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発明の名称 二次電池の充電制御回路及び電池パック
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14091(P2007−14091A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189969(P2005−189969)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
発明者 佐々木 学
要約 課題
電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電を不要にすることで充電時間の短縮を可能にすると共に、無駄な消費電力を抑制することができるようにする。

解決手段
二次電池16の各電圧セル28,30、32の電圧を検出する電圧検出部34、各電圧セル28,30、32に対し充電電流が供給される充電回路をオンオフする充電制御スイッチ36、各電圧セル28,30、32の電圧が基準値を満たしているか否かを判別する電圧判別部44、及び、電圧判別部44により各電圧セル28,30、32の電圧が基準値を満たしていると判別された場合に充電制御スイッチ36をオンにし、各電圧セル28,30、32のうちの少なくとも1の電圧セルの電圧が基準値を満たしていないと判別された場合に充電制御スイッチ36をオフにするスイッチ制御部48を備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
二次電池の充電を制御する充電制御回路であって、前記二次電池を構成する電池セルの電圧を検出する電圧検出部と、前記電池セルに対し充電電流が供給される充電回路をオンオフする充電制御スイッチと、前記電池セルの電圧が基準値を満たしているか否かを判別する電圧判別部と、この電圧判別部により前記電池セルの電圧が基準値を満たしていると判別された場合に前記充電制御スイッチをオンにし、前記電池セルの電圧が基準値を満たしていないと判別された場合に前記充電制御スイッチをオフにするスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする二次電池の充電制御回路。
【請求項2】
前記二次電池は、複数の電池セルが直列接続されて構成されたものであり、前記電圧検出部は、各電池セルの電圧を検出するものであって、前記電圧判別部は、各電池セルの電圧が基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、各電池セルの電圧が基準値を満たしている場合に前記充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が基準値を満たしていない場合に前記充電制御スイッチ部をオフにするものであることを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電制御回路。
【請求項3】
前記電圧判別部は、前記電池セルの電圧が前記基準値である第1の基準値を満たしているか否かを判別すると共に、当該第1の基準値よりも大きい第2の基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていると判別された場合に前記充電制御スイッチをオンにし、前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていないと判別された場合に前記充電制御スイッチをオフにするものであり、前記電池セルに対し供給される充電電流を調節する電流調節部と、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、第2の基準値を満たしていないと判別された場合に前記電流調節部を制御して所定値の充電電流とし、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第2の基準値を満たしていると判別された場合に前記電流調節部を制御して前記所定値よりも大きい充電電流にする電流制御部とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の二次電池の充電制御回路。
【請求項4】
前記二次電池は、複数の電池セルが直列接続されて構成されたものであり、前記電圧検出部は、各電池セルの電圧を検出するものであって、前記電圧判別部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしているか否かを判別すると共に、各電池セルの電圧が第2の基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしている場合に前記充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていない場合に前記充電制御スイッチをオフにするものであり、前記電流制御部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、第2の基準値を満たしていないと判別された場合に前記電流調節部を制御して所定値の充電電流とし、各電池セルの電圧が第2の基準値を満たしていると判別された場合に前記電流調節部を制御して前記所定値よりも大きい充電電流にするものであることを特徴とする請求項3記載の二次電池の充電制御回路。
【請求項5】
前記第1の基準値は、充電を行うことにより電圧復帰の可能な充電可能状態の下限電圧値に設定されるものであることを特徴とする請求項3又は4記載の二次電池の充電制御回路。
【請求項6】
前記スイッチ制御部は、二次電池を充電するための充電装置から供給される電力により作動するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二次電池の充電制御回路。
【請求項7】
充電装置に接続可能に構成された電池パックであって、負荷装置に対し電力を供給するための二次電池と、請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池の充電制御回路とを一体に備えたことを特徴とする電池パック。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の充電を制御する充電制御回路及び充電制御回路を備えた電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、デジタルカメラ、電動工具、ロボットなどの種々の機器を駆動するための電源として電池パックが汎用されている。この電池パックは、リチウムイオン二次電池などの複数の電池セルが直列接続されて構成された充電可能なものであり、各電池セルの電圧が低くなり過ぎても単に放置期間が長かったことによる充電可能状態にある二次電池については充電を行うことができる。しかしながら、各電池セルの電圧がある特定の電圧を下回った充電不能状態になると、電池セルを構成する電池ケースが溶解して孔が開き漏液に至る場合や、負極板の集電体に用いている銅箔が非水電解液中に銅イオンの形で溶出すると共に、充電により針状結晶の状態で負極板上に析出し、正極板と微小短絡状態に至る場合がある。
【0003】
このような充電不能状態になった二次電池については、充電を行ったとしても微小短絡状態では充電エネルギーを消費してしまうので、十分な充電ができない場合が生じる可能性や電池が短絡状態で充電されると不安全状態に至る可能性もある。
【0004】
このように、二次電池が如何なる状態にあるかにより充電状況が異なるため、充電を行うにあたっては、最初に通常の充電電流よりも低い充電電流でトリクル充電することにより電圧復帰の可能性があるかどうかを確認し、電圧復帰の可能性がある充電可能状態にある場合には急速充電に切り換えて短時間で充電できるようにする一方、電圧復帰の可能性がない充電不能状態にある場合には充電回路を遮断するようにした充電制御回路が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平8−140281号公報
【特許文献2】特開平11−262197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記充電制御回路によれば、充電可能状態にある二次電池については充電を行うことで電圧復帰されるとはいうものの、トリクル充電を行う時間が必要になることから充電時間の短縮化に限界が生じると共に、電圧復帰の可能性のない充電不能状態にあるものについてもトリクル充電を行うことで不要な電力を消費するだけでなく、電池が短絡状態で充電されると不安全状態に至る可能性や、充電装置に大きな負荷を掛けることにもなる場合も生じ得るという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、充電可能状態にある二次電池に対する充電を可能にし、充電不能状態にある二次電池に対する充電を禁止し得るようにしたものであり、充電時間の短縮を可能にすると共に、無駄な消費電力を抑制することと不安全状態を回避できる二次電池の充電制御回路及び電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、二次電池の充電を制御する充電制御回路であって、前記二次電池を構成する電池セルの電圧を検出する電圧検出部と、前記電池セルに対し充電電流が供給される充電回路をオンオフする充電制御スイッチと、前記電池セルの電圧が基準値を満たしているか否かを判別する電圧判別部と、この電圧判別部により前記電池セルの電圧が基準値を満たしていると判別された場合に前記充電制御スイッチをオンにし、前記電池セルの電圧が基準値を満たしていないと判別された場合に前記充電制御スイッチをオフにするスイッチ制御部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記二次電池は、複数の電池セルが直列接続されて構成されたものであり、前記電圧検出部は、各電池セルの電圧を検出するものであって、前記電圧判別部は、各電池セルの電圧が基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、各電池セルの電圧が基準値を満たしている場合に前記充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が基準値を満たしていない場合に前記充電制御スイッチ部をオフにするものであることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記電圧判別部は、前記電池セルの電圧が前記基準値である第1の基準値を満たしているか否かを判別すると共に、当該第1の基準値よりも大きい第2の基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていると判別された場合に前記充電制御スイッチをオンにし、前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていないと判別された場合に前記充電制御スイッチをオフにするものであり、前記電池セルに対し供給される充電電流を調節する電流調節部と、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、第2の基準値を満たしていないと判別された場合に前記電流調節部を制御して所定値の充電電流とし、前記電圧判別部により前記電池セルの電圧が第2の基準値を満たしていると判別された場合に前記電流調節部を制御して前記所定値よりも大きい充電電流にする電流制御部とをさらに備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に係るものにおいて、前記二次電池は、複数の電池セルが直列接続されて構成されたものであり、前記電圧検出部は、各電池セルの電圧を検出するものであって、前記電圧判別部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしているか否かを判別すると共に、各電池セルの電圧が第2の基準値を満たしているか否かを判別するものであり、前記スイッチ制御部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしている場合に前記充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていない場合に前記充電制御スイッチをオフにするものであり、前記電流制御部は、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、第2の基準値を満たしていないと判別された場合に前記電流調節部を制御して所定値の充電電流とし、各電池セルの電圧が第2の基準値を満たしていると判別された場合に前記電流調節部を制御して前記所定値よりも大きい充電電流にするものであることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3又は4に係るものにおいて、前記第1の基準値は、充電を行うことにより電圧復帰の可能な充電可能状態の下限電圧値に設定されるものであることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに係るものにおいて、前記スイッチ制御部は、二次電池を充電するための充電装置から供給される電力により作動するものであることを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、充電装置に接続可能に構成された電池パックであって、負荷装置に対し電力を供給するための二次電池と、請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池の充電制御回路とを一体に備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、電池セルの電圧が基準値を満たしている場合に充電制御スイッチをオンにし、電池セルの電圧が基準値を満たしていない場合に充電制御スイッチをオフにするようにしているので、この基準値を二次電池が充電可能状態にあるか充電不能状態にあるかを判別するための所定値に設定しておくことにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、各電池セルの電圧が基準値を満たしている場合に充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が基準値を満たしていない場合に充電制御スイッチをオフにするようにしているので、この基準値を二次電池が充電可能状態にあるか充電不能状態にあるかを判別するための所定値に設定しておくことにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、電池セルの電圧が第1の基準値を満たしている場合に充電制御スイッチをオンにし、電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていない場合に充電制御スイッチをオフにするようにしているので、この第1の基準値を二次電池が充電可能状態にあるか充電不能状態にあるかを判別するための所定値に設定しておくことにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0017】
また、電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、第1の基準値よりも大きい第2の基準値を満たしていない場合に所定値の充電電流とし、電池セルの電圧が第2の基準値を満たしている場合に第2の基準値を満たしていない場合の所定値よりも大きい充電電流にするようにしているので、電池セルの電圧が低い場合に電池セルに大きな負担を掛けないようにすることができる結果、電池寿命に悪影響を与えないようにすることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしている場合に充電制御スイッチをオンにし、少なくとも1の電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていない場合に充電制御スイッチをオフにするようにしているので、この第1の基準値を二次電池が充電可能状態にあるか充電不能状態にあるかを判別するための所定値に設定しておくことにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0019】
また、各電池セルの電圧が第1の基準値を満たしており、かつ、各電池セルの電圧が第1の基準値よりも大きい第2の基準値を満たしていない場合に所定値の充電電流とし、各電池セルの電圧が第2の基準値を満たしている場合に第2の基準値を満たしていない場合の所定値よりも大きい充電電流にするようにしているので、電池セルの電圧が低い場合に電池セルに大きな負担を掛けないようにすることができる結果、電池寿命に悪影響を与えないようにすることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、第1の基準値が充電を行うことにより電圧復帰の可能な充電可能状態の下限電圧値に設定されるので、電池セルの電圧が第1の基準値を満たしている場合に充電を行い、第1の基準値を満たしていない場合に充電を行わないようにすることにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0021】
また、電池セルの電圧が第1の基準値を満たしていない場合には、電池セルの負極板の集電体に用いている銅箔などの金属が充電により針状結晶の状態で析出して電極板を短絡させる場合があることから、第1の基準値を満たしていない場合に充電を行わないようにすることで安全を確保することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、スイッチ制御部が二次電池を充電するための充電装置から供給される電力により作動するものであるので、二次電池を構成している電池セルの電圧が低くなり過ぎた場合でもスイッチ制御部を確実に機能させることができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、電池セルの電圧が基準値を満たしている場合に充電制御スイッチをオンにし、電池セルの電圧が基準値を満たしていない場合に充電制御スイッチをオフにするようにしているので、この基準値を二次電池が充電可能状態にあるか充電不能状態にあるかを判別するための所定値に設定しておくことにより、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要になる。このため、従来のようなトリクル充電に要する時間が不要となる結果、二次電池に対する充電時間を短縮することが可能になると共に、無駄な電力消費を効果的に抑制することができる電池パックが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る充電制御回路を用いた電池パックの回路構成を説明するための図である。この図において、電池パック10は、携帯電話機、デジタルカメラ、電動工具、ロボットなどの種々の負荷装置を駆動するためのものであり、一対の外部端子12、14と、二次電池16と、一対の外部端子12、14と二次電池16との間に配設された充電制御回路18とから構成されたものである。
【0025】
ここで、一対の外部端子12、14は、二次電池16に対して充電を行う充電装置20の一対の出力端子22、24に接続されるものである。二次電池16は、リチウムイオン二次電池からなる充電可能なものであり、複数(本実施形態では3個)の電池セル28、30、32が直列接続されて構成されたものである。このリチウムイオン二次電池からなる二次電池16は、アルミニウムやアルミニウム合金などの電池ケース内に、正極板と負極板とがセパレータを介して絶縁された状態で扁平状に巻回されてなる極板群が収納され、非水電解液が注入されて構成されたものである。
【0026】
この正極板は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの箔やラス加工もしくはエッチング処理された厚み10〜60μmの正極集電体の片面又は両面に正極ペーストを塗布して乾燥させ、圧延して正極活物質層を形成することにより作製されたものである。また、負極板は、例えば、普通の銅箔やラス加工もしくはエッチング処理された銅箔からなる厚み10〜50μmの負極集電体の片面又は両面に負極ペーストを塗布して乾燥させ、圧延して負極活物質層を形成することにより作製されたものである。
【0027】
充電制御回路18は、二次電池16を構成する各電池セル28、30、32の電圧を検出する電圧検出部34と、各電池セル28、30、32に対し充電電流が供給される充電回路をオンオフするものであり、一方の外部端子12と二次電池16との間に配設された充電制御スイッチ36と、電圧検出部34から出力される検出信号が入力され、この検出信号のレベルに対応して充電制御スイッチ36をオンオフ制御する充電制御部38とを備えている。
【0028】
ここで、電圧検出部34は、第1の電圧検出部40と第2の電圧検出部42とを備えている。第1の電圧検出部40は、二次電池16が電圧復帰の可能性のある充電可能状態(過放電状態)にあるか、電圧復帰の可能性のない充電不能状態(深放電状態)にあるかを検出するためのもので、各電池セル28、30、32の電圧を分圧する分圧抵抗回路と、この分圧抵抗回路により得た各電池セル28、30、32の分圧電圧を基準値と比較し、その比較結果をハイ信号又はロー信号である検出信号として出力するコンパレータとから構成されたものである。このコンパレータは、充電装置20から供給される電力により駆動される。
【0029】
すなわち、本発明は、電圧復帰の可能性のある充電可能状態にある二次電池16と、電圧復帰の可能性のない充電不能状態にある二次電池16とでは、各電池セル28、30、32の電圧値に差異があることを実験的に見出したことに基づくものであり、この臨界的な電圧値を満たしているか否かで充電可能状態にある二次電池16であるか、充電不能状態にある二次電池16であるかを検出しようとするものである。
【0030】
このため、電圧復帰の可能性のある充電可能状態にある二次電池16と電圧復帰の可能性のない充電不能状態にある二次電池16とを判別し得る各電池セル28、30、32の臨界値としての電圧値Vrを実験的に求めておき、この臨界値としての電圧値Vrを各電池セル28、30、32の電圧値と比較するための基準値(臨界基準値)Vrとして設定したものである。
【0031】
この基準値Vrは、本実施形態では0.5〜1.3V(Vr=0.5〜1.3V)としているが、電池セルの特性ばらつきなどを考慮すると、0.6〜1.3V(Vr=0.6〜1.3V)とすることがより高い安全性を確保する上で好ましい。このように基準値Vrに幅を持たせているのは、電池パックが用いられる機器の用途などにより同じ二次電池であっても基準値を異ならせる必要があることが実験的に確認されていることによるものであり、このため機器の用途などに応じて上記範囲内の所定値が選択されて設定されることになる。なお、コンパレータに入力される基準値としては、上記基準値Vrから分圧抵抗回路による分圧比に対応して求めた値に設定される。
【0032】
また、第2の電圧検出部42は、二次電池16が充電装置20から充電電流が供給されることで満充電になったか否かを検出するためのもので、第1の電圧検出部40と同様に、各電池セル28、30、32の電圧を分圧する分圧抵抗回路と、この分圧抵抗回路により得た各電池セル28、30、32の分圧電圧を基準値と比較し、その比較結果をハイ信号又はロー信号である検出信号として出力するコンパレータとから構成されたものである。このコンパレータは、充電装置20から供給される電力により駆動される。
【0033】
すなわち、この第2の電圧検出部42は、各電池セル28、30、32の電圧値Vcを満充電か否かを判別するための基準値(満充電基準値)Vfと比較し、その比較結果を検出信号として出力するものである。なお、コンパレータに入力される基準値としては、上記基準値Vfから分圧抵抗回路による分圧比に対応して求めた値に設定される。
【0034】
充電制御スイッチ36は、例えば、電界効果型トランジスタにより構成されたものであり、充電制御部38によりオンにされることで充電装置20から二次電池16に対して充電電流を供給して充電を行い、充電制御部38によりオフにされることで二次電池16に対する充電電流の供給を遮断して充電を禁止するものである。
【0035】
充電制御部38は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、制御処理プログラムやデータなどを記憶するROM(Read-Only Memory)、及び、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータなどで構成されたものであり、充電装置20から供給される電力により駆動されるものである。
【0036】
充電制御部38には、電圧判別部44、満充電判別部46及びスイッチ制御部48としての機能実現部を備えている。この電圧判別部44は、第1の電圧検出部40から出力される検出信号がハイ信号であるかロー信号であるかを判別するものである。すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしているか否かを判別するものである。
【0037】
満充電判別部46は、第2の電圧検出部42から出力される検出信号がハイ信号であるかロー信号であるかを判別するものである。すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vfに達したか否かを判別するものである。
【0038】
スイッチ制御部48は、充電制御スイッチ36をオンオフ制御するものであり、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合(Vc≧Vr)に制御信号により充電制御スイッチ36をオンにし、電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルの電圧値Vcが基準値Vrを満たしていない場合(Vc<Vr)に制御信号により充電制御スイッチ36をオフにするものである。
【0039】
すなわち、充電制御スイッチ36が電界効果型トランジスタで構成される場合では、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合にゲートにハイ信号を供給して電界効果型トランジスタをオンにし、電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルの電圧値Vcが基準値Vrを満たしていない場合にゲートにロー信号を供給して電界効果型トランジスタをオフにする。
【0040】
また、このスイッチ制御部48は、充電装置20により二次電池16に対して充電が行われることで満充電となり、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vfに達した場合(Vc=Vf)に制御信号により充電制御スイッチ36をオフにする。すなわち、充電制御スイッチ36が電界効果型トランジスタで構成される場合では、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vfに達した場合にゲートにロー信号を供給して電界効果型トランジスタをオフにし、二次電池16に対する充電電流の供給を中止する。
【0041】
図2は、上記のように構成された電池パック10を充電装置20に接続した場合の充電制御回路18の制御動作を説明するためのフローチャートである。まず、第1の電圧検出部40により各電池セル28、30、32の電圧が検出され、この検出信号が充電制御部38に供給される(ステップS1)。この電圧検出部34における検出信号は、監視情報として常に充電制御部38に供給される。
【0042】
次いで、第1の電圧検出部40から出力される各電池セル28、30、32に対する検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしているか否かが電圧判別部44により判別される(ステップS3)。
【0043】
このステップS3での判別が肯定されると(各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合)、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオンにされ、充電装置20から二次電池16に充電電流が供給されて二次電池16に対する充電が実行される(ステップS5)。このように、本発明では、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合に充電が実行されることになることから、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電に要する時間が不要となり、二次電池16に対する充電時間を効果的に短縮することができる。このステップS5においては、急速充電を行うことができる。
【0044】
次いで、第2の電圧検出部42からの検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、所定時間が経過することで二次電池16が満充電になったか否かが満充電判別部46により判別される(ステップS7)。このステップS7での判別が肯定されると、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオフにされることで充電回路が遮断される(ステップS9)。なお、ステップS7での判別が否定されると、ステップS5に移行して充電動作が継続される。
【0045】
一方、ステップS3での判別が否定されると(各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルであっても電圧値Vcが基準値Vrを満たしていない場合)、ステップS9に移行する。すなわち、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオフにされることで充電回路が遮断される。このように、各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルの電圧値Vcが基準値Vrを満たしていない場合は充電が開始されないことから、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要となって無駄な消費電力を抑制することができる。
【0046】
また、電池セル28、30、32の電圧が基準値Vrを満たしていない場合、電池セル28、30、32の負極板の集電体に用いている銅箔などの金属が非水電解液中にイオンの形で溶出し、充電により針状結晶の状態で析出して電極板を短絡させる場合があるため、基準値Vrを満たしていない場合に充電を行わないようにすることで安全を確保することができる。また、電池セル28、30、32の電極板が短絡している場合のように充電装置20に大きな負荷を掛けることがないので、充電装置20の小型化を図ることも可能になる。
【0047】
なお、各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルであっても電圧値Vcが基準値Vrを満たしていない場合に充電制御スイッチ36をオフにして充電回路を遮断するのは、1つの電池セルであっても電極板上に金属が針状結晶の状態で析出していると、充電電流が流れた場合にその電池セルが破壊に至るなどの危険を伴う虞があるからである。
【0048】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る充電制御回路を用いた電池パックの回路構成を説明するための図である。この第2の実施形態に係る充電制御回路18を用いた電池パック10は、第1の実施形態に係る充電制御回路18を用いた電池パック10と基本的には同一の構成要素からなるものであるため、同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付与することにより詳細な説明を省略し、以下には第1の実施形態に係る充電制御回路18を用いた電池パック10との相違点を中心に説明する。
【0049】
この第2の実施形態に係る充電制御回路18を用いた電池パック10は、電圧検出部34の第1の電圧検出部40の構成、充電制御部38の電圧判別部44の構成、及び、充電制御部38のスイッチ制御部48の構成が第1の実施形態に係る充電制御回路18を用いた電池パック10のものと相違すると共に、充電回路に介挿された電流調整部50を備え、充電制御部38に電流調整部50の動作を制御する電流制御部52としての機能を備えた点で相違している。
【0050】
すなわち、第2の実施形態における第1の電圧検出部40は、基準値として第1の基準値Vr1と第1の基準値よりも所定値だけ高い第2の基準値Vr2とを設定しておき、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしているか否かにより二次電池16が電圧復帰の可能性のある充電可能状態(過放電状態)にあるか、電圧復帰の可能性のない充電不能状態(深放電状態)にあるかを検出すると共に、電圧復帰の可能性のある充電可能状態にある場合に各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしているか否かにより急速充電を行う急速充電可能状態にあるか、緩速充電を行う方が好ましい充電許容状態にあるかを検出するようにしたものである。
【0051】
このため、第2の実施形態における第1の電圧検出部40は、各電池セル28、30、32の電圧を分圧する分圧抵抗回路と、この分圧抵抗回路により得た各電池セル28、30、32の分圧電圧を第1の基準値と比較し、その比較結果をハイ信号又はロー信号である検出信号として出力する第1のコンパレータと、分圧抵抗回路により得た各電池セル28、30、32の分圧電圧を第2の基準値と比較し、その比較結果をハイ信号又はロー信号である検出信号として出力する第2のコンパレータとから構成されたものである。これらのコンパレータは、充電装置20から供給される電力により駆動される。
【0052】
すなわち、この第2の実施形態の発明は、第1の実施形態における場合と同様に、電圧復帰の可能性のある充電可能状態にある二次電池16と電圧復帰の可能性のない充電不能状態にある二次電池16とを判別し得る各電池セル28、30、32の臨界値としての電圧値Vr1を実験的に求めておき、この臨界値としての電圧値Vr1を各電池セル28、30、32の電圧値と比較するための第1の基準値(第1の臨界基準値)Vr1として設定したものである。
【0053】
また、充電可能状態にある二次電池16であっても、急速充電を行うことが可能な急速充電可能状態にある二次電池16と、緩速充電を行う方が好ましい充電許容状態にある二次電池16とが存在することから、これらの状態を判別し得る各電池セル28、30、32の臨界値としての電圧値Vr2を実験的に求めておき、この臨界値としての電圧値Vr2を各電池セル28、30、32の電圧値と比較するための第2の基準値(第2の臨界基準値)Vr2として設定したものである。
【0054】
本実施形態では、第1の基準値Vr1を0.5〜1.3V(Vr1=0.5〜1.3V)とし、第2の基準値Vr2を2.0〜3.0V(Vr2=2.0〜3.0V)としている。すなわち、図4に示すように、電池セル28、30、32の電圧値Vcが0.5〜1.3V未満の範囲(Vc<0.5〜1.3V)を充電不許可範囲とし、電池セル28、30、32の電圧値Vcが0.5〜1.3Vを満たし、かつ、2.0〜3.0Vを満たしていない範囲(0.5〜1.3V≦Vc<2.0〜3.0V)を緩速充電許可範囲とし、電池セル28、30、32の電圧値Vcが2.0〜3.0Vを満たしている範囲(Vc≧2.0〜3.0V)を急速充電許可範囲としている。
【0055】
なお、電池セルの特性ばらつきなどを考慮すると、0.6〜1.3V未満の範囲を充電不許可範囲として設定することがより高い安全性を確保する上で好ましい。このように、第1の基準値Vr1及び第2の基準値Vr2にそれぞれ幅を持たせているのは、電池パックが用いられる機器の用途などにより同じ二次電池であっても第1の基準値Vr1及び第2の基準値Vr2基準値をそれぞれ異ならせる必要があることが実験的に確認されていることによるものであり、このため機器の用途などに応じて上記範囲内の所定値が選択されて設定されることになる。また、各コンパレータに入力される基準値としては、これら第1の基準値Vr1及び第2の基準値Vr2から分圧抵抗回路による分圧比に対応して求めた値に設定される。
【0056】
また、第2の実施形態における電圧判別部44は、第1の電圧判別部44a及び第2の電圧判別部44bとを備えている。この第1の電圧判別部44aは、第1の電圧検出部40の第1のコンパレータから出力される検出信号がハイ信号であるかロー信号であるかを判別するものである。すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしているか否かを判別するものである。第2の電圧判別部44bは、第1の電圧検出部40の第2のコンパレータから出力される検出信号がハイ信号であるかロー信号であるかを判別するものである。すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしているか否かを判別するものである。
【0057】
また、第2の実施形態におけるスイッチ制御部48は、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしている場合(Vc≧Vr1)に制御信号により充電制御スイッチ36をオンにし、電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルであっても電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしていない場合(Vc<Vr1)に制御信号により充電制御スイッチ36をオフにするものである。
【0058】
また、第2の実施形態における電流調整部50は、二次電池16に対する充電電流を調整するものであり、例えば、充電回路に介挿された抵抗素子と、この抵抗素子を短絡するスイッチ素子とで構成されたものである。すなわち、充電回路に抵抗素子が介挿された状態では抵抗素子が介挿されていない場合よりも小さい所定値の充電電流に設定されると共に、スイッチ素子により抵抗素子が短絡された状態では抵抗素子が介挿された場合の所定値よりも大きい充電電流に設定される。
【0059】
また、第2の実施形態における電流制御部52は、電流調整部50の動作を制御するものである。すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしており、かつ、第2の基準値Vr2を満たしていない場合に小さい所定値の充電電流に設定することで二次電池16に対し緩速充電を行わせると共に、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしている場合に第2の基準値Vr2を満たしていない場合の所定値よりも大きい充電電流に設定することで二次電池16に対し急速充電を行わせるものである。
【0060】
図5は、上記のように構成された第2の実施形態における充電制御回路18を用いた電池パック10を充電装置20に接続した場合の充電制御回路18の制御動作を説明するためのフローチャートである。まず、電圧検出部34の第1の電圧検出部40により各電池セル28、30、32の電圧が検出され、この検出信号が充電制御部38に供給される(ステップS21)。この電圧検出部34における検出信号は、監視情報として常に充電制御部38に供給される。
【0061】
次いで、第1の電圧検出部40を構成する第1のコンパレータから出力される各電池セル28、30、32に対する検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしているか否かが第1の電圧判別部44aにより判別される(ステップS23)。
【0062】
このステップS23での判別が肯定されると(各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしている場合)、第1の電圧検出部40を構成する第2のコンパレータから出力される各電池セル28、30、32に対する検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしているか否かが第2の電圧判別部44bにより判別される(ステップS25)。
【0063】
このステップS25での判別が否定されると(各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしていない場合)、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオンにされると共に、電流制御部52の制御信号により電流調整部50が作動されて各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしている場合よりも小さい充電電流が供給されて二次電池16に対する充電(緩速充電)が実行される(ステップS27)。
【0064】
このように、本発明では、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしている場合に充電が実行されることになることから、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電に要する時間が不要となり、二次電池16に対する充電時間を効果的に短縮することができる。また、小さい充電電流で充電が行われることで電池セルに対し大きな負担を掛けることがなくなる結果、電池セルに対し悪影響を及ぼすことがない。
【0065】
次いで、第1の電圧検出部40を構成する第2のコンパレータから出力される各電池セル28、30、32に対する検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしているか否かが第2の電圧判別部44bにより判別される(ステップS29)。
【0066】
このステップS29での判別が肯定されると、電流制御部52の制御信号により電流調整部50が作動されて各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしていない場合よりも大きい充電電流が供給されて二次電池16に対する充電(急速充電)が実行される(ステップS31)。
【0067】
次いで、第2の電圧検出部42からの検出信号がハイ信号であるか否か、すなわち、所定時間が経過することで二次電池16が満充電になったか否かが満充電判別部46により判別される(ステップS33)。このステップS33での判別が肯定されると、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオフにされることで充電回路が遮断される(ステップS35)。
【0068】
一方、ステップS23での判別が否定されると(各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルであっても電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしていない場合)、ステップS35に移行する。すなわち、スイッチ制御部48の制御信号により充電制御スイッチ36がオフにされることで充電回路が遮断される。このように、各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルであっても電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしていない場合は充電が開始されないことから、従来のような電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電が不要となって無駄な消費電力を抑制することができる。
【0069】
また、電池セル28、30、32の電圧が第1の基準値Vr1を満たしていない場合、電池セル28、30、32の負極板の集電体に用いている銅箔などの金属が非水電解液中にイオンの形で溶出し、充電により針状結晶の状態で析出して電極板を短絡させる場合があるため、第1の基準値Vr1を満たしていない場合に充電を行わないようにすることで安全を確保することができる。また、電池セル28、30、32の電極板が短絡している場合のように充電装置20に大きな負荷を掛けることがないので、充電装置20の小型化を図ることも可能になる。
【0070】
なお、各電池セル28、30、32のうちの少なくとも1の電池セルの電圧値Vcが第1の基準値Vr1を満たしていない場合に充電制御スイッチ36をオフにして充電回路を遮断するのは、1つの電池セルであっても電極板上に金属が針状結晶の状態で析出していると、充電電流が流れた場合にその電池セルが破壊に至るなどの危険を伴う虞があるからである。
【0071】
また、ステップS25での判別が肯定されると(各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしている場合)、ステップS31に移行して以降の各ステップが実行される。また、ステップS29での判別が否定されると(各電池セル28、30、32の電圧値Vcが第2の基準値Vr2を満たしていない場合)、ステップS27に移行して小さい充電電流での充電(緩速充電)が継続される。また、ステップS33での判別が否定されると、ステップS31に移行して大きい充電電流での充電(急速充電)が継続される。
【0072】
本発明に係る充電制御回路18及び充電制御回路18を用いた電池パック10は、上記第1の実施形態又は第2の実施形態のように構成されているので、二次電池16を充電する場合でも電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電を不要にすることで充電時間の短縮を可能にすると共に、無駄な消費電力を抑制することができる。なお、本発明に係る充電制御回路18及び充電制御回路18を用いた電池パック10は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0073】
(1)上記第1、第2の実施形態では、二次電池16は、リチウムイオン二次電池からなるものであるが、これに限るものではない。例えば、二次電池16は、リチウムポリマー二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池などからなるものであってもよい。
【0074】
(2)上記第1、第2の実施形態では、二次電池16は複数の電池セル28、30、32が直列接続されて構成されたものであるが、これに限るものではない。例えば、1つの電池セルのみで構成されたものであってもよい。また、二次電池16が1つの電池セルから構成される場合及び複数の電池セルが直列接続されて構成される場合のいずれの場合であっても、複数の電池セルが並列接続されて1つの電池セルを構成していてもよい。
【0075】
(3)上記第1、第2の実施形態では、電圧検出部34(第1の電圧検出部40及び第2の電圧検出部42)は、各電池セル28、30、32の電圧を検出するようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、各電池セル28、30、32が直列接続されて構成された二次電池16の両端電圧を検出するようにしてもよい。この場合、各基準値Vr、Vr1、Vr2、Vfは、それに対応したものとして設定すればよい。
【0076】
(4)上記第1の実施形態では、充電開始時に各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合、充電制御スイッチ36がオンにされることで充電装置20から二次電池16に充電電流が供給されて二次電池16に対し急速充電が行われるが、これに限るものではない。例えば、充電開始時に各電池セル28、30、32の電圧値Vcが基準値Vrを満たしている場合でも、満充電になるまで大きな充電電流を流さないようにして緩速充電を行うようにしてもよい。
【0077】
(5)上記第1、第2の実施形態では、充電を行うことで二次電池16が満充電になった場合、充電制御スイッチ36をオフにして充電回路を遮断するようにしているが、これに限るものではない。例えば、充電装置20に液晶表示部などの適宜の表示部を設けておき、二次電池16が満充電になった場合でも充電回路を遮断しないで、満充電になった旨のメッセージを表示部に表示させるようにしてもよい。また、充電回路を遮断することに加え、満充電になった旨のメッセージを表示部に表示することも可能である。なお、満充電になった後に定電圧充電を行うことも可能である。
【0078】
(6)上記第1、第2の実施形態では、電池パック10は、充電制御回路18のみを一体に備えたものであるが、これに限るものではない。例えば、充電制御回路18に加え、二次電池16を過充電や深放電などから保護する保護回路などを一体に備えていてもよい。
【0079】
(7)上記第1、第2の実施形態では、電圧検出部34(第1の電圧検出部40及び第2の電圧検出部42)を分圧抵抗回路とコンパレータとから構成されたものとして説明しているが、これに限るものではない。例えば、電圧検出部34(第1の電圧検出部40及び第2の電圧検出部42)を分圧抵抗回路のみで構成し、コンパレータとしての機能を充電制御部38に持たせるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る充電制御回路18及び充電制御回路18を用いた電池パック10は、二次電池16を充電する場合に電圧復帰の可能性があるか否かを確認するためのトリクル充電を行わないので、充電時間を短縮することができて充電制御回路18あるいは充電制御回路18を用いた電池パック10を構成する上で有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る充電制御回路を用いた電池パックの回路構成を示す図である。
【図2】図1に示す電池パックにおける充電制御回路の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る充電制御回路を用いた電池パックの回路構成を示す図である。
【図4】図3に示す電池パックにおける充電不許可範囲、緩速充電許可範囲及び急速充電許可範囲の各充電範囲を示す図である。
【図5】図3に示す電池パックにおける充電制御回路の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
10 電池パック
16 二次電池
18 充電制御回路
20 充電装置
28、30、32 電池セル
34 電圧検出部
36 充電制御スイッチ
38 充電制御部
40 第1の電圧検出部
42 第2の電圧検出部
44 電圧判別部
46 満充電判別部
48 スイッチ制御部
50 電流調整部
52 電流制御部




 

 


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