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発明の名称 プラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−165279(P2007−165279A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2006−185440(P2006−185440)
出願日 平成18年7月5日(2006.7.5)
代理人 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
発明者 金 榮勲 / 李 恩泰 / 崔 雄
要約 課題
膜形成材料層に含まれた有機成分を除去するための温度区間を別途に設けることなく誘電体層を形成できるようにし、工程短縮を図る。

解決手段
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法は、スラリーを使用してベースフィルム上に生成された膜形成材料層を有するグリーンシートを形成する工程と、該グリーンシートの膜形成材料層を、電極が形成された基板に転写する転写工程と、当該膜形成材料層を焼結する焼結工程と、を含んで構成され、その焼結工程において、膜形成材料層を570℃〜600℃の温度で焼結処理し、その焼結温度に達するまでに4℃/分〜10℃/分の昇温速度で加熱を行う処理を含むことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
PbO系ガラス粉末、バインダ、分散剤、可塑剤及び溶剤を含むスラリーを使用してベースフィルム上に生成された膜形成材料層を有するグリーンシートを形成する工程と、
該グリーンシートの膜形成材料層を、電極が形成された基板に転写する転写工程と、
該転写した膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、
を含んで構成され、
前記焼結工程において、前記膜形成材料層を570℃〜600℃の焼結温度で焼結処理し、該焼結温度に達するまでに4℃/分〜10℃/分の昇温速度で加熱を行う処理を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法。
【請求項2】
前記焼結工程において、前記焼結温度を15分〜30分間維持することを特徴とする請求項1に記載の誘電体層製造方法。
【請求項3】
前記スラリーは、50wt%〜70wt%のPbO系ガラス粉末、15wt%〜25wt%の結合樹脂、0.1wt%〜2wt%の分散剤、0.1wt%〜5wt%の可塑剤、及び10wt%〜30wt%の溶剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘電体層製造方法。
【請求項4】
前記スラリーは、1wt%以下の消泡剤及び1wt%以下のレベリング剤をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の誘電体層製造方法。
【請求項5】
前記消泡剤は、炭化水素及びエチルヘキサノールのいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項4に記載の誘電体層製造方法。
【請求項6】
前記レベリング剤は、ポリヒドロキシカルボン酸アミド系及びクリルレートのいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の誘電体層製造方法。
【請求項7】
前記結合樹脂は、メタアクリル樹脂及びアクリル樹脂のいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項8】
前記分散剤は、ポリアミンアミド系物質であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項9】
前記可塑剤は、フタレート系、DOA(ジオクチルアジペート)系、DOZ(ジオクチルアゾレート)系及びエステル系の物質のいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項10】
前記溶剤は、トルエン、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、BA(ブチルアセテート)、CYC(シクロヘキサノン)及びMEK(メチルエチルケトン)よりなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項11】
PbO系ガラス粉末、結合樹脂、分散剤、可塑剤及び溶剤を含むスラリーを使用して、電極の形成された基板に膜形成材料層を形成する工程と、
該膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、
を含んで構成され、
前記焼結工程において、前記膜形成材料層を570℃〜600℃の焼結温度で焼結処理し、該焼結温度に達するまでに4℃/分〜10℃/分の昇温速度で加熱を行う処理を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法。
【請求項12】
前記焼結工程において、前記焼結温度を15分〜30分間維持することを特徴とする請求項11に記載の誘電体層製造方法。
【請求項13】
前記スラリーは、50wt%〜70wt%のPbO系ガラス粉末、15wt%〜25wt%の結合樹脂、0.1wt%〜2wt%の分散剤、0.1wt%〜5wt%の可塑剤、及び10wt%〜30wt%の溶剤を含むことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の誘電体層製造方法。
【請求項14】
前記スラリーは、1wt%以下の消泡剤及び1wt%以下のレベリング剤をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の誘電体層製造方法。
【請求項15】
前記消泡剤は、炭化水素及びエチルヘキサノールのいずれか、又はこれらの混合物であり、前記レベリング剤は、ポリヒドロキシカルボン酸アミド系及びアクリルレートのいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項14に記載の誘電体層製造方法。
【請求項16】
前記結合樹脂は、メタアクリル樹脂及びアクリル樹脂のいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項17】
前記分散剤は、ポリアミンアミド系物質であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項18】
前記可塑剤は、フタレート系、DOA(ジオクチルアジペート)系、DOZ(ジオクチルアゾレート)系及びエステル系の物質のいずれか、又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項19】
前記溶剤は、トルエン、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、BA(ブチルアセテート)、CYC(シクロヘキサノン)及びMEK(メチルエチルケトン)よりなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の誘電体層製造方法。
【請求項20】
電極が形成された基板にスラリーを用いて膜形成材料層を形成する工程と、
該膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、
を含んで構成され、
前記スラリーが、50wt%〜70wt%のPbO系ガラス粉末、15wt%〜25wt%の結合樹脂、0.1wt%〜2wt%の分散剤、0.1wt%〜5wt%の可塑剤及び10wt%〜30wt%の溶剤を含み、
前記焼結工程において、4℃/分〜10℃/分の昇温速度で570℃〜600℃の焼結温度まで前記膜形成材料層に対する加熱を行う処理を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法に関する。より詳しくは、より短い工程で透過率に優れた誘電体層を製造できるプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;以下、当欄で‘PDP’という)は、プラズマ放電による発光現象を利用して映像や情報を表示するフラットパネルディスプレイであり、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分かれる。PDPは、隔壁で分離された放電セル内部にプラズマ放電を生じさせ、このとき、各放電セル内に注入されているHe、Xeなどのガスの放電によって発生する紫外線で蛍光体を励起し、これが基底状態に戻るときのエネルギー差により発生する可視光線の発光現象を用いたディスプレイデバイスである。PDPは、単純構造による製作の容易性、高輝度及び高発光効率の優秀性、メモリ機能及び160°以上の広視野角を有すると共に、40インチ以上の大画面を具現できる長所がある。
【0003】
以下、PDPの構造を概略的に説明する。
【0004】
PDPは、対向配置された前面基板及び背面基板と、この間の隔壁とを含み、これら前面基板、背面基板及び隔壁によってセルが区画されて形成される。前面基板には透明電極が形成され、該透明電極上には透明電極の抵抗を減少するためにバス電極が形成される。また、背面基板にはアドレス電極が形成される。隔壁によって区画されたセル内には蛍光物質が塗布され、さらに、前面基板には透明電極及びバス電極を覆う誘電体層、背面基板にはアドレス電極を覆う誘電体層が形成される。そして、前面基板の誘電体層上には酸化マグネシウムからなる保護層が形成される。
【0005】
前面基板における誘電体層の従来の製造方法は、下記の通りである。
【0006】
まず、ガラス粉末を含むスラリーを製造し、該スラリーを、透明電極及びバス電極が形成されている前面基板の表面に塗布して膜形成材料層を形成する。次いで、予め設定されたスケジュールに従って、当該前面基板上の膜形成材料層を熱処理することによって誘電体層を形成する。
【0007】
図3に、従来のプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造工程における膜形成材料層の熱処理スケジュールを示す。図3を参照すれば、従来の熱処理工程は、膜形成材料層内の有機成分を除去するための第1温度区間(A)、ガラス粉末を高温で固相反応させて膜形成材料層の焼結を行うための第2温度区間(B)を含んでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、前面基板における誘電体層を形成するための従来の熱処理スケジュールでは、膜形成材料層の有機成分を除去するための第1温度区間(A)と実際の焼結を実行するための第2温度区間(B)とが求められている。すなわち、従来のスラリー組成及び工程条件では、内部に気泡を含有せず構造的に緻密で且つ一定の透過率を確保することができる誘電体層を得るために、熱処理工程で膜形成材料層の焼結前に膜形成材料層に含まれている有機成分を除去する温度区間を確保することが必須である。
【0009】
このように従来の誘電体層製造方法では、熱処理の工程管理が複雑で且つ工程に要する時間が長く、製造費用の低減にとって障害にもなっている。そこで本発明の目的は、膜形成材料層含有有機成分を除去するための温度区間を省いたプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法を提供することにある。また、従来に比べて短い工程時間で、物理的及び光学的特性に優れた誘電体層を得られるような、膜形成材料層の焼結条件を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法は、PbO系ガラス粉末、バインダ、分散剤、可塑剤及び溶剤を含むスラリー(slurry)を使用してベースフィルム上に生成された膜形成材料層を有するグリーンシートを形成する工程と、このグリーンシートの膜形成材料層を、電極が形成された基板に転写する転写工程と、該転写した膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、を含んで構成され、その焼結工程において、膜形成材料層を570℃〜600℃の焼結温度で焼結処理し、当該焼結温度に達するまでに4℃/分〜10℃/分の昇温速度で加熱を行う処理を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法は、PbO系ガラス粉末、結合樹脂(バインダ)、分散剤、可塑剤及び溶剤を含むスラリーを使用して、電極の形成された基板に膜形成材料層を形成する工程と、この膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、を含んで構成され、その焼結工程において、膜形成材料層を570℃〜600℃の焼結温度で焼結処理し、当該焼結温度に達するまでに4℃/分〜10℃/分の昇温速度で加熱を行う処理を含むことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明によるプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法は、電極が形成された基板にスラリーを用いて膜形成材料層を形成する工程と、この膜形成材料層を焼結させる焼結工程と、を含んで構成され、そのスラリーが、50wt%〜70wt%のPbO系ガラス粉末、15wt%〜25wt%の結合樹脂(バインダ)、0.1wt%〜2wt%の分散剤、0.1wt%〜5wt%の可塑剤及び10wt%〜30wt%の溶剤を含み、焼結工程において、4℃/分〜10℃/分の昇温速度で570℃〜600℃の焼結温度まで膜形成材料層に対する加熱を行う処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、焼結工程において、膜形成材料層に含まれた有機成分を除去するための別途の温度区間を設ける必要がないので、焼結工程が単純になり、焼結工程に要する時間を短縮できる長所がある。そして、より短い工程時間で、プラズマディスプレイパネルの誘電体層に要求される特性を備えた誘電体層を製造できるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、添付図面を参照して本発明に係るプラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルを図示した要部の断面図である。図2を参照すれば、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel;以下、当欄において‘PDP’)は、前面構造200及び背面構造300に大別することができる。
【0016】
PDPの前面構造200では、ガラス基板である前面基板210の内側に透明電極220、バス電極250、第1、第2ブラックマトリックス230、240、誘電体層260及び保護層270が形成されている。透明電極220は、放電セルから供給される光を透過させるために透明なインジウムスズ酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)で形成する。バス電極250は、透明電極220の内側に形成されて透明電極220のライン抵抗を減少させるもので、導電性の高い銀(Ag)ペーストで形成する。このようにバス電極250が高導電性物質で形成されるので、導電性の低い透明電極220の駆動電圧を減少させられる。第1ブラックマトリックス230は、透明電極220とバス電極250と間に薄く形成され、透明電極220とバス電極250とを通電させると共にPDPのコントラストを向上させる役割を果たす。第2ブラックマトリックス240は、放電セル間に形成され、隣接した放電セル間において外部光及び内部の透過光を吸収することによってコントラストを向上させる。このように、第2ブラックマトリックス240は放電セル間を区分する役割を果たす。誘電体層260は、金属物質からなるバス電極250と直接接する層であり、バス電極250との化学反応を避けるために軟化点の高いPbO系のガラスを用いる。このような誘電体層260は、放電電流を制限してグロー放電を保持し、プラズマ放電時に発生された電荷が蓄積される。保護層270は、プラズマ放電時、スパッタリングによる誘電体層260の損傷を防止すると同時に、2次電子の放電効率を上げている。このような保護層270は、酸化マグネシウム(MgO)で形成される。
【0017】
PDPの背面構造300では、ガラス基板である背面基板310の内側にアドレス電極320、誘電体層330、隔壁340及び蛍光層350が形成されている。アドレス電極320は、各放電セルの中央に位置し、70〜80μm程度の線幅を有する。誘電体層330は、アドレス電極320と背面基板310の全面に位置し、アドレス電極320を保護する。隔壁340は、誘電体層330の内側に位置し、アドレス電極320から所定距離離して堤防状に形成される。隔壁340は、放電距離を保持し、隣接した放電セル間の電気的、光学的干渉を防止するために必要である。蛍光層350は、各放電セルにおいて隔壁340の内側面及び誘電体層330の表面に形成される。蛍光層350は、プラズマ放電時、発生された紫外線によって励起され、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれか一つの可視光線を発する。
【0018】
以下、上記PDPの発光動作を詳述する。
【0019】
透明電極220及びバス電極250の間に一定の電圧(電圧マージンの範囲内)がかかった状態で、アドレス電極320にプラズマを生成しうるだけの追加電圧がかかれば、透明電極220及びバス電極250の間にプラズマが生成される。気体にはある程度の自由電子が存在することになるが、電場がかかれば、その自由電子に力(F=qE)が与えられる。この力を与えられた電子が不活性気体等の最外郭電子を取り除くだけのエネルギーを得るようになれば(第1イオン化エネルギー)、気体がイオン化され、ここで発生したイオンと電子は電磁場の力によって両電極に移動するようになる。特に、イオンが保護層270と衝突すると、保護層270では二次電子が発生し、この二次電子がプラズマの形成を助ける。従って、初期放電を開始するには、高い電圧が必要とされるが、一度放電が開始されれば、電子密度が増加するにつれて低い電圧を用いることができる。
【0020】
PDP中に封入される気体は、主に、Ne、Xe、Heなどの不活性気体である。特に、Xeが準安定状態のとき、147nmと173nmの波長の紫外線が蛍光層350に加えられ、赤色、緑色または青色の可視光線が発せられる。このときに発生される可視光線は、その蛍光層350の種類によって決定されるため、各放電セルは赤色、緑色、青色をそれぞれ表示するピクセルとなる。各放電セルのRGB値の組合せによって色合いの調節が行われる。PDPの場合は、プラズマが発生する時間によって調節される。このように発生された可視光線は、前面基板210を通して外部に発散される。
【0021】
以下、前面基板210の誘電体層260を形成する場合を一例として、プラズマディスプレイパネルの誘電体層製造方法について説明する。
【0022】
まず、前面基板210上に塗布するスラリーが作られる。当該スラリーは、ガラス粉末、結合剤(バインダ)、分散剤、可塑剤及び溶剤を混合及び分散させて製造される。本例におけるスラリーは、50wt%〜70wt%のPbO系ガラス粉末、15wt%〜25wt%の結合樹脂、0.1wt%〜2wt%の分散剤、0.1wt%〜5wt%の可塑剤、10wt%〜30wt%の溶剤を含む。このようなスラリーには、スラリーの特性を向上させるための消泡剤及びレベリング剤をさらに含ませることができ、好ましくは、消泡剤は1wt%以下、レベリング剤は1wt%以下とする。
【0023】
そのガラス粉末には、PbO系ガラスが用いられる。
【0024】
結合剤は、メタアクリル樹脂、アクリル樹脂及びこれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも一つである。好ましくは、分解温度の低いメタアクリル樹脂であってよい。
【0025】
分散剤は、ガラス粉末の分散力を増大させて、膜形成材料層においてガラス粉末が沈澱するのを防止するために添加する成分で、ポリアミンアミド系化合物が用いられる。
【0026】
可塑剤は、可塑性を増大することによって、高温での成形加工を容易にするために添加する成分であり、フタレート系、DOA(ジオクチルアジペート)系、DOZ(ジオクチルアゾレート)系及びエステル系の物質のいいずれか、又はこれらの混合物であってよい。
【0027】
溶剤は、無機粒子との親和性と結合剤を溶解する性質が良好であり、スラリーに適切な粘性を提供するものとする。且つ溶剤は、乾燥時容易に蒸発するものを選出する。このような溶剤はトルエン、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、BA(ブチルアセテート)、CYC(シクロヘキサノン)及びMEK(メチルエチルケトン)よりなる群から選択される少なくとも一つであってよい。
【0028】
消泡剤は、気泡を除去するための添加剤で、炭化水素及びエチルヘキサノールのいずれか、又はその混合物であってよい。
【0029】
レベリング剤は、スラリーを均一に塗布するために添加する組成物で、ポリヒドロキシカルボン酸アミド系及びアクリルレートのいずれか、又はその混合物であってよい。
【0030】
スラリー製造後、当該スラリーを用いて、透明電極220及びバス電極250が配置された前面基板210の表面に、膜形成材料層を形成する。この膜形成材料層は、焼結工程を経て誘電体層260になる層である。スラリーを用いて膜形成材料層を形成する方法は様々である。
【0031】
一例では、メッシュを用いてスラリーを前面基板210上に直接塗布し、乾燥させることで、膜形成材料層を製造し得る。また、他の例では、スラリーを用いてグリーンシートを形成し、当該グリーンシートにより前面基板210に転写を行うことで、膜形成材料層を製造し得る。グリーンシートは、スラリーを保持フィルム上に塗布し乾燥させて製造し得る。これらのうちで好ましくは、グリーンシートを用いて前面基板210上に転写を行う方法によって製造するのがよい。
【0032】
前面基板210に膜形成材料層を形成した後は、該膜形成材料層に対し熱処理を行う焼結工程を実施することによって、誘電体層260を形成する。図2に、図1の誘電体層を製造する工程における熱処理スケジュールを示す。
【0033】
図2を参照すれば、膜形成材料層の焼結工程においては、炉内温度が焼結温度Tsに達するまで、一定の昇温速度Raで加熱を実行する。その温度管理による昇温速度Raは、4℃/分〜10℃/分である。この昇温速度Raによって膜形成材料層を加熱処理すると、約100℃〜200℃の区間で膜形成材料層に含まれた溶剤が揮発し、約250℃〜450℃の区間で結合剤、可塑剤などの有機物が分解されて除去される。そして、炉内温度が570℃〜600℃の焼結温度Tsに達するところでそれ以上の温度上昇を止め、当該焼結温度Tsを保って一定時間保持する。本例の焼結時間tsは15分〜30分である。
【0034】
焼結温度Tsに達すれば、膜形成材料層に含まれていた大部分の有機物は分解されて除去された状態になる。膜形成材料層に含まれたガラス粉末のような無機物粒子は、焼結温度Tsが保持される間に固相反応が進み、その界面で互いに接合して凝固する。具体的には、まず、無機物粒子間に癒着が生じ、該当部分の面積が次第に拡大する。次いで、チャネル状の孔隙が次第に狭くなり、密度及び収縮率が増加し、粒子の成長が明確に見られる。続いて、密度が増加するにつれて、空気が通る孔(気孔)が消滅し、粒子結合がさらに緻密になる。
【0035】
焼結時間tsが経過した後は、膜形成材料層を一定の速度で冷却し、誘電体層260を得る。
【0036】
以上のように、本発明では、膜形成材料層に対する熱処理において、有機物成分を除去するために一定時間、焼結温度Ts以下の温度(図3のA)に維持する熱処理スケジュールがない。以下に、本発明の製造工程で形成された誘電体層260の特性実験結果を提示する。
【表1】


【0037】
表1において、本発明に係る実施例1は昇温速度7℃/分、焼結温度580℃、焼結時間20分である。実施例2は昇温速度5℃/分、焼結温度590℃、焼結時間17分である。これに対する比較例1は、5℃/分の昇温速度で加熱し、400℃で10分間保持(焼付温度/時間)、そして再び5℃/分の昇温速度で加熱、590℃で17分間焼結したものである。
【0038】
前面基板の誘電体層260を形成する過程で気泡が形成されてしまうと、気泡周辺での光の散乱によって膜の透過率(透光率)が低下する。表1の実験結果では、実施例1及び実施例2の透過率が67%以上であることが示されており、従来の方法で形成された比較例1による誘電体層と対等な光学特性を有することが分かる。
【0039】
耐電圧は、気泡発生程度を確認するために測定するもので、誘電体層に含まれている気泡の発生量に対し逆比例関係にある。表1の実験結果では、実施例1及び実施例2の両方共に耐電圧が3.5kV以上であることが示されており、両者の誘電体層は、比較例1の誘電体層と対等な耐電圧を有していることが分かる。
【0040】
このように、透過率及び耐電圧が高いので、実施例1及び実施例2の誘電体層260の気泡特性は、比較例1と同様に優れていることが分かる。すなわち、従来のような有機物を除去するための別途の温度区間を設けることなく、プラズマディスプレイパネルの誘電体層に求められる良好な特性を有する誘電体層260を得ることができる。
【0041】
以上の説明は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明に対する通常の知識を有した当業者であれば、本発明の思想と範囲内で様々な修正、変更、付加が可能である。従って、このような修正、変更及び付加は特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るプラズマディスプレイパネルを図示した要部断面図。
【図2】図1に示すプラズマディスプレイパネルに形成される誘電体層の製造工程における焼結工程の熱処理スケジュールを示す図。
【図3】従来のプラズマディスプレイパネルに形成される誘電体層の製造工程における焼結工程の熱処理スケジュールを示す図。




 

 


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