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発明の名称 回路保護部品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−82302(P2007−82302A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−264979(P2005−264979)
出願日 平成17年9月13日(2005.9.13)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 徳永 英晃 / 鷲▲崎▼ 智幸
要約 課題
過電圧保護部が異常電圧の印加等によりショート状態になったとしても、焼損等の不具合が発生することのない回路保護部品を提供することを目的とする。

解決手段
過電流が印加されると抵抗値が増大する過電流保護部1と、過電圧が印加されるとインピーダンスが低下する過電圧保護部2とを直列に接続して一体化することにより、万一、過電圧保護部2が異常電圧の印加等によりショート状態になったとしても、過電流保護部1に過電流が流れて過電流保護部1がオープン状態となるため、過電流による回路保護部品の焼損等の不具合の発生を防ぐことができるものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
過電流が印加されると抵抗値が増大する過電流保護部と、過電圧が印加されるとインピーダンスが低下する過電圧保護部とを直列に接続して一体化した回路保護部品。
【請求項2】
セラミック基材上に金属膜を形成し、かつこの金属膜にレーザで過電圧保護部形成用間隙を形成し、この間隙に過電圧保護材料を充填することにより過電圧保護部を形成した請求項1記載の回路保護部品。
【請求項3】
セラミック基材上にフィトリソ法により過電圧保護部形成用間隙と過電流保護部をパターン化した金属膜を形成し、かつ前記過電圧保護部形成用間隙に過電圧保護材料を充填することにより過電圧保護部を形成した請求項1記載の回路保護部品。
【請求項4】
セラミック基材上に金属膜を形成し、かつこの金属膜にトリミング溝の形成により抵抗値調整が可能な過電流保護部を形成した請求項1記載の回路保護部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器を静電気から保護する回路保護部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の電子機器の小型化、高性能化が急速に進み、それに伴い電子機器に用いられる電子部品の小型化も急速に進んでいる。しかしながら、その反面、この小型化に伴って電子機器や電子部品の耐電圧は低下するもので、これにより、人体と電子機器の端子が接触した時に発生する静電気パルスによって機器内部の電気回路が破壊するのが増えてきている。これは静電気パルスによって1ナノ秒以下の速度でかつ数百〜数キロボルトという高電圧が機器内部の電気回路に印加されるからである。
【0003】
従来においては、このような静電気パルスへの対策として、静電気が入るラインとグランド間に対策部品を設ける方法がとられているが、近年では信号ラインの信号周波数が数百Mbps以上といった高速化が進んでおり、前記した対策部品の浮遊容量が大きい場合には信号品質が劣るため、より小さい方が好ましく、したがって、数百Mbps以上の伝送速度になると1pFの低静電容量の対策部品が必要になってくるものである。
【0004】
このような高速伝送ラインでの静電気対策として、従来においては、対向するギャップ電極の間に過電圧保護材料を充填するタイプの静電気対策部品が提案されている。
【0005】
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特表2001−504635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した対向するギャップ電極の間に過電圧保護材料を充填するタイプの静電気対策部品は保護するライン(例えば信号ライン)とグランドとの間に設置されるが、通常時には絶縁抵抗値が高くなって、静電気対策部品側へは電流が流れないことが望ましく、一方、ショート破壊による破壊モードは焼損等の危険性があるため、できるかぎり回避することが望まれる。また、上記したギャップ電極の間に過電圧保護材料を充填するタイプの静電気対策部品は、静電気に対する保護効果を高めるために、ギャップ電極の間隔をできるだけ狭めたり、あるいは高速伝送ラインに対応するために過電圧保護材料間の電極面積をできるだけ低減させているが、このようにギャップ電極の間隔を狭めた場合は、耐候試験等でのショート破壊の可能性が高くなり、一方、ギャップ電極の間隔を大きくするために電極面積を小さくした場合は、過負荷がかかった際のエネルギー耐量が小さくなり、これがショート破壊に至るという危険性を有するものであった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、過電圧保護部が異常電圧の印加等によりショート状態になったとしても、焼損等の不具合が発生することのない回路保護部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0009】
本発明の請求項1に記載の発明は、過電流が印加されると抵抗値が増大する過電流保護部と、過電圧が印加されるとインピーダンスが低下する過電圧保護部とを直列に接続して一体化したもので、この構成によれば、過電圧保護部がショート状態になったとしても、過電流保護部に過電流が流れて過電流保護部がオープンになるため、過電流による回路保護部品の焼損等の不具合の発生を防ぐことができるという作用効果を有するものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、セラミック基材上に金属膜を形成し、かつこの金属膜にレーザで過電圧保護部形成用間隙を形成し、この間隙に過電圧保護材料を充填することにより過電圧保護部を形成したもので、この構成によれば、過電圧保護部形成用の間隙をレーザで形成するようにしているため、この間隙は狭ピッチに形成することができ、これにより、過電圧保護効果の大きい回路保護部品を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、セラミック基材上にフィトリソ法により過電圧保護部形成用間隙と過電流保護部をパターン化した金属膜を形成し、かつ前記過電圧保護部形成用間隙に過電圧保護材料を充填することにより過電圧保護部を形成したもので、この構成によれば、フォトリソ法を用いて、セラミック基材上に過電圧保護部形成用間隙と過電流保護部をパターン化した金属膜を形成しているため、過電圧保護部形成用間隙を狭ピッチで、かつ高精度に形成することができ、これにより、過電圧保護効果が大きく、かつ高精度の回路保護部品を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、セラミック基材上に金属膜を形成し、かつこの金属膜にトリミング溝の形成により抵抗値調整が可能な過電流保護部を形成したもので、この構成によれば、その抵抗値をトリミングで調整することにより、より正確な溶断特性を保障することができるため、高精度の回路保護部品を提供することができるという作用効果を有するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明の回路保護部品は、過電流が印加されると抵抗値が増大する過電流保護部と、過電圧が印加されるとインピーダンスが低下する過電圧保護部とを直列に接続して一体化しているため、万一、過電圧保護部が異常電圧の印加等によりショート状態になったとしても、過電流保護部に過電流が流れて過電流保護部がオープン状態となるため、これにより、過電流による回路保護部品の焼損等の不具合の発生を防ぐことができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1,2に記載の発明について説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態1における回路保護部品の等価回路図、図2〜図6は同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図、図7は同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図である。
【0016】
図1において、1は過電流保護部で、この過電流保護部1は過電流が印加されると抵抗値が増大するものである。2は過電圧保護部で、この過電圧保護部2は過電圧が印加されるとインピーダンスが低下するものである。そして本発明の実施の形態1における回路保護部品は、図1に示すように、過電流保護部1と過電圧保護部2とを直列に接続して一体化しているものである。
【0017】
図2〜図7において、3はセラミック基材、4は端子、5は金属膜、6は過電流保護部形成用溝、7は過電圧保護部形成用間隙、8は過電圧保護材料、9は保護樹脂である。
【0018】
図2〜図7に示すように、本発明の実施の形態1における回路保護部品は、セラミック基材3上の金属膜5に、電気的接続を一部で確保する過電流保護部形成用溝6と、電気的接続を確保しない過電圧保護部形成用間隙7とを直列に接続するように形成し、そして前記過電圧保護部形成用間隙7上に過電圧保護材料8を形成し、さらに過電流保護部形成用溝6と過電圧保護部形成用間隙7を覆うように保護樹脂9を形成した構成になっている。
【0019】
このように過電流保護部1と過電圧保護部2とを直列に接続することにより、万一、過電圧保護部2が異常電圧の印加等によりショート状態になった場合は、過電流保護部1に過電流が流れて過電流保護部1がオープン状態になるため、これにより、回路保護部品の焼損等の不具合の発生を防ぐことができるものである。
【0020】
次に、本発明の実施の形態1における回路保護部品の製造方法について説明する。
【0021】
まず、図2に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を乾式プレス等の方法で直方体に成形した後、900〜1300℃で焼成することによりセラミック基材3を得た。
【0022】
次に、図3に示すように、前記セラミック基材3上にCu,Ag,Au,Cr,Ni,Al,Pdあるいはこれらの合金等のいずれかの金属を無電解めっき、蒸着、スパッタ等によって形成し、さらにその上に電気めっきを行うことにより0.1〜30μmの金属膜5を形成した。
【0023】
次に、図4(a)の前面図および図4(b)の背面図に示すように、前記金属膜5を形成したセラミック基材3の中央付近にYAGレーザを照射すると同時に、セラミック基材3を長手方向を軸として回転させ、かつ長手方向に5〜50μm/(一回転)の速度で移動させた。YAGレーザは、セラミック基材3が1〜1.25回転している間照射することにより、両端子4間の電気的導通をある一面だけで確保する5〜50μmの導電部を残した過電流保護部形成用溝6を形成して図1に示す過電流保護部1を形成した。前記過電流保護部形成用溝6の幅は5〜50μmが望ましい。
【0024】
次に、図5に示すように、前記過電流保護部形成用溝6の横に、上記と同様にYAGレーザを照射させるとともに、セラミック基材3を長手方向を軸として回転させることにより、過電圧保護部形成用間隙7を形成した。この場合、セラミック基材3は、長手方向に移動させないようにすることにより、両端子4間の導電性が完全に遮断されるようにした。なお、前記過電圧保護部形成用間隙7は、絶縁を保障できる範囲で小さい方が過電圧保護効果は優れているため、50μm以下の幅であることが望ましい。
【0025】
次に、図6に示すように、直方体のセラミック基材3の四面のうちの少なくとも一面の過電圧保護部形成用間隙7に過電圧保護材料8をディップ、ポッティング等の方法で充填して図1に示す過電圧保護部2を形成する。前記過電圧保護材料8は、例えばZnOを主成分とするバリスタ材料を塗布して焼成することにより形成しているものである。この過電圧保護材料8は上記した材料以外に、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド等の樹脂成分にニッケル粉、アルミニウム粉、カーボン粉等の導電性物質を分散させた過電圧保護材料やSiCを主成分とするバリスタ材料を用いて形成しても良いものである。
【0026】
最後に、図7に示すように、端子4の部分を除いて、過電流保護部1、過電圧保護部2を覆うようにエポキシ樹脂、フェノール樹脂等をディップ等の方法で塗布し、かつ乾燥させ、そして150〜200℃で15〜60分硬化させることにより保護樹脂9を形成して、本発明の実施の形態1における回路保護部品を得た。
【0027】
上記本発明の実施の形態1においては、過電流保護部1を形成した後に過電圧保護部2を形成しているが、それは以下の理由によるものである。すなわち、本発明の実施の形態1における過電流保護部1の過電流に対する保護の方法は、過電流が図4(a)の前面図に示す微細部分6aを通る際のジュール熱によって金属導体が融点を超えて溶断することを利用したものであり、その溶断特性は抵抗値と相関性があり、抵抗値を決めることによって保障することができる。また過電圧保護部2は完全にセラミック基材3の両端部に位置する端子4間を電気的に遮断するもので、これにより、抵抗値はオープンに見えるものであるため、過電圧保護部2を形成する前に過電流保護部1の抵抗値を測定することによって、溶断特性を保障することができるものである。
【0028】
上記したように本発明の実施の形態1における回路保護部品は、過電流保護部1と過電圧保護部2とを直列に接続して一体化した構成としているため、万一、過電圧保護部2が異常電圧の印加等によってショート状態になった場合は、インピーダンスが低下することになり、そしてこのインピーダンスの低下に伴って流れる過電流が過電流保護部1の金属導体を溶断させてオープン状態にするため、過電流による回路部品の焼損等の不具合を未然に防ぐことができるものである。
【0029】
また、上記本発明の実施の形態1における回路保護部品においては、セラミック基材3上に形成した金属膜5に過電圧保護部2を形成するための過電圧保護部形成用間隙7を形成する場合、レーザで過電圧保護部形成用間隙7を形成しているため、この間隙7は狭ピッチに形成することができ、これにより、過電圧保護効果の大きい回路保護部品を提供することができるものである。
【0030】
なお、上記本発明の実施の形態1においては、直方体のセラミック基材3の全表面に金属膜5を形成し、そしてこの金属膜5に過電流保護部1と過電圧保護部2を形成したものについて説明したが、厚膜チップ抵抗器のように基板の一面のみに過電流保護部1と過電圧保護部2を形成した場合においても、上記本発明の実施の形態1と同様の効果が得られるものである。
【0031】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項1,3に記載の発明について説明する。
【0032】
図8は本発明の実施の形態2における回路保護部品の断面図、図9〜図11は同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図、図12は同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図である。
【0033】
図8〜図12において、10はセラミック基材、11は金属膜、12は過電圧保護材料、13は保護樹脂、14は端子電極、15は過電圧保護部形成用間隙、16は過電流保護部である。
【0034】
図8〜図12に示すように、本発明の実施の形態2における回路保護部品は、平板状のセラミック基材10上に、過電圧保護部形成用間隙15と過電流保護部16をパターン化した金属膜11を形成し、そして前記過電圧保護部形成用間隙15上に過電圧保護材料12を形成し、さらに端子電極14と接続できるように金属膜11の端部を残し、かつ過電流保護部16と過電圧保護材料12を完全に覆うように保護樹脂13を形成し、そして前記金属膜11の端部に端子電極14を電気的に接続するように形成することによって構成している。
【0035】
次に、本発明の実施の形態2における回路保護部品の製造方法について説明する。
【0036】
まず、図9に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900〜1300℃で焼成することにより得られたセラミック基材10上に、図9に示すようなパターンで、スパッタ、蒸着等によってCu,Ag,Au,Cr,Ni,Al,Pd等のいずれかからなる金属膜11を10nm〜20μmの厚みで形成した。図9に示すパターン形成は、スパッタや蒸着等によって金属膜11を形成する際にマスクを使用してパターン形成したり、あるいは金属膜11を形成した後、フォトリソ法を用いてエッチングすることによりパターン形成を行っても良いが、過電圧保護材料12の過電圧保護効果は過電圧保護部形成用間隙15の幅を小さくした方が優れているため、この過電圧保護部形成用間隙15の幅を小さくするためには、フォトリソ法を用いることが望ましい。なお、前記過電圧保護部形成用間隙15の幅は50μm以下が望ましい。
【0037】
金属膜11は過電圧が印加された際に、電流としてバイパスさせることを求められるため、その抵抗値は低いことが望まれる。一方、過電流保護部16は過電流が微細パターン部分を通る際のジュール熱によって金属導体が融点を越えて溶断することを利用しているため、その溶断特性を精度良くするためにはパターンの微細化が求められる。以上のことから、金属膜11は低比抵抗の金属材料を用い、かつパターン形成は微細加工が容易なフォトリソ法を用いることが望ましい。また金属膜11における過電流保護部16を形成する部分の幅は5〜50μmが望ましい。
【0038】
次に、図10に示すように、過電圧保護部形成用間隙15を完全に埋めるように過電圧保護材料12を過電圧保護部形成用間隙15に充填して過電圧保護部を形成する。前記過電圧保護材料12は、例えば、ZnOを主成分とするバリスタ材料粉末とガラス粉末の混合体に有機ビヒクルを適量加えて混練することによってバリスタペーストを得、そしてこのバリスタペーストを、スクリーン印刷法を用いて5〜50μmの厚みで図10に示すようなパターンに印刷して乾燥させ、そして700〜950℃で15分〜3時間焼成することにより過電圧保護材料12を形成しているものである。この過電圧保護材料12は上記した材料以外に、SiCを主成分とするバリスタ材料や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド等の樹脂成分にニッケル粉、アルミニウム粉、カーボン粉等の導電性物質を分散させた過電圧保護材料を用いて形成しても良いものである。
【0039】
次に、図11に示すように、過電圧保護材料12と過電流保護部16を完全に覆い、かつ両端に金属膜11の端部が残った状態となるように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護用の樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて10〜100μmの厚みで印刷して乾燥させ、そして150〜200℃で15〜60分間硬化させることにより、保護樹脂13を形成した。
【0040】
最後に、図12に示すように、金属膜11の端部と電気的に接続されるように、Ag等の金属粉とエポキシ樹脂等の硬化用樹脂からなる電極ペーストを塗布して乾燥させ、かつ硬化させることによりセラミック基材10の両端部に端子電極14を形成して、本発明の実施の形態2における回路保護部品を得た。
【0041】
上記したように本発明の実施の形態2における回路保護部品は、過電流保護部16と、過電圧保護部形成用間隙15と過電圧保護材料12からなる過電圧保護部とを直列に接続して一体化した構成としているため、万一、過電圧保護部が異常電圧の印加等によってショート状態になった場合は、インピーダンスが低下することになり、そしてこのインピーダンスの低下に伴って流れる過電流が過電流保護部16の金属導体を溶断させてオープン状態にするため、過電流による回路部品の焼損等の不具合を未然に防ぐことができるものである。
【0042】
また、上記本発明の実施の形態2における回路保護部品においては、フォトリソ法を用いて、セラミック基材10上に過電圧保護部形成用間隙15と過電流保護部16をパターン化した金属膜11を形成しているため、過電圧保護部形成用間隙15を狭ピッチで、かつ高精度に形成することができ、これにより、過電圧保護効果が大きく、かつ高精度の回路保護部品を提供することができるものである。
【0043】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
【0044】
図13は本発明の実施の形態3における回路保護部品の断面図、図14〜図17は同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図、図18は同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図である。
【0045】
図13〜図18において、17はセラミック基材、18は金属膜、19は過電圧保護材料、20は保護樹脂、21は端子電極、22は過電圧保護部形成用間隙、23は過電流保護部、24はトリミング溝である。
【0046】
図13〜図18に示すように、本発明の実施の形態3における回路保護部品は、平板状のセラミック基材17上に、過電圧保護部形成用間隙22と、側部の左右から内部にかけて少なくとも1本ずつトリミング溝24を設けてなる過電流保護部23とから成る金属膜18を形成し、そして前記過電圧保護部形成用間隙22上に過電圧保護材料19を形成し、さらに端子電極21と接続できるように金属膜18の端部を残し、かつ過電流保護部23と過電圧保護材料19を完全に覆うように保護樹脂20を形成し、そして前記金属膜18の端部に端子電極21を電気的に接続するように形成することによって構成している。
【0047】
次に、本発明の実施の形態3における回路保護部品の製造方法について説明する。
【0048】
まず、図14に示すように、アルミナ等の誘電率が50以下、好ましくは10以下の低誘電率材料を900〜1300℃で焼成することにより得られたセラミック基材17上に、図14に示すような過電圧保護部形成用間隙22を有するベタパターンで、スパッタ、蒸着等によってCu,Ag,Au,Cr,Ni,Al,Pd等のいずれかからなる金属膜18を10nm〜20μmの厚みで形成した。
【0049】
次に、図15に示すように、金属膜18における過電流保護部23を構成する部分に、金属膜18の側部の左右から内部にかけて少なくとも1本ずつトリミング溝24を設けることにより過電流保護部23を形成した。このトリミング溝24は、トリミング溝24の両端で抵抗値を測定しながらYAGレーザで5〜50μmの幅の溝を形成してトリミングを行った。
【0050】
この場合、過電流保護部23の両端の抵抗値は1Ω以下になるようにするのが好ましい。それは以下に示す理由によるものである。すなわち、過電流保護部23の抵抗値が大きくなりすぎると、静電気パルス等の異常電圧が発生した際に、被保護回路に対して並列に接続される回路保護部品において、回路保護部品側に電流が流れづらくなり、これにより、被保護回路に比較的大きな電圧が印加されることになって、十分な回路保護効果が実現できないからである。
【0051】
次に、図16に示すように、過電圧保護部形成用間隙22を完全に埋めるように過電圧保護材料19を過電圧保護部形成用間隙22に充填して過電圧保護部を形成する。前記過電圧保護材料19は、例えば、ZnOを主成分とするバリスタ材料粉末とガラス粉末の混合体に有機ビヒクルを適量加えて混練することによってバリスタペーストを得、そしてこのバリスタペーストを、スクリーン印刷法を用いて5〜50μmの厚みで図16に示すようなパターンに印刷して乾燥させ、そして700〜950℃で15分〜3時間焼成することにより過電圧保護材料19を形成しているものである。この過電圧保護材料19は上記した材料以外に、SiCを主成分とするバリスタ材料や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド等の樹脂成分にニッケル粉、アルミニウム粉、カーボン粉等の導電性物質を分散させた過電圧保護材料を用いて形成しても良いものである。
【0052】
次に、図17に示すように、過電圧保護材料19と過電流保護部23を完全に覆い、かつ両端に金属膜18の端部が残った状態となるように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等からなる保護用の樹脂ペーストをスクリーン印刷法を用いて10〜100μmの厚みで印刷して乾燥させ、そして150〜200℃で15〜60分間硬化させることにより、保護樹脂20を形成した。
【0053】
最後に、図18に示すように、金属膜18の端部と電気的に接続されるように、Ag等の金属粉とエポキシ樹脂等の硬化用樹脂からなる電極ペーストを塗布して乾燥させ、かつ硬化させることによりセラミック基材17の両端部に端子電極21を形成して、本発明の実施の形態3における回路保護部品を得た。
【0054】
上記したように本発明の実施の形態3における回路保護部品は、セラミック基材17上に金属膜18を形成し、かつこの金属膜18にトリミング溝24の形成により抵抗値調整が可能な過電流保護部23を形成しているため、その抵抗値をトリミングで調整することにより、より正確な溶断特性を保障することができ、これにより、高精度の回路保護部品を提供することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかる回路保護部品は、過電流が印加されると抵抗値が増大する過電流保護部と、過電圧が印加されるとインピーダンスが低下する過電圧保護部とを直列に接続して一体化しているため、万一、過電圧保護部が異常電圧の印加等によりショート状態になった場合は、過電流保護部に過電流が流れて過電流保護部がオープン状態になって、過電流による回路保護部品の焼損等の不具合の発生を防ぐことができるもので、特に電装品などの信頼性を要求される回路において有効な対策を行うことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態1における回路保護部品の等価回路図
【図2】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図3】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図4】(a)(b)同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図5】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図6】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図7】同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図
【図8】本発明の実施の形態2における回路保護部品の断面図
【図9】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図10】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図11】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図12】同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図
【図13】本発明の実施の形態3における回路保護部品の断面図
【図14】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図15】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図16】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図17】同回路保護部品の製造方法を説明するための仕掛品の外観斜視図
【図18】同製造方法により得られた回路保護部品の外観斜視図
【符号の説明】
【0057】
1,16,23 過電流保護部
2 過電圧保護部
3,10,17 セラミック基材
4 端子
5,11,18 金属膜
6 過電流保護部形成用溝
7,15,22 過電圧保護部形成用間隙
8,12,19 過電圧保護材料
9,13,20 保護樹脂
14,21 端子電極
24 トリミング溝




 

 


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