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発明の名称 切削装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−103833(P2007−103833A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294650(P2005−294650)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
発明者 福岡 武臣 / 吉田 幹 / 田中 万平
要約 課題
筐体内での結露発生を防止して,結露した水により切削装置の寿命が著しく縮まるのを防止することの可能な切削装置を提供する。

解決手段
切削装置10は、筐体12内の温度を検出する温度センサと;筐体12内の湿度を検出する湿度センサと;筐体12内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段40と;温度センサおよび湿度センサの検出結果に基づき,乾燥空気供給手段40による乾燥空気の供給を制御する制御手段50とを備える。制御手段50は,筐体12内の所定の温度に対応する飽和水蒸気量以下に設定された基準水蒸気量を記憶する記憶部55を有し,温度センサおよび湿度センサの検出結果に基づき,筐体12内の空気中に含まれる単位体積当たりの水蒸気量を算出し,算出された水蒸気量が基準水蒸気量より大きいとき,筐体12内に乾燥空気を供給して単位体積当たりの水蒸気量を基準水蒸気量より小さくなるように乾燥空気供給手段40を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】
筐体内において,被加工物の加工点に対して切削液を供給しながら前記被加工物を切削する切削装置であって:
前記筐体内の温度を検出する少なくとも1つの温度センサと;
前記筐体内の湿度を検出する少なくとも1つの湿度センサと;
前記筐体内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段と;
前記温度センサおよび前記湿度センサの検出結果に基づいて,前記乾燥空気供給手段によって乾燥空気を供給する制御手段と;
を備え,
前記制御手段は,
前記筐体内の所定の温度に対応する単位体積当たりの飽和水蒸気量以下に設定された基準水蒸気量を記憶する記憶部を有し,
前記温度センサおよび前記湿度センサの検出結果に基づいて,前記筐体内の空気中に含まれる単位体積当たりの水蒸気量を算出し,前記算出された水蒸気量が前記基準水蒸気量より大きいとき,前記乾燥空気供給手段によって前記筐体内に乾燥空気を供給して前記筐体内の単位体積当たりの水蒸気量を前記基準水蒸気量より小さくなるように制御することを特徴とする,切削装置。
【請求項2】
前記乾燥空気供給手段は,前記筐体から排出される空気を取り込み,
前記筐体と前記乾燥空気供給手段との間で空気を循環させることを特徴とする,請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
前記乾燥空気供給手段から供給される乾燥空気の温度を調節する温度調節手段をさらに備えることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の切削装置。
【請求項4】
前記切削液の温度は,10℃以下であることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の切削装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,切削装置に関し,より詳細には,筐体内の湿度を制御する制御手段を備えた切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハの切削には,ダイサーと呼ばれる切削装置が使用される。かかる切削装置は,例えば,表面を上方に向けた半導体ウェハを保持するチャックテーブルと,回転駆動される切削ブレードとを有して構成される。そして,切削ブレードとチャックテーブルとを相対的に移動させ,切削ブレードを半導体ウェハに作用させることにより,半導体ウェハを切削する。このようにして形成された半導体チップは,リードフレーム等の支持手段上に固定される。支持手段上への半導体チップの固定には,例えば,接着剤などが適宜使用される。
【0003】
近年,個々の半導体チップを支持手段上に固定する際,半導体チップの裏面あるいは支持手段の表面に接着剤を施す工程を省略するために,半導体ウェハをストリートに沿って切削する前に,半導体ウェハの裏面に,例えば熱可塑性樹脂からなる接着用樹脂層を形成することが提案され,実施されている。
【0004】
ところが,半導体ウェハを切削する前に,半導体ウェハの裏面に接着用樹脂層を形成した場合,半導体ウェハの切削時に以下の問題が発生する。
【0005】
ストリートに沿って半導体ウェハを切削すると,特に熱可塑性樹脂からなる接着用樹脂層を使用した場合,切削部位の裏面に比較的小さい欠けが発生する傾向にある。また,欠けの発生によって生成された屑が接着用樹脂層に付着して残留し,半導体チップを支持手段上に固定するときに,半導体チップからはみ出した状態で支持手段上に固定されてしまう傾向がある。切削部位の裏面に欠けが発生する原因は必ずしも明確ではないが,切削の際に発生する熱に起因して接着用樹脂層が軟化され,チャックテーブル上での半導体ウェハの固定が不安定になるためと推測される。
【0006】
かかる技術的課題を解決するために,例えば,半導体ウェハを切削ブレードによって切削する際,15℃以下の冷却媒体を使用する方法が提案されている(例えば,特許文献1)。従来は,常温の切削液を半導体ウェハの表面に噴射していたが,これに代えて15℃以下,好ましくは10℃以下の冷却媒体(例えば純水)を半導体ウェハの表面に噴射することによって,切削部位の裏面に欠けが発生するのを防止して抑制することが提案されている。
【0007】
また,特許文献2には,チャックテーブルとして冷凍チャックを使用することが開示されている。しかし,冷凍チャックを使用した場合でも,切削に使用する冷却水の温度を常温にしてしまうと,半導体ウェハの保持力が低下してしまうので,低い温度の切削液を使用する必要があった。
【0008】
【特許文献1】特開2002−359212号公報
【特許文献2】特開平8−222530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし,上記のように低温,例えば10℃以下の低い温度の切削液を使用すると,切削液を供給する切削液供給管の表面やウォータケースの外側およびウォータカバーの内側に結露が生じてしまう。この結露した水が落下して,送りねじ(送り機構に使用されるねじで,例えば,ボールねじ,すべりねじ,ローラねじ,静圧ねじ等。)やガイドに付着し,送りねじやガイドに短期間で錆を発生させ,ダイサーの寿命を著しく縮めてしまうという問題がある。さらに,高い湿度は,電子部品の性能を低下させてしまうという問題もある。
【0010】
また,切削装置における結露の発生は,切削液を低温化させるときだけではなく,外気温の変化によっても生じる。例えば,切削装置が置かれている工場設備において,空調設備は常に作動されているのではなく,夜間は空調設備が切られてしまう場合がある。このため,特に冬場であると急激に温度が低下してしまうため,切削装置の筐体内に結露が発生してしまうという問題があった。
【0011】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,切削装置の筐体内での結露発生を防止して,結露した水により切削装置の寿命が著しく縮められるのを防止することが可能な,新規かつ改良された切削装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,筐体内において,被加工物の加工点に対して切削液を供給しながら被加工物を切削する切削装置が提供される。かかる切削装置は,例えば,筐体内の温度を検出する少なくとも1つの温度センサと;筐体内の湿度を検出する少なくとも1つの湿度センサと;筐体内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段と;温度センサおよび湿度センサの検出結果に基づいて,乾燥空気供給手段によって乾燥空気を供給する制御手段と;を備える。ここで,制御手段は,筐体内の所定の温度に対応する単位体積当たりの飽和水蒸気量以下に設定された基準水蒸気量を記憶する記憶部を有し,温度センサおよび湿度センサの検出結果に基づいて,筐体内の空気中に含まれる単位体積当たりの水蒸気量を算出し,算出された水蒸気量が基準水蒸気量より大きいとき,乾燥空気供給手段によって筐体内に乾燥空気を供給して筐体内の単位体積当たりの水蒸気量を基準水蒸気量より小さくなるように制御することを特徴とする。
【0013】
本発明にかかる切削装置は,まず,所定の温度における飽和水蒸気量以下に設定された単位体積(1m)あたりの基準水蒸気量を記憶部に記憶する。ここで,所定の温度とは,切削装置の動作状況および/または設置状況に応じて,筐体内が冷却され得る最も低い温度とすることができる。次いで,温度センサおよび湿度センサの検出結果に基づいて算出された,切削装置の筐体内における単位体積当たりの水蒸気量と,基準水蒸気量とを比較する。筐体内における単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量より大きい場合,筐体内の温度によって筐体内に結露が生じる可能性があるため,制御手段により乾燥空気供給手段を作動させて筐体内の除湿を行う。そして,筐体内の単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量より小さくなった後,被加工物の切削加工が行われる。
【0014】
かかる構成により,筐体内において結露が生じることがないため,切削装置の送り機構に結露による水滴が付着して錆びてしまうことがない。したがって,結露によって切削装置の寿命が著しく縮められるのを防止することができる。
【0015】
また,乾燥空気供給手段は,筐体から排出される空気を取り込み,筐体と乾燥空気供給手段との間で空気を循環させるように配置させることもできる。かかる構成により,効率的に除湿することができる。
【0016】
さらに,本発明にかかる切削装置は,乾燥空気供給手段から供給される乾燥空気の温度を調節する温度調節手段をさらに備えてもよい。例えば,精密な切削が要求されている場合,筐体内の温度を一定に保持することが必要な場合がある。このとき,筐体内に供給される乾燥空気を温度調節手段により所定の温度に調整した後,筐体内に供給することにより,筐体内を除湿することができ,また,筐体内の温度を所定の温度とすることができる。
【0017】
また,切削液の温度は,例えば10℃以下とすることができる。本発明にかかる切削装置では,切削液の温度に合わせて基準水蒸気量を設定することができる。このため,切削液の温度を低くすることによって筐体内の温度が低くなったとしても,筐体内に結露を生じさせることがなく,さらに,被加工物の加工状態を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば,切削装置の筐体内での結露発生を防止して,結露した水により切削装置の寿命が著しく縮められるのを防止することの可能な切削装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態にかかる切削装置の一例として構成されたダイシング装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるダイシング装置10を示す全体斜視図である。
【0021】
図1に示すように,ダイシング装置10は,例えば,筐体12と,半導体ウェハWなどの被加工物を切削加工する切削ユニット20と,被加工物を保持するチャックテーブル30と,筐体12内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段40とを有して構成される。
【0022】
筐体12は,例えば金属等で形成された例えば略直方体形状を有する箱である。この筐体12内には,以下に説明するような切削ユニット20,チャックテーブル30,移動機構など,各種装置が配設されている。
【0023】
切削ユニット20は,本実施形態にかかる切削手段として構成されており,半導体ウェハW等の被加工物を切削する。具体的には,この切削ユニット20は,スピンドルに装着された切削ブレード22を備えており,かかる切削ブレード22を高速回転させながら半導体ウェハWに切り込ませることで,半導体ウェハWを切削する。
【0024】
チャックテーブル30は,本実施形態にかかる保持手段として構成されており,半導体ウェハW等の被加工物を吸着保持する。このチャックテーブル30は,例えば,その上面に真空チャック機構を具備しており,例えばウェハテープ(図示せず。)を介してフレーム(図示せず。)に支持された状態の半導体ウェハWを,真空吸着して保持することができる。
【0025】
乾燥空気供給手段40は,乾燥した空気を筐体12内に供給する供給手段であり,例えば,図1に示すように,筐体12の外部に設置され,供給管41と排出管43とによって筐体12と接続されている。かかる構成により,乾燥空気は,乾燥空気供給手段40から供給管41を介して筐体12へ供給され,筐体12内から排出された空気は,排出管43を介して乾燥空気供給手段40へ供給される。このように,乾燥空気供給手段40と筐体12との間で空気を循環させることにより,筐体12内を効率よく除湿することができる。しかし,本発明はかかる例に限定されず,例えば,図3に示すように,排出管43を設けず,筐体12の側面下方部分に少なくとも1つの排出口45を設けて,筐体外部に空気を排出させてもよい。
【0026】
かかるダイシング装置10は,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量を,所定の水蒸気量以下とすることにより,筐体12内に結露が生じるのを防止する。このため,ダイシング装置10は,筐体12内の温度および湿度に応じて,筐体12内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段40を制御する制御手段50をさらに備えている。以下,図2に基づいて,本実施形態にかかるダイシング装置10の特徴的部分である制御手段50について説明する。ここで,図2は,本実施形態にかかるダイシング装置10の制御手段50の構成を示す概略構成図である。
【0027】
図2に示すように,本実施形態にかかるダイシング装置10の筐体12内には,温度および湿度を測定するための温度湿度センサT1〜T6が6箇所設置されている。なお,本発明では,温度湿度センサの数はかかる例に限定されず,少なくとも1つのセンサを備えていればよい。温度湿度センサT1〜T6は,筐体12内の様々な場所に設置されており,特に,結露によって機構に問題が生じる場所,例えば,ダイシング装置10の駆動機構の近辺に設置される。具体的には,例えば,チャックテーブル30をX軸方向に移動させるX軸送り機構60,切削ユニット20をY軸方向に移動させるY軸送り機構70または切削ユニット20をZ軸方向に移動させるZ軸送り機構80等の上方や近辺に温度湿度センサT1〜T6を設置することができる。これは,駆動機構に結露による水滴が落下して付着すると短期間で錆びてしまい,駆動機構が滑らかに駆動できなくなり,ダイシング装置10の寿命を著しく縮めてしまうからである。
【0028】
また,ダイシング装置10は,温度湿度センサT1〜T6の検出結果に基づいて,乾燥空気供給手段40による乾燥空気の供給を制御する制御手段50をさらに備えている。制御手段50は,例えば,入力インタフェース部51と,CPU53と,記憶部55と,出力インタフェース部57とを有して構成される。
【0029】
入力インタフェース部51は,筐体12内に設置された複数の温度湿度センサT1〜T6の検出値が入力される部であり,例えば,温度湿度センサT1〜T6とケーブルなどによって接続されている。
【0030】
CPU53は,制御プログラムにしたがって演算処理を行う演算部であり,温度湿度センサT1〜T6により検出された温度および湿度から,各箇所における単位体積当たりの水蒸気量を算出する。そして,算出された筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量と,後述する記憶部55に記憶されている基準水蒸気量とに基づいて,乾燥空気供給手段40を制御する。
【0031】
記憶部55は,乾燥空気供給手段40を制御値するために必要な情報等を記憶する部であり,本実施形態では,例えば基準水蒸気量や,複数の温度における飽和水蒸気量等が記憶されている。なお,基準水蒸気量については後述する。
【0032】
出力インタフェース部57は,CPU53によって算出された制御値を乾燥空気供給手段40に出力する部である。
【0033】
本実施形態にかかるダイシング装置10は,このような制御手段50を備えることにより,筐体12内の湿度を制御する。以下に,制御手段50による筐体12内の湿度制御方法について説明する。
【0034】
まず,ダイシング装置10による被加工物の切削を行う前に,温度湿度センサT1〜T6により,筐体12内の温度湿度センサT1〜T6が設置された各箇所における温度および湿度を検出する。検出された温度湿度情報は,制御手段50の入力インタフェース部51を介して,CPU53に伝達される。
【0035】
CPU53では,検出された温度湿度情報と,記憶部55に記憶された基準水蒸気量とに基づいて,乾燥空気供給手段40を制御する。ここで,基準水蒸気量とは,所定の温度における飽和水蒸気量以下の単位体積当たりの水蒸気量である。また,所定の温度とは,例えば,切削液やダイシング装置10が設置された環境の温度に応じて,ダイシング装置10の筐体12内が冷却され得る最低の温度である。すなわち,基準水蒸気量は,ダイシング装置10の筐体12内の温度として想定され得る温度のうち最も低い温度における飽和水蒸気量以下の,単位体積当たりの水蒸気量である。したがって,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量を基準水蒸気量以下とすることにより,筐体12内における結露の発生を防止することができる。
【0036】
そこで,CPU53では,温度湿度センサT1〜T6により検出された温度および湿度から単位体積当たりの水蒸気量をそれぞれ算出する。そして,算出された各水蒸気量のうち,少なくとも1つが基準水蒸気量と比較して大きい場合は,筐体12内で結露が生じる可能性があるため,乾燥空気供給手段40を作動させて乾燥空気を供給し,筐体12内を除湿する。一方,算出された各水蒸気量すべてが基準水蒸気量以下のときは,結露が生じる可能性は低いため,乾燥空気供給手段40は作動されない。制御手段50は,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量以下となるように,温度湿度センサT1〜T6の測定結果に基づいて,乾燥空気供給手段40による乾燥空気の供給を制御する。例えば,乾燥空気供給手段40をオン/オフしたり,乾燥空気供給手段40による乾燥空気の供給量を増減させて制御する。
【0037】
乾燥空気供給手段40が作動されると,供給管41を介して,筐体12内に乾燥空気が供給され,筐体12内の湿度が低下する(場合によっては温度も低下することがある)。そして,温度湿度センサT1〜T6により検出された温度および湿度より算出される単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量以下となった後に,被加工物の切削を開始する。また,切削加工開始後も,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量を超えないように,制御手段50によって乾燥空気供給手段40による乾燥空気の供給が制御される。
【0038】
以上,本実施形態にかかるダイシング装置10の筐体12内の湿度制御について説明した。ここで,精密な切削条件が要求されている場合には,ダイシング装置10の筐体12内の温度を狭い範囲で一定に保持する必要がある。この場合,例えば,温度調節手段(図示せず。)を設け,乾燥空気を温度調節手段によって所定の温度に調節した後,筐体12内に供給する。これにより,ダイシング装置10の筐体12内の温度を一定に保持しながら,単位体積当たりの水蒸気量を基準水蒸気量以下となるように,筐体12内の湿度を低下させることができる。なお,温度調節手段は,例えば,乾燥空気供給手段40に内蔵させることもできるが,別途の装置を設けてもよい。
【0039】
(実施例)
次に,本実施形態にかかるダイシング装置10において,温度10℃の切削水を使用した場合の実施例について説明する。
【0040】
温度10℃の切削水を使用する場合,筐体12内の温度が最低でも10℃以下に冷却されることはない。したがって,かかる実施例における基準水蒸気量は,10℃における飽和水蒸気量以下に設定される。図3に示す飽和水蒸気量曲線から,10℃における飽和水蒸気量は約9.3gであるので,例えば,基準水蒸気量を約8.0gと設定することができる。
【0041】
次に,温度湿度センサT1〜T6により検出された温度および湿度に基づいて,温度湿度センサT1〜T6が設置された筐体12内の各箇所における単位体積当たりの水蒸気量がCPU53により算出される。例えば,温度湿度センサT1によって検出した値が,温度20℃,湿度70%であったとする。このときの単位体積当たりの水蒸気量は,約12.4g(20℃における飽和水蒸気量17.2gの70%に相当)であり,基準水蒸気量と比較して約4.4g大きい。したがって,乾燥空気供給手段40により乾燥空気を供給して,筐体12内の水蒸気量を減少させる必要がある。この場合,乾燥空気の温度が20℃であるとすると,筐体12内の湿度を約47%以下にしなければならない。
【0042】
乾燥空気供給手段40によって乾燥空気が供給されると,筐体12内の水蒸気量は減少する。そして,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量が約8.0g以下となった後に,被加工物の切削を開始する。
【0043】
また,ここで,当初20℃であったダイシング装置10の筐体12内の温度を15℃に保持する場合は,乾燥空気を,乾燥空気供給手段40に設けられた温度調節手段により15℃に調節した後,筐体12内に供給させる。このとき,筐体12内の温度は15℃となるため,筐体12内の湿度は約64%以下とすればよい。
【0044】
以上,第1の実施形態にかかるダイシング装置10について説明した。かかるダイシング装置10は,筐体12内に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段40と,乾燥空気供給手段40を制御する制御手段50とを備えることを特徴とする。制御手段50の記憶部55は,所定の温度における飽和水蒸気量以下に設定された単位体積当たりの水蒸気量を記憶しており,CPU53によって,温度湿度センサT1〜T6により検出された温度および湿度から算出した単位体積当たりの水蒸気量と,基準水蒸気量とが比較される。そして,筐体12内の単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量よりも大きい場合,制御手段50は,乾燥空気供給手段40を作動させて,筐体12内に乾燥空気を供給させる。これにより,室温より低温の切削液を使用したり,ダイシング装置10が設置された工場設備のエアコンが切られて,筐体12外部の気温が低下することにより,筐体12内に結露が生じることを防止することができる。したがって,ダイシング装置10の駆動機構に結露による水滴が落下して,送りねじやガイド等に短期間に錆を生じさせることがなく,ダイシング装置10の寿命を著しく縮めてしまうことがない。
【0045】
なお,例えば,上記実施形態において,筐体内の温度と湿度とは温度湿度センサによって検出したが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,温度センサと湿度センサとを別個に設けて検出してもよい。
【0046】
また,上記実施形態において,乾燥空気の供給口は1箇所であったが,本発明はかかる例に限定されず,複数の供給口を設けてもよい。例えば,温度湿度センサT1〜T6それぞれの近辺に供給口を設けて,単位体積当たりの水蒸気量が基準水蒸気量より大きくなった箇所の供給口から乾燥空気を供給させることもできる。このように,複数の供給口を設けることによって,乾燥空気を選択的に供給することが可能となる。
【0047】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は,切削装置に適用可能であり,特に,筐体内の湿度を制御する制御手段を備えた切削装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるダイシング装置を示す全体斜視図である。
【図2】同実施形態にかかるダイシング装置の制御手段の構成を示す概略構成図である。
【図3】本発明の他の形態におけるダイシング装置を示す全体斜視図である。
【図4】飽和水蒸気量曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
【0050】
10 ダイシング装置
20 切削ユニット
30 チャックテーブル
40 乾燥空気供給手段
41 供給管
43 排出管
45 排出口
50 制御手段
51 入力インタフェース部
53 CPU
55 記憶部
57 出力インタフェース部




 

 


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