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発明の名称 プラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−157689(P2007−157689A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2006−251664(P2006−251664)
出願日 平成18年9月15日(2006.9.15)
代理人 【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
発明者 金 龍浩 / 李 恩泰
要約 課題
隔壁の形成工程を簡単にし、且つ構造的及び機械的に安定した所望の形状の隔壁形成を可能にする。

解決手段
本発明のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート100は、ベースフィルム110の一面に形成された第1膜形成材料層120と、該第1膜形成材料層120の一面に形成された第2膜形成材料層130と、を備え、上記第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130とはエッチング速度が異なるものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
ガラス粉末及び充填剤粉末の混合物を100重量部、溶媒を20〜50重量部、分散剤を0.01〜2重量部、可塑剤を1〜10重量部、及び結合剤を10〜20重量部だけ配合したことを特徴とするプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項2】
0.01〜0.5重量部のレベリング剤、及び0.01〜0.5重量部の消泡剤をさらに配合したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項3】
上記ガラス粉末は、PbO系ガラス粉末、ZnO系ガラス粉末、Bi系ガラス粉末又はそれらの混合物であり、上記充填剤粉末は、Al、ZnO及びTiOよりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項4】
上記溶媒は、メチルエチルケトン、エタノール、キシレン、トルエン、アセトン、トリクロロエタン、ブタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、エチルアセテート(EA)、ブチルアセテート、シクロヘキサノン、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項5】
上記分散剤は、ポリアミンアミド系、燐酸エステル系、ポリイソブチレン、オレイン酸、ステアリン酸、漁油、ポリカルボン酸のアンモニウム塩及びナトリウムカルボキシメチル(sodium carboxymethyl)よりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項6】
上記可塑剤は、フタレート系、グリコール系及びアゼレート系よりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項7】
上記結合剤は、セルロース系、ビニル系、メタアクリル系及びアクリル系よりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー。
【請求項8】
ベースフィルムの一面に形成された第1膜形成材料層と、
上記第1膜形成材料層の一面に形成された第2膜形成材料層と、を備え、
上記第1膜形成材料層と第2膜形成材料層とはエッチング速度が異なることを特徴とするプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項9】
上記第2膜形成材料層は、上記第1膜形成材料層よりエッチング速度が速いことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項10】
上記第2膜形成材料層上には、保護フィルムが形成されたことを特徴とする請求項8に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項11】
上記第1及び第2膜形成材料層は、ガラス粉末及び充填剤粉末の混合物を100重量部、溶媒を20〜50重量部、分散剤を0.01〜2重量部、可塑剤を1〜10重量部、及び結合剤を10〜20重量部だけ配合し、上記第1膜形成材料層と第2膜形成材料層内のガラス粉末と充填剤粉末との混合比が互いに異なることを特徴とする請求項8に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項12】
上記第1及び第2膜形成材料層は、0.01〜0.5重量部のレベリング剤、及び0.01〜0.5重量部の消泡剤をさらに配合したことを特徴とする請求項11に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項13】
上記ガラス粉末は、PbO系ガラス粉末、ZnO系ガラス粉末、Bi系ガラス粉末又はその混合物であり、上記充填剤粉末は、Al、ZnO及びTiOよりなる群から選択された一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項11に記載のプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシート。
【請求項14】
ベースフィルム上にガラス粉末、充填剤粉末、溶媒、分散剤、可塑剤及び結合剤を配合した第1スラリーを塗布して第1膜形成材料層を形成し、上記第1膜形成材料層上にガラス粉末、充填剤粉末、溶剤、分散剤、可塑剤、及び結合剤を配合し、上記第1スラリーと密度の異なる第2スラリーを塗布して第2膜形成材料層を形成して2層からなるグリーンシートを形成する段階と、
誘電体層が形成された背面基板上に上記グリーンシートを貼り付ける段階と、
上記グリーンシートの第1及び第2膜形成材料層を選択的に除去して隔壁を形成する段階と、
を含むことを特徴とするプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
【請求項15】
上記背面基板上にグリーンシートを貼り付ける段階は、
上記グリーンシートの第2膜形成材料層側を上記誘電体層上に熱圧着した後、上記第1膜形成材料層から上記ベースフィルムを剥離除去する段階と、
上記第1膜形成材料層及び第2膜形成材料層を焼成する段階と、
を含む請求項14に記載のプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
【請求項16】
上記隔壁を形成する段階は、
上記隔壁を形成しようとする部分以外の部分に対応して開口を有するマスクを上記第1膜形成材料層の一面に形成する段階と、
上記マスクの開口に対応した上記第1膜形成材料層及び上記第2膜形成材料層の部分をエッチングする段階と、
を含む請求項14に記載のプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
【請求項17】
上記第1スラリーは、第2スラリーより粘度が100cps〜5000cpsだけ高いことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
【請求項18】
上記第1スラリーと第2スラリーと間の密度差は、0.01g/cm〜1.0g/cmであることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
【請求項19】
上記第1膜形成材料層と第2膜形成材料層とは、コンマコート、ダイコートまたはデュアルダイコート法のいずれか一つで形成されることを特徴とする請求項14に記載のプラズマ表示パネルの隔壁形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ表示パネルの隔壁用スラリー及びグリーンシートに関し、詳しくは、隔壁の形成工程を簡単にし、且つ構造的及び機械的に安定した所望の形状の隔壁形成を可能にする隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel、以下、「PDP」という)は、プラズマ放電による発光現象を利用して映像や情報を表示する平面表示装置であり、表示パネル構造、及び駆動方法によってDC型とAC型に分けられる。
【0003】
PDPは、隔壁で分離された放電セル内部にプラズマ放電を発生させ、この時、各放電セル内に充填されているHe、Xeなどのガスの放電により発生する紫外線が蛍光体に衝突して該蛍光体を励起し、これが励起状態から基底状態に戻る時のエネルギー差によって発生する可視光線の発光現象を利用したものである。
【0004】
PDPは、高輝度及び高発光効率で、メモリー機能を有し及び160度以上の広視野角を有する利点に加えて、構造が簡単で製造が容易であることから40インチ以上の大画面を容易に具現化できる特長を有している。
【0005】
以下PDPの構造を簡単に説明する。
PDPは、対向して配置された上部基板と下部基板との間に隔壁を設け、上記2つの基板及び隔壁に囲まれてセルを形成している。上記上部基板には透明電極が設けられ、上記透明電極上には上記透明電極の抵抗を減少させるためにバス電極が設けられている。また、上記下部基板にはアドレス電極が設けられている。なお、該アドレス電極はデータ電極とも言われる。
【0006】
上記隔壁によって区画されたセル内には、蛍光体物質が塗布されている。また、上記上部基板には上記透明電極及びバス電極を覆うように上部誘電体層が設けられており、さらに上記下部基板には上記アドレス電極を被覆するように下部誘電体層が設けられている。そして、上記上部誘電体層上には一般に酸化マグネシウムからなる保護層が設けられる。
【0007】
また、上記隔壁は、上記上部基板及び下部基板間の放電距離を一定に維持すると同時に、隣接するセル間の電気的、光学的クロストーク(cross-talk)を防止する役割を果たしている。このような隔壁の形成は、PDPの製造工程において高い表示品質と高い発光効率を得る上で最も重要な工程の一つであり、パネルの大型化につれて、隔壁形成技術の様々な研究が行われている。
【0008】
一般に実施されている隔壁形成方法は、サンドブラスト(Sand Blasting)法、スクリーン印刷(Screen Printing)法、フォトエッチング(Photo Etching)法などがある。
【0009】
上記サンドブラスト法においては、上記下部基板上に上記アドレス電極及び誘電体層を形成し、その上に隔壁用ガラスペースト(paste)を塗布してこれを焼結した後、その上にストライプ(stripe)状のマスクパターンを有するマスクを配置し、該マスクの上方から微細な砂粒子を高速で噴射して上記マスクパターンの開口に対応する隔壁用ガラスを除去して隔壁を形成する。
【0010】
また、上記スクリーン印刷法においては、上記下部基板上に上記アドレス電極及び誘電体層を形成し、その上にストライプ状の開口を有するスクリーンを配置し、所望の厚さの隔壁が得られるまで隔壁用ガラスペーストを用いた印刷を繰り返した後、これを焼成することによって隔壁を形成する。
【0011】
そして、上記フォトエッチング法においては、上記下部基板上に上記アドレス電極及び誘電体層を形成し、その上に隔壁用ペーストを塗布し、該隔壁用ペースト上にストライプ状のマスクパターンを形成し、エッチング液でマスクパターンの開口を介して露出された隔壁用ペーストをエッチングして除去した後、焼成することにより隔壁を成形する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような従来の隔壁形成方法において、上記サンドブラスト法は、設備投資の費用が嵩むこと、工程が複雑であること、また、上記下部基板に大きな物理的衝撃が加わるため、焼成時に隔壁に亀裂が発生する虞があるという問題がある。
【0013】
また、上記スクリーン印刷法は、1回の印刷により得られる隔壁の高さに限界があり、所望の高さの隔壁を形成するためには印刷工程を何度も繰り返し実行しなければならないこと、また、その都度スクリーンと下部基板とのアライメント、印刷及び乾燥からなる手順をふまなければならず工程が複雑になるという問題がある。
【0014】
そして、上記フォトエッチング法は、所望の高さの隔壁を成形するためには、上記隔壁用ペーストの塗布を数回繰返して行なわなければならず工程が長くなること、また、エッチング時に隔壁の側面部がオーバーエッチング(over etching)されることから構造的及び機械的に安定した形状の隔壁を得ることが難しく放電空間を高精度に形成することが困難であるという問題がある。
【0015】
即ち、従来の隔壁形成方法においては、いずれも工程が複雑で、且つ隔壁形成に要する時間が長いため、表示パネルの製造コストが高くなるという問題があった。また、構造的及び機械的に安定した所望の形状の隔壁を形成することが困難であるという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、このような問題に対処し、隔壁の形成工程を簡単にし、且つ構造的及び機械的に安定した所望の形状の隔壁形成を可能にするプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、第1の発明によるプラズマ表示パネルの隔壁用スラリーは、ガラス粉末及び充填剤粉末の混合物を100重量部と、溶媒を20〜50重量部と、分散剤を0.01〜2重量部と、可塑剤を1〜10重量部と、結合剤を10〜20重量部だけ配合したものである。
【0018】
また、第2の発明によるプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシートは、ベースフィルムの一面にガラス粉末、充填剤粉末、溶媒、分散剤、可塑剤、及び結合剤を配合した第1スラリーをコートして形成された第1膜形成材料層と、上記第1膜形成材料層の一面にガラス粉末、充填剤粉末、溶剤、分散剤、可塑剤、及び結合剤を配合した第2スラリーをコートして形成され、上記第1膜形成材料層とはエッチング速度が異なる第2膜形成材料層と、を備えたものである。
【0019】
さらに、第3の発明によるプラズマ表示パネルの隔壁用グリーンシートは、ベースフィルムの一面に配置された第1膜形成材料層と、上記第1膜形成材料層の一面に配置され、上記第1膜形成材料層とエッチング速度が異なる第2膜形成材料層と、を備えたものである。
【0020】
そして、第4の発明によるプラズマ表示パネルの隔壁製造方法は、ベースフィルム上にガラス粉末、充填剤粉末、溶媒、分散剤、可塑剤及び結合剤を配合した第1スラリーを塗布して第1膜形成材料層を形成する段階と、上記第1膜形成材料層上にガラス粉末、充填剤粉末、溶剤、分散剤、可塑剤、及び結合剤を配合し、上記第1スラリーと密度の異なる第2スラリーを塗布して第2膜形成材料層を形成して2層からなるグリーンシートを形成する段階と、誘電体層が形成された背面基板上に上記グリーンシートを貼り付ける段階と、上記第1及び第2膜形成材料層を選択的に除去して隔壁を形成する段階と、を含むものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明のプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法によれば、隔壁の形成工程が簡単になり、放電空間を維持するのに構造的及び機械的に安定した所望の形状の隔壁を従来に比べてより容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明に係るプラズマ表示パネルの隔壁用スラリー、グリーンシート及び隔壁形成方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の隔壁形成方法を適用して製造されたプラズマ表示パネルを示す断面図である。図1に示すプラズマ表示パネル(PDP)は、前面パネル200及び背面パネル300からなる。
【0023】
PDPの前面パネル200には、ガラス基板210(以下、「上部基板」という)の下部に透明電極220、バス電極250、第1及び第2ブラックマトリックス230,240、上部誘電体層260及び保護層270が形成されている。
【0024】
透明電極220は、上部基板210の所定位置にストライプ状に形成されており、放電セルから放出される光を透過させるために透明な導電膜であるインジウムスズ酸化物(以下、「ITO」という)で形成される。
【0025】
バス電極250は、透明電極220上に該透明電極220の長手方向に沿って形成され、透明電極220のライン抵抗を減少させるためのものである。そして、このバス電極250は、導電性の高い銀(Ag)ペーストで形成される。このように、バス電極250は、導電性の高い物質で形成されるため、導電性の低い透明電極220の駆動電圧を減少させることができる。
【0026】
第1ブラックマトリックス230は、透明電極220とバス電極250と間に非常に薄く形成されて、透明電極220とバス電極250との間の導通を確保すると共に、上記PDPのコントラストを向上させる役割を果たしている。
【0027】
第2ブラックマトリックス240は、上部基板210の透明電極220を形成した面にて隣接する放電セル間に対応した部分に形成されており、外光及び放電セル内部から放射する光の一部を吸収することにより、コントラストを向上させることができるようになっている。このように、第2ブラックマトリックス240は、放電セル間を区分する役割も果たしている。
【0028】
上部誘電体層260は、金属物質からなるバス電極250と直接接する層であり、バス電極250との化学反応を避けるために軟化点の高いPbO系のガラスを使用する。このような上部誘電体層260は、放電電流を制限してグロー放電を保持し、プラズマ放電時に発生した電荷を蓄積する。
【0029】
保護膜270は、プラズマ放電時のスパッタリングによる上部誘電体層260の損傷を防止すると同時に、2次電子の放出効率を上げるためのものであり、酸化マグネシウム(MgO)で形成される。
【0030】
PDPの背面パネル300には、ガラス基板310(以下、「下部基板」という)の上部にアドレス電極320、下部誘電体層330、隔壁340及び蛍光層350が形成されている。
【0031】
アドレス電極320は、各放電セルの中央に配置されており、70〜80μm程度の線幅を有している。
【0032】
下部誘電体層330は、アドレス電極320を覆って下部基板310の全面に形成されて、アドレス電極320を保護するようになっている。
【0033】
隔壁340は、下部誘電体層330の上部に位置し、アドレス電極320から所定距離離隔されて形成され、垂直方向に延びて隣接する放電セルを隔てる壁である。この隔壁340は、放電距離を保持し、隣接する放電セル間の電気的、光学的干渉を防止するために必要である。
【0034】
また、隔壁340は、下部隔壁344と上部隔壁342とからなる複層構造を有しており、その断面形状は上部隔壁342と下部隔壁344との幅が略同じ長方形状となっている。又は、隔壁340の断面形状は、上部隔壁342の幅が下部隔壁344の幅より狭い台形状であってもよい。
【0035】
蛍光層350は、両隔壁340の側面及び下部誘電体層330上部に形成されている。この蛍光層350は、プラズマ放電時に発生した紫外線によって励起されて赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれか一つの可視光線を発生するものである。
【0036】
以下、上記PDPの発光動作を詳述する。
透明電極220とバス電極250との間に電圧マージン範囲にある一定の電圧がかかった状態で、アドレス電極320にプラズマを生成するのに十分な大きさの電圧がかかると、透明電極220とバス電極250との間にプラズマが形成される。気体には、ある程度の自由電子が存在するが、電場がかかれば、その自由電子は力(F=qE)を受けることになる。
【0037】
この力を受けた自由電子が不活性気体等の最外郭電子の1個を取り去るだけのエネルギーを得ると(第1イオン化エネルギー)、気体をイオン化することができる。ここで発生したイオンと電子は、電磁場の力を受けて両電極側に移動する。特に、イオンが保護層270にぶつかると、保護層270では二次電子が発生するが、この二次電子がプラズマの形成を促進することになる。従って、初期放電を開始させるためには、高い電圧が必要だが、一旦、放電を開始すると、電子密度が増加するので低い電圧で放電が維持されるようになる。
【0038】
上記PDPの放電セル中に充填される気体は、主にNe、Xe、He等の不活性気体であるが、特に、Xeが準安定状態で出す147nmと173nmの波長の紫外線を蛍光層350に付与して赤色、緑色又は青色の可視光線が発生されるようにしている。したがって、各放電セルの蛍光層350を塗り分けることにより、各放電セルは、赤色、緑色、青色をそれぞれ表示するピクセルになる。
【0039】
各放電セルのRGB値の組合せで色合いの調節が行われる。上記PDPの場合は、プラズマが発生する時間を調節して色合いを制御している。上記各放電セルで発生した可視光線は上部基板210を透過して外部に発散する。
【0040】
以下、PDPの背面パネル300の製造方法において、特に、隔壁340の組成物及び隔壁の形成方法を詳述する。
図2は、本発明による隔壁用グリーンシートを示す断面図である。このグリーンシート100は、PDPの隔壁340を形成するために使用されるシートである。グリーンシート100は、隔壁340となるスラリーをベースフィルム110上に塗布し、これを乾燥することによって形成され、第1及び第2膜形成材料層120,130を積層して備えている。第2膜形成材料層130の表面には保護フィルム140が設けられている。そして、このベースフィルム110及び保護フィルム140は、第1及び第2膜形成材料層120,130と容易に剥離できるようになっている。
【0041】
ベースフィルム110は、耐熱性及び耐溶剤性を有すると共に、可撓性を有する樹脂フィルムのものが好ましい。ベースフィルム110が可撓性を有することによって、例えばダイコート方式によりベースフィルム110上にスラリーを塗布して膜厚が均一な第1及び第2膜形成材料層120,130を形成することができ、また、第1及び第2膜形成材料層120,130をロール状に巻いて保存することができる。
【0042】
第1及び第2膜形成材料層120,130は、焼成することによって隔壁340になる層である。また、第1及び第2膜形成材料層120,130を形成するためにベースフィルム110上に塗布される上記スラリーは、ガラス粉末、充填剤粉末、溶媒、分散剤、可塑剤及び結合剤を配合したものである。さらに、上記スラリーには、レベリング特性及びコート特性を向上させるために添加剤を配合するとよい。
【0043】
上記スラリーは、ガラス粉末及び充填剤粉末の混合物を100重量部、溶媒を20〜50重量部、分散剤を0.01〜2重量部、可塑剤を1〜10重量部及び結合剤を10〜20重量部だけ配合したものである。また、上記スラリーは、0.01〜0.5重量部の添加剤をさらに配合してもよい。
【0044】
上記ガラス粉末は、PbO系ガラス粉末、ZnO系ガラス粉末又はこれらの混合物であってもよい。好ましくは、上記ガラス粉末は、PbO−B−SiO系ガラス粉末、PbO−B−SiO−Al系ガラス粉末、ZnO−B−SiO系ガラス粉末、PbO−ZnO−B−SiO系ガラス粉末又はこれらの混合物である。
【0045】
上記充填剤粉末は、Al、ZnO及びTiOよりなる群から選択された一つ以上の物質からなる。
【0046】
上記溶媒は、メチルエチルケトン、エタノール、キシレン、トルエン、アセトン、トリクロロエタン、ブタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、エチルアセテート(EA)、ブチルアセテート、シクロヘキサノン、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選択された一つ以上の物質からなる。
【0047】
上記分散剤は、ポリアミンアミド系、燐酸エステル系、ポリイソブチレン、オレイン酸、ステアリン酸、漁油、ポリカルボン酸のアンモニウム塩及びナトリウムカルボキシメチル(sodium carboxymethyl)よりなる群から選択された一つ以上の物質からなる。
【0048】
上記可塑剤は、フタレート系、グリコール系及びアゼライン系よりなる群から選択された一つ以上の物質からなる。
【0049】
上記結合剤は、セルロース系、ビニル系、メタアクリル系及びアクリル系よりなる群から選択された一つ以上の物質からなる。
【0050】
このようにして、第1及び第2膜形成材料層120,130を形成するためのスラリーが得られる。しかし、上記スラリーは、ベースフィルム110に塗布された際、第1膜形成材料層120を形成するための第1スラリーと第2膜形成材料層130を形成するための第2スラリーとが互いに混合されてはならない。そこで、第1膜形成材料層120を形成するための上記第1スラリーの粘度は、第2膜形成材料層130を形成するための上記第2スラリーの粘度より高くする。これは、粘度が異なる場合には、上記第1及び第2スラリーの流動特性が同一ではなくなり、コーティング時に両スラリーが混合されないからである。この場合、第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130との粘度差は、100cps〜5000cpsになるように設計する。
【0051】
また、第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130との間に0.01g/cm〜1.0g/cmの密度差が存在するように設計する。
【0052】
また、第1及び第2膜形成材料層120,130のレオロジー(Rheology)特性は、チクソ指数TIが1〜3の間が適当である。
【0053】
以下、上記スラリーを用いて形成されたグリーンシート100の実施例を詳述する。
第1膜形成材料層120の第1スラリーは、71.1重量部のガラス粉末と28.9重量部の充填剤粉末からなる混合物を100重量部配合し、分散剤を1重量部、結合剤を13重量部、溶媒を36重量部、及び可塑剤を5重量部配合し、添加剤としてレベリング剤を0.025重量部及び消泡剤を0.025重量部配合している。
【0054】
第2膜形成材料層130の第2スラリーは、73.3重量部のガラス粉末と26.7重量部の充填剤粉末からなる混合物を100重量部配合し、分散剤を1重量部、結合剤を15重量部、溶媒を37重量部、及び可塑剤を6重量部含み、添加剤としてレベリング剤を0.025重量部及び消泡剤を0.025重量部配合している。
【0055】
上記組成比において、第1スラリーは粘度が2500cps、TIが2.0であり、第2スラリーは粘度が2000cps、TIが2.5であった。従って、第1スラリーと第2スラリーとは、粘度が異なるためベースフィルム上に重ねて塗布されても混合しない。
【0056】
また、第1膜形成材料層120と第2膜形成材料層130とのエッチング速度について、同じエッチング条件の下で調べると、第1膜形成材料層120は第2膜形成材料層130よりエッチング速度が遅かった。また、本発明の発明者らは、上記エッチング速度の差は、第1スラリー及び第2スラリー間のガラス粉末と充填剤の混合比の差によって発生することを見出した。
【0057】
以下、第1膜形成材料層120及び第2膜形成材料層130を重ねてコートしてグリーンシート100を形成する方法について詳述する。
図3(a)〜(c)は本発明による隔壁用グリーンシートの形成方法の第1の実施形態を示す断面図であり、図4(a)〜(c)は本発明による隔壁用グリーンシートの形成方法の第2の実施形態を示す断面図、図5(a)〜(c)は本発明による隔壁用グリーンシートの形成方法の第3の実施形態を示す断面図、図6(a)及び(b)は本発明による隔壁用グリーンシートの形成方法の第4の実施形態を示す断面図である。
【0058】
まず、本発明の第1の実施形態に係る隔壁用グリーンシート100の製造方法を詳述する。
図3(a)に示すように、ベースフィルム110上に第1スラリー122を一定量供給した状態で、該ベースフィルム110をコンマ形状のナイフ150の下側を所定の間隔を保って一定の速度で通過させる。これにより、上記第1スラリー122がナイフ150によってベースフィルム110上に塗布され、所定の厚みの第1膜形成材料層120が形成される。
【0059】
続いて、図3(b)に示すように、第1膜形成材料層120が形成されたベースフィルム110上に第2スラリー132を供給した状態で、該ベースフィルム110をコンマ形状のナイフ150の下側を所定の間隔を保って一定の速度で通過させる。これにより、上記第2スラリー132がナイフ150によって第1膜形成材料層120上に塗布され、所定の厚みの第2膜形成材料層130が形成される。
【0060】
次に、図3(c)に示すように、第2膜形成材料層130上を保護フィルム140で覆うことによってグリーンシート100が形成される。
【0061】
このように、上記第1の実施形態によれば、第1及び第2膜形成材料層120,130はそれぞれコンマ(Comma)コート方式により形成することができる。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態に係る隔壁用グリーンシート100の製造方法を詳述する。但し、本実施形態においては、第1膜形成材料層はダイコート方式で、第2膜形成材料層はコンマコート方式で形成される。
まず、図4(a)に示すように、図示省略のポンプに接続されたスロット(slot)形態のコータ部152内に第1スラリー122を注入し、該コータ部152の先端部に対して外周面を所定距離隔てて対向配置されたローラ154に長尺のベースフィルム110を巻きつける。次に、ローラ154を回転させてベースフィルム110を一定速度で供給しながらコータ部152を動作させて第1スラリー122をベースフィルム110上に吐出する。これにより、ベースフィルム110上に所定の厚みの第1膜形成材料層が形成される。
【0063】
続いて、図4(b)に示すように、第1膜形成材料層120が形成されたベースフィルム110上に第2スラリー132を一定量供給した状態で、該ベースフィルム110をコンマ形状のナイフ15の下側を所定の間隔を保って一定の速度で通過させる。これにより、上記第2スラリー132がナイフ150によって第1膜形成材料層120上に塗布され、所定の厚みの第2膜形成材料層130が形成される。
【0064】
次に、図4(c)に示すように、第2膜形成材料層130上を保護フィルム140で覆うことによってグリーンシート100が形成される。
【0065】
このように、上記第2の実施形態によれば、第1膜形成材料層120はダイ(Die)コート方式により、第2膜形成材料層130はコンマコート方式により形成することができる。なお、第1膜形成材料層120をコンマコート方式により、第2膜形成材料層130をダイコート方式により形成してもよい。
【0066】
次に、本発明の第3の実施形態に係る隔壁用グリーンシート100の製造方法を詳述する。但し、本実施形態においては、第1及び第2膜形成材料層はそれぞれダイコート方式で形成される。
【0067】
まず、図5(a)に示すように、スロット(slot)形態のコータ部152内に第1スラリー122を注入し、該コータ部152の先端部に対して外周面を所定距離隔てて対向配置されたローラ154に長尺のベースフィルム110を巻きつける。次に、ローラ154を回転させてベースフィルム110を一定速度で供給しながらコータ部152を動作させてベースフィルム110上に第1スラリー122を吐出する。これにより、ベースフィルム110上に所定の厚みの第1膜形成材料層120が形成される。
【0068】
次に、図5(b)に示すように、スロット形態のコータ部152内に第2スラリー132を注入し、ローラ154に第1膜形成材料層120がコーティングされたベースフィルム110を巻きつける。その後、ローラ154を回転させてベースフィルム110を一定速度で供給しながらコータ部152を動作させて第1膜形成材料層120上に第2スラリー132を吐出する。これにより、第1膜形成材料層120上に所定の厚みの第2膜形成材料層130が形成される。
【0069】
続いて、図5(c)に示すように、第2膜形成材料層130上を保護フィルム140で覆うことによってグリーンシート100が形成される。
このように、上記第3の実施形態によれば、第1及び第2膜形成材料層120,130をそれぞれダイコート方式により形成することができる。
【0070】
次に、本発明の第4の実施形態に係る隔壁用グリーンシート100の製造方法を詳述する。但し、本実施形態においては、第1及び第2膜形成材料層はデュアルダイコート方式で形成される。
図6(a)に示すように、二つのスロットが形成されたコータ部156内に第1及び第2スラリー122,132を注入し、該コータ部156の先端部に対して外周面を所定距離隔てて対向配置されたローラ154に長尺のベースフィルム110を巻きつける。次に、ローラ154を回転させてベースフィルム110を一定速度で供給しながらコータ部156を動作させてベースフィルム110上に第1及び第2スラリー122,132を同時に吐出する。これにより、ベースフィルム110上に所定の厚みの第1及び第2膜形成材料層120,130が同時に形成される。
【0071】
続いて、図6(b)に示すように、第2膜形成材料層130上を保護フィルム140で覆うことによってグリーンシート100が形成される。
このように、上記第4の実施形態によれば、第1及び第2膜形成材料層120,130をデュアルダイ(Dual Die)コート方式により形成することができる。なお、グリーンシート100の製造方法は、上述した各コート方式によりスラリーを塗布して形成するものに限定されず、例えばグラビア(gravure)印刷、L.P(Lacquer Powder)などによるコート方式で形成してもよい。
【0072】
以下、上記グリーンシート100を用いてプラズマ表示パネルの隔壁を形成する方法について詳述する。図7〜図9は図1に示すプラズマ表示パネルの背面基板の隔壁を形成する方法を示す断面図である。
図7(a)に示すように、グリーンシート100がアドレス電極320及び下部誘電体層330を形成した下部基板310の表面に貼り付けられる。この場合、アドレス電極320及び下部誘電体層330は、下部基板310上にスパッタリング、イオンメッキ、化学蒸着及び電着などの工程を経て事前に形成されている。
【0073】
ここで、上記グリーンシート100の具体的な貼り付け手順は、先ず、第2膜形成材料層130の表面から保護フィルム140を剥離した後、下部基板310表面に第2膜形成材料層130の表面をその一端部から他端部に向かって順次密着させてグリーンシート100を重ね合わせる。この時、グリーンシート100を重ね合わせる方向は、アドレス電極320の長手方向と交差する方向であるのが好ましい。
【0074】
次に、図7(a)に示すように、グリーンシート100上に加熱されたローラ500を圧接して同図に示す矢印方向に移動し、図7(b)に示すように、下部基板310上に第1及び第2膜形成材料層120,130を熱圧着する。
【0075】
続いて、図8(c)に示すように、第1膜形成材料層120からベースフィルム110を剥離除去する。その後、第1及び第2膜形成材料層120,130が貼り付けられた下部基板310を500℃以上の温度で熱処理して上記第1及び第2膜形成材料層120,130を焼結する。
【0076】
次に、図8(d)に示すように、下部基板310に貼り付けられた第1及び第2膜形成材料層120,130上に所定の開口が形成されたマスク400を配置する。マスク400は、隔壁340を形成しようとする部分以外の部分に対応して開口を形成したものであり、例えばフォトレジストを露光して形成したものである。
【0077】
続いて、マスク400を配置した下部基板310は、エッチング液中に浸漬されエッチング処理される。このとき、マスク400の開口に対応した第1及び第2膜形成材料層120,130の部分は、エッチング液に溶解して除去され、図9(e)に示すように、上部隔壁342及び下部隔壁344からなる隔壁340が成形される。
【0078】
このようなエッチング工程において、第1膜形成材料層120及び第2膜形成材料層130のエッチング速度は、ガラス粉末と充填剤の混合比の違いによって異なる。従って、第2形成材料層130よりも第1膜形成材料層120の側面が多くエッチングされないように、第1膜形成材料層120及び第2膜形成材料層130のガラス粉末と充填剤の混合比を調整する。これにより、構造的にも機械的にも安定した長方形または台形の断面形状を有する隔壁を得ることができる。
【0079】
続いて、図9(f)に示すように、隔壁340で区画されたセルの内側に蛍光体物質を塗布して蛍光層350を形成する。
【0080】
以上で説明した本発明は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明に対する通常の知識を有した当業者であるならば、本発明の思想と範囲内で様々な修正、変更、付加が可能である。従って、このような修正、変更及び付加は本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の隔壁形成方法を適用して製造されたプラズマ表示パネルを示す断面図である。
【図2】本発明による隔壁用グリーンシートの一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明による隔壁用グリーンシートの製造方法の第1の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明による隔壁用グリーンシートの製造方法の第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明隔壁用グリーンシートの製造方法の第3の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明による隔壁用グリーンシートの製造方法の第4の実施形態を示す断面図である。
【図7】図2の隔壁用グリーンシートを使用して行なうプラズマ表示パネルの隔壁形成方法において、隔壁用グリーンシートの貼付工程を示す断面図である。
【図8】図2の隔壁用グリーンシートを使用して行なうプラズマ表示パネルの隔壁形成方法において、隔壁用グリーンシートのエッチング工程を示す断面図である。
【図9】図2の隔壁用グリーンシートを使用して行なうプラズマ表示パネルの隔壁形成方法において、セル内壁への蛍光体物質の塗布工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0082】
100 グリーンシート
110 ベースフィルム
120 第1膜形成材料層
130 第2膜形成材料層
140 保護フィルム




 

 


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