米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社ディスコ

発明の名称 デバイスおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−81037(P2007−81037A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−265477(P2005−265477)
出願日 平成17年9月13日(2005.9.13)
代理人 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
発明者 荒井 一尚 / 中村 勝
要約 課題
半導体チップ等のチップの裏面に接着フィルムが貼着された2層構造のデバイスにおいて、チップの裏面全面が接着フィルムで覆われた構造を有するデバイスおよびその製造方法を提供する。

解決手段
電子回路4が表面に形成されたチップ6の裏面に、少なくともこの裏面に対応する形状および寸法の接着フィルム9が貼着され、裏面全面が接着フィルム9で覆われた半導体チップ5とする。このような半導体チップ5は、複数のチップ6に分割される半導体ウエーハ1の表面に分割溝7を形成し、次いでその裏面を分割溝7が表出するまで研削して複数のチップ6に分割し、次いでウエーハ1の裏面全面に接着フィルム9およびダイシングテープ41を貼り付け、ダイシングテープ41を拡張して接着フィルム9を分割溝7に沿って切断することにより得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】
機能素子を表面に具備するチップと、このチップの裏面に貼着された接着フィルムとからなる2層構造のデバイスであって、
前記接着フィルムは、少なくとも前記チップの裏面に対応して該裏面全面を覆っていて、前記チップの外周が前記接着フィルムの外周から突出していないことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記接着フィルムは、前記チップの裏面よりも大きく、該裏面の縁からはみ出る余剰部を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載のデバイスの製造方法であって、
前記ウエーハの表面に、得ようとする前記チップの厚さに相当する深さの分割溝を、前記分割予定ラインに沿って形成する分割溝形成工程と、
前記ウエーハの表面に保護フィルムを貼着する保護フィルム貼着工程と、
前記ウエーハの裏面を、前記分割溝が表出するまで研削して、ウエーハを個々の前記チップに分割する裏面研削工程と、
複数のチップに分割された前記ウエーハの裏面に、接着フィルムが貼着され、かつ、この接着フィルムに、環状のフレームに支持された伸延性を有するダイシングテープが貼着された状態とする接着フィルム貼着工程と、
前記フレームを保持しながら、前記ダイシングテープを拡張することにより、前記接着フィルムを前記分割溝に沿って切断する接着フィルム切断工程とを備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のデバイスの製造方法であって、
前記ウエーハの表面に、得ようとする前記チップの厚さに相当する深さの分割溝を、前記分割予定ラインに沿って形成する分割溝形成工程と、
前記ウエーハの表面に保護フィルムを貼着する保護フィルム貼着工程と、
前記ウエーハの裏面を、前記分割溝が表出するまで研削して、ウエーハを個々の前記チップに分割する裏面研削工程と、
複数のチップに分割された前記ウエーハの裏面に、接着フィルムが貼着され、かつ、この接着フィルムに、環状のフレームに支持された伸延性を有するダイシングテープが貼着された状態とする接着フィルム貼着工程と、
前記分割溝に通したレーザ光線を前記接着フィルムに照射することによって該接着フィルムを前記分割溝に沿って切断する接着フィルム切断工程とを備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップ等のデバイスに係る技術であって、特に、裏面に接着フィルムが貼り付けられたデバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体デバイス技術においては、MCP(マルチ・チップ・パッケージ)やSiP(システム・イン・パッケージ)といった複数の半導体チップを積層した積層型パッケージが、高密度化や小型化を達成する上で有効に利用されている。このような技術に対応するための半導体チップは、裏面にDAF(Die Attach Film)と呼ばれる樹脂製の接着フィルムが貼られており、この接着フィルムで半導体チップの積層状態を保持することが行われている。裏面に接着フィルムが貼られた半導体チップは、薄化した半導体ウエーハの裏面に接着フィルムを貼り、格子状のストリートと呼ばれる分割予定ラインに沿って半導体ウエーハを分割するとともに接着フィルムを切断する方法がある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−319829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の半導体チップにおいては、実装基板に実装された後に、半導体チップの周囲にモールド樹脂が充填される場合が多い。ところが、上記接着フィルムが半導体チップの裏面全面を覆っておらず、例えば裏面の縁の一部が僅かに露出している状態では、そのモールド樹脂に含まれるフィラーと呼ばれる充填材料(粒径が10〜20μm前後、例えばシリカを成分とする)が、接着フィルムが貼られていない露出面に衝撃を与えたり、そのフィラーが露出面と被積層物との間の微小隙間に押し込まれたりして、半導体チップに割れや欠けが生じる場合があり、特に、厚さが100μm以下といった極めて薄い半導体チップでは、この不具合が起こりやすかった。
【0005】
また、接着フィルムは絶縁材としても機能させる場合があるが、上記のように裏面に接着フィルムで覆われない露出面があると、その部分が、被積層物側の半導体チップのボンディングワイヤに接触し、ショートやリークなどの電気的トラブルを招くおそれもある。したがって、半導体チップの裏面は接着フィルムによって全面が覆われている状態が望ましい。
【0006】
よって本発明は、半導体チップ等のチップの裏面に接着フィルムが貼着された2層構造のデバイスにおいて、チップの裏面全面が接着フィルムで覆われた構造を有するデバイスおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデバイスは、機能素子を表面に具備するチップと、このチップの裏面に貼着された接着フィルムとからなる2層構造のデバイスであって、前記接着フィルムが、少なくとも前記チップの裏面に対応して該裏面全面を覆っていて、前記チップの外周が前記接着フィルムの外周から突出していないことを特徴としている。
【0008】
本発明のデバイスによれば、チップの裏面全面が接着フィルムによって保護されているので、該デバイスの周囲にモールド樹脂が充填されても、そのモールド樹脂に含まれるフィラーがチップの裏面に入り込むことがなく、そのフィラーによってチップが損傷するといった不具合が起こらない。また、本発明のデバイスを積層した場合、チップの裏面が被積層側のデバイスのボンディングワイヤに接触することが、接着フィルムが介在することによって防がれ、このため、ショートやリークなどの電気的トラブルが防止される。
【0009】
本発明のデバイスは、チップの裏面全面が接着フィルムによって覆われていることを必須としているが、その接着フィルムはチップの裏面よりも大きく、該裏面の縁からはみ出る余剰部を有するものであると、接着フィルムによるチップ裏面の密閉状態が、より一層確実になるので好ましい。
【0010】
本発明のデバイスの製造方法は、上記本発明のデバイスを得るのに好適であり、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって複数の機能素子が区画されたウエーハから、前記機能素子を表面に具備するチップと、このチップの裏面に貼着された接着フィルムとからなる2層構造のデバイスの製造方法であって、前記ウエーハの表面に、得ようとする前記チップの厚さに相当する深さの分割溝を、前記分割予定ラインに沿って形成する分割溝形成工程と、前記ウエーハの表面に保護フィルムを貼着する保護フィルム貼着工程と、前記ウエーハの裏面を、前記分割溝が表出するまで研削して、ウエーハを個々の前記チップに分割する裏面研削工程と、複数のチップに分割された前記ウエーハの裏面に、接着フィルムが貼着され、かつ、この接着フィルムに、環状のフレームに支持された伸延性を有するダイシングテープが貼着された状態とする接着フィルム貼着工程と、前記フレームを保持しながら、前記ダイシングテープを拡張することにより、前記接着フィルムを前記分割溝に沿って切断する接着フィルム切断工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記製造方法では、裏面研削工程で分割された隣り合うチップの裏面の間には、分割溝の幅に応じた接着フィルムが存在し、このチップ間の接着フィルムが切断されるので、接着フィルムはチップの縁から僅かに外側に離れた位置で切断される状態になりやすい。したがって、チップの裏面全面が接着フィルムで覆われるとともに、チップの裏面の縁からはみ出る余剰部を有する状態を得やすい。
【0012】
また、本発明のデバイスの製造方法は、上記のようにダイシングテープを拡張する代わりに、上記接着フィルム貼着工程の後に、前記分割溝に通したレーザ光線を接着フィルムに照射することによって該接着フィルムを前記分割溝に沿って切断する接着フィルム切断工程を採用してデバイスを得ることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、チップの裏面全面が接着フィルムによって確実に覆われたデバイスを得ることができ、このため、チップの裏面の一部が露出することによって生じていたチップの損傷や電気的トラブルが防止される高品質のデバイスを提供することができるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る第1〜第3実施形態の製造方法を説明する。
[1]第1実施形態の製造方法
図1の符号1は、シリコンウエーハ等からなる円盤状の半導体ウエーハである。図1に示すように、ウエーハ1の表面には、格子状のストリート(分割予定ライン)2によって矩形状のチップ領域3が区画されている。これらチップ領域3の表面には、図1の拡大部分に示すように電子回路(機能素子)4が形成されている。
【0015】
チップ領域3は、本実施形態の製造方法によって個々に分割され、後述する接着フィルム付きの半導体チップ(デバイス)5のチップ6となる(図9参照)。ウエーハ1の厚さは、得ようとするチップ6の厚さよりも大きい。本実施形態は、チップ6の裏面にDAF等の接着フィルムが貼着された2層構造の半導体チップを製造する方法であり、以下に、その製造方法を工程順に説明する。以下の説明で、ウエーハ1やチップ6における“表面”は電子回路4が形成された側の面、“裏面”は表面とは反対側の電子回路が形成されていない側の面と定義する。
【0016】
(1)分割溝形成工程
図2に示すように、ウエーハ1を、表面を上に向けた状態としてチャックテーブル125に保持する。そして、ウエーハ1の表面に、得ようとするチップ6の厚さよりもやや深い分割溝7を、ストリート2に沿って切削ブレード142により格子状に形成する。図3は、ウエーハ1をストリート2に沿って切断して半導体チップに分割するダイシング装置10を示しており、分割溝7は、このダイシング装置10によって形成することができる。以下に、このダイシング装置10で分割溝7を形成する方法を説明する。
【0017】
まず、図3に示すダイシング装置10の構成を説明すると、このダイシング装置10は基台100を備えており、この基台100上に、上記ウエーハ1を、水平に保持するとともに切削送り方向(図3でX方向)に移動させるチャックテーブル機構120と、ウエーハ1の表面を切削して分割溝7を形成する切削ユニット140と、この切削ユニット140を支持するとともに、割り出し方向(図3でY方向)に移動させる切削ユニット支持機構160とが設けられている。切削ユニット140は、切削ユニット支持機構160に対し、切り込み方向(図3でZ方向)に移動自在に取り付けられている。
【0018】
チャックテーブル機構120は、基台100上のY方向一端側に配されており、基台100に固定されたX方向に延びる一対のガイドレール121と、これらガイドレール121上に摺動自在に取り付けられた移動板122と、この移動板122上に円筒状のポスト123を介して支持されたステージ124と、このステージ124上に回転自在に取り付けられた円盤状のチャックテーブル125と、移動板122をガイドレール121に沿って移動させるスライド機構130とを備えている。
【0019】
チャックテーブル125は、上面が水平であり、Z方向を回転軸として、ポスト123内に収容された図示せぬ回転駆動機構により時計方向または反時計方向に回転させられる。チャックテーブル125は周知の真空チャック式である。すなわち、チャックテーブル125には、表裏面に通じる多数の細かな吸引孔が形成されており、裏面側には、図示せぬバキューム装置の空気吸引口が接続されている。そして、そのバキューム装置を運転すると、ウエーハ1がチャックテーブル125上に吸着・保持されるようになっている。
【0020】
スライド機構130は、基台100と移動板122との間に配されてX方向に延びる螺子ロッド131と、この螺子ロッド131を回転駆動するパルスモータ132とを備えている。螺子ロッド131は、移動板122の下面に突出形成された図示せぬブラケットに螺合して貫通しており、かつ、軸方向には移動不能な状態で回転自在に支持されている。このスライド機構130によれば、パルスモータ132によって螺子ロッド131が回転すると、その回転方向に応じたX方向に、移動板122がガイドレール121に沿って移動させられる。
【0021】
切削ユニット支持機構160は、基台100上に、上記チャックテーブル機構120のガイドレール121とともにT字状を呈するように配されて固定されたY方向に延びる一対のガイドレール161と、これらガイドレール161上に摺動自在に取り付けられた移動台162と、この移動台162をガイドレールに沿って移動させるスライド機構170とを備えている。
【0022】
移動台162は、水平板部163と、この水平板部163のX方向一端部(この場合、基台100のチャックテーブル機構120側の端部からY方向に沿って切削ユニット140の方向を見た図3のF矢視において右側の端部)から立ち上がる鉛直板部164とを有するL字状の台であり、水平板部163の下面が、ガイドレール161に摺動自在に取り付けられている。
【0023】
スライド機構170は、上記チャックテーブル機構120のスライド機構130と同様の構成であり、基台100と水平板部163との間に配されてY方向に延びる螺子ロッド171と、この螺子ロッド171を回転駆動するパルスモータ172とを備えている。螺子ロッド171は、水平板部163の下面に突出形成された図示せぬブラケットに螺合して貫通しており、かつ、軸方向には移動不能な状態で回転自在に支持されている。このスライド機構130によれば、パルスモータ172によって螺子ロッド171が回転すると、その回転方向に応じたY方向に、移動台162がガイドレール161に沿って移動させられる。
【0024】
切削ユニット140は、Y方向に延びる円筒状のハウジング141と、このハウジング141のチャックテーブル機構120側の先端に取り付けられた円盤状の切削ブレード142と、この切削ブレード142で切削する切断ラインを読み取るアライメント手段150とを備えている。切削ユニット140は、移動台162の鉛直板部164のF矢視で左側の面に、ハウジングホルダ165を介して昇降自在に取り付けられている。
【0025】
ハウジングホルダ165は、上記鉛直板部164の左側の面に形成された上下方向に延びるガイドレール166に摺動自在に取り付けられており、鉛直板部164上に固定されたパルスモータ180を駆動源とする昇降機構により、ガイドレール166に沿って昇降させられる。このハウジングホルダ165に、ハウジング141が通され、かつ固定されており、これによって、切削ユニット140は、ハウジングホルダ165とともに昇降自在とされている。
【0026】
ハウジング141内には、Y方向に延びるスピンドルと、このスピンドルを回転させるモータが収容されており(いずれも図示略)、切削ブレード142は、スピンドルの先端に固定されている。スピンドルと一体に回転する切削ブレード142の露出する下側の部分で、ウエーハ1の表面に分割溝7が形成される。
【0027】
アライメント手段150は、顕微鏡やCCDカメラ等で構成され、先端に、被写体を撮像する撮像部151を有する。このアライメント手段150は、撮像部151が切削ブレード142の切削送り方向(Y方向)に隣接するように、ハウジング141の先端部に取り付けられている。
【0028】
次に、以上の構成からなるダイシング装置10によってウエーハ1の表面に分割溝7を形成する動作を説明する。なお、ダイシング装置10は、各種動作を制御する制御手段を有している。まずはじめに、表面を上に向けたウエーハ1をチャックテーブル機構120のチャックテーブル125上に載せ、チャックテーブル機構120のバキューム装置を運転する。これによって、ウエーハ1はチャックテーブル125上に吸着、保持される。次いで、スライド機構130によって移動台122とともにチャックテーブル125がY方向に移動させられ、ウエーハ1が、予めチャックテーブル125の移動ライン上に配されていたアライメント手段150の撮像部151の直下に位置付けられる。
【0029】
そしてアライメント手段150によってウエーハ1の表面のストリート2が撮影され、その撮像に基づき、制御手段によってチャックテーブル125が回転させられ、一方向に延びるストリート2がY方向と平行になる(すなわち、このストリート2に直交するストリート2はX方向に延びる)ように、切削ブレード142に対するウエーハ1の位置合わせが行われる。
【0030】
さらに、制御手段によって、アライメント手段150による撮像が画像処理されるとともに、その処理画像に基づいて、切削動作パターンが決定、記憶される。切削動作パターンは、全てのストリート2に、得ようとするチップ6の厚さよりもやや深い分割溝7を形成するための、切削ユニット140のZ方向への移動による切削ブレード142の切り込み送り、チャックテーブル125のX方向への移動による切削ブレード142の切削送り、切削ユニット140のY方向への移動による切削ブレード142の割り出しの組み合わせである。ここで、切削ブレード142の切り込み深さは、上記のように、得ようとするチップ6の厚さよりもやや大きい数値に設定される。
【0031】
制御手段によって、記憶された上記切削動作パターンの通りに、スライド機構130,170およびパルスモータ180を駆動源とする昇降機構が作動させられ、回転する切削ブレード142で、図4に示すように、ウエーハ1の表面に、格子状に延びるストリート2に沿った分割溝7が形成される。
【0032】
分割溝7の形成は、はじめは、チャックテーブル125のY方向への移動と、移動台162のX方向の移動を交互に繰り返すことにより、Y方向に延びるストリート2に沿って分割溝7が形成される。次に、チャックテーブル125が90°回転させられ、再び、チャックテーブル125のY方向への移動と、切削ユニット支持機構160のX方向の移動を交互に繰り返すことにより、今度は、先に分割溝7が形成されたストリート2に直交するストリート2に沿って、分割溝7が形成される。このようにして、図4に示した全てのストリート2に沿って分割溝7が表面に形成されたウエーハ1を得る。
【0033】
(2)保護フィルム貼着工程
上記のようにして表面に分割溝7が形成されたウエーハ1の表面全面に、図5(a)に示すように保護フィルム8を貼り付ける。この保護フィルム8によって表面の電子回路4が保護される。
【0034】
(3)裏面研削工程
次に、ウエーハ1の裏面を分割溝7に達するまで研削して、上記チップ領域3を個々のチップ6として分割する裏面研削工程を実施する。それには図6に示すように、保護フィルム8をチャックテーブル317の表面に密着させてウエーハ1をこのチャックテーブル317に保持する。そして、露出するウエーハ1の裏面全面を、分割溝7が表出するまで研磨ホイール327の砥石326によって研削する。図7は、ウエーハ1の裏面を研削するのに好適な研削装置30を示しており、以下に、この研削装置30でウエーハ1の裏面を研削する方法を説明する。
【0035】
まず、図7に示す研削装置30の構成を説明すると、この研削装置30は、各種機構が搭載された基台310を備えている。基台310は、横長の状態に設置されて基台310の主体をなす直方体状のテーブル311と、このテーブル311の長手方向一端部(図7の奥側の端部)から、テーブル311の幅方向かつ鉛直方向上方に延びる壁部312とを有している。図7では、基台310の長手方向、幅方向および鉛直方向を、それぞれY方向、X方向およびZ方向で示している。
【0036】
テーブル311の上面には凹所313が形成されており、この凹所313には、ステージ314がY方向に往復動自在に設けられている。このステージ314の移動方向両側には、その移動路を塞いで研削屑が基台310内に落下することを防ぐための蛇腹状のカバー315,316が設けられている。ステージ314は、図示せぬ駆動機構によってY方向に往復動させられ、カバー315,316はその動きに伴って伸縮するようになっている。
【0037】
ステージ314上には、上記ダイシング装置10のチャックテーブル125と同様の、真空チャック式のチャックテーブル317が、回転自在に設けられている。このチャックテーブル317は、ステージ314ごと壁部312側に移動させられて加工領域に位置付けられる。その加工領域の上方には、研削ユニット320が配されている。
【0038】
この研削ユニット320は、送り機構330を介して、壁部312に対しZ方向に昇降自在に支持されている。送り機構330は、一対のガイドレール331と、これらガイドレール331に沿って摺動する移動板332と、この移動板332をガイドレール331に沿って昇降させる昇降機構333とを備えている。
【0039】
研削ユニット320は、移動板332の前面に固定されたブロック321と、このブロック321に固定された円筒状のハウジング322と、このハウジング322内に支持されたスピンドル323と、このスピンドル323を回転駆動するサーボモータ324とを備えている。そして、スピンドル323の下端には、円盤状のホイールマウント325が固定され、さらに、このホイールマウント325の下面には、図6に示すように、下面にレジンボンド等からなる多数のチップ状の砥石326が固着された研削ホイール327が固定されている。研削ホイール326の外径は、図6ではウエーハ1の直径の半分よりやや大きい程度とされるが、寸法はこれに限定されるものではない。また、研削ユニット320とチャックテーブル317との位置関係は、双方の回転中心が、Y方向に並ぶ配置となっている。
【0040】
次に、以上の構成からなる研削装置30によって、保護フィルム8が表面に貼られたウエーハ1の裏面を研削する動作を説明する。まず、研削する裏面を上に向けて、ウエーハ1をチャックテーブル317上に載せ、バキューム装置を運転して、チャックテーブル317上にウエーハ1を保持する。そして、ステージ314を移動させてウエーハ1を研削ユニット320の下方の加工領域に移動させる。この場合、ウエーハ1の壁部312側の少なくとも半径分が研削ホイール327に被さる位置まで、ステージ314を移動させる。
【0041】
この状態から、チャックテーブル317を回転させてウエーハ1を回転させ、これと同時に、研削ユニット320の研削ホイール327をサーボモータ324によって回転させるとともに、送り機構330により研削ユニット320を所定速度でゆっくり下降させる。なお、チャックテーブル317の回転方向は、研削ホイール326と同方向でもよく、また、逆方向であってもよい。
【0042】
研削ユニット320が下降することにより、回転する研削ホイール327の砥石326が、回転しているウエーハ1の裏面を所定の荷重で押圧する。これによって、ウエーハ1の裏面側が平坦に研削される。ウエーハ1の裏面側の研削が進行していくと、砥石326は、やがて分割溝7に到達し、分割溝7が表出する。得ようとするチップ6の厚さまでウエーハ1の厚さが達したら、裏面研削を完了する。この裏面研削により、ウエーハ1は、図5(b)に示すように複数のチップ6に分割される。しかしながらチップ6は保護フィルム8で互いに連結された状態となっているため、バラバラにはならない。
【0043】
(4)接着フィルム貼着工程
次に、分割された複数のチップ6が保護フィルム8で連結された状態のウエーハ1の裏面に、図8に示すように接着フィルム9を貼り付け、さらにこの接着フィルム9に、環状のフレーム40の内側に張られて支持されているダイシングテープ41を貼り付ける。接着フィルム9は両面に粘着性を有する接着材料であり、接着材料としては、例えば、ガラス転移温度(Tg)が90℃以下の熱可塑性ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の混合物を主体とし、これに適宜無機フィラー等の添加剤が混合されたものなどが好適に用いられる。
【0044】
ダイシングテープ41は、伸延性を有する樹脂製テープが用いられ、例えば、厚さ100μm程度のポリ塩化ビニルを基材とし、その片面に厚さ5μm程度でアクリル樹脂系の粘着剤が塗布されたものが用いられる。ダイシングテープ41は接着フィルム9よりも大径の円形で、その外周部の粘着剤側にフレーム40が貼り付けられ、接着フィルム9に対しては、フレーム40が貼り付けられた粘着剤側が貼り付けられる。なお、このようなウエーハ1の裏面に対する接着フィルム9およびダイシングテープ41の貼り付けは、ダイシングテープ41に接着フィルム9が一体に形成されたような2層構造のテープを貼り付けることでも達成され得る。
【0045】
(5)接着フィルム切断工程
次に、チップ6間の接着フィルム9を切断してウエーハ1を実質的に分割し、個々のチップ6の裏面に接着フィルム9が貼り付けられた半導体チップ5を得る接着フィルム切断工程を実施する。それには、図8に示すウエーハ1の分割装置50を用いる。この分割装置50は、円筒状の基台501と、この基台501の上端面に周方向に等間隔をおいて固定された複数の押さえ片502と、基台501の内側に配され、昇降機構503によって昇降する真空チャック式のチャックテーブル504とを備えている。押さえ片502は内側に突出して基台501の上端面との間に間隔があいており、押さえ片502の下面に、上記フレーム40が係合可能となっている。また、基台501の上端面の外周縁には、摩擦係数の低い環状の滑り部材505が、基台の上端面と面一の状態で嵌め込まれている。滑り部材505は、例えば表面が研磨されたステンレス等が材質とされる。
【0046】
この分割装置50によって半導体チップ5を得るには、図8に示すように、ダイシングテープ41側を下にしてウエーハ1をチャックテーブル504上に載置するとともに、フレーム40を押さえ片502の下側に位置付ける。そして、表面に貼り付けられていた保護フィルム8を剥がして除去する。この状態から、昇降機構503によってウエーハ1を上昇させる。
【0047】
すると、図9に示すように、フレーム40は押さえ片502に係合してそれ以上の上昇が抑えられ、フレーム40の内側のダイシングテープ41は上昇し、これによってダイシングテープ41は中心から径方向に拡張させられる。ダイシングテープ41が拡張することにより、チップ6間の接着フィルム9が引っ張られ、分割溝7に沿って接着フィルム9が切断される。このとき、チャックテーブル504の上面の外周縁が滑り部材505で構成されているので、ダイシングテープ41はこの外周縁の角の部分を円滑に滑って応力を受けにくいので、破断するおそれがない。
【0048】
以上により、図9の拡大部分に示すようなチップ6の裏面に接着フィルム9が貼り付けられた2層構造の半導体チップ5を得る。なお、半導体チップ5は、まだダイシングテープ41に付いたままであり、この後、適宜なピックアップ手段でダイシングテープ41から1つ1つ離脱させられる。
【0049】
上記のようにして製造された半導体チップ5は、チップ6の裏面全面が接着フィルム6によって覆われた状態となり、裏面が接着フィルム6で保護されている。したがって、この半導体チップ5を実装基板に実装し、周囲にモールド樹脂を充填した場合、モールド樹脂に含まれるフィラーがチップ6の裏面に入り込むことがなく、そのフィラーによってチップ6が損傷するといった不具合が起こらない。半導体チップ5をMCP(マルチ・チップ・パッケージ)やSiP(システム・イン・パッケージ)といった積層型パッケージに適用した場合では、チップ6の裏面が被積層側の半導体チップのボンディングワイヤに接触することが、接着フィルム9が介在することによって防がれ、このため、ショートやリークなどの電気的トラブルが防止される。
【0050】
また、上記製造方法によると、裏面研削工程で分割された隣り合うチップ6の裏面の間には、分割溝7の幅に応じた接着フィルム9が存在し、このチップ6間の接着フィルム9が切断されるので、接着フィルム9はチップ6の縁から僅かに外側に離れた位置(例えば分割溝7の幅の中央部分)で切断される状態になりやすい。したがって、チップ6の裏面全面が接着フィルム9で覆われるとともに、図9の拡大部分に示すように、チップ6の裏面の縁からはみ出る接着フィルム9の余剰部9aを有する状態を得やすい。この余剰部9aがあることにより、接着フィルム9はチップ6の裏面よりも大きく、チップ6の裏面の密閉状態が、より一層確実になる。
【0051】
[2]第2実施形態の製造方法
次に、本発明の第2実施形態の製造方法を説明する。この製造方法は、上記第1実施形態の接着フィルム貼着工程までは全く同じであり、この後の接着フィルム切断工程が異なっている。第2実施形態の接着フィルム切断工程は、図10に示すように、レーザ光線照射装置60からレーザ光線を分割溝7に通して接着フィルム9に照射することにより、接着フィルム9を分割溝7に沿って切断する。これによって、チップ6の裏面に接着フィルム9が貼り付けられた半導体チップ5を得る。なお、分割溝7に沿ってレーザ光線を接着フィルム9に照射するには、図3で示したダイシング装置10の切削ブレード142に替えてレーザ光線照射装置60を装着し、アライメント手段150によってレーザ光線の照射位置を制御することにより実施可能である。
【0052】
[3]第3実施形態の製造方法
次に、本発明の第3実施形態の製造方法を説明する。
(1)裏面研削工程
まずはじめに、図1に示したウエーハ1の裏面を研削してウエーハ1を得ようとするチップ6の厚さに薄化する。それには、図11に示すように、表面に保護フィルム8を貼り付けたウエーハ1を、図7に示した研削装置30のチャックテーブル317上に裏面を上に向けて吸着、保持し、研磨ホイール327の砥石326によって裏面を研削する。
【0053】
(2)内部変質層形成工程
次に、ウエーハ1のストリート2に沿って、そのストリート2の内部にレーザ光線を照射し、その照射部分を内部変質層に形成する。この内部変質層は強度的に弱化された溶融再固化層であって、外力が与えられると破断するように変質している。内部変質層の形成は、図12に示すように、図3に示したダイシング装置10のチャックテーブル125上に裏面を上に向けてウエーハ1を吸着、保持し、切削ブレード142に替えて装着した上記レーザ光線照射装置60からウエーハ1に向けてレーザ光線を照射する。レーザ光線の照射位置は、上記アライメント手段150によって制御される。
【0054】
(3)接着フィルム貼着工程
上記第1実施形態の接着フィルム貼着工程と同様にして、ストリート2に沿って内部変質層が形成されたウエーハ1の裏面に、図13に示すように接着フィルム9およびダイシングテープ41を貼り付ける。
【0055】
(4)分割工程
次に、ウエーハ1を複数のチップ6に分割すると同時に、接着フィルム9もそれらチップ6に対応させて分割して個々の半導体チップ5を得る分割工程を、第1実施形態で用いた分割装置50を利用して実施する。それには、図13に示すように、ダイシングテープ41側を下にしてウエーハ1をチャックテーブル504上に載置し、フレーム40を押さえ片502の下側に位置付ける。そして、表面に貼り付けられていた保護フィルム8を剥がして除去する。この状態から、昇降機構503によってウエーハ1を上昇させる。
【0056】
すると、図14に示すように、フレーム40は押さえ片502に抑えられてフレーム40の内側のダイシングテープ41が上昇し、これによってダイシングテープ41は中心から径方向に拡張させられる。ダイシングテープ41が拡張することにより、ウエーハ1は内部変質層で破断し、チップ6に分割される。さらに、ダイシングテープ41の拡張によってチップ6間の接着フィルム9が引っ張られ、チップ6間の接着フィルム9が切断される。ウエーハ1のチップ6への分割と接着フィルム9の切断は、同時に起こる場合と、チップ6への分割の後に接着フィルム9が切断される場合の二通りがある。
【0057】
上記の第2および第3実施形態によっても、第1実施形態と同様に、図9の拡大部分に示すようなチップ6の裏面全面に接着フィルム9が貼り付けられた2層構造の半導体チップ5を得ることができ、したがって、得られた半導体チップ5は、モールド充填によるチップ6の損傷や積層状態での電気的トラブルの発生が防止されるといった同様の効果を奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】半導体チップに分割される半導体ウエーハの全体斜視図であり、拡大部分はデバイス領域を示す。
【図2】本発明の第1実施形態の製造方法の分割溝形成工程を模式的に示す側面図である。
【図3】分割溝形成工程で用いるダイシング装置の全体斜視図である。
【図4】分割溝形成工程後の半導体ウエーハの表面側の斜視図である。
【図5】(a)は裏面研削工程に先立って表面に保護シールが貼り付けられた半導体ウエーハの裏面側の斜視図、(b)は裏面研削工程後の半導体ウエーハの裏面側の斜視図である。
【図6】第1実施形態の製造方法の裏面研削工程を模式的に示す側面図である。
【図7】裏面研削工程で用いる研削装置の全体斜視図である。
【図8】裏面に接着フィルムおよびダイシングテープが貼り付けられた半導体ウエーハおよびこの半導体ウエーハが分割装置にセットされた状態を示す側面図である。
【図9】図8に示した分割装置で接着フィルム切断工程を実施している状態を示す側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態の製造方法での接着フィルム切断工程を実施している状態を示す斜視図であり、拡大部分は接着フィルムにレーザ光線を照射している状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態の製造方法における裏面研削工程を模式的に示す側面図である。
【図12】第3実施形態の内部変質層形成工程を模式的に示す側面図である。
【図13】第3実施形態での半導体ウエーハの裏面に接着フィルムおよびダイシングテープが貼り付けられた状態およびこの半導体ウエーハが分割装置にセットされた状態を示す側面図である。
【図14】第3実施形態の接着フィルム切断工程を実施している状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0059】
1…半導体ウエーハ
2…ストリート(分割予定ライン)
4…電子回路(機能素子)
5…半導体チップ(デバイス)
6…チップ
7…分割溝
8…保護フィルム
9…接着フィルム
9a…余剰部
10…ダイシング装置
30…研削装置
40…フレーム
41…ダイシングテープ
50…分割装置
60…レーザ光線照射装置






 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013