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発明の名称 基板の切削方法および切削装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−59524(P2007−59524A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−241104(P2005−241104)
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
代理人 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
発明者 森 俊 / 木村 祐輔 / 荒井 一尚
要約 課題
半導体ウエーハ等の基板の表面に形成された金属や樹脂といった付加部を切削するにあたり、この付加部を除いた基板の厚さが均一でない場合にも付加部を均一厚さに加工する。

解決手段
バイト26の回転軌跡からなる切削平面と平行なチャックテーブル15の吸着面15aを基準面とし、この基準面に対する半導体ウエーハ1の表面の平行度を高さ測定ユニット50で測定し、その測定値に基づいて、付加部5の表面が基準面と平行になるように、バイト26に対するチャックテーブル15の対面角度を調整してから、付加部5の表面から均一な量を切削する。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に金属や樹脂等からなる付加部が形成された基板を、吸着テーブルの吸着面に該基板の裏面を合わせて吸着、保持し、この吸着テーブルに対向配置させた切削工具を回転させながら前記付加部に押し付けることにより、該付加部の表面を切削する基板の切削方法であって、
前記吸着テーブルを、前記切削工具に対する対面角度が調整可能なるよう揺動自在に支持し、
この吸着テーブルの吸着面に保持した前記基板の前記付加部の表面の高さを、少なくとも3つの測定点において測定し、
これらの高さ測定値に基づいて、前記付加部の表面が、前記切削工具の回転軌跡からなる切削平面と平行になるように、前記吸着テーブルを揺動させて、該吸着テーブルの前記切削工具に対する対面角度を調整し、
この後、前記切削工具によって前記基板の前記付加部の表面を切削することを特徴とする基板の切削方法。
【請求項2】
表面に金属や樹脂等からなる付加部が形成された基板の表面を切削する基板の切削装置であって、
揺動自在に支持され、前記基板を吸着、保持する吸着面を有する吸着テーブルと、
この吸着テーブルの前記吸着面に対向配置させられ、該吸着テーブルに保持された前記基板の表面を切削する回転式の切削工具と、
前記吸着テーブルを揺動させて、前記吸着面の前記切削工具に対する対面角度を調整する吸着テーブル角度調整手段と、
前記吸着テーブルに保持された前記基板の表面の高さを、少なくとも3つの測定点において測定する高さ測定手段とを備えることを特徴とする基板の切削装置。
【請求項3】
前記吸着テーブル角度調整手段は、前記吸着テーブルの裏面に設定される適宜に離間した少なくとも3つの支持点で該吸着テーブルを支持する支持手段を備えるとともに、これら支持手段のうちの少なくとも2つが、吸着テーブルを前記切削工具に対して進退させる可動機構を有することを特徴とする請求項2に記載の基板の切削装置。
【請求項4】
前記吸着テーブル角度調整手段の前記支持点は、前記高さ測定手段の前記測定点に対応する位置に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の基板の切削装置。
【請求項5】
前記高さ測定手段によって測定された前記各測定点における前記基板の表面高さの測定値に基づいて、前記吸着テーブルに保持された基板の表面が、前記切削工具の回転軌跡からなる切削平面と平行になるように、前記可動機構による前記吸着テーブルの前記切削工具に対する進退量を算出するとともに、この算出値に応じた動作を前記可動機構にさせる制御手段を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の基板の切削装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの基板として用いられる半導体ウエーハや、この他の例えば樹脂層や金属層を有する薄板状の基板の表面を切削する技術に係り、特に、表面に金属や樹脂等の材料からなる付加部が形成された基板を対象とし、その付加部の厚さを均一に切削する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ICやLSI等の電子回路が表面に形成された半導体チップは、円盤状の半導体ウエーハの表面に、ストリートと呼ばれるカットラインで格子状の矩形領域を区画し、これら矩形領域に電子回路を形成した後、半導体ウエーハをストリートに沿って分割するといったプロセスを経て製造される。
【0003】
半導体ウエーハの中には、表面に複数の突起状の金属が形成されたり樹脂膜が絶縁手段として形成されたりしたものがあり、これら金属および樹脂膜の両方を表面に備える半導体ウエーハもある。例えば、金属としては、半導体素子と導通する配線と実装基板に実装するための接続端子とを兼ねる15〜100μm程度の高さのバンプと呼ばれるものがある。表面に複数の突起状のバンプが形成された半導体ウエーハでは、全てのバンプを基板の端子に突き当てて接続させるために、高さが均一であることが必要とされる。そのためには、例えば特許文献1および2に記載されるように、切削によってバンプの先端を削り取る方法を採用することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−173954号公報
【特許文献2】特開2004−319697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献には、ウエーハを真空チャック式のテーブルに吸着、保持して、表面のバンプや、バンプを埋没させた樹脂を、回転する超硬バイト等の切削工具で削り取るといった方法が記載されている。このような方法では、吸着テーブルの吸着面が基準面となって、ウエーハの表面が平坦に加工され、これに伴って金属や樹脂の部分の厚さも均一になる。したがって、吸着テーブルの吸着面と切削工具の回転軌跡からなる切削平面とが平行であることを前提とした場合、ウエーハは厚さが均一に加工される。
【0006】
ところが、素材のウエーハにあっては、金属や樹脂の部分を除いたウエーハの表面が裏面と平行ではなく傾斜しているものがあり、しかも、その傾斜の度合いも異なるなど、厚さに関してばらつきがある場合がある。このようにウエーハの厚さが均一でない場合は、金属や樹脂の表面は裏面と平行に加工されるものの、その高さは均一にならない。すなわち、表面の金属や樹脂の部分は厚さが偏ったものとなり、これら部分の厚さが均一なものを要求される場合には、それに応えることができないといった課題があった。
【0007】
よって本発明は、上記半導体ウエーハ等の基板の表面に形成された金属や樹脂といった付加部を切削するにあたり、この付加部を除いた基板の厚さが均一でない場合にも、付加部は厚さを均一に加工することができる基板の切削方法および切削装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板の切削方法は、表面に金属や樹脂等からなる付加部が形成された基板を、吸着テーブルの吸着面に該基板の裏面を合わせて吸着、保持し、この吸着テーブルに対向配置させた切削工具を回転させながら付加部に押し付けることにより、該付加部の表面を切削する基板の切削方法であって、吸着テーブルを、切削工具に対する対面角度が調整可能なるよう揺動自在に支持し、この吸着テーブルの吸着面に保持した基板の付加部の表面の高さを、少なくとも3つの測定点において測定し、これらの高さ測定値に基づいて、付加部の表面が、切削工具の回転軌跡からなる切削平面と平行になるように、吸着テーブルを揺動させて、該吸着テーブルの切削工具に対する対面角度を調整し、この後、切削工具によって基板の付加部の表面を切削することを特徴としている。
【0009】
本発明は、切削工具の回転軌跡からなる切削平面を基準面とし、この基準面に対する付加部表面の平行度を測定し、その測定値に基づいて、付加部の表面が基準面と平行になるように、切削工具に対する吸着テーブルの対面角度を調整してから、付加部を切削するものである。この方法により、付加部の表面から均一な量を切削することができ、もってその付加部の厚さを均一にすることができる。
【0010】
上記本発明の切削方法を好適に実施し得る基板の切削装置も本発明であり、次の構成を特徴としている。表面に金属や樹脂等からなる付加部が形成された基板の表面を切削する基板の切削装置であって、揺動自在に支持され、基板を吸着、保持する吸着面を有する吸着テーブルと、この吸着テーブルの吸着面に対向配置させられ、該吸着テーブルに保持された基板の表面を切削する回転式の切削工具と、吸着テーブルを揺動させて、吸着面の切削工具に対する対面角度を調整する吸着テーブル角度調整手段と、吸着テーブルに保持された基板の表面の高さを、少なくとも3つの測定点において測定する高さ測定手段とを備える。
【0011】
本発明の切削装置の吸着テーブル角度調整手段の具体例としては、吸着テーブルの裏面に設定される適宜に離間した少なくとも3つの支持点で該吸着テーブルを支持する支持手段を備えるとともに、これら支持手段のうちの少なくとも2つが、吸着テーブルを切削工具に対して進退させる可動機構を有するものが挙げられる。この調整手段は、1つの支持手段に吸着テーブルが揺動可能に支持され、可動機構を有する2つの支持手段で吸着テーブルを支持する形態が最も単純な構成であり、各支持手段による支持点は正三角形の頂点となる位置であることが、偏りの少ない測定値を得られるので好ましい。この調整手段によると、可動機構を作動させることにより、吸着テーブルが固定的な1つの支持手段を支点として揺動し、切削工具に対する対面角度が調整される。
【0012】
上記吸着テーブル角度調整手段による吸着テーブルの支持点が、高さ測定手段の測定点に対応する位置に設定されていると、測定値に基づく調整量を上記可動機構の動作量に直接反映させることができ、吸着テーブルの角度調整が容易となるので好ましい。
【0013】
また、本発明の切削装置では、制御手段によって吸着テーブルの角度調整を行うようにして動作の自動化を図ることができる。その制御手段は、高さ測定手段によって測定された各測定点における基板の表面高さの測定値に基づいて、吸着テーブルに保持された基板の表面が、切削工具の回転軌跡からなる切削平面と平行になるように、可動機構による吸着テーブルの切削工具に対する進退量を算出するとともに、この算出値に応じた動作を可動機構にさせるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、切削工具の回転軌跡からなる切削平面を基準面とし、この基準面に対する基板の付加部表面の平行度を測定し、その測定値に基づいて、付加部の表面が切削平面と平行になるように、切削工具に対する吸着テーブルの対面角度を調整してから、付加部を切削するため、付加部を除いた基板の厚さが均一でない場合にも、付加部の表面から均一な量を切削して付加部の厚さを均一にすることができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]半導体ウエーハ(基板)
図1の符号1は、一実施形態で切削加工を施す円盤状の半導体ウエーハ(以下、ウエーハと略称する)を示している。同図に示すように、このウエーハ1の表面には、複数の半導体チップ2が格子状に形成されている。各半導体チップ2の表面には、図1の拡大部分および図2に示すように、細かなピン状を呈する複数のバンプ3が突出形成されている。これらバンプ3は、半導体チップ2に形成された電子回路の電極に接合されている。また、ウエーハ1の表面には、図2に示すように、バンプ3を覆う樹脂膜4が形成されている。この樹脂膜4は、ウエーハ1の表面の僅かな外周部分を残して形成されている。以下の説明では、バンプ3および樹脂膜4双方を一括して付加部5と称する場合がある。付加部5の厚さは、ほぼ均一とされている。
【0016】
[2]切削装置の構成
上記ウエーハ1の表面に形成されたバンプ3は樹脂膜4ごと先端が削り取られて高さが均一にされ、樹脂膜4もそれに伴って平坦に加工される。図3は、その加工に好適な本発明の一実施形態に係る切削装置10を示している。図3中符号11は、水平な上面を備えた直方体状の部分を主体とする基台である。この基台11は、長手方向一端部に、上面に対して垂直に立つ壁部12を有している。図3では、基台11の長手方向、幅方向および鉛直方向を、それぞれ矢印Y,X,Zで示している。
【0017】
基台11の上面は、長手方向のほぼ中央部から壁部12側が加工エリア11Aとされ、この反対側が、加工エリア11Aに加工前のウエーハ1を供給し、かつ、加工後のウエーハ1を回収する供給・回収エリア11Bとされている。
以下、切削装置10が備える各種機構を、加工エリア11Aに設けられるものと供給・回収エリア11Bに設けられるものとに分けて説明する。
【0018】
(a)加工エリアの機構
図3に示すように、加工エリア11Aには矩形状の凹所13が形成されており、この凹所13内には、移動台14を介して、円盤状のチャックテーブル(吸着テーブル)15がY方向に移動自在に設けられている。移動台14は、基台11内に配されたY方向に延びるガイドレールに摺動自在に取り付けられ、適宜な駆動機構(いずれも図示略)によって同方向を往復動させられる。
【0019】
移動台14の移動方向両端部には、蛇腹状のカバー16,17の一端が、それぞれ取り付けられており、これらカバー16,17の他端は、壁部12の内面と、壁部12に対向する凹所13の内壁面に、それぞれ取り付けられている。これら、カバー16,17は、移動台14の移動路を覆い、その移動路に切削屑等が落下することを防ぐもので、移動台14の移動に伴って伸縮する。
【0020】
チャックテーブル15は、移動台14上に、吸着面15aを上に向けた状態で揺動自在に、かつ、回転不能に設けられている。ウエーハ1は、付加部5が形成された表面を上に向けて、このチャックテーブル15上に真空チャック方式で吸着、保持される。チャックテーブル15は、壁部12側に移動して所定の加工位置に位置付けられる。その加工位置の上方には、切削ユニット(切削手段)20が配されている。この切削ユニット20は、壁部12に、移動板32およびガイドレール31を介して昇降自在に取り付けられ、送り機構30によって昇降させられる。
【0021】
図4および図5に示すように、チャックテーブル15は、移動台14に組み込まれた1つの固定軸40Aおよび2つの可動軸:第1可動軸40B、第2可動軸40Cによって支持されている。各軸40A〜40Cは、軸方向がZ方向に延びており、チャックテーブル15の回転中心を中心とする正三角形の頂点となる位置に、それぞれ配されている。
【0022】
図4(A)に示すように、固定軸40Aは、上端に形成されたピボット41が、チャックテーブル15の下面側に形成された軸受穴19aに嵌め込まれており、このピボット41を支点として、チャックテーブル15は揺動する。第1および第2可動軸40B,40Cは、回転自在、かつ、軸方向への移動は規制された状態で移動台14に装着されている。これら可動軸40B,40Cは、上端に形成されたねじ部42がチャックテーブル15の下面側に形成されたねじ穴43にねじ込まれており、下端部に設けられた減速ギヤ列44を介して、モータ45B,45Cによって、それぞれ回転させられる。これらモータ45B,45Cの運転は、制御部70によって制御されるようになっている。
【0023】
第1可動軸40Bや第2可動軸40Cが回転すると、その回転方向にしたがって、チャックテーブル15の可動軸の装着部分が昇降し、チャックテーブル15全体としては、固定軸40Aのピボット41を支点として揺動する。チャックテーブル15は、吸着面15aが水平な状態を基本姿勢とされ、2つの可動軸45B,45Cを適宜に作動させることにより揺動し、これによって切削ユニット20に対する吸着面15aの対面角度が調整される。
【0024】
その切削ユニット20は、軸方向がZ方向に延びる円筒状のハウジング22と、このハウジング22に同軸的、かつ回転自在に支持された回転軸23と、この回転軸23を回転駆動するサーボモータ24と、回転軸23の下端に同軸的に固定された円盤状のホイールマウント25とを備え、上記移動板32に、ブロック34を介してハウジング22が固定されている。ホイールマウント25は、サーボモータ24によって図3の矢印(ホイールマウント25の上面に記載)方向に回転させられる。図6に示すように、ホイールマウント25の下面には、ダイヤモンド等からなる刃部を有するバイト(切削工具)26が着脱可能に取り付けられており、このバイト26で被加工物が切削される。ホイールマウント25とともに回転するバイト26の回転軌跡からなる切削平面は、水平あるいは水平に近い状態に設定される。
【0025】
上記チャックテーブル15は、切削ユニット20の直下の加工位置と、壁部12とは反対側に所定距離離れたウエーハ着脱位置との間を移動させられる。チャックテーブル15と切削ユニット20とは、チャックテーブル15の中心の移動軌跡が、ホイールマウント25の回転中心を通るZ軸方向の線と直角に交差する位置関係にある。
【0026】
ウエーハ着脱位置において、切削加工を施すウエーハ1がチャックテーブル15に載せられ、また、切削加工後のウエーハ1がチャックテーブル15から取り去られる。そのウエーハ着脱位置には、ウエーハ着脱位置にあるチャックテーブル15の高さや、このチャックテーブル15に保持されたウエーハ1の高さを測定する高さ測定ユニット50(高さ測定手段)が配設されている。
【0027】
この高さ測定ユニット50は、図3に示すように、基台11に固定されたフレーム51と、このフレーム51に取り付けられた3つの測長器52とを備えている。測長器52は、図7に示すように、軸方向がZ方向と平行にされた状態でフレーム51に固定される円筒状の本体部52aの下端部から、細い棒状の測定端子52bが突出しているものである。
【0028】
測定端子52bは上下動自在で、その先端に被測定物体の測定点が当接させられ、その時の物体の高さが、測長器52によって測定される。この測長器52としては、具体的には、接触式のリニアゲージ:DG−10B(ソニーマニュファクチュアリングシステムズ社製)などが好適に用いられる。なお、測長器52としては、このような接触式の他に、非接触式のレーザ変位計や背圧センサ、静電容量センサ等も用いることができる。
【0029】
高さ測定ユニット50の3つの測長器52により、着脱位置にあるチャックテーブル15上のウエーハ1の表面の高さが測定されるが、これら測長器52の測定点は、図5に示すように、固定軸40Aおよび2つの可動軸40B,40Cに対応する位置、すなわち、これら固定軸40Aおよび可動軸40B,40Cの直上の位置に設定される。図5のA,B,Cは、測定点を示している。したがって、3つの測長器52は正三角形をなすように配列されている。図7では、固定軸40Aおよび可動軸40B,40Cの上に配される測長器52を、それぞれ測定点A,B,Cに対応させて52A,52B,52Cと符号を付している。
【0030】
各測長器52A〜52Cによる測定値は、上記制御部70に供給され、この制御部70が備える記憶部に記憶される。制御部70はその測定値に基づいて、ウエーハ1の表面が切削ユニット20の回転するバイト26によって形成される切削平面と平行になるように、各可動軸40B,40Cによるチャックテーブル15の昇降量を算出し、さらに、この算出値に応じた回転動作(回転方向および回転数)が行われるように、各モータ45B,45Cに運転信号を出力する。
【0031】
(b)供給・回収エリアの機構
図3に示すように、供給・回収エリア11Bには矩形状の凹所18が形成されており、この凹所18の底部には、昇降自在とされた2節リンク式の水平旋回アーム60aの先端にフォーク60bが装着された移送機構60が設置されている。
【0032】
そして、凹所18の周囲には、上から見た状態で、反時計回りに、カセット61、位置合わせ台62、1節の水平旋回アーム63aの先端に吸着板63bが取り付けられた供給アーム63、供給アーム63と同じ構造で、水平旋回アーム64aおよび吸着板64bを有する回収アーム64、スピンナ式の洗浄装置65、カセット66が、それぞれ配置されている。
【0033】
カセット61、位置合わせ台62および供給アーム63は、ウエーハ1をチャックテーブル15に供給する手段であり、回収アーム64、洗浄装置65およびカセット66は、加工後のウエーハ1をチャックテーブル15から回収する手段である。2つのカセット61,66は同一の構造であるが、ここでは用途別に、供給カセット61、回収カセット66と称する。これらカセット61,66は、複数のウエーハ1を収容して持ち運びするためのもので、基台11の所定位置にセットされる。
【0034】
供給カセット61には、加工前の複数のウエーハ1が積層された状態で収容される。移送機構60は、アーム60aの昇降・旋回と、フォーク60bの把持動作によって、供給カセット61内から1枚のウエーハ1を取り出し、さらにそのウエーハ1を、付加部5が形成されている表面を上に向けた状態で、位置合わせ台62上に載置する機能を有する。
【0035】
位置合わせ台62上には、一定の位置に決められた状態でウエーハ1が載置される。供給アーム63は、位置合わせ台62上のウエーハ1を吸着板63bに吸着し、アーム63aを旋回させて、チャックテーブル15上にウエーハ1を配し、水平旋回アーム63aを下降させた後、吸着動作を停止することにより、チャックテーブル15上にウエーハ1を載置する機能を有する。
【0036】
回収アーム64は、加工後のウエーハ1を、チャックテーブル15上から吸着板64bに吸着し、アーム64aを旋回させて、ウエーハ1を洗浄装置65内に移送する機能を有する。洗浄装置65は、ウエーハ1を水洗した後、ウエーハ1を回転させて水分を振り飛ばし除去する機能を有する。そして、洗浄装置65によって洗浄されたウエーハ1は、移送機構60によって回収カセット66内に移送、収容される。
【0037】
供給アーム63および回収アーム64により、チャックテーブル15に対してウエーハ1を着脱させる際には、移動台14をウエーハ着脱位置で停止させる。また、供給アーム63と回収アーム64の間には、チャックテーブル15に高圧エアーを噴射してチャックテーブル15を洗浄するノズル67が配されている。ノズル67によるチャックテーブル15の洗浄は、ウエーハ着脱位置にあるチャックテーブル15に対して行われる。
【0038】
[3]切削装置によるウエーハの切削
続いて、以上の構成からなる切削装置10の使用方法ならびに動作を、以下に説明する。ここで説明する動作において、ウエーハ1の表面の高さを高さ測定ユニット50の測長器52A〜52Cで測定し、その測定値に基づいてウエーハ1の表面を切削する工程が、本発明の切削方法の具体例となる。
【0039】
まずはじめに、ウエーハ1の切削加工に先立ち、切削ユニット20のバイト26とチャックテーブル15の吸着面15aとの間隔を均一にして、バイト26による切削平面と吸着面15aとを平行にすべく、吸着面15aを切削ユニット20自身で切削するセルフカットが行われる。
【0040】
セルフカットは、まず、バイト26がチャックテーブル15の表面全面を所定厚さ切削し得る高さまで、切削ユニット20を送り機構30によって下降させてホイールマウント25およびバイト26を回転させる。この状態から、チャックテーブル15を着脱位置から加工位置に向けて移動させ、チャックテーブル15の表面全面がバイト26によって切削されるまで、チャックテーブル15を壁部12方向に移動させる。チャックテーブル15のセルフカットが終わったら、着脱位置に戻す。
【0041】
次に、高さ測定ユニット50の各測長器52A〜52Cによって、チャックテーブル15の吸着面15aの高さが測定される。それら測定値は制御部70に供給され、基準値(a,b,c)として記憶される。この時のチャックテーブル15の吸着面15aは上記セルフカットによってバイト26の切削平面と平行であるから、測定した基準値はバイト26の切削平面すなわち基準面を表す値とみなされる。
【0042】
一方、供給・回収エリアにおいては、ウエーハ1が複数枚収容された供給カセット61内から、移送機構60によって1枚のウエーハ1が取り出され、そのウエーハ1が、移送機構60によって表面を上に向けた状態で位置合わせ台62に移され、位置決めされる。次に、ウエーハ1は、供給アーム63によって位置合わせ台62から、チャックテーブル15の中央に表面を上に向けて移される。そして、チャックテーブル15の空気吸引の運転が開始されて、ウエーハ1はチャックテーブル15に吸着、保持される。
【0043】
このようにして着脱位置にあるチャックテーブル15にウエーハ1が保持されたら、高さ測定ユニット50の各測長器52A〜52Cによってウエーハの表面、すなわち付加部の表面の3点の測定点A,B,Cでの高さが測定される。これら測定値(Δa,Δb,Δc)は制御部70に供給され、制御部70は、各測定点A,B,Cごとに、基準値(a,b,c)と測定値(Δa,Δb,Δc)の差(a−Δa,b−Δb,c−Δc)をそれぞれ算出し、それら算出値が、固定軸40Aに対応した測定点Aと共通となるように、第1および第2可動軸40B,40Cに対応する測定点B,Cの補正値を求める。
【0044】
例えば、(a−Δa,b−Δb,c−Δc)が、(−3μm,+2μm,0μm)である場合、差の共通値を測定点Aの−3μmにするために、補正値は(0μm,−5μm,−3μm)となる。補正値での値の+,−は、+が上昇、−が下降であり、その昇降量に応じた回転動作(回転方向および回転数)が行われるように、制御部70は各モータ45B,45Cに運転信号を出力する。これによって、チャックテーブル15は揺動して傾斜し、ウエーハ1の付加部5の表面は、チャックテーブル15の吸着面15aすなわちバイト26の切削平面と平行になる。
【0045】
次に、チャックテーブル15を加工位置に移動させ、ホイールマウント25が回転する切削ユニット20を下降させながら、バイト26によってウエーハ1の表面、すなわち付加部5を構成するバンプ3および樹脂膜4の表面を所定厚さ切削する。上記制御によって付加部5の表面がバイト26の切削平面と平行に設定されていたので、切削後の付加部5の厚さは均一の状態が保持されている。
【0046】
次に、バイト26による付加部5の切削量が所定量になるように、送り機構30で切削ユニット20の高さを調整し、ホイールマウント25を回転させる。この状態から、移動台14を加工位置の方向に移動させて、チャックテーブル15に保持したウエーハ1を所定速度で加工位置に送り込んでいく。これにより、ウエーハ1の付加部5の表面が、回転するバイト26により壁部12側の外周縁側から徐々に削り取られていく。切削が始まってウエーハ1の直径分の距離が移動したら、付加部5の全面が切削されたことになる。なお、切削加工の好適な条件例を挙げると、サーボモータ24によるバイト26の回転速度は2000RPM程度、ステージ14の移動によるウエーハ1の送り速度は0.66mm/秒である。
【0047】
付加部5を所定厚さまで切削したら、切削ユニット20を上昇させて切削を終える。続いて、チャックテーブル15を着脱位置まで移動させ、チャックテーブル15へのウエーハ1の保持を継続したまま、測長器52A〜52Cによって付加部5の3点の高さを再度測定して、付加部5の平行度を確認する。3点の測定点A,B,Cの高さが均一であったら切削は完了となり、均一でなかった場合は、3点の高さ測定からチャックテーブル15の傾斜動作をもう1度行い、再び切削を行う。切削が完了したら、吸引運転を停止させてチャックテーブル15でのウエーハ1の保持状態を解除する。
【0048】
チャックテーブル15での保持が解除されたウエーハ1は、着脱位置から回収アーム64によって洗浄装置65に移され、ここで水洗されてから水分が除去され、次いで、移送機構60によって回収カセット66内に移され、収容される。
以上が1枚のウエーハ1に対して付加部5を切削加工し、この後、洗浄して回収するサイクルであり、このサイクルが繰り返し行われる。
【0049】
[4]効果
上記によるウエーハ1の表面の切削方法は、バイト26の回転軌跡からなる切削平面と平行なチャックテーブル15の吸着面15aを基準面とし、この基準面に対する付加部5の表面の平行度を測定し、その測定値に基づいて、付加部5の表面が切削平面と平行になるように、バイト26に対するチャックテーブル15の対面角度を調整してから、付加部5を切削するものである。この方法により、付加部5の表面から均一な量を切削することができ、もってその付加部5の厚さを均一にすることができる。
【0050】
本実施形態では、ウエーハ1の高さ測定の測定点A,B,Cは、ウエーハ1の表面に均等に分散する正三角形の頂点に位置しているので、偏りの少ない測定値を得られる。また、チャックテーブル15を支持する固定軸40A、第1可動軸40Bおよび第2可動軸40Cが、測定点A,B,Cに対応する直下に位置付けられているため、測定値に基づくチャックテーブル15の角度の調整量を、各モータ45B,45Cに直接反映させることができる。これは、例えば測定点Bで3μmの上昇が必要であると判断されたら、第1可動軸40Bが3μm上昇するようにモータ45Bを回転させればよいということであり、もしも測定点Bから離れた位置に第1可動軸40Bがあった場合には、第1可動軸40Bの上昇量は複雑な計算によって求めることになる。したがって、本実施形態のように測定点A,B,Cと固定軸40Aおよび各可動軸40B,40Cを対応させることにより、比較的容易にチャックテーブル15の角度調整を行うことができる。
【0051】
なお、上記実施形態は、基板として半導体ウエーハを取り上げたものであるが、本発明で取り扱う基板はこれに限定されず、例えば、セラミックス製の基材上に配線が形成されたり電子部品が搭載されたものなど、各種の基板を対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態によって表面が切削される半導体ウエーハの平面図である。
【図2】図1に示した半導体ウエーハの拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る切削装置の全体斜視図である。
【図4】図3に示した切削装置のチャックテーブルの支持構造を示す一部断面側面図であり、(A)は初期設定のチャックテーブルにウエーハを保持した状態、(B)はウエーハ表面をバイトの切削平面と平行にした角度調整後の状態を示す。
【図5】図3に示した切削装置のチャックテーブルに半導体ウエーハが保持された状態の平面図であり、高さ測定ユニットによる3つの測定点およびチャックテーブルを裏側から支持する固定軸および可動軸の配置を示す。
【図6】図3に示した切削装置で半導体ウエーハを切削する状態を示す側面図である。
【図7】図3に示した切削装置が具備する高さ測定ユニットの3つの測長器でウエーハの表面を測定している状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…半導体ウエーハ(基板)
3…バンプ(金属)
4…樹脂膜
5…付加部
10…切削装置
15…チャックテーブル(吸着テーブル)
20…切削ユニット
26…バイト(切削工具)
40B…第1の可動軸(吸着テーブル角度調整手段、支持手段、可動機構)
40C…第2の可動軸(吸着テーブル角度調整手段、支持手段、可動機構)
50…高さ測定ユニット(高さ測定手段)
52(52A,52B,52C)…測長器
70…制御部(制御手段)
A,B,C…測定点









 

 


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