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発明の名称 被加工物保持方法およびエッチング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−165743(P2007−165743A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−362783(P2005−362783)
出願日 平成17年12月16日(2005.12.16)
代理人 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
発明者 藤澤 晋一
要約 課題
保持テープと保持手段との密着力をより向上させることの可能な被加工物保持方法を提供する。

解決手段
表面に保護テープが貼り付けられた被加工物の裏面を,処理ガスの雰囲気下においてエッチングするエッチング装置における被加工物保持方法であって,被加工物をエッチングする前に,保持手段と連通する真空吸引手段により,被加工物を保持手段に吸引保持してS130,エッチング装置のチャンバ内の圧力を,被加工物をエッチングするときのチャンバ内の圧力より高圧にしてS150,被加工物をチャンバ内に設けられた保持手段により静電吸着するS170。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に保護テープが貼り付けられた被加工物の裏面を,処理ガスの雰囲気下においてエッチングするエッチング装置における被加工物保持方法であって:
前記被加工物をエッチングする前に,
前記保持手段と連通する真空吸引手段により,前記被加工物を前記保持手段に吸引保持して,
前記エッチング装置のチャンバ内の圧力を,前記被加工物をエッチングするときの前記チャンバ内の圧力より高圧にして,前記被加工物を前記チャンバ内に設けられた保持手段により静電吸着することを特徴とする,被加工物保持方法。
【請求項2】
前記被加工物をエッチングするときの前記チャンバ内の圧力は,500Paであることを特徴とする,請求項1に記載の被加工物保持方法。
【請求項3】
表面に保護テープが貼り付けられた被加工物の裏面を,エッチング装置のチャンバ内でエッチングするエッチング方法であって:
前記被加工物を保持手段により静電吸着する吸着工程と;
前記吸着工程において前記保持手段に保持された前記被加工物を,処理ガスの雰囲気下においてエッチングするエッチング工程と;
を含み,
前記吸着工程は,
前記被加工物を前記チャンバ内の前記保持手段により真空吸着して,前記チャンバ内からガスを排気するガス排気手段により,前記チャンバ内を減圧する段階と;
前記チャンバ内にガスを供給するガス供給手段により,前記チャンバ内に第1のガスを供給して,前記チャンバ内の圧力を,前記被加工物をエッチングするときの前記チャンバ内の圧力より高圧とする段階と;
前記保持手段に電圧を印加して,前記被加工物を前記保持手段に静電吸着する段階と;
を含み,
前記エッチング工程は,
前記ガス排気手段により前記チャンバ内の前記第1のガスを排出しながら,前記ガス供給手段により前記チャンバ内に第2のガスを供給する段階と;
前記被加工物をエッチングする段階と;
を含むことを特徴とする,エッチング方法。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,被加工物保持方法に関し,より詳細には,被加工物の裏面をエッチングするエッチング装置の被加工物保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,半導体装置の薄型化の要請に応えるため,半導体ウェハの回路形成面の裏面をグラインダー等によって機械研削して,半導体ウェハを薄くすることがなされている。このような半導体ウェハの裏面研削加工では,回路形成面を保護するとともに,脆化した半導体ウェハを補強して破損を防止するために,回路形成面に保護テープが貼り付けられる。
【0003】
ところで,上記裏面研削加工により,半導体ウェハの裏面には,機械研削により発生したマイクロクラック等を含むストレス層が形成されてしまう。かかるストレス層による半導体ウェハの強度低下を防止するため,裏面研削加工後に,エッチング装置を用いて半導体ウェハの裏面をプラズマエッチング処理して,上記ストレス層を除去する。
【0004】
プラズマエッチング処理では,処理対象の半導体ウェハは保持手段により保持されている。この際,回路形成面保護のため,半導体ウェハは回路形成面側に保護テープが貼り付けられた状態で,被処理面である裏面を上向きにして保持手段上に載置される。かかるプラズマエッチング処理における半導体ウェハの保持手法としては,一般的に静電チャックを用いた静電吸着が採用されている。
【0005】
静電吸着は,静電チャックに直流電圧を印加し,静電チャック上に載置された半導体ウェハを半導体(例えば,シリコン等)と静電チャックの静電吸着面との間に作用するクーロン力およびジャンセン・ラーベック力によって保持するものである。なお,半導体ウェハの保持手法としては,真空チャックを用いた真空吸着も知られている。しかし,プラズマエッチング処理では,密封されたチャンバ内がほぼ真空状態となり,真空吸着作用が働かないため,真空吸着のみでは半導体ウェハを安定して保持することができない。
【0006】
また,半導体ウェハの回路形成面に貼り付けられる保護テープは,一般的に,PET等の樹脂で形成されているため,例えば約100℃で溶融する。しかし,プラズマエッチング処理では,チャンバ内の温度が例えば約300℃まで上昇するので,保護テープが過熱により溶融し,変質してしまうことになる。このように,保護テープが溶融・変質すると,保護テープを半導体ウェハから剥離することが困難となり,生産性が著しく低下する。
【0007】
このため,半導体ウェハに貼り付けられた保護テープを冷却するために,静電チャック等の保持手段に冷却機構を設ける必要がある。例えば,特許文献1には,保護テープを冷却するために,保持手段の内部に冷却水等の冷媒を循環させるための流路が形成されたエッチング装置が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−268720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが,上記のように,保持手段の内部の流路を流れる冷媒により保護テープを冷却する際,保護テープと保持手段の表面とが密着していなければ,保持手段側に効率よく熱伝達されないため,保護テープを冷却させることができない。したがって,保護テープと保持手段とを密着させて固定することが必要である。かかる問題を解決するために,真空吸引手段により保護テープを吸引して,保護テープと保持手段との密着力を向上させた後に,半導体ウェハを静電吸着により保持手段に保持させている。しかし,このように保持テープと保持手段との密着力を向上させたとしても,保護テープが溶融してしまうという問題は完全に解決されず,より高い冷却効果が求められている。
【0010】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,保持テープと保持手段との密着力をより向上させることの可能な,新規かつ改良された被加工物保持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,表面に保護テープが貼り付けられた被加工物の裏面を,処理ガスの雰囲気下においてエッチングするエッチング装置における被加工物保持方法が提供される。かかる被加工物保持方法では,被加工物をエッチングする前に,保持手段と連通する真空吸引手段により,被加工物を保持手段に吸引保持し,エッチング装置のチャンバ内の圧力を,被加工物をエッチングするときのチャンバ内の圧力より高圧にして,被加工物をチャンバ内に設けられた保持手段により静電吸着することを特徴とする。
【0012】
かかる方法によれば,被加工物をエッチングする前に,エッチング装置のチャンバ内の圧力を,エッチングするときのチャンバ内の圧力より高圧にすることにより,被加工物を保持手段側へ押し付ける力が強くなる。これにより,保護テープと保持手段との間の隙間をなくすことができ,さらに,かかる圧力により保護テープが薄くなり,保護テープと保持手段とにそれぞれ発生する電荷の位置を近づけることができるので,被加工物を保持手段に静電吸着させたときに保持テープと保持手段との密着力が向上する。しがたって,冷却された保持手段と,保護テープおよび被加工物との間での熱伝達が効率よくなされるので,保護テープが溶融しない。
【0013】
ここで,被加工物をエッチングするときのチャンバ内の圧力は,例えば,約500Paである。
【0014】
また,本発明の他の観点によれば,表面に保護テープが貼り付けられた被加工物の裏面を,エッチング装置のチャンバ内でエッチングするエッチング方法が提供される。かかるエッチング方法は,被加工物を保持手段により静電吸着する吸着工程と,吸着工程において保持手段に保持された被加工物を,処理ガスの雰囲気下においてエッチングするエッチング工程とを含む。吸着工程は,被加工物をチャンバ内の保持手段により真空吸着して,チャンバ内からガスを排気するガス排気手段により,チャンバ内を減圧する段階と,チャンバ内にガスを供給するガス供給手段により,チャンバ内に第1のガスを供給して,チャンバ内の圧力を,被加工物をエッチングするときのチャンバ内の圧力より高圧とする段階と,保持手段に電圧を印加して,被加工物を保持手段に静電吸着する段階と,を含む。また,エッチング工程は,ガス排気手段によりチャンバ内の第1のガスを排出しながら,ガス供給手段によりチャンバ内に第2のガスを供給する段階と,被加工物をエッチングする段階と,を含むことを特徴とする。
【0015】
かかる方法によれば,エッチング工程の前に,吸着工程が設けられる。かかる吸着工程では,被加工物を保持手段に強固に固定するために,チャンバ内に第1のガスを供給して,エッチングするときのチャンバ内の圧力よりも高圧したのち,被加工物を静電吸着する。このように,高圧の第1のガスの雰囲気下で被加工物を吸着することにより,被加工物をより保持手段側へより押し付けることができ,保護テープと保持手段とを密着させることができる。しがたって,冷却された保持手段と,保護テープおよび被加工物との間での熱伝達が効率よくなされるので,保護テープが溶融しない。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば,保持テープと保持手段との密着力をより向上させることの可能な被加工物保持方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかるエッチング装置について説明する。ここで,図1は,本実施形態にかかるエッチング装置10の概略構成を示す断面図である。
【0019】
図1に示すように,本実施形態にかかるエッチング装置10は,例えば,処理ガスをプラズマ化して被加工物の被処理面をエッチングする平行平板型プラズマエッチング装置として構成されている。なお,以下の説明では,エッチング装置10による被加工物として,半導体ウェハWの例を挙げて説明するが,かかる例に限定されるものではない。
【0020】
本実施形態にかかるエッチング装置10は,例えば,プラズマエッチング処理を行うための処理室を構成するチャンバ12と,チャンバ12内に略平行に対向配置された上部電極20および下部電極30と,上部電極20に処理ガスを供給するガス供給装置14と,チャンバ12内を真空排気する排気装置16と,プラズマ発生のための高周波電源41と,静電吸着のための直流電源42と,下部電極30内に設けられた冷却液流路36に冷却水を流通させて下部電極30を冷却する冷却手段50と,保護テープ31を介して下部電極30上に載置された半導体ウェハWを吸引する真空吸引手段60とを備える。以下に,かかるエッチング装置10の各部について説明する。
【0021】
チャンバ12は,例えば,略円筒形状を有する真空チャンバであり,プラズマエッチング処理を行うための処理室を構成している。このチャンバ12の内部表面は,例えば,陽極酸化処理(アルマイト処理)されたアルミニウムからなる。また,チャンバ12の一側面には,半導体ウェハWを出し入れするための密閉可能な搬入出用開口(図示せず。)が形成されている。このチャンバ12内には,上部電極20と下部電極30とが上下に対向して略平行に配設されている。
【0022】
下部電極30は,例えば,導電性材料(例えばカーボン等)で形成されたサセプタ(電極体)32と,絶縁材料で形成された絶縁層34とを備えている。サセプタ32は,例えば,断面略T字形のテーブル状に成形されており,サセプタ32の上面は例えば円形の略平坦面である。このサセプタ32は,チャンバ12に対して電気的に絶縁した状態で配設され,プラズマを発生させるための高周波電源(RF電源)41が接続されている。この高周波電源41によりサセプタ32に対し高周波電圧を印加することにより,チャンバ12内にプラズマ放電を発生させることができる。なお,本実施形態のように下部電極30のみならず,上部電極20にも別途,高周波電圧を印加するように構成してもよい。
【0023】
また,上記サセプタ32の上面には,薄い絶縁層34が配設されている。この絶縁層34上には,本実施形態にかかる被加工物である半導体ウェハWが載置される。この半導体ウェハWは,例えば,略円板形状を有する8インチのシリコンウェハ等であり,回路形成面の裏面がグラインダー等により機械研削加工されて薄型化(例えば厚さ50μm)されたものである。かかる裏面研削加工により,半導体ウェハWの裏面には,マイクロクラック等を含むストレス層が生じているので,このストレス層を除去するために,本実施形態にかかるエッチング装置10を使用して,半導体ウェハWの裏面がエッチング処理される。
【0024】
また,かかる半導体ウェハWの回路形成面(表面)側には,保護テープ31が貼り付けられている。この保護テープ31は,例えば,ポリエチレンテレフタラート(PET)等のポリエステル,ポリオレフィン,塩化ビニルなどの基材に,例えばアクリル系の粘着剤を塗布した構成である。かかる保護テープ31としては,半導体ウェハWを粘着して固定するために一般的に用いられている粘着テープ,例えば,各種のグライディングテープ,赤外線硬化型テープ,UV硬化型テープなどを使用できる。この保護テープ31を半導体ウェハWの回路形成面に貼り付けることにより,裏面研削加工時,エッチング処理時,および搬送時などにおいて,半導体ウェハWの回路形成面を保護するとともに,半導体ウェハWを補強して破損を防止することができる
【0025】
このような保護テープ31が貼り付けられた半導体ウェハWは,下部電極30の絶縁層34上に,エッチング処理の被処理面である裏面を上向きにした状態(換言すると,保護テープ31が貼り付けられた回路形成面を下向きにした状態)で載置される。よって,下部電極30と半導体ウェハWとの間には保護テープ31が介在し,保護テープ31が絶縁層34と直接的に接触している。
【0026】
また,下部電極30は,プラズマを発生させるための電極としてのみならず,本実施形態にかかる保持手段としても構成されている。即ち,下部電極30は,プラズマ発生用の下部電極と,半導体ウェハW保持用の保持手段とが一体構成された部材である。このため,下部電極30は,静電チャックとしても機能し,上記のようにして載置された半導体ウェハWを静電吸着して保持することができる。
【0027】
具体的には,下部電極30のサセプタ32は,ESC(ElectroStatic Chuck)電源である直流電源42と接続されており,かかる直流電源42からの直流電圧が印加される。これにより,絶縁層34上に載置された半導体ウェハWと導電体であるサセプタ32との間に,クーロン力およびジャンセン・ラーベックカが発生するため,静電吸着面である下部電極30の上面に対して半導体ウェハWを押し付けることができる。なお,ジャンセン・ラーベック力は,導電体(サセプタ32)を流れる直流電流が,導電体の表面に配された薄い絶縁体(絶縁層34および保護テープ31)から一瞬だけ漏れ出し再び導電体内に戻る現象(漏れ電流のループ現象)によって,絶縁体を導電体に対して引き付けるように作用する力である。
【0028】
このように,下部電極30は,直流電源42が印加されることにより,静電吸着による保持力(静電吸着力)によって,半導体ウェハWを保持する。このため,プラズマ処理時にチャンバ12内がほぼ真空になったとしても,静電チャックである下部電極30は,半導体ウェハWを好適に保持することができる。なお,かかる静電吸着力を好適に発揮させるためには,保護テープ31および絶縁層34は極力薄い方が好ましい。
【0029】
さらに,下部電極30には,真空吸引手段60と連通する吸引管が配設されており,下部電極30の絶縁層34の表面に吸引口が形成されている。これにより,下部電極30上に載置された半導体ウェハWは,下部電極30によって吸引保持することもできる。
【0030】
また,このような保持手段(静電チャック)として構成された下部電極30の内部(例えばサセプタ32の内部)には,冷却液流路(冷媒流路)である例えば冷却水流路36が形成されている。この冷却水流路36は,下部電極30のサセプタ32内を略均等に巡回するように配設されており,下部電極30を冷却するための冷却水を案内する流路である。なお,この冷却水流路36の形状,配置は,例えば,下部電極30全体を略均等に冷却できるものであれば,図示の例に限定されず,任意の形状,配置であってよい。
【0031】
この冷却水流路36は,例えば,金属材料で形成された冷却水配管52,54を介して冷却手段50と連通されている。この冷却手段50は,冷却液(冷媒)である例えば冷却水を生成し,上記冷却水流路36内に流通,循環させることにより,下部電極30を直接的に冷却し,この結果,半導体ウェハWおよび保護テープ31を間接的に冷却する。
【0032】
一方,上部電極20は,上記のような下部電極30と対向するように,チャンバ12内の上部に配設されている。かかる上部電極20は,チャンバ12に対して絶縁材(図示せず。)を介して装着されており,この上部電極20と下部電極30との間隔は調節可能である。
【0033】
かかる上部電極20は,下部電極30との対向面を成す電極板22と,この電極板22を支持する電極支持体24とから構成されている。電極板22は,例えば石英からなる略円盤状の部材であり,複数のガス噴出孔26が貫通形成されている。なお,電極板22にガス噴出孔26を設ける代わりに,微細孔を有する多孔質材料で電極板22を構成してもよい。また,電極支持体24は,例えば表面がアルマイト処理されたアルミニウムなどの導電性材料からなり,接地されている。この電極支持体24の内部には,上記複数のガス噴出孔26と連通したガス導入路28が形成されている。このガス導入路28は,ガス供給用配管13を介してガス供給装置14に接続されている。
【0034】
ガス供給装置14は,例えば,処理ガスを貯蔵するタンク,マスフローコントローラ,バルブ(いずれも図示せず。)などを備えており,プラズマエッチング処理のための処理ガスをチャンバ12内に供給する。具体的には,このガス供給装置14は,例えば,エッチング前に供給する第1のガスおよび6フッ化硫黄(SF)等のフッ素系ガスとヘリウムとの混合ガスなどの処理ガスである第2のガスを上部電極20のガス導入路28に供給する。
【0035】
一方,チャンバ12の底部には排気口15が設けられており,この排気口15は,排気管17を介して排気装置16に接続されている。この排気装置16は,排気用ドライポンプ等の真空ポンプ,排ガス処理装置(図示せず。)などを備えており,チャンバ12内を所定の減圧雰囲気まで真空引き可能に構成されている。
【0036】
以上,本実施形態にかかるエッチング装置10について説明した。次に,図2に基づいて,上記構成のエッチング装置10によりエッチング処理を行う際の動作について説明する。ここで,図2は,本実施形態にかかるエッチング方法を示すフローチャートである。
【0037】
本実施形態にかかるエッチング方法は,図2に示すように,まず被加工物である半導体ウェハWを搬入出用開口からチャンバ12内に搬入し,下部電極30の絶縁層34上に載置する(ステップS110:被加工物載置段階)。
【0038】
下部電極30の絶縁層34上に載置された半導体ウェハWは,真空吸引手段60により真空吸引されて,保持手段である下部電極30に吸引保持される(ステップS120:真空吸着段階)。チャンバ12内の下部電極30に半導体ウェハWが載置されたとき,チャンバ12内の圧力は,大気圧(約10万Pa)と略等しい。かかる状態で,半導体ウェハWを真空吸引手段60により真空吸引(約0.4Paで吸引)することにより,半導体ウェハWを強固に固定することができる。
【0039】
次いで,チャンバ12内を排気装置16により排気して,減圧する(ステップS130:減圧段階)。ステップS130では,半導体ウェハWを下部電極30により静電吸着するために,チャンバ12内の圧力を減圧し,チャンバ12内でプラズマが発生する雰囲気を形成する。チャンバ12内の圧力が減圧されていくと,下部電極30が半導体ウェハWを吸引保持する力は減少する。
【0040】
さらに,ステップS130の減圧段階により,チャンバ12内の圧力が減圧されて所定の圧力,例えば約2000Paとなると,第1のガスをガス供給装置14より供給する(ステップS140:第1のガス供給段階)。ステップS140では,半導体ウェハWを静電吸着により固定するために必要な第1のガスを,ガス供給装置14によりチャンバ12内に供給する。第1のガスは,例えば6フッ化硫黄(SF)等のフッ素系ガス約25%,ヘリウム約75%の混合ガスを用いることができる。かかる第1のガスは,チャンバ12内を高圧にして,半導体ウェハWを下部電極30に静電吸着するために用いるガスであり,エッチング処理を進行させるためのものではない。したがって,第1のガスには,チャンバ12内でプラズマを発生させることが可能な程度のフッ素系ガスが混合されていればよく,第1のガスにおいてフッ素系ガスが占める割合が大きいと,半導体ウェハWに対するエッチング処理が進行してしまうため好ましくない。
【0041】
チャンバ12内の圧力は,チャンバ12と排気装置16とを連通させる排気管17に設けられた排気量調整弁18によってチャンバ12内のガスの排気量を調整することにより変化する。そこで,ステップS140においては,第1のガスを供給しながら排気量調節弁18によりチャンバ12内のガスの排気量を減少させて,チャンバ12内の圧力を,エッチングをするときのチャンバ12内の圧力よりも高圧にする(ステップS150)。
【0042】
チャンバ12内の圧力が高圧となると,半導体ウェハWが保持手段である下部電極30側に押し付けられるので,保護テープ31と下部電極30の絶縁層34との隙間をなくすことができ,さらに,保護テープ31がチャンバ12内の圧力によって薄くされるので,保護テープ31と下部電極30それぞれに発生する電荷の位置を近づけることができる。したがって,半導体ウェハWを後の工程であるステップS170により静電吸着させたとき,保護テープ31と下部電極30との密着力を向上させることができる。このように,保護テープ31と下部電極30との密着力が高まることにより,下部電極30から高い冷却効果を得ることができるので,保護テープ31も溶解されない。
【0043】
その後,チャンバ12内の圧力が,エッチングするときのチャンバ12内の圧力よりも高い状態となると,直流電源42により下部電極30のサセプタ32に対して直流電流を印加する(ステップS160:直流電圧印加段階)。これにより,チャンバ12内にプラズマが発生される。ここで,エッチングするときのチャンバ12内の圧力が例えば約500Paであると,吸着工程におけるチャンバ12内の圧力は,約500Paより高い状態となっている。
【0044】
プラズマが発生すると,上部電極20と下部電極30とが電気的に接触するので,半導体ウェハWが下部電極30上に静電吸着される(ステップS170:静電吸着段階)。以上で,吸着工程が終了する。
【0045】
ステップS170により,半導体ウェハWが下部電極30に静電吸着され,吸着工程が終了すると,エッチング工程に移る。エッチング工程では,まず,チャンバ12内の第1のガスを排気装置16により排気しながら,ガス供給装置14によりチャンバ12内に処理ガスである第2のガスを供給する(ステップS180:第2のガス供給段階)。第2のガスは,例えば6フッ化硫黄(SF)等のフッ素系ガス約75%,ヘリウム約25%の混合ガスを用いることができる。処理ガスである第2のガスが上部電極20のガス噴出孔26から噴出されて,チャンバ12内が第2のガスの雰囲気にされる。このとき,チャンバ12内の圧力は,約500Paとすることができる。エッチング処理は,上述の吸着工程における高圧のガスの雰囲気下で行ったとすると,エッチングの効率が著しく低下してしまう。したがって,エッチング工程においては,約500Paとそれほど高い圧力でなない雰囲気下を形成し,エッチング処理するのが望ましい。
【0046】
次いで,ステップS180により形成された第2のガスの雰囲気下において,高周波電源41を動作させて,下部電極30のサセプタ32に高周波電圧を印加することにより,上部電極20と下部電極30との間の空間にプラズマ放電を発生させて処理ガスをプラズマ化し,かかるプラズマを,下部電極30により静電吸着された半導体ウェハWの裏面に対して作用させる(ステップS190:エッチング段階)。これにより,半導体ウェハWの裏面がプラズマエッチング処理されて,上記ストレス層が除去される。
【0047】
かかるプラズマエッチング処理の際には,冷却手段50を動作させて,下部電極30の冷却液流路36内に,冷却水を所定流量で流通,循環させる。これにより,高温のプラズマによって加熱された下部電極30が冷却される。このように,保持手段である下部電極30を冷却することにより,冷却された下部電極30と,加熱された保護テープ31および半導体ウェハWとの間で熱伝達が生じ,この結果,保護テープ31および半導体ウェハWを冷却することができる。本実施形態では,吸着工程において,チャンバ12内の圧力を,エッチングをするときのチャンバ12内の圧力よりも高圧にして,半導体ウェハWを下部電極30側に密着させているので,下部電極30と保護テープ31および半導体ウェハWとの間で熱伝達しやすい。したがって,保護テープ31および半導体ウェハWが効率よく冷却され,保護テープ31がプラズマの熱によって過熱されて溶融・変質してしまうことを防止できる。
【0048】
以上,本実施形態にかかるエッチング方法について説明した。次に,半導体ウェハWを本実施形態にかかる被加工物保持方法により保持させたときの吸着力を検証するために,以下の実験を行った,その結果を図3および表1に示す。ここで,図3は,チャンバ12内の圧力と,保持手段である下部電極30と保護テープ31との密着力(ウェハチャック力)とについての関係を示すグラフである。また,表1は,チャンバ12内の圧力と,保持手段である下部電極30と保護テープ31との密着力(ウェハチャック力)とについての関係を示す表である。
【0049】
本実験では,まず,下部電極30により吸引保持された半導体ウェハWが載置された状態で,チャンバ12内の圧力を減圧した後,チャンバ12内の圧力をエッチングするときのチャンバ内の圧力よりも高圧となるように,第1のガスをガス供給装置14により供給した。かかる状態下で,直流電源42により下部電極30のサセプタ32に対して直流電流を印加するとともに上部電極20をアースして,半導体ウェハWを下部電極30により静電吸着した。このとき,チャンバ12内の圧力を変化したときのウェハチャック力の変化を,一般的な保護テープであるテープA(SB−145S)およびテープB(E−3124)の2種類のテープについて調べた。図3および表1にその結果を示す。
【0050】
なお,ガス供給装置14から供給されるガスの流量は,約1.3リットル/分とした。また,測定されたウェハチャック力は,半導体ウェハWを下部電極に静電吸着させた後,チャンバ12内を真空状態にして測定したものである。
【0051】
【表1】


【0052】
通常,エッチングするときのチャンバ12内の圧力は例えば約500Paであり,このとき,保護テープ31を下部電極30側へ吸着するウェハチャック力は約250Paであった。一方,本実施形態にかかる被加工物保持方法により,半導体ウェハWを下部電極30に静電吸着させると,図3および表1に示すように,チャンバ12内の圧力が約2000Paのとき,テープAを吸着するウェハチャック力は約801Pa,テープBを吸着するウェハチャック力は約767Paとなった。
【0053】
また,ウェハチャック力は,チャンバ12内の圧力が約2000Paであるときをピークに,チャンバ12内の圧力が高くなるにつれてウェハチャック力が低下する。これは,チャンバ12内の圧力を約2000Pa以上とすると静電吸着における電荷の発生が減少してしまうため,ウェハチャック力が低下するためと推測される。したがって,チャンバ12内の圧力を約2000Pa以上にすると,チャンバ12内の圧力が高くなるにつれてウェハチャック力が低下するが,図3および表1に示すようにウェハチャック力は500Paよりも高い。したがって,チャンバ12内の圧力を500Paより高圧として半導体ウェハWを下部電極30に静電吸着すれば,従来よりもウェハチャック力を大きくすることができると考えられる。
【0054】
本実験では,異なる2種類の保護テープについて実験したが,各保護テープの実験結果は,チャンバ12内の圧力変化に対するウェハチャック力の変化,最大ウェハチャック力の大きさ等,略同様の結果となっている。したがって,一般的に使用される保護テープであれば,同様の結果が得られると考えられ,エッチングするときのチャンバ12内の圧力より高圧とした雰囲気下において半導体ウェハWを静電吸着することにより,高いウェハチャック力で保護テープ31と下部電極30とを密着させることが可能となる。
【0055】
以上,第1の実施形態にかかる被加工物保持方法について説明した。かかる方法によれば,半導体ウェハWをエッチングする前に,チャンバ12内の圧力をエッチングするときの圧力よりも高圧としてから半導体ウェハWを下部電極30に静電吸着することを特徴とする。これにより,半導体ウェハWが下部電極30側へ押し付けられて,保護テープ31と下部電極30との隙間がなくなり,保護テープ31と下部電極30とにそれぞれ発生する電荷の位置を近づけることができるので,下部電極30が半導体ウェハWを静電保持したときの密着力が向上する。したがって,保護テープ31および半導体ウェハWと,冷却された下部電極30との熱伝達が効率よく行われ,保護テープ31が溶解することを防止することができる。
【0056】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば,上記実施形態において,第1のガスおよび第2のガスは,6フッ化硫黄(SF)等のフッ素系ガスとヘリウムの混合ガスであったが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,フッ素系ガスと代替して不活性ガスなどのプラズマを発生するガスが含まれていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は,被加工物保持方法に適用可能であり,特に,被加工物の裏面をエッチングするエッチング装置の被加工物保持方法に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるエッチング装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】同実施形態にかかるエッチング方法を示すフローチャートである。
【図3】チャンバ内の圧力と,保持手段である下部電極と保護テープとの密着力とについての関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0060】
10 エッチング装置
14 ガス供給装置
16 排気装置
18 排気量調整弁
20 上部電極
30 下部電極(保持手段)
31 保護テープ
32 サセプタ
34 絶縁層
36 冷却水流路
50 冷却手段
60 真空吸引手段
W 半導体ウェハ




 

 


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