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発明の名称 加工装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−158152(P2007−158152A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−353148(P2005−353148)
出願日 平成17年12月7日(2005.12.7)
代理人 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
発明者 三谷 貢一
要約 課題
チップ間隔を精度よく拡張して維持することの可能な加工装置を提供する。

解決手段
レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層13が内部に形成された被加工物を,保持テープ11を介してフレーム12に保持された状態でチップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置1が提供される。被加工物の分割予定ラインに沿って外力を加えることにより,被加工物をチップ状に分割するブレーキング手段6と,ブレーキング手段6により分割された被加工物を保持する保持テープ11を伸張させることにより,当該被加工物のチップ間隔を拡張するチップ間隔拡張手段7とを備えることを特徴とする。これにより,ブレーキング手段6により被加工物を完全にチップ状に分割した後にチップ間隔拡張手段7によりチップ間隔を拡張させるので,保持テープ11の伸張による引っ張り力が被加工物に十分に伝達し,精度よくチップ間隔を拡張させることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された被加工物を,保持テープを介してフレームに保持された状態でチップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置において:
前記被加工物の前記分割予定ラインに沿って外力を加えることにより,前記被加工物をチップ状に分割するブレーキング手段と;
前記ブレーキング手段により分割された前記被加工物を保持する前記保持テープを伸張させることにより,当該被加工物のチップ間隔を拡張するチップ間隔拡張手段と;
を備えることを特徴とする,加工装置。
【請求項2】
前記被加工物に接着フィルムが貼り付けられ,さらに前記接着フィルムに前記保持テープが貼り付けられている場合には,
前記被加工物に貼り付けられた前記接着フィルムを伸張させることにより,前記接着フィルムを分断させる接着フィルム分断手段をさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された被加工物を,保持テープを介してフレームに保持された状態でチップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置において:
前記被加工物を収容するカセットから搬送された前記被加工物の位置を基準位置に合わせる位置合わせ手段と;
前記位置合わせ手段から搬送された前記被加工物に対して,前記被加工物の前記分割予定ラインに沿って外力を加えることにより,前記被加工物をチップ状に分割するブレーキング手段と;
前記ブレーキング手段により分割された前記被加工物を保持する前記保持テープを伸張させることにより,当該被加工物のチップ間隔を拡張するチップ間隔拡張手段と;
を備え,
前記カセットと前記位置合わせ手段とを結ぶ第1ラインと,前記位置合わせ手段と前記ブレーキング手段とを結ぶ第2ラインとが略直交するように,前記カセット,前記位置合わせ手段および前記ブレーキング手段が配置され,
前記位置合わせ手段の下方には,前記チップ間隔拡張手段が配置されることを特徴とする,加工装置。
【請求項4】
前記被加工物に接着フィルムが貼り付けられ,さらに前記接着フィルムに前記保持テープが貼り付けられている場合には,
前記被加工物に貼り付けられた前記接着フィルムを伸張させることにより,前記接着フィルムを分断させる接着フィルム分断手段をさらに備え,
前記フィルム分断手段は,前記第1ライン上に前記位置合わせ手段と隣接して配置されることを特徴とする,請求項3に記載のチップ間隔拡張装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,被加工物の加工装置に関し,より詳細には,被加工物のチップ間隔を拡張させる加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程において,略円板形状である半導体ウェハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインにより複数の領域が区画され,この区画された領域に,IC,LSI等の回路が形成される。そして,半導体ウェハをストリートに沿って切断することにより,回路が形成された領域を分割して個々の半導体チップが製造される。また,サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウェハも所定のストリートに沿って切断することにより個々の発光ダイオード,レーザダイオード等の光デバイスに分割され,電気機器に広く利用されている。
【0003】
上述した半導体ウェハや光デバイスウェハ等のストリートに沿った切断は,通常,ダイサーと称される切削装置によって行われている。この切削装置は,半導体ウェハや光デバイスウェハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと,チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と,チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動させる切削送り手段とを具備している。
【0004】
切削手段は,回転スピンドルと,回転スピンドルに装着された切削ブレードと,回転スピンドルを回転駆動する駆動機構とを有している。切削ブレードは,円盤状の基台と,基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなり,切れ刃は,例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって基台に固定されて,厚さ約20μmに形成されている。
【0005】
しかし,サファイヤ基板,炭素珪素基板等はモース高度が高いため,切削ブレードによる切断は必ずしも容易ではない。さらに,切削ブレードは,約20μmの厚さを有するため,デバイスを区画するストリートとして約50μmの幅を要する。このため,例えば300μm×300μmのデバイスの場合には,ストリートがデバイス全体に占める面積比率が約14%にもなり,生産性が悪いという問題がある。
【0006】
一方,近年,半導体ウェハ等の板状の被加工物を分割する方法として,その被加工物に対して透過性を有するパルスレーザー光を用いて,被加工物の分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光を照射するレーザー加工方法も試みられている。レーザー加工方法を用いた分割方法では,例えば特許文献1のように,被加工物の一方の面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して,透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光を照射して,被加工物の内部にストリートに沿って連続的に変質層を形成する。この変質層が形成されることによって強度が低下したストリートに沿って外力を加え,被加工物を分割する。
【0007】
このように,ストリートに沿って連続的に形成された変質層に対して外力を付与し,半導体ウェハを個々のチップに分割する方法として,本願出願人は,半導体ウェハが貼着された保持テープを伸張して半導体ウェハに引っ張り力を付与することにより半導体ウェハを個々のチップに分割する方法を提案した(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特許第3408805号公報
【特許文献2】特開2005−129607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし,被加工物の分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光を照射するレーザー加工方法を用いて半導体ウェハを分割したとき,半導体ウェハがすべてのストリートに沿って分割されていない場合がある。このため,半導体ウェハが貼着された保持テープを伸張して半導体ウェハに引っ張り力を付与したとしても,半導体ウェハの全領域,特に中心領域まで引っ張り力が十分に伝達されないという問題があった。また,半導体ウェハを分割して形成されたチップの間隔を拡張するためのチップ間隔拡散装置は,レーザー切削装置等の切削装置の付属的な装置であるため,省スペース化が要求され,その配置や構成を工夫する必要があった。
【0010】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,チップ間隔を精度よく拡張して維持することの可能な,新規かつ改良された加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された被加工物を,保持テープを介してフレームに保持された状態でチップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置が提供される。被加工物の分割予定ラインに沿って外力を加えることにより,被加工物をチップ状に分割するブレーキング手段と,ブレーキング手段により分割された被加工物を保持する保持テープを伸張させることにより,当該被加工物のチップ間隔を拡張するチップ間隔拡張手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
かかる加工装置では,レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された状態であって,完全に分割されていないストリートが残る被加工物に対して,まずブレーキング手段により,各ストリートに対して外力を加える。これにより,被加工物が完全にチップ状に分割される。その後,チップ間隔拡張手段により保持テープを伸張するので,保持テープが伸張することによる被加工物への引っ張り力が十分に伝達され,精度よくチップ間隔を拡張させることができる。
【0013】
ここで,被加工物に,接着フィルムを貼り付けて,さらに接着フィルムに保持テープを貼り付けてもよい。この場合,本発明にかかる加工装置は,被加工物に貼り付けられた接着フィルムを伸張させることにより,接着フィルムを分断させる接着フィルム分断手段をさらに備える。接着フィルムは,例えば積層チップの加工に用いられるフィルムであり,レーザー光によっては切断されない。そこで,接着フィルムが貼り付けられた被加工物を加工する際には,接着フィルムをチップ形状に合わせて分断するために,加工装置に接着フィルム分断手段を設けてもよい。
【0014】
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された被加工物を,保持テープを介してフレームに保持された状態でチップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置が提供される。被加工物を収容するカセットから搬送された被加工物の位置を基準位置に合わせる位置合わせ手段と,位置合わせ手段から搬送された被加工物に対して,被加工物の分割予定ラインに沿って外力を加えることにより,被加工物をチップ状に分割するブレーキング手段と,ブレーキング手段により分割された被加工物を保持する保持テープを伸張させることにより,当該被加工物のチップ間隔を拡張するチップ間隔拡張手段と,を備えることを特徴とする。ここで,カセットと位置合わせ手段とを結ぶ第1ラインと,位置合わせ手段とブレーキング手段とを結ぶ第2ラインとが略直交するように,カセット,位置合わせ手段およびブレーキング手段を配置させ,位置合わせ手段の下方に,チップ間隔拡張手段を配置させてもよい。
【0015】
かかる加工装置では,レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された状態であって,完全に分割されていないストリートが残る被加工物に対して,まずブレーキング手段により,各ストリートに対して外力を加える。これにより,被加工物が完全にチップ状に分割される。その後,チップ間隔拡張手段により保持テープを伸張するので,保持テープが伸張することによる被加工物への引っ張り力が十分に伝達させるので,精度よくチップ間隔を拡張させることができる。さらに,加工装置を上記構成とすることにより,省スペース化を実現することができる。
【0016】
ここで,被加工物に,接着フィルムを貼り付けて,さらに接着フィルムに保持テープを貼り付けてもよい。この場合,本発明にかかる加工装置は,被加工物に貼り付けられた接着フィルムを伸張させることにより,接着フィルムを分断させる接着フィルム分断手段をさらに備える。接着フィルム分断手段を設けることにより,レーザー光では分断されなかった接着フィルムを分断することができる。かかる接着フィルム分断手段は,例えば,第1ライン上に位置合わせ手段と隣接して配置させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば,チップ間隔を精度よく拡張して維持することの可能な加工装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の加工装置の第1の実施形態であるチップ間隔拡張装置1について説明する。ここで,図1は,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1を示す全体斜視図である。
【0020】
本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1は,図1に示すように,例えば,カセット駆動手段2と,第1の搬送手段3と,第2の搬送手段4と,第3の搬送手段5と,ブレーキング手段6と,エキスパンド手段7と,接着フィルム分断手段8とを備える。
【0021】
チップ間隔拡張装置1は,例えば,被加工物の内部にパルスレーザー光の集光点を合わせて照射させることによって被加工物の内部に連続的に変質層が形成された被加工物を,チップ状に分割してチップ間隔を拡張する加工装置である。被加工物は,例えば略円板形状のウェハWであり,図1に示すように,かかるウェハWは,保持テープ11を介して例えば環状のフレーム12に保持されている。ウェハWの表面にはストリートと呼ばれる分割予定ラインが格子状に配列されており,かかるストリートに沿ってウェハWを分割することにより,複数のチップが形成される。ウェハWは,カセット10に収容されて,チップ間隔拡張装置1のカセット載置台21に載置される。なお,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1では,その内部にレーザー光によって変質層が形成されたウェハWが加工対象であるため,カセット10に収容されたウェハWはレーザー光によって変質層が形成されたものである。
【0022】
カセット駆動手段2は,カセット10を載置して上下方向(Z方向)に移動させる手段であり,例えば,カセット10が載置されるカセット載置台21と,カセット載置台21を上下方向に駆動させる駆動手段23とを有する。駆動手段23は,カセット載置台21に載置されたカセット10をZ方向に移動させて,後述する第1の搬送手段3により搬送するウェハWの収容された位置を,ウェハ取り出し位置に合わせる。
【0023】
第1の搬送手段3は,カセット10とウェハWが位置合わせされる基準位置との間でウェハWを搬送する搬送手段であり,例えば,L字形状に形成された一対の第1のガイドレール31と,ウェハWを保持する保持部(図示せず。)と,保持部をY方向に移動させる駆動部(図示せず。)とを有する。第1のガイドレール31は,Y方向に延設されており,それぞれX方向に移動可能である。保持部は,例えばウェハWを掴むことができるような爪形状に形成されており,駆動部によりY方向に移動される。また,第1のガイドレール31は,ウェハWの位置合わせを行う位置合わせ手段も兼ねており,例えばウェハWを第1のガイドレール31で挟むことによって,ウェハWの位置を,後述する第2の搬送手段4によってウェハWを保持する位置(以下,「基準位置」とする。)に位置合わせすることができる。
【0024】
第2の搬送手段4は,ウェハWを上下方向(Z方向)に移動させ,また,基準位置とブレーキング手段6との間でウェハWを移動させることも可能な搬送手段である。第2の搬送手段4は,例えば,ウェハWを吸着保持するウェハ保持部41と,ウェハ保持部41を支持する支持部43と,支持部43を移動させる駆動部(図示せず。)とを有する。ウェハ保持部41は,例えば吸引源(図示せず。)と連通する吸着パッド(図示せず。)を備えており,吸着パッドをウェハWに接触させて吸引することにより,ウェハWを保持することができる。駆動部は,例えばZ方向に駆動させるためのZ軸駆動部と,X方向に移動させるためのX軸駆動部とを備えており,支持部43および支持部43に支持されたウェハ保持部41をZ方向およびX方向に移動させる。さらに,第2の搬送手段4は,θ軸に回転することができ,例えば後述するブレーキング手段6におけるウェハWの角度調整を行うことも可能である。
【0025】
第3の搬送手段5は,基準位置とブレーキング手段6との間でウェハWを移動させる搬送手段である。第3の搬送手段5は,例えば鉛直方向(Z方向)に延びる押圧部材55と,押圧部材55を移動させる駆動部(図示せず。)とを有する。押圧部材55の端部によって一対の第2のガイドレール51に支持されたウェハWを押圧し,ウェハWをブレーキング手段6側へ移動させる。
【0026】
ブレーキング手段6は,レーザー光照射により内部にストリートに沿って変質層が形成されたウェハWを,完全にチップ状に分割するための分割手段である。ウェハWは,レーザー加工によりチップ状に分割されるが,すべてのストリートに沿って分割されていない場合がある。ブレーキング手段6は,すべてのストリートにおいて完全に分割されるように,各ストリートに沿って外力を加える。なお,ブレーキング手段6の構成については後述する。
【0027】
エキスパンド手段7は,ブレーキング手段6によって完全にチップ状に分割されたウェハWのチップ間隔を拡張するためのチップ間隔拡張手段である。エキスパンド手段7は,例えばウェハWが貼り付けられた保持テープ11を伸張させることにより,チップ間隔を拡張させることができる。かかるエキスパンド手段7の構成については後述する。
【0028】
接着フィルム分断手段8は,接着フィルム分断手段8は,接着フィルムが貼り付けられたウェハWのチップ間隔をエキスパンド手段7によって拡張させる前に,接着フィルムを分断するために用いられる分断手段である。したがって,接着フィルムが貼り付けられていないウェハWを加工する場合には,チップ間隔拡張装置1に接着フィルム分断手段8を設けなくともよい。かかる接着フィルム分断手段8の構成については後述する。
【0029】
以上,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1の全体構成について説明した。次に,本実施形態にかかるブレーキング手段6,エキスパンド手段7および接着フィルム分断手段8について説明する。
【0030】
まず,図2および図3に基づいて,本実施形態にかかるブレーキング手段6の構成について説明する。ここで,図2は,本実施形態にかかるブレーキング手段6の概略を示す斜視図である。また,図3は,本実施形態にかかるブレーキング手段6によるウェハWの分割方法について説明するための説明図であり,(a)は,ウェハ分割前を示し,(b)は,ウェハ分割後を示す。
【0031】
本実施形態にかかるブレーキング手段6は,例えば,Y方向に並んで2つの分割手段60を備えている。各分割手段60は,例えば,ウェハWに接触して吸着保持する吸着保持部61と,ウェハWのストリートの位置を確認するための撮像部63とを有する。吸着保持部61は,X方向に延びる2つの吸着パッド61a,61bから構成されており,2つ折にすることができる。撮像部63は,ウェハWを撮像する例えばCCDカメラであり,ウェハWのストリートと吸着保持部61による分割方向とにずれが生じていないかを確認するために用いられる。
【0032】
ブレーキング手段6によりウェハWを分割する方法としては,例えば図3(a)に示すように,まず,レーザー光により内部に変質層13が形成されたウェハWのストリートと,一対の吸着保持部61による分割方向とを合わせ,吸着保持部61によりウェハWを吸着保持する。次いで,図3(b)に示すように,吸着保持部61を2つ折(例えば,山折り)にしてウェハWに対して外力を加える。これにより,ウェハW内部に変質層13が形成されたが完全には分割しきれていなかった部分も,完全に分割される。このようにして,全てのストリートに対して順次外力を加えることによって,ウェハWを完全にチップ状に分割することができる。
【0033】
以上,本実施形態にかかるブレーキング手段6の構成について説明した。次に,図4Aおよび図4Bに基づいて,本実施形態にかかるエキスパンド手段7の構成について説明する。ここで,図4Aは,本実施形態にかかるエキスパンド手段7の動作を説明するための説明図であり,(a)は,エキスパンド手段7にウェハWが載置された状態を示し,(b)は,保持テープ11が伸張された状態を示す。また,図4Bは,本実施形態にかかるエキスパンド手段7の動作を説明するための説明図であり,(c)は,保持テープ11の弛み部分11aを収縮させる工程を示し,(d)は,ウェハWのチップ間隔が拡張された状態を示す。
【0034】
本実施形態にかかるエキスパンド手段7は,図4A(a)に示すように,例えば,テーブル71と,ウェハWを載置する吸着部73と,フレーム12を保持するフレーム保持部75と,加熱部77とを有する。テーブル71は,吸着部73を支持する支持台であり,昇降可能に形成されている。吸着部73は,ウェハW部分が載置される部分であり,ウェハWを吸着保持することが可能である。フレーム保持部75は,フレーム12を保持する保持部である。加熱部77は,保持テープ11を収縮させるための熱を発生する熱源である。熱源は,例えば熱風を噴射する熱風源や,ヒータ加熱板等を用いることができる。
【0035】
次に,かかるエキスパンド手段7によるエキスパンド工程について説明する。まず,図4A(a)に示すように,フレーム保持部75上にフレーム12が載置されるように,ウェハWが吸着部73上に載置される。このとき,吸着部73は,ウェハWを吸着保持していない。一方,フレーム12は,フレーム保持部75により吸着保持される。なお,フレーム12は,吸着保持により固定する他,例えば固定具(図示せず。)を用いてフレーム保持部75に固定してもよい。
【0036】
次いで,図4A(b)に示すように,テーブル71を上昇させて,保持テープ11を伸張させる。保持テープ11の伸張により生じる引っ張り力によって,ウェハWのチップ間隔が拡張される。この状態で,吸着部73によりチップ状に分割されたウェハWを吸着保持し,チップ間隔が拡張した状態を保持する。その後,テーブル71を加工させて,ウェハWを元の位置(図4A(a)の位置)に移動させる。
【0037】
ここで,保持テープ11を伸張させた後,ウェハWを元の位置に戻すため,保持テープ11が吸着部73に固定された部分とフレーム12との間の保持テープ11には,弛み部分11aが生じる。そこで,図4B(c)に示すように,保持テープ11の弛み部分11aを加熱部77により加熱して,保持テープ11を収縮させる。こうして保持テープ11の弛みを除去することができる。その後,吸着部73によるウェハWの吸着を解除すると,図4B(d)に示すように,チップ間隔が拡張されたウェハWが保持テープ11上に保持されることになる。
【0038】
以上,本実施形態にかかるエキスパンド手段7の構成について説明した。次に,本実施形態にかかる接着フィルム分断手段8について説明する。
【0039】
接着フィルム分断手段8は,上述したように,ウェハWがフレーム12に装着された保持テープ11上に接着フィルムを介して貼り付けられている場合,エキスパンド手段7によりチップ間隔を拡張する前に,接着フィルムをチップ形状に合わせて分断するための分断手段である。ここで,接着フィルムは,例えばダイアタッチフィルム(Die Attach Film;DAF)であり,接着フィルムを伸張させる力が加えられると,チップの形状に合わせて分断される特殊なフィルムである。接着フィルムは,レーザー光の照射によっては分断されないため,かかる接着フィルム分断手段8が必要となる。
【0040】
接着フィルム分断手段8は,例えば,カセット10と基準位置とを結ぶ第1ラインの延長上に,基準位置とY負方向に隣接して配置することができる。接着フィルム分断手段8の内部は,約5〜−25℃に冷却されている。接着フィルムを分断する分断工程は,上述したエキスパンド手段7と同様であり,ウェハWの下側のテーブルを押し上げることにより接着フィルムを拡張させて引き千切る。このとき,テーブルの上昇速度は例えば約500mm/secであり,エキスパンド工程におけるテーブルの上昇速度と比較して速い。その後,テーブルを下降してウェハWを元の位置に戻す。このようにして,接着フィルムを分断することができる。
【0041】
以上,本実施形態にかかる接着フィルム分断手段8の構成について説明した。
【0042】
次に,図5A〜図5Fに基づいて,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1により加工されるウェハWの動きについて説明する。ここで,図5Aは,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1において,カセット10から基準位置までのウェハWの移動を示す説明図である。また,図5Bは,基準位置からブレーキング手段6までのウェハWの移動を示す説明図である。さらに,図5Cは,ブレーキング手段6から基準位置までのウェハWの移動を示す説明図である。そして,図5Dは,基準位置と接着フィルム分断手段8との間のウェハWの移動を示す説明図である。また,図5Eは,ウェハWのエキスパンド手段7への移動を示す説明図である。そして,図5Fは,エキスパンド手段7からカセット10までのウェハWの移動を示す説明図である。なお,以下では,ウェハWに接着フィルムが貼り付けられているものとして説明する。
【0043】
まず,図5Aに示すように,チップ間隔拡張装置1のカセット載置台21には,複数のウェハWが収容されたカセット10が載置される。かかるカセット10から第1の搬送手段3によって1枚のウェハWが取り出され,第1のガイドレール31に沿ってウェハWの位置合わせを行う位置に移動させる(矢印A1)。位置合わせを行う位置に移動されたウェハWは,位置合わせ手段でもある第1のガイドレール31によって挟まれて基準位置35に合わせられる。位置合わせされたウェハWは,第2の搬送手段4により吸着保持されて,上方に移動される(矢印A2)。
【0044】
次いで,図5Bに示すように,第2の搬送手段4に上方に移動されたウェハWは,第1のガイドレール31の上方に設けられた第2のガイドレール51上に載置される(矢印A3)。第2のガイドレール51はY方向に移動可能であり,上述したウェハWの位置合わせ後にウェハWを第2の搬送手段4により持ち上げる際には,第2のガイドレール51はウェハWが可能な間隔に開かれている。第2の搬送手段4によって吸着されたウェハWが持ち上げられ,第2のガイドレール51を通過すると,第2のガイドレール51はその間隔を狭めてウェハWが載置できる幅に閉じられる。
【0045】
第2のガイドレール51に載置されたウェハWは,第3の搬送手段5により押圧されて,第2のガイドレール51,第3のガイドレール53に沿ってブレーキング手段6まで移動される(矢印A4)。第3のガイドレール53は,ブレーキング手段6の上方に設けられており,第2のガイドレール51と同様,Y方向に移動可能である。ウェハWをブレーキング手段6へ移動させる際には,第3のガイドレール53は,ウェハWが載置された第2のガイドレール51と略同一の幅に設定されて,第2のガイドレール51と連結するように設けられる。これにより,ウェハWを,第2のガイドレール51から第3のガイドレール53を経て,ブレーキング手段6に移動させることができる。
【0046】
ブレーキング手段6では,上述したように,第3のガイドレール53に保持されたウェハWに対して当該ウェハWの表面側にあるストリートに沿って外力を加えて,分割されていないストリートがないようにウェハWを完全にチップ状に分割する。
【0047】
すなわち,ブレーキング工程では,まず,撮像部63によってウェハWの表面を撮像し,ストリートの位置を確認する。吸着保持部61による分割方向に対してストリートの方向にずれが生じていた場合には,ウェハWを第2の搬送手段4によって保持して上方へ移動させて,ウェハWを回転させてずれを補正した後,再度第3のガイドレール53上に載置する。そして,撮像部63によって,ストリートの位置にずれがないことを確認する。次いで,吸着保持部61をストリートの直下に位置するように移動させてウェハWを吸着保持した後,吸着保持部61の2つの吸着パッド61a,61bを2つ折にしてウェハWに外力を加える。このようにして,第1の方向のストリートに対して外力を加え,ウェハWを完全に分割する。
【0048】
さらに,第1の方向に直交する第2の方向のストリートに対してブレーキングを行うために,第2の搬送手段4によりウェハWを保持して上方に移動させて,ウェハWを90°回転させる。その後,ウェハWを再度第3のガイドレール53上に載置して,第2の方向のストリートに対しても第1の方向のストリートと同様に,撮像部63によりストリートの位置を確認した後,ブレーキングを行う。こうして,ウェハWを完全にチップ状に分割することができる。
【0049】
ブレーキング手段6によって分割処理されたウェハWは,図5Cに示すように,第2の搬送手段4に保持されて上方に移動された後,X正方向に移動され(矢印A5),基準位置35の第1のガイドレール31上に載置される(矢印A6)。この際,第2のガイドレール51はウェハWが通過可能な間隔に開かれている。
【0050】
さらに,図5Dに示すように,第1のガイドレール31に載置されたウェハWは,例えば第1の搬送手段3によって,基準位置35から接着フィルム分断手段8へ移動される(矢印A7)。ウェハWは,接着フィルム分断手段8により当該ウェハWに接着された接着フィルムが分断されると,再び第1の搬送手段3によって基準位置35に移動される(矢印A8)。その後,ウェハWは,第2搬送手段4によって吸着保持されて上方へ移動され(矢印A9),エキスパンド手段7に移動される。この際,第2のガイドレール51および第1のガイドレール31は,ウェハWが通過可能な間隔にそれぞれ開かれる。
【0051】
その後,図5Eに示すように,第2の搬送手段によりエキスパンド手段7に移動されたウェハWは(矢印A10),上述したエキスパンド工程によりチップ間隔が拡張される。エキスパンド工程が終了すると,第2の搬送手段4により,吸着保持されて上方へ移動される(矢印A11)。ウェハWが上方へ移動されると,第1のガイドレール31は,ウェハWを載置可能な間隔に閉じられる。
【0052】
第2の搬送手段4により移動されたウェハWは,図5Fに示すように,第1のガイドレール31上に載置される(矢印A12)。そして,第1のガイドレール31上に載置されたウェハWは,第1の搬送手段3によりカセット10へ収容される(矢印A13)。
【0053】
以上,本実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1の動作について説明した。チップ間隔拡張装置1では,このようにしてウェハWのチップ間隔を広げることができる。
【0054】
なお,ウェハWに接着フィルムが貼り付けられていない場合には,接着フィルム分断手段8による接着フィルムの分断工程を省略できる。したがって,図5Cにおいて,ブレーキング手段6よるブレーキング工程を終えたウェハWは,第2の搬送手段4により吸着保持されて基準位置35の上方まで移動させた後(矢印A5),第2のガイドレール51および第1のガイドレール31を通過してエキスパンド手段7上に載置される(図5Eの矢印A10)。そして,エキスパンド工程によりウェハWのチップ間隔を拡張させればよい。
【0055】
また,エキスパンド手段7の下側には,例えば紫外線ユニット(図示せず。)を配置することもできる。これは,紫外線ユニットにより保持テープ11に対して紫外線を照射することにより,保持テープ11を硬化させることを目的とする。例えば,ブレーキング手段6によるブレーキング工程の前や,エキスパンド手段7によるエキスパンド工程の前に保持テープ11を硬化させて,チップを保持テープ11から剥がれやすくする。これにより,保持テープ11からチップに与えられる力が弱くなり,ウェハWをチップ状に分割するときに生じるチッピングを低減させることができる。したがって,チップの損傷を低減させることができるので,チップの質が向上し,生産性を向上させることができる。
【0056】
以上,第1の実施形態にかかるチップ間隔拡張装置1について説明した。かかるチップ間隔拡張装置1は,ブレーキング手段6とエキスパンド手段7とを備え,レーザー光照射により分割予定ラインに沿った変質層が内部に形成された被加工物を,保持テープ11を介してフレーム12に保持された状態でブレーキング手段6によりチップ状に完全に分割した後,エキスパンド手段7によりチップ間隔を拡張する。したがって,チップ間隔を拡張させる際にウェハWの全領域まで引っ張り力が十分に伝達され,チップ間隔を精度よく拡張させることが可能となる。また,ブレーキング手段6とエキスパンド手段7と備え,上述したような配置や構成とすることにより,省スペース化を実現することができる。
【0057】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば,上記実施形態では,ウェハWを基準位置35からブレーキング手段6に移動させる際には,第3の搬送手段5を用いたが,本発明はかかる例に限定されず,第2の搬送手段4を用いてもよい。すなわち,第1のガイドレール31上に載置されたウェハWを第2の搬送手段4により吸着保持して上方へ移動させた後,そのままX負方向へ移動させて,第3のガイドレール53上に載置させることもできる。
【0059】
また,上記実施形態では,本実施形態にかかるブレーキング手段6は,2つの分割手段60を備えているが,本発明はかかる例に限定されず,1つであってもよい。また,ブレーキング手段6によりウェハWに対して外力を加える際,吸着保持部61を山折りにして外力を加えたが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,谷折りにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は,被加工物の加工装置に適用可能であり,特に,被加工物のチップ間隔を拡張させる加工装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施形態にかかる加工装置を示す全体斜視図である。
【図2】同実施形態にかかるブレーキング手段の概略を示す斜視図である。
【図3】同実施形態にかかるブレーキング手段によるウェハの分割方法について説明するための説明図であり,(a)は,ウェハ分割前を示し,(b)は,ウェハ分割後を示す。
【図4A】同実施形態にかかるエキスパンド手段の動作を説明するための説明図であり,(a)は,エキスパンド手段にウェハが載置された状態を示し,(b)は,保持テープが伸張された状態を示す。
【図4B】同実施形態にかかるエキスパンド手段の動作を説明するための説明図であり,(c)は,保持テープの弛み部分を収縮させる工程を示し,(d)は,ウェハのチップ間隔が拡張された状態を示す。
【図5A】同実施形態にかかる加工装置において,カセットから基準位置までのウェハの移動を示す説明図である。
【図5B】同実施形態にかかる加工装置において,基準位置からブレーキング手段までのウェハの移動を示す説明図である。
【図5C】同実施形態にかかる加工装置においてブレーキング手段から基準位置までのウェハの移動を示す説明図である。
【図5D】同実施形態にかかる加工装置において,基準位置と接着フィルム分断手段との間のウェハの移動を示す説明図である。
【図5E】同実施形態にかかる加工装置において,ウェハのエキスパンド手段への移動を示す説明図である。
【図5F】同実施形態にかかる加工装置において,エキスパンド手段からカセットまでのウェハの移動を示す説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1 チップ間隔拡張装置
10 カセット
11 保持テープ
12 フレーム
2 カセット駆動手段
3 第1の搬送手段
31 第1のガイドレール
35 基準位置
4 第2の搬送手段
5 第3の搬送手段
51 第2のガイドレール
53 第3のガイドレール
6 ブレーキング手段
60 分割手段
61a,61b 吸着パッド
61 吸着保持部
7 エキスパンド手段
8 接着フィルム分断手段
81 第4のガイドレール
W ウェハ
C チップ




 

 


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