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発明の名称 モータの起動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−43792(P2007−43792A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−223673(P2005−223673)
出願日 平成17年8月2日(2005.8.2)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 遠藤 勝己 / 飯塚 辰幸
要約 課題
モータの起動装置に関し、エネルギー効率を高める。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置であって、補助巻線に直列に接続された第1の正特性サーミスタと、前記第1の正特性サーミスタと直列に接続された半導体スイッチと、前記第1の正特性サーミスタおよび前記半導体スイッチと並列に接続され前記半導体スイッチのオン及びオフを制御する第2の正特性サーミスタとを備え、前記第2の正特性サーミスタの外周面の少なくとも一部を断熱層にて囲ったモータの起動装置。
【請求項2】
断熱層は芯材と前記芯材を被う非通気性外被材からなる真空断熱材にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
【請求項3】
断熱層は第2の正特性サーミスタの外周面に塗布された塗料型断熱材にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
【請求項4】
断熱層は発泡樹脂にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
【請求項5】
断熱層は閉空間によって画定された空気の層にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、正特性サーミスタを備えた単相誘導電動機からなるモータの起動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの起動装置として、正特性サーミスタを用いたものが広く用いられている。
【0003】
しかしながら、近年地球環境を考慮してエネルギー効率が高いことが望まれているなかで、モータが起動した後も正特性サーミスタに電源電圧が印加され続け電力を消費することに注目して、モータが起動した後に、正特性サーミスタに印加される電源電圧を遮断するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、図面を参照しながら上記従来のモータの起動装置を説明する。
【0005】
図13は特許文献1に記載された従来のモータの起動装置を用いた回路図、図14は従来のモータの起動装置の要部の組立後を示す図、図15は図14のA−A線断面図である。
【0006】
図13において、単相誘導電動機を構成するモータ2は主巻線10および補助巻線3を備え、交流電源7に接続されている。
【0007】
起動装置1はモータ2の補助巻線3に直列に接続された第1の正特性サーミスタ4と、第1の正特性サーミスタ4と直列に接続された半導体スイッチ5と第1の正特性サーミスタ4および半導体スイッチ5と並列に電極板A13を介してモータ2の補助巻線3に接続された第2の正特性サーミスタ6で回路構成されている。
【0008】
第1の正特性サーミスタ4、第2の正特性サーミスタ6は、例えば、チタン酸バリウムを主成分とした酸化物半導体セラミックで構成されていて、キュリー温度をもち、このキュリー温度を超えると電気抵抗値が急激に増大する特性を有しており、電流が流れることで自己発熱し、電気抵抗値が急激に増加する。
【0009】
半導体スイッチ5には第1の端子Ta、第2の端子Tb、ゲート端子Gがあり、ゲート端子Gは電極版B14を介して第2の正特性サーミスタ6に接続されている。
【0010】
半導体スイッチ5は、ゲート端子Gに一定電流が流れることで第1の端子Ta、第2の端子Tb間がONし、ゲート端子Gに電流を流れなければ第1の端子Ta、第2の端子Tb間がOFFするもので、第2の正特性サーミスタ6に電流が流れないときには第2の正特性サーミスタ6の抵抗値が小さいためゲート端子Gに一定電流が流し、第1の端子Ta、第2の端子Tb間がONとなる。
【0011】
また、第2の正特性サーミスタ6に電流が流れたときには第2の正特性サーミスタ6の抵抗値が大きくなりゲート端子Gの電流が低下するため第1の端子Ta、第2の端子Tb間がOFFとなる。
【0012】
図14、図15において第2の正特性サーミスタ6は、上下の面が、樹脂で成形されたケースA11とケースB12に接触した状態で保持されている。また、相対向する電極面の一方の面は電極板A13を介し補助巻線3に接続され、電極面のもう一方の面は、電極板B14を介して半導体スイッチ5のゲートGに接続されている。
【0013】
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0014】
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。起動時には第2の正特性サーミスタ6の温度が低く抵抗値が小さいためゲート端子Gに電流が流れることで、半導体スイッチ5はONしている。
【0015】
また第1の正特性サーミスタ4の温度も低く抵抗値が小さいため、補助巻線3に起動電流が流れ、モータ2は運転を開始する。
【0016】
モータ2が起動後、第1の正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
【0017】
通常、第1の正特性サーミスタ4は、高い電気抵抗値を維持するに必要な自己発熱を維持し続けるため、モータ2の運転中は数ワットの消費電力を消費し続けることになる。
【0018】
更に、第2の正特性サーミスタ6にも電源電圧が印加されるので自己発熱し、抵抗値が増加し抵抗値が増加するためゲート端子Gへの電流が低下し、半導体スイッチ5がOFFとなる。
【0019】
半導体スイッチ5がOFFとなると、第1の正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断されて、第1の正特性サーミスタ4の電力消費が発生せず、節電が図れる。
【特許文献1】特開平6−339291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、上記従来の構成では、第2の正特性サーミスタ6の熱が空間やケースA11、ケースB12などに熱伝導して放熱してしまい、周囲への放熱が大きく十分に温度上昇が得られず、その結果抵抗値の増加が小さくなり、消費電力が大きくなるという課題を有していた。
【0021】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの起動装置は、補助巻線に直列に接続された第1の正特性サーミスタと、第1の正特性サーミスタと直列に接続された半導体スイッチと、正特第1の性サーモスタットと並列に接続され、半導体スイッチをON/OFFする第2の正特性サーミスタとを備え、第2の正特性サーミスタの外周面の少なくとも一部を断熱層にて囲ったもので、断熱層の断熱効果により第2の正特性サーミスタと接触するケースおよびケース内雰囲気への放熱を小さく抑えることができ、第2の正特性サーミスタの消費電力を節約することができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のモータの起動装置は、エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
請求項1に記載の発明は、主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置であって、補助巻線に直列に接続された第1の正特性サーミスタと、第1の正特性サーミスタと直列に接続された半導体スイッチと、前記第1の正特性サーミスタおよび前記半導体スイッチと並列に接続され、前記半導体スイッチのオン及びオフを制御する第2の正特性サーミスタとを備え、第2の正特性サーミスタの外周面の少なくとも一部を断熱層にて囲ったものであり、ケースおよびケース内雰囲気への熱伝導が小さくなり、第2の正特性サーミスタの損失が低減されるため、消費電力を低減でき、起動装置の消費電力が小さく消費電力エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、断熱層は芯材と前記芯材を被う非通気性外被材からなる真空断熱材にて形成されたもので、真空断熱材の断熱効果により第2の正特性サーミスタの損失が低減されるので、請求項1より更に消費電力を小さくすることができ、起動装置の消費電力を低減することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、断熱層は第2の正特性サーミスタの外周面に塗布された塗料型断熱材にて形成されたもので、第2の正特性サーミスタの表面に塗料型断熱材を塗布するだけの簡単な工程で断熱効果が得られ、第2の正特性サーミスタの損失が低減されるため、消費電力を低減でき、更に安価に起動装置の消費電力を低減することができる。
【0027】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、断熱層は発泡樹脂にて形成されたもので、発泡樹脂内に形成された気泡の断熱効果により、第2の正特性サーミスタの損失が低減され、断熱層は樹脂成形品なので、加工、組立が容易であり、安価に製造が可能である。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、断熱層は閉空間によって画定された空気の層にて形成されたもので、ケースの面を閉空間の空気層が形成される形状にすることにより、空気層の断熱効果で第2の正特性サーミスタの損失が低減されるので、特別な断熱材を必要とせず、組立も容易で安価に起動装置の消費電力を低減することができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータの起動装置の回路図、図2は、本発明の実施の形態1におけるモータの起動装置の要部の組立前を示す図、図3は、図2の組立後のB−B線断面図である。
【0031】
以下、図1、図2、図3に基づいて本実施の形態について説明する。
【0032】
図1において、単相誘導電動機を構成するモータ102は主巻線110および補助巻線103を備え、交流電源107に接続されている。起動装置101はモータ102の補助巻線103に直列に接続された第1の正特性サーミスタ104と、第1の正特性サーミスタ104と直列に接続された半導体スイッチ105と、第1の正特性サーミスタ104および半導体スイッチ105と並列に電極板A113を介してモータ102の補助巻線103に接続された第2の正特性サーミスタ106で回路構成されている。
【0033】
第1の正特性サーミスタ104、第2の正特性サーミスタ106は、電流が流れることで自己発熱し、電気抵抗値が急激に増加する。
【0034】
半導体スイッチ105には第1の端子T1、第2の端子T2、ゲート端子G1があり、ゲート端子G1は電極板B114を介して第2の正特性サーミスタ106に接続されている。
【0035】
ゲート端子G1に一定電流が流れることで第1の端子T1、第2の端子T2間がONし、ゲート端子G1に電流を流れなければ第1の端子T1、第2の端子T2間がOFFするもので、第2の正特性サーミスタ106に電流が流れないときには第2の正特性サーミスタ106の抵抗値が小さいためゲート端子G1に一定電流が流し、第1の端子T1、第2の端子T2間がONとなる。
【0036】
また、第2の正特性サーミスタ106に電流が流れたときには第2の正特性サーミスタ106の抵抗値が大きくなりゲート端子G1の電流が低下するため第1の端子T1、第2の端子T2間がOFFとなる。
【0037】
図2、図3において第2の正特性サーミスタ106の相対向する電極面の一方の面は電極板A113を介し補助巻線103に接続され、電極面のもう一方の面は、電極板B114を介して半導体スイッチ105のゲート端子G1に接続されている。
【0038】
そして第2の正特性サーミスタ106は、電極面以外が芯材と前記芯材を被う非通気性外被材からなる断熱層である真空断熱材115に囲われて、ケースA111、ケースB112に組み込まれている。非通気性外被材は、プラスチックフィルムと金属箔のラミネートフィルムで構成されている。
【0039】
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0040】
交流電源107から電気が供給されると、主巻線110に起動電流が流れる。起動時には第2の正特性サーミスタ106の温度が低く抵抗値が小さいためゲート端子G1に電流が流れることで、半導体スイッチ105はONする。
【0041】
また第1の正特性サーミスタ104の温度も低く抵抗値が小さいため、補助巻線103に起動電流が流れ、モータ102は運転を開始する。
【0042】
モータ102が起動後、第1の正特性サーミスタ104は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、補助巻線103の電流が減少し、実質的に補助巻線103は切り離される。
【0043】
更に、第2の正特性サーミスタ106にも電源電圧が印加されるので自己発熱し、抵抗値が増加するためゲート端子G1への電流が低下し、半導体スイッチ105がOFFとなる。
【0044】
半導体スイッチ105がOFFとなると、第1の正特性サーミスタ104への電源電圧の印加が遮断されて、第1の正特性サーミスタ104の電力消費が発生せず、節電が図れる。
【0045】
また、第2の正特性サーミスタ106は、非常に断熱性に優れた真空断熱材115に囲われているため、相対向する電極面からの放熱を除いて、第2の正特性サーミスタ106の熱がケースA111、ケースA112にはほとんど伝わらないため、第2の正特性サーミスタ106の放熱が極めて少なくなる。
【0046】
また、第2の正特性サーミスタ106の抵抗値は自己発熱の温度上昇により大きくなるが、周囲への放熱が大きければ十分に温度上昇が得られず、その結果抵抗値の増加が小さくなり、消費電力が大きくなり、更にはゲート端子G1の電流が十分に低下せず半導体スイッチ105がOFFしなくなることがあるが、本実施の形態においてはこういった動作ミスを回避することができる。
【0047】
従って、半導体スイッチ105をOFFさせるのに必要な第2の正特性サーミスタ106の自己発熱の電力以外の、ケースA111やケースB112などへの放熱分の電力消費を極めて低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができる。
【0048】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるモータの起動装置の回路図、図5は、本発明の実施の形態2におけるモータの起動装置の要部の組立前を示す図、図6は、図5の組立後のC−C線断面図である。
【0049】
以下、図4、図5、図6に基づいて本実施の形態について説明する。
【0050】
図4において、単相誘導電動機を構成するモータ202は主巻線210および補助巻線203を備え、交流電源207に接続されている。
【0051】
起動装置201はモータ202の補助巻線203に直列に接続された第1の正特性サーミスタ204と、第1の正特性サーミスタ204と直列に接続された半導体スイッチ205と、第1の正特性サーミスタ204および半導体スイッチ205と並列に電極板A213を介してモータ202の補助巻線203に接続された第2の正特性サーミスタ206で回路構成されている。
【0052】
第1の正特性サーミスタ204、第2の正特性サーミスタ206は、電流が流れることで自己発熱し、電気抵抗値が急激に増加する。
【0053】
半導体スイッチ205には第1の端子T3、第2の端子T4、ゲート端子G2があり、ゲート端子G2は電極板B214を介して第2の正特性サーミスタ206に接続されている。
【0054】
ゲート端子G2に一定電流が流れることで第1の端子T3、第2の端子T4間がONし、ゲート端子G2に電流を流れなければ第1の端子T3、第2の端子T4間がOFFするもので、第2の正特性サーミスタ206に電流が流れないときには第2の正特性サーミスタ206の抵抗値が小さいためゲート端子G2に一定電流が流し、第1の端子T3、第2の端子T4間がONとなる。
【0055】
また、第2の正特性サーミスタ206に電流が流れたときには第2の正特性サーミスタ206の抵抗値が大きくなりゲート端子G2の電流が低下するため第1の端子T3、第2の端子T4間がOFFとなる。
【0056】
図5、図6において第2の正特性サーミスタ206の相対向する電極面の一方の面は電極板A213を介し補助巻線203に接続され、電極面のもう一方の面は、電極板B214を介して半導体スイッチ205のゲート端子G2に接続されている。
【0057】
そして第2の正特性サーミスタ206の電極面以外の外周面は塗料型断熱材215が塗布されており、ケースA211、ケースB212、電極板A213、電極板B214により保持されている。
【0058】
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0059】
交流電源207から電気が供給されると、主巻線210に起動電流が流れる。起動時には第2の正特性サーミスタ206の温度が低く抵抗値が小さいためゲート端子G2に電流が流れることで、半導体スイッチ205はONする。
【0060】
また第1の正特性サーミスタ204の温度も低く抵抗値が小さいため、補助巻線203に起動電流が流れ、モータ202は運転を開始する。
【0061】
モータ202が起動後、第1の正特性サーミスタ204は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、補助巻線203の電流が減少し、実質的に補助巻線203は切り離される。
【0062】
更に、第2の正特性サーミスタ206にも電源電圧が印加されるので自己発熱し、抵抗値が増加するためゲート端子G2への電流が低下し、半導体スイッチ205がOFFとなる。
【0063】
半導体スイッチ205がOFFとなると、第1の正特性サーミスタ204への電源電圧の印加が遮断されて、第1の正特性サーミスタ204の電力消費が発生せず、節電が図れる。
【0064】
また、第2の正特性サーミスタ206は電極面以外の外周面に、断熱性に優れ、塗布するだけでよい塗料型断熱材215を使用しているため、相対向する電極面からの放熱を除いて、第2の正特性サーミスタ206の熱がケースA211、ケースB212に伝わりにくく、第2の正特性サーミスタ206の放熱が少なくなる。
【0065】
また、第2の正特性サーミスタ206の抵抗値は自己発熱の温度上昇により大きくなるが、周囲への放熱が大きければ十分に温度上昇が得られず、その結果抵抗値の増加が小さくなり、消費電力が大きくなり、更にはゲート端子G2の電流が十分に低下せず半導体スイッチ205がOFFしなくなることがあるが、本実施の形態においてはこういった動作ミスを回避することができる。
【0066】
従って、半導体スイッチ205をOFFさせるのに必要な、第2の正特性サーミスタ206の自己発熱の電力以外の、ケースA211やケースB212などへの放熱分の電力消費を極めて低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができる。
【0067】
更に第2の正特性サーミスタ206は予め電極面以外の外周面に塗料型断熱材215を塗布しておく簡単なものであり、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
【0068】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるモータの起動装置の回路図、図8は、本発明の実施の形態3におけるモータの起動装置の要部の組立前を示す図、図9は、図8の組立後のD−D線断面図である。
【0069】
以下、図7、図8、図9に基づいて本実施の形態について説明する。
【0070】
図7において、単相誘導電動機を構成するモータ302は主巻線310および補助巻線303を備え、交流電源307に接続されている。起動装置301はモータ302の補助巻線303に直列に接続された第1の正特性サーミスタ304と、第1の正特性サーミスタ304と直列に接続された半導体スイッチ305と、第1の正特性サーミスタ304および半導体スイッチ305と並列に電極板A313を介してモータ302の補助巻線303に接続された第2の正特性サーミスタ306で回路構成されている。
【0071】
第1の正特性サーミスタ304、第2の正特性サーミスタ306は、電流が流れることで自己発熱し、電気抵抗値が急激に増加する。
【0072】
半導体スイッチ305には第1の端子T5、第2の端子T6、ゲート端子G3があり、ゲート端子G3は電極板B314を介して第2の正特性サーミスタ306に接続されている。
【0073】
ゲート端子G3に一定電流が流れることで第1の端子T5、第2の端子T6間がONし、ゲート端子G3に電流を流れなければ第1の端子T5、第2の端子T6間がOFFするもので、第2の正特性サーミスタ306に電流が流れないときには第2の正特性サーミスタ306の抵抗値が小さいためゲート端子G3に一定電流が流し、第1の端子T5、第2の端子T6間がONとなる。
【0074】
また、第2の正特性サーミスタ306に電流が流れたときには第2の正特性サーミスタ306の抵抗値が大きくなりゲート端子G3の電流が低下するため第1の端子T5、第2の端子T6間がOFFとなる。
【0075】
図8、図9において第2の正特性サーミスタ306の相対向する電極面の一方の面は電極板A313を介し補助巻線303に接続され、電極面のもう一方の面は、電極板B314を介して半導体スイッチ305のゲート端子G3に接続されている。
【0076】
そして第2の正特性サーミスタ306は発泡樹脂にて成形されたケースA311、ケースB312と電極板A313、電極板B314により保持されている。
【0077】
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0078】
交流電源307から電気が供給されると、主巻線310に起動電流が流れる。起動時には第2の正特性サーミスタ306の温度が低く抵抗値が小さいためゲート端子G3に電流が流れることで、半導体スイッチ305はONする。
【0079】
また第1の正特性サーミスタ304の温度も低く抵抗値が小さいため、補助巻線303に起動電流が流れ、モータ302は運転を開始する。
【0080】
モータ302が起動後、第1の正特性サーミスタ304は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、補助巻線303の電流が減少し、実質的に補助巻線303は切り離される。
【0081】
更に、第2の正特性サーミスタ306にも電源電圧が印加されるので自己発熱し、抵抗値が増加するためゲート端子G3への電流が低下し、半導体スイッチ305がOFFとなる。
【0082】
半導体スイッチ305がOFFとなると、第1の正特性サーミスタ304への電源電圧の印加が遮断されて、第1の正特性サーミスタ304の電力消費が発生せず、節電が図れる。
【0083】
また、第2の正特性サーミスタ306と接触するケースA311、ケースB312は、断熱性に優れた発泡樹脂にて成形されたものであるため、相対向する電極面からの放熱を除いて、第2の正特性サーミスタ206の熱がケースA311、ケースB312に伝わりにくく、第2の正特性サーミスタ206の放熱が少なくなる。
【0084】
第2の正特性サーミスタ306の抵抗値は自己発熱の温度上昇により大きくなるが、周囲への放熱が大きければ十分に温度上昇が得られず、その結果抵抗値の増加が小さくなり、消費電力が大きくなり、更にはゲート端子G3の電流が十分に低下せず半導体スイッチ305がOFFしなくなることがあるが、本実施の形態においてはこういった動作ミスを回避することができる。
【0085】
従って、半導体スイッチ305をOFFさせるのに必要な、第2の正特性サーミスタ306の自己発熱の電力以外の、ケースA311、ケースB312などへの放熱分の電力消費を極めて低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができる。
【0086】
更に、ケースA311、ケースB312の成形を発泡樹脂成形にするだけなので、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
【0087】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4におけるモータの起動装置の回路図、図11は、本発明の実施の形態4におけるモータの起動装置の要部の組立前を示す図、図12は、図11の組立後のE−E線断面図である。
【0088】
以下、図10、図11、図12に基づいて本実施の形態について説明する。
図10において、単相誘導電動機を構成するモータ402は主巻線410および補助巻線403を備え、交流電源407に接続されている。
【0089】
起動装置401はモータ402の補助巻線403に直列に接続された第1の正特性サーミスタ404と、第1の正特性サーミスタ404と直列に接続された半導体スイッチ405と、第1の正特性サーミスタ404および半導体スイッチ405と並列に電極板I413を介してモータ402の補助巻線403に接続された第2の正特性サーミスタ406で回路構成されている。
【0090】
第1の正特性サーミスタ404、第2の正特性サーミスタ406は、電流が流れることで自己発熱し、電気抵抗値が急激に増加する。
【0091】
半導体スイッチ405には第1の端子T7、第2の端子T8、ゲート端子G4があり、ゲート端子G4は電極板B414を介して第2の正特性サーミスタ406に接続されている。
【0092】
ゲート端子G4に一定電流が流れることで第1の端子T7、第2の端子T8間がONし、ゲート端子G4に電流を流れなければ第1の端子T7、第2の端子T8間がOFFするもので、第2の正特性サーミスタ406に電流が流れないときには第2の正特性サーミスタ406の抵抗値が小さいためゲート端子G4に一定電流が流し、第1の端子T7、第2の端子T8間がONとなる。
【0093】
また、第2の正特性サーミスタ406に電流が流れたときには第2の正特性サーミスタ406の抵抗値が大きくなりゲート端子G4の電流が低下するため第1の端子T7、第2の端子T8間がOFFとなる。
【0094】
図11、図12において第2の正特性サーミスタ406の相対向する電極面の一方の面は電極板A413を介し補助巻線403に接続され、電極面のもう一方の面は、電極板B414を介して半導体スイッチ405のゲート端子G4に接続されている。
【0095】
そして第2の正特性サーミスタ406の電極面以外の外周面はケースA411、ケースB412によって画定された空気の層415で囲われている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0096】
交流電源407から電気が供給されると、主巻線410に起動電流が流れる。起動時には第2の正特性サーミスタ406の温度が低く抵抗値が小さいためゲート端子G4に電流が流れることで、半導体スイッチ405はONする。
【0097】
また第1の正特性サーミスタ404の温度も低く抵抗値が小さいため、補助巻線403に起動電流が流れ、モータ402は運転を開始する。
【0098】
モータ402が起動後、第1の正特性サーミスタ404は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、補助巻線403の電流が減少し、実質的に補助巻線403は切り離される。
【0099】
更に、第2の正特性サーミスタ406にも電源電圧が印加されるので自己発熱し、抵抗値が増加するためゲート端子G4への電流が低下し、半導体スイッチ405がOFFとなる。
【0100】
半導体スイッチ405がOFFとなると、第1の正特性サーミスタ404への電源電圧の印加が遮断されて、第1の正特性サーミスタ404の電力消費が発生せず、節電が図れる。
【0101】
また、第2の正特性サーミスタ406とケースA411、ケースB412の間は、閉空間の空気の層415が形成されているため、相対向する電極面からの放熱を除いて、第2の正特性サーミスタ406の熱がケースA411、ケースB412に伝わりにくく、第2の正特性サーミスタ406の放熱が少なくなる。
【0102】
また、第2の正特性サーミスタ406の抵抗値は自己発熱の温度上昇により大きくなるが、周囲への放熱が大きければ十分に温度上昇が得られず、その結果抵抗値の増加が小さくなり、消費電力が大きくなり、更にはゲート端子G4の電流が十分に低下せず半導体スイッチ405がOFFしなくなることがあるが、本実施の形態においてはこういった動作ミスを回避することができる。
【0103】
従って、半導体スイッチ405をOFFさせるのに必要な、第2の正特性サーミスタ406の自己発熱の電力以外の、ケースA411、ケースB412などへの放熱分の電力消費を極めて低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができる。
【0104】
更に、ケースA411、ケースB412の第2の正特性サーミスタ406と接触する面を閉空間の空気の層415が形成される形状にするだけなので、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上のように、本発明にかかるモータの起動装置は、正特性サーミスタの消費電力を低減できるので、正特性サーミスタを備えた、冷蔵庫、空気調和機器等のモータ等の用途に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態1におけるモータの起動装置の回路図
【図2】同実施の形態のモータの起動装置の要部の組立前を示す図
【図3】図2の組立後のB−B線断面図
【図4】本発明の実施の形態2におけるモータの起動装置の回路図
【図5】同実施の形態のモータの起動装置の要部の組立前を示す図
【図6】図5の組立後のC−C線断面図
【図7】本発明の実施の形態3におけるモータの起動装置の回路図
【図8】同実施の形態のモータの起動装置の要部の組立前を示す図
【図9】図8の組立後のD−D線断面図
【図10】本発明の実施の形態4におけるモータの起動装置の回路図
【図11】同実施の形態のモータの起動装置の要部の組立前を示す図
【図12】図11の組立後のE−E線断面図
【図13】従来のモータの起動装置を用いた回路図
【図14】従来のモータの起動装置の要部の組立後を示す図
【図15】図14のA−A線断面図
【符号の説明】
【0107】
103,203,303,403 補助巻線
104,204,304,404 第1の正特性サーミスタ
105,205,305,405 半導体スイッチ
106,206,306,406 第2の正特性サーミスタ
110,210,310,410 主巻線
115 真空断熱材
215 塗料型断熱材
311 発泡樹脂で成形されたケースA
312 発泡樹脂で成形されたケースB
415 空気の層




 

 


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