米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 発電 -> トヨタ自動車株式会社

発明の名称 熱電発電装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6619(P2007−6619A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183863(P2005−183863)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
発明者 林 孝士 / 岩本 昭一
要約 課題
熱交換部材により回収された熱を十分に熱電変換部に伝達することができる熱電発電装置を提供する。

解決手段
熱電発電装置3は、エキゾーストマニホールド2からの排ガスの熱を回収する熱交換部材11を備えている。熱交換部材11は、環状体13と、この環状体13と一体化され、排ガスの熱を吸熱するための複数の吸熱フィン14とを有している。環状体13の外側の面は、断面略六角形状に形成された6つの熱伝達面15とされている領域を有している。環状体13の内側の面は、断面円形状に形成されている。各吸熱フィン14は、熱伝達面15に対応する領域において、環状体13の内側の面から環状体13の中心に向けて延びている。環状体13の6つの熱伝達面15上には、熱交換部材11で回収された熱を電気に変換する熱電変換部18がそれぞれ配置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱媒体の熱を回収する熱交換部材と、前記熱交換部材により回収された熱を電気に変換する熱電変換部とを備えた熱電発電装置において、
前記熱交換部材は、環状を有する環状体と、前記環状体と一体化され、前記熱媒体の熱を吸熱するための複数の吸熱フィンとを有し、
前記環状体の外側の面は、実質的に断面多角形状に形成され、前記熱電変換部を配置させる複数の熱伝達面を構成する領域を有し、
前記環状体の内側の面は、断面円形状に形成されており、
前記各吸熱フィンは、前記環状体の内側の面から前記環状体の中心に向けて延びており、
前記熱電変換部は、前記熱伝達面上に設けられていることを特徴とする熱電発電装置。
【請求項2】
前記熱伝達面の幅寸法は、前記熱電変換部の幅寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の熱電発電装置。
【請求項3】
前記吸熱フィンよりも前記熱媒体の流れ方向の上流側位置には、前記熱媒体の流れを整えるための複数の整流フィンが配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱電発電装置。
【請求項4】
前記吸熱フィンにおける前記熱媒体の流れ方向の上流側端部には、前記吸熱フィンの他の部分よりも熱伝達率を低くする手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の熱電発電装置。
【請求項5】
前記熱交換部材の内側には、前記熱媒体のバイパス流路を形成する管状部材が配置されており、
前記管状部材は、接続手段を介して前記環状体と結合されており、
前記接続手段は、前記熱媒体の流れ方向に対する前記管状部材及び前記環状体の熱膨張を吸収するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の熱電発電装置。
【請求項6】
前記環状体には、前記環状体の外側の面に開口する溝部が前記熱電変換部に対応する部位を避けるように形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の熱電発電装置。
【請求項7】
前記環状体と前記熱電変換部との間には、前記熱交換部材により回収された熱を拡散させるための熱拡散部材が介在されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の熱電発電装置。
【請求項8】
前記熱拡散部材は、熱伝導性を有する金属体に焼きなましを施し、更に前記金属体の表面にメッキを施して形成されたものであることを特徴とする請求項7記載の熱電発電装置。
【請求項9】
前記熱電変換部は、収納ケースに覆われており、
前記熱拡散部材は、前記収納ケースの端部に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項7または8記載の熱電発電装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のエンジンから排出される排気ガス等の熱を利用して発電を行う熱電発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱電発電装置としては、例えば特許文献1に記載されている排熱エネルギー回収装置が知られている。この特許文献1に記載のものは、熱電変換モジュールと、この熱電変換モジュールの一面側に配置され、排気ガスの熱を回収する熱回収用導管部と、熱電変換モジュールの他面側に配置され、熱電変換モジュールを冷却する冷却水ジャケットとを備え、熱電変換モジュールの一面側と他面側との温度差に応じた熱電効果によって発電を行う。熱回収用導管部は、排気ガスとの接触面積を増大させるための複数のフィンを有している。
【特許文献1】特開平10−290590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術では、熱回収用導管部(熱交換部材)の各フィンは、多角形状や円形状の枠体に設けられている。しかし、そのような構造では、熱の影響を受けやすく、熱回収用導管部の熱変形が発生し、熱回収用導管部と熱電変換モジュール(熱電変換部)との密着性が低下してしまう。この場合には、大きな接触熱抵抗が発生するため、熱回収用導管部により回収された熱が十分に熱電変換モジュールに伝わらず、結果として発電効率が低下する。
【0004】
本発明の目的は、熱交換部材により回収された熱を十分に熱電変換部に伝達することができる熱電発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、熱媒体の熱を回収する熱交換部材と、熱交換部材により回収された熱を電気に変換する熱電変換部とを備えた熱電発電装置において、熱交換部材は、環状体と、環状体と一体化され、熱媒体の熱を吸熱するための複数の吸熱フィンとを有し、環状体の外側の面は、実質的に断面多角形状に形成され、熱電変換部を配置させる複数の熱伝達面を構成する領域を有し、環状体の内側の面は、断面円形状に形成されており、各吸熱フィンは、環状体の内側の面から環状体の中心に向けて延びており、熱電変換部は、熱伝達面上に設けられていることを特徴とするものである。なお、実質的に断面多角形状とは、完全に断面多角形状だけでなく、断面略多角形状も含むことを意味している。
【0006】
このような熱電発電装置では、バンド等により熱電変換部が熱交換部材に対して押し付けられる状態となる。このとき、熱交換部材における環状体の内側の面は断面円形状に形成されており、しかも環状体の内側の面からは複数の吸熱フィンが環状体の中心に向けて延びているので、環状体にかかる熱電変換部の押し付け荷重の応力が均一化されるようになる。このため、熱電変換部と環状体との密着性が良くなり、熱電変換部と環状体との間の接触熱抵抗が低減される。また、環状体の内側の面を断面円形状とすることで、環状体には、肉厚の厚い部分だけでなく肉厚の薄い部分も存在することになる。このため、環状体の軽量化が図られることに加え、環状体の熱伝導抵抗が低減される。これにより、熱交換部材により回収された熱が十分に熱電変換部に伝達されるようになる。
【0007】
好ましくは、熱伝達面の幅寸法は、熱電変換部の幅寸法よりも大きい。この場合には、熱電変換部の押し付け荷重は高剛性の環状体で受けることになるため、環状体が変形しにくくなる。また、熱伝達面の幅寸法が熱電変換部の幅寸法よりも大きい場合には、環状体における熱伝達面の両端部では、熱を伝えるべき熱電変換部が存在しないために熱がこもり、温度が高くなることがある。しかし、環状体の内側の面は断面円形状となっているので、熱伝達面の中心から端に向かうに従って、吸熱フィンから熱伝達面までの距離(熱伝搬距離)が長くなる。このため、環状体における熱伝達面の両端部の温度上昇が抑えられるので、熱伝達面の温度が均一化され、高温の熱による環状体の変形が起こりにくくなる。以上により、熱電変換部と環状体との密着性が更に良くなるため、熱交換部材により回収された熱がより十分に熱電変換部に伝達されるようになる。
【0008】
また、好ましくは、吸熱フィンよりも熱媒体の流れ方向の上流側位置には、熱媒体の流れを整えるための複数の整流フィンが配置されている。この場合には、熱媒体が吸熱フィンを通過する前に、予め複数の整流フィンにより熱媒体の流れが整流されることになるため、吸熱フィンにおける熱媒体の流れ方向の上流側端部での過大な吸熱が抑えられる。このため、吸熱フィンの当該上流側端部が極端に温度上昇することが避けられるので、環状体の局所的な変形が防止される。これにより、熱電変換部と環状体との密着性が更に良くなるため、熱交換部材により回収された熱がより十分に熱電変換部に伝達されるようになる。
【0009】
また、吸熱フィンにおける熱媒体の流れ方向の上流側端部には、吸熱フィンの他の部分よりも熱伝達率を低くする手段が設けられていても良い。この場合にも、吸熱フィンにおける熱媒体の流れ方向の上流側端部での過大な吸熱が抑えられるため、環状体の局所的な変形が防止される。これにより、熱電変換部と環状体との密着性が更に良くなるため、熱交換部材により回収された熱がより十分に熱電変換部に伝達されるようになる。なお、熱伝達率を低くする手段は、例えば吸熱フィンの端部に有する先細り構造や、吸熱フィンの端部に有するスリット構造等である。
【0010】
さらに、好ましくは、熱交換部材の内側には、熱媒体のバイパス流路を形成する管状部材が配置されており、管状部材は、接続手段を介して環状体と結合されており、接続手段は、熱媒体の流れ方向に対する管状部材及び環状体の熱膨張を吸収するように構成されている。例えば低負荷時には、熱媒体を管状部材の内部(バイパス流路)に流し、高負荷時には、熱媒体を吸熱フィンに対して流し、熱交換部材により熱媒体の熱を回収する。この高負荷時には、管状部材は、高温の熱媒体にさらされるため温度が高くなり、環状体は、熱電変換部に熱を奪われるため温度が低くなる。このため、管状部材と環状体とでは大きな温度差が生じるので、熱媒体の流れ方向に対する管状部材及び環状体の熱膨張量が相違する。しかし、その両者の熱膨張量の違いは、接続手段により吸収されるため、管状部材及び環状体に過大な熱応力が発生することは殆ど無い。これにより、管状部材及び環状体の破損等を確実に防止することができる。なお、接続手段は、例えばジャバラ構造やインロー差込み構造等である。
【0011】
また、好ましくは、環状体には、環状体の外側の面に開口する溝部が熱電変換部に対応する部位を避けるように形成されている。この場合には、熱交換部材により回収された熱は、溝部を避けて、環状体における熱伝達面の内側に流れるようになる。このため、環状体において熱を伝えるべき熱電変換部が存在しない部分の温度上昇が抑えられるので、熱伝達面の温度が均一化され、環状体の熱変形が起こりにくくなる。これにより、熱電変換部と環状体との密着性が更に良くなるため、熱交換部材により回収された熱がより十分に熱電変換部に伝達されるようになる。
【0012】
さらに、好ましくは、環状体と熱電変換部との間には、熱交換部材により回収された熱を拡散させるための熱拡散部材が介在されている。このような熱拡散部材を設けることにより、環状体の熱伝達面の温度が均一化されるため、環状体の熱変形が起こりにくくなる。これにより、熱電変換部と環状体との密着性が更に良くなるため、熱交換部材により回収された熱がより十分に熱電変換部に伝達されるようになる。
【0013】
このとき、熱拡散部材は、熱伝導性を有する金属体に焼きなましを施し、更に金属体の表面にメッキを施して形成されたものであるのが好ましい。金属体に焼きなましを施して熱拡散部材を形成することにより、熱拡散部材は、軟質性を有する部材となる。このため、熱拡散部材が環状体と熱電変換部との間に配置された状態では、熱拡散部材の表面に存在する微少な凹凸が環状体及び熱電変換部に吸収されるため、熱電変換部及び環状体と熱拡散部材とが十分に密着するようになる。このため、熱電変換部と環状体との間の接触熱抵抗がより低減される。また、熱拡散部材の表面にメッキを施すことにより、熱拡散部材の表面の酸化が防止される。
【0014】
また、熱電変換部は、収納ケースに覆われており、熱拡散部材は、収納ケースの端部に接触しないように構成されているのが好ましい。この場合には、熱拡散部材の熱膨張変形が収納ケースの側壁に作用しにくくなるため、熱拡散部材と熱電変換部との良好な密着性を保つことができる。また、熱拡散部材が収納ケースの端部に接触しないことで、収納ケースの側壁に熱が逃げにくくなるため、収納ケースによる熱ロスを低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、熱交換部材により回収された熱を十分に熱電変換部に伝達することができる。これにより、熱電発電装置の発電効率を向上させ、発電量を増大させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係わる熱電発電装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係わる熱電発電装置の一実施形態を備えた熱電発電システムを示す概略構成図である。同図において、熱電発電システム1は、自動車等の車両の排気系に配設されるものである。
【0018】
熱電発電システム1は、エンジンのエキゾーストマニホールド2と接続された高温用の熱電発電装置3と、この熱電発電装置3に排気管4及び触媒5を介して接続された低温用の熱電発電装置6とを備えている。熱電発電装置6における触媒5の反対側には、マフラー7が接続されている。熱電発電装置3,6は、エンジンから排出される排ガスの熱を利用して発電を行う装置である。熱電発電装置3は、熱回収流路8及びバイパス流路9を有している。熱電発電装置3よりも排ガス流れ方向の上流側位置には、熱回収流路8とバイパス流路9とを切り換える排ガス通路切換バルブ10が配置されている。
【0019】
低負荷運転時には、排ガス通路切換バルブ10によってバイパス流路9が選択される。この場合には、エンジンからの排ガスは、バイパス流路9を通り、更に触媒5を通過して熱電発電装置6に取り込まれる。そして、その排ガスの熱が熱電発電装置6により熱回収され、発電が行われる。一方、高負荷運転時には、排ガス通路切換バルブ10によって熱回収流路8が選択される。この場合には、エンジンからの排ガスが熱回収流路8を通り、排ガスの熱が熱電発電装置3により熱回収され、発電が行われる。この熱電発電装置3による熱回収は、触媒5の浄化温度を保持する範囲内で実行される。その後、残った排ガスが触媒5を通って熱電発電装置6に取り込まれ、その排ガスの熱が熱電発電装置6により熱回収される。熱電発電装置3,6により得られた電気は、図示はしないが、DC−DCコンバータで電圧変換された後、バッテリー等に蓄えられる。
【0020】
図2は、本発明に係わる熱電発電装置の一実施形態である上記の熱電発電装置3の具体的構造を示す断面図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。
【0021】
各図において、熱電発電装置3は、エキゾーストマニホールド2及び排気管4との間に配置され、エキゾーストマニホールド2からの排ガスの熱を回収する熱交換部材11と、この熱交換部材11の内側に配置された管状部材12とを備えている。熱交換部材11は、エキゾーストマニホールド2及び排気管4に溶接等により結合されている。管状部材12の外周面と熱交換部材11とで形成される空間は、上記の熱回収流路8を構成し、管状部材12の内部空間は、上記のバイパス流路9を構成している。
【0022】
熱交換部材11は、環状体13と、この環状体13と一体化され、エキゾーストマニホールド2からの排ガスの熱を吸熱するための複数の吸熱フィン14とを有している。熱交換部材11は、アルミニウム、銅、ステンレス等といった熱伝導率の良好な金属材料で形成されている。
【0023】
環状体13の外側の面は、図3及び図4に示すように、断面略六角形状に形成された6つの熱伝達面15とされている領域を有している。環状体13の内側の面は、図3に示すように、断面円形状に形成されている。各吸熱フィン14は、熱伝達面15に対応する領域において、環状体13の内側の面から環状体13の中心に向けて延びている。熱交換部材11による熱回収量を向上させるべく、吸熱フィン14は、数多く密集して配置されている。このとき、各吸熱フィン14は、互いに接触しないように形成され、自在に熱膨張可能な構造となっている。また、各吸熱フィン14の基端から先端までの長さは、全て等しくなっている。
【0024】
このような熱交換部材11の環状体13には、管状部材12の両端部が結合されている。管状部材12の排ガス流れ方向上流側(以下、単に上流側)の端部には、空気バネ構造を有するインロー差込部16が設けられ、このインロー差込部16は、環状体13とエキゾーストマニホールド2とをつなぐ接続部材17Aに形成された凹部17に嵌め合った状態で接続されている。これにより、管状部材12は、熱交換部材11に対して排ガス流れ方向に自在に熱膨張可能となる。また、管状部材12の排ガス流れ方向下流側(以下、単に下流側)の端部は、複数の接続管12aを介して、環状体13と排気管4とをつなぐ接続部材17Bに溶接等により結合されている。
【0025】
環状体13の6つの熱伝達面15上には、熱交換部材11で回収された熱を電気に変換する熱電変換部18がそれぞれ配置されている。熱電変換部18は、各熱伝達面15に対して3列ずつ、排ガス流れ方向に所定の間隔をもって並設されている。熱電変換部18は、複数の熱電素子(例えばBiTe等からなるp型半導体及びn型半導体)を有している。熱電変換部18の下面(熱交換部材11側の面)は高温側端面を構成し、熱電変換部18の上面(熱交換部材11側の反対側の面)は低温側端面を構成している。熱電変換部18は、高温側端面と低温側端面との間に生じる温度差に応じて、ゼーベック効果による起電力を発生させる。
【0026】
このような熱電変換部18は、図5に示すように、収納ケース19で覆われていても良い。この場合には、熱電変換部18の熱電素子を有効に保護することができる。収納ケース19は、例えば上壁19a、下壁19b及び側壁19cからなっている。
【0027】
環状体13における熱伝達面15の幅寸法(断面略六角形の一辺の長さ寸法)Waは、熱電変換部18の幅寸法Wbよりも大きくなっている。これにより、環状体13は、十分な剛性をもつこととなる。また、環状体13の外側の面において熱伝達面15を含む領域は、断面略六角形状に形成され、環状体13の内側の面は断面円形状に形成されているので、環状体13の肉厚(環状体13の内側の面から熱伝達面15までの距離)は、熱伝達面15の幅方向内側から幅方向外側に向かって徐々に大きくなる。
【0028】
各熱電変換部18の上面(低温側端面)上には、冷却ケース20がそれぞれ配置されている。冷却ケース20には、熱電変換部18を冷却するための冷却水が通る複数の冷却水通路21が形成されている。各冷却ケース20の冷却水通路21同士は、冷却水管22で接続されている。これにより、冷却ケース20の内部には、ラジエータ(図示せず)及び冷却水管22を介して冷却水が循環するようになる。
【0029】
冷却ケース20の上部にはサポータ23が配置され、このサポータ23には、冷却ケース20の反対側に付勢する皿バネ24を介して押圧部材25が係合している。サポータ23の先端は、球面状をなしている。このため、サポータ23は、冷却ケース20に1点接触することになる。熱交換部材11の周方向に沿って配置された6つの冷却ケース20の外側には、バンド26が配置されている。このバンド26における各冷却ケース20に対応する位置には、貫通穴26aが形成されている。また、バンド26における各貫通穴26aの位置には、ナット27が取り付けられている。そして、スクリューネジ28をナット27にねじ込んで貫通穴26aに対して貫通させ、皿バネ24の付勢力に抗して押圧部材25を押し付けることにより、その押付荷重がサポータ23及び冷却ケース20へと伝わり、この冷却ケース20によって熱電変換部18が熱交換部材11に対して押し付けられる。
【0030】
このように構成された熱電発電装置1において、高負荷運転時には、上述したようにエキゾーストマニホールド2からの排ガスが熱回収流路8に導入される。そして、その排ガスは、熱交換部材11の各吸熱フィン14間を通り抜け、排気管4を通って触媒5(図1参照)に送られる。このとき、高温の排ガスの熱は、図6に示すように、各吸熱フィン14により吸熱されることで回収され、熱電変換部18の下面(高温側端面)に伝えられる。このため、熱電変換部18の下面は、高温状態に維持される。一方、熱電変換部18の上面(低温側端面)は、冷却ケース20内を流れる冷却水に熱を奪われるため冷却される。これにより、熱電変換部18の下面と上面との間に温度差が生じ、この温度差に応じた電力が発生する。
【0031】
ここで、高負荷運転時には、管状部材12は、高温状態の排ガスにさらされるため温度が高くなる。一方、熱交換部材11の環状体13は、熱電変換部18への熱出口部となるので温度が低くなる。このため、管状部材12と環状体13との間で、排ガス流れ方向に対して大きな熱膨張差が生じる。しかし、管状部材12は、上述したようにインロー差込部16を介して環状体13と接続されている。このため、管状部材12と環状体13との間の熱膨張差はインロー差込部16により吸収されるので、管状部材12及び環状体13には過大な熱応力が発生せず、管状部材12及び環状体13の破損等を招くことは無い。これにより、熱電発電装置1の信頼性を向上させることができる。
【0032】
ところで、例えば熱電変換部18の押付荷重を保持するための柱を熱交換部材11に設けた場合、柱の部分では、高温の排ガスにさらされるため温度が高くなるのに対し、環状体13では、柱に比べて温度が低くなる。従って、環状体13と柱との間に熱膨張差が生じるため、熱交換部材11には熱応力が発生することになる。このとき、環状体13の剛性が柱の剛性よりも強ければ、柱は圧縮応力から座屈して曲がってしまい、逆に柱の剛性が環状体13の剛性よりも強ければ、引張応力から環状体13が塑性変形してしまう。
【0033】
これに対し本実施形態の熱電発電装置1では、熱電変換部18の押付荷重は、柱や梁などの部材で受けずに、熱交換部材11の環状体13及び複数の吸熱フィン14だけで受けることになる。このため、熱交換部材11に生じる過大な熱応力を緩和することができる。
【0034】
このとき、環状体13の熱伝達面15の幅寸法Waは、熱電変換部18の幅寸法Wbよりも大きいので、熱電変換部18の押付荷重は高剛性の環状体13で受けることになる。また、環状体13の内側の面は断面円形状に形成されているため、環状体13にかかる押付荷重の応力が均一化され、当該押付荷重による環状体13の変形が発生しにくくなる。これにより、環状体13の熱伝達面15と熱電変換部18との間に空気層が形成されにくくなるため、環状体13と熱電変換部18との接触熱抵抗が低減される。また、環状体13の内側の面を断面円形状とすることで、環状体13における熱伝達面15の幅方向中央部に対応する部分の肉厚が薄くなるので、環状体13の熱伝導抵抗も低減される。さらに、そのように環状体3の一部の肉厚が薄く形成されるため、環状体13の軽量化が図られることになる。
【0035】
上述したように、熱回収流路8に導入された排ガスは、上流側から下流側へと熱交換部材11により熱回収されながら流れていく。この時に回収される熱量は、吸熱フィン14の通過時の排ガス温度と吸熱フィン14の熱伝達率とに左右される。排ガスの熱は熱交換部材11により回収されるため、排ガスの温度は、下流側に向かうに従って低下する。また、吸熱フィン14の熱伝達率は、排ガスの乱流度に影響される。排ガスは、各吸熱フィン14間の隙間を流れていく間に徐々に層流方向へと進む。このため、吸熱フィン14の熱伝達率は、下流側に向かうに従って小さくなる傾向にある。
【0036】
ここで、図3及び図5に示すように数多くの吸熱フィン14が密集している場合には、排ガスの乱流度が高いと、吸熱フィン14の上流側端部の熱伝達率が極端に大きくなるため、環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部分の温度が極端に高くなる現象が起こる。この場合、排ガス流れ方向に沿った吸熱フィン14の上流側端からの距離xと、環状体13の温度tとの関係をとると、図7(a)の実線に示すように、環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部位に曲線部Pを有する温度勾配となる。なお、図7(a)の破線は、運転前の温度特性を示したものである。
【0037】
環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部分の温度が極端に高くなると、その分だけ環状体13の当該部分の熱膨張量が大きくなるため、環状体13の当該部分の外形寸法が極端に大きくなってしまう。ここで、環状体13の温度tと環状体13の外形寸法とは、ほぼ比例関係を有することとなる。このため、排ガス流れ方向に沿った吸熱フィン14の上流側端からの距離xと、環状体13の外形寸法(断面形状)との関係をとると、図7(b)の実線に示すように、環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部位に曲線部Qを有する勾配となる。環状体13の断面形状の勾配に曲線部が存在するということは、環状体13の熱伝達面15と熱電変換部18との間に空気層が形成されるという事である。この空気層があると、環状体13と熱電変換部18との接触熱抵抗が高くなるため、熱交換部材11により回収された熱が十分に熱電変換部18に伝わらず、発電量の低下につながる。
【0038】
そこで、各吸熱フィン14よりも上流側の位置には、図2に示すように、排ガスが熱回収流路8に突入する前に排ガスの流れを層流化させて整えるための複数の整流フィン29が配置されている。これらの整流フィン29は、図8に示すように、管状部材12の外周面から外側に延びるように形成されている。なお、複数の整流フィン29を有するリング体を管状部材12に固定しても良い。整流フィン29の形状は、吸熱フィン14の形状と同等である。また、各整流フィン29の位置は、各吸熱フィン14の位置と一致している。このとき、整流フィン29と吸熱フィン14との隙間をできる限り狭くすることにより、排ガスの流れを乱さないようにする事ができる。
【0039】
このように各吸熱フィン14よりも上流側に複数の整流フィン29を設けたので、各吸熱フィン14に排ガスが流入される前に、排ガスの流れが事前に整流され、排ガスの乱流度が低下するようになる。このため、吸熱フィン14の上流側端部での過大な吸熱が抑えられるため、環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部分の温度が極端に高くなることが防止される。これにより、環状体13の温度勾配が図9(a)に示すように直線化されるため、これに伴って、環状体13の外形寸法(断面形状)の勾配も、図9(b)に示すように直線化されるようになる。このため、環状体13の熱伝達面15と熱電変換部18との間には、空気層が形成されにくくなる。
【0040】
また、環状体13の熱伝達面15の幅寸法Waは、上述したように熱電変換部18の幅寸法Wbよりも大きくなっている。このため、図10に示すように、熱伝達面15の幅方向両端部の上には、熱電変換部18の熱電素子18aが存在しない状態となっている。この場合には、環状体13における熱伝達面15の幅方向両端部に対応する部分で熱の流れが止まってしまう現象(熱止まり)が発生し、当該部分の温度が高くなってしまう。その結果、環状体13は、熱伝達面15の幅方向両端部を押し上げるような変形を起こしやすくなる(図10の点線X参照)。
【0041】
このとき、環状体13を熱が均等に流れていても、熱が熱電変換部18に近づくにつれて、横方向(熱伝達面15の幅方向中心側)への熱流が発生するようになる。ただし、その横方向への熱流は、熱伝達面15の幅方向中心に近づくにつれて、徐々に収束するようになる。すると、熱電変換部18の熱電素子18aに対する熱流束としては、熱電変換部18の端側から中心側に向かうに従って小さくなる傾向を示す。つまり、熱電変換部18の両端部に位置する熱電素子18aは、熱電変換部18の中心部に位置する熱電素子18aよりも多くの入熱を環状体13から得ていることになる。
【0042】
そのような1つの熱電変換部18内の熱流れによって、熱電変換部18の端部と中心部とで環状体13からの入熱状態が異なるという現象は、排ガス流れ方向に対しても起きる。このことは、環状体13の熱伝達面15において、熱電変換部18の排ガス流れ方向両端部に対応する部位の温度が熱電変換部18の排ガス流れ方向中心部に対応する部位の温度よりも高いことを意味している。この場合には、環状体13における熱電変換部18の排ガス流れ方向両端部に対応する部位の熱膨張量が、環状体13における熱電変換部18の排ガス流れ方向中心部に対応する部位の熱膨張量よりも大きくなる。このため、排ガス流れ方向に沿った吸熱フィン14の上流側端からの距離xと、環状体13の外形寸法との関係をとると、図11に示すように、各列の熱電変換部18に対応して微少な曲線的勾配が発生してしまう傾向にある(1点鎖線E参照)。この場合には、環状体13と各熱電変換部18との間に空気層が形成されるという事であるため、上述したように、環状体13と各熱電変換部18との接触熱抵抗が高くなり、発電量の低下につながる。
【0043】
そこで、上記のような環状体13の熱変形を低減すべく、図3〜図5に示すように、環状体13の熱伝達面15と熱電変換部18との間には、プレート状の熱拡散部材30が介在されている。なお、図2では、便宜上、熱拡散部材30を省略して示してある。
【0044】
熱拡散部材30は、銅等の熱伝導性の良い金属体に焼きなましを施し、更にその金属体の表面に、酸化対策としてニッケル等の電気メッキ層を形成したものである。電気メッキ層の厚みは、例えば5〜15μm程度である。熱拡散部材30は、熱交換部材11で回収された熱を拡散させ、温度を均一化させるものである。つまり、熱拡散部材30を設けることにより、図12に示すように、熱拡散部材30内に横方向への強い熱流が発生するため、環状体13の熱伝達面15側部分の温度が均一化されると共に、熱電変換部18の熱電素子18aに対する熱流速も均等化されるようになる。
【0045】
このとき、熱拡散部材30が薄すぎると、温度を均一化させる機能を有効に発揮させることができず、逆に熱拡散部材30が厚すぎると、熱伝導抵抗の増加を招いてしまう。熱拡散部材30の最適厚さとしては、熱電変換部18の熱電素子18aや熱拡散部材30の物性(熱伝導率、熱容量)等に左右されるが、概ね2〜4mm程度である。
【0046】
また、熱拡散部材30の表面には電気メッキ層が施されているので、熱拡散部材30の表面粗さとして十点平均粗さ12.5z程度を確保可能となる。これに加え、熱拡散部材30は、焼きなましによって軟質化されている。このため、熱電変換部18の押付荷重によって、熱拡散部材30の表面に存在する微少な凹凸が吸収されるので、熱電変換部18と熱拡散部材30との間に空気層がより形成されにくくなり、熱電変換部18と熱拡散部材30との接触面積が増加する。なお、熱拡散部材30の硬度は、熱電変換部18の押付荷重によるが、押付け面圧で1.0MPa程度であれば、ビッカース硬度(Hv)として50程度で良い。
【0047】
また、熱拡散部材30は、鍛造や圧延等の加工工程により容易に形成可能である。このため、例えば環状体13の表面を切削加工する場合に比べて、加工費用が安価で済み、また表面粗さを小さく仕上げることが可能となる。
【0048】
このような熱拡散部材30を環状体13と熱電変換部18との間に介在させたので、環状体13の熱伝達面15及び熱電変換部18の高温側端面の温度が均一化され、環状体13の熱変形が発生しにくくなる。これに加えて、環状体13の厚さは、上述したように熱伝達面15の中心部から端部に向けて大きくなる。このため、熱伝達面15の両端部の温度上昇が抑えられ、熱伝達面15の温度が更に均一化されるため、環状体13の熱変形が一層起きにくくなる。これにより、環状体13と熱電変換部18との間には空気層が更に形成されにくくなる。また、熱電変換部18の両端部に位置する熱電素子18aに対する熱流速が過大になることも防止できる。
【0049】
さらに、環状体13における熱電変換部18の端部に対応する部位の温度上昇をより抑えるべく、環状体13には、図3〜図5に示すように、排ガス流れ方向に延在する複数本(6本)の溝部31と、排ガス流れ方向に垂直な方向に延在する複数本の溝部32とが設けられている。溝部31,32は、何れも環状体13の外側の面に開口している。
【0050】
溝部31は、環状体13において、熱電変換部18に対応する部位を避けるように各熱伝達面15の間に形成されている。これにより、環状体13の外側の面における6つの熱伝達面15を含む領域は、完全な断面六角形状ではなく、断面略六角形状に形成されることとなる(前述)。溝部32は、環状体13において、熱電変換部18に対応する部位を避けるように各熱伝達面15に4本ずつ形成されている。熱伝達面15の内側に位置する2本の溝部32の溝幅は、熱伝達面15の外側に位置する2本の溝部32の溝幅よりも大きくなっている。
【0051】
これにより、環状体13における熱電変換部18の外側領域に対応する部位には、溝部31,32が形成されることになる。このため、図13に示すように、熱交換部材11を熱電変換部18に向けて流れる熱は、溝部31,32を避けるように熱電変換部18の内側(中心側)に向かって流れるようになる。その結果、環状体13における熱電変換部18の端部に対応する部位の温度上昇が更に抑えられ、環状体13の熱伝達面15の温度がより均一化される。このため、環状体13の熱変形がより確実に防止されると共に、熱電変換部18の端部への余剰な熱入力がより確実に抑えられる。
【0052】
複数の整流フィン29を設けることに加え、環状体13と熱電変換部18との間に熱拡散部材30を介在させ、更に環状体13に溝部31,32を形成することにより、図11に示すように、吸熱フィン14の上流側端からの距離xに対する環状体13の外形寸法(断面形状)の勾配が直線化されるようになる(実線F参照)。これにより、環状体13と各熱電変換部18との間に空気層が発生することが防止され、環状体13と各熱電変換部18との接触熱抵抗が十分に低減されるようになる。
【0053】
また、熱拡散部材30が収納ケース19の端部に接触しないように、熱拡散部材30には、図13に示すように、熱拡散部材30の上面に開口し排ガス流れ方向に垂直な方向に延在する溝部33が形成されているのが好ましい。この場合には、環状体13に多少の熱変形が発生しても、その熱変形が熱拡散部材30を介して収納ケース19の側壁19cに作用することは少ない。これにより、熱拡散部材30により側壁19cが押し上げられることが防止されるため、熱電変換部18内の熱電素子18aの良好な密着性が確保され、発電量向上に有利となる。また、収納ケース19の側壁19cに熱が逃げることによる熱ロスを低減することができる。
【0054】
以上のように本実施形態によれば、環状体13と熱電変換部18との接触熱抵抗が低減されると共に、環状体13の熱伝導抵抗も低減されるため、熱交換部材11で回収された熱が熱電変換部18に十分に伝熱されるようになる。これにより、熱電発電装置1の発電効率が向上するため、熱電発電装置1による発電量を増加させることができる。
【0055】
図14は、上記の熱電発電装置3の変形例を示したものである。同図において、熱交換部材11における環状体13の熱伝達面15には、複数の三角溝35が形成されている。また、熱拡散部材30の下面(環状体13側の面)には、各三角溝35と嵌合する複数の三角形状の突起36が設けられている。このように構成することにより、環状体13と熱拡散部材30との接触面積が増大するので、環状体13と各熱電変換部18との接触熱抵抗を一層低減することができる。
【0056】
図15は、本発明に係わる熱電発電装置の他の実施形態を示す断面図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
同図において、本実施形態の熱電発電装置40は、上述した整流フィン29を設ける代わりに、各吸熱フィン14の上流側端部(排ガス突入部)の形状を、上述した熱電発電装置3と異なるようにしたものである。具体的には、各吸熱フィン14の上流側端部には、図16に示すように、吸熱フィン14の上流側端に対して細くなる先細り部41が設けられている。この先細り部41の形状としては、テーパ形状でも良いし流線形状でも良い。
【0058】
これにより、吸熱フィン14の上流側端部における吸熱フィン14の有効表面積が減少するため、吸熱フィン14の上流側端部の熱伝達率は、吸熱フィン14の他の部分の熱伝達率よりも低くなる。このため、吸熱フィン14の上流側端部では、吸熱効率が低下するため、過大な吸熱が抑えられる。従って、環状体13における吸熱フィン14の上流側端部に対応する部分の温度が極端に高くなることが防止されるため、環状体13の当該部分と熱電変換部18との間に空気層が形成されにくくなる。
【0059】
なお、本実施形態では、上述した整流フィン29を設けない構成としたが、整流フィン29を設けることに加えて、各吸熱フィン14の上流側端部に先細り部41を設ける構成としても良い。
【0060】
図17は、図15に示す熱電発電装置40の変形例を示したものである。この熱電発電装置40は、上述した熱電発電装置3と同じ形状の吸熱フィン14を有している。ただし、この吸熱フィン14の上流側端部には、排ガス流れ方向に延びるスリット42が形成されている。このような構成にしても、吸熱フィン14の上流側端部における吸熱フィン14の有効表面積が減少するため、吸熱フィン14の上流側端部の熱伝達率は、吸熱フィン14の他の部分の熱伝達率よりも低くなる。
【0061】
図18は、本発明に係わる熱電発電装置の更に他の実施形態を示す断面図である。図中、上述した実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0062】
同図において、本実施形態の熱電発電装置50は、上述した実施形態のように管状部材12にインロー差込部16を設ける代わりに、管状部材12の上流側(排ガス流入側)端部と接続部材17Aとを金属製のジャバラ管51を介して接合したものである。この場合にも、管状部材12と環状体13とは相対的に排ガス流れ方向に自在に熱膨張可能となるため、管状部材12及び環状体13には過大な熱応力が発生することは無く、管状部材12及び環状体13の破損等を防止することができる。
【0063】
ジャバラ管51や上述したインロー差込部16といった排ガス流れ方向に対する熱膨張を吸収する部材は、排ガス流入側のみに設けることには限られず、排ガス流出側のみに設けても良いし、或いは排ガス流入側及び排ガス流出側の両方に設けても良い。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、環状体13の外側の面において熱伝達面15を構成する領域の形状としては、特に断面略六角形状には限られず、実質的に断面多角形状であれば良い。
【0065】
また、上記実施形態では、熱電変換部18を排ガス流れ方向に3列配置する構成としたが、排ガス流れ方向に並設する熱電変換部18の数としては、1列でも良いし複数列でも良い。
【0066】
さらに、上記実施形態の熱電発電装置1は、車両のエンジンから排出される排ガスの熱を回収して発電を行うものであるが、本発明は、そのような車両以外、例えば工場の高炉等から排出されるガスの熱を利用して発電を行うものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係わる熱電発電装置の一実施形態を備えた熱電発電システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示す熱電発電装置の排ガス流れ方向に沿った断面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2に示す熱交換部材の斜視図である。
【図5】図3に示す熱電変換部が収納ケースで覆われている状態を示す要部断面図である。
【図6】図2に示す熱交換部材により回収された熱の流れを示す概念図である。
【図7】図2に示す整流フィンが無い場合において、熱交換部材の環状体の温度勾配及び外形寸法勾配を示した図である。
【図8】図2に示す整流フィンの正面図である。
【図9】図2に示す整流フィンを設けた場合において、熱交換部材の環状体の温度勾配及び外形寸法勾配を示した図である。
【図10】図3に示す熱拡散部材が無い場合において、熱交換部材により回収された熱の流れを示す概念図である。
【図11】熱交換部材の環状体の外形寸法勾配を、従来と比較して示した図である。
【図12】図3に示す熱拡散部材を設けた場合において、熱交換部材により回収された熱の流れを示す概念図である。
【図13】図2に示す熱電発電装置の要部拡大断面図である。
【図14】図5に示す熱電発電装置の変形例を示す要部断面図である。
【図15】本発明に係わる熱電発電装置の他の実施形態を示す排ガス流れ方向に沿った断面図である。
【図16】図15に示す吸熱フィンの上流側端部の形状を示す拡大断面図である。
【図17】図15に示す熱電発電装置の変形例を示す排ガス流れ方向に沿った断面図である。
【図18】本発明に係わる熱電発電装置の更に他の実施形態を示す排ガス流れ方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0068】
3…熱電発電装置、9…バイパス流路、11…熱交換部材、12…管状部材、13…環状体、14…吸熱フィン、15…熱伝達面、16…インロー差込部(接続手段)、17…凹部(接続手段)、19…収納ケース、29…整流フィン、30…熱拡散部材、31…溝部、32…溝部、33…溝部、40…熱電発電装置、41…先細り部、42…スリット、50…熱電発電装置、51…ジャバラ管。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013