOSFET211にボディダイオード216の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合、第3のMOSFET213のオフデューティ期間中に第4のMOSFET214にボディダイオード219の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合、又は第4のMOSFET214のオフデューティ期間中に第3のMOSFET213にボディダイオード218の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合にソフトスタート制御を終了することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御終了手段」が、それぞれ実現されている。
【実施例4】
【0081】
図10は、本発明の第4実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図を示す。図10に示す如く、本実施例のDC−DCコンバータ300は、2つの充放電手段302,304の間に設けられており、入力側の充放電手段302から出力側の充放電手段304へ直流電力を降圧して供給する2フェーズのマルチフェーズ型直流−直流電圧変換器である。充放電手段302,304は、第1実施例の充放電手段12,14と同様に、車両の有する発電機などで生成された電力を蓄えるキャパシタや例えば12ボルトや300ボルトなどの電圧を有するバッテリであり、車両のヘッドライトやエアコン等の補機の駆動に利用される。
【0082】
DC−DCコンバータ300は、上記した2つの充放電手段302,304の間に設けられたリアクタンスLのコイル308,310と、半導体から構成された4つのスイッチング素子である第1〜第4のMOSFET311〜314と、を備えている。第1のMOSFET311はその一端が入力側充放電手段302に接続されかつ他端がコイル308の一端に接続され、第2のMOSFET312はその一端がコイル308の一端に接続されかつ他端が接地され、第3のMOSFET313はその一端が入力側充放電手段302に接続されかつ他端がコイル310の一端に接続され、また、第4のMOSFET314はその一端がコイル310の一端に接続されかつ他端が接地されたものとなっている。すなわち、コイル308の一端は第1のMOSFET311と第2のMOSFET312との接続点に接続され、コイル310の一端は第3のMOSFET313と第4のMOSFET314との接続点に接続されている。また、コイル308の他端及びコイル310の他端は共に、出力側充放電手段304に接続されている。
【0083】
第1のMOSFET311にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード316が、第2のMOSFET312にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード317が、第3のMOSFET313にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード318が、第4のMOSFET314にはそのソース−ドレイン間にボディダイオード319が、それぞれ形成されている。ボディダイオード316はコイル308の一端側及び第2のMOSFET312側から充放電手段302へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、ボディダイオード317は接地側からコイル308の一端側及び第1のMOSFET311側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、ボディダイオード318はコイル310の他端側及び第4のMOSFET314側から充放電手段302へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードであり、また、ボディダイオード319は接地側からコイル310の他端側及び第3のMOSFET313側へ向かう方向を順方向とする寄生ダイオードである。
【0084】
第1及び第4のMOSFET311〜314の各ゲートにはそれぞれ、それらのMOSFET311〜314をスイッチング駆動する制御部320が接続されている。制御部320は、第1〜第4のMOSFET311〜314それぞれをオンオフ駆動するドライバを有しており、後に詳述する如く、適宜DC−DCコンバータ300のスイッチングを制御して充放電手段302から充放電手段304への降圧変換を実施させる。
【0085】
制御部320には、第2のMOSFET312のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ322、及び、第4のMOSFET314のドレイン−ソース間に流れる電流を検出するための電流センサ324が接続されている。電流センサ322は、第2のMOSFET312のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード317のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部320へ向けて出力する。また、電流センサ324は、第4のMOSFET314のドレイン電圧及びソース電圧すなわちボディダイオード319のアノード端子及びカソード端子の各電圧を制御部320へ向けて出力する。制御部320は、電流センサ322から供給される各電圧に基づいて第2のMOSFET312にボディダイオード317の順方向に流れる電流を検出すると共に、電流センサ324から供給される各電圧に基づいて第4のMOSFET314にボディダイオード319の順方向に流れる電流を検出する。
【0086】
本実施例において、制御部320は、コイル308並びに第1及び第2のMOSFET311,312側と、コイル310並びに第3及び第4のMOSFET313,314側とに対して互いに位相をずらしつつ、上記第1実施例と同様の処理を実行し、同期整流制御及びソフトスタート制御を行う。従って、本実施例のシステムにおいては、DC−DCコンバータ300の動作開始後、ソフトスタート制御から同期整流制御への切り替えを、出力側の充放電手段304から第2及び第4のMOSFET312,314へ過電流を流すことなく適切に実現することができ、ソフトスタート制御の実行中に第2及び第4のMOSFET312,314へ過電流が流れるのを防止することができると共に、更には、スイッチング周波数を2倍に上げたのと同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、このシステムにおいて、DC−DCコンバータ300の動作開始後、ソフトスタート制御を解除・終了させて同期整流制御を開始させるためには、第2及び第4のMOSFET312,314に流れるボディダイオード317,319の順方向への電流が第1及び第3のMOSFET311,313のオフデューティ期間中継続して所定値以上であることが必要であるが、この電流検出は、半導体スイッチング素子である第2及び第4のMOSFET312,314の構造上ドレイン−ソース間に必然的に形成されるボディダイオード317,319の両端に生ずる電圧に基づいて行われる。このため、本実施例の構成によれば、DC−DCコンバータ300でのソフトスタート制御の終了を判断するための電流検出を行ううえで、シャント抵抗などの専用部品を経路上に別途設けることは不要であり、これにより、DC−DCコンバータ300における部品点数の削減を図り、製造コストの低減や小型・軽量化,省スペース化を図ることが可能であると共に、シャント抵抗の存在による電力ロスの発生を抑えることが可能である。従って、本実施例のシステムにおいても、DC−DCコンバータ300の動作開始後におけるソフトスタート制御の解除・終了を、電流検出専用の部品を別途に設けることなく適切に実現させることが可能となっている。
【0088】
尚、上記の第4実施例においては、第1のMOSFET311及び第2のMOSFET312並びに第3のMOSFET313及び第4のMOSFET314が特許請求の範囲に記載した「一対のスイッチング素子」に、第1のMOSFET311及び第3のMOSFET313が特許請求の範囲に記載した「一方のスイッチング素子」に、第2のMOSFET312及び第4のMOSFET314が特許請求の範囲に記載した「他方のスイッチング素子」に、それぞれ相当している。
【0089】
また、上記の第4実施例においては、制御部320が、DC−DCコンバータ300について同期整流制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「通常制御実行手段」が、ソフトスタート制御を実行することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御実行手段」が、電流センサ322,324を用いて第2及び第4のMOSFET312,314のドレイン−ソース間にボディダイオード317,319の順方向に流れる電流を検出することにより特許請求の範囲に記載した「電流検出手段」が、ソフトスタート制御の実行中において第1及び第3のMOSFET311,313のオフデューティ期間中に第2及び第4のMOSFET312,314にボディダイオード317,319の順方向に流れる電流が所定値以上である状態が継続する場合にソフトスタート制御を終了することにより特許請求の範囲に記載した「ソフトスタート制御終了手段」が、それぞれ実現されている。
【0090】
ところで、上記の第4実施例においては、フェーズ数を2つにすることとしているが、3つ以上のフェーズ数としてもよい。また、マルチフェーズ型のDC−DCコンバータ300を降圧型のものとしたが、昇圧型や昇降圧型のDC−DCコンバータに適用することとしてもよい。
【0091】
また、上記の第2〜第4実施例においても、上記の第1実施例と同様に、電流センサやスイッチング素子であるMOSFETに図5乃至図7に示す構成を適用することとしてもよい。
【0092】
更に、上記の第2〜第4実施例においても、ソフトスタート制御を、一方のMOSFETのオンデューティ期間を徐々に増加させると共に、そのMOSFETのオフデューティ期間中、他方のMOSFETに流れるボディダイオードの順方向の電流が所定値未満であるときはその他方のMOSFETをオフし、一方、その電流が所定値以上であるときはその他方のMOSFETをオンにするものとしてもよい。かかる構成においても、ソフトスタート制御の実行中、一方のMOSFETのオフデューティ期間中に他方のMOSFETがオン状態とされても、そのオン状態はボディダイオードの順方向に電流が流れているときにのみ実現されるので、充放電手段からその他方のMOSFETに過電流が流れ込むことは回避されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図2】本実施例のDC−DCコンバータの動作タイミングチャートである。
【図3】本実施例において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図4】本発明の変形例であるDC−DCコンバータの動作タイミングチャートである。
【図5】本発明の変形例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図6】本発明の変形例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図7】本発明の変形例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図8】本発明の第2実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図9】本発明の第3実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【図10】本発明の第4実施例であるDC−DCコンバータの制御装置を備えるシステムの構成図である。
【符号の説明】
【0094】
10,100,200,300 DC−DCコンバータ
12,14,102,104,202,204,302,304 充放電手段
18,108,208,308,310 コイル
20 一対のスイッチング素子
22,112,211,311 第1のMOSFET
24,114,212,312 第2のMOSFET
26,28,116,118,216〜219,316〜319 ボディダイオード
30,120,220,320 制御部
32,122,221,222,223,224,322,324 電流センサ
213,313 第3のMOSFET
214,314 第4のMOSFET




 

 


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