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ブラシレスDCモータの制御装置および換気送風装置 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 ブラシレスDCモータの制御装置および換気送風装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89322(P2007−89322A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−275732(P2005−275732)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 伊藤 温元 / 白石 松夫 / 井崎 勘治 / 奥村 康之
要約 課題
換気扇やレンジフード等のブラシレスDCモータ、携帯基地局等の機器冷却に使用される熱交換型冷却機のブラシレスDCモータの制御装置に係り、位置センサを用いることなくセンサレス制御によりモータ電流の転流タイミングを好適に制御することにより、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置を実現する。

解決手段
直流電源5からインバータ回路1に供給される電流値の変化率に基づいてあらかじめ記憶されたブラシレスDCモータ2の固定子4の巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子4の巻線に印加する電圧との位相を推定し、推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定するブラシレスDCモータ2の制御装置12としたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された回転子と固定子巻線を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオン・オフさせて回転させる制御装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給される電流値の変化率に基づいてあらかじめ記憶された前記ブラシレスDCモータの前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する前記固定子巻線に印加する電圧との位相を推定する位相推定手段と、前記位相推定手段によって推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定する転流タイミング決定手段を有することを特徴とするブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項2】
位相推定手段は、転流周期のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比を電流変化率として算出し、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相との相関曲線をあらかじめ記憶したことを特徴とする請求項1記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項3】
位相推定手段は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻における第1の電流値と、転流タイミングから転流周期の4分の3の時間が経過した時刻における第2の電流値を求め、前記第1の電流値に対する前記第2の電流値の比を電流変化率として算出することを特徴とする請求項1または2記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項4】
位相推定手段は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定できるようにしたことを特徴とする請求項1または3記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項5】
位相推定手段は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、最新の電流変化率と1回転前の電流変化率を比較し、その差があらかじめ定められた値よりも小さいときは、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定し、一方、あらかじめ定められた値よりも大きいときは、最新の電流変化率から位相を推定できるようにしたことを特徴とする請求項1または3記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項6】
位相推定手段は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻毎に電流値を求め、前記4分の1に対する前記4分の3の比を第1の電流変化率とし、前記4分の2に対する前記4分の4の比を第2の電流変化率として算出し、第1の電流変化率により得られた位相が遅れ位相のときは、第1の電流変化率により得られた位相により通電タイミングを決定し、一方、進み位相のときは、第2の電流変化率により得られた位相により転流タイミングを決定することを特徴とする請求項1または5記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項7】
転流タイミング決定手段は、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定することを特徴とする請求項1及至6のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項8】
転流タイミング決定手段は、前回の転流周期を4分割し、あらかじめ定められた4分の1の時間区間のみを目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正することを特徴とする請求項1及至6のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項9】
転流タイミング決定手段は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも大きいときは、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定する。一方、小さいときは、あらかじめ定められた転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正することを特徴とする請求項1及至6いずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項10】
転流タイミング決定手段は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも小さいとき、転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正し、次回得られた位相が前回の位相と同じであることを検出した回数が、あらかじめ定められた回数以上となるときは、前回の転流周期から、目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算することを特徴とする請求項9記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項11】
転流タイミング決定手段は、起動時と運転時では、時間補正量を変えることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項12】
請求項1及至11のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置を搭載した換気送風装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扇やレンジフード等のブラシレスDCモータ、携帯基地局等の機器冷却に使用される熱交換型冷却機のブラシレスDCモータの制御装置に係り、位置センサーを用いることなくセンサレス制御によりモータ電流の転流タイミングを好適に制御することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の換気送風装置、例えば熱交換型冷却機は、発熱体収納箱内の空気を取込んだ後、熱交換素子内を通過させて熱交換させ、再び発熱体収納箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、熱交換素子内を通過させて熱交換させた後、再び外気に排出する外気風路を有しこれら両風路は仕切板にて独立しており、それぞれの風路内には、それぞれの空気を搬送する送風機が設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
通常このような構成の熱交換型冷却機は、携帯基地局等の冷却に使用され、携帯基地局本体側から、熱交換型冷却機に直流の低圧電源が供給され、ブラシレスDCモータを搭載した送風機等を駆動している。
【0004】
以下、その熱交換型冷却機の動作について、図17を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、発熱体収納箱101内の熱せられた空気(以下、これを内気と称する)は熱交換型冷却機102の内気吸込口103より、室内側ブラシレスDCモータ104を搭載した室内側送風機105によって吸込まれ、熱交換素子106を通過したのち、内気吐出口107より発熱体収納箱101内に戻る循環風路を循環している。一方、室外側ブラシレスDCモータ108を搭載した室外側送風機109によって、外気吸込口110より吸込まれた外気は、熱交換素子106を通過したのち、外気吹出口111より、外気に再度排出されている。内気風路と外気風路は仕切板112によって両風路が独立するよう略気密状態に仕切られ、また内気風路と外気風路の交点には外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子106が配置されている。上記構成により、熱交換型冷却機102は、低温外気を取り入れ、発熱体収納箱101内部の暖かい空気との間で熱交換素子106にて熱交換をおこない、暖かくなった外気は排気し、冷たくなった空気を箱内に給気する。
【0006】
また、室内側ブラシレスDCモータ104および室外側ブラシレスDCモータ108は、通常ホール素子等の磁極センサーを内蔵したブラシレスDCモータを使用し、そのブラシレスDCモータを駆動する制御装置113は、基地局を設置する場所の低温外気や粉塵の影響を受けないように、熱交換型冷却機102の内気風路内に設置され、外気にさらされる室外側ブラシレスDCモータ108とは、長い中継の動力リード線114とセンサー信号リード線115とで接続されていた。制御装置113には、発熱体収納箱101内等に設置された低圧の直流電源116より、駆動電力が供給されている。
【0007】
ブラシレスDCモータのセンサレス制御は、モータ駆動中の固定子巻線に誘起される誘起電圧と界磁との相関に着目して、誘起電圧に基づいてモータの転流タイミングを決定する制御方式や直流電源からインバータ回路に供給される電流値の時間に対する変化率に基づいて回転子の磁極位置を推定することによって、モータの転流タイミングを決定するセンサレス制御方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
以下、そのブラシレスDCモータの制御装置の動作について、図18を参照しながら説明する。
【0009】
図18に示すように、インバータ回路117は3相インバータブリッジの構成であり、Q1、Q2、Q3はそれぞれU、V、W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4、Q5、Q6はそれぞれU、V、W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列に還流ダイオードD1、D2、D3、D4、D5、D6を接続する。ブラシレスDCモータ118は回転子119と固定子120から構成され、固定子120には電気角で120度の位相差を持つように固定子巻線L1、L2、L3が配置される。直流電源116とスイッチング素子の間には、図示するように直流電源116の出力電流を検出する電流検出抵抗121を配置する。電流検出抵抗121の端子間電圧をマイクロコンピュータ122に内蔵されているA/D変換器123に入力する。演算器124はA/D変換器123でデジタル化した電流値を参照してモータ電流の相転流タイミングを計算し、インバータを制御するスイッチング信号、U+、V+、W+、U−、V−、W−を出力する。ドライブ回路125は演算器124から出力されるスイッチング信号に基づいて、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をそれぞれ120度毎に通電して駆動されている。
【0010】
直流電源116から出力される電流の時間に対する変化率の極性を検出し、この極性が変化した時刻に基づいて回転子の磁極位置を推定し、該検出信号に基づいて極性の反転時刻を計測し、該時刻から回転子の磁極位置の推定を行い、転流タイミングを得るものである。
【特許文献1】特開2001−156478号公報
【特許文献2】特開平8−126379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような従来の構成では、磁気センサーを搭載する場合は、室外側ブラシレスDCモータの内蔵する磁気センサーと制御装置を長い中継リード線で接続するため、センサー信号の中継リード線がノイズの影響を受け易く、誤動作しやすくなるとともに、磁気センサーの使用温度範囲による設置場所の温度条件の制約があり、また、熱交換型冷却機内の配線作業も複雑で手間がかかり、高コストの冷却機になるという課題があり、また、センサレス駆動のブラシレスDCモータの場合は、電流値が極小、すなわち誘起電圧が最大となるところと等しいとして、磁極位置を推定して転流タイミングを決定しているため、外乱等により急激な負荷変動があった場合、誘起電圧との位相差が大きくなり、電流値が極小となる点がみいだせない状況に陥り、磁極位置を正確に把握することが困難となるため、脱調を引き起こし、モータ停止する可能性が大きくなるという課題があった。
【0012】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、ノイズの影響を排除し、外乱等により負荷変動が大きい場合においても、脱調することなく、信頼性が高く、高効率なブラシレスDCモータの制御装置を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のブラシレスDCモータの制御装置は、上記目的を達成するために、直流電源からインバータ回路に供給される電流値の変化率に基づいてあらかじめ記憶されたブラシレスDCモータの固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相を推定し、推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定するブラシレスDCモータの制御装置としたものである。
【0014】
この手段により、インバータ回路に流れる電流を検出して位相を推定することができ、確実な位置検出が可能となり、センサレス駆動ができるブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0015】
また、他の手段は、位置検出手段を転流周期のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比を電流変化率として算出し、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相との相関曲線をあらかじめ記憶したものである。
【0016】
これにより、相関曲線をあらかじめ記憶することにより、複雑な演算を必要とせずに位相の検出ができ、安価なマイコンを使用することが可能となり、低価格のブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0017】
また、他の手段は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻における第1の電流値と、転流タイミングから転流周期の4分の3の時間が経過した時刻における第2の電流値を求め、第1の電流値に対する第2の電流値の比を電流変化率として算出するものである。
【0018】
これにより、転流周期内における位相の推定において、電流変化が比較的大きく変化する位置で電流値をサンプリングすることが可能となり、より大きな電流変化率を得ることができ、位相の推定精度を向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。
【0019】
また、他の手段は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定できるようにしたものである。
【0020】
これにより、スイッチング素子のばらつきや、回転子の磁石のばらつき、負荷のアンバランスによるばらつき等による、電流のばらつきの影響を軽減でき、位相の推定精度を向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。
【0021】
また、他の手段は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、最新の電流変化率と1回転前の電流変化率を比較し、その差があらかじめ定められた値よりも小さいときは、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定し、一方、あらかじめ定められた値よりも大きいときは、最新の電流変化率から位相を推定できるようにしたものである。
【0022】
これにより、負荷変動の大きさを検出することができ、負荷変動に応じてより正確な電流検出率が得られ、位相の推定精度を向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0023】
また、他の手段は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻毎に電流値を求め、前記4分の1に対する前記4分の3の比を第1の電流変化率とし、前記4分の2に対する前記4分の4の比を第2の電流変化率として算出し、第1の電流変化率により得られた位相が遅れ位相のときは、第1の電流変化率により得られた位相により通電タイミングを決定し、一方、進み位相のときは、第2の電流変化率により得られた位相により転流タイミングを決定するものとしたものである。
【0024】
これにより、位相に応じてより正確な電流変化率を検出することができ、位相の推定精度を向上できると共に負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。
【0025】
また、他の手段は、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定するものとしたものである。
【0026】
これにより、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0027】
また、他の手段は、前回の転流周期を4分割し、あらかじめ定められた4分の1の時間区間のみを目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正することにより目標位相に追従するようにしたものである。
【0028】
これにより、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0029】
また、他の手段は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも大きいときは、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定して、一方、小さいときは、あらかじめ定められた転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正するものとしたものである。
【0030】
これにより、負荷の変動の大きさを検出することが可能となり、転流タイミング毎に負荷変動に応じた最適な通電タイミングを得ることができ、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0031】
また、他の手段は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも小さいとき、転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正し、次回得られた位相が前回の位相と同じになることを検出した回数が、あらかじめ定められた回数以上となるときは、前回の転流周期から、目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算するものとしたものである。
【0032】
これにより、推定した位相が正確に検出することができるため、推定した位相が同じであるということは脱調しかかっていると判断することが可能となり、次回の転流周期の時間補正量をかえることによって脱調の発生を軽減することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0033】
また、他の手段は、起動時と運転時では、時間補正量を変えることにより、目標位相に追従するように転流タイミングを補正することとしたものである。
【0034】
これにより、起動時は回転が不安定であるため、位相推定に誤差が生じやすく、起動時と運転時とで時間補正量を変えることにより、回転の不安定さや脱調を引き起こすことを軽減でき、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0035】
また、他の手段は、ブラシレスDCモータの制御装置を換気送風装置に搭載したものである。
【0036】
これにより、内気風路側に設置された制御手段との接続に使用するセンサー信号の中継リード線や磁気センサーが不要になるので、センサー信号線へのノイズによる誤動作の影響がなく、設置場所の温度条件の制約がなくなる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置とすることができるとともに、リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、低価格の熱交換型冷却機が得られる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、軽負荷、重負荷など負荷の大きさが変化しても、負荷に応じた常に最適な位相にすることが可能となり、ノイズの影響を排除し、外乱等により負荷変動が大きい場合においても、脱調することなく、信頼性が高く、高効率なブラシレスDCモータの制御装置を提供できる。
【0038】
また、軽負荷、重負荷など負荷の大きさが変化しても、負荷に応じた常に最適な位相にすることが可能となり、常に高効率で運転することができるという効果のあるブラシレスDCモータの制御装置を提供できる。
【0039】
また、外乱等により負荷変動が大きい場合においても、脱調することがないという効果のある信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の請求項1記載の発明は、直流電源からインバータ回路に供給される電流値の変化率に基づいてあらかじめ記憶された前記ブラシレスDCモータの前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する前記固定子巻線に印加する電圧との位相を推定する位相推定手段と、前記位相推定手段によって推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定する転流タイミング決定手段を有したものであり、インバータ回路に流れる電流を検出して位相を推定することができ、ノイズの影響を排除し、脱調することなく、確実な磁極の位置検出が可能になるブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
【0041】
本発明の請求項2記載の発明は、転流周期のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比を電流変化率として算出し、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相との相関曲線をあらかじめ記憶したものであり、相関曲線をあらかじめ記憶することにより、複雑な演算を必要とせずに位相の検出ができ、安価なマイコンを使用することが可能となり、低価格のブラシレスDCモータの制御装置が製造できるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項3記載の発明は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻における第1の電流値と、転流タイミングから転流周期の4分の3の時間が経過した時刻における第2の電流値を求め、前記第1の電流値に対する前記第2の電流値の比を電流変化率として算出するものであり、転流周期内における位相の推定において、電流変化が比較的大きく変化する位置で電流値をサンプリングすることが可能となり、より大きな電流変化率を得ることができ、位相の推定精度を向上した信頼性の高い駆動を実現できる。
【0043】
本発明の請求項4記載の発明は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定できるようにしたものであり、スイッチング素子のばらつきや、回転子の磁石のばらつき、負荷のアンバランスによるばらつき等による、電流のばらつきの影響を軽減でき、位相の推定精度を向上した信頼性の高い駆動を実現できる。
【0044】
本発明の請求項5記載の発明は、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を求め、最新の電流変化率と1回転前の電流変化率を比較し、その差があらかじめ定められた値よりも小さいときは、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定し、一方、あらかじめ定められた値よりも大きいときは、最新の電流変化率から位相を推定できるようにしたものであり、負荷変動の大きさを検出することができ、負荷変動に応じてより正確な電流検出率が得られ、位相の推定精度を向上した信頼性の高い駆動を実現できる。
【0045】
本発明の請求項6記載の発明は、転流タイミングから転流周期の4分の1の時間が経過した時刻毎に電流値を求め、前記4分の1に対する前記4分の3の比を第1の電流変化率とし、前記4分の2に対する前記4分の4の比を第2の電流変化率として算出し、第1の電流変化率により得られた位相が遅れ位相のときは、第1の電流変化率により得られた位相により通電タイミングを決定し、一方、進み位相のときは、第2の電流変化率により得られた位相により転流タイミングを決定するものであり、位相に応じてより正確な電流変
化率を検出することができ、位相の推定精度を向上できると共に負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0046】
本発明の請求項7記載の発明は、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定するものであり、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0047】
本発明の請求項8記載の発明は、前回の転流周期を4分割し、あらかじめ定められた4分の1の時間区間のみを目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正するものであり、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0048】
本発明の請求項9記載の発明は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも大きいときは、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算し、転流タイミングを決定して、一方、小さいときは、あらかじめ定められた転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正するものであり、負荷の変動の大きさを検出することが可能となり、転流タイミング毎に負荷変動に応じた最適な通電タイミングを得ることができ、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0049】
本発明の請求項10記載の発明は、目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも小さいとき、転流周期の4分の1の時間区間のみを時間補正し、次回得られた位相が前回の位相と同じになることを検出した回数が、あらかじめ定められた回数以上となるときは、前回の転流周期から、目標位相と実際の位相との位相差に応じて時間補正を行い、次回の転流周期を演算するものであり、推定した位相が正確に検出することができるため、推定した位相が同じであるということは脱調しかかっていると判断することが可能となり、次回の転流周期の時間補正量をかえることによって脱調の発生を軽減することができる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0050】
本発明の請求項11記載の発明は、起動時と運転時では、時間補正量を変えるものであり、起動時は回転が不安定であるため、位相推定に誤差が生じやすく、起動時と運転時とで時間補正量を変えることにより、回転の不安定さや脱調を引き起こすことを軽減でき、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高い駆動を実現できる。
【0051】
本発明の請求項12記載の発明は、ブラシレスDCモータの制御装置を搭載した換気送風装置としたものであり、内気風路側に設置された制御装置との接続に使用するセンサー信号の中継リード線や磁気センサーが不要になるので、センサー信号線へのノイズによる誤動作の影響がなく、設置場所の温度条件の制約がなくなる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置とすることができるとともに、リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、低価格の熱交換型冷却機が製造できる。
【0052】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0053】
(実施の形態1)
図1に示すように、インバータ回路1は3相インバータブリッジの構成であり、Q1、Q2、Q3はそれぞれU、V、W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4、Q5、Q6はそれぞれU、V、W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列に還流ダイオードD1、D2、D3、D4、D5、D6を接続する。ブラシレスDCモータ2は回転子3と固定子4から構成され、固定子4には電気角で120度の位相差を持つように固定子巻線L1、L2、L3が配置される。直流電源5とスイッチング素子の間には、図示するように直流電源5の出力電流を検出する電流検出抵抗6を配置する。電流検出抵抗6の端子間電圧をマイクロコンピュータ7に内蔵されているA/D変換器8に入力する。位相推定手段9はA/D変換器8でデジタル化した電流値から電流の時間に対する電流変化率を演算し、あらかじめ記憶しておいたインバータ回路1に供給される電流値の電流変化率と固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係から、位相を推定する。転流タイミング決定手段10は、位相推定手段9から得られた位相と目標位相を比較し、位相差に基づいてモータ電流の相転流タイミングを計算し、インバータを制御するスイッチング信号、U+、V+、W+、U−、V−、W−を出力する。ドライブ回路11は転流タイミング決定手段10から出力されるスイッチング信号に基づいて、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6をそれぞれ120度毎に通電して駆動されている。
【0054】
位相推定手段9、転流タイミング決定手段10、ドライブ回路11はマイクロコンピュータ7に内蔵されている。
【0055】
制御装置12は、インバータ回路1、電流検出抵抗6、マイクロコンピュータ7からなる。
【0056】
次に位相推定の方法について説明する。図2(a)は120度通電における電流波形を示している。図において、転流周期の任意の2点、すなわちI1、I2における電流値をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
【0057】
Ihi=I2の電流値/I1の電流値・・・(式1)
トルクを一定にして、固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相を例えば−30度から30度まで変化させた時の電流変化率を式1により求めると、図3のような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係が得られる。
【0058】
この位相関係から、演算処理の負担を軽減するために、図4に示すような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係に簡略化し、これをあらかじめ記憶しておく。したがって、式1で得られた電流変化率から図4を用いて現在の位相を得ることができる。
【0059】
図2(b)は、目標とする位相に対して転流タイミングが早い時の電流波形を示している。この場合において、式1により得られた電流変化率Ihiを1.223とすると、図4から−5度の位相であると推定でき、目標位相を0度とすると、目標位相に対する位相差は−5度であり、目標位相に対して進み位相であると判別できる。その位相差に応じて、次回の転流タイミングを遅らすことによって、電流波形を破線に近づけ、目標位相での運転を可能にする。
【0060】
一方、図2(c)は、目標とする位相に対して転流タイミングが遅い時の電流波形を示している。破線は目標としている位相の場合の電流波形を示している。この場合において、式1により得られた電流変化率Ihiを1.255とすると、図4から5度の位相であるいと推定でき、目標位相を0度とすると、目標位相に対する位相差は5度であり、目標位相に対して遅れ位相であると判別でき、その位相差に応じて、次回の転流タイミングを早めることによって、電流波形を破線の波形に近づけ、目標位相での運転を可能にする。
【0061】
これによって、インバータ回路1に流れる電流を検出して位相を推定することが可能となり、モータと制御装置が離れていて、モータリード線が長くなっても、リード線による電圧降下の影響を受けない信頼性の高いセンサレス駆動が可能になる。また、本実施例のように、発熱体が携帯基地局のような場合には、直流電源は24Vや48Vのような低圧の直流電源の場合が多く、その場合は、電流が多い状態で駆動されるので、電流検出の信頼性が高くなり、位相推定の精度もさらに高くなる。
【0062】
なお、本実施例においては、120度通電方式における電流変化率によるセンサレス駆動の方法を説明したが、通電方式は120度通電である必要はなく、150度でも180度でもその他の通電方式でもよく、その作用効果に差異を生じない。
【0063】
また、あらかじめ記憶する位相を−30度から30度の範囲としたが、モータに合わせて設定すればよく、その作用効果に差異を生じない。
【0064】
(実施の形態2)
図5は、120度通電における電流波形を示している。図において、転流周期のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングの領域における任意の2点、すなわちI1、I2における電流値をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
【0065】
同様にして、トルクを一定にして、固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相を変化させた時の電流変化率を式1により求め、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係に簡略化し、これをあらかじめ記憶しておき、得られた位相に基づいて、転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0066】
これによって、相関曲線をあらかじめ記憶することにより、得られた電流変化率から現在の位相を容易に得ることができ、複雑な演算を必要とせずに位相の検出ができ、安価なマイコンを使用することが可能となり、低価格で信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が製造できる。
【0067】
(実施の形態3)
図6は、120度通電における電流波形を示している。図において、前回の転流タイミングをt0、今回の転流タイミングをt1とし、t0からt1までの転流周期をT1とする。転流周期T1を4分割した時刻をT1aとすると、転流タイミングt0から転流周期の4分の1の時間が経過した時刻t11における第1の電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の3の時間が経過した時刻t13における第2の電流値I2をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
【0068】
この時の各位相における電流変化率との関係を図7の実線に示す。また、点線の曲線は転流タイミングt0から転流周期の4分の2の時間が経過した時刻t12における第1の電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の4の時間が経過した時刻t14における第2の電流値I2をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求めた各位相における電流変化率との関係を示す。
【0069】
したがって、実線で示した特性の方が各位相において電流変化率が大きくなっている。これにより、電流変化率が大きい方が位相の推定誤差がより少なくなるということがわかる。
【0070】
これによって、転流周期内における位相の推定において、電流変化が比較的大きく変化する位置で電流値をサンプリングすることが可能となり、より大きな電流変化率を得ることができ、位相の推定精度を向上できる信頼性の高い駆動を可能にする。
【0071】
なお、本実施例においては、転流周期の4分の1および4分の3経過した時刻における電流値から電流変化率を求め、位相を推定しているが、転流周期の4分の2および4分の4経過した時刻における電流値でもよい。要は電流の変化が大きくなる時刻で電流変化率を求めればよく、その作用効果に差異は生じない。
【0072】
(実施の形態4)
図8は、負荷変動がなく一定回転数で駆動していた時の120度通電における電流波形を示している。図において、スイッチング素子のばらつき、回転子の磁石のばらつき、負荷のアンバランスなどの影響により、電流波形の振幅にばらつきがあらわれる。これらの電流のばらつきは周期性をもっており、機械角で1回転毎に繰り返されている。
【0073】
したがって、機械角で1回転分の電流変化率を記憶して、その平均値を電流変化率として用い、位相を推定する。
【0074】
例えば、8極12スロットのブラシレスDCモータの場合、機械角で1回転に相当する通電切替えは、24回である。よって、24回分の電流変化率を記憶し、その平均値Ihiaを式2により求る。
【0075】
Ihia=(Ihi1+Ihi2+Ini3+ ・・・ +Ihi24)/24・・・(式2)
これによって、スイッチング素子のばらつきや、回転子の磁石のばらつき、負荷のアンバランスによるばらつき等による、電流のばらつきの影響を軽減でき、位相の推定精度を向上できる信頼性の高い駆動を可能にする。
【0076】
なお、本実施例においては、機械角で1回転分の電流変化率を記憶し、その平均値により、位相を推定することとしたが、2回転分や0.5回転分でもよい。要は、ばらつきによる影響を小さくできれば良く、その作用効果に差異は生じない。
【0077】
(実施の形態5)
図9は、負荷が徐々に重くなっていく時の120度通電における電流波形を示している 。
【0078】
図において、転流周期毎に負荷が重くなっているため、位相が徐々に遅れ位相になっている。これに機械角で1回転前の電流波形(破線で示す)を重ねると電流波形の形が次第に遅れ位相となり、転流周期が遅くなっていることがより顕著にわかる。
【0079】
したがって、電流変化率を機械角で1回転の期間記憶して、1回転の電流変化率の平均値を式2により求め、最新の電流変化率と1回転前の電流変化率を比較する。この差があらかじめ定められた値、例えば、電流変化率が±0.02よりも小さい時は、負荷変動が小さいと判断し、1回転の電流変化率の平均値から位相を推定する。一方、電流変化率が±0.02よりも大きい時は、負荷変動が大きいと判断し、最新の電流変化率から位相を推定する。
【0080】
例えば、最新の電流変化率が1.255の時、電流変化率の平均値が1.220とする。
【0081】
両者の差は、0.035となり、あらかじめ定められたしきい値±0.02よりも大きいことから、負荷変動が大きいと判断し、最新の電流変化率から位相を推定する。一方、最新の電流変化率が、1.230の時、同様にして両者の差は、0.01であり、負荷変動が少ないと判断し、電流変化率の平均値から位相を推定することになる。
【0082】
これによって、負荷変動の大きさを検出することができ、負荷変動に応じてより正確な電流検出率が得られ、位相の推定精度を向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0083】
なお、本実施例においては、最新の電流変化率と1回転前の電流変化率との差を±0.02としたが、モータ負荷に応じて数値を決めればよく、±0.01や±0.03であってもその作用効果に差異は生じない。
【0084】
(実施の形態6)
図10(a)、(b)に基づいて位相を推定する方法について説明する。
【0085】
前回の転流タイミングをt0、今回の転流タイミングをt1とし、t0からt1までの転流周期をT1とする。転流周期T1を4分割した時刻をT1aとし、転流タイミングt0からT1a時刻が経過する毎に電流値をA/D変換する。転流タイミングt0から転流周期の4分の1時刻が経過した時刻t11における第1の電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の3の時間が経過した時刻t13における第2の電流値I2をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
【0086】
同様にして、電流変化率から固定子巻線に印加する電圧との位相を推定し、得られた位相が、遅れ位相または目標位相の時は、推定した位相を採用し、進み位相の時は、転流タイミングt0から転流周期の4分の2時刻が経過した時刻t12における第1の電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の4の時間が経過した時刻t14における第2の電流値I2をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
【0087】
同様にして、電流変化率から固定子巻線に印加する電圧との位相を推定し、得られた位相を採用する。
【0088】
例えば、図4において、転流タイミングt0から転流周期の4分の1時刻が経過した時刻t11における電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の3の時間が経過した時刻t13における第2の電流値I2の電流変化率が、1.255の時、位相は5度であり、目標位相を0度とした場合、遅れ位相であることが判別できる。したがって、位相は5度であるとして、目標位相0度に近づけるように、転流タイミングを早めるように制御を行う。
【0089】
一方、電流変化率が、1.223の時、位相は−5度であり、目標位相を0度とした場合、進み位相であることが判別できる。したがって、転流タイミングt0から転流周期の4分の2時刻が経過した時刻t12における第1の電流値I1と転流タイミングt0から転流周期の4分の4の時間が経過した時刻t14における第2の電流値I2から電流変化率を求め、このときの電流変化率が、1.234の時、位相は−5度であり、この位相に基づいて、目標位相に近づけるように、転流タイミングを遅らせるように制御を行う。
【0090】
このようにして得られた位相に基づいて、今回の転流タイミングt1を早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0091】
これによって、進み位相、遅れ位相など、位相に応じてより正確な電流変化率を検出することができ、位相の推定精度を向上できると共に負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。
【0092】
(実施の形態7)
図11に基づいて、今回の転流タイミングから次回の転流タイミングを決定する方法について説明する。
【0093】
前回の転流タイミングをt0、今回の転流タイミングをt1とし、t0からt1までの転流周期をT1とする。電流変化率から固定子巻線に印加する電圧との位相を図12に基づき位相推定を行い、得られた位相から補正値αを得る。次回の転流タイミングをt2とすると、次回の転流タイミングまでの転流周期T2を式3により求める。
【0094】
T2=T1+α×T1・・・(式3)
例えば、転流周期T1が1ms、位相が5度の時の補正値αは−1/16となり、式3より転流周期T2は、0.9375msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0095】
一方、位相が−5度の時の補正値αは1/16となり、同様に式5により転流周期T2は、1.0625msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングよりも遅らせることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0096】
このようにして得られた補正値に基づいて、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0097】
これによって、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0098】
なお、本実施例においては、図12に示すような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係および補正値αに簡略化したが、これらの数値はモータの特性に合わせて決めれば良く、その作用効果に差異は生じない。
【0099】
(実施の形態8)
図13に基づいて、今回の転流タイミングから次回の転流タイミングを決定する方法について説明する。
【0100】
図13(a)は、転流タイミングを早めて位相を進める時の電流波形を示している。図13(b)は、転流タイミングを遅らせて位相を遅らす時の電流波形を示している。破線は目標位相における電流波形を示している。前回の転流タイミングをt0、今回の転流タイミングをt1とし、t0からt1までの転流周期をT1、転流周期T1を4分割した時刻をT1aとする。図14に基づき、電流変化率から固定子巻線に印加する電圧との位相を推定し、得られた位相に基づいて、補正値βを取得する。
【0101】
次回の転流タイミングをt2とすると、次回の転流タイミングまでの転流周期T2を式4により求める。
【0102】
T2=3×T1a+(T1a+β×T1a)・・・(式4)
このとき、転流タイミングから転流周期T1の4分の3が経過してから4分の4経過するまでのT1a時間を補正することにより、次回の転流タイミングt2を早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0103】
例えば、転流周期T1が1ms、位相が5度の時の補正値βは−1/32となり、式4より転流周期T2は、0.992msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0104】
一方、位相が−5度の時の補正値βは1/32となり、同様に式4により転流周期T2は、1.008msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングよりも遅らせることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0105】
このようにして得られた補正値に基づいて、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0106】
これによって、負荷変動に対して転流周期毎に常に最適な転流タイミングを得ることができ、負荷の変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0107】
なお、本実施例においては、図14に示すような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係および補正値βに簡略化したが、これらの数値はモータの特性に合わせて決めれば良く、その作用効果に差異は生じない。
【0108】
(実施の形態9)
今回の転流タイミングから次回の転流タイミングを決定する方法について説明する。
【0109】
目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも大きい時は、前回の転流周期から目標位相と実際の位相との位相差に応じて、式5により次回の転流周期を演算し、時間補正を行い転流タイミングを決定する。一方、位相差よりも小さい時は、式6により次回の転流周期を演算し、転流タイミングから転流周期の4分の3が経過してから4分の4経過するまでの時間を補正し、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0110】
例えば、目標位相と実際の位相差が10度よりも大きい時は、式3により演算を行い、位相差が10度未満の時は、式6により次回の転流周期を求める。したがって、目標位相との位相差が10度ある時、転流周期T1が1ms、位相が10度の時の補正値αは−1/16となり、式3より転流周期T2は、0.9375msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0111】
一方、目標位相との位相差が10度未満の時、転流周期T1が1ms、位相が5度の時の補正値βは−1/32となり、式4より転流周期T2は、0.992msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0112】
このようにして得られた補正値に基づいて、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0113】
これによって、負荷の変動の大きさを検出することが可能となり、転流タイミング毎に負荷変動に応じた最適な通電タイミングを得ることができ、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0114】
(実施の形態10)
今回の転流タイミングから次回の転流タイミングを決定する方法について説明する。
【0115】
目標位相と実際の位相と比較し、あらかじめ定められた位相差よりも小さい時、式6により次回の転流周期を演算し、転流タイミングから転流周期の4分の3が経過してから4分の4経過するまでの時間を補正する。次回得られた位相が前回の位相と異なることが、あらかじめ定められた回数以上となるい時は、前回の転流周期から、目標位相と実際の位相との位相差に応じて式5により転流周期を演算し、時間補正を行い、次回の転流周期を演算することにより、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0116】
例えば、目標位相との位相差が10度未満の時、転流周期T1が1ms、位相が5度の時の補正値βは−1/32となり、式4より転流周期T2は、0.992msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0117】
一方、転流周期を早めるように制御を行い、目標位相に近づけるように制御を行ったにも関わらず、得られた位相がかわらないことが、3回以上続いた場合は、同様に転流周期T1が1ms、位相が5度の時の補正値αは−1/16となり、式3より転流周期T2は、0.9375msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行うようにする。
【0118】
このようにして得られた補正値に基づいて、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0119】
これによって、推定した位相が正確に検出することができるため、推定した位相が同じであるということは脱調しかかっていると判断することができ、次回の転流周期の時間補正量をかえることによって脱調の発生を軽減することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0120】
(実施の形態11)
図15に基づいて、今回の転流タイミングから次回の転流タイミングを決定する方法について説明する。
【0121】
起動時と運転時では、図15に示すように補正値αを変えることにより、目標位相に追従するように転流タイミングを補正することとしたものである。
【0122】
例えば、起動時において、転流周期T1が1ms、位相が10度の時の補正値αは−2/16となり、式3より転流周期T2は、0.875msとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングt1よりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0123】
一方、運転時において、位相が10度の時の補正値αは1/16となり、同様に式3により転流周期T2は、0.9375msmsとなり、次回の転流タイミングt2を今回の転流タイミングよりも早めることにより目標位相に近づけるように制御を行う。
【0124】
このようにして得られた補正値に基づいて、次回の転流タイミングを早めたり、遅らせたりすることにより、目標位相での運転を可能にする。
【0125】
これによって、起動時は回転が不安定であるため、位相推定に誤差が生じやすく、起動時と運転時とで時間補正値を変えることにより、回転の不安定さや脱調を引き起こすことを軽減でき、負荷変動に対する追従性が向上できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
【0126】
なお、本実施例においては、図15に示すような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係および補正値αに簡略化したが、これらの数値はモータの特性に合わせて決めれば良く、その作用効果に差異は生じない。
【0127】
(実施の形態12)
図16に示すように、ブラシレスDCモータの制御装置を換気送風装置に搭載したものである。
【0128】
図において、2は室外側のセンサレスDCブラシレスモータで、室外側送風機13を回転させることにより、携帯電話の交換基地局等の発熱体収納箱14が設置された周囲の外気を、熱交換型冷却機15の下部の外気吸込口16より吸い込み、熱交換素子16を通過させた後、熱交換型冷却機15の上部の外気吐出口18より吐き出している。19は室内側のブラシレスDCモータで、室内側送風機20を回転させることにより、発熱体収納箱4内部の熱せられた内気を、熱交換型冷却機15の上部の内気吸込口21より吸い込み、熱交換素子17を通過させた後、熱交換型冷却機15の下部の内気吐出口22より吐き出している。室外側送風機13の回転による外気の動きを実線の矢印で、室内側送風機20の回転による室内空気の動きを破線の矢印で示している。熱交換素子17内を冷えた外気と熱せられた室内空気が通過するときに熱交換され、外気は熱せられて大気中に排出され、室内空気は冷やされて室内側に還流されるので、発熱体収納箱14内の冷却が可能になる。熱交換素子17内では外気風路と内気風路は遮断されており、熱交換型冷却機15の内気風路内に外気風路の空気が流入することは無い。制御ボックス23は熱交換型冷却機15の内気風路内に設置されて、その内部には、室外側センサレスDCブラシレスモータ2を駆動するための制御装置12が設置されている。制御装置12には、発熱体収納箱15内に設置された低圧の直流電源5より、低圧の直流電力が供給され、制御装置12から駆動用リード線24を通して室外側のセンサレスDCブラシレスモータ2を駆動している。又、制御ボックス23内には、室内側のブラシレスDCモータ19を駆動する室内側インバータ回路(図示せず)も備え、室内側送風機20を運転している。
【0129】
これによって、内気風路側に設置された制御装置との接続に使用するセンサー信号の中継リード線や磁気センサーが不要になるので、センサー信号線へのノイズによる誤動作の影響がなく、設置場所の温度条件の制約がなくなる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置とすることができるとともに、リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、低価格の熱交換型冷却機が得られる。
【0130】
なお、本実施例においては、ブラシレスDCモータの制御装置を熱交換型冷却機に搭載した例を示したが、換気扇やレンジフード等に搭載しても良く、その作用効果に差異は生じない。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明の実施の形態1のブラシレスDCモータの制御装置のブロック図
【図2】同位相推定手段による位相推定方法の説明図((a)目標位相時の電流波形を示す図、(b)進み位相時の電流波形を示す図、(c)遅れ位相時の電流波形を示す図)
【図3】同位相と電流変化率を示す相関特性図
【図4】同位相と電流変化率を簡略化した相関図
【図5】本発明の実施の形態2の位相推定手段による位相推定方法の説明図(目標位相時の電流波形を示す図)
【図6】本発明の実施の形態3の位相推定手段による位相推定方法の説明図(目標位相時の電流波形を示す図)
【図7】同位相と電流変化率を示す相関特性図
【図8】本発明の実施の形態4の位相推定手段による位相推定方法の説明図
【図9】本発明の実施の形態5の位相推定手段による位相推定方法の説明図
【図10】本発明の実施の形態6の位相推定手段による位相推定方法の説明図((a)進み位相時の電流波形を示す図、(b)遅れ位相時の電流波形を示す図)
【図11】本発明の実施の形態7の転流タイミング決定手段による転流タイミングの決定方法の説明図(目標位相時の電流波形を示す図)
【図12】同位相と電流変化率を簡略化した相関図
【図13】本発明の実施の形態8の転流タイミング決定手段による転流タイミングの決定方法の説明図((a)転流タイミングを早めて位相を進めるときの電流波形を示す図、(b)転流タイミングを遅くして位相を遅らすときの電流波形を示す図)
【図14】同位相と電流変化率を簡略化した相関図
【図15】本発明の実施の形態11の転流タイミング決定手段による転流タイミングの決定方法を示す図
【図16】本発明の実施の形態12のブラシレスDCモータの制御装置を搭載した換気送風装置の構造を示す概略断面図
【図17】従来の熱交換型冷却機の構造を示す概略断面図
【図18】従来のブラシレスDCモータの制御装置のブロック図
【符号の説明】
【0132】
1 インバータ回路
2 ブラシレスDCモータ
3 回転子
4 固定子
5 直流電源
6 電流検出抵抗
7 マイクロコンピュータ
8 A/D変換器
9 位相推定手段
10 転流タイミング決定手段
11 ドライブ回路
12 制御装置




 

 


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