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発明の名称 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−157717(P2007−157717A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2006−326895(P2006−326895)
出願日 平成18年12月4日(2006.12.4)
代理人 【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
発明者 金 甫鉉 / 朴 ▲ミン▼洙 / 朴 徳海 / 柳 炳吉 / 金 泳成
要約 課題
二次電子放出効率が向上した保護膜を備えたプラズマディスプレイパネル及びその製造方法を提供する。

解決手段
隔壁を介して互いに接合される上部パネルと下部パネルとを備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質を含む第1保護膜と、前記第1保護膜上に形成され、酸化マグネシウムを含む第2保護膜と、を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル、及びその製造方法を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
隔壁を介して互いに接合される上部パネルと下部パネルとを備えるプラズマディスプレイパネルであって、
前記上部パネルは、
酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質を含む第1保護膜と、
前記第1保護膜上に形成され、酸化マグネシウムを含む第2保護膜と、
を備えることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質は、CaO、SrO、BaO及びBeOのうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第1保護膜は、パーティクルまたはパーティクルの群集状態に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1保護膜は、上部パネル上に備えられた誘電体の一部上に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第2保護膜は、フィルム形態に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第2保護膜中の酸化マグネシウムは、大きさが10〜100nmであることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1保護膜は、仕事関数が3ev以下の物質で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記第1保護膜は、エネルギーバンドギャップが前記酸化マグネシウムのエネルギーバンドギャップよりも小さい物質で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第1保護膜は、密度がCaO以上の物質で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記第1保護膜及び第2保護膜のうち少なくとも一つに、シリコン(Si)及び鉛(Pb)のうち少なくとも一つが含まれたことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
上部パネル上に備えられた維持電極対上に誘電体層を形成する段階と、
前記誘電体層上に、酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質を含む第1保護膜を形成する段階と、
前記第1保護膜上に、酸化マグネシウムを含む第2保護膜を形成する段階と、を備えてなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項12】
前記第1保護膜は、スパッタリング法、イオンメッキ法、電子ビーム法及び液相法のうちいずれか一方法で形成されることを特徴とする、請求項11に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項13】
隔壁を介して相対向して接合される上部パネルと下部パネルとを備えてなるプラズマディスプレイパネルであって、
前記上部パネルは、
単結晶酸化マグネシウムを含む第1保護膜と、
前記第1保護膜上に薄膜型に形成され、酸化マグネシウムを含む第2保護膜と、
を備えることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記第1保護膜は、単結晶酸化マグネシウムが群集形状をなして凹凸構造を有することを特徴とする、請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第2保護膜は、一定の厚さで形成されて凹凸形状を有することを特徴とする、請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記第1保護膜は、KBr、KCl、KI、NaBr、NaCl、NaF、NaI及びLiFのうちいずれか一つの単結晶を含んでなることを特徴とする、請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第1保護膜は、CsCl、KCl、KI、NaBr、NaCl、NaF、NaI、LiF、RbCl、AlCO、BaO、BeO、BaF、CaF、BiCs、GeCs、RbSb及びSbCsのうちいずれか一つの多結晶を含んでなることを特徴とする、請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
上部パネル上に備えられた誘電体上に、単結晶酸化マグネシウムを含む第1保護膜を形成する段階と、
前記第1保護膜上に、酸化マグネシウムを含むとともに薄膜型である第2保護膜を形成する段階と、
を備えてなることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項19】
前記第1保護膜は、スクリーン印刷法、グリーンシート法、インクジェット法及び液相法のうちいずれか一方法で形成されることを特徴とする、請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項20】
前記第2保護膜は、電子ビーム法、スパッタリング法、イオンメッキ法、グリーンシート法及びコーティング法のうちいずれか一方法で形成されることを特徴とする、請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに係り、特に、プラズマディスプレイパネルの保護膜に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネルは、上部パネルと下部パネル間に形成された隔壁(barrier rib)がそれぞれの放電セルを区画してなる。それぞれの放電セル内には、ネオン、ヘリウムまたはネオンとヘリウムとの混合気体などのような主放電気体と、少量のキセノンを含有する不活性ガスとが充填されている。そして、高周波電圧によって放電がおきると、不活性ガスから真空紫外線(Vacuum ultra violet rays)が発生し、これによって隔壁間の蛍光体が発光されて画像が具現される。このような構造のプラズマディスプレイパネルは、軽薄の構成が可能な点から次世代表示装置として脚光を浴びている。
【0003】
図1は、プラズマディスプレイパネルの構造を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、プラズマディスプレイパネルの上部パネル100は、画像がディスプレイされる表示面である上部ガラス板101上に、スキャン電極102と維持電極103が対で形成された複数の維持電極対が配列される。そして、下部パネル110は、下部ガラス板111上に、前述した複数の維持電極対と交差するように複数のアドレス電極113が配列される。これらの下部パネル110と上部パネル100は互いに一定の距離をおいて平行に結合される。
【0004】
下部パネル110は、複数個の放電空間、すなわち、放電セルを形成させるためのストライプタイプ(または、ウェルタイプ等)の隔壁112が平行に配列される。そして、アドレス放電を行って真空紫外線を発生させる複数のアドレス電極113が隔壁に対して平行に配置される。下部パネル110の上面には、アドレス放電時に画像表示のための可視光線を放出する赤色R、緑色G及び青色Bの蛍光体114が塗布される。また、アドレス電極113と蛍光体114との間には、アドレス電極113を保護する下板誘電体層115が形成される。
【0005】
なお、維持電極対上に形成された上板誘電体層104上には、保護膜105が形成される。これは、プラズマディスプレイパネルの放電時に(+)イオンの衝撃によって上部パネルに設けられた上板誘電体層104がすり消え、ナトリウム(Na)などの金属物質が電極を短絡(short)させることを防ぐためのものである。したがって、保護膜105として酸化マグネシウム(MgO)薄膜をコーティングして上板誘電体層104を保護しているが、酸化マグネシウムは、(+)イオンの衝撃への耐性が良好であり、2次電子放出係数が高いため放電開始電圧を下げる特性を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来プラズマディスプレイパネルの保護膜は、下記のような問題点を抱えていた。
【0007】
第一に、酸化マグネシウムは、配向性、結晶性及び膜密度を高めて耐スパッタリング性に優れた保護膜を形成可能にし、かつ、電気的特性にも比較的優れているが、PDPの消費電力は依然として高かった。
【0008】
第二に、酸化マグネシウムは吸湿性が高いため、放電スパッタリングによって蛍光体の色度が変化する恐れがあった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためのもので、その目的は、二次電子放出効率が向上した保護膜を備えたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、プラズマディスプレイパネルの放電開始電圧を下げて消費電力を節減できる保護膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の一実施形態は、隔壁を介して互いに接合される上部パネルと下部パネルとを備えるプラズマディスプレイパネルにおいて、前記上部パネルは、酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質を含む第1保護膜と、前記第1保護膜上に形成され、酸化マグネシウムを含む第2保護膜と、を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルを提供する。
【0012】
上記目的を達成する本発明の他の実施形態は、上部パネル上に備えられた維持電極対上に誘電体層を形成する段階と、前記誘電体層上に、酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質を含む第1保護膜を形成する段階と、前記第1保護膜上に、酸化マグネシウムを含む第2保護膜を形成する段階と、を備えてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態は、隔壁を介して相対向して接合される上部パネルと下部パネルとを備えてなるプラズマディスプレイパネルにおいて、前記上部パネルは、単結晶酸化マグネシウムを含む第1保護膜と、前記第1保護膜上に薄膜型に形成され、酸化マグネシウムを含む第2保護膜と、を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルを提供する。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態は、上部パネル上に備えられた誘電体上に、単結晶酸化マグネシウムを含む第1保護膜を形成する段階と、前記第1保護膜上に、酸化マグネシウムを含むとともに薄膜型である第2保護膜を形成する段階と、を備えてなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るプラズマディスプレイパネルによれば、保護膜が2層構造に形成され、保護膜表面の酸化マグネシウムの塗布面積が増加されるため、プラズマディスプレイパネルの放電時に2次電子放出を増加させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0017】
本発明によるプラズマディスプレイパネルは、2層構造の保護膜を備えることを特徴とする。以下では、上板誘電体上に形成された層を第1保護膜といい、第1保護膜上に形成された層を第2保護膜という。
【0018】
図2は、本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1実施例を示す図である。図2を参照して、本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1実施例について説明すると、下記の通りである。
【0019】
図2には上部パネルのみ示されており、本実施例では、上部パネルの上部基板270(例えば、PD200、パイレックスガラスからなるガラス基板)に形成された誘電体層275上に、第1保護膜280a及び第2保護膜280bが順に形成されている。第1保護膜280aは、上板誘電体層275上に形成され、酸化マグネシウムよりも仕事関数(work function)の低い物質を含んでなる。また、第2保護膜280bは、第1保護膜280a上に形成され、酸化マグネシウムを含んでなる。ここで、第1保護膜280aをなす物質は、仕事関数が3ev以下であり、エネルギーバンドギャップは酸化マグネシウムのエネルギーバンドギャップよりも小さいものが好ましい。すなわち、第1保護膜280aは仕事関数の低い物質からなって、二次電子の放出を増加させる役割を担うことができる。なお、第1保護膜280aをなす物質は、CaO以上の密度を有するものとしなければならない。すなわち、第1保護膜280aを形成する物質の密度は、3.37g/cm以上であることが好ましく、酸化マグネシウムの密度よりも大きいとより好ましい。上記の酸化マグネシウムよりも仕事関数の低い物質は、BeO、CaO、SrO及びBaOなどがあり、これら物質の仕事関数などは、下記の表1に示す。
【0020】
【表1】


【0021】
また、通常、保護膜の厚さは500〜800nmで形成されるが、本実施例では、第1保護膜280aを200〜800nm厚にし、第2保護膜280bは5〜300nm厚にする。すなわち、従来の保護膜と同じ物質からなる第2保護膜280bが、放電空間と接する表面に薄く形成されて、(+)イオンの衝撃によって上板誘電体層275が擦り消えるのを防止する。
【0022】
ここで、酸化マグネシウムを含む第2保護膜280bを薄く形成することによって、第1保護膜280aから放出された電子が円滑に放電空間に供給されることができる。なお、第1保護膜280aは、パーティクルまたはパーティクルの群集の状態に形成されて、上板誘電体275の一部上に形成されることができる。そして、第2保護膜280bは、第1保護膜280a上に薄いフィルムの形態に形成され、全体的に保護膜は屈曲を有することになる。これにより、酸化マグネシウム薄膜の塗布面積が増加し、プラズマディスプレイパネルの放電時に2次電子放出を増加させることができる。そして、第2保護膜280bをなす酸化マグネシウムは、10〜100nmの大きさとすることが好ましい。この酸化マグネシウムの大きさは、酸化マグネシウム結晶が球の形状であれば直径を意味し、正六面体の形状であれば一辺を意味する。
【0023】
プラズマディスプレイパネルの放電開始電圧を下げるには、保護膜の二次電子放出係数を低くしなければならない。この二次電子放出係数は、物質の仕事関数(work function)及びエネルギーバンドギャップ(band gap)と密接に関連しており、具体的には、エネルギーバンドギャップが小さいほど有利となる。酸化マグネシウム以外のアルカリ土類金属酸化物は、酸化マグネシウムよりも仕事関数とエネルギーバンドギャップが小さく、密度は酸化マグネシウムと略同様またはそれ以上である。また、希土類元素のうちGd及びScは、酸化マグネシウムよりも密度がはるかに大きく、エネルギーバンドギャップが小さい。したがって、第1保護膜280aを、アルカリ土類金属酸化物であるCaO、SrO、BaO及びBeOのうちいずれか一つで形成する、または、希土類酸化物であるGdまたはScのいずれかで形成する。
【0024】
なお、第1保護膜280aまたは第2保護膜280b上にはドーパント(dopant)が添加されて、気孔を減らし且つ密度を高めることで、酸化マグネシウム薄膜の表面に不純物が付着するのを防止し、放電開始電圧を下げることができる。ドーパントとしてはシリコンや鉛が含まれても良く、アルミニウム、ホウ素、バリウム、インジウム、亜鉛、リン、ガリウム、ゲルマニウム、スカンジウム及びイットリウムなどが含まれても良い。なお、ドーパントは、第1保護膜上に形成されても良く、第2保護膜上に形成されても良い。また、第1保護膜及び第2保護膜の両方に形成されても良い。なお、これらのドーパントは、Al、B、SiO、P、Ga、GeO、Sc及びYなどの酸化物の粉体として添加され、保護膜中に酸化マグネシウムと均一に混合されることが好ましい。
【0025】
次に、上記の第1保護膜の形成方法について説明する。
【0026】
第1保護膜は、スパッタリング(sputtering)法、イオンメッキ(ion-plating)法または電子ビーム(E-Beam)法のいずれかの方法で形成すれば良い。スパッタリング法は、現在、様々な薄膜の形成に広範囲に使用されている。すなわち、スパッタリング法を用いて、高いエネルギー(>30eV)を持つ粒子をターゲット(target)に衝突させそれらのターゲット原子にエネルギーを伝達することによってターゲット原子が放出され、第1保護膜を形成することができる。イオンメッキ法は、真空蒸着法とスパッタリングとが複合された場合を指す一般的な名称で、高度に減圧された真空下で高い電圧がかかって生じるグロー放電によってプラズマを形成し、気化した原子の一部がイオン化する原理を用いる。電子ビーム法は、BeOなどの結晶を高温で加熱して物理的なエネルギーを用いる方法で、膜形態の均一性(uniformity)などにおいて最も好ましい方法である。その他、液相法または気相酸化法等によって第1保護膜を形成しても良い。
【0027】
次に、本実施例によるプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。
【0028】
まず、基板上に維持電極対を形成し、基板及び維持電極対上に誘電体層を形成した後、第1及び2保護膜を順に形成する。第1及び2保護膜は、上述した本発明によるプラズマディスプレイパネルの保護膜(第1保護膜280a,第2保護膜280b)と同一であり、スパッタリング法、イオンメッキ法、電子ビーム法または液状法のいずれかの方法で形成すれば良い。
【0029】
図3は、本発明によるプラズマディスプレイパネルの第2実施例を示す図である。図3を参照して、本発明によるプラズマディスプレイパネルの第2実施例について説明すると、下記の通りである。
【0030】
図3には上部パネルのみ示されており、上部基板370上に順に、維持電極対390、上板誘電体層375及び保護膜が形成される。図3では、維持電極対390は、透明電極390aとバス電極390bとを含むとして図示している。但し、維持電極対390は、透明電極390aのみから構成されても良いし、バス電極390bからのみ構成されても良いし、その他の構成であっても良い。保護膜は、第1保護膜380aと第2保護膜380bとに分けられている。ここで、第1保護膜380aは単結晶または多結晶の酸化マグネシウムを含んでなり、好ましくは、単結晶の酸化マグネシウムを含んでなる。なお、それぞれの酸化マグネシウムの単結晶がパーティクル(particle)またはパーティクルの群集状態に形成される。すなわち、マグネシウム結晶が島(island)状に形成され、結果としてパーティクルまたはパーティクルの群集が形成された部分と形成されていない部分との高さの差によって第1保護膜380aは凹凸形状となる。第2保護膜380bは、第1実施形態と同様に、例えば、酸化マグネシウムで形成される。また、第2保護膜380bは一定の厚さで形成され、第1保護膜380aが凹凸形状を有すると第2保護膜380bも凹凸形状を有することになる。
【0031】
第1保護膜380aをなす酸化マグネシウム単結晶は、大きさが10〜100nmである。なお、第1保護膜380aは、500〜800nm厚にすることが好ましく、第2保護膜380bは、5〜300nm厚とすることが好ましい。この酸化マグネシウム単結晶の大きさは、酸化マグネシウム結晶が球の形状であれば直径を意味し、正六面体の形状であれば一辺を意味する。また、第1保護膜380aをなす単結晶酸化マグネシウムは、上板誘電体層375を保護する他、二次電子を放出する役割も担うため、二次電子放出係数が酸化マグネシウムよりも大きい物質に取り替えても良い。
【0032】
ここで、酸化マグネシウムよりも電子衝撃による二次電子放出係数がより高い物質には単結晶及び多結晶の両方とも含まれる。なお、単結晶をなしうる物質には、KBr、KCl、KI、NaBr、NaCl、NaF、NaI及びLiFなどがあり、多結晶をなしうる物質には、CsCl、KCl、KI、NaBr、NaCl、NaF、NaI、LiF、RbCl、AlCO、BaO、BeO、BaF、CaF、BiCs、GeCs、RbSb及びSbCsなどがある。酸化マグネシウムの二次電子放出係数は、測定条件によって異なるが、1よりも小さいのが一般的である。上記単結晶の二次電子放出係数はそれぞれ、KBr=14、KCl=12、KI=10、NaBr=24、NaCl=14、NaF=14、NaI=19及びLiF=8.5である。また、上記多結晶の二次電子放出係数はそれぞれ、CsCl=6.5、KCl=7.5、KI=5.6、NaBr=6.3、NaCl=6.8、NaF=5.7、NaI=5.5、LiF=5.6、RbCl=5.8、AlCO=2〜9、BaO=2.3〜4.8、BeO=3.4、BaF=4.5、CaF=3.2、BiCs=6、GeCs=7、RbSb=7.1及びSbCs=6である。ここで、二次電子放出係数は、一つの電子が衝突した時に放出される電子の個数を意味する。
【0033】
なお、上述のように、保護膜表面を屈曲形状とすれば、保護膜表面の酸化マグネシウム薄膜の塗布面積が増加して、プラズマディスプレイパネルの放電時に2次電子放出を増加させることができる。また、保護膜表面を凹凸構造とすれば、保護膜の凹凸形状のうち放電空間に突出した部分に放電時に電場が集中することによって二次電子の放出が促進され、結果的に放電開始電圧を下げることがてぎる。
【0034】
次に、本実施例によるプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。
【0035】
まず、上部ガラス板上に維持電極対と誘電体層を形成し、誘電体層上に単結晶または多結晶の酸化マグネシウムをパーティクルまたはパーティクルの群集形態に形成して第1保護膜を形成する。第1保護膜をなす酸化マグネシウム単結晶は10〜100nmの大きさとし、第1保護膜の厚さは500〜800nmとする。また、第1保護膜は、スクリーン印刷法、グリーンシート法、インクジェット法または液相法のいずれかの方法で形成することが好ましい。
【0036】
続いて、第1保護膜上に第2保護膜を薄膜形態に形成する。第2保護膜は、5〜300nm厚とし、一定の厚さを持つ薄膜の形態にすることが好ましい。この第2保護膜は薄膜の形態に形成されることから、電子ビーム法、スパッタリング法、イオンメッキ法、グリーンシート法及びコーティング法等のいずれの方法で形成しても良い。
【0037】
以上説明した内容から、当業者なら本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、様々な変更及び修正が可能であることが理解される。したがって、本発明の技術的範囲は、実施例に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】プラズマディスプレイパネルの一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明によるプラズマディスプレイパネルの第1実施例を示す断面図である。
【図3】本発明によるプラズマディスプレイパネルの第2実施例を示す断面図である。




 

 


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