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発明の名称 ウエーハの分割方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−157887(P2007−157887A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−348957(P2005−348957)
出願日 平成17年12月2日(2005.12.2)
代理人 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
発明者 中村 勝
要約 課題
個々に分割されたチップを所定の間隔を設けて保持することができるとともに、チップの裏面に粘着糊が付着することなくピックアップすることができるウエーハを製造する方法を提供する。

解決手段
レーザー光線を分割予定ラインに沿って照射しウエーハの内部に変質層を形成する変質層形成工程と、紫外線を照射することによって粘着力が低下する粘着糊が表面に塗布されているともに加熱によって収縮する粘着テープの表面にウエーハの裏面を貼着するウエーハ支持工程と、ウエーハに外力を付与し分割予定ラインに沿ってウエーハを破断するウエーハ破断工程と、粘着テープに紫外線を照射して粘着糊の粘着力を低下せしめる粘着力低下工程と、粘着テープを拡張してチップ間の間隔を広げるチップ間隔形成工程と、粘着テープおけるフレームの内周とウエーハが貼着された領域との間の収縮領域を加熱してチップ間の間隔を保持するチップ間隔保持工程とを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、
ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を該分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
該変質層形成工程を実施した後に、環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって粘着力が低下する粘着糊が表面に塗布されているともに加熱によって収縮する粘着テープの表面にウエーハの裏面を貼着するウエーハ支持工程と、
該粘着テープに貼着されたウエーハに外力を付与し、該変質層が形成された該分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のチップに破断するウエーハ破断工程と、
該ウエーハ破断工程を実施する前または後にウエーハが貼着されている該粘着テープに紫外線を照射して該粘着糊の粘着力を低下せしめる粘着力低下工程と、
該粘着テープを拡張して該チップ間の間隔を広げるチップ間隔形成工程と、
該粘着テープおける該環状のフレームの内周とウエーハが貼着された領域との間の収縮領域を加熱して収縮せしめることにより該チップ間の間隔を保持するチップ間隔保持工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも所定の分割予定ラインに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
【0003】
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の分割予定ラインに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって行われている。この切削装置は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードおよび回転スピンドルを回転駆動する駆動機構を含んでいる。切削ブレードは円盤状の基台と該基台の側面外周部に装着された環状の切れ刃からなっており、切れ刃は例えば粒径3μm程度のダイヤモンド砥粒を電鋳によって基台に固定し厚さ20μm程度に形成されている。
【0004】
しかるに、サファイヤ基板、炭化珪素基板等はモース硬度が高いため、上記切削ブレードによる切断は必ずしも容易ではない。更に、切削ブレードは20μm程度の厚さを有するため、デバイスを区画する分割予定ラインとしては幅が50μm程度必要となる。このため、例えば大きさが300μm×300μm程度のデバイスの場合には、ストリートの占める面積比率が14%にもなり、生産性が悪いという問題がある。
【0005】
一方、近年半導体ウエーハ等の板状の被加工物を分割する方法として、その被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、被加工物の一方の面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光線を照射し、被加工物の内部に分割予定ラインに沿って変質層を連続的に形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下した分割予定ラインに沿って外力を加えることにより、被加工物を分割するものである。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許第3408805号公報
【0006】
半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って分割する際には、個々に分割されたチップがバラバラにならないように、半導体ウエーハは環状のフレームに装着された粘着テープの表面に貼着された状態で分割される。しかるに、上記公報に開示された分割方法によってウエーハを分割すると、分割されたチップ間には隙間がなくチップ同士が密着しているため、ウエーハを搬送する際に隣接するチップ同士が擦れあってチップが損傷するという問題がある。
【0007】
このような問題を解消するために本出願人は、環状のフレームに装着され外的刺激によって収縮する粘着テープの表面に上述した変質層が形成されたウエーハを貼着し、該ウエーハを変質層が形成された分割予定ラインに沿って分割した後、粘着テープにおける環状のフレームの内周とウエーハが貼着された領域との間の収縮領域に外的刺激を付与し、該収縮領域を収縮せしめることによりチップ間の間隔を広げるようにしたウエーハの分割方法を特願2004−300384号として提案した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
而して、粘着テープからチップをピックアップしてダイボンディングする際には粘着テープに紫外線を照射して粘着力を低下させ、その後粘着テープからチップをピックアップしているが、粘着テープの粘着糊の一部がチップの裏面に付着してチップの品質を低下させるという問題がある。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割し、個々に分割されたチップを所定の間隔を設けて保持することができるとともに、チップの裏面に粘着糊が付着することなくピックアップすることができるウエーハの分割方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、該分割予定ラインに沿って個々のチップに分割するウエーハの分割方法であって、
ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を該分割予定ラインに沿って照射し、ウエーハの内部に該分割予定ラインに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
該変質層形成工程を実施した後に、環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって粘着力が低下する粘着糊が表面に塗布されているともに加熱によって収縮する粘着テープの表面にウエーハの裏面を貼着するウエーハ支持工程と、
該粘着テープに貼着されたウエーハに外力を付与し、該変質層が形成された該分割予定ラインに沿ってウエーハを個々のチップに破断するウエーハ破断工程と、
該ウエーハ破断工程を実施する前または後にウエーハが貼着されている該粘着テープに紫外線を照射して該粘着糊の粘着力を低下せしめる粘着力低下工程と、
該粘着テープを拡張して該チップ間の間隔を広げるチップ間隔形成工程と、
該粘着テープおける該環状のフレームの内周とウエーハが貼着された領域との間の収縮領域を加熱して収縮せしめることにより該チップ間の間隔を保持するチップ間隔保持工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるウエーハの分割方法においては、チップ間隔形成工程を実施する前にウエーハが貼着されている粘着テープに紫外線を照射して粘着糊の粘着力を低下せしめる粘着力低下工程を実施するので、粘着テープの表面に塗布されている粘着糊が硬化するため、半導体チップの裏面に粘着糊が付着することはなく、チップの品質を低下させることがない。そして、粘着テープの表面に塗布されている粘着糊は粘着力低下工程を実施することにより粘着力が低下せしめられているので、個々のチップを容易にピックアップすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明によるウエーハの分割方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明によるウエーハの分割方法に従って分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚さが300μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aには複数の分割予定ライン21が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ2の表面2aには、複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。以下、この半導体ウエーハ2を個々の半導体チップに分割するウエーハの分割方法について説明する。
【0014】
上述した半導体ウエーハ2の表面2aには、図2に示すように保護部材3を貼着する(保護部材貼着工程)。
【0015】
保護部材貼着工程を実施することにより半導体ウエーハ2の表面2aに保護部材3を貼着したならば、シリコンウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線を半導体ウエーハ2の裏面側から分割予定ライン21に沿って照射し、半導体ウエーハ2の内部に分割予定ライン21に沿って変質層を形成することにより分割予定ラインに沿って強度を低下せしめる変質層形成工程を実施する。この変質層形成工程は、図3に示すレーザー加工装置4を用いて実施する。図3に示すレーザー加工装置4は、被加工物を保持するチャックテーブル41と、該チャックテーブル41上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段42と、チャックテーブル41上に保持された被加工物を撮像する撮像手段43を具備している。チャックテーブル41は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない移動機構によって図3において矢印Xで示す加工送り方向および矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
【0016】
上記レーザー光線照射手段42は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング421を含んでいる。ケーシング421内には図示しないYAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング421の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器422が装着されている。
【0017】
上記レーザー光線照射手段42を構成するケーシング421の先端部に装着された撮像手段43は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
【0018】
上述したレーザー加工装置4を用いて実施する変質層形成工程について、図3乃至図5を参照して説明する。
この変質層形成行程は、先ず上述した図3に示すレーザー加工装置4のチャックテーブル41上に半導体ウエーハ2の保護部材3側を載置し(従って、半導体ウエーハ2は裏面2bが上側となる)、図示しない吸引手段によってチャックテーブル41上に半導体ウエーハ2を吸着保持する。半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル41は、図示しない移動機構によって撮像手段43の直下に位置付けられる。
【0019】
チャックテーブル41が撮像手段43の直下に位置付けられると、撮像手段43および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段43および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段42の集光器422との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交して延びる分割予定ライン21に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。このとき、半導体ウエーハ2の分割予定ライン21が形成されている表面2aは下側に位置しているが、撮像手段43が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かして分割予定ライン21を撮像することができる。
【0020】
以上のようにしてチャックテーブル41上に保持されている半導体ウエーハ2に形成されている分割予定ライン21を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図4の(a)で示すようにチャックテーブル41をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段42の集光器422が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン21の一端(図4の(a)において左端)をレーザー光線照射手段42の集光器422の直下に位置付ける。そして、集光器422からシリコンウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル41即ち半導体ウエーハ2を図4の(a)において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめる。そして、図4の(b)で示すように集光器422の照射位置が分割予定ライン21の他端の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル41即ち半導体ウエーハ2の移動を停止する。この変質層形成工程においては、パルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ2の表面2a(下面)付近に合わせることにより、表面2a(下面)に露出するとともに表面2aから内部に向けて変質層210が形成される。この変質層210は、溶融再固化層として形成される。
【0021】
上記変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :LD励起QスイッチNd:YVO4スレーザー
波長 :1064nmのパルスレーザー
パルス出力 :10μJ
集光スポット径 :φ1μm
繰り返し周波数 :100kHz
加工送り速度 :100mm/秒
【0022】
なお、半導体ウエーハ2の厚さが厚い場合には、図5に示すように集光点Pを段階的に変えて上述した変質層形成工程を複数回実行することにより、複数の変質層210を形成する。例えば、上述した加工条件においては1回に形成される変質層の厚さは約50μmであるため、上記変質層形成工程を例えば3回実施して150μmの変質層210を形成する。また、厚さが300μmのウエーハ2に対して6層の変質層を形成し、半導体ウエーハ2の内部に分割予定ライン21に沿って表面2aから裏面2bに渡って変質層を形成してもよい。また、変質層210は、表面2aおよび裏面2bに露出しないように内部だけに形成してもよい。
【0023】
以上のようにして、半導体ウエーハ2の所定方向に延在する全ての分割予定ライン21に沿って上記変質層形成工程を実行したならば、チャックテーブル41を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直角に延びる各分割予定ラインに沿って上記変質層形成工程を実行する。このようにして、半導体ウエーハ2に形成された全ての分割予定ライン21に沿って上記変質層形成工程を実行したならば、環状のフレームに装着され紫外線を照射することによって粘着力が低下する粘着テープの表面にウエーハの裏面を貼着するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図6に示すように環状のフレーム5の開口51部を覆うように外周部が装着された粘着テープ50の表面に半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着する。そして、半導体ウエーハ2の表面2aに貼着されている保護部材3を剥離する。なお、粘着テープ50は、例えば厚さが70μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート基材の表面に紫外線を照射することにより硬化し粘着力が低下する粘着糊が塗布されており、常温では伸縮性を有し所定温度(例えば70度)以上の熱によって収縮する性質を有する。このような特性を有する粘着テープとしては、リンテック(株)が製造販売するDシリーズテープ、古河電気工業(株)が製造販売するUCシリーズテープ、住友ベークライト(株)が製造販売するFSL-N400シリーズテープ等を使用することができる。
【0024】
上述したウエーハ支持工程を実施したならば、粘着テープ50に貼着された半導体ウエーハ2に外力を付与し、変質層210が形成された分割予定ライン21に沿って半導体ウエーハ2を個々のチップに破断するウエーハ破断工程を実施する。このウエーハ破断工程は、図示の実施形態においては図7に示す超音波破断装置6を用いて実施する。超音波破断装置6は、円筒状のベース61と第1の超音波発振器62および第2の超音波発振器63とからなっている。超音波破断装置6を構成する円筒状のベース61は、上面に上記環状のフレーム5を載置する載置面611を備えており、この載置面611上に環状のフレーム5を載置しクランプ64によって固定する。このベース61は、図示しない移動手段によって図7において左右方向および紙面に垂直な方向に移動可能に構成されているとともに回動可能に構成されている。超音波破断装置6を構成する第1の超音波発振器62および第2の超音波発振器63は、円筒状のベース61の載置面611上に載置される環状のフレーム5に粘着テープ50を介して支持された半導体ウエーハ2の上側と下側に対向して配設されており、所定周波数の縦波(疎密波)を発生させる。
【0025】
このように構成された超音波破断装置6を用いて上記ウエーハ破断工程を実施するには、半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って変質層210が形成されている)を粘着テープ50を介して支持した環状のフレーム5を円筒状のベース61の載置面611上に粘着テープ50が装着されている側を載置し、クランプ64によって固定する。次に、図示しない移動手段によってベース61を作動し、半導体ウエーハ2に形成された所定の分割予定ライン21の一端(図7において左端)を第1の超音波発振器62および第2の超音波発振器63からの超音波が作用する位置に位置付ける。そして、第1の超音波発振器62および第2の超音波発振器63を作動しそれぞれ周波数が例えば28kHzの縦波(疎密波)を発生させるとともに、ベース61を矢印で示す方向に例えば50〜100mm/秒の送り速度で移動せしめる。この結果、第1の超音波発振器62および第2の超音波発振器63から発生された超音波が半導体ウエーハ2の分割予定ライン21に沿って表面および裏面に作用するため、半導体ウエーハ2は変質層210が形成されて強度が低下せしめられた分割予定ライン21に沿って分割される。このようにして所定の分割予定ライン21に沿ってウエーハ破断工程を実施したならば、ベース71を紙面に垂直な方向に分割予定ライン21の間隔に相当する分だけ割り出し送りし、上記ウエーハ破断工程を実施する。このようにして所定方向に延びる全ての分割予定ライン21に沿ってウエーハ破断工程を実施したならば、ベース61を90度回動し、半導体ウエーハ2に所定方向と直角な方向に形成された分割予定ライン21に対して上記ウエーハ破断工程を実施することにより、半導体ウエーハ2は個々のチップ20に分割される。なお、個々に分割されたチップは裏面が粘着テープ50に貼着されているので、バラバラにはならずウエーハの形態が維持されている。
【0026】
なお、ウエーハ破断工程は上述した破断方法の外に、次のような破断方法を用いることができる。
即ち、粘着テープ50に貼着された半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って変質層210が形成されている)を柔軟なゴムシート上に載置し、その上面をローラーによって押圧することによって、半導体ウエーハ2を変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿って割断する方法を用いることができる。また、変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿って押圧部材を作用せしめる方法、或いは変質層210が形成され強度が低下した分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射してヒートショックを与える方法等を用いることができる。
【0027】
上述したウエーハ破断工程を実施したならば、半導体ウエーハ2が貼着されている粘着テープ50に紫外線を照射して粘着力を低下せしめる粘着力低下工程を実施する。この粘着力低下工程は、図示の実施形態においては図8および図9に示す紫外線照射器7を用いて実施する。図8および図9に示す紫外線照射器7は、上方が開口した略直方体状のランプハウジング71と、該ランプハウジング71内に配設された複数本の紫外線照射ランプ72と、ランプハウジング71の上面に配設されたフレーム保持板73とからなっている。フレーム保持板73には環状のフレーム5の開口51と対応する開口731が形成されており、この開口731には透明ガラス732が嵌め込まれている。また、フレーム保持板73の上面には、環状のフレーム5の外周縁を規制するための2個の位置決め部材733、734が設けられている。
【0028】
以上のように構成された紫外線照射器7のフレーム保持板73上に半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って個々の半導体チップ20に分割されている)を粘着テープ50を介し支持している環状のフレーム5を載置する。このとき、環状のフレーム5の外周縁を2個の位置決め部材733、734に当接することにより、環状のフレーム5は所定の位置に位置付けられる。このようにして、フレーム保持板73の所定位置に位置付けられると、図9に示すようにフレーム保持板73に形成された開口731と環状のフレーム5の開口51が対応する。そして、紫外線照射ランプ72を点灯する。紫外線照射ランプ72の点灯により、透明ガラス732を透過して環状のフレーム5に装着された粘着テープ50に紫外線が照射される。この結果、粘着テープ50の表面に塗布されている粘着糊は硬化して粘着力が低下せしめられる。
なお、上述した粘着力低下工程は、上記ウエーハ破断工程を実施する前に実施してもよい。
【0029】
上述した粘着力低下工程を実施したならば、粘着テープ50を拡張してチップ20間の間隔を広げるチップ間隔形成工程および粘着テープ50おける環状のフレーム5の内周と半導体ウエーハ2が貼着された領域との間の収縮領域を過熱して収縮せしめることによりチップ間の間隔を保持するチップ間隔保持工程を実施する。このチップ間隔形成工程およびチップ間隔保持工程は、図示の実施形態においては図10および図11に示すテープ拡張装置8を用いて実施する。
【0030】
図10にはテープ拡張装置8の斜視図が示されており、図11には図10に示すテープ拡張装置8の断面図が示されている。図示の実施形態におけるテープ拡張装置8は、上記環状のフレーム5を保持するフレーム保持手段9と、上記環状のフレーム5に装着された粘着テープ50を拡張する張力付与手段10を具備している。フレーム保持手段9は、図10および図11に示すように環状のフレーム保持部材91と、該フレーム保持部材91の外周に配設された固定手段としての4個のクランプ92とからなっている。フレーム保持部材91の上面は環状のフレーム5を載置する載置面911を形成しており、この載置面911上に環状のフレーム5が載置される。そして、フレーム保持部材91の載置面911上に載置された環状のフレーム5は、クランプ92によってフレーム保持部材91に固定される。
【0031】
上記張力付与手段10は、上記環状のフレーム保持部材91の内側に配設される拡張ドラム11を具備している。この拡張ドラム11は、環状のフレーム5の開口51の内径より小さく該環状のフレーム5に装着された粘着テープ50に貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム11は、下端に支持フランジ111を備えている。図示の実施形態における張力付与手段10は、上記環状のフレーム保持部材91を上下方向(軸方向)に進退可能な支持手段12を具備している。この支持手段12は、上記支持フランジ111上に配設された複数(図示の実施形態においては4個)のエアシリンダ121からなっており、そのピストンロッド122が上記環状のフレーム保持部材91の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ121からなる支持手段12は、環状のフレーム保持部材91を載置面911が拡張ドラム11の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム11の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
【0032】
図示のテープ拡張装置8は、図11に示すように上記拡張ドラム11の上部外周面に装着された加熱手段としての環状の赤外線ヒータ13を具備している。この赤外線ヒータ13は、上記フレーム保持手段9に保持された環状のフレーム5に装着された粘着テープ50における環状のフレーム5の開口51の内周と半導体ウエーハ2との間の収縮領域を加熱する。
【0033】
以上のように構成されたテープ拡張装置8を用いて実施するチップ間隔形成工程について図12を参照して説明する。即ち、上記図7に示すように半導体ウエーハ2(分割予定ライン21に沿って個々のチップ20に分割されている)を粘着テープ50を介して支持した環状のフレーム5を、図12の(a)に示すようにフレーム保持手段9を構成する環状のフレーム保持部材91の載置面911上に載置し、クランプ92によって環状のフレーム保持部材91に固定する。このとき、環状のフレーム保持部材91は図12(a)に示す基準位置に位置付けられている。
【0034】
次に、張力付与手段10を構成する支持手段12としての複数のエアシリンダ121を作動して、環状のフレーム保持部材91を図12の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材91の載置面911上に固定されている環状のフレーム5も下降するため、図12の(b)に示すように環状のフレーム5に装着された粘着テープ50は拡張ドラム11の上端縁に当接して拡張せしめられる。この結果、粘着テープ50に貼着されている半導体ウエーハ2には放射状に引張力が作用するため、半導体ウエーハ2が貼着されている領域50aも拡張されるので、個々の分割されている半導体チップ20間に間隙Sが形成される。
【0035】
上述したチップ間隔形成工程を実施したならば、粘着テープ50おける環状のフレーム5の内周と半導体ウエーハ2が貼着された領域との間の収縮領域を過熱して収縮せしめることによりチップ間の間隔を保持するチップ間隔保持工程を実施する。このチップ間隔保持工程は、図13の(a)に示すように上述したチップ間隔形成工程を実施した状態で赤外線ヒータ13を附勢(ON)する。この結果、粘着テープ50における環状のフレーム5の開口51の内周と半導体ウエーハ2が貼着された領域50aとの間の収縮領域50bは、赤外線ヒータ13によって照射される赤外線により加熱され収縮する。この収縮作用に合わせて、張力付与手段10を構成する支持手段12としての複数のエアシリンダ121を作動して、環状のフレーム保持部材91を図13の(b)に示す基準位置に上昇せしめる。なお、上記赤外線ヒータ13による粘着テープ50の加熱温度は70〜100℃が適当であり、加熱時間は5〜10秒でよい。このように、粘着テープ50における上記収縮領域50bを収縮させることにより、上記チップ間隔形成工程において拡張された粘着テープ50の弛みが除去される。従って、上記チップ間隔形成工程において個々に分割されている半導体チップ20間に形成された間隙Sが保持される。
【0036】
以上のようにして、チップ間隔保持工程を実施したならば、個々の半導体チップ20に分離された半導体ウエーハ2は、環状のフレーム5に装着された粘着テープ50に貼着された状態で、次工程であるピックアップ工程に搬送される。このとき、個々の半導体チップ20間には上記チップ間隔保持工程において間隔Sが保持されているので、搬送時に隣接するチップ同士が擦れることはなく、チップ同士が擦れることによるチップの損傷を防止することができる。また、ピックアップ工程においては、上述した粘着力低下工程において紫外線が照射された粘着テープ50の粘着力が低下しているので、個々の半導体チップ20は容易にピックアップすることができる。
【0037】
以上のように図示の実施形態においては、チップ間隔形成工程を実施する前に半導体ウエーハ2が貼着されている粘着テープ50に紫外線を照射して粘着力を低下せしめる粘着力低下工程を実施するので、粘着テープ50の表面に塗布されている粘着糊が硬化するため、半導体チップ20の裏面に粘着糊が付着することはなく、チップの品質を低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるウエーハの分割方法によって個々のチップに分割される半導体ウエーハの斜視図。
【図2】図1に示す半導体ウエーハの表面に保護部材を貼着した状態を示す斜視図。
【図3】本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成工程を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。
【図4】本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成行程の説明図。
【図5】図4に示す変質層形成行程において半導体ウエーハの内部に変質層を積層して形成した状態を示す説明図。
【図6】本発明によるウエーハの分割方法におけるウエーハ支持工程の説明図。
【図7】本発明によるウエーハの分割方法におけるウエーハ破断工程の説明図。
【図8】本発明によるウエーハの分割方法における粘着力低下工程を実施するための紫外線照射器の斜視図。
【図9】本発明によるウエーハの分割方法における粘着力低下工程の説明図。
【図10】本発明によるウエーハの分割方法におけるチップ間隔形成工程およびチップ間隔保持工程を実施するためのテープ拡張装置の斜視図。
【図11】図10に示すテープ拡張装置の断面図。
【図12】本発明によるウエーハの分割方法におけるチップ間隔形成工程の説明図。
【図13】本発明によるウエーハの分割方法におけるチップ間隔保持工程の説明図。
【符号の説明】
【0039】
2:半導体ウエーハ
20:半導体チップ
21:分割予定ライン
22:デバイス
210:変質層
3:保護部材
4:レーザー加工装置
41:レーザー加工装置のチャックテーブル
42:レーザー光線照射手段
43:撮像手段
5:環状のフレーム
50:粘着テープ
6:超音波分割装置
61:円筒状のベース
62:第1の超音波発振器
63:第2の超音波発振器
7:紫外線照射器
71:ランプハウジング71
72:紫外線照射ランプ
73:フレーム保持板
8:テープ拡張装置
9:フレーム保持手段
10:張力付与手段
11:拡張ドラム
12:支持手段
13:赤外線ヒータ




 

 


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