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発明の名称 ステッピングモータ駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28819(P2007−28819A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208547(P2005−208547)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100112128
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 光威
発明者 中原 雅之 / 藤中 洋
要約 課題
駆動対象のステッピングモータを低騒音で駆動する。

解決手段
参照信号生成部10において,階段波生成部11が生成した階段波VCAを積分回路12で積分することにより,レベルが連続的に変化する参照信号VCTAを出力する。スイッチ手段51は、階段波VCAが0Vから次のステップに切り替わるときにスイッチ通電信号発生部52の信号を受けて参照信号VCTAを0Vに固定する。これにより,電流目標値IREFがゼロクロスにおいて急激に変化することを抑え、電流波形歪みを抑制することができ、ステッピングモータ駆動を低騒音化できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
駆動対象であるステッピングモータの巻線への給電電流を測定する給電電流測定部と、電流制限値を表す参照信号を生成する階段波生成部と、前記階段波生成部の出力を平滑化する積分手段と、前記巻線へ電流を供給するブリッジ整流回路と、パルス幅変調(PWM)のスイッチング周期を決めるPWM基準信号を出力するPWM基準信号生成部と、前記PWM基準信号生成部の出力するPWM基準信号に基づいて前記ブリッジ整流回路の駆動を制御するPWM制御部と、前記積分手段の出力を基準電圧にするスイッチ手段と、前記スイッチ手段をオンもしくはオフするための信号を生成するスイッチ通電信号発生部とを備えたことを特徴とするステッピングモータ駆動装置。
【請求項2】
前記スイッチ手段が、MOSトランジスタによって構成されたことを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項3】
前記スイッチ通電信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間においてスイッチ手段をオンすることを特徴とする請求項1または2記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項4】
前記スイッチ通電信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧となっている区間にスイッチ手段をオンすることを特徴とする請求項1または2記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項5】
駆動対象であるステッピングモータの巻線への給電電流を測定する給電電流測定部と、電流制限値を表す参照信号を生成する階段波生成部と、前記階段波生成部の出力を平滑化する可変積分手段と、前記可変積分手段の積分定数を変化させる信号を生成する積分定数変更信号発生部と、前記巻線へ電流を供給するブリッジ整流回路と、パルス幅変調(PWM)のスイッチング周期を決めるPWM基準信号を出力するPWM基準信号生成部と、前記PWM基準信号生成部の出力するPWM基準信号に基づいて前記ブリッジ整流回路の駆動を制御するPWM制御部とを備えたことを特徴とするステッピングモータ駆動装置。
【請求項6】
前記可変積分手段が、抵抗、容量およびスイッチ手段によって構成されたことを特徴とする請求項5記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項7】
前記積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間において可変積分手段の積分定数を変更する信号を出力することを特徴とする請求項5または6記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項8】
前記積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧となっている区間に可変積分手段の積分定数を変更する信号を出力することを特徴とする請求項5または6記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項9】
前記積分定数変更信号発生部が、可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力することを特徴とする請求項5または6記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項10】
前記積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力信号が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間において可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力することを特徴とする請求項9記載のステッピングモータ駆動装置。
【請求項11】
前記積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力信号が基準電圧となっている区間に可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力することを特徴とする請求項9記載のステッピングモータ駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータを駆動する技術に係り、ステッピングモータを低騒音かつ低振動に駆動するステッピングモータ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ステッピングモータはデジタル・スチル・カメラやデジタル・ビデオ・カメラなどの撮影用電子機器におけるズーム、フォーカス、絞りなどの調整に用いられる。撮影用電子機器にステッピングモータを使用する場合、これに要求される特性の1つとして低騒音性が挙げられる。これは、ステッピングモータの騒音がマイクに拾われて雑音として録音される可能性があるからである。このような要求から、ステッピングモータを低騒音で駆動するためのステッピングモータ駆動装置として、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
図10は特許文献1で開示されているステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。図10に示すように、制御対象であるステッピングモータ1は、回転子2、それぞれ異なる相に対応する第1の巻線3aおよび第2の巻線3bからなる。また、ステッピングモータ駆動装置は、PWM基準信号生成部4、電源5、参照信号生成部10aおよび10b、PWM制御部20aおよび20b、ブリッジ整流回路30aおよび30b、給電電流測定部40aおよび40bから構成される。
【0004】
ここで、第1の巻線3aと第2の巻線3bに設けられる構成要素の内容は同一なので、第1の巻線3a(以下、単に巻線3aという)の構成要素について説明する。参照信号生成部10aは、階段波生成部11、および積分回路12から構成される。PWM制御部20aは、コンパレータ21、フリップフロップ22、および通電論理部23から構成される。ブリッジ整流回路30aは、トランジスタ31〜34、およびフライホイールダイオード35〜38から構成される。給電電流測定部40aは、アンプ41および検出抵抗42から構成される。
【0005】
階段波生成部11は、階段波VCAのステップ単位時間を刻むクロック信号CLKPを受けて、階段波VCAを生成する。積分手段12は、階段波VCAの平均勾配に追従する参照信号VCTAを出力する。
【0006】
PWM基準信号生成部4は、巻線3aへの給電期間の開始を指示するPWM基準信号を所定周期で生成する。フリップフロップ22はPWM基準信号の立ち上がりに同期してセットされ、給電期間を示す給電指令信号CHAがハイレベルで出力される。通電論理部23は、給電指令信号CHAおよび給電極性を示す給電極性信号PHCAに応じて、所定のゲート信号GA1〜GA4を各トランジスタに供給することによって、トランジスタ31およびトランジスタ34の組、またはトランジスタ33およびトランジスタ32の組のいずれかを導通状態にし、他を非導通状態にする。これにより、巻線3aは電源5から給電極性信号PHCAに応じた極性で給電され、巻線3aの給電電流が増加する。
【0007】
この給電電流は、給電電流測定部40aで測定される。給電電流測定部40aに流れ込んだ給電電流は、検出抵抗42に流れ、検出抵抗42の両端に発生する電圧VCSによって、巻線3aの給電電流を測定する。この電圧VCSは、アンプ41で増幅された後、コンパレータ21の非反転入力端子へ入力される。同時に、コンパレータ21の反転入力端子へは、参照信号VCTAが入力される。給電電流が増加し、アンプ41の出力電圧が参照信号VCTAの電圧より高くなると、コンパレータ21は出力信号を出力してフリップフロップ22をリセットする。その結果、給電指令信号CHAがローレベルとなり、巻線3aへの給電が停止する。
【0008】
その後、回生電流(回生期間における巻線電流)は電流方向に応じて、トランジスタ33とフライホイールダイオード35の組、またはトランジスタ31とフライホイールダイオード37の組のいずれかを流れながら徐々に減少していく。PWM基準信号が与えられる度にこのような給電動作と回生動作とが繰り返され、巻線3aの給電電流は、図11に示すように、参照信号VCTAおよび給電極性信号PHCAによって表される電流目標値IREFに制御される。
【0009】
特許文献1における参照信号VCTAは、階段状のレベル変化を示さず連続的に変化するため、階段波を参照信号に用いる場合のステップアップ時、およびステップダウン時のトルク変動に起因する騒音が解消される。
【特許文献1】特開2004−215385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来技術の図10に示したステッピングモータ駆動装置では、図12に示すように、階段波VCAの電圧が0V(基準電圧)となり、かつこの0Vとなる区間t0Vが短い場合は、積分手段12の性質上、参照信号VCTAは階段波VCAの電圧が0Vとなる区間が維持される間に0Vとなることはない。階段波VCAの電圧が0Vとなる区間が終了して次のステップに進むと同時に給電極性信号PHCAが切り替わるが、このとき参照信号VCTAは0Vにならずにある電圧値VREMをとるため、極性情報も含めた巻線3aの電流目標値IREFは、0Aをクロスする点(ゼロクロス)において不連続となり、急激な電流変化を生じることとなる。このような場合、電流目標値IREFは、従来技術において期待される理想の波形からずれることとなる。これは、ステッピングモータ駆動においては騒音の原因となるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、駆動対象のステッピングモータを低騒音で駆動するステッピングモータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載したステッピングモータ駆動装置は、駆動対象であるステッピングモータの巻線への給電電流を測定する給電電流測定部と、電流制限値を表す参照信号を生成する階段波生成部と、階段波生成部の出力を平滑化する積分手段と、巻線へ電流を供給するブリッジ整流回路と、パルス幅変調(PWM)のスイッチング周期を決めるPWM基準信号を出力するPWM基準信号生成部と、PWM基準信号生成部の出力するPWM基準信号に基づいてブリッジ整流回路の駆動を制御するPWM制御部と、積分手段の出力を基準電圧にするスイッチ手段と、スイッチ手段をオンもしくはオフするための信号を生成するスイッチ通電信号発生部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載したステッピングモータ駆動装置は、請求項1のステッピングモータ駆動装置であって、スイッチ手段が、MOSトランジスタによって構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3,4に記載したステッピングモータ駆動装置は、請求項1,2のステッピングモータ駆動装置であって、スイッチ通電信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間においてスイッチ手段をオンすること、またはスイッチ通電信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧となっている区間にスイッチ手段をオンすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載したステッピングモータ駆動装置は、駆動対象であるステッピングモータの巻線への給電電流を測定する給電電流測定部と、電流制限値を表す参照信号を生成する階段波生成部と、階段波生成部の出力を平滑化する可変積分手段と、可変積分手段の積分定数を変化させる信号を生成する積分定数変更信号発生部と、巻線へ電流を供給するブリッジ整流回路と、パルス幅変調(PWM)のスイッチング周期を決めるPWM基準信号を出力するPWM基準信号生成部と、PWM基準信号生成部の出力するPWM基準信号に基づいてブリッジ整流回路の駆動を制御するPWM制御部とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載したステッピングモータ駆動装置は、請求項5のステッピングモータ駆動装置であって、可変積分手段が、抵抗、容量およびスイッチ手段によって構成されたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項7,8に記載したステッピングモータ駆動装置は、請求項5,6のステッピングモータ駆動装置であって、積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間において可変積分手段の積分定数を変更する信号を出力すること、または積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力が基準電圧となっている区間に可変積分手段の積分定数を変更する信号を出力することを特徴とする。
【0018】
また、請求項9〜11に記載したステッピングモータ駆動装置は、請求項5,6のステッピングモータ駆動装置であって、積分定数変更信号発生部が、可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力すること、さらに、積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力信号が基準電圧から所定値に変化する前もしくは後もしくは前後を合わせた限定された区間において可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力すること、または積分定数変更信号発生部が、階段波生成部の出力信号が基準電圧となっている区間に可変積分手段の入力と出力を短絡する信号を出力することを特徴とする。
【0019】
前記構成によれば、駆動対象のステッピングモータを低騒音で駆動することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、駆動対象のステッピングモータを低騒音で駆動することができ、デジタル・スチル・カメラやデジタル・ビデオ・カメラなどの撮影用電子機器の低騒音化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態1におけるステッピングモータ駆動装置の概略構成を示すブロック図である。ここで、前記従来例を示す図10において説明した構成部材と実質的に同等の機能を有するものには同一の符号を付して示し、また以下の各図においても同様とする。
【0023】
図1には、ステッピングモータとして巻線の1相分が描かれているが、ステッピングモータが2相以上の構成であっても本発明の趣旨を逸脱するものではない。図1において、1は制御対象であるステッピングモータ、2は回転子、3は巻線である。また、ステッピングモータ駆動装置は、PWM基準信号生成部4、電源5、参照信号生成部10、PWM制御部20、ブリッジ整流回路30、給電電流測定部40、スイッチ手段51およびスイッチ通電信号発生部52から構成される。
【0024】
参照信号生成部10は、階段波生成部11および積分手段12から構成される。PWM制御部20は、コンパレータ21、フリップフロップ22および通電論理部23から構成される。ブリッジ整流回路30は、トランジスタ31〜34およびフライホイールダイオード35〜38から構成される。給電電流測定部40は、アンプ41および検出抵抗42から構成される。
【0025】
階段波生成部11は、階段波のステップ単位時間を刻むクロック信号CLKPと、ステップ値を示す信号DAを受け、階段波VCAを出力する。積分手段12は、階段波生成部11が出力する階段波VCAを積分することによって、参照信号VCTAを出力する。
【0026】
スイッチ手段51は、スイッチ通電信号発生部52からオンすることを示す通電信号を受けることで、積分手段12の出力する参照信号VCTAを0V(基準電圧)に固定することができる。また、スイッチ手段51は、図2に示すようにMOSトランジスタ53によって構成することができるが、これ以外にもバイポーラトランジスタや機械的なスイッチによって構成されても、本発明の趣旨から逸脱しない。
【0027】
次に、PWM基準信号生成部4、PWM制御部20、ブリッジ整流回路30および給電電流測定部40によって行う巻線3への給電電流のPWM制御について説明する。PWM基準信号生成部4は、巻線3への電流給電の開始を示すPWM基準信号を所定の周期で出力する。フリップフロップ22は、PWM基準信号の立ち上がりにおいてセットされ、巻線3への給電期間を示す給電指令信号CHAがハイレベルで出力される。通電論理部23は、給電指令信号CHAおよび給電極性を示す給電極性信号PHCAに応じて、所定のトランジスタを駆動するためのゲート信号GA1〜GA4を出力する。ゲート信号GA1〜GA4を受けて、トランジスタ31およびトランジスタ34の組、もしくはトランジスタ33およびトランジスタ32の組のいずれかを導通状態、他方を非導通状態にする。これにより、給電極性信号PHCAに応じた向きに巻線3に電流を給電することができる。
【0028】
巻線3に給電された電流は検出抵抗42に流れ、検出抵抗42の両端に生じる電圧VCSによって、給電電流を測定する。検出抵抗42の両端に生じた電圧VCSはアンプ41によって増幅された後、コンパレータ21の非反転入力端子に入力される。コンパレータ21の反転入力端子には、参照信号VCTAが入力される。アンプ41の出力電圧が参照信号VCTAを上回ると、コンパレータ21はハイレベルを出力し、フリップフロップ22をリセットする。これにより、給電指令信号CHAはローレベルとなり、トランジスタ32もしくはトランジスタ34のチョッピングが停止し、巻線3への給電が停止する。
【0029】
巻線3への給電が停止すると、巻線電流はトランジスタ31とフライホイールダイオード37、もしくはトランジスタ33とフライホイールダイオード35を流れながら徐々に減少していく。
【0030】
以上の過程を繰り返すことで巻線3の給電電流は、図11に示すように参照信号VCTAおよび給電極性信号PHCAで表される電流目標値IREFに制御される。
【0031】
次に、図1に示すスイッチ手段51およびスイッチ通電信号発生部52の詳細な動作について、図3および図4を参照しながら説明する。
【0032】
本実施の形態1においては、図3に示す階段波VCAが0Vから次のステップに切り替わる直前(区間B)にスイッチ手段51がオンするようにスイッチ通電信号発生部52から通電信号を出力するようにする。この方法により、階段波VCAが0Vから次のステップに切り替わったときに参照信号VCTAは0Vから始まるため、ゼロクロスにおける電流目標値IREFの急激な変化を抑えることができ、ゼロクロスにおける電流目標値IREF歪みの発生が抑制され、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【0033】
あるいは、図4に示すように階段波VCAが0Vから次のステップに切り替わった直後(区間A)にスイッチ手段51がオンするようにスイッチ通電信号発生部52から通電信号を出力するようにしてもよい。この方法によっても、ゼロクロスにおける電流目標値IREFの急激な変化を抑えることができるため、ゼロクロスにおける電流目標値IREFの歪みの発生が抑制され、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【0034】
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は前述した実施の形態1の図1に示したステッピングモータ駆動装置と構成が同一であるため、その構成に関する説明は省略する。以下に、本実施の形態2におけるスイッチ手段51およびスイッチ通電信号発生部52の詳細な動作について、図5〜図7を参照しながら説明する。
【0035】
図1に示すブリッジ整流回路30を用いたステッピングモータ駆動装置において、巻線3への給電を停止する非導通状態から、巻線3へ給電する導通状態へ切り替わると、ブリッジ整流回路30を構成するトランジスタ32もしくはトランジスタ34の一方が非導通状態から導通状態へと変化する。このとき、このトランジスタ32もしくはトランジスタ34がオフ状態のときに寄生容量に蓄積された電荷が、トランジスタ32もしくはトランジスタ34がオン状態に切り替わる(すなわち、ステッピングモータ駆動装置が非導通状態から導通状態へと切り替わる)と給電電流測定部40へと流れ込む。この電流を給電電流測定部40が検出し、図5に示すようにアンプ41の出力は大きく増加するが、このときのアンプ41の出力が参照信号VCTAを上回ると、フリップフロップ22はリセットされるため、ステッピングモータ駆動装置は非導通状態となる。
【0036】
しかし、トランジスタ32もしくはトランジスタ34の寄生容量に蓄積された電荷が給電電流測定部40へと流れることによる電流は、給電電流測定部40が本来検出すべき巻線3への給電電流とは異なるため、トランジスタ32もしくはトランジスタ34の寄生容量に溜め込んだ電荷が給電電流測定部40へと流れることによる電流によりフリップフロップ22がリセットされると、巻線3への給電電流が電流目標値IREFより小さくなる。このため、ステッピングモータ駆動装置が非導通状態から導通状態に切り替わった直後のある一定区間は、誤検出を防止するために給電電流測定部40が測定する電流値に関わらず、巻線3への給電を強制的に行うという手段(強制オンと呼ぶ)がとられることがある。
【0037】
このような手段がとられるステッピングモータ駆動装置においては、PWM基準信号の立ち上がり時点で巻線電流が電流目標値IREFより大きい場合でも、巻線3には強制オンの時間は必ず電流が供給され、巻線電流が電流目標値IREFを上回った状態となってしまうことがある。特に階段波VCAが0Vの区間では電流目標値IREFが小さくなるため、強制オンにより巻線3に供給される巻線電流だけで電流目標値IREFを上回ってしまう。したがって、図6に示すように、このようなステッピングモータ駆動装置においては、階段波VCAが0Vの区間t0Vでは、PWM駆動を停止して巻線3への給電を行わず、参照信号VCTAによらず巻線電流を回生による減衰のみで決めるようにする。
【0038】
ところが、このような給電では階段波VCAが0Vから次のステップに移行したとき、参照信号VCTAが0Vに落ちきらず、ある電圧値VREMをとるため、次のステップは参照信号VCTAが0Vから開始せずVREMから開始する。このため、電流目標値IREFのゼロクロス近傍で歪みが生じ、ステッピングモータ駆動の騒音の原因となる。
【0039】
このことから、本実施の形態2においては、階段波VCAが0Vの区間においてスイッチ手段51がオンするようにスイッチ通電信号発生部52から通電信号を出力するようにする。これにより、階段波VCAが0Vの区間t0Vにおいては参照信号VCTAも0Vになるため、階段波VCAが0Vから次のステップに進んだ場合、図7に示すように電流目標値IREFは0Aから開始するためにゼロクロスにおいて歪みが発生しない。
【0040】
以上のことから、本実施の形態2により電流目標値IREFのゼロクロスにおける歪みの発生を抑え、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【0041】
図8は本発明の実施の形態3におけるステッピングモータ駆動装置の概略構成を示すブロック図である。また本実施の形態3においても、前述の図1に示した実施の形態1と同一箇所の説明は省略する。
【0042】
図8において、可変積分手段61は、階段波生成部11が出力する階段波VCAを積分することによって、参照信号VCTAを出力する。また、可変積分手段61は、積分定数変更信号発生部62が出力する積分定数変更信号を受けて、積分定数を変更することができる。
【0043】
この可変積分手段61を実現する1つの方法として、図9に示すブロック図の構成による方法がある。ここで、可変積分手段61は抵抗63、容量64およびスイッチ手段65によって構成されるCRフィルタである。スイッチ手段65は抵抗63の両端に接続され、積分定数変更信号を受けて抵抗63を短絡することで、CRフィルタ全体を短絡する。もちろん、可変積分手段61はアクティブフィルタやスイッチト・キャパシタ・フィルタによって実現してもよいことはいうまでもない。また、積分定数変更信号は可変積分手段61の抵抗63を短絡するのではなく積分定数を減少する方向に変化させる、例えば別抵抗を並列接続する等の方法を用いてもよい。
【0044】
次に、図8に示す可変積分手段61および積分定数変更信号発生部62の詳細な動作について、図3および図4を参照しながら説明する。
【0045】
本実施の形態3においては、図3に示す階段波VCAが0Vから所定値に切り替わる直前(区間B)に可変積分手段61の入力と出力が短絡されるように積分定数変更信号発生部62から積分定数変更信号を出力するようにする。この方法により、階段波VCAが0Vから次のステップに切り替わったときに参照信号VCTAは0Vから始まるため、ゼロクロスにおける電流目標値IREFの急激な変化を抑えることができ、ゼロクロスにおける電流目標値IREF歪みの発生が抑制され、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【0046】
あるいは、図4に示す階段波VCAが0Vから所定値に切り替わった直後(区間A)に可変積分手段61の入力と出力が短絡されるように積分定数変更信号発生部62から通電信号を出力するようにしてもよい。この方法によっても、ゼロクロスにおける電流目標値IREFの急激な変化を抑えることができるため、ゼロクロスにおける歪みの発生が抑制され、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【0047】
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は前述した実施の形態3の図8に示したステッピングモータ駆動装置と構成が同一であるため、その構成に関する説明は省略する。以下に、本実施の形態4における可変積分手段61および積分定数変更信号発生部62の詳細な動作について、図6および図7を参照しながら説明する。
【0048】
本実施の形態4では、実施の形態2と同様に、図6に示すように階段波VCAが0Vの区間t0Vでは、PWM駆動を停止して巻線3への給電を行わず、参照信号VCTAによらず巻線電流を回生による減衰のみで決めるようにする、という動作をする場合について述べる。
【0049】
このような給電では階段波VCAが0Vから次のステップに移行したとき、参照信号VCTAが0Vに落ちきっていないため、次のステップは参照信号VCTAが0Vから開始せず、ある電圧値VREMから開始する。このため、電流目標値IREFのゼロクロス近傍で歪みが生じ、ステッピングモータ駆動の騒音の原因となる。
【0050】
このことから、本実施の形態4においては、階段波VCAが0Vの区間において可変積分手段61の入力と出力が短絡されるように積分定数変更信号発生部62から積分定数変更信号を出力し、可変積分手段61が短絡されるようにする。これにより、階段波VCAが0Vの区間においては参照信号VCTAも0Vになるため、階段波VCAが0Vから次のステップに進んだ場合、図7に示すように、電流目標値IREFは0Aから開始するためにゼロクロスにおいて歪みが発生しない。
【0051】
以上のことから、本実施の形態4により電流目標値IREFのゼロクロスにおける歪みの発生を抑え、ステッピングモータ駆動の低騒音化を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るステッピングモータ駆動装置は、駆動対象のステッピングモータを低騒音駆動することが実現でき、これを用いるデジタル・スチル・カメラやデジタル・ビデオ・カメラなどの撮影用電子機器の低騒音化に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1におけるステッピングモータ駆動装置の概略構成を示すブロック図
【図2】本実施の形態1におけるステッピングモータ駆動装置のスイッチ手段にMOSトランジスタを用いた構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1,2における階段波VCAが0Vから切り替わる直前の電流目標値波形を示す図
【図4】実施の形態1,2における階段波VCAが0Vから切り替わる直後の電流目標値波形を示す図
【図5】強制オン動作時のアンプ出力、参照信号、コンパレータ出力の信号波形を示す図
【図6】従来の階段波VCAが0Vから切り替わるときの電流目標値波形を示す図
【図7】本実施の形態2,4における階段波VCAが0Vから切り替わるときの電流目標値波形を示す図
【図8】本発明の実施の形態3におけるステッピングモータ駆動装置の概略構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3におけるステッピングモータ駆動装置の可変積分手段に抵抗、容量およびスイッチ手段を用いた構成を示すブロック図
【図10】従来のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図
【図11】階段波VCA,参照信号VCTA,給電極性信号PHCA,電流目標値IREFの各信号波形を示す図
【図12】従来の階段波VCAが0Vから切り替わるときの理想と実際のそれぞれの電流目標値波形を示す図
【符号の説明】
【0054】
1 ステッピングモータ
2 回転子
3,3a,3b 巻線
4 PWM基準信号生成部
5 電源
10,10a,10b 参照信号生成部
11 階段波生成部
12 積分手段
20,20a,20b PWM制御部
21 コンパレータ
22 フリップフロップ
23 通電論理部
30,30a,30b ブリッジ整流回路
31〜34 トランジスタ
35〜38 フライホイールダイオード
40,40a,40b 給電電流測定部
41 アンプ
42 検出抵抗
51,65 スイッチ手段
52 スイッチ通電信号発生部
53 MOSトランジスタ
61 可変積分手段
62 積分定数変更信号発生部
63 抵抗
64 容量




 

 


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