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非常用電源装置 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 非常用電源装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60822(P2007−60822A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−243851(P2005−243851)
出願日 平成17年8月25日(2005.8.25)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 森田 一樹 / 小田島 義光
要約 課題
少ないキャパシタでも負荷を駆動可能な非常用電源装置を提供することを目的とする。

解決手段
キャパシタ1を削減するとともに、出力電圧が既定の経時的な出力電圧特性となるように、または、出力電圧がキャパシタ電圧検出回路の出力特性に対応した電圧となるように、または、出力電圧がキャパシタ電流検出回路の出力とキャパシタから電流を出力した経過時間から求めたキャパシタの電流時間積に対応した電圧となるように、昇圧回路9をフィードバック制御するものであり、少ないキャパシタ1で長時間の電力供給が得られるようになるため、キャパシタ1の数量を削減できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流電源と負荷の間に接続された非常用電源装置において、
前記直流電源の電力を充電するキャパシタと、
前記キャパシタへの充電を制御する充電制御回路と、
前記キャパシタに接続された昇圧回路と、
前記昇圧回路に接続された、前記直流電源または前記キャパシタの出力電圧検出回路と、
回路全体を制御する制御部からなり、
前記出力電圧検出回路に前記負荷が接続されるとともに、
前記制御部は、前記キャパシタの電力を出力する際に、前記出力電圧検出回路の出力電圧が既定の経時的な出力電圧特性となるように前記昇圧回路をフィードバック制御する非常用電源装置。
【請求項2】
直流電源と負荷の間に接続された非常用電源装置において、
前記直流電源の電力を充電するキャパシタと、
前記キャパシタへの充電を制御する充電制御回路と、
前記キャパシタの電圧を検出するキャパシタ電圧検出回路と、
前記キャパシタ電圧検出回路に接続された昇圧回路と、
前記昇圧回路に接続された、前記直流電源または前記キャパシタの出力電圧検出回路と、
回路全体を制御する制御部からなり、
前記出力電圧検出回路に前記負荷が接続されるとともに、
前記制御部は、前記キャパシタの電力を出力する際に、前記出力電圧検出回路の出力電圧が前記キャパシタ電圧検出回路の出力特性に対応した電圧となるように前記昇圧回路をフィードバック制御する非常用電源装置。
【請求項3】
直流電源と負荷の間に接続された非常用電源装置において、
前記直流電源の電力を充電するキャパシタと、
前記キャパシタへの充電を制御する充電制御回路と、
前記キャパシタに接続された昇圧回路と、
前記昇圧回路に接続された、前記直流電源または前記キャパシタの出力電圧検出回路と、
前記キャパシタの電力出力経路に設けたキャパシタ電流検出回路と、
回路全体を制御する制御部からなり、
前記出力電圧検出回路に前記負荷が接続されるとともに、
前記制御部は、前記キャパシタの電力を出力する際に、前記出力電圧検出回路の出力電圧が、前記キャパシタ電流検出回路の出力と前記キャパシタから電流を出力した経過時間から求めた前記キャパシタの電流時間積に対応した電圧となるように前記昇圧回路をフィードバック制御する非常用電源装置。
【請求項4】
温度センサを設け、温度出力により昇圧回路の出力電圧を調整する請求項1から3のいずれかに記載の非常用電源装置。
【請求項5】
制御部の駆動電源をキャパシタの出力または昇圧回路の出力のいずれかから得る請求項1から3のいずれかに記載の非常用電源装置。
【請求項6】
キャパシタと昇圧回路の間に外部から制御可能なスイッチを設け、出力電圧検出回路で検出された直流電源の電圧が正常であれば前記スイッチを切るように制御部が制御する請求項1から3のいずれかに記載の非常用電源装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は直流電源を利用した電子機器の非常用電源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッドカーや電気自動車の開発が急速に進められており、それに伴い車両の制動についても、従来の機械的な油圧制御から電気的な油圧制御への各種の提案がなされてきている。
【0003】
一般に車両の油圧制御を電気的に行うためには、電源としてバッテリが用いられるが、その場合バッテリだけでは何らかの原因で電力の供給が断たれると油圧制御ができなくなり、車両の制動が不可能になる可能性がある。
【0004】
そこで、バッテリとは別に非常用補助電源として大容量キャパシタ等を搭載することにより非常時の対応ができるような提案がなされている。
【0005】
また、特にパーソナルコンピュータの普及により、停電時のデータ消失を防止するための非常用電源に対する需要も高まってきており、例えば大容量キャパシタ等に電力を蓄えておき、万一の停電時には前記大容量キャパシタ等からの電力を瞬時にパーソナルコンピュータに供給する非常用電源装置も提案されている。
【0006】
なお、この出願に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2004−322987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような非常用電源装置の一例として、以下、車両制動用の非常用電源装置について説明する。
【0008】
図7は前記非常用電源装置の回路部分の簡単なブロック図を示す。
【0009】
キャパシタ1は電気二重層コンデンサを6個直列に接続してある。キャパシタ1の1個当たりの定格電圧は2Vなので、6個直列とすることにより充電後に車両用電源として必要な12Vが得られるようになっている。
【0010】
キャパシタ1には直流電源としてのバッテリ2の電力を充電するための充電制御回路3が接続されている。また、キャパシタ1にはその電力出力をオンオフするための外部から制御可能なスイッチ4も接続されている。
【0011】
スイッチ4にはダイオード5aを介して出力電圧検出回路6が接続され、さらに車両制動制御を行う負荷7に接続されている。
【0012】
充電制御回路3、スイッチ4、出力電圧検出回路6には制御部としてのマイクロコンピュータ8が接続されている。
【0013】
このようにして非常用電源装置100はバッテリ2と負荷7の間に接続されている。
【0014】
また、バッテリ2と負荷7の間には非常用電源装置100と並列にダイオード5bが接続されている。
【0015】
次に動作について説明する。
【0016】
車両のイグニションをオンにすると、マイクロコンピュータ8は充電制御回路3を介してバッテリ2の電力をキャパシタ1に充電する。同時にバッテリ2からはダイオード5bを介して負荷7に電力を供給する。これにより電気的な油圧制御による車両制動が可能となる。
【0017】
ここで、万一バッテリ2の電圧が負荷7を駆動するのに必要な最低電圧Vminを下回れば、その事実を出力電圧検出回路6が検出しマイクロコンピュータ8に伝達する。
【0018】
マイクロコンピュータ8は直ちにスイッチ4をオンにしてキャパシタ1の電力を負荷7に供給する。これにより、車両制動が可能となり、安全に車両を停車できる。
【0019】
この時の出力電圧と負荷電流の経時的特性を図8に示す。図8において横軸は時間、縦軸は図8(a)が電圧、図8(b)が負荷電流をそれぞれ示す。
【0020】
車両を制動する際に、例えば負荷7は図8(b)に示したような定電流パターンの負荷電流(ある定電流を2回流す)を必要としたとする。
【0021】
この際、出力電圧検出回路6で検出されるキャパシタ1の出力電圧は図8(a)に示すようになる。すなわち、時間t0で負荷電流を流すとそれに応じてキャパシタ1の出力電圧は下がり、負荷電流を中断するとその時の電圧を維持する。
【0022】
このようにして2回の負荷電流を流した後(時間t2)のキャパシタ電圧は図8(a)より負荷7の最低駆動電圧Vmin(図中に細線で示した)を上回っているため、負荷7は正常に動作することができるのである。
【0023】
従って、正常に動作させるためには負荷7が必要とする負荷電流を流した後でもキャパシタ電圧はVminを上回っていなければならない。そのため、従来はVmin以上の電圧を維持するために、多数(6個)のキャパシタ1を必要としていた。
【0024】
これに対し、少ないキャパシタ1で昇圧回路を併用することによって必要な電圧を確保する構成が考えられる。そのブロック回路図の一例を図9に示す。ここで、図7と同一構成のものは同一番号を付し、違いのみを説明する。
【0025】
図9において、図7との違いはキャパシタ1を4個とし、キャパシタ電圧の低下を補うためにダイオード5aの部分に昇圧回路9を設けたことである。なお、昇圧回路9の内部には後述する実施の形態で述べるようにダイオード5aを含むため、図9では省略している。
【0026】
図9の非常用電源装置を動作させたときの出力電圧と負荷電流の経時的特性を図10(a)、(b)に示す。図10の各軸の意味は図8と同じである。
【0027】
図10(b)において時間t0で負荷7へ負荷電流を流すと、それに応じて図10(a)の点線で示したようにキャパシタ電圧は下がっていく。しかし、昇圧回路9で一定電圧に昇圧されているので、負荷7には一定の出力電圧(実線)が印加され続ける。
【0028】
このように動作させ続けると、実線で示した出力電圧はVminより高い電圧で安定しているので、Vminを下回ることはない。
【0029】
しかし、定電流で駆動する負荷7にとって印加されている電圧は必要以上に高いので、その分の電力は昇圧回路9や負荷7で熱として損失してしまう。
【0030】
その結果、キャパシタ電圧は図10(a)の点線で示すように急峻に下がり続け、ついに時間t1で昇圧回路9を駆動できなくなる電圧Vlimに至る。この時点で昇圧回路9は停止し、出力電圧も負荷電流も得られなくなる。
【0031】
そのため、本来、図8(b)に示したように時間t2まで2回の負荷電流を流さなければならないのに、時間t1で負荷7に電流を供給できなくなり、単にキャパシタ1を削減して、その分の電圧降下を昇圧回路9で昇圧して必要電圧を得るだけの構成では車両制動を十分に行えないという課題があった。
【0032】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ないキャパシタでも負荷を駆動可能な非常用電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前記従来の課題を解決するために、本発明の非常用電源装置はキャパシタを削減するとともに、出力電圧が既定の経時的な出力電圧特性となるように、または、出力電圧がキャパシタ電圧検出回路の出力特性に対応した電圧となるように、または、出力電圧がキャパシタ電流検出回路の出力とキャパシタから電流を出力した経過時間から求めたキャパシタの電流時間積に対応した電圧となるように、昇圧回路をフィードバック制御するものである。
【0034】
本構成によって必要な電力のみが得られるように昇圧できるので熱損失が低減でき、その分、長く電力供給が可能となる。その結果、前記目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の非常用電源装置によれば、少ないキャパシタで長時間の電力供給が得られるようになるため、キャパシタの数量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここでも例として車両制動用の非常用電源装置について説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における非常用電源装置のブロック回路図である。図2は本発明の実施の形態1における非常用電源装置の第1の経時的な出力特性図で、(a)は電圧特性図、(b)は負荷電流特性図である。図3は本発明の実施の形態1における非常用電源装置の第2の経時的な出力特性図で、(a)は電圧特性図、(b)は負荷電流特性図である。
【0038】
なお、図1において、従来例の図7、図9と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明する。
【0039】
図1において、複数のキャパシタ1(本実施の形態1では4個直列とし、従来より約3割削減した)は定格電圧2Vの電気二重層コンデンサからなり、直流電源としてのバッテリ2の電力を充電する。この際、両者の間に接続された充電制御回路3によってキャパシタ1への充電が制御される。
【0040】
キャパシタ1にはさらにスイッチ4が接続されている。このスイッチ4は外部からオンオフ制御可能な構造となっている。
【0041】
スイッチ4の他方には昇圧回路9の入力側端子9aに接続されている。
【0042】
昇圧回路9は2個のコンデンサ10、インダクタ11、ダイオード5a、および昇圧回路スイッチ12から構成され、図1の点線内部に示したように配線されている。
【0043】
なお、昇圧回路スイッチ12はスイッチ4と同様に外部からオンオフ制御可能な構造となっている。
【0044】
また、ダイオード5aは外部からオンオフ制御可能な構造のスイッチに置き換えてもよい。
【0045】
昇圧回路9の出力側端子9bには出力電圧検出回路6が接続されている。この出力電圧検出回路6はダイオード5a、5b(後述)により、バッテリ2の電圧またはキャパシタ1の昇圧回路9で昇圧された後の電圧のいずれか高い方の電圧を検出する。
【0046】
出力電圧検出回路6には車両制動制御を行う負荷7が接続されている。
【0047】
また、キャパシタ1の近傍にはサーミスタからなる温度センサ13が配されている。
【0048】
このようにして非常用電源装置100はバッテリ2と負荷7の間に接続されている。
【0049】
この非常用電源装置100と並列に、通常の配線経路としてバッテリ2と負荷7が接続されているが、両者の間にはダイオード5bが接続されている。これは万一バッテリ2の電圧が下がり、キャパシタ1の電圧が出力された時にキャパシタ1からバッテリ2へ電流が流れないようにするためである。
【0050】
なお、ダイオード5bはリレーなどのスイッチでもよい。この場合はリレーのコイルをバッテリ2に接続しておけば、万一バッテリ2の電圧が下がるとコイルが動作しなくなりリレーのスイッチが切れるので、ダイオード5bと同じ役割を果たすことができる。
【0051】
充電制御回路3、スイッチ4、出力電圧検出回路6、昇圧回路スイッチ12、温度センサ13はいずれも制御部としてのマイクロコンピュータ8が接続されており、これにより回路全体を制御している。
【0052】
マイクロコンピュータ8および温度センサ13の駆動電源Vccはキャパシタ1の出力、または昇圧回路9の出力のいずれかから得るように配線されている。
【0053】
具体的には、両方の配線にそれぞれダイオード5c、5dが接続されているので、いずれか高い方の電圧が電源レギュレータ5eに入力される。これにより、電源レギュレータ5eは定電圧Vccをマイクロコンピュータ8と温度センサ13に供給している。
【0054】
このように構成することで、バッテリ2からの電源供給がなくなってもマイクロコンピュータ8や温度センサ13を正常に駆動させることができる。
【0055】
なお、電源レギュレータ5eに入力される電圧をキャパシタ1の出力、または昇圧回路9の出力のいずれかとしたので、キャパシタ1の電圧が負荷7で電力消費されることにより電源レギュレータ5eの入力に必要な電圧より下がってしまった場合に、昇圧回路9の出力を電源レギュレータ5eに入力することでマイクロコンピュータ8や温度センサ13を駆動させ続けられる。
【0056】
次に図1の非常用電源装置の動作について説明する。
【0057】
車両のイグニションをオンにすると、マイクロコンピュータ8は充電制御回路3を介してバッテリ2の電力をキャパシタ1に充電する。同時にバッテリ2からはダイオード5bを介して負荷7に電力を供給する。これにより正常時の電気的な油圧制御による車両制動が可能となる。
【0058】
この際、出力電圧検出回路6で検出された直流電源の電圧は正常なのでマイクロコンピュータ8はスイッチ4を切るように制御している。その結果、昇圧回路9は非作動となり、待機電力をカットすることができる。
【0059】
ここで、万一バッテリ2の電圧が負荷7を駆動するのに必要な最低電圧Vminを下回れば、その事実を出力電圧検出回路6が検出しマイクロコンピュータ8に伝達する。
【0060】
マイクロコンピュータ8は直ちにスイッチ4をオンにするとともに昇圧回路スイッチ12を制御して昇圧回路9を駆動する。その結果、1個当たりの定格電圧2Vのキャパシタ1が4個直列に接続されているのでキャパシタ1の出力電圧は8Vにしかならないが、昇圧回路9により12Vに昇圧している。
【0061】
このキャパシタ1の電力を負荷7に供給することで、車両制動が可能となり、安全に車両を停車できる。
【0062】
この時の出力電圧と負荷電流の経時的特性を図2に示す。図2において横軸は時間、縦軸は図2(a)が電圧、図2(b)が負荷電流をそれぞれ示す。
【0063】
ここで、車両を制動する際に必ず同一の定電流パターンの負荷電流(例えば図2(b)に示したようなある定電流を2回流す)を流す場合を考える。
【0064】
キャパシタ1の出力を昇圧して負荷7に供給する電圧Vは、
V=a・(V0−I・t/C) (1)
で表される。ここで、aは昇圧比、V0はキャパシタ1の初期電圧、Iは電流、tは電流Iを流した時間、Cはキャパシタ1の容量である。
【0065】
今、図2(b)に示すように定電流を負荷7に流すのでIは一定、キャパシタ1の容量Cおよび初期電圧V0も一定であるので、Vはaとtの関数として表される。
【0066】
従って、図2(b)の定負荷電流Iの経時的なパターンに対して、理想的に昇圧比aが一定であると仮定した時の出力電圧Vはtのみの関数としてあらかじめ求めることができる。
【0067】
その例を図2(a)の実線で示す。なお、点線はキャパシタ1の出力電圧である。aを一定としたので、出力電圧はキャパシタ電圧をa倍増幅した形になる。この時、時間t2であっても出力電圧VがVmin(図中に細線で示した)を上回るようにaを設定したので、負荷7は正常に動作することができる。
【0068】
このようにして得られた理想的な出力電圧Vの経時変化はあらかじめマイクロコンピュータ8に内蔵したROMに記憶しておく。
【0069】
なお、(1)式および図2の実線に示したように、出力電圧Vは時間とともに下がるか一定になるしかなく、上昇することはない。これは、非常用電源装置100がキャパシタ1に蓄えた電力を出力するか止めるかの2通りの制御しかできないからである。
【0070】
今、バッテリ2の電圧がVminを下回り、キャパシタ1の電力を負荷7に供給しているが、その時の昇圧回路9の出力電圧が図2(a)の実線になるようにマイクロコンピュータ8は昇圧回路9を制御している。
【0071】
具体的には、まずマイクロコンピュータ8は昇圧回路9の出力電圧Vmを出力電圧検出回路6により取り込む。さらに、スイッチ4をオンにすると同時にスタートしたタイマーの値から現在の理想的な出力電圧VをROMより求める。
【0072】
次にVmとVを比較し、VmがVになるように昇圧回路スイッチ12をフィードバック制御する。これにより昇圧比a等の変動因子を補正できるので、より正確な出力電圧を得ることができる。
【0073】
このように、時間t2まで出力電圧検出回路6の出力電圧Vmが既定の経時的な出力電圧特性Vとなるように昇圧回路9をフィードバック制御することで、少ないキャパシタ1でも蓄えられた電力を有効に使用できるので、キャパシタ1の削減が可能となる。
【0074】
なお、負荷7への出力電圧を図2(a)に示すように経時的に変化させるのではなく、図3(a)に示すように段階的に下げて定電圧を出力するようにしてもよい。この場合、図3(b)に示すように負荷電流のパターンが図2(b)と同じ場合、負荷電流が流れ出す時間になれば出力電圧を下げるように昇圧回路スイッチ12を制御すればよい。
【0075】
これにより、図2(a)のような出力電圧特性を全てROMに記憶する必要がなく、負荷電流が流れ出す時間における出力電圧のみを記憶すればよいので、マイクロコンピュータ8の制御が極めて簡素化される。
【0076】
また、本実施の形態1ではキャパシタ1の近傍に温度センサ13を設けている。これにより、出力電圧が負荷7に至るまでに温度により変動しても、あらかじめ求めた温度変動データを基にして、温度センサ13の出力から昇圧回路スイッチ12を調整することにより、温度特性を低減した出力電圧を得ることが可能となる。
【0077】
なお、温度センサ13は非常用電源装置100の内部であればどこに設置しても構わない。
【0078】
以上の構成、動作により、必要な電力のみが得られるように昇圧できるので熱損失が低減でき、その分、長く電力供給が可能となるため、従来より少ないキャパシタで負荷を十分駆動することのできる非常用電源装置を得ることができた。
【0079】
特に本実施の形態1では負荷が必要とする電圧特性が経時的に決まっている用途の場合、時間管理だけの極めてシンプルな動作でキャパシタの削減を実現できた。
【0080】
なお、本実施の形態1で用いた昇圧回路9はチャージポンプ方式などの他の回路でもよい。
【0081】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における非常用電源装置のブロック回路図である。図5は本発明の実施の形態2における非常用電源装置の出力特性図で、(a)は電圧特性図、(b)は負荷電流特性図である。
【0082】
なお、図4において、実施の形態1と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0083】
本実施の形態2の特徴となる部分は、図4においてキャパシタ1の電圧を検出するためのキャパシタ電圧検出回路14を設けた点である。この際、より正確にキャパシタ1の電圧を検出するために、キャパシタ電圧検出回路14はできるだけキャパシタ1の近傍に設けた。
【0084】
このような構成の非常用電源装置の動作について実施の形態1と異なる部分を説明する。
【0085】
今、バッテリ2の電圧がVminを下回り、キャパシタ1から電力を負荷7に供給する状況にあるとする。
【0086】
この時の出力電圧と負荷電流の経時的特性を図5に示す。図5における各軸の意味は図2と同じである。
【0087】
ここで、負荷7が必要とする定電流パターンは図5(b)に示すように実施の形態1と同じであるとする。
【0088】
キャパシタ1の出力を昇圧して負荷7に供給する電圧Vは実施の形態1で説明したように(1)式で表されるが、キャパシタ電圧Vcは
Vc=V0−I・t/C (2)
なので、(1)式に代入して、
V=a・Vc (3)
と簡単な式で表される。
【0089】
この結果から、本実施の形態2ではマイクロコンピュータ8により以下のようにして出力電圧Vを制御して負荷7に出力している。
【0090】
まず、キャパシタ電圧Vcをキャパシタ電圧検出回路14で検出する。
【0091】
次に、(3)式よりVcをa倍して、図5(a)の矢印で示したように目標とするVを計算する。
【0092】
この時の昇圧回路9の実際の出力電圧Vmを出力電圧検出回路6で検出する。
【0093】
次にVmとVを比較し、VmがVになるように昇圧回路スイッチ12をフィードバック制御する。これにより昇圧比a等の変動因子を補正できるので、実施の形態1と同様により正確な出力電圧を得ることができる。
【0094】
このような制御を行う最大の特徴は実施の形態1のように負荷電流パターンが必ず一定である必要がないことである。すなわち、負荷電流の大きさや流す時間が任意に変わったとしても、キャパシタ電圧Vcがその変化に追従するため、(3)式より出力電圧Vも負荷の変動に対応して得ることができる。
【0095】
このように、出力電圧検出回路6の出力電圧Vmがキャパシタ電圧検出回路14の出力Vcの特性に対応して求めた電圧Vとなるように昇圧回路9をフィードバック制御することにより少ないキャパシタ1でも任意の負荷変動に対応した非常用電源装置を得ることができる。
【0096】
なお、本実施の形態2でも実施の形態1と同様に温度センサ13を設けているので、出力電圧が負荷7に至るまでに温度により変動しても、昇圧回路スイッチ12を調整することにより、温度特性を低減した出力電圧を得ることが可能となる。
【0097】
以上の構成、動作により、必要な電力のみが得られるように昇圧できるので熱損失が低減でき、その分、長く電力供給が可能となるため、従来より少ないキャパシタで負荷を十分駆動することのできる非常用電源装置を得ることができた。
【0098】
特に本実施の形態2ではキャパシタ電圧検出回路が必要になるものの、負荷電流が任意に変動しても、それに追従した出力電圧が得られるという効果を有しつつキャパシタの削減を実現できた。
【0099】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における非常用電源装置のブロック回路図である。
【0100】
なお、図6において、実施の形態1と同じ構成要素については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0101】
本実施の形態3の特徴となる部分は、図6においてキャパシタの電力出力経路、すなわち、キャパシタ1からスイッチ4、昇圧回路9、出力電圧検出回路6を通って負荷7に至る配線経路にキャパシタ電流検出回路15を設けた点である。この際、キャパシタ電流検出回路15は前記電力出力経路のどこに設けてもよい。
【0102】
このような構成の非常用電源装置の動作について実施の形態1、2と異なる部分を説明する。
【0103】
今、バッテリ2の電圧がVminを下回り、キャパシタ1から電力を負荷7に供給する状況にあるとする。
【0104】
この時の出力電圧と負荷電流の経時的特性は図5と同様である。
【0105】
ここで、負荷7が必要とする定電流パターンは図5(b)に示すように実施の形態1と同じであるとする。
【0106】
キャパシタ1の出力電圧Vcは実施の形態2で説明したように(2)式で表される。
【0107】
ここで、本実施の形態3ではキャパシタ電流検出回路15で電流Iを求める事ができ、またその経時的変化はマイクロコンピュータ8内部で電流Iの大きさと流れている時間(経過時間)tを積算することで、(2)式のI・t(電流時間積)を求めることができる。
【0108】
従って、キャパシタ初期電圧V0、キャパシタ容量Cは一定であるので、キャパシタ電流検出回路15から求めたIを基にマイクロコンピュータ8で求めた電流時間積I・tを(2)式に代入するとVcが計算できる。
【0109】
Vcがわかれば(3)式より目標とする昇圧回路9の出力電圧Vを求めることができる。
【0110】
この結果から、本実施の形態3ではマイクロコンピュータ8により以下のようにして出力電圧Vを制御して負荷7に出力している。
【0111】
まず、電流Iをキャパシタ電流検出回路15で検出する。
【0112】
同時に、電流Iが流れている時間tをマイクロコンピュータ8がカウントする。
【0113】
次に、電流時間積I・tを計算し、(2)式に代入してキャパシタ電圧Vcを求める。
【0114】
次に、(3)式よりVcをa倍して、目標とするVを計算する。
【0115】
この時の昇圧回路9の実際の出力電圧Vmを出力電圧検出回路6で検出する。
【0116】
次にVmとVを比較し、VmがVになるように昇圧回路スイッチ12をフィードバック制御する。これにより昇圧比a等の変動因子を補正できるので、実施の形態1、2と同様により正確な出力電圧を得ることができる。
【0117】
このような制御を行っても、実施の形態2と同様に負荷電流の大きさや流す時間が任意に変わった時に出力電圧Vを負荷の変動に対応して得ることができる。
【0118】
これは実施の形態2ではVcを直接求めていたが、本実施の形態3では電流時間積I・tでVcを計算している違いだけで、本質的な制御の考え方は同じだからである。
【0119】
本実施の形態3の最大の特長はキャパシタ電流検出回路15を電力出力経路のどこに設けてもよいという点である。
【0120】
すなわち、実施の形態2のキャパシタ電圧検出回路14は誤差をできるだけ低減するためにキャパシタ1の近傍に設ける必要があり、非常用電源装置の回路構成に制約がある。
【0121】
一方、負荷電流は昇圧回路9の内部以外の電力出力経路であれば、どこでも同じであり、また、昇圧回路9の内部では昇圧回路スイッチ12のスイッチングによるパルス状の電流が流れるものの、このパルス電流を時間で積算すれば、(2)式で必要な電流時間積I・tを求めることができるので、結局、電力出力経路のどこにキャパシタ電流検出回路15を設けてもよいことになる。
【0122】
従って、実施の形態2に比べ非常用電源装置の回路構成に設計自由度が増すという効果が得られる。
【0123】
以上のように、出力電圧検出回路6の出力電圧Vmが、キャパシタ電流検出回路15の出力とキャパシタ1から電流を出力した経過時間tから計算したキャパシタの電流時間積I・tに対応して求めた電圧Vとなるように昇圧回路9をフィードバック制御することにより、少ないキャパシタ1でも任意の負荷変動に対応した非常用電源装置を得ることができる。
【0124】
なお、本実施の形態3でも実施の形態1、2と同様に温度センサ13を設けているので、出力電圧が負荷7に至るまでに温度により変動しても、昇圧回路スイッチ12を調整することにより、温度特性を低減した出力電圧を得ることが可能となる。
【0125】
以上の構成、動作により、必要な電力のみが得られるように昇圧できるので熱損失が低減でき、その分、長く電力供給が可能となるため、従来より少ないキャパシタで負荷を十分駆動することのできる非常用電源装置を得ることができた。
【0126】
特に本実施の形態3ではキャパシタ電流検出回路が必要になるものの、その回路配置上の設計自由度が増す効果を有するとともに、負荷電流が任意に変動しても、それに追従した出力電圧が得られるという効果を有しつつキャパシタの削減を実現できた。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明にかかる非常用電源装置は、必要なキャパシタの数量を削減することが可能になるので、特に車両の制動を電気的に行う電子ブレーキシステム等やパーソナルコンピュータ等の停電時に利用される非常用電源等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施の形態1における非常用電源装置のブロック回路図
【図2】本発明の実施の形態1における非常用電源装置の第1の経時的な出力特性図であり、(a)電圧特性図、(b)負荷電流特性図
【図3】本発明の実施の形態1における非常用電源装置の第2の経時的な出力特性図であり、(a)電圧特性図、(b)負荷電流特性図
【図4】本発明の実施の形態2における非常用電源装置のブロック回路図
【図5】本発明の実施の形態2における非常用電源装置の出力特性図であり、(a)電圧特性図、(b)負荷電流特性図
【図6】本発明の実施の形態3における非常用電源装置のブロック回路図
【図7】従来の第1の非常用電源装置のブロック回路図
【図8】従来の第1の非常用電源装置の経時的な出力特性図であり、(a)電圧特性図、(b)負荷電流特性図
【図9】従来の第2の非常用電源装置のブロック回路図
【図10】従来の第2の非常用電源装置の経時的な出力特性図であり、(a)電圧特性図、(b)負荷電流特性図
【符号の説明】
【0129】
1 キャパシタ
2 バッテリ
3 充電制御回路
4 スイッチ
6 出力電圧検出回路
7 負荷
8 マイクロコンピュータ
9 昇圧回路
13 温度センサ
14 キャパシタ電圧検出回路
15 キャパシタ電流検出回路
100 非常用電源装置




 

 


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