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プラズマディスプレイパネルの隔壁用ペースト組成物、グリーンシート、及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル - エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
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発明の名称 プラズマディスプレイパネルの隔壁用ペースト組成物、グリーンシート、及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−184225(P2007−184225A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−174053(P2006−174053)
出願日 平成18年6月23日(2006.6.23)
代理人 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
発明者 崔 雄
要約 課題
環境及び人体への影響が少なく、製造コストを節減することができる、隔壁用ペースト組成物、グリーンシート及びそれを用いた隔壁を含むプラズマディスプレイパネルを提供する。

解決手段
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの隔壁用ペースト組成物は、鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成されることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成されることを特徴とする隔壁用ペースト組成物。
【請求項2】
消泡剤0〜2wt%及びレベリング剤0〜2wt%をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の隔壁用ペースト組成物。
【請求項3】
前記充填剤は、ZnO、Al及びTiOよりなる群から選択される一つ以上の物質であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の隔壁用ペースト組成物。
【請求項4】
前記結合剤は、セルロース系、ビニル系、メタアクリル系及びアクリル系よりなる群から選択される一つ以上の物質であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の隔壁用ペースト組成物。
【請求項5】
前記可塑剤は、フタレート系、グリコール系及びアゼレート系よりなる群から選択される一つ以上の物質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の隔壁用ペースト組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載された隔壁用ペースト組成物からなる隔壁を含んで構成されたプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
ベースフィルムと、
鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成された第1ペースト組成物を使用して前記ベースフィルム上に形成された第1膜形成材料層と、
鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成され且つ前記第1ペースト組成物とはエッチング比率が異なる第2ペースト組成物を使用して前記第1膜形成材料層上に形成された第2膜形成材料層と、
を含んで構成されることを特徴とする隔壁用グリーンシート。
【請求項8】
前記第2膜形成材料層上の保護フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の隔壁用グリーンシート。
【請求項9】
前記第1、第2膜形成材料層は、消泡剤0〜2wt%及びレベリング剤0〜2wt%をさらに含むことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の隔壁用グリーンシート。
【請求項10】
前記充填剤は、ZnO、Al及びTiOよりなる群から選択される一つ以上の物質であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の隔壁用グリーンシート。
【請求項11】
ベースフィルムと、
該ベースフィルム上に形成され、鉛フリーガラス粉末40〜70wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜40wt%、可塑剤1〜10wt%及び分散剤0.1〜5wt%を含んで構成された第1膜形成材料層と、
該第1膜形成材料層上に形成され、鉛フリーガラス粉末40〜70wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜40wt%、可塑剤1〜10wt%及び分散剤0.1〜5wt%を含んで構成された第2膜形成材料層と、
を含んで構成され、前記第1膜形成材料層と前記第2膜形成材料層とでエッチング比率が異なることを特徴とする隔壁用グリーンシート。
【請求項12】
前記第2膜形成材料層上の保護フィルムをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の隔壁用グリーンシート。
【請求項13】
前記第1、第2膜形成材料層は、消泡剤0〜2wt%、レベリング剤0〜2wt%及び溶媒0〜1wt%をさらに含むことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の隔壁用グリーンシート。
【請求項14】
a)互いに対向配置された背面基板及び前面基板と、
b)前記背面基板に設けられたアドレス電極及び前記前面基板に設けられた放電維持電極と、
c)前記背面基板と前記前面基板との間に配置され、多数の放電セルを区画する隔壁と、
d)前記隔壁で区画された放電セル内に形成された蛍光体層と、
を含んで構成され、前記隔壁は、鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成されたペースト組成物を使用して形成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記ペースト組成物は、消泡剤0〜2wt%及びレベリング剤0〜2wt%をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記充填剤は、ZnO、Al及びTiOよりなる群から選択される一つ以上の物質を含む請求項14又は請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマディスプレイパネルに関する。さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネルに用いられる隔壁用ペースト組成物及びグリーンシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;以下、当欄で‘PDP’という)は、プラズマ放電による発光現象を利用して映像や情報を表示するフラットパネルディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分けられる。PDPは、隔壁で分離された放電セル内部にプラズマ放電を発生させ、このときに各放電セル内に注入されているHe、Xeなどのガスの放電によって発生する紫外線で蛍光体を励起し、基底状態に戻るときのエネルギーの差によって発生する可視光線の発光現象を用いたディスプレイデバイスである。
【0003】
PDPは、単純構造による製作の容易性、高輝度及び高発光効率の優秀性、メモリ機能及び160度以上の広視野角を持つ点と共に、40インチ型以上の大画面を具現することができる長所がある。以下、このようなPDPの構造を概略的に説明する。
【0004】
PDPは、対向配置された前面基板及び背面基板と、その間の隔壁とを含み、これら前面基板、背面基板及び隔壁によってセルが区画されて形成される。前面基板には透明電極が形成され、該透明電極上に、透明電極の抵抗を減少するためのバス電極が形成される。背面基板にはアドレス電極が形成される。
【0005】
隔壁によって区画されたセル内には、蛍光物質が塗布される。また、前面基板には透明電極及びバス電極を覆うように誘電体層が形成され、背面基板にもアドレス電極を覆うように誘電体層が形成される。前面基板の誘電体層上には酸化マグネシウムからなる保護層が形成される。
【0006】
隔壁は、前面基板と背面基板との間の放電距離を維持すると共に、隣接したセル間の電気的、光学的クロストーク(crosstalk)を防止する役割を果たす。このような隔壁の形成は、PDPの製造工程において、表示品質と効率のための最も重要な段階であり、パネルが大型化するにつれて隔壁形成技術に対する様々な研究が行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、隔壁形成に用いられる材料には、酸化鉛を50wt%以上使用するガラス粉末と有機物とを混合したペーストが使われている。しかし、酸化鉛は人体及び環境に有害な物質として知られており、ガラス粉末生産及び使用において追加環境設備が必要になり、工程効率が落ち、製造原価の増加を招く。また、酸化鉛の含量が多くなると、隔壁の焼成工程時に粘性流動が激しくなり、焼成後に気泡が多くなるという改善点がある。
【0008】
本発明は、これを解決するためのものであり、本発明の目的は、鉛フリーガラス原料を用いたプラズマディスプレイパネル用親環境の隔壁用ペースト組成物、グリーンシートを提供し、そして、これを用いた隔壁を含むプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る隔壁用ペースト組成物は、鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る隔壁用グリーンシートは、ベースフィルムと、鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成された第1ペースト組成物を使用してベースフィルム上に形成された第1膜形成材料層と、鉛フリー系ガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成され且つ第1ペースト組成物とはエッチング比率が異なる第2ペースト組成物を使用して第1膜形成材料層上に形成された第2膜形成材料層と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
あるいは、本発明に係る隔壁用グリーンシートは、ベースフィルムと、該ベースフィルム上に形成され、鉛フリーガラス粉末40〜70wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜40wt%、可塑剤1〜10wt%及び分散剤0.1〜5wt%を含んで構成された第1膜形成材料層と、該第1膜形成材料層上に形成され、鉛フリー系ガラス粉末40〜70wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜40wt%、可塑剤1〜10wt%及び分散剤0.1〜5wt%を含んで構成された第2膜形成材料層と、を含んで構成され、その第2膜形成材料層と第1膜形成材料層とでエッチング比率が異なること特徴とする。
【0012】
そして、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、互いに対向配置された背面基板及び前面基板と、背面基板に設けられたアドレス電極及び前面基板に設けられた放電維持電極と、背面基板と前面基板との間に配設されて多数の放電セルを区画する隔壁と、この隔壁で区画された放電セル内に形成される蛍光体層(赤、緑、青色等)と、を含んで構成され、その隔壁が、鉛フリーガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒15〜35wt%を含んで構成されたペースト組成物を使用して形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る隔壁用ペースト組成物、グリーンシート及びこれを用いたプラズマディスプレイパネルは、酸化鉛(PbO)を含まない鉛フリーガラス粉末を使用しているので、従来品に比べて環境への影響が少なく、コスト低減、工程効率向上などの長所をもつ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明に係る隔壁用ペースト組成物、グリーンシート及びそれを含むプラズマディスプレイパネルの好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを図示した断面図である。図1を参照すれば、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;以下、当欄で‘PDP’という)は、前面構造200及び背面構造300に分けられる。
【0016】
前面構造200では、ガラス基板である前面基板210の内側に、透明電極220、バス電極250、第1、第2ブラックマトリックス230、240、誘電体層260及び保護層270が形成されている。
【0017】
透明電極220は、放電セルから供給される光を透過させるために透明なインジウムスズ酸化物(以下、‘ITO’という)で形成する。バス電極250は、透明電極220の内側に形成され、透明電極220のライン抵抗を減少させるために、導電性の高い銀(Ag)ペーストが用いられる。導電性の高い物質で形成したバス電極250があることで、導電性の低い透明電極220の駆動電圧を減少させることができる。第1ブラックマトリックス230は、透明電極220とバス電極250との間に非常に薄く形成されて透明電極220及びバス電極250を通電させ、 PDPのコントラストを向上させる役割を担当する。第2ブラックマトリックス240は、放電セル間に形成され、隣接した放電セル間で外部光及び内部の透過光を吸収することによって、コントラストを向上させる。このように、第2ブラックマトリックス240は放電セル間を区分する役割を担当する。誘電体層260は、金属物質からなるバス電極250と直接接する層であり、バス電極250との化学反応を避けるために軟化点の高いPbO系のガラスを用いる。このような誘電体層260は、放電電流を制限してグロー放電を維持し、プラズマ放電時、発生された電荷が蓄積される。保護膜270は、プラズマ放電時、スパッタリングによる誘電体層260の損傷を防止すると共に、2次電子の放電効率を上げる。この保護膜270は酸化マグネシウム(MgO)で形成される。
【0018】
背面構造300では、ガラス基板である背面基板310の内側に、アドレス電極320、誘電体層330、隔壁340及び蛍光層350が形成されている。
【0019】
アドレス電極320は、各放電セルの中央に位置し、70〜80μm程度の線幅を有する。誘電体層330は、アドレス電極320と背面基板310の全面に位置し、アドレス電極320を保護する。隔壁340は、誘電体層330の内側に位置し、アドレス電極320から所定距離離して形成されており、所定の高さの土手形態で形成される。また、隔壁340は、低層隔壁344と高層隔壁342とからなる複層構造を有する。このような隔壁340の断面形状は、高層隔壁342及び低層隔壁344の幅を等しくした長方形の形態、あるいは、高層隔壁342の幅を低層隔壁344の幅より狭くした台形形態などがあり得る。隔壁340は放電距離を維持し、隣接した放電セル間の電気的、光学的干渉を防止するために必要である。蛍光層350は、隔壁340のセル内側面及び誘電体層330のセル内表面に形成される。蛍光層350は、プラズマ放電時、発生した紫外線によって励起され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)中のいずれかの可視光線を発生する。
【0020】
以下、上記PDPの発光動作を詳述する。
【0021】
セル内にある透明電極220及びバス電極250の間に一定の電圧(電圧マージン範囲内)がかかった状態で、アドレス電極320にプラズマを生成するのに十分な追加電圧がかかると、電極220,250間にプラズマが形成される。気体には、ある程度の自由電子が存在し、電場がかかれば、その自由電子が力(F=qE)を受ける。この力を受けた電子が不活性気体などの最外郭電子を除去するのに十分なエネルギーが得られたとき(第1イオン化エネルギー)、気体がイオン化され、ここで発生したイオンと電子は電磁場の力を受けて両電極に移動する。特に、イオンが保護層270に衝突すると、保護層270で二次電子が発生され、この電子がプラズマの形成を助ける。従って、初期放電を始めるためには高い電圧が求められるが、一度放電が始まれば、電子密度の増加に伴って低い電圧で良くなる。
【0022】
このようなPDP中に注入される気体は、主にNe、Xe、He等の不活性気体である。中でもXeの場合、準安定状態のときに147nmと173nmの波長の紫外線が生成され、蛍光層350にあたることで赤色、緑色または青色の可視光線が発生する。この時に発生される可視光線は、その蛍光層350の種類によって決定されるので、各放電セルが赤色、緑色、青色をそれぞれ表示するピクセルになる。各放電セルのRGB値の組合せによって色合いの調節が行われる。PDPの場合は、プラズマ発生時間を調節し、これを調節する。発生した可視光線は、前面基板210を通して外部に発散する。
【0023】
以下、背面構造300の製造工程、特に隔壁340の組成物及び製造工程を詳述する。
【0024】
図2は本発明の実施形態に係る隔壁用グリーンシートを図示した断面図である。図2を参照すれば、グリーンシート100は、PDP構成要素の形成工程、特に、隔壁340の形成工程に好適に使われるシートである。
【0025】
グリーンシート100は、隔壁340を形成するためのペースト組成物をベースフィルム110上に塗布(コーティング)し、乾燥させて形成される第1、第2膜形成材料層120,130を備える。第2膜形成材料層130の表面には、保護フィルム140が形成されている。ベースフィルム110及び保護フィルム140は、膜形成材料層120,130と剥離可能に形成される。
【0026】
ベースフィルム110は、耐熱性及び耐溶剤性を有すると同時に、可撓性を有する樹脂フィルムが好ましい。ベースフィルム110が可撓性を有することによって、ペースト組成物の塗布に都合が良くなる。このようなベースフィルム110は、膜厚が均一な膜形成材料層120,130を形成することができるだけでなく、膜形成材料層120,130をロール状に巻いて保存しうる。
【0027】
第1、第2膜形成材料層120,130は、焼成することによって隔壁340になる層である。第1、第2膜形成材料層120,130を形成するためにベースフィルム110上に塗布されるペースト組成物は、本発明に係るガラス粉末、充填剤、可塑剤、結合剤(Binder)、分散剤及び溶媒を含んで構成されている。また、ペースト組成物は、レベリング特性及びコーティング特性を向上させるための添加剤をさら、含んでいて良い。
【0028】
具体的に本例の隔壁用ペースト組成物は、鉛フリー系ガラス粉末30〜60wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜30wt%、可塑剤1〜8wt%、分散剤0.1〜3wt%及び溶媒 15〜35wt%を含む。そして好ましくは、消泡剤0〜2wt%及びレベリング剤0〜2wt%を含むことができる。
【0029】
充填剤は、ZnO、Al及びTiOよりなる群から選択された一つ以上の物質である。結合剤は、セルロース系、ビニル系、メタアクリル系及びアクリル系(樹脂)よりなる群から選択された一つ以上の物質である。可塑剤は、フタレート系、グリコール系及びアゼレート系(樹脂)よりなる群からされた一つ以上の物質である。溶媒は、メチルエチルケトン、エタノール、キシレン、トルエン、PGME、MEK、IPA、アセトン、トリクロロエタン、ブタノール、MIBK、EA、ブチルアセテート、シクロヘキサノン、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選択された一つ以上の物質である。分散剤は、ポリアミンアミド系、燐酸エステル系、ポリイソブチレン、オレイン酸、ステアリン酸、漁油、ポリカルボン酸のアンモニウム塩及びナトリウムカルボキシメチルよりなる群から選択された一つ以上の物質である。
【0030】
このように、第1、第2膜形成材料層120,130を形成するためにペースト組成物が構成されるが、当該ペースト組成物をベースフィルム110に塗布するとき、第1膜形成材料層120を形成する第1ペースト組成物と第2膜形成材料層130を形成する第2ペースト組成物とが混合しないようにする必要がある。このために、第1膜形成材料層120を形成する第1ペースト組成物の粘度について、第2膜形成材料層130を形成する第2ペースト組成物の粘度より高くするい。粘度が同一であると、2つペースト組成物の流動特性が同じであるため、コーティング時に互いに混合し得る。また、第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130との間に密度差が存在するように設計するのが良い。
【0031】
さらに、第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130とは、同じ条件下でエッチング率(エッチング速度)が異なるものとし、特に、第1膜形成材料層120が第2膜形成材料層130よりエッチング率の低いものとする。本発明の発明者らは、第1ペースト組成物と第2ペースト組成物とにおける充填剤の含量比の差から、そのようなエッチング率の差を生じさせている。
【0032】
このような第1及び第2ペースト組成物をベースフィルム110上にコーティングした後、乾燥させると、本発明に係るグリーンシート100が形成される。
【0033】
グリーンシートの乾燥工程が完了した後における第1膜形成材料層120及び第2膜形成材料層130は、鉛フリー系ガラス粉末40〜70wt%、充填剤1〜10wt%、結合剤10〜40wt%、可塑剤1〜10wt%及び分散剤0.1〜5wt%を含んで構成されている。ただし、第2膜形成材料層130と第1膜形成材料層120とはエッチング比率が異なったものとなっている。また本例の場合、第1、第2膜形成材料層120,130は、消泡剤0〜2wt%、レベリング剤0〜2wt%及び溶媒0〜1wt%を含んだものとしてある。
【0034】
このように、第1及び第2ペースト組成物における組成比と工程後の第1、第2膜形成材料層120,130の組成比とは異なったものとなるが、これは、乾燥時等に溶媒などの物質の大部分が除去されるからである。
【0035】
以下、上記のグリーンシート100の特性を評価した実験結果について詳述する。
【0036】
表1には、グリーンシートを形成する第1及び第2ペースト組成物の組成比について、実施例をまとめて示している。当該実施例で、ガラス粉末は鉛フリー系ガラス粉末、充填剤は酸化物結晶相混合物、結合剤はメタアクリルまたはアクリル系からなる物質、分散剤はポリアミンアミド系物質、可塑剤はフタレート系、アゼレート系またはグリコール系物質、消泡剤はエチルヘキサノール、レベリング剤はシロキサン系またはアクリル系物質、溶媒はキシレン、トルエン、PGME、MEK、シクロヘキサノン、IPA、酢酸エチルまたはブチルアセテートを用いている。
【表1】


【0037】
表1を参照すれば、実施例1の第1及び第2ペースト組成物は、ガラス粉末36wt%、結合剤24wt%、分散剤1.5wt%、可塑剤4wt%及び溶媒24.5wt%を含む。但し、第1ペースト組成物は充填剤の含量が6wt%であり、第2ペースト組成物は充填剤の含量が4wt%である。実施例2の第1及び第2ペースト組成物は、ガラス粉末40wt%、結合剤18wt%、分散剤1.3wt%、可塑剤4wt%、消泡剤0.1wt%、レベリング剤0.1wt%及び溶媒24.5wt%を含む。但し、第1ペースト組成物は充填剤の含量が7wt%であり、第2ペースト組成物は充填剤の含量が5wt%である。実施例3の第1及び第2ペースト組成物は、ガラス粉末51wt%、結合剤16.7wt%、分散剤1wt%、可塑剤1.8wt%、消泡剤1wt%及び溶媒17.5wt%を含む。但し、第1ペースト組成物は充填剤の含量が5wt%であり、第2ペースト組成物は充填剤の含量が6wt%である。実施例4の第1及び第2ペースト組成物は、ガラス粉末48wt%、結合剤14.8wt%、分散剤1.3wt%、可塑剤2.7wt%、レベリング剤1wt%及び溶媒18.2wt%を含む。但し、第1ペースト組成物は充填剤の含量が8wt%であり、第2ペースト組成物は充填剤の含量が6wt%である。実施例5の第1及び第2ペースト組成物は、ガラス粉末46wt%、結合剤10.1wt%、分散剤0.5wt%、可塑剤6.8wt%及び溶媒28.6wt%を含む。但し、第1ペースト組成物は充填剤の含量が2wt%であり、第2ペースト組成物は充填剤の含量が6wt%である。
【0038】
以上の各実施例においては、上述のように、第1及び第2ペースト組成物の充填剤含量を変えることによって、第1及び第2ペースト組成物のエッチング比率が変わるように設計している。
【0039】
これら実施例1〜実施例5に係る第1及び第2ペースト組成物をベースフィルム上にコーティングした後、乾燥させてグリーンシートを製作した。乾燥が完了した後の各実施例に係るグリーンシートの組成比は表2に示される通りである。
【表2】


【0040】
表2を参照すれば、実施例1の第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末47.7wt%、結合剤31.2wt%、分散剤2wt%、可塑剤5.3wt%及び溶媒0.4wt%を含む。但し、第1膜形成材料層は充填剤の含量が7.9wt%であり、第2膜形成材料層は充填剤の含量が5.3wt%である。実施例2の第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末46.8wt%、結合剤32.1wt%、分散剤1.5wt%、可塑剤4.6wt%、消泡剤0.1wt%、レベリング剤0.1wt%及び溶媒0.5wt%を含む。但し、第1膜形成材料層は充填剤の含量が8.2wt%であり、第2膜形成材料層は充填剤の含量が5.8wt%である。実施例3の第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末61.8wt%、結合剤20wt%、分散剤1wt%、可塑剤2.2wt%、消泡剤1.2wt%及び溶媒0.3wt%を含む。但し、第1膜形成材料層は充填剤の含量が6.1wt%であり、第2膜形成材料層は充填剤の含量が7.3wt%である。実施例4の第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末58.6wt%、結合剤18.1wt%、分散剤1.6wt%、可塑剤3wt%、レベリング剤1wt%及び溶媒0.4wt%を含む。但し、第1膜形成材料層は充填剤の含量が9.8wt%であり、第2膜形成材料層は充填剤の含量が7.3wt%である。実施例5の第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末64.4wt%、結合剤14wt%、分散剤0.7wt%、可塑剤9.1wt%及び溶媒0.3wt%を含む。但し、第1膜形成材料層は充填剤の含量が2.8wt%であり、第2膜形成材料層は充填剤の含量が8.4wt%である。
【0041】
第1及び第2膜形成材料層には溶媒がほとんど含まれないことを確認することができる。
【0042】
表3には、上記実施例1〜実施例5のグリーンシート特性を評価した結果を示す。評価基準は強度、伸び率、粘着性、残留溶剤含量、耐電圧、焼成緻密度及び2層構造形成の可否である。
【表3】


【0043】
表3に示されるように、実施例1〜実施例5のグリーンシートは、強度、伸び率及び粘着性特性に優れ、残留溶剤の含量も低く、耐電圧も高いことが分かる。また、焼結緻密度も良好で、第1膜形成材料層と第2膜形成材料層とが混合されずに2層構造を維持することが分かる。
【0044】
このように、本発明に係るペースト組成物を用いて形成したグリーンシート100の特性は、PDPの隔壁340を形成するに十分であることが分かる。
【0045】
以下、上記のグリーンシートを用いたプラズマディスプレイパネルの隔壁製造方法に対して詳述する。
【0046】
図3〜図8は、図1のプラズマディスプレイパネルの隔壁製造工程を要部断面で示した工程図である。
【0047】
当製造工程では、グリーンシート100を用いて、アドレス電極320及び誘電体層330が形成された背面基板310に、第1、第2膜形成材料層120,130を転写する。なお、アドレス電極320及び誘電体層330は、スパッタリング、イオンメッキ、化学蒸着及び電着などの工程を経て背面基板310上に形成されている。
【0048】
図3に示す工程では、第2膜形成材料層130の表面にある保護フィルム140を剥離し、背面基板310の表面(誘電体層330の上)に第2膜形成材料層130の表面を当接させて、グリーンシート100を背面基板310に重ね合わせる。そして、ベースフィルム110上の第1及び第2膜形成材料層120,130が背面基板310上に転写されるように、グリーンシート110の裏側に加熱ローラ500を這わせて熱圧着する。この時にグリーンシート100を転写する方向は、アドレス電極320の配線方向に対し、垂直であることが好ましい。
【0049】
続いて、これにより背面基板310上に付いたグリーンシート100について(図4)、第1膜形成材料層120からベースフィルム110を剥離して除去する。その後、第1、第2膜形成材料層120,130が転写された背面基板310を500℃以上の温度で熱処理し、両膜形成材料層を焼結する(図5)。
【0050】
次いで、図6に示す工程では、第1、第2膜形成材料層120,130が形成された背面基板310に対し、所定パターンの開口が形成されたマスク400を配置する。マスク400の開口は、隔壁340の形成位置部分を除いた領域に形成されている。そして、マスク400付きの背面基板310をエッチング液で処理し、マスク400の開口部分にある第1、第2膜形成材料層120,130を除去することにより、図7に示すように、残った第1、第2膜形成材料層120,130を高層隔壁342及び低層隔壁344とした隔壁340を成形する。
【0051】
当該エッチング工程で、第1膜形成材料層120及び第2膜形成材料層130は、充填剤の含量比の差によってエッチング率に差を有する。本例の含量比は第2膜形成材料層130が第1膜形成材料層120より高いエッチング率を有するように設計してあるので、第2形成材料層130がエッチングされる間の第1膜形成材料層120は、側面エッチングによる損傷が少ない。従って、構造的にも機械強度的にも安定した長方形または台形の断面形状を有する隔壁を得ることができる。
【0052】
隔壁形成後は、図8の工程図に示すように、隔壁340で区画されたセル内部に蛍光物質を塗布し、蛍光層350を形成する。
【0053】
以上の実施形態は、例示の目的のために開示されたものであって、本発明に対する通常の知識を有する当業者であれば、本発明の思想と範囲において様々な修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更及び付加なども特許請求の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを図示した要部断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る隔壁用グリーンシートを図示した要部断面図である。
【図3】図1のプラズマディスプレイパネルの隔壁製造工程を断面図で説明する工程図である。
【図4】図3の続きを説明する工程図。
【図5】図4の続きを説明する工程図。
【図6】図5の続きを説明する工程図。
【図7】図6の続きを説明する工程図。
【図8】図7の続きを説明する工程図。
【符号の説明】
【0055】
200 前面構造
210 前面基板
220 透明電極
230 第1ブラックマトリックス
240 第2ブラックマトリックス
250 バス電極
260 誘電体層
270 保護層
300 背面構造
310 背面基板
320 アドレス電極
330 誘電体層
340 隔壁
342 高層隔壁
344 低層隔壁
350 蛍光層




 

 


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