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発明の名称 電動送風機のロータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−74899(P2007−74899A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2006−338124(P2006−338124)
出願日 平成18年12月15日(2006.12.15)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 浅野 能成 / 藤田 克敏
要約 課題
数万r/minの用途としての埋め込み磁石形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性を維持し、かつ、永久磁石のコーティングも行うものである。

解決手段
ステータ1と鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロータコア21に軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴22を複数個設け、永久磁石埋設用穴22に永久磁石23を埋設してなるロータ2から構成され、ステータ1に施された巻線電流により発生する回転磁界により回転するモータの製造方法において、電動送風機のロータである。
特許請求の範囲
【請求項1】
電動送風機のロータにおいて、ステータと鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータに施された巻線電流により発生する回転磁界により回転する電動送風機のロータであり、前記永久磁石に接着剤を用いて直接コーティングした後、前記永久磁石と前記ロータコアとの接着も行って、互いに隣接する前記永久磁石埋設用穴が近接する部分の前記ロータコアの薄肉部又は前記永久磁石埋設用穴の端部と前記ロータコアの外周部とが近接する部分の前記ロータコアの薄肉部の断面積をArとし、前記永久磁石の磁極面の表面積をAmとし、前記ロータコア素材の引張り強さをPrとし、前記接着剤の引張り接着強さをPmとすると、Pr・Ar≦Pm・Amの関係を有する電動送風機のロータ。
【請求項2】
請求項1記載の電動送風機のロータにおいて、
永久磁石が、ネオジム・鉄・ボロン系の希土類磁石であり、接着剤塗布前の永久磁石表面には、コーティングを有していないことを特徴とする電動送風機のロータ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電動送風機のロータにおいて、
接着剤は永久磁石の全表面を覆うことを特徴とする電動送風機のロータ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに用いる永久磁石ロータ、特にロータコア内部に永久磁石を埋設した永久磁石ロータの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータに対する省エネルギー化要求に応えるため、モータのDCブラシレス化が進んでいる。DCブラシレスモータにおいては、誘導電動機におけるロータバーがないため2次銅損がなく、永久磁石による強い磁力による高トルクが実現できる。さらに、永久磁石をロータコア内部に埋設することにより、ロータコアに逆突極性を持たせ、マグネットトルクのみならず、リラクタンストルクをも有効利用することが可能である。
【0003】
例えば、特許文献1および非特許文献1には、打ち抜き鋼板の打ち抜き穴が重なって形成される磁石埋設用穴に、永久磁石7を挿入して接着剤を固定する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2000−197291号公報
【非特許文献1】IEEE Industry Application Society Annual Meeting,New Orleans,LA,October5−9,1997,Using the Halbach Magnet Arrey to Develop an Ultrahigh−Speed Spindle Motor for Machine Tools
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のような従来の永久磁石ロータにおいては、ロータコア外周部と永久磁石埋設用穴とが近接した部分のロータコアの薄肉部により、永久磁石の磁束がステータにわたらずに短絡し、永久磁石の磁束のうち一部を無効な漏れ磁束として費やすことになる。上記のような薄肉部の幅を小さくすれば良いが、遠心力に対する強度を保つためには、一定以上の幅が必要である。
【0005】
上記のように、ロータコア内部に永久磁石を埋設する際、接着剤を用いている例があるが、通常、特に希土類の永久磁石には、表面に防錆用のコーティングが施してあり、そのさらに外側に接着剤を塗布するため、永久磁石とロータコアとの間の非磁性層が厚くなり、パーミアンス係数が低下し、動作点磁束密度が低下する。また、永久磁石とコーティングの剥離強度は弱く、接着剤が十分有効に働いているとは言えない。
【0006】
また、特に数万r/minという高速で運転される場合、互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接する部分のロータコアの薄肉部、および、永久磁石埋設用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロータコアの薄肉部の幅を大きくせねばならず、これは、永久磁石の漏洩磁束を増加させるものであり、モータ特性を低下させるものである。
【0007】
本発明は、数万r/minの用途としての埋め込み磁石形ロータの強度を確保しつつ、モータ特性を維持し、かつ、永久磁石のコーティングも行うことができるモータの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するものであり、ステータと鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータに施された巻線電流により発生する回転磁界により回転するモータの製造方法において、永久磁石を接着剤を用いて直接コーティングした後、永久磁石とロータコアとの接着も行うものである。
【0009】
具体的には、電動送風機のロータにおいて、ステータと鉄などの高透磁率材からなる略円筒形のロータコアに軸方向に貫通した永久磁石埋設用穴を複数個設け、前記永久磁石埋設用穴に永久磁石を埋設してなる永久磁石ロータから構成され、ステータに施された巻線電流により発生する回転磁界により回転する電動送風機のロータであり、前記永久磁石に接着剤を用いて直接コーティングした後、前記永久磁石と前記ロータコアとの接着も行って、互いに隣接する前記永久磁石埋設用穴が近接する部分の前記ロータコアの薄肉部又は前記永久磁石埋設用穴の端部と前記ロータコアの外周部とが近接する部分の前記ロータコアの薄肉部の断面積をArとし、前記永久磁石の磁極面の表面積をAmとし、前記ロータコア素材の引張り強さをPrとし、前記接着剤の引張り接着強さをPmとすると、Pr・Ar≦Pm・Amの関係を有する電動送風機のロータである。
【0010】
上記発明のとおり、互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接する部分のロータコアの薄肉部、または、永久磁石埋設用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロータコアの薄肉部の断面積をAr、永久磁石の磁極面の表面積をAm、ロータコア素材の引張り強さをPr、接着剤の引張り接着強さをPmとすると、Pr・Ar≦Pm・Amであり、ロータコアの薄肉部の強度と永久磁石とロータコアとの接着強度が同等か、接着強度が大きくなるため、ロータコアの薄肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低減するためにロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可能である。
【0011】
また、上記発明において、永久磁石が、ネオジム・鉄・ボロン系の希土類磁石であり、接着剤塗布前の永久磁石表面には、コーティングがされていない電動送風機のロータでは、鉄同士の接着となるため、接着強度が強く、高速回転に対してさらに強くなる。
【0012】
また、上記発明において、接着剤が永久磁石の全表面を覆う電動送風機のロータでは、永久磁石の水分、冷媒等に対する保護が完全となり、錆や特性劣化を防止することができる。
【0013】
また、上記発明において、接着剤が液体モノマー型または液体オリゴマー型である電動送風機のロータでは、接着剤の塗布が容易である。
【0014】
また、上記発明において、接着剤がフェノール樹脂系である電動送風機のロータでは、特に高温で使用される場合、強度の低下が小さく、耐水、耐酸に優れる。
【0015】
また、上記発明において、接着剤がエポキシ樹脂系である電動送風機のロータでは、特にアルカリに対して強い。
【0016】
また、上記発明において、永久磁石の表面に微少な溝または凹凸を設け、溝または凹凸の凹内部にも接着剤を塗布した電動送風機のロータでは、永久磁石の表面積が大きくなるため、接着強度を増大させることができる。
【0017】
また、上記発明において、ロータコアが、電磁鋼板を打ち抜いたロータコアシートを積層した電動送風機のロータでは、積層したロータコアシート間にも接着剤が入り込むため、接着強度を増大させることができる。
【0018】
また、上記発明において、ロータコアに接着剤を塗布した永久磁石を埋設し、ロータコアの両端に端板を設け、端板を軸方向に押圧した状態で接着剤を硬化させた電動送風機のロータでは、永久磁石の軸方向の固定も可能である。
【発明の効果】
【0019】
本件出願に係る発明によれば、永久磁石のロータコア内部での固定、高速運転時の永久磁石の飛散防止、永久磁石の絶縁が同時にできる。ロータコアの薄肉部の強度と永久磁石とロータコアとの接着強度が同等か、接着強度が大きくなるため、ロータコアの薄肉部にかかる応力が小さく、漏れ磁束を低減するためにロータコアの薄肉部の幅の小さい設計が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明のモータの製造方法におけるロータの製造方法を示す。なお、図における(a)から(d)は各工程を示すものである。
【0022】
工程(a)において、永久磁石23は、Nd−Fe−B系の希土類磁石で、コーティングは施されていない。防錆油等で、仮の防錆処理が施されている場合は、直前に脱脂処理を行う。その後、接着剤を永久磁石の全面に塗布する(以下、接着剤を塗布した永久磁石を「コーティング磁石23A」と示す)。
【0023】
工程(b)において、ロータコア21は電磁鋼板に永久磁石埋設用穴22を有するように、打ち抜いて形成されている。コーティング磁石23Aをロータコア21の永久磁石埋設用穴22に挿入する。このとき、全ての永久磁石埋設用穴22に、コーティング磁石23Aを埋設する。このときコーティング磁石23Aの接着剤27が硬化する前にロータコア21に挿入しなければならない。なお、永久磁石埋設用穴22には、永久磁石が挿入可能な程度の隙間24を有している。
【0024】
工程(c)において、コーティング磁石23Aを挿入した後、ロータコア21の軸方向両端に端板28を配する。端板の材質は、ステンレスや真鍮等非磁性体が望ましい。
【0025】
工程(d)において、ロータ2の軸方向両端を加圧しながら(図に描画する加圧力「F」)、接着剤を硬化させる。加圧方法としては、リベットピンでカシメても良い。硬化には、放置しても良いが、接着剤27の種類によっては、例えばエポキシ系の場合は、100℃〜150℃程度で加熱すると良い。嫌気性接着剤を用いると、塗布前には硬化しにくく、永久磁石23をロータコア21内部に埋設した後、硬化しやすい。
【0026】
ここで、永久磁石23にはあらかじめコーティングがないため、鉄と鉄との接着となり、接着強度が強くなる。通常、希土類磁石のコーティングの剥離強度は、鉄と鉄との接着に比べると極めて弱い。従って、永久磁石23のロータコア21への組込み直前の接着剤27の塗布は、永久磁石23及びその外側のロータコア21の飛散強度増大と、永久磁石23の錆防止が同時に可能である。
【0027】
このとき、永久磁石23全表面を覆うようにすると良い。ここで、接着剤27は、液体モノマー型または液体オリゴマー型であると、流動性に優れ、接着剤27の塗布も容易となる。さらに、接着剤27をフェノール樹脂系とすることで、高温で使用される場合、接着強度の低下が小さく、耐水、耐酸に優れ、また、エポキシ系の接着剤27とすれば、特にアルカリに対して強くなる。
【0028】
また、ロータコア21が電磁鋼板を打ち抜いたロータコアシートを積層したものであるため、永久磁石23との接着面が、積層状である。従って、流動性の高い接着剤27であれば、積層間に接着剤が入り込み、接着面積を大きくすることが可能である。同様に、永久磁石23の表面に微少な凹凸を設けても良い。このとき、永久磁石23の製造工程において、微少な凹凸が設けられるような刃物を使う、または、研磨機を使う等の方法がある。
【0029】
また、接着剤27を硬化させるとき、端板28を軸方向に押圧した状態で行えば、ロータコア積層の占積率も向上し、永久磁石23の軸方向端面と端板との接着も可能である。このとき、嫌気性の接着剤27であれば、接着剤27が密閉されるため、接着剤27の硬化も早められる。
【0030】
図2は、上記図1に示す工程により製造されたロータを具備するモータ断面を示している。
【0031】
モータは、ステータ1と、ステータ1の内側にわずかな空隙をもって対向し、回転自在に保持されたロータ2からなる。
【0032】
ステータ1は、電磁鋼板を打ち抜いてなるステータコアシートを積層したステータコア11に、絶縁物を介して3相に巻線12が施されている。
【0033】
ロータ2は、永久磁石23を埋設した後のロータコア21の軸方向両側には、端板28を設け、リベット用穴25にリベットを通し固定している。また、軸穴26には軸が挿入され、両側を軸受で保持される。
【0034】
図3は、接着剤を用いないロータを、60000r/minでロータを回転させた状態の、強度解析を示すものである。
【0035】
特に、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部が応力が高く、本解析においては、最大応力が約20kgf/mm2である。これは、電磁鋼板の最大許容応力約35kgf/mm2に比べて十分な安全率がない。そこで、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部のみで永久磁石及び永久磁石外側のコアを保持するのではなく、永久磁石とロータコア間の接着によっても、保持し、高速回転に耐えうる構造とするものである。
【0036】
このとき、永久磁石埋設用穴相互間の薄肉部と接着剤による保持強さがほぼ同等か、接着剤の接着強度の方が強くないといけない。その条件について考えてみる。
【0037】
ロータコア素材の引張り強さ及び接着剤の引張り接着強さは、単位面積当たりのものであり、面積が大きいほど、強くなると考えられる。つまり、接着力は、引張り強さ×断面積(表面積)で表される。
【0038】
互いに隣接する永久磁石埋設用穴が近接する部分のロータコアの薄肉部、または、永久磁石埋設用穴の端部とロータコアの外周部とが近接する部分のロータコアの薄肉部の断面積をAr、永久磁石の磁極面の表面積をAm、ロータコア素材の引張り強さをPr、接着剤の引張り接着強さをPmとすると、Pr・Ar≦Pm・Amである必要がある。例えば、Pr=40kgf/mm2、Ar=1mm(薄肉部幅)×20mm(ロータ積厚)、Am=20mm(永久磁石表面積)×20mm(永久磁石の軸方向長さ)とすると、Pm≧40×20÷400=2kgf/mm2の接着剤を用いれば良い。例えば、エポキシ一液性の接着剤には、20℃で3kgf/mm2、100℃でも2.7kgf/mm2という接着剤もあり、これは100℃程度までの用途には使用可能である。
【0039】
数万r/minの用途としては、図4に示すような、クリーナやブロアに用いられる電動送風機等がある。特に、Nd−Fe−B系の永久磁石を用い、集中巻化により銅重量も低減できるので、小型化が可能であり、軽量化できるため、使用者の負荷を軽減でき、さらに、モータ効率も高いので、消費電力も低減できる。また、埋め込み磁石型ロータ特有の、永久磁石埋設用穴相互間や、永久磁石埋設用穴とロータ外周の間の薄肉部を大きくすれば磁束の漏れが増加し効率が低下し、小さくすれば、強度が不足するという課題を解決するものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、モータに用いる永久磁石ロータ、特にロータコア内部に永久磁石を埋設した永久磁石ロータの構造に関して、永久磁石とロータコア間の接着によっても、保持し、高速回転に耐えうる構造とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のモータの製造方法におけるロータの製造工程を示す図
【図2】本発明のモータの製造方法により製造されたモータの断面図
【図3】ロータの高速回転時の変形状態及び応力分布を示す図
【図4】本発明のモータの製造方法により製造されたモータを搭載した電動送風機の断面図
【符号の説明】
【0042】
1 ステータ
2 ロータ
11 ステータコア
12 巻線
21 ロータコア
22 永久磁石埋設用穴
23 永久磁石
23A コーティング磁石
24 隙間
27 接着剤




 

 


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