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発明の名称 基板の加工方法および加工装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−59523(P2007−59523A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−241084(P2005−241084)
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
代理人 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
発明者 木村 祐輔 / 森 俊 / 波岡 伸一
要約 課題
半導体ウエーハ等の基板の表面に形成された金属や樹脂等からなる積層部を切削するにあたり、この積層部あるいは基板全体の厚みを一定するために要する切削工程を簡略化されて生産性の効率化を図る。

解決手段
測長器52により、チャックテーブル15の高さ位置(a)を測定し、次に、チャックテーブル15に吸着、保持した半導体ウエーハ1の上面の、積層部5の高さ位置(c)と、該積層部5が形成されていない基板部1Aの高さ位置(b)とを測定する。次いで、測定値に基づいて必要な切削量を求め、これ応じた切削加工を、加工ユニット20によって積層部5に施す。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、前記チャックテーブルを基板着脱領域と前記加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、前記基板着脱領域に配設され少なくとも前記チャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、
前記基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、
前記基板を前記チャックテーブルに保持し、前記高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、
該基板の積層部上面位置検出工程の前または後に前記チャックテーブルの上面の位置を検出するチャックテーブルの上面位置検出工程と、
前記基板の前記基板部の厚みを認識する基板部厚み認識工程と、
前記チャックテーブルを移動させて基板を前記加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、
前記基板の積層部上面位置検出工程と前記チャックテーブルの上面位置検出工程とによって得られた位置情報に基いて基板の厚みを算出し、前記加工手段の切削刃を基板の積層部の上面に位置付けて、前記基板部厚み認識工程で得られた基板部の厚みに達しない範囲で基板の厚みが所定値になるまで切削する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴とする基板の加工方法。
【請求項2】
基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、前記チャックテーブルを基板着脱領域と前記加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、前記基板着脱領域に配設され少なくとも前記チャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、
前記基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、
前記基板を前記チャックテーブルに保持し、前記高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、
前記基板を前記チャックテーブルに保持し、前記高さ位置検出手段によって基板の基板部の上面を検出する基板の基板部上面位置検出工程と、
前記チャックテーブルを移動させて基板を前記加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、
前記基板の積層部上面位置検出工程と前記基板の基板部上面位置検出工程とによって得られた位置情報に基いて積層部の厚みを算出し、前記加工手段で積層部の上面を切削して積層部を所定の厚みに形成する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴とする基板の加工方法。
【請求項3】
基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、前記チャックテーブルを基板着脱領域と前記加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、前記基板着脱領域に配設され少なくとも前記チャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、
前記基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、
前記基板を前記チャックテーブルに保持し、前記高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、
前記基板の前記基板部の厚みを認識する基板部厚み認識工程と、
前記チャックテーブルを移動させて基板を前記加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、
前記基板の積層部上面位置検出工程によって得られた位置情報に基いて、前記加工手段の切削刃を基板の積層部の上面に位置付けて前記基板部厚み認識工程で得られた基板部の厚みに達しない範囲で基板の積層部の上面を所定量切削する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴とする基板の加工方法。
【請求項4】
基板を保持するチャックテーブルと、
該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、
前記チャックテーブルを、基板着脱領域と、前記加工手段で前記基板の上面を切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段とを備えた基板加工装置であって、
前記基板着脱領域には、前記チャックテーブルの上面および/または該チャックテーブルに保持された前記基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段が配設されていることを特徴とする基板の加工装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの基板として用いられる半導体ウエーハや、この他の例えば樹脂層や金属層を有する薄板状の基板の上面を切削する技術に係り、特に、上面に金属や樹脂等の材料からなる積層部が形成された基板を対象とし、その積層部を切削する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ICやLSI等の電子回路が上面に形成された半導体チップは、円盤状の半導体ウエーハの上面に、ストリートと呼ばれるカットラインで格子状の矩形領域を区画し、これら矩形領域に電子回路を形成した後、半導体ウエーハをストリートに沿って分割するといったプロセスを経て製造される。
【0003】
半導体ウエーハの中には、上面に複数の突起状の金属が形成されたり樹脂膜が絶縁手段として形成されたりしたものがあり、これら金属および樹脂膜の両方を上面に備える半導体ウエーハもある。例えば、金属としては、半導体素子と導通する配線と実装基板に実装するための接続端子とを兼ねる15〜100μm程度の高さのバンプと呼ばれるものがある。上面に複数の突起状のバンプが形成された半導体ウエーハでは、全てのバンプを基板の端子に突き当てて接続させるために、高さが均一であることが必要とされる。そのためには、例えば特許文献1および2に記載されるように、切削によってバンプの先端を削り取る方法を採用することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−173954号公報
【特許文献2】特開2004−319697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献には、バンプや、バンプを埋没させた樹脂を、超硬バイト等の切削刃で削り取る方法が発明として記載されている。この方法では、金属(バンプ)や樹脂が切削されることにより、これらの高さが均一にされる。ところで、このような半導体ウエーハにあっては、高さを均一にするだけでなく、高さを所定値にばらつきなく一定にすることが求められる。そこで、ウエーハの上面に形成されたバンプ等の金属や樹脂を上記文献に記載の方法のように切削する場合には、加工装置でバンプや樹脂をある程度切削した後に、ウエーハの厚み、あるいはバンプや樹脂の高さを測定機器で測定し、その測定値に基づいて得た加工量分だけ再び切削するといった方法が採られる。
【0006】
しかしながらこのような方法では、加工装置と高さ測定機器とにウエーハを交互に移し替えてセットし直すことを繰り返し行わなければならないので、手間がかかり生産性の面で改善の余地があった。
【0007】
よって本発明は、上記半導体ウエーハ等の基板の上面に形成された金属や樹脂といった積層部を切削するにあたり、この積層部あるいは基板全体の厚みを一定するために要する切削工程が簡略化されて生産効率の向上が図られる基板の加工方法および加工装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板の加工方法は、基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、チャックテーブルを基板着脱領域と加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、基板着脱領域に配設され少なくともチャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、基板をチャックテーブルに保持し、高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、該基板の積層部上面位置検出工程の前または後にチャックテーブルの上面の位置を検出するチャックテーブルの上面位置検出工程と、基板の基板部の厚みを認識する基板部厚み認識工程と、チャックテーブルを移動させて基板を加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、基板の積層部上面位置検出工程とチャックテーブルの上面位置検出工程とによって得られた位置情報に基いて基板の厚みを算出し、加工手段の切削刃を基板の積層部の上面に位置付けて、基板部厚み認識工程で得られた基板部の厚みに達しない範囲で基板の厚みが所定値になるまで切削する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴としている。
【0009】
この発明は、基板の積層部上面位置情報とチャックテーブルの上面位置情報とから、基板部と積層部とを合わせた基板全体の総厚を求め、この総厚が所定値になるまで、加工手段の切削刃を基板に送り込んで積層部の切削を行う総厚制御による加工方法であり、基板の総厚を一定に加工する場合に用いられる方法である。基板部の厚みを予め認識して基板部の厚みに達しない範囲で切削の送り込みを規制するので、基板部を切削してしまうおそれがなく、積層部のみを適確に切削することができる。基板部の厚みを認識する手段としては、本発明の高さ位置検出手段で基板部の表面を測定する手段が挙げられ、この他には、予め基板部を所定の厚みに切断して得た場合などには、その厚みを事前に認識していることになる。
【0010】
また、次の本発明の基板の加工方法は、基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、チャックテーブルを基板着脱領域と加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、基板着脱領域に配設され少なくともチャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、基板をチャックテーブルに保持し、高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、基板をチャックテーブルに保持し、高さ位置検出手段によって基板の基板部の上面を検出する基板の基板部上面位置検出工程と、チャックテーブルを移動させて基板を加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、基板の積層部上面位置検出工程と基板の基板部上面位置検出工程とによって得られた位置情報に基いて積層部の厚みを算出し、加工手段で積層部の上面を切削して積層部を所定の厚みに形成する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
この発明は、基板の積層部上面位置情報と基板部上面位置情報とから、基板部上の積層部の厚みを求め、この積層部の厚みが所定値になるまで、加工手段の切削刃を基板に送り込んで積層部の切削を行うもので、積層部の厚み制御による加工方法である。この方法は、基板部の厚みにばらつきがあっても積層部の厚みを一定に加工する場合に採用される。
【0012】
さらに次の本発明の基板の加工方法は、基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、チャックテーブルを基板着脱領域と加工手段で切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段と、基板着脱領域に配設され少なくともチャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段とを備えた加工装置を用い、基板は基板部と基板部の上面に所定の厚みを持った積層部とから構成されていて該基板の積層部を切削する基板の加工方法であって、基板をチャックテーブルに保持し、高さ位置検出手段によって基板の積層部の上面の位置を検出する基板の積層部上面位置検出工程と、基板の基板部の厚みを認識する基板部厚み認識工程と、チャックテーブルを移動させて基板を加工領域に位置付ける加工領域位置付工程と、基板の積層部上面位置検出工程によって得られた位置情報に基いて、加工手段の切削刃を基板の積層部の上面に位置付けて基板部厚み認識工程で得られた基板部の厚みに達しない範囲で基板の積層部の上面を所定量切削する基板の積層部切削工程とを備えることを特徴としている。
【0013】
この発明は、加工前に得た基板の積層部上面位置情報と、切削中における積層部上面位置情報とから積層部の切削量が求められ、この切削量が所定値になるまで、加工手段の切削刃を基板に送り込んで積層部の切削を行う切削量制御による加工方法である。この方法は、積層部の切削量を一定に加工する場合に採用される。本方法でも、基板部の厚みを予め認識して基板部の厚みに達しない範囲で切削の送り込みを規制するので、基板部を切削してしまうおそれがなく、積層部のみを適確に切削することができる。
【0014】
本発明による上記各加工方法にあっては、基板に関する厚みの検出を、基板をチャックテーブルに保持したままの状態で行うので、その検出と積層部の切削とを停滞なく一連的に行うことができ、したがって、切削工程が簡略化されて生産効率の向上が図られる。
【0015】
次に、本発明の基板の加工装置は、基板を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された基板の上面を切削する切削刃を有する加工手段と、チャックテーブルを、基板着脱領域と、加工手段で基板の上面を切削する加工領域とに位置付けるチャックテーブル移動手段とを備えた基板加工装置であって、基板着脱領域には、チャックテーブルの上面および/または該チャックテーブルに保持された基板の上面の位置を検出する高さ位置検出手段が配設されていることを特徴としている。この加工装置によれば、上記本発明の各加工方法を好適に実施することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、基板全体の厚みや積層部の厚みを測定しながら積層部を切削することを、チャックテーブルに基板を保持したままの状態で行うので、積層部あるいは基板全体の厚みを一定するために要する切削工程が簡略化されて生産効率の向上が図られるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]半導体ウエーハ(基板)
図1の符号1は、一実施形態で切削加工を施す円盤状の半導体ウエーハ(以下、ウエーハと略称する)を示しており、図2はウエーハの断面を示している。図2に示すように、ウエーハ1は基板部1Aを有し、この基板部1Aの表面には、図1に示すように、複数の半導体チップ2が格子状に形成されている。各半導体チップ2の表面には、図1の拡大部分および図2に示すように、細かなピン状を呈する複数のバンプ3が突出形成されている。これらバンプ3は、半導体チップ2に形成された電子回路の電極に接合されている。また、ウエーハ1の表面には、図2に示すように、バンプ3を覆う樹脂膜4が形成されている。この樹脂膜4は、ウエーハ1の表面の僅かな外周部分を残して形成されている。以下の説明では、バンプ3および樹脂膜4双方を一括して積層部5と称する場合がある。
【0018】
[2]加工装置の構成
上記ウエーハ1の表面に形成されたバンプ3は樹脂膜4ごと先端が削り取られて高さが均一にされ、樹脂膜4もそれに伴って平坦に加工される。図3は、その加工に好適な本発明の一実施形態に係る加工装置10を示している。図3中符号11は、水平な上面を備えた直方体状の部分を主体とする基台である。この基台11は、長手方向一端部に、上面に対して垂直に立つ壁部12を有している。図3では、基台11の長手方向、幅方向および鉛直方向を、それぞれ矢印Y,X,Zで示している。
【0019】
基台11の上面は、長手方向のほぼ中央部から壁部12側が加工エリア11Aとされ、この反対側が、加工エリア11Aに加工前のウエーハ1を供給し、かつ、加工後のウエーハ1を回収する供給・回収エリア11Bとされている。
以下、加工装置10が備える各種機構を、主に図3を参照して、加工エリア11Aに設けられるものと供給・回収エリア11Bに設けられるものとに分けて説明する。
【0020】
(a)加工エリアの機構
加工エリア11Aには矩形状の凹所13が形成されており、この凹所13内には、移動台14を介して、円盤状のチャックテーブル15がY方向に移動自在に設けられている。移動台14は、基台11内に配されたY方向に延びるガイドレールに摺動自在に取り付けられ、適宜な駆動機構(いずれも図示略)によって同方向を往復動させられる。
【0021】
移動台14の移動方向両端部には、蛇腹状のカバー16,17の一端が、それぞれ取り付けられており、これらカバー16,17の他端は、壁部12の内面と、壁部12に対向する凹所13の内壁面に、それぞれ取り付けられている。これら、カバー16,17は、移動台14の移動路を覆い、その移動路に切削屑等が落下することを防ぐもので、移動台14の移動に伴って伸縮する。
【0022】
チャックテーブル15は、移動台14上に、ウエーハ1の吸着面である上面が水平な状態に固定されている。ウエーハ1は、積層部5が形成された表面を上に向けて、このチャックテーブル15の上面に真空チャック方式で吸着、保持される。チャックテーブル15は、壁部12側に移動して所定の加工領域に位置付けられる。その加工領域の上方には、加工ユニット(加工手段)20が配されている。この加工ユニット20は、壁部12に、移動板32およびガイドレール31を介して昇降自在に取り付けられ、送り機構30によって昇降させられる。
【0023】
加工ユニット20は、軸方向がZ方向に延びる円筒状のハウジング22と、このハウジング22に同軸的、かつ回転自在に支持された回転軸23と、この回転軸23を回転駆動するサーボモータ24と、回転軸23の下端に同軸的に固定された円盤状のホイールマウント25とを備え、上記移動板32に、ブロック34を介してハウジング22が固定されている。ホイールマウント25は、サーボモータ24によって図3の矢印(ホイールマウント25の上面に記載)方向に回転させられる。図4に示すように、ホイールマウント25の下面には、ダイヤモンド等からなる刃部を有するバイト(切削刃)26が着脱可能に取り付けられており、このバイト26で被加工物が切削される。ホイールマウント25とともに回転するバイト26の回転軌跡からなる切削平面は、水平あるいは水平に近い状態に設定される。当該加工装置10においては、バイト26の刃先とチャックテーブル15との間隔が常に検知され、その情報に基づいて送り機構30が昇降し、ウエーハ1の表面が適切に切削されるようになっている。
【0024】
上記チャックテーブル15は、加工ユニット20の直下の加工領域と、壁部12とは反対側に所定距離離れたウエーハ着脱領域との間を移動させられる。チャックテーブル15と切削ユニット20とは、チャックテーブル15の中心の移動軌跡が、ホイールマウント25の回転中心を通るZ軸方向の線と直角に交差する位置関係にある。
【0025】
ウエーハ着脱位置において、切削加工を施すウエーハ1がチャックテーブル15に載せられ、また、切削加工後のウエーハ1がチャックテーブル15から取り去られる。そのウエーハ着脱領域には、ウエーハ着脱領域にあるチャックテーブル15の高さや、このチャックテーブル15に保持されたウエーハ1に関する高さを測定する高さ測定ユニット50(高さ位置検出手段)が配設されている。
【0026】
この高さ測定ユニット50は、基台11に固定されたフレーム51と、このフレーム51に取り付けられた1つの測長器52とを備えている。測長器52は、図5に示すように、軸方向がZ方向と平行にされた状態でフレーム51に固定される円筒状の本体部52aの下端部から、細い棒状の測定端子52bが突出しているものである。なお、図5では測長器52が3つ示されているが、これは測定点が3点であることを示しており、実際に具備されている測長器52は1つである。
【0027】
測定端子52bは上下動自在で、その先端に被測定物体の測定点が当接させられ、その時の物体の高さが、測長器52によって測定される。この測長器52としては、具体的には、接触式のリニアゲージ:DG−10B(ソニーマニュファクチュアリングシステムズ社製)などが好適に用いられる。なお、測長器52としては、このような接触式の他に、非接触式のレーザ変位計や背圧センサ、静電容量センサ等も用いることができる。
【0028】
(b)供給・回収エリアの機構
図3に示すように、供給・回収エリア11Bには矩形状の凹所18が形成されており、この凹所18の底部には、昇降自在とされた2節リンク式の水平旋回アーム60aの先端にフォーク60bが装着された移送機構60が設置されている。
【0029】
そして、凹所18の周囲には、上から見た状態で、反時計回りに、カセット61、位置合わせ台62、1節の水平旋回アーム63aの先端に吸着板63bが取り付けられた供給アーム63、供給アーム63と同じ構造で、水平旋回アーム64aおよび吸着板64bを有する回収アーム64、スピンナ式の洗浄装置65、カセット66が、それぞれ配置されている。
【0030】
カセット61、位置合わせ台62および供給アーム63は、ウエーハ1をチャックテーブル15に供給する手段であり、回収アーム64、洗浄装置65およびカセット66は、加工後のウエーハ1をチャックテーブル15から回収する手段である。2つのカセット61,66は同一の構造であるが、ここでは用途別に、供給カセット61、回収カセット66と称する。これらカセット61,66は、複数のウエーハ1を収容して持ち運びするためのもので、基台11の所定位置にセットされる。
【0031】
供給カセット61には、加工前の複数のウエーハ1が、積層された状態で収容される。移送機構60は、アーム60aの昇降・旋回と、フォーク60bの把持動作によって、供給カセット61内から1枚のウエーハ1を取り出し、さらにそのウエーハ1を、積層部5が形成されている表面を上に向けた状態で、位置合わせ台62上に載置する機能を有する。
【0032】
位置合わせ台62上には、一定の位置に決められた状態でウエーハ1が載置される。供給アーム63は、位置合わせ台62上のウエーハ1を吸着板63bに吸着し、アーム63aを旋回させて、チャックテーブル15上にウエーハ1を配し、水平旋回アーム63aを下降させた後、吸着動作を停止することにより、チャックテーブル15上にウエーハ1を載置する機能を有する。
【0033】
回収アーム64は、加工後のウエーハ1を、チャックテーブル15上から吸着板64bに吸着し、アーム64aを旋回させて、ウエーハ1を洗浄装置65内に移送する機能を有する。洗浄装置65は、ウエーハ1を水洗した後、ウエーハ1を回転させて水分を振り飛ばし除去する機能を有する。そして、洗浄装置65によって洗浄されたウエーハ1は、移送機構60によって回収カセット66内に移送、収容される。
【0034】
供給アーム63および回収アーム64により、チャックテーブル15に対してウエーハ1を着脱させる際には、移動台14をウエーハ着脱領域で停止させる。また、供給アーム63と回収アーム64の間には、チャックテーブル15に高圧エアーを噴射してチャックテーブル15を洗浄するノズル67が配されている。ノズル67によるチャックテーブル15の洗浄は、ウエーハ着脱領域にあるチャックテーブル15に対して行われる。
【0035】
[3]加工装置によるウエーハの切削
続いて、以上の構成からなる加工装置10の使用方法ならびに動作を以下に説明する。
まずはじめに、ウエーハ1の切削加工に先立ち、加工ユニット20のバイト26とチャックテーブル15の上面との間隔を均一にして、バイト26による切削平面とチャックテーブル15の上面とを平行にすべく、この上面を加工ユニット20自身で切削するセルフカットが行われる。
【0036】
セルフカットは、まず、バイト26がチャックテーブル15の上面全面を所定厚さ切削し得る高さまで、切削ユニット20を送り機構30によって下降させてホイールマウント25およびバイト26を回転させる。この状態から、チャックテーブル15を着脱位置から加工位置に向けて移動させ、チャックテーブル15の上面全面がバイト26によって切削されるまで、チャックテーブル15を壁部12方向に移動させる。チャックテーブル15のセルフカットが終わったら、着脱位置に戻す。
【0037】
次に、図1に示したウエーハ1が複数枚収容された供給カセット61内から、移送機構60によって1枚のウエーハ1が取り出され、そのウエーハ1が、移送機構60によって表面を上に向けた状態で位置合わせ台62に移され、位置決めされる。次に、ウエーハ1は、供給アーム63によって位置合わせ台62から、予め着脱領域で停止していたチャックテーブル15の上面に、表面を上に向けた状態に移される。そして、チャックテーブル15の空気吸引の運転が開始されて、ウエーハ1はチャックテーブル15に吸着、保持される。この状態では、ウエーハ1がチャックテーブル15よりも小径であるため、図6に示すように、チャックテーブル15の外周部はウエーハ1に覆われておらず露出している。
【0038】
ここまでが切削加工の準備であり、この加工装置10では、ウエーハ1全体の厚みを一定に加工する総厚制御と、ウエーハ1の積層部5の厚みを一定に加工する積層部5の厚み制御と、積層部5の切削量を一定に加工する積層部5の切削量制御を行うことができる。以下、これらの制御方法ごとにウエーハ1を切削加工する動作を説明する。
【0039】
(A)総厚制御
図5に示すように、チャックテーブル15の外周部であってウエーハ1に覆われていない部分を測定点として、チャックテーブル15の上面高さ位置(a)を高さ測定ユニット50の測長器52で測定する(チャックテーブルの上面位置検出工程)。次に、ウエーハ1の、基板部1Aの上面の高さ位置(b)を測長器52で測定し(基板部厚み認識工程)、また、積層部5の上面の高さ位置(c)を測長器52で測定する(積層部上面位置検出工程)。そして、加工前のウエーハ1の総厚「積層部5の高さ位置(c)−チャックテーブル15の高さ位置(a)」と、加工前の積層部5の高さ「積層部5の高さ位置(c)−基板部1Aの高さ位置(b)」を算出する。
【0040】
次に、チャックテーブル15とバイト26との間隔がウエーハ1の所定の総厚と同じ値になるように、送り機構30によって加工ユニット20の高さを調整し、次いで、ホイールマウント25を回転させる。この状態から、移動台14を加工位置の方向に移動させて、チャックテーブル15に保持したウエーハ1を所定速度で加工位置に送り込んでいく。これにより、ウエーハ1の積層部5の上面が、回転するバイト26により壁部12側の外周縁側から徐々に削り取られていく(積層部切削工程)。この時、基板部1Aの高さ位置(b)によって認識した基板部1Aの厚みに達しない範囲でウエーハ1の厚みが所定値になるまで、積層部5が切削する。切削が始まってウエーハ1の直径分の距離が移動したら、積層部5の上面全面が切削されたことになる。なお、切削加工の好適な条件例を挙げると、サーボモータ24によるバイト26の回転速度は2000RPM程度、ステージ14の移動によるウエーハ1の送り速度は0.66mm/秒である。
【0041】
(B)積層部の厚み制御
図5に示した(a),(b),(c)の測定点のうち、ウエーハにおける積層部5の上面の高さ位置(c)と基板部1Aの上面の高さ位置(b)を測定する。そして、「積層部5の高さ位置(c)−基板部1Aの高さ位置(b)」を算出し、その算出値に基づいて切削加工量を求め、上記と同様の切削動作で積層部5の切削を行う。この積層部5の厚み制御では、積層部5を除いたウエーハ1の厚みにばらつきがあっても、積層部5の厚みを一定に加工することができる。
【0042】
(C)積層部の切削量制御
図5に示した(a),(b),(c)の測定点を全て測定し、積層部5の上面の高さ位置(c)から一定の切削量でその積層部5を切削する。この時、基板部1Aの高さ位置(b)によって認識した基板部1Aの厚みに達しない範囲で積層部5を切削する。なお、基板部1Aの厚みは、上記総厚制御の場合もそうであったが、測長器52による基板部1Aの高さ位置(b)に基づいて認識しているが、基板部1Aの厚みの認識方法はこれに限られず、例えば、予め測定しておいたり、あるいは基板部1Aの切断時の厚み設定値を利用したりしてもよい。
【0043】
以上が各制御ごとの切削方法であり、いずれの場合も、切削が終了したら加工ユニット20を上昇させてバイト26の回転を停止し、チャックテーブル15を着脱領域まで移動させ、チャックテーブル15へのウエーハ1の保持を継続したまま、測長器52によって目的とする高さを再度測定し、所定値になっているか否かを確認する。所定値が出ていなかったら再び切削を行い、出ていたら切削は完了となる。切削が完了したら、吸引運転を停止させてチャックテーブル15でのウエーハ1の保持状態を解除する。
【0044】
チャックテーブル15での保持が解除されたウエーハ1は、着脱領域から回収アーム64によって洗浄装置65に移され、ここで水洗されてから水分が除去され、次いで、移送機構60によって回収カセット66内に移され、収容される。
以上が1枚のウエーハ1に対して積層部5を切削加工し、この後、洗浄して回収するサイクルであり、このサイクルが繰り返し行われる。
【0045】
[4]効果
本実施形態によれば、切削加工に供するウエーハ1をチャックテーブル15に保持したままの状態で、必要な切削加工量を算出するための測定を行うので、高さ測定のためにウエーハ1をチャックテーブル15から外して別の測長器にセットし、この後、再びウエーハ1をチャックテーブル15に保持させるといった手間が省かれる。このため、切削と高さ測定を停滞なく一連的に進行させることができ、その結果、生産効率の向上が図られる。また、ウエーハ1の移し替えに起因する誤差の発生を防ぐことができるので、より高い精度で積層部5の高さやウエーハ1全体の高さ等を設計通りに出すことができる。
【0046】
なお、上記実施形態は、基板として半導体ウエーハを取り上げたものであるが、本発明で取り扱う基板はこれに限定されず、例えば、セラミックス製の基材上に配線が形成されたり電子部品が搭載されたものなど、各種の基板を対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態によって表面が切削される半導体ウエーハの平面図である。
【図2】図1に示した半導体ウエーハの拡大断面図である。
【図3】一実施形態の切削方法を実施し得る加工装置の斜視図である。
【図4】図3に示した加工装置で半導体ウエーハを切削する状態を示す側面図である。
【図5】図3に示した加工装置が具備する高さ計測ユニットによるウエーハの測定点を示す側面図である。
【図6】図3に示した加工装置のチャックテーブルに半導体ウエーハが保持された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…半導体ウエーハ(基板)
1A…基板部
5…積層部
10…加工装置
15…チャックテーブル
20…加工ユニット(加工手段)
26…バイト(切削刃)
50…高さ測定ユニット(高さ位置検出手段)
52…測長器








 

 


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