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発明の名称 モータ駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−28724(P2007−28724A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−204160(P2005−204160)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 木内 光幸 / 玉江 貞之 / 萩原 久 / 鈴木 将大 / 小島 修一
要約 課題
複数のモータを同時に駆動し、ベクトル制御あるいはセンサレス正弦波駆動する。

解決手段
直流電源2の直流電力を複数のインバータ回路3により交流電力に変換して、電流検出手段5により少なくとも1つのインバータ回路3の出力電流を検し、制御手段6により複数のインバータ回路3のPWM周期を同期させて、複数のインバータ回路3により複数のモータ4を同時に駆動させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換する複数のインバータ回路と、前記複数のインバータ回路の少なくとも1つのインバータ回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記複数のインバータ回路をPWM制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記複数のインバータ回路のPWM周期を同期させ、前記複数のインバータ回路により複数のモータをそれぞれ同時に駆動させるようにしたモータ駆動装置。
【請求項2】
制御手段は、複数のインバータ回路のPWM周期が同一となるようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
制御手段は、複数のインバータ回路のPWM周期の比が整数倍となるようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
【請求項4】
制御手段は、電流検出手段の出力信号をA/D変換するA/D変換手段と、複数のインバータ回路をそれぞれPWM制御する複数のPWM制御手段とからなり、前記A/D変換手段が、PWM周期に同期してA/D変換するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
【請求項5】
複数のPWM制御手段は、それぞれ、キャリヤ信号発生手段と出力電圧設定手段と比較手段とから構成され、前記複数のキャリヤ信号発生手段の周期を同期させてA/D変換するようにした請求項4記載のモータ駆動装置。
【請求項6】
制御手段は、A/D変換手段が、PWM周期に同期して同時あるいは交互に動作させるようにした請求項4記載のモータ駆動装置。
【請求項7】
電流検出手段は、インバータ回路の複数の下アームトランジスタのエミッタ端子にそれぞれ接続された複数のシャント抵抗と、前記複数のシャント抵抗の電流信号をレベルシフトし、あるいはレベルシフトした後増幅する電流信号変換手段とから構成されるようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
【請求項8】
制御手段は、複数のインバータ回路の少なくとも1つのインバータ回路をベクトル制御、またはセンサレス正弦波駆動するようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のインバータ回路により複数のモータを同時に駆動するモータ駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のモータ駆動装置の制御手段は、複数のインバータ回路および複数のモータをそれぞれ別個に制御するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−165476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来方式のモータ制御手段は、複数のインバータ回路のPulseWidthModulation(以下、PWMと略す)周期がそれぞれ独立して制御され、モータ電流検出タイミングが異なるため、インバータ回路のスイッチングノイズによる電流検出誤差が大きくなり、広範囲なベクトル制御、あるいは、電流検出によるロータ位置推定が困難となる課題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電流検出時におけるスイッチングノイズの影響を無くすことにより、電流検出精度を向上させ、さらに、安価なシャント抵抗方式により電流検出が可能となり、広範囲なベクトル制御、あるいは、電流検出によるロータ位置推定を正確に行うことができ、また信頼性を向上させることができるモータ駆動装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、直流電源の直流電力を複数のインバータ回路により交流電力に変換して複数のモータを同時に駆動させ、少なくとも1つのインバータ回路の出力電流を検出する電流検出手段を備え、制御手段により複数のインバータ回路のPWM周期を同期させて複数のモータをPWM制御するようにしたものである。
【0006】
これによって、複数のインバータ回路全てのトランジスタのスイッチングノイズが発生しないオン期間あるいはオフ期間に電流検出できるので、電流検出時におけるスイッチングノイズの影響を無くすことができ、電流検出精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のモータ駆動装置は、複数のインバータ回路全てのトランジスタのスイッチングノイズが発生しないオン期間あるいはオフ期間に電流検出できるので、電流検出時におけるスイッチングノイズの影響を無くすことができ、電流検出精度を向上させることができ、安価で高性能・高効率のモータ駆動装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、直流電源と、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換する複数のインバータ回路と、前記複数のインバータ回路の少なくとも1つのインバータ回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記複数のインバータ回路をPWM制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記複数のインバータ回路のPWM周期を同期させ、前記複数のインバータ回路により複数のモータをそれぞれ同時に駆動させるようにしたモータ駆動装置とすることにより、1つの直流電源と1つのプロセッサにより複数のインバータ回路を同時に駆動してもスイッチングノイズの影響を受けずに電流検出できるので、シャント抵抗方式による安価で高精度の電流検出が可能となり、ベクトル制御や位置センサレス正弦波駆動可能なモータ駆動装置を実現できる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明におけるモータ駆動装置の制御手段は、複数のインバータ回路のPWM周期が同一となるようにしたものであり、同一のPWM周期で複数のインバータ回路を同時に駆動するので、複数のインバータ回路から高周期の電流検出ができ、電流フィードバック制御や座標変換の制御周期を早くして応答速度を高速にできる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明におけるモータ駆動装置の制御手段は、複数のインバータ回路のPWM周期の比が整数倍となるようにしたものであり、複数のインバータ回路の少なくとも1つのインバータ回路のPWM周期を遅くしたり、あるいは早くすることによりスイッチング損失を減らしたり、あるいは、スイッチングによる騒音を減らすことができる。
【0011】
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明におけるモータ駆動装置の制御手段は、電流検出手段の出力信号をA/D変換するA/D変換手段と、複数のインバータ回路をそれぞれPWM制御する複数のPWM制御手段とからなり、前記A/D変換手段が、PWM周期に同期してA/D変換するようにしたものであり、A/D変換手段のA/D変換タイミングをPWM周期と同期させ複数のインバータ回路全てのトランジスタのスイッチングノイズか発生しないオン、あるいはオフ期間に電流検出できるので、スイッチングノイズによる電流検出誤差を無くすことができ、電流検出精度向上、あるいは、シャント抵抗による安価な電流検出手段を実現できる。
【0012】
第5の発明は、第4の発明におけるモータ駆動装置の複数のPWM制御手段は、それぞれ、キャリヤ信号発生手段と出力電圧設定手段と比較手段とから構成され、前記複数のキャリヤ信号発生手段の周期を同期させてA/D変換するようにしたものであり、インバータ回路の下アームトランジスタの導通期間中に電流検出することによりスイッチングノイズの影響が無く、シンプルな電流検出アルゴリズムにより複数のインバータ回路における安価で高精度の電流検出手段を実現できる。
【0013】
第6の発明は、第4の発明におけるモータ駆動装置の制御手段は、A/D変換手段が、PWM周期に同期して同時あるいは交互に動作させるようにしたものであり、インバータ回路の下アームトランジスタの導通期間中にインバータ回路出力電流を同時に、あるいは交互に検出することができるので、スイッチングノイズの影響を無くし、電流検出アルゴリズムが簡単になり、複数のインバータ回路交互に座標変換、あるいはベクトル演算を実行させることによりプロセッサのタスクを減らすことができる。
【0014】
第7の発明は、第1の発明におけるモータ駆動装置の電流検出手段は、インバータ回路の複数の下アームトランジスタのエミッタ端子にそれぞれ接続された複数のシャント抵抗と、前記複数のシャント抵抗の電流信号をレベルシフトし、あるいはレベルシフトした後増幅する電流信号変換手段とから構成されるようにしたものであり、下アームトランジスタの導通期間中に電流検出することができるので、安価で高精度の3シャント方式電流検出手段を実現できる。
【0015】
第8の発明は、第1の発明におけるモータ駆動装置の制御手段は、複数のインバータ回路の少なくとも1つのインバータ回路をベクトル制御、またはセンサレス正弦波駆動するようにしたものであり、1つの制御手段により複数のモータを同時に駆動できるので、安価で部品点数の少ないモータ駆動装置を実現でき、さらに、正弦波駆動によりモータ騒音を減らし、ベクトル制御によりモータ制御性能を向上させることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動装置のブロック図を示すものである。図1において、交流電源1より全波整流回路20と電解コンデンサ21a、21bより構成される直流電源2に交流電力を加えて直流電力に変換し、インバータ回路3A、3Bにより直流電力を3相交流電力に変換してモータ4A、4Bを駆動する。インバータ回路3A、3Bの負電圧端子側には、電流検出手段5A、5Bを接続し、インバータ回路3A、3Bの3相各下アームに流れる電流を検出することによりインバータ回路3A、3Bの出力電流、すなわち、モータ4A、4Bの各相電流を検出する。
【0018】
制御手段6は、インバータ回路3A、3BをPWM制御するPWM制御手段を複数個有するマイクロコンピュータ、あるいは、ディジタルシグナルプロセッサ(略してDSPと称す)等の高速プロセッサにより構成され、第1のインバータ回路3Aと第2のインバータ回路3Bを同時に制御するもので、第1のモータ4Aと第2のモータ4Bをそれぞれ異なる回転数で制御する。
【0019】
第1のインバータ回路3Aは、第1のモータ4Aをベクトル制御するものであり、第1のモータ4Aの位置センサ40aによりロータの永久磁石の位置を検出し、第1の電流検出手段5Aにより第1のモータ4Aの相電流を検出して、ロータ永久磁石のd軸方向と直角のq軸方向のベクトルに座標変換(d−q変換)して、ベクトル制御する。
【0020】
第2のインバータ回路3Bは、第2のモータ4Bを位置センサレス制御するものであり、第2のモータ4Bに正弦波電流を流して電流制御、あるいはモータ印加電圧や仮想のロータ位置に対する電流位相を検出して制御するものである。
【0021】
電流検出手段5Aは、いわゆる3シャント方式と呼ばれるもので、第1のインバータ回路3A、の各下アームトランジスタのエミッタ端子Nua、Nva、Nwaに接続されたシャント抵抗50ua、50va、50waと、シャント抵抗50ua、50va、50waのそれぞれに流れる電流を検知し、制御手段6のプロセッサに内蔵されるA/D変換手段が検出できる正の直流電圧レベルにレベルシフトする、あるいは、レベルシフト増幅するレベルシフト回路51Aより構成され、出力信号Vsaは制御手段6のA/D変換手段の入力端子に接続される。電流検出手段5Bは、電流検出手段5Aと同様の構成であり、説明を省略する。
【0022】
図2は、制御手段6のA/D変換手段60とPWM制御手段61A、61Bのブロック図である。A/D変換手段60は、電流検出手段5A、5Bのアナログ出力信号Vsa、Vsbを選択的に出力するマルチプレクサ60aと、アナログ信号をディジタル信号に高速変換する複数のA/D変換回路60b、60c、60dより構成される。A/D変換開始信号Ctにより第1のインバータ回路3Aの電流検出手段5Aの出力信号Vsua、Vsva、Vswaをマルチプレクサ60aがA/D変換回路60b、60c、60dに選択的に出力し、A/D変換した後、第2のインバータ回路3Bの電流検出手段5Bの出力信号Vsub、Vsvb、Vswbをマルチプレクサ60aがA/D変換回路60b、60c、60dに選択的に出力し、A/D変換することにより、複数のインバータ回路の出力電流を数マイクロ秒で検出できる。なお、図2におけるCsはマルチプレクサ60aの入力選択信号である。
【0023】
第1のPWM制御手段61Aは、第1のインバータ回路3Aを制御するもので、三角波、あるいは鋸歯状波の信号を発生する第1のキャリヤ信号発生手段610Aと、U相PWM回路611ua、V相PWM回路611vaおよびW相PWM回路611waとより構成される。U相PWM回路611uaは、比較手段612ua、出力電圧設定手段613uaおよび相補信号発生手段614uaより構成され、比較手段612uaはキャリヤ信号発生手段610Aの出力信号Caと出力電圧設定手段613uaの出力信号を比較してPWM信号を発生させ、相補信号発生手段614uaにより反転信号とデッドタイム挿入等の波形成形処理を行い、U相上アーム制御信号Gupa、U相下アーム制御信号Gunaを出力する。V相PWM回路611va、W相PWM回路611waもU相PWM回路611uaと同様の動作をするので説明を省略する。
【0024】
第2のPWM制御手段61Bは、第2のインバータ回路3Bを制御するもので、三角波、あるいは鋸歯状波の信号を発生する第2のキャリヤ信号発生手段610Bと、U相PWM回路611ub、V相PWM回路611vb、W相PWM回路611wbより構成される。
【0025】
第2のPWM制御手段61Bも第1のPWM制御手段61Aと同様の動作をするので説明を省略する。
【0026】
第1のPWM制御手段61Aと第2のPWM制御手段61B間の同期をとるには、第1のキャリヤ信号発生手段610Aと第2のキャリヤ信号発生手段610B間で同期をとればよいので、キャリヤ信号発生手段610A、610BのクロックパルスCpを同じにし、タイマカウンタの初期値とオーバーフロー(あるいはアンダーフロー)設定値を同じにすることにより、同一周期で同じ波形となる。例えば、キャリヤ信号発生手段610Bのタイマカウンタ初期値Coをキャリヤ信号発生手段610Aに転送し、キャリヤ信号発生手段610BよりA/D変換開始信号CtをA/D変換手段60に加えることにより、第1のインバータ回路3Aと第2のインバータ回路3BのPWM周期を同じにして、スイッチングノイズの影響無しに電流検出手段5A、5Bにて電流検出できる。
【0027】
図3は、第1の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャートを示している。図3において、各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングが同一のタイミングであり、A/D変換手段60、および、第1のPWM制御手段61Aと第2のPWM制御手段61Bの各部波形を示す。
【0028】
各部波形記号は、図2に示すA/D変換手段60とPWM制御手段61A、61Bのブロック図に示された記号に対応する。キャリヤ信号波形Ca、Cbは三角波を示すが、鋸歯状波でも基本的に同じである。Vaiは出力電圧設定手段613uaの瞬時出力設定信号で、Vbiは出力電圧設定手段613ubの瞬時出力設定信号とする。Vaiが大きくなると上アーム制御信号GpaのPWMデューティが増加し、下アーム制御信号GnaのPWMデューティが減少し、インバータ出力電圧が上昇する。Ctはキャリヤ信号と同期したA/D変換開始信号で、Diaは第1のインバータ回路3Aの出力電流信号をA/D変換するタイミング期間で、Dibは第2のインバータ回路3Bの出力電流信号をA/D変換するタイミング期間であり、下アームトランジスタがオンの時に必ずA/D変換される。Vmは出力電圧限界設定信号で、後ほど詳細に述べるようにA/D変換期間にトランジスタがスイッチングしないように設定するもので、下アーム制御信号Gnbの最小パルス幅を制限する。
【0029】
図3において、A/D変換開始信号Ctは三角波キャリヤ信号Ca、Cbのピークのタイミングで1回しか出力されていないが、実際には、第1のインバータ回路3Aの電流検出手段5Aの出力信号Vsua、Vsva、Vswaをマルチプレクサ60aがA/D変換回路60b、60c、60dに選択的に出力し、1回目のA/D変換開始信号CtによりA/D変換動作し、次に、第2のインバータ回路3Bの電流検出手段5Bの出力信号Vsub、Vsvb、Vswbをマルチプレクサ60aがA/D変換回路60b、60c、60dに選択的に出力し、2回目のA/D変換開始信号CtによりA/D変換を行う。A/D変換回路が図2に示すように2ユニット以上あれば、マルチプレクサ60aと連動してA/D変換動作を連続実行させることにより複数のインバータ回路の出力電流を1キャリヤ内でほぼ同時に検出できる。
【0030】
図4は、第1の実施の形態におけるモータ駆動装置を用いたドラム式洗濯乾燥機の構成を示すブロック図である。
【0031】
図4において、1つの直流電源2Aの出力側に第1のインバータ回路3Aを接続し、メインモータ4Aのモータ電流を第1の電流検出手段5Aにより検出し、位置センサ40aによりメインモータ4Aのロータ位置を検出して制御手段6Aによりメインモータ4Aをベクトル制御することにより、洗濯兼脱水ドラム7を回転駆動する。
【0032】
同様に、直流電源2Aの出力側に第2のインバータ回路3Bを接続し、モータ4Bのモータ電流を第2の電流検出手段5Bにより検出し、第2のインバータ回路3Bと制御手段6Aによりモータ4Bをセンサレス正弦波制御することにより、乾燥ファン8を回転駆動する。
【0033】
さらに、第2のインバータ回路3Bの出力端子側に切換手段9を設け、排水行程において第2のインバータ回路3Bの出力を切換信号Ryにより切換えて、乾燥ファン8に代えて、排水ポンプモータ4Cを駆動するようにしている。日本国内に於いては、排水ポンプよりも風呂水給水ポンプの使用頻度が高いので、排水ポンプの代わりに風呂水給水ポンプを接続して、給水行程にて風呂水ポンプモータを駆動してもよい。
【0034】
また、モータ低騒音化のために、インバータ回路3A、3Bのキャリヤ周波数はそれぞれ15kHz以上の超音波周波数に設定し、図4に示すように、インバータ回路3A、3BのPWM周期を同期させ、キャリヤ交互にそれぞれのモータ電流を検出し、モータ電流検出と3相/2相変換、座標変換、q軸電流、d軸電流検出、逆変換等のベクトル演算をキャリヤ周期交互に実行させて、モータ制御のオーバーヘッドを減らすことで、プロセッサの負担を減らしている。
【0035】
メインモータ4Aの位置センサ40aは、ロータの電気角60度毎の信号、およびq軸(あるいはd軸)信号を出力し、座標変換の基準時間信号として用いている。
【0036】
図5は、本実施の形態におけるセンサレス正弦波駆動方式の制御ベクトル図を示す。
【0037】
モータ4Bの制御方式は、ロータ位置センサを無くして信頼性を向上させ、安価なモータを採用するために無効電流一定方式による位置センサレス正弦波駆動を行うものである。本実施の形態における位置センサレス正弦波駆動方式は、インバータ出力電流をキャリヤ信号毎に検出してインバータ出力電圧Va軸に座標変換し、インバータ出力電圧軸(a軸)と同方向ベクトルの有効電流成分Iaと、直角方向の無効電圧軸(r軸)の無効電流成分Irに分解し、無効電流成分Irが所定値Irsとなるように印加電圧Vaを比例積分制御するもので、回転数一定制御で、駆動周波数と印加電圧の比はほぼ一定となり、V/f制御と同様の動作特性を示す。
【0038】
無効電流一定方式は、負荷トルクが変動しても内部操作角δ(モータ誘起電圧Emと印加電圧Vaの位相)、および、モータ電流Iと印加電圧Vaの電流位相φが自動的に変化がし、周波数一定でモータ駆動可能である。すなわち、トルクが減少すると内部相差角δは小さくなり、電流位相φは90度に近づき、モータ電流Iとq軸との位相γは大きくなるので、トルク変動に対する特別な制御は必要としない。また、有効電流Iaを検出することにより負荷トルクを検出でき、排水ポンプの排水完了検知、あるいは、エア噛み検知が可能となる。
【0039】
以上述べたように、洗濯兼脱水ドラム7を駆動するメインモータ4Aをベクトル制御するので、q軸からの位相制御が容易となり、トルク制御や衣類のアンバランスによるトルク変動検出が容易となる。さらに、ベクトル制御によりd軸電流を増加させるだけで進角制御が容易となり、脱水運転時の進角制御により高速運転が容易となる。また、乾燥ファンモータ4B、あるいは、排水ポンプモータ4Cの駆動は無効電流一定制御によるセンサレス正弦波駆動なので、位置センサ省略による安価なモータを採用できモータ騒音の低減が可能となる。さらに、無効電流一定方式においては、モータ負荷が軽くなると有効電流Iaが減少することより負荷検知が容易となり、排水完了検知や、風呂水ポンプにおいては風呂水給水完了検知が可能となる特長がある。
【0040】
(実施の形態2)
図6は、第2の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート、図7は、同時に駆動するインバータ回路のPWM制御を同期させキャリヤ信号交互に電流検出とベクトル演算を行うフローチャートを示している。図6および図7において、第1のインバータ回路3Aと第2のインバータ回路3Bは、そのPWM周期が同一で、電流検出手段5A、5Bによる電流検出のタイミングを交互に行うものである。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0041】
ここで、図7を用いて、同時に駆動するインバータ回路のPWM制御を同期させキャリヤ信号交互に電流検出とベクトル演算を行うフローを説明する。
【0042】
図7において、三角波のピークにてキャリヤ信号割り込み信号が発生し、ステップ600にてキャリヤ信号割り込みサブルーチンが開始する。ステップ601にて第1のインバータ回路3Aと第2のインバータ回路3Bの制御フラグを判別し、第1のインバータ回路3Aの制御フラグが立っていると、ステップ602に進み、第1のインバータ回路3Aの電流検出とA/D変換を実行し、ステップ603に進んで3相/2相変換とd−q軸変換を行い、d軸電流Id、q軸電流Iqを求める。次にステップ604に進んで、Id、Iqをメモリに格納する。求めたd軸電流Id、q軸電流Iqは、モータ制御のメインフローで使用し、メインフローでq軸電流指令値Iqsとの誤差信号を検出してq軸電圧指令値Vqを演算する。次にステップ605に進んで、メインフローで求めたq軸電圧指令値Vq、d軸電圧指令値Vdを呼び出し、ステップ606で逆変換して第1のインバータ回路3Aの各相電圧Vu、Vv、Vwを求める。次にステップ607に進んでインバータ回路制御フラグを反転させ、次回キャリヤ信号割り込み時には、第2のインバータ回路3Bの電流検出とベクトル演算を設定し、ステップ608に進んで第1のインバータ回路3A、第2のインバータ回路3Bの各相電圧の位相に対応したPWM制御設定電圧を出力電圧設定手段613に設定し、ステップ609に進んでサブルーチンをリターンする。
【0043】
インバータ回路制御フラグがBに設定されていた場合には、ステップ610に進み、インバータ回路Aで説明されたフローとほぼ同様のフローにより第2のインバータ回路3Bを制御する。ファンモータ4Bの制御は前述したように、無効電流一定方式を用いたセンサレス正弦波駆動なので、ステップ610にて第2のインバータ回路3Bの電流検出とA/D変換を実行し、ステップ611に進んで3相/2相変換と、印加電圧軸(a−r軸)への座標変換を行い、有効電流成分Iaと無効電流成分Irを演算し、ステップ612にてIa、Irをメモリする。メインフローでは、無効電流Irと設定値Irsとの誤差信号を検出して印加電圧Vaを比例積分制御する。次に、ステップ613に進んでメインフローで求めた印加電圧設定値Vasを呼び出し、ステップ614で逆変換して3相各相印加電圧を演算し、ステップ607に進んでインバータ制御フラグを反転し、ステップ608に進む。
【0044】
複数のインバータ回路の出力電流を1キャリヤ内で同時に検出したとしても、電流検出後の座標変換等のベクトル演算に時間がかかるので、プロセッサのタスクが増加して1キャリヤ内で複数のインバータ回路のベクトル演算が終了しない可能性が生じる。そこで、上記の本実施の形態2のように、キャリヤ交互に電流検出すれば、A/D変換速度が遅い場合、あるいは、1キャリヤ内における電流検出時間が長くなっても、下アームトランジスタの導通時間幅下限値内で電流検出可能である。また、1キャリヤで1つのインバータ回路の電流検出と座標変換を行うことによりプロセッサのタスクを軽減でき、モータ制御のオーバーヘッドを軽減できる。
【0045】
また、同時に制御するインバータ回路が3ヶ以上に増加しても、1つのキャリヤ周期内で電流検出と座標変換を割り当てることにより、第1の実施の形態の図3に比べて、モータ制御タスクが増加して1キャリヤ内でタスクが終了しない問題が発生しなくなり、PWM制御手段とマルチプレクサの選択数を増加させるだけで、チップサイズ占有面積の大きいA/D変換回路を増加させずに制御インバータ回路数を増加できる特長がある。
【0046】
(実施の形態3)
図8は、第3の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャートを示している。図8において、第1のインバータ回路3Aと第2のインバータ回路3BのPWM周期が同一で、それらのPWM周期を互いに180度ずらした場合の電流検出のタイミングを示している。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
三角波キャリヤ信号のカウントアップとカウントダウン期間を同じにすることにより、180度の位相ずれを容易に実現でき、180度位相ずれのPWM制御が可能となり、第1のインバータ回路3Aの下アームトランジスタが導通時(Gnaがハイ)には、第2のインバータ回路3Bの上アームアームトランジスタが導通(Gpbがハイ)しており、第2のインバータ回路3Bの下アームトランジスタが導通時(Gnbがハイ)には、第1のインバータ回路3Aの上アームアームトランジスタが導通(Gpaがハイ)しており、スイッチングノイズが発生しない期間にて交互に電流検出可能である。
【0048】
図8に示すようにキャリヤ周期をずらすことによりインバータ個別にA/D変換を実行でき、A/D変換時間によるPWM幅最小値を第2の実施の形態の図7に示す方法と同様に小さくでき、また、電流検出周期は第1の実施の形態の図3に示す方法と同様に短くできるので、ベクトル演算のタスクが増加するが、制御速度を早くできる特長がある。
【0049】
(実施の形態4)
図9は、第4の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャートを示している。図9において、第1のインバータ回路3AのPWM周期が、第2のインバータ回路3BのPWM周期の奇数倍であり、A/D変換手段60、および、第1のPWM制御手段61Aと第2のPWM制御手段61Bの各部波形を示す。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0050】
第1のインバータ回路3AのPWM周期は、第2のインバータ回路3Bのちょうど5倍の周期で同期する場合を示している。キャリヤ信号がそれぞれ三角波の場合、三角波の谷を合わせて三角波のピークでA/D変換を同時に行う場合、奇数倍の周期となる。
【0051】
A/D変換動作は、キャリヤ信号Ca1の三角波ピークで同期をとるようにするとスイッチングノイズの影響を受けずに電流検出可能である。
【0052】
(実施の形態5)
図10は、第5の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャートを示している。図10において、第1のインバータ回路3AのPWM周期が、第2のインバータ回路3BのPWM周期の偶数倍であり、キャリヤ信号Ca1とキャリヤ信号Cbの周期比はちょうど4:1となっている。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0053】
偶数倍の場合には、キャリヤ信号のピークと谷で同期をとる必要が生じることがわかる。同期の取り方で奇数、偶数いずれも実現可能である。
【0054】
(実施の形態6)
図11は、第6の実施の形態における各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャートを示している。図11において、第2のインバータ回路3Bのキャリヤ信号を鋸歯状波にしている。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
少なくとも、一方のキャリヤ信号を鋸歯状波にした場合には、キャリヤ信号Ca1とキャリヤ信号Cb1間の同期をとるタイミングは、偶数の場合は鋸歯状波のピークからピークとなり、奇数の場合は、鋸歯状のセンター値からセンター値となる(図示せず)。図示していないが、複数のキャリヤ信号とも鋸歯状波にすると偶数奇数無関係となり同期タイミングは非常に簡単になる。しかし、キャリヤ信号を鋸歯状波にすると出力電流波形の側波帯の影響で高調波が増加し、キャリヤ周波数が低い場合には可聴周波数の騒音が増加するので、図11に示すようにキャリヤ周波数の高い方のキャリヤ信号を超音波の鋸歯状波に設定し、低い方のキャリヤ信号は三角波にすると騒音を減らすことができる。第4の実施の形態の図9あるいは第5の実施の形態の図10に示すように、複数のキャリヤ信号全て三角波にすると最も騒音を減らすことができる。
【0056】
本発明によれば、1つの制御手段により複数のインバータ回路と複数のモータを同時に駆動でき、少なくとも1つのモータをベクトル制御、あるいは、センサレス正弦波駆動できるので、モータ騒音を減らし、位置センサレスを省略することにより信頼性向上と安価なモータ駆動装置を実現できる。
【0057】
(実施の形態7)
図12は、第7の実施の形態におけるA/D変換回路のタイミングチャートを示している。図12において、1つのA/D変換回路は、複数の信号をA/D変換している。他の構成は、第1の実施の形態と同一であり、同一符号を付し、説明を省略する。
【0058】
上アームゲート信号Gpbと下アームゲート信号Gnbともローの期間tdはデッドタイムであり、上下アーム同時導通による短絡防止期間である。キャリヤ信号CbがピークのタイミングでA/D変換開始信号Ctを発生し、時間toより1つのA/D変換回路を用いて、出力信号Vsua、Vsva、VswaをカスケードにDiu、Div、Diwの順にA/D変換することにより、A/D変換回路があたかも3個あるかの如き動作を行わせる。下アーム導通期間最小値は、出力電圧上限設定値Vmにより制限され、A/D変換時間teがtpminよりも小さくなるように高速A/D変換すればスイッチングノイズの影響を受けない。
【0059】
以上のように、本実施の形態1〜7によれば、同時に動作する複数のインバータ回路のPWM周期を同期させ、複数のインバータ回路全てのトランジスタのスイッチングノイズか発生しないオン、あるいはオフ期間に電流検出するものであり、電流検出時におけるスイッチングノイズの影響を無くすことができ、安価なシャント抵抗方式による電流検出が可能となり、同時に駆動する複数のインバータ回路の少なくとも1つをベクトル制御したり、あるいは、位置センサレス正弦波駆動することができる。さらに、複数のインバータ回路を同時にベクトル制御、あるいは、位置センサレス正弦波駆動でき、洗濯乾燥機の洗濯兼脱水槽駆動モータと乾燥ファン駆動モータ、あるいは、空気調和機のヒートポンプ駆動モータと冷却ファン駆動モータを1つのプロセッサにより同時に位置センサレス正弦波駆動することができ、安価で高性能・高効率のモータ駆動装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明にかかるモータ駆動装置は、スイッチングノイズの影響を受けずに安価なシャント抵抗方式により高精度の電流検出が可能となり、安価で高性能のベクトル制御やセンサレス正弦波駆動をすることが可能となるので、洗濯乾燥機に限らず、洗濯機のメインモータと排水ポンプの同時駆動、空気調和機や冷蔵庫のコンプレッサモータと冷却ファンモータの同時駆動、あるいは、複数のファンモータやポンプモータのセンサレス正弦波駆動等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図
【図2】同モータ駆動装置の制御手段のA/D変換手段とPWM制御手段のブロック図
【図3】同モータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図4】同モータ駆動装置を用いたドラム式洗濯乾燥機の構成図
【図5】同モータ駆動装置のセンサレス正弦波駆動方式の制御ベクトル図
【図6】本発明の実施の形態2におけるモータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図7】同モータ駆動装置の同時に駆動するインバータ回路のPWM制御を同期させキャリヤ信号交互に電流検出とベクトル演算を行うフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3におけるモータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図9】本発明の実施の形態4におけるモータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図10】本発明の実施の形態5におけるモータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図11】本発明の実施の形態6におけるモータ駆動装置の各インバータ回路のPWM周期と電流検出タイミングのタイミングチャート
【図12】本発明の実施の形態7におけるモータ駆動装置のA/D変換回路のタイミングチャート
【符号の説明】
【0062】
2 直流電源
3 インバータ回路
4 モータ
5 電流検出手段
6 制御手段




 

 


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