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スピンドルモータおよび回転装置 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 スピンドルモータおよび回転装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60731(P2007−60731A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−239355(P2005−239355)
出願日 平成17年8月22日(2005.8.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 山本 武克
要約 課題
動圧発生溝や各部品の加工誤差等に起因する圧力差を補償し、気泡を排出するための連通穴を適切に形成し、動圧発生溝の形成も容易で、潤滑油の漏れを容易に防止することが可能なスピンドルモータを提供する。

解決手段
外環部材外周とホルダー内周の間にラジアル動圧軸受、外環部材下面とホルダー底面の間にスラスト動圧軸受を設けるとともに、スラスト軸受の半径方向内方とラジアル軸受の軸線方向上方を開口部とする連通穴を形成する。この連通穴により、スラスト軸受の圧力差を補償することができ、発生した気泡がスラスト軸受で堰き止められることはなく、気泡を軸受外部に排出することが可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】
静止部材と、ラジアル軸受部とスラスト軸受部を介して前記静止部材に対して相対回転可能な回転部材を有するスピンドルモータにおいて、
前記回転部材はシャフトとロータハブを有し、
前記シャフトは直径の大きなフランジを有し、
前記静止部材は、一端が閉塞され前記シャフトの外周面と半径方向に対向する内周面を有する軸受穴を形成した一方開口の軸受部材を有し、
前記軸受部材は前記フランジ上面と軸線方向に対向する蓋面と、前記フランジ下面と軸線方向に対向する底面を有し、
前記ラジアル軸受部は前記シャフト外周面と、これと半径方向に対向する前記軸受部材内周面との間に介在された流体と、前記外環部材外周面と前記軸受部材内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝からなり、
前記スラスト軸受部は前記シャフト下面と、これと軸線方向に対向する前記軸受部材底面との間に介在された流体と、前記外環部材下面と前記軸受部材底面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝からなり、
前記回転部材には連通穴が形成されており、
前記連通穴は、前記スラスト軸受部の半径方向内方に開口する開口部1と、前記フランジ部上面と前記蓋面近傍に開口する開口部2を有しており、
前記開口部1はアキシャル方向に、前記開口部2はラジアル方向に開口していることを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項2】
前記シャフトは、段付き形状の軸芯部材と外環部材とからなり、
前記軸芯部材は直径の大きい径大部と直径の小さい径小部を有し、
前期外環部材は前記径小部の外径に取り付けられ、
前記ロータハブは前記径大部の外径に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
【請求項3】
前記シャフトは、段付き形状の軸芯部材と外環部材とからなり、
前記軸芯部材は中心部分に直径の大きい径大部を有し、その上下端部側に径小部を有し、
前記外環部材は軸芯部材の下端側径小部外形に取り付けられ、
前記ロータハブは前記前記軸芯部材の上端側径小部外形に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
【請求項4】
前記軸芯部材の上端側径小部と下端側径小部の直径が異なることを特徴とする請求項3記載のスピンドルモータ。
【請求項5】
前記外環部材は、前記軸芯部材の前記径大部下面に前記外環部材上面を接触させた状態で取り付けられたことを特徴とする請求項2〜4記載のスピンドルモータ。
【請求項6】
前記フランジは前記外環部材により形成されており、
前記ラジアル軸受は外環部材外周面と前記軸受部材の内周面との間に形成され、
前記スラスト軸受部は前記外環部材下面と前記軸受部材底面との間に形成されると共に、
前記連通穴は、前記外環部材と前記軸芯部材との間に形成されることを特徴とする請求項1〜5記載のスピンドルモータ。
【請求項7】
前記連通穴は、前記外環部材内周に設けられた軸線方向溝と前記軸芯部材の外周面、および前記外環部材上面に設けられた半径方向溝と前記軸芯部材の段付き部下面によって形成されることを特徴とする請求項6記載のスピンドルモータ。
【請求項8】
前記連通穴は、前記外環部材内周と前記軸芯部材外周面に設けられた軸線方向溝、および前記外環部材上面と前期軸芯部材の段付き部下面に設けられた半径方向溝によって形成されることを特徴とする請求項6記載のスピンドルモータ。
【請求項9】
前記外環部材は多孔質体や樹脂材から形成されたことを特徴とする請求項2〜8記載のスピンドルモータ。
【請求項10】
前記外環部材の材料の線膨張係数と前記軸受部材の材料の線膨張係数が、ほぼ同等であることを特徴とする請求項2〜8記載のスピンドルモータ。
【請求項11】
前記外環部材の材料の線膨張係数が、前記軸受部材の材料の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項2〜8記載のスピンドルモータ。
【請求項12】
前記スラスト軸受部には、前記流体を半径方向内側へ押圧するポンプイン形状のスラスト動圧発生溝が設けられており、
前記ラジアル軸受部には、前記流体を前記軸受部材の開口側から閉塞側へ軸線方向に押圧するポンプイン形状のラジアル動圧発生溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜11記載のスピンドルモータ。
【請求項13】
前記スラスト動圧発生溝がスパイラル溝もしくは、アンバランスな形状のヘリングボーン溝であることを特徴とする請求項12記載のスピンドルモータ。
【請求項14】
前記ラジアル動圧発生溝がアンバランスな形状のハの字溝もしくは、アンバランスな形状のヘリングボーン溝であることを特徴とする請求項12記載のスピンドルモータ。
【請求項15】
前記回転部材にロータマグネットが取り付けられ、前記静止部材の前記ロータマグネットと対向する位置にステータコアが取り付けられることを特徴とする請求項1〜14記載のスピンドルモータ。
【請求項16】
前記回転部材にポリゴンミラー、記録ディスク等の被回転体が取り付けたことを特徴とする請求項15記載の回転装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は動圧軸受を使用したスピンドルモータおよび回転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク、ポリゴンミラー、光ディスク装置などのスピンドルモータに用いられている軸受装置として、従来用いられていた玉軸受装置に代わって、玉軸受よりも回転精度が優れ、しかも静音性にも優れる動圧軸受装置が多く用いられつつある。また、携帯用機器に用いられるようになってきており、更なるスピンドルモータの小型化が求められてきている。
【0003】
特許文献1には小型化を可能な軸受形状として図4に示すように、ラジアル動圧発生溝10をその内周面に形成したスリーブ3をホルダー15で包み、スリーブ3の内周面とシャフト16の外周面との間でラジアル動圧軸受を形成した構成が提案されている。また、スラスト動圧発生溝11がホルダー15の上面に形成されており、ホルダー15の上面とロータハブ4下面の間でスラスト動圧軸受が形成されている。さらに、少なくともラジアル動圧軸受やスラスト動圧軸受を構成している箇所を含めてスリーブ3の内周面とシャフト16の外周面との間やホルダー15の上面とロータハブ4の下面との間には作動流体としての潤滑油が充填されている。
【0004】
この構成によれば、スリーブ3の外周面とホルダー15の内周面の間に潤滑流体を流通可能に連通する連通穴12を形成することにより、ラジアル軸受部に設けられる動圧発生溝や各部品の加工誤差等に起因して、スリーブ3の内周面とシャフト16の外周面との間に保持される潤滑油において軸線方向上下端部に圧力差が生じた場合も、連通穴12を通じて圧力差が補償され、潤滑油内の負圧による気泡の発生やロータの過浮上の発生が抑えられる。
【0005】
また、特許文献2には図5に示すように、ラジアル動圧発生溝10をその外周面に形成した外環部材2をシャフト16の外周面に取り付け、外環部材2の外周面とホルダー15の内周面との間でラジアル軸受を形成した構成が提案されている。また、スラスト動圧発生溝11がホルダー15の上面に形成されており、ホルダー15の上面とロータハブ4下面の間でスラスト動圧軸受が形成されている。さらに、少なくともラジアル動圧軸受やスラスト動圧軸受を構成している箇所を含めて外環部材2の外周面とホルダー15の内周面との間やホルダー15の上面とロータハブ4の下面との間には作動流体としての潤滑油が充填されている。
【0006】
この構成によれば、シャフト16の外周面と外環部材2の内周面の間に潤滑流体を流通可能に連通する連通穴12を形成することにより、ラジアル軸受部に設けられる動圧発生溝や各部品の加工誤差等に起因して、外環部材2の外周面とホルダー15の内周面との間に保持される潤滑油において軸線方向上下端部に圧力差が生じた場合も、連通穴12を通じて圧力差が補償され、潤滑油内の負圧による気泡の発生やロータの過浮上の発生が抑えられる。
【0007】
さらに、特許文献3には図6に示すように、ラジアル動圧発生溝10とスラスト動圧発生溝11をその内周面とフランジ部上面に形成したフランジ付きスリーブ17をホルダー3で包んだ構成が提案されている。フランジ付きスリーブ17内周面とシャフト16外周面の間でラジアル動圧軸受を形成し、フランジ付きスリーブ17フランジ部上面とロータハブ4下面の間でスラスト動圧軸受が形成されている。この構成では、フランジ付きスリーブ17外周面及びフランジ部下面と、ホルダー3の内周面及び上面間に連通穴12が形成されている。
【特許文献1】特開2004−19705号公報
【特許文献2】特開2004−135419号公報
【特許文献3】特開2004−239387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された従来構成のスピンドルモータでは、スラスト軸受部分に連通穴が形成されておらず、スラスト動圧発生溝11や各部品の加工誤差等に起因して、スラスト軸受の内周部と外周部に圧力差が生じた場合に圧力差が補償されず、潤滑油内の負圧による気泡の発生やロータの過浮上の発生を抑えることができない。また、大きな形状誤差や衝撃等の外乱によって気泡が発生した場合に、スラスト軸受の半径方向内方に連通穴の開口部があるため、気泡がスラスト軸受の動圧によって堰き止められ、軸受外部に気泡を排出することができない。
【0009】
また、非常に面積の小さなホルダー15の上面にスラスト動圧発生溝11を形成するため、上面肩部の表面形状やスラスト動圧溝の加工精度の向上が困難となっている。さらに、同様の理由で、プレス等の安価な方法でスラスト動圧溝の形成を行うことができず、加工コストの低減が困難となっている。
【0010】
それに対し、特許文献3に開示された従来構成のスピンドルモータでは、フランジ付きスリーブ17を形成することにより、スラスト軸受外周部分とラジアル軸受下部の間に連通穴12を形成しているので、スラスト動圧発生溝11や各部品の加工誤差等に起因して圧力差が発生しても、潤滑油内の負圧による気泡の発生やロータの過浮上の発生を抑えることができる。また、フランジ付きスリーブ17にすることにより、スラスト動圧発生溝の形成も容易となり、プレス等の安価な方法でも形成が可能になっている。
【0011】
しかしながら、シール部13に連通穴12が開口しているので、ラジアル下部からスラスト外周側へ気泡が排出されるときに、潤滑油も一緒に漏れてしまう危険性が大きい。また、フランジ付きスリーブ17を使用しているが、その形状のため作成が困難であり、加工精度が悪くなる。
【0012】
本発明は上記課題や問題を解決するもので、動圧発生溝や各部品の加工誤差等に起因する圧力差を補償し、気泡を排出するための連通穴を適切に形成し、動圧発生溝の形成も容易で、潤滑油の漏れを容易に防止することが可能なスピンドルモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題や問題を解決するために本発明のスピンドルモータは、静止部材と、ラジアル軸受部とスラスト軸受部を介して前記静止部材に対して相対回転可能な回転部材を有するスピンドルモータにおいて、前記回転部材はシャフトとロータハブを有し、前記静止部材は、一端が閉塞され前記シャフトの外周面と半径方向に対向する内周面を有する軸受穴を形成した一方開口の軸受部材を有し、前記軸受部材は前記ロータハブ下面と軸線方向に対向する上面と、前記シャフト下面と軸線方向に対向する底面を有し、前記ラジアル軸受部は前記シャフト外周面と、これと半径方向に対向する前記軸受部材内周面との間に介在された流体と、前記シャフト外周面と前記軸受部材内周面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝からなり、前記スラスト軸受部は前記シャフト下面と、これと軸線方向に対向する前記軸受部材底面との間に介在された流体と、前記シャフト下面と前記軸受部材底面の少なくとも一方に形成された動圧発生溝からなり、前記回転部材には、その一方が前記スラスト軸受部の半径方向内方に開口すると共に、他方が前記ロータハブ下面と前記軸受部材上面との間に形成される隙間に開口する連通穴が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の発明によれば、スラスト軸受の半径方向内方とラジアル軸受の軸線方向上方との間に連通穴が形成されるので、ラジアル軸受と共にスラスト軸受部の圧力差も補償することができる。さらに、連通穴の開口部と軸受開口部との間に軸受部が無いので、動圧によって気泡が軸受で堰き止められることなく軸受外部に排出することが可能である。また、連通穴がシール部に開口していないので、気泡排出に伴う潤滑油漏れの危険性が無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係るスピンドルモータおよび回転装置について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスピンドルモータの断面図である。このスピンドルモータは、軸芯部材1にロータハブ4が取り付けられており軸芯部材1を中心軸として回転するロータを構成している。また、この軸芯部材1には外環部材2が取り付けられることによってシャフト部材として構成されている。さらに、一方が閉塞された一方開放のホルダー15によって軸受部材が構成されており、ホルダー15は外環部材2に対して微小隙間を介して外周に配置され、ホルダー15に対して軸芯部材1や外環部材2を含むロータは回転可能に支持されている。また、ホルダー15はベース5に取り付けられており、ステータを構成している。
【0017】
ロータハブ4の下部内周面には周方向に多極着磁された円環状のマグネット7が取り付けられ、ベース5のマグネット7と周方向に対向する位置にはステータコア6が取り付けられており、複数のステータコア6に制御された電流を流すと、マグネット7との間に回転力が発生し、ステータに対してロータを回転させる駆動機構として作用する。
【0018】
外環部材2の外周面とスリーブ3の内周面との間には作動流体として潤滑油が充填されており、外環部材2の外周面とスリーブ3の内周面の少なくとも一方にはラジアル動圧発生溝10が形成されている。したがって、外環部材2が回転することによって、外環部材2の外周面とスリーブ3の内周面との間に動圧が発生し、ラジアル動圧軸受が構成されることになる。このラジアル動圧軸受によって、外環部材2はスリーブ3に対してラジアル方向に非接触状態で支持される。
【0019】
また、外環部材2の下面とホルダー15の底面との間にも作動流体として潤滑油が充填されており、外環部材2の下面とホルダー15の底面の少なくとも一方にはスラスト動圧発生溝11が形成されている。したがって、外環部材2が回転することによって、外環部材2の下面とホルダー15の底面との間に動圧が発生し、スラスト動圧軸受が構成されることになる。このスラスト動圧軸受によって外環部材2はホルダー15に対してアキシャル方向に非接触状態で支持される。
【0020】
ベース5には磁性体で形成された吸引リング9が取り付けられており、マグネット7との間に軸線方向の磁気吸引力を発生させることで、スラスト動圧軸受で発生する動圧とバランスさせて、ロータのアキシャル方向の支持を安定させている。なお、このような磁気付勢は、ステータコア6とマグネット7との軸線方向の磁気的中心をズラすことにより、発生させることも可能である。
【0021】
さらに、ホルダー15の外周上部には軸芯部材1を中心として外側に広がる段差が形成されており、スラスト動圧軸受の半径方向外側のハブ4の下面には軸線方向に垂下し且つ前記ホルダー15の外周面と間隙を介して対向する円筒壁部14が形成されている。このホルダー15外周面とハブ4の円筒壁部14内周面で協働して潤滑油の漏れを防ぐシール部13が形成されており、このシールは毛細管力を利用している。このシール部13の下方には抜け止め部材8が円筒壁部14の内周に取り付けられており、ロータがステータから抜け出すことを防いでいる。
【0022】
また、軸芯部材1と外環部材2の間には、スラスト軸受の半径方向内方とラジアル軸受の軸線方向上方を開口部とする連通穴12が形成されている。
【0023】
このような連通穴12を形成することにより、ラジアル軸受の上端と下端(スラスト軸受を含む)とが連通されるので、ラジアル軸受の圧力補償ができると共に、スラスト軸受にも外周側(ラジアル軸受を含む)と内周側が連通されるので、スラスト軸受の圧力差も補償することができる。また、軸受開口部と連通穴12の開口部の間にスラスト軸受やラジアル軸受が無いので、発生した気泡がスラスト軸受やラジアル軸受の動圧によって堰き止められることはなく、気泡を軸受外部に排出することが可能である。また、連通穴12がシール部13に開口していないので、気泡に伴う潤滑油漏れの危険性が無い。
【0024】
軸芯部材1の外周面と外環部材2の内周面に軸線方向溝を少なくとも一方に形成すると、容易に連通穴12を軸芯部材1の外周面と外環部材2の内周面との間に形成することが可能である。さらに、外環部材2の上面側の連通穴12を形成するには、ハブ4の下面と外環部材2の上面の間に下面に隙間を空けて軸芯部材1と外環部材2を取り付ける方法や、ハブ4の下面と外環部材2上面に半径方向溝を少なくとも一方に形成する方法などがある。
【0025】
ところで、本実施例ではシャフト部材を軸芯部材1と外環部材2の2部品構造としたが、1部品構成としても良く、この場合は切削・レーザー・電解加工などによって連通穴12を形成することができる。また、3部品以上で形成することも可能で、その場合は連通穴12の開口部をラジアル軸受間やスラスト軸受とラジアル軸受との間にも形成することが可能になる。
【0026】
外環部材2を多孔質体や樹脂材で形成することにより、プレスや成形などの安価な方法でスラスト動圧溝やラジアル動圧溝の形成を行うことができ、加工コストの低減を図ることができる。また、従来例のようにホルダー15ではなく、外環部材2にスラスト動圧発生溝11を形成しているため、ラジアル動圧発生溝10と同時に形成が可能となり、さらなるコストダウンが可能である。
【0027】
通常、このようなスピンドルモータは広範囲な温度環境で使用されるため、外環部材2とホルダー15の線膨張係数が異なると、温度によって軸受隙間が変化してしまうため、軸受隙間が最小の場合で部品精度を管理する必要がある。そこで、外環部材2とホルダー15の線膨張係数をほぼ同等とすることにより、軸受隙間の変化を低減することが可能となる。外環部材2の材料が多孔質体や樹脂材の場合は、ホルダー15も封孔処理を施した多孔質体や樹脂材で形成したり、ほぼ同等の線膨張係数を有する真鍮などの金属を選択して形成すると良い。
【0028】
また、温度変化によって潤滑油の粘度が変化するため、温度によって軸受剛性や軸受ロストルクが変化してしまう。この問題に対して、軸受隙間を高温で狭く、低温で広くすることにより潤滑油の粘度変化を打ち消すことが可能である事が分かっている。したがって、外環部材2の材料の線膨張係数をホルダー15の材料の線膨張係数よりも大きくすることにより、軸受隙間を高温で狭く、低温で広くすることができ、温度による軸受剛性や軸受ロストルクの変化を抑えることが可能となる。
【0029】
図2にスラスト動圧発生溝11とラジアル動圧発生溝10の形状を示す。スラスト動圧発生溝11は、ロータ回転時に潤滑油に対して半径方向内方に向かう圧力を誘起するポンプイン形状となっており、スパイラル溝(a)や、外側の溝長さが長いアンバランスな形状のヘリングボーン溝(b)が設けられている。また、ラジアル動圧発生溝10は、ロータ回転時に潤滑油に対して軸線方向下方側に向かう圧力を誘起するポンプイン形状となっており、軸線方向上方側の溝長さが長いアンバランスな形状のハの字溝(c)やヘリングボーン溝(d)が設けられている。
【0030】
このような構成にすることにより、ラジアル軸受→スラスト軸受→連通穴12と循環する潤滑油の流れが発生するため、軸受のどの部分で気泡が発生しても、すみやかに連通穴を通って軸受外部へ排出することが可能となる。このような潤滑油の流れを発生するためには、スラスト動圧発生溝11とラジアル動圧発生溝10のどちらか一方がポンプイン形状であれば良いが、上記のように、両方がポンプイン形状であればなおさら良い。ところで、図2では2個のヘリングボーン溝(d)を示したが、1個や3個以上でも良い。さらに、上側のヘリングボーン溝をアンバランス形状とし、下側のヘリングボーン溝を対称形状としているが、下側のヘリングボーン溝をアンバランス形状としても良く、上下両方ともをアンバランス形状としても良い。
【0031】
図3にシール部13の形状を示す。スリーブ3の外周と円筒壁部14の内周の間に形成されるタイプとしては、横側段付きシール(e)と横側テーパシール(f)がある。また、スリーブ3の上面とロータハブ4の下面の間に形成されるタイプとしては、縦側段付きシール(g)と縦側テーパシール(f)がある。これらのシールは開口側に向かって隙間が広がる形状であり、毛細管力を利用したシールとなっている。
【0032】
これらのシールは単体で使用しても良く、組み合わせて使用することによりさらにシール力を向上させることもできる。例えば、縦側段付きシール(g)と横側段付きシール(e)を組み合わせることにより、大きな衝撃で縦側段付きシール(g)から潤滑油が漏れた場合でも、横側段付きシール(e)で漏れた潤滑油を保持することができる。なお、横側段付きシール(e)と縦側段付きシール(g)は2段とした図を示しているが、本発明は段数に縛られない。
【0033】
なお、この実施例はアウターロータタイプのスピンドルモータであったが、インナーロータタイプなどのモータ形状に適応することができる。
【0034】
また、本発明の軸受装置やそれを用いたスピンドルモータは、HDDやポリゴンミラー、光ディスク装置等の回転駆動装置として用いることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、ハードディスク装置やその他の装置のスピンドルモータなどに特に適したスピンドルモータに適用できるが、その他の機器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスピンドルモータの断面図
【図2】本発明のスラスト及びラジアル動圧発生溝を拡大して示す断面図
【図3】本発明のシール部の各種構成を拡大して示す断面図
【図4】従来のスピンドルモータの断面図
【図5】従来の他のスピンドルモータの断面図
【図6】従来の他のスピンドルモータの断面図
【符号の説明】
【0037】
1 軸芯部材
2 外環部材
3 スリーブ
4 ロータハブ
5 ベース
6 ステータコア
7 マグネット
8 抜け止め部材
9 吸引リング
10 ラジアル動圧発生溝
11 スラスト動圧発生溝
12 連通穴
13 シール部
14 円筒壁部
15 ホルダー
16 シャフト
17 フランジ付きスリーブ





 

 


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