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発明の名称 モータ駆動制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28780(P2007−28780A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−206436(P2005−206436)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 土山 吉朗 / 河地 光夫
要約 課題
モータのもつ磁束の空間高調波に基づくトルクリップルをキャンセルする駆動方法を事前に測定することなく実現すること。

解決手段
モータ1への印加電圧と電流、モータのインダクタンスから、瞬時のモータ誘起電圧を算出し、算出した誘起電圧と電流とを用いて瞬時のトルクを算出し、算出したトルクが所望のトルクと一致するように、モータへの印加電圧を調整するようにしたものである。これによって、磁束の空間高調波により、誘起電圧が少なくなっているところでは、トルクが不足している状態となり、トルクを増加すべく、モータ電流を増加すべく、印加電圧を増大させ、トルクが増加するように制御がなされ、発生するトルクが所望の値に近づくようになる。
特許請求の範囲
【請求項1】
モータに印加する交流電圧の瞬時値とモータに流れる交流電流の瞬時値とモータの巻線抵抗とモータ巻線インダクタンスとを用いて、モータが発生している瞬時の誘起電圧を算出し、算出した瞬時の誘起電圧と流れる電流と巻線インダクタンスより、モータが発生している瞬時のトルクを算出し、算出した瞬時のトルクを所望のトルクと一致するように、モータを流れる電流を操作することを特徴とする、モータ駆動制御装置。
【請求項2】
モータの回転速度と所望の回転速度とを比較し、比較結果に基づき、モータの電流指令値を変更し、モータ駆動により得られた電流値と比較し、比較結果に基づき、モータへの印加電圧を調整するモータ駆動制御装置であって、
モータに印加する交流電圧の瞬時値とモータに流れる交流電流の瞬時値とモータの巻線抵抗とモータ巻線インダクタンスとを用いて、モータが発生している瞬時の誘起電圧を算出し、算出した瞬時の誘起電圧と流れる電流と巻線インダクタンスより、モータが発生している瞬時のトルクを算出し、算出した瞬時のトルクを所望のトルクと一致するように、モータへの印加電圧を操作することを特徴とする、モータ駆動制御装置。
【請求項3】
モータの回転速度と所望の回転速度とを比較し、比較結果に基づき、モータの電流指令値を変更し、モータ駆動により得られた電流値と比較し、比較結果に基づき、モータへの印加電圧を調整するモータ駆動制御装置であって、
モータに印加する交流電圧の瞬時値とモータに流れる交流電流の瞬時値とモータの巻線抵抗とモータ巻線インダクタンスとを用いて、モータが発生している瞬時の誘起電圧を算出し、算出した瞬時の誘起電圧と流れる電流と巻線インダクタンスより、モータが発生している瞬時のトルクを算出し、算出した瞬時のトルクを所望のトルクと比較し、比較結果をモータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段に入力し、フィルタ手段の出力で、モータへの印加電圧を操作することを特徴とする、モータ駆動制御装置。
【請求項4】
モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段として、回転周期分の遅延手段をもうけ、遅延手段の出力と入力とを比較し、比較結果を遅延手段の入力に再入力するようにして構成し、遅延手段の出力する位置よりも少し手前の位置に相当する時点での情報をもって、モータへの印加電圧を操作することを特徴とする、請求項3記載のモータ駆動制御装置。
【請求項5】
モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段を経由してモータへの印加電圧を操作する手段までの間もしくは、前記モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段の手前に直流成分を除去する高域通過フィルタを設けたことを特徴とする請求項4記載のモータ駆動制御装置
【請求項6】
モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段の出力情報を速度誤差に基づく指令電流値と乗算し、乗算結果により、モータへの印加電圧を操作することを特徴とする請求項3記載のモータ駆動制御装置。
【請求項7】
モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段を経由してモータへの印加電圧を操作する手段および直流成分を除去する高域通過フィルタ手段が直列に接続され、その出力から得られた値を、モータの電流を入力としたときの必要な電圧を求める関係式に入力し、得られた電圧値を、速度誤差に基づく電流制御により得られたモータへの印加電圧値に加算することを特徴とする、請求項5記載のモータ駆動制御装置。
【請求項8】
モータの回転速度の整数倍の情報のみを通過させるフィルタ手段の出力情報を速度誤差に基づく指令電流値と乗算し、乗算結果を、モータの電流を入力としたときの必要な電圧を
求める関係式に入力し、得られた電圧値を、速度誤差に基づく電流制御により得られたモータへの印加電圧値に加算することを特徴とする、請求項6記載のモータ駆動制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はモータの駆動制御装置に関するものであり、特に、モータから発生するトルクを一定にして、静粛に駆動を実現する駆動制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高効率なモータとして、回転子に永久磁石を埋め込むIPMモータが知られており、さらに、固定子側では、電線をスロットをまたぐことなく巻き付ける集中巻きの構造が知られている。この集中巻きのIPMモータでは、磁束の空間高調波が大きく、モータ効率、トルクリップルなどの課題を発生してしまう。
【0003】
この課題に対して、非特許文献1では、磁束の空間高調波をあらかじめ調べ、空間高調波を含んだ電圧方程式を用いて、空間高調波によるトルクリップルをキャンセルさせるという試みがなされている。
【0004】
また、特許文献1でも、トルクリップル成分をあらかじめ調べて低容量のROMに記憶しておく方法が開示されている。
【非特許文献1】吉本貫太郎,北島康彦 他2名 「IPMSMの高調波電流制御(RM−03−50)」電気学会研究会、2003年7月10日
【特許文献1】特開平11−55986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、磁束の空間高調波について、既知であることが必要であり、駆動するモータによっては、負荷状態により空間高調波の状況が変化し、より詳細に空間高調波を測定する必要があり、トルクリップルをキャンセルすることが汎用的には実現できないという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、モータに印加している電圧と電流、モータのインダクタンスなどのパラメータを用いて、モータの瞬時の誘起電圧を算出し、得られた誘起電圧と電流などから、瞬時のトルクを算出し、瞬時のトルクがリップルを持たないように、モータの電流制御を行うことにより、空間高調波の情報を事前に測定しておくことなしに、トルクリップルの発生を抑えることができる、モータ駆動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動制御装置は、モータへの印加電圧と電流、モータのインダクタンスから、瞬時のモータ誘起電圧を算出し、算出した誘起電圧と電流とを用いて瞬時のトルクを算出し、算出したトルクが所望のトルクと一致するように、モータへの印加電圧を調整するようにしたものである。
【0008】
これによって、磁束の空間高調波により、誘起電圧が少なくなっているところでは、トルクが不足している状態となり、トルクを増加すべく、モータ電流を増加させて、トルクが増加するように制御がなされ、発生するトルクが所望の値に近づくようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のモータ駆動制御装置は、モータの磁束のもつ、空間高調波成分によるトルクリップルを、高調波成分の大きさなどを事前に知ることなく抑制することができ、静粛なモ
ータ駆動を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動制御装置の全体回路構成を示す回路ブロック図を示すものである。
【0012】
図1において、直流電源5に三相ブリッジ回路4を接続し、三相ブリッジ回路4の出力にモータ1を接続する。モータ1の駆動制御は、モータ1への電流を電流検出器6,7で検出し、回転検出器2でモータ1の回転状況を検出し、モータ1への印加電圧の発生精度を向上させるために、直流電源5の電圧を検出し、それらの結果にもとづいて、制御回路3にて三相ブリッジ回路4へ制御信号を与えることにより、モータ1の駆動を実現する。
【0013】
以上のように構成されたモータ駆動制御装置における、制御回路3の動作・作用を説明する。
【0014】
図2は、制御回路3における動作の流れを示すブロック線図である。
図2において、外部から速度指令ω*が入力され、速度検出器2により得られた検出速度ωと比較回路202で比較される。比較結果は速度誤差としてPI補償手段203および、ゲイン調節手段210に送られる。PI補償手段203では、速度が安定するような補償演算を行い、演算結果を加算手段308に送る。加算手段208では、乗算回路209の出力結果とを加算し、その結果を電流指令値I*として比較手段204に送る。比較手段204では、電流指令値と検出した電流とを比較し、その結果をPI補償手段205へと送る。PI補償手段205では、電流が安定するような補償演算を行い、その結果を加算回路206で¥逆モータ特性演算手段207の出力結果とを加算し、電圧値として、図1の三相ブリッジ回路4を駆動して、モータ201に電圧を印加する。モータ201では電圧印加により、電流が流れ、回転トルクを発生し、回転する。ここまでの動作は、一般的な電流制御を内部ループにもつ、速度制御系と同じである。
【0015】
次に、ゲイン調整手段210に送られた速度誤差は、平均トルク指令として、トルク比較手段218に送られる。比較される推定トルクについて説明する。モータ201への瞬時瞬時の印加電圧Vおよび電流Iよりモータ201における瞬時の誘起電圧を算出する。誘起電圧は、印加電圧からモータ201のインピーダンス成分と電流による電圧効果を差し引いた値として算出することができる。ここでインピーダンス成分はモータ201の抵抗およびインダクタンスである。
【0016】
このようにして算出した瞬時の誘起電圧をそのときの回転速度で除算すれば、トルク定数、つまり、電流とトルクとの比例係数になる。したがって、このときに、瞬時の電流を用いることにより、瞬時のトルクを算出することができる。なお、トルク発生として、モータのインダクタンスも利用できるモータである場合には、インダクタンスの値も加味してトルクを算出すればよい。
【0017】
このようにして算出した瞬時のトルクと速度誤差から得られたトルク指令との差を比較手段218にて算出し、瞬時のトルク誤差を得る。得られた瞬時のトルク誤差は、高域通過フィルタ(HPF)213を経由して、加算手段214に送られ、加算手段214の出力を1回転周期遅延させた情報と再加算される。加算手段214の出力はゲイン調整手段216を経て、1回転周期遅延手段215に送られ、再び加算手段214へと循環すると
ともに、δθ進相手段217へ送られる。δθ進相手段217の出力は乗算手段209へと送られ、速度制御系のPI補償手段203の出力と乗算される。乗算結果は、モータ逆特性演算手段207および加算手段208へ送られる。モータ逆特性演算手段207では、モータ201に所定の電流が流れている時の電圧を逆算する。つまり、瞬時トルクを一定にするために必要な電流を発生するための電圧を算出する。モータ逆特性演算手段207の演算結果を加算手段207に送り、電流制御系のPI補償演算手段205の演算結果と加算して、モータ201への印加電圧とする。
【0018】
次に、通常の速度制御、電流制御による方法と瞬時トルク推定による制御方法との協調について説明する。図4(a)は、図2における、加算手段214、ゲイン調節手段216、1回転周期遅延手段215で構成される情報処理系の周波数特性を示したものである。また、同図(a)の点線は図2で手前に配置された高域通過フィルタ213の特性を示すものである。図(a)において、1回転周期の周波数の整数倍以外の成分は、加算されないので、1回転周期の周波数の整数倍のみを通過させる櫛型フィルタ特性を有する。これの手前に高域通過フィルタ213を接続しているので、同図(b)のように、ゼロ倍の情報が遮断され、磁束の高調波成分のみを抽出することができる。
【0019】
このようにして抽出された磁束の高調波成分は、δθ進相手段にて、演算手段などによる情報の遅れを相殺して乗算手段209に送られる。乗算手段を用いるのは、磁束の高調波成分の大きさが、平均磁束の大きさに略比例する特性を利用するもので、平均磁束の大きさは、電流値に対応するので、乗算を行うことにより、略適正な振幅に自動的に変調される。振幅のずれがあっても、瞬時トルク一定制御系もフィードバック制御であるので、その誤差は吸収される。
【0020】
乗算結果を加算手段208により電流指令に加算するとともに、モータとは逆の特性をもつ演算手段を経由して、そのときの電流に対応する電圧を演算して、電圧を直接変調する。モータと逆の特性をもつ演算手段についても、真のモータ特性とのずれが含まれているが、瞬時トルク一定制御系はフィードバック制御であるので、その誤差は吸収される。モータと逆の特性をもつ演算手段を用いる理由は、図1で示したような三相ブリッジ回路の制御は一般にパルス幅変調によるものが用いられており、所望の電流を実現するための印加電圧の変更周期がパルス変調の周期になっており、電流制御の応答が周期により限定されるため、電流制御では実現できない高速応答を実現するためである。一般的に、三相ブリッジ回路での制御周期に対して、制御系の応答時間は、その1桁遅い値になり、モータが高速回転しているときには、電流のフィードバック制御では追従できないからである。
【0021】
以上のように、本実施の形態においては、瞬時トルクを算出して、一定に保つべく、高調波成分のみを抽出して、印加電圧を直接操作することにより、通常の電流制御が追従しえない高速領域までトルクを一定に保つことが可能になり、高効率で静粛な駆動が可能になる。
【0022】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態のモータ駆動制御装置の制御情報の流れを示すブロック線図である。基本構成は、第1の実施の形態と同様であり、同じ要素には同じ番号を付与している。図3では、δθ進相手段217の出力を乗算手段を介することなく、逆モータ特性演算手段207と電流指令値への加算手段308に入力する。使用するトルクの急激な変化がない場合には、徐々に1回転周期遅延手段215に磁束の高調波成分の情報が蓄積されるので、図3のように簡素化することが実用上可能になる。
【0023】
なお、実施の形態1、および2で高域通過フィルタ213を遅延手段の手前に配置した
が、δθ進相手段の手前でも、乗算手段209の手前でも同じ効果が得られることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
以上のように、本発明にかかるモータ駆動制御装置は、事前に磁束ひずみの情報を入力することなく高効率なモータを静粛に駆動することが可能となるので、輸送機器、送風機器、家庭用電気機器などの幅広い用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態におけるモータ駆動制御装置の全体回路ブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるモータ駆動制御装置における制御回路の情報処理を示すブロック線図
【図3】本発明の実施の形態2におけるモータ駆動制御装置における制御回路の情報処理を示すブロック線図
【図4】実施の形態における高調波抽出部分の特性を示した周波数特性図
【符号の説明】
【0026】
1 モータ
2 回転検出器
3 制御回路
211 瞬時の誘起電圧推定手段
212 瞬時のトルク推定手段
213 高域通過フィルタ
215 1回転周期遅延手段
207 モータ逆特性算出手段




 

 


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