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発明の名称 入出力管理装置およびこれを備える駆動装置並びにこれを搭載する自動車、入出力管理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6600(P2007−6600A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183084(P2005−183084)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
発明者 木村 秋広
要約 課題
蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制する。

解決手段
駆動輪に動力を入出力可能なモータと、モータと電力をやりとりするバッテリとを備える自動車において、バッテリの残容量SOCがリセットされたときには(S130)、電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて設定される仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限が課される方向に補正してバッテリの入出力制限Win,Woutを設定し(S280)、設定した入出力制限Win,Woutの範囲内でモータを駆動制御する(S290〜S310)。これにより、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたときにバッテリ26に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
充放電可能な蓄電手段の入出力を管理する入出力管理装置であって、
前記蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
所定の補正要因が生じていないときには前記検出された蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し、前記所定の補正要因が生じているときには前記検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
該設定された入出力制限の範囲内で前記蓄電手段の入出力を許可する入出力許可手段と、
を備える入出力管理装置。
【請求項2】
前記入出力制限設定手段は、前記所定の補正要因が生じているときに、前記蓄電手段の状態を所定の正確さをもって検出することができないときには前記蓄電手段の状態を前記所定の正確さをもって検出することができなくなる直前に検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に第1の補正値を用いた補正を施して前記入出力制限を設定し、前記蓄電手段の状態を所定の正確さをもって検出することができるときには該所定の正確さをもって検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に前記第1の補正値より小さい第2の補正値を用いた補正を施して前記入出力制限を設定する手段である請求項1記載の入出力管理装置。
【請求項3】
前記第2の補正値は、時間の経過に伴って徐々に小さくなるよう設定されてなる請求項2記載の入出力管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか記載の入出力管理装置であって、
前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記状態検出手段は、前記蓄電手段から放電可能な電力量である蓄電状態を検出する手段であり、
前記入出力制限設定手段は、前記所定の補正要因が生じていないときには前記検出された蓄電手段の蓄電状態と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し、前記所定の補正要因が生じているときには前記検出された蓄電手段の蓄電状態と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定する手段である
入出力管理装置。
【請求項5】
前記所定の補正要因は、入出力管理装置の記憶領域における少なくとも一部がリセットされた要因である請求項1ないし4いずれか記載の入出力管理装置。
【請求項6】
前記所定の補正要因は、入出力管理装置に電力供給する電源の遮断である請求項1ないし5いずれか記載の入出力管理装置。
【請求項7】
駆動軸を駆動する駆動装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、
該電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
該蓄電手段の入出力を管理する請求項1ないし6いずれか記載の入出力管理装置と、
前記電動機から出力すべき駆動指令を設定する駆動指令設定手段と、
前記入出力許可手段により許可された前記蓄電手段の入出力の範囲内で前記設定された駆動指令により前記電動機が駆動されるよう該電動機を制御する制御手段と、
を備える駆動装置。
【請求項8】
請求項7記載の駆動装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる自動車。
【請求項9】
充放電可能な蓄電手段の入出力を管理する入出力管理方法であって、
所定の補正要因が生じていないときには前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し、前記所定の補正要因が生じているときには前記蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定し、該設定した入出力制限の範囲内で前記蓄電手段の入出力を許可する
ことを特徴とする入出力管理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出力管理装置およびこれを備える駆動装置並びにこれを搭載する自動車、入出力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の入出力管理装置としては、充放電可能なバッテリの入出力を管理するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、バッテリに充放電される充放電電流の積算値に基づいて演算されるバッテリの残容量とバッテリ温度とに基づいてバッテリの入出力制限を設定し、設定した入出力制限の範囲内でバッテリへの入出力を許可することにより、バッテリへの過大な電力の入出力を抑制している。
【特許文献1】特開2002−337573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の入出力管理装置では、バッテリの残容量がリセットされたときなど所定の要因が生じたときには、バッテリの入出力制限が適正に設定されず、バッテリの入出力制限を超えた電力がバッテリに入出力されてしまう場合がある。
【0004】
本発明の入出力管理装置およびこれを備える駆動装置並びにこれを搭載する自動車、入出力管理方法は、蓄電装置への過大な電力の入出力を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の入出力管理装置およびこれを備える駆動装置並びにこれを搭載する自動車、入出力管理方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の入出力管理装置は、
充放電可能な蓄電手段の入出力を管理する入出力管理装置であって、
前記蓄電手段の状態を検出する状態検出手段と、
所定の補正要因が生じていないときには前記検出された蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し、前記所定の補正要因が生じているときには前記検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定する入出力制限設定手段と、
該設定された入出力制限の範囲内で前記蓄電手段の入出力を許可する入出力許可手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の入出力管理装置では、所定の補正要因が生じていないときには、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段の入出力制限を設定すると共に設定した入出力制限の範囲内で蓄電手段の入出力を許可する。一方、所定の補正要因が生じているときには、蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して蓄電手段の入出力制限を設定すると共に設定した入出力制限の範囲内で蓄電手段の入出力を許可する。これにより、所定の補正要因が生じているときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【0008】
こうした本発明の入出力管理装置において、前記入出力制限設定手段は、前記所定の補正要因が生じているときに、前記蓄電手段の状態を所定の正確さをもって検出することができないときには前記蓄電手段の状態を前記所定の正確さをもって検出することができなくなる直前に検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に第1の補正値を用いた補正を施して前記入出力制限を設定し、前記蓄電手段の状態を所定の正確さをもって検出することができるときには該所定の正確さをもって検出された蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に前記第1の補正値より小さい第2の補正値を用いた補正を施して前記入出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の状態を所定の正確さをもって検出することができるか否かに応じて蓄電手段の入出力制限を設定することができる。この場合、前記第2の補正値は、時間の経過に伴って徐々に小さくなるよう設定されてなるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の入出力管理装置において、前記蓄電手段の温度を検出する温度検出手段を備え、前記状態検出手段は前記蓄電手段から放電可能な電力量である蓄電状態を検出する手段であり、前記入出力制限設定手段は前記所定の補正要因が生じていないときには前記検出された蓄電手段の蓄電状態と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し前記所定の補正要因が生じているときには前記検出された蓄電手段の蓄電状態と前記検出された蓄電手段の温度とに基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の入出力制限をより適正に設定することができる。
【0010】
さらに、本発明の入出力管理装置において、前記所定の補正要因は、入出力管理装置の記憶領域における少なくとも一部がリセットされた要因であるものとすることもできる。こうすれば、入出力管理装置の記憶領域における少なくとも一部がリセットされたときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【0011】
或いは、本発明の入出力管理装置において、前記所定の補正要因は、入出力管理装置に電力供給する電源の遮断であるものとすることもできる。こうすれば、電源が遮断されたときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【0012】
本発明の駆動装置は、駆動軸を駆動する駆動装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な電動機と、該電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、該蓄電手段の入出力を管理する上述のいずれかの態様の本発明の入出力管理装置と、前記電動機から出力すべき駆動指令を設定する駆動指令設定手段と、前記入出力許可手段により許可された前記蓄電手段の入出力の範囲内で前記設定された駆動指令により前記電動機が駆動されるよう該電動機を制御する制御手段と、を備えることを要旨とする。
【0013】
この本発明の駆動装置では、上述のいずれかの態様の本発明の入出力管理装置を搭載するから、本発明の入出力管理装置が奏する効果、例えば、所定の補正要因が生じているときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
【0014】
本発明の自動車は、上述の本発明の駆動装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。この本発明の自動車では、上述の本発明の駆動装置を搭載するから、本発明の駆動装置が奏する効果、例えば、所定の補正要因が生じているときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
【0015】
本発明の入出力管理方法は、
充放電可能な蓄電手段の入出力を管理する入出力管理方法であって、
所定の補正要因が生じていないときには前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段の入出力制限を設定し、前記所定の補正要因が生じているときには前記蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して該蓄電手段の入出力制限を設定し、該設定した入出力制限の範囲内で前記蓄電手段の入出力を許可する
ことを特徴とする。
【0016】
この本発明の入出力管理方法によれば、所定の補正要因が生じていないときには蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段の入出力制限を設定すると共に設定した入出力制限の範囲内で蓄電手段の入出力を許可し、所定の補正要因が生じているときには蓄電手段の状態に基づいて設定される入出力制限に更に制限が課される方向への補正を施して蓄電手段の入出力制限を設定すると共に設定した入出力制限の範囲内で蓄電手段の入出力を許可するから、所定の補正要因が生じているときに蓄電手段に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例である駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、駆動輪30a,30bにデファレンシャルギヤ31を介して連結された駆動軸32に動力を入出力可能なモータ22と、モータ22を駆動するインバータ24を介してモータ22と電力のやりとりを行なうバッテリ26と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット40と、電子制御ユニット40や補機61a,61bなどに電力供給する電源としての補機バッテリ60と、を備える。
【0019】
モータ22は、例えば、電動機として機能すると共に発電機としても機能する周知の同期発電電動機として構成されている。インバータ24は、複数のスイッチング素子により構成されており、バッテリ26から供給される直流電力を擬似的な三相交流電力に変換してモータ22に供給する。
【0020】
電子制御ユニット40は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU42の他に処理プログラムを記憶するROM44と、データを一時的に記憶するRAM46と、図示しない入出力ポートとを備える。このRAM46に記憶されたデータは、補機バッテリ60からの電力供給が遮断されたときには消去される。電子制御ユニット40には、モータ22の回転角を検出する回転角センサ23からの回転角θmや,バッテリ26の端子間に設置された電圧センサ27aからの端子間電圧Vb,バッテリ26に充放電される電流を検出する電流センサ27bからの充放電電流Ib,バッテリ26の温度を検出する温度センサ27cからの電池温度Tb,イグニッションスイッチ50からのイグニッション信号,シフトレバー51の操作位置を検出するシフトポジションセンサ52からのシフトポジションSP,アクセルペダル53の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル55の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ56からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ58からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット40からは、モータ22を駆動制御するためのインバータ24のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット40では、バッテリ26を管理するために、電流センサ28により検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてCPU42によりバッテリ26の残容量SOCも演算すると共に演算した残容量SOCをRAM46の所定アドレスに記憶する処理も行なっている。
【0021】
次に、こうして構成された電気自動車20の動作について説明する。図2は、実施例の電気自動車20の電子制御ユニット40により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
【0022】
駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット40のCPU42は、まず、アクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度Accや,車速センサ58からの車速V,モータ22の回転数Nm,温度センサ27cからの電池温度Tb,バッテリ26の残容量SOCなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータ22の回転数Nmは、図示しない回転数算出ルーチンにより回転角センサ23によって検出される回転角θmに基づいて算出されるものを入力するものとしたり、車速Vから換算されるものを入力するものとしたりすることができる。また、バッテリ26の残容量SOCは、電流センサ27bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて計算されてRAM46の所定アドレスに書き込まれたものを入力するものとした。
【0023】
こうしてデータを入力すると、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動輪30a,30bに連結された駆動軸32に出力すべき要求トルクTd*を設定する(ステップS110)。ここで、要求トルクTd*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTd*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM44に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTd*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図3に示す。
【0024】
次に、残容量リセットフラグF1の値を調べると共に(ステップS120)、残容量リセットフラグF1が値0のときには、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたか否かを判定する(ステップS130)。ここで、残容量リセットフラグF1は、初期値として値0が設定されると共に残容量SOCがリセットされたときに値1が設定されるフラグである。また、残容量SOCがリセットされたか否かの判定は、実施例では、入力した残容量SOCが初期値であるか否かなどを調べることにより行なうものとした。
【0025】
バッテリ26の残容量SOCがリセットされていないと判定されたときには、バッテリ26の電池温度Tbとバッテリ26の残容量SOCとに基づいてバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定すると共に(ステップS140)、補正値αに値0を設定し(ステップS150)、設定した仮入出力制限Wintmpに補正値αを加えることによりバッテリ26の入力制限Winを計算すると共に仮出力制限Wouttmpから補正値αを減じることによりバッテリ26の出力制限Woutを計算する(ステップS280)。ここで、バッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpについては、実施例では、電池温度Tbに基づいて仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの基本値を設定し、残容量SOCに基づいて仮出力制限用補正係数と仮入力制限用補正係数とを設定し、設定した仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの基本値に補正係数を乗じて仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定するものとした。図4にバッテリ26の電池温度Tbとバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの基本値との関係の一例を示し、図5にバッテリ26の残容量SOCとバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの補正係数との関係の一例を示す。
【0026】
こうしてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定すると、設定した入出力制限Win,Woutをモータ22の回転数Nmで除することによりモータ22から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを計算し(ステップS290)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで要求トルクTd*を制限してモータ22のトルク指令Tm*を設定し(ステップS300)、設定したトルク指令Tm*でモータ22を駆動制御して(ステップS310)、駆動制御ルーチンを終了する。モータ22の駆動制御は、具体的には、トルク指令Tm*でモータ22が駆動されるようインバータ24のスイッチング素子をスイッチング制御することにより行なわれる。
【0027】
一方、ステップS130でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたと判定されたときには、残容量リセットフラグF1に値1を設定すると共に(ステップS160)、ステップS100で入力したバッテリ26の残容量SOCが正確であるか否かを判定する(ステップS170)。また、ステップS120で残容量リセットフラグF1が値1のときには、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたか否かを判定せずにバッテリ26の残容量SOCが正確であるか否かを判定する(ステップS170)。バッテリ26の残容量SOCが正確であるか否かの判定は、例えば、ステップS100で入力した残容量SOCとバッテリ26の端子間電圧Vbから設定される残容量SOCとの偏差が所定範囲内であるか否かを判定することにより行なうことができる。ここで、端子間電圧Vbから設定される残容量SOCについては、実施例では、端子間電圧Vbと残容量SOCとの関係を予め実験的に定めてマップとしてROM44に記憶しておき、電圧センサ27aにより検出される端子間電圧Vbと記憶したマップとを用いて残容量SOCを導出して設定するものとした。また、所定範囲はバッテリ26の特性などにより定められる。
【0028】
バッテリ26の残容量SOCが正確でないと判定されたときには、残容量格納フラグF2の値を調べ(ステップ180)、残容量格納フラグF2が値0のときには、前回このルーチンが実行されたときに入力されたバッテリ26の残容量(前回SOC)を格納値SOCsetとして格納し(ステップS190)、残容量格納フラグF2に値1を設定する(ステップS200)。ここで、残容量格納フラグF2は、初期値として値0が設定されると共に残容量SOCが正確でないと初めて判定されて前回の残容量(前回SOC)が格納されたときに値1が設定されるフラグである。また、ステップS190の処理は、残容量SOCが正確でないと判定される直前の残容量SOCを格納する処理となる。そして、格納した格納値SOCsetとバッテリ26の温度Tbとを用いて前述のステップS140の処理と同様にバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定し(ステップS210)、補正値αに値W1を設定し(ステップS220)、設定したバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpと補正値αとを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定し(ステップS280)、設定した入出力制限Win,Woutの範囲内でモータ22を駆動制御する(ステップS290〜S310)。ここで、所定値W1は、バッテリ26の残容量SOCが正確でないと判定される直前の残容量SOCに基づいて設定される仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限が課される方向に補正する程度を示すものであり、バッテリ26の特性などにより定められ、例えば、仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの60%や70%などに設定される。一方、ステップS180で残容量格納フラグF2が値1のときには、ステップS190,S200の処理を行なうことなく、バッテリ26の残容量SOCが正確でないと判定される直前の残容量SOCを用いて前述のステップS210以降の処理を実行する。このように、バッテリ26の残容量SOCが正確でないときには、残容量SOCが正確でないと判定される直前の残容量SOCを用いてバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定すると共に設定した仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定することにより、バッテリ26の残容量SOCが正確でないときにバッテリ26に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【0029】
ステップS170でバッテリ26の残容量SOCが正確であると判定されたときには、前述のステップS140と同様にバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定すると共に(ステップS230)、前回の補正値(前回α)から所定値Δαを減じることにより補正値αを設定し(ステップS240)、設定した補正値αを値0と比較し(ステップS250)、補正値αが値0以上のときには、設定したバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpと補正値αとを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定し(ステップS280)、設定した入出力制限Win,Woutの範囲内でモータ22を駆動制御する(ステップS290〜S310)。ここで、所定値Δαは、バッテリ26の特性などにより定められ、前述の所定値W1より小さい値に設定される。こうして補正値αを徐々に小さくしていき、即ち、バッテリ26の入出力制限Win,Woutを電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて設定される仮入出力制限Wintmp,Woutmpに近づけていき、補正値αが値0未満になったときには、補正値αに値0を再設定すると共に(ステップS260)、残容量リセットフラグF1と残容量格納フラグF2とに共に値0を設定し(ステップS270)、設定した仮入出力制限Wintmp,Wouttmpと補正値αとを用いて入出力制限Win,Woutを計算し(ステップS280)、入出力制限Win,Woutの範囲内でモータ22を駆動制御する(ステップS290〜S310)。こうして残容量リセットフラグF1と残容量格納フラグF2とに共に値0が設定されると、次回にこのルーチンが実行されたときには、ステップS130で残容量リセットフラグF1が値0であるとしてステップS140でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたか否かの判定が行なわれる。このように、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたときに残容量SOCが正確であるときには、補正値αが値0になるまで電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて設定される仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するのである。
【0030】
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたときには、バッテリ26の電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて設定されるバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定すると共に設定した入出力制限Win,Woutの範囲内でモータ22を駆動制御するから、残容量SOCがリセットされたときにバッテリ26に過大な電力が入出力されるのを抑制することができる。
【0031】
実施例の電気自動車20では、バッテリ26の電池温度Tbと残容量SOCとに基づいて仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定するものとしたが、バッテリ26の残容量SOCだけに基づいて仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定するものとしてもよいし、電池温度Tbや残容量SOCに加えて他のパラメータを考慮して仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを設定するものとしてもよい。
【0032】
実施例の電気自動車20では、図2の駆動制御ルーチンのステップS170,S180でバッテリ26の残容量SOCが正確でないと判定されると共に残容量格納フラグF2が値0のときには、前回このルーチンが実行されたときの残容量(前回SOC)を格納値SOCsetとして格納するものとしたが、残容量SOCの初期値を格納値SOCsetとして格納するものとしたり、ステップS100で入力した残容量SOCを格納値SOCsetとして格納するものとしてもよい。
【0033】
実施例の電気自動車20では、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたときに、バッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するものとしたが、これに代えて、イグニッションスイッチ50がオフされている最中に補機バッテリ60から電子制御ユニット40への電力供給が一旦遮断されたときなどに、バッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するものとしてもよい。この場合、補機バッテリ60からの電力供給が遮断されたときにバッテリ26の残容量SOCは消去されたと考えられるため、図2の駆動制御ルーチンのステップS170,S180でバッテリ26の残容量SOCが正確でないと判定されると共に残容量格納フラグF2が値0のときには、ステップS190の処理に代えて、残容量SOCの初期値を格納値SOCsetとして格納するものとしてもよい。また、バッテリ26の残容量SOCがリセットされた条件やイグニッションスイッチ50がオフされている最中に補機バッテリ60から電子制御ユニット40への電力供給が一旦遮断された条件などの複数の条件の少なくとも一つが成立したときに、バッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを更に制限する方向に補正してバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するものとしてもよい。
【0034】
実施例の電気自動車20では、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたか否かの判定を、入力した残容量SOCが初期値であるか否かを調べることにより行なうものとしたが、これに代えてまたは加えて、イグニッションスイッチ50がオフされている最中に補機バッテリ60から電子制御ユニット40への電力供給が一旦遮断されたか否かを調べたりすることなどにより行なうものとしてもよい。
【0035】
実施例の電気自動車20では、図2の駆動制御ルーチンのステップS170で残容量SOCが正確であると判定されたときには、時間の経過に伴って補正値αを小さくしていくものとしたが、バッテリ26の残容量SOCが正確でないときの補正値α(前述の値W1)以下の値であれば、時間の経過に拘わらず所定値を設定するものとしてもよい。この場合、残容量SOCがリセットされたと判定されてから所定時間を経過したときに残容量リセットフラグF1と残容量格納フラグF2とに共に値0を設定するものとしてもよい。
【0036】
実施例の電気自動車20では、図2の駆動制御ルーチンのステップS120で残容量リセットフラグF1が値1のときやステップS130でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたと判定されたときには、残容量SOCが正確であるか否かに応じて補正値αを設定するものとしたが、残容量SOCが正確であるか否かに拘わらず所定値(例えば、前述の値W1など)を補正値αに設定するものとしてもよい。この場合、残容量SOCがリセットされたと判定されてから所定時間を経過したときに残容量リセットフラグF1と残容量格納フラグF2とに共に値0を設定するものとしてもよい。
【0037】
実施例の電気自動車20では、図2の駆動制御ルーチンのステップS100で入力した残容量SOCとバッテリ26の端子間電圧Vbから設定される残容量SOCとに基づいてステップS170でバッテリ26の残容量SOCが正確であるか否かを判定するものとしたが、ステップS130でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたと判定されてから所定時間を経過したか否かに基づいてバッテリ26の残容量SOCが正確であるか否かを判定するものとしてもよい。ここで、所定時間は、バッテリ26の特性や電子制御ユニット40の性能などにより定められる。
【0038】
実施例の電気自動車20では、図2の駆動制御ルーチンのステップS120で残容量リセットフラグF1が値1のときやステップS130でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたと判定されたときには、バッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定する際に共に補正値αを用いて設定するものとしたが、入力制限Winを設定する際に用いる補正値α1と出力制限Woutを設定する際に用いる補正値α2とに異なる値を用いるものとしてもよい。ここで、補正値α1と補正値α2との関係は、バッテリ26の特性などにより定めることができる。
【0039】
実施例の電気自動車20では、バッテリ26の残容量SOCがリセットされたときに残容量SOCが正確でないときには、残容量SOCが正確でないと判定される直前の残容量SOCを用いて設定されるバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するものとしたが、残容量SOCが正確でないと判定される直前のバッテリ26の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するものとしてもよい。この場合の駆動制御ルーチンの一例の一部を図6に示す。なお、図6の駆動制御ルーチンのうち図2の駆動制御ルーチンと同一の処理について同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。図6の駆動制御ルーチンでは、ステップS120で残容量リセットフラグF1が値1のときやステップS130でバッテリ26の残容量SOCがリセットされたと判定されたときには、残容量SOCが正確であるか否かを判定し(ステップS170)、残容量SOCが正確でないと判定されたときには、仮入出力制限格納フラグF3の値を調べ(ステップS400)、仮入出力制限格納フラグF3が値0のときには、前回このルーチンが実行されたときに設定されたバッテリ26の仮入出力制限(前回Wintmp),(前回Wouttmp)を格納値Winset,Woutsetとして格納すると共に(ステップS410)、仮入出力制限格納フラグF3に値1を設定し(ステップS420)、格納値Winset,Woutsetを仮入出力制限Wintmp,Wouttmpに設定し(ステップS430)、補正値αに値W1を設定し(ステップS220)、設定した仮入出力制限Wintmp,Wouttmpと補正値αとを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定する(ステップS280)。ここで、仮入出力制限格納フラグF3は、初期値として値0が設定されると共に前回の仮入出力制限(前回Wintmp),(前回Wouttmp)、即ち残容量SOCが正確でないと判定される直前の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpが格納されたときに値1が設定されるフラグである。ステップS400で仮入出力制限格納フラグF3が値1のときには、ステップS410で格納した格納値Winset,Woutsetを用いてS430以降の処理を実行する。即ち、バッテリ26の残容量SOCが正確でないときには、残容量SOCが正確でないと判定される直前の仮入出力制限Wintmp,Wouttmpを用いてバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定するのである。なお、仮入出力制限格納フラグF3は、ステップS170で残容量SOCが正確であると判定され且つステップS240で補正値αが値0未満のときに値0にリセットされる(ステップS440)。このようにバッテリ26の入出力制限Win,Woutを設定することにより、実施例と同様の効果を奏することができる。
【0040】
実施例では、駆動軸32に動力を入出力可能なモータ22と、モータ22と電力をやりとりするバッテリ26とを備える電気自動車20について説明したが、モータ22やバッテリ26に加えて、図7の変形例の電気自動車120に例示するように、駆動軸32に遊星歯車機構126を介してエンジン122とモータ124とを接続した電気自動車120に適用するものとしてもよいし、図8の変形例の電気自動車220に例示するように、エンジン222と、エンジン222のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪30a,30bに連結された駆動軸32に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン222の動力の一部を駆動軸32に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230とを備える電気自動車220に適用するものとしてもよいし、図9の変形例の電気自動車320に例示するように、モータ22にインバータを介して接続され燃料の供給を受けて発電可能な燃料電池FCを備える電気自動車320に適用するものとしてもよい。また、図9の変形例の電気自動車320における燃料電池FCを、エンジンとエンジンからの動力を用いて発電する発電機とに置き換えてもよい。
【0041】
実施例では、駆動軸32に動力を入出力可能なモータ22と、モータ22と電力をやりとりするバッテリ26とを備える駆動装置を搭載する電気自動車20について説明したが、この駆動装置を自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載するものとしてもよいし、移動体以外の建設設備などに組み込むものとしてもよい。また、駆動装置の形態や駆動装置の制御方法の形態として用いるものとしてもよい。さらに、バッテリ26の入出力を管理する入出力管理装置の形態やバッテリ26の入出力を管理する入出力管理方法の形態として用いるものとしてもよい。
【0042】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施例である駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例の電子制御ユニット40により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。
【図4】バッテリ26における電池温度Tbと仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの基本値との関係の一例を示す説明図である。
【図5】バッテリ26の残容量SOCと仮入出力制限Wintmp,Wouttmpの補正係数との関係の一例を示す説明図である。
【図6】変形例の駆動制御ルーチンの一例の一部を示す説明図である。
【図7】変形例の電気自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図8】変形例の電気自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【図9】変形例の電気自動車320の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
【0044】
20,120,220,320 電気自動車、22 モータ、23 回転角センサ、24 インバータ、26 バッテリ、27a 電圧センサ、27b 電流センサ、27c 温度センサ、30a,30b 駆動輪、31 デファレンシャルギヤ、32 駆動軸、40 電子制御ユニット、42 CPU、44 ROM、46 RAM、50 イグニッションスイッチ、51 シフトポジション、52 シフトポジションセンサ、53 アクセルペダル、54 アクセルペダルポジションセンサ、55 ブレーキペダル、56ブレーキペダルポジションセンサ、58 車速センサ、60 補機バッテリ、61a,61b 補機、122、222 エンジン、124 モータ、126 遊星歯車機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、FC 燃料電池。




 

 


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