米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社ディスコ

発明の名称 ウエーハの分割方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−42808(P2007−42808A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−224471(P2005−224471)
出願日 平成17年8月2日(2005.8.2)
代理人 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
発明者 荒井 一尚 / 南條 雅俊
要約 課題
ウエーハをダイシングテープに貼着することなくストリートに沿って切削することができるとともに、分割されたチップの抗折強度の低下を招かないウエーハの分割方法を提供する。

解決手段
表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成されているウエーハを、ストリートに沿って分割するウエーハの分割方法であって、切削装置のチャックテーブルにウエーハの表面を保持し、ウエーハの裏面側からストリートに沿ってウエーハの厚さの略半分の深さの第1の切削溝を形成する第1の切削工程と、チャックテーブルにウエーハの裏面を保持し、ウエーハの表面側からストリートに沿って第1の切削溝に達しない深さの第2の切削溝を形成する第2の切削工程と、第1の切削溝および第2の切削溝が形成されたウエーハのストリートに沿って外力を付与し、第1の切削溝と該第2の切削溝との間の未切削部を破断する分割工程とを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成されているウエーハを、ストリートに沿って分割するウエーハの分割方法であって、
切削装置のチャックテーブルにウエーハの表面を保持し、ウエーハの裏面側からストリートに沿ってウエーハの厚さの略半分の深さの第1の切削溝を形成する第1の切削工程と、
該チャックテーブルにウエーハの裏面を保持し、ウエーハの表面側からストリートに沿って該第1の切削溝に達しない深さの第2の切削溝を形成する第2の切削工程と、
該第1の切削溝および該第2の切削溝が形成されたウエーハのストリートに沿って外力を付与し、該第1の切削溝と該第2の切削溝との間の未切削部を破断する分割工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法。
【請求項2】
該第1の切削工程において形成される該第1の切削溝は、ウエーハの外周に達しない範囲で形成される、請求項1記載のウエーハの分割方法。
【請求項3】
該第1の切削工程においてウエーハを保持する該チャックテーブルは中央部上面に形成された円形の凹部と該円形の凹部の外側に形成された環状の吸引保持部を備えており、該環状の吸引保持部にウエーハの表面におけるデバイスを囲繞する余剰領域を保持する、請求項1又は2記載のウエーハの分割方法。
【請求項4】
該第1の切削工程は、該チャックテーブルに形成された円形の凹部に流体を供給して実施する、請求項3記載のウエーハの分割方法。
【請求項5】
該分割工程は、該第1の切削溝および該第2の切削溝が形成されたウエーハを弾性パッドに載置し、該弾性パッドに載置されたウエーハに外力を付与する、請求項1から4のいずれかに記載のウエーハの分割方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等のウエーハを所定のストリートに沿って分割するウエーハの分割方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも分割予定ラインに沿って切断することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード、CCD等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
【0003】
上述した半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のストリートに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって実施されている。この切削装置は、半導体ウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削ブレードを備えた切削手段と、チャックテーブルと切削手段を加工送り方向に相対移動せしめる加工送り手段とを具備している。そして、切削装置によってウエーハを切断する際には、切断され個々に分割されたチップがバラバラにならないようにウエーハは予め環状のダイシングフレームに装着されたダイシングテープに貼着されている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2002−299295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、ウエーハをダイシングテープに貼着して切削するためには、消耗品としてのダイシングテープおよびこのダイシングテープが装着される環状のダイシングフレームが必要となる。また、ウエーハをダイシングテープに貼着するとともにダイシングテープをダイシングフレームに装着するためのテープ装着装置が必要となるとともに、テープ装着工程を実施しなければならない。
なお、ウエーハの裏面をダイシングテープに貼着せずにウエーハを表面側から完全切断することも考えられるが、この場合にはウエーハを保持するチャックテーブルには切削ブレードの逃げ溝を設ける必要があり、しかもストリートの間隔に対応した複数のチャックテーブルを用意しなければならない。
また、ウエーハの表面からストリートに沿って所定深さの切削溝を形成してウエーハの裏面側に未切削部を残し、その後ストリートに沿って外力を作用せしめて未切削部を破断する方法も考えられるが、この場合個々に分割されたチップの裏面に欠けが生じてチップの抗折強度が著しく低下するという問題が発生する。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ウエーハをダイシングテープに貼着することなくストリートに沿って切削することができるとともに、分割されたチップの抗折強度の低下を招かないウエーハの分割方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成されているウエーハを、ストリートに沿って分割するウエーハの分割方法であって、
切削装置のチャックテーブルにウエーハの表面を保持し、ウエーハの裏面側からストリートに沿ってウエーハの厚さの略半分の深さの第1の切削溝を形成する第1の切削工程と、
該チャックテーブルにウエーハの裏面を保持し、ウエーハの表面側からストリートに沿って該第1の切削溝に達しない深さの第2の切削溝を形成する第2の切削工程と、
該第1の切削溝および該第2の切削溝が形成されたウエーハのストリートに沿って外力を付与し、該第1の切削溝と該第2の切削溝との間の未切削部を破断する分割工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
【0007】
上記第1の切削工程において形成される第1の切削溝は、ウエーハの外周に達しない範囲で形成されることが望ましい。
上記第1の切削工程においてウエーハを保持するチャックテーブルは中央部上面に形成された円形の凹部と該円形の凹部の外側に形成された環状の吸引保持部を備えており、該環状の吸引保持部にウエーハの表面におけるデバイスを囲繞する余剰領域を保持する。上記第1の切削工程は、チャックテーブルに形成された円形の凹部に流体を供給して実施することが望ましい。
また、上記分割工程は、上記第1の切削溝および第2の切削溝が形成されたウエーハを弾性パッドに載置し、該弾性パッドに載置されたウエーハに外力を付与する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ウエーハの裏面と表面から未切削部を残して第1の切削溝と第2の切削溝を形成するので、ウエーハをダイシングテープに貼着する必要がなく、従って、ダイシングテープおよびダイシングテープを装着する環状のダイシングフレームが不要となるとともに、テープ装着装置およびテープ装着工程が不要となる。
また、本発明によれば、ウエーハはストリートに沿って形成された第1の切削溝と第2の切削溝との間の未切削部が破断され個々のチップに分割されるが、未切削部はチップの厚さ方向中央部であるため、未切削部に欠けが生じても応力が集中せず抗折強度の低下を招かない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明によるウエーハの分割方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明によるウエーハの分割方法によって個々のチップに分割される半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ10は、例えば厚さが700μmのシリコンウエーハからなっており、表面10aには格子状の分割予定ライン101が形成されており、この格子状の分割予定ライン101によって区画された複数の領域にデバイス102が形成されている。このように形成された半導体ウエーハ10の外周部には、デバイス102を囲繞する余剰領域103が設けられている。
【0011】
次に、半導体ウエーハ10をストリート101に沿って分割する分割方法について説明する。
ここで、半導体ウエーハ10をストリート101に沿って切削する切削装置について、図2を参照して説明する。
図2に示された切削装置1は、静止基台2と、該静止基台2に加工送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に割り出し送り方向である矢印Yで示す方向(加工送り方向である矢印Xで示す方向に直交する方向)に移動可能に配設されたスピンドル支持機構6と、該スピンドル支持機構6に切り込み送り方向である矢印Zで示す方向に移動可能に配設された切削手段としてのスピンドルユニット7が配設されている。
【0012】
上記チャックテーブル機構3は、被加工物を保持する第1のチャックテーブル4aと、該第1のチャックテーブル4aと矢印Xで示す加工送り方向に隣接して配設された第2のチャックテーブル4bと、第1のチャックテーブル4aと第2のチャックテーブル4bを支持し矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめるチャックテーブル移動機構5とからなっている。チャックテーブル移動機構5は、静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向に沿って平行に配設された共通の一対の案内レール51、51と、該案内レール51、51上に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設されたチャックテーブル支持基台52と、該チャックテーブル支持基台52を一対の案内レール51、51に沿って移動せしめる加工送り手段53を具備している。
【0013】
上記チャックテーブル支持基台52は矩形状に形成され、その下面には上記一対の案内レール51、51と嵌合する被案内溝521、521が形成されている。この被案内溝521、521を一対の案内レール51、51に嵌合することにより、チャックテーブル支持基台52は一対の案内レール51、51に沿って移動可能に配設される。
【0014】
上記加工送り手段53は、上記一対の案内レール51と51の間に平行に配設された雄ネジロッド531と、該雄ネジロッド531を回転駆動するためのサーボモータ532等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド531は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック533に回転自在に支持されており、その他端が上記サーボモータ532の出力軸に連結されている。なお、雄ネジロッド531は、チャックテーブル支持基台52の中央部に形成された雌ネジ522に螺合されている。従って、サーボモータ532によって雄ネジロッド531を正転および逆転駆動することにより、チャックテーブル支持基台52は案内レール51、51に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられる。
【0015】
次に、上記第1のチャックテーブル4aおよび第2のチャックテーブル4bについて説明する。
先ず、第1のチャックテーブル4aについて、図2および図3を参照して説明する。第1のチャックテーブル4aは、チャックテーブル支持基台52の上面に配設された円筒状の支持筒体55aに図3に示すように軸受56aを介して回転可能に支持されている。なお、支持筒体55a内には図示しないパルスモータが配設されており、このパルスモータによって第1のチャックテーブル4aが所定角度毎に回動せしめられるようになっている。第1のチャックテーブル4aは、図3に示すように本体部41aと支持部42aとからなっており、支持部42aが上記円筒状の支持筒体55aに軸受56aを介して回転可能に支持される。本体部41aは、中央部上面に形成された円形の凹部411aと、該円形の凹部411aの外側に形成された環状の吸引保持部412aとからなっている。円形の凹部411aは支持部42aに形成された通路421aを通して図示しない流体供給手段に連通されている。また、凹部411aの底面には、複数の赤外線ランプ43が配設されている。本体部41aの環状の吸引保持部412aには、上面である吸引保持面に開口する複数の吸引孔413aが形成されており、この複数の吸引孔413aが支持部42aに形成された通路422aを通して図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段を作動することにより、環状の吸引保持部412aの上面である吸引保持面に載置された被加工物を吸引保持する。
【0016】
次に、第2のチャックテーブル4bについて、図2を参照して説明する。
第2のチャックテーブル4bは、切削装置に一般に用いられているチャックテーブルと同様の構成でよく、本体部41bと該本体部41bの上面に装着された吸着チャック42bとからなっている。本体部41bは上記チャックテーブル支持基台52の上面に配設された円筒状の支持筒体55bに回転可能に支持されており、支持筒体55bに配設された図示しないパルスモータによって所定角度毎に回動せしめられるようになっている。吸着チャック42bはポーラスなセラミックス等の多孔性部材によって形成されており、図示しない吸引手段に連通されている。従って、図示しない吸引手段を作動することにより、吸着チャック42bの上面である吸引保持面に載置された被加工物を吸引保持する。
【0017】
図2を参照して説明を続けると、上記スピンドル支持機構6は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール61、61と、該案内レール61、61上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台62を具備している。この可動支持基台62は、案内レール61、61上に移動可能に配設された移動支持部621と、該移動支持部621に取り付けられた装着部622とからなっている。移動支持部621の下面には案内レール61、61と嵌合する一対の被案内溝621a、621aが形成されており、この被案内溝621a、621aを案内レール61、61に嵌合することにより、可動支持基台62は案内レール61、61に沿って移動可能に構成される。また、装着部622は、一側面に矢印Zで示す方向に延びる一対の案内レール622a、622aが平行に設けられている。
【0018】
図示の実施形態におけるスピンドル支持機構6は、可動支持基台62を一対の案内レール61、61に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための割り出し送り手段63を具備している。割り出し送り手段63は、上記一対の案内レール61、61の間に平行に配設された雄ネジロッド631と、該雄ねじロッド631を回転駆動するためのパルスモータ632等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド631は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ632の出力軸に連結されている。なお、雄ネジロッド631は、可動支持基台62を構成する移動支持部631の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ632によって雄ネジロッド631を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台62は案内レール61、61に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
【0019】
図示の実施形態のおけるスピンドルユニット7は、ユニットホルダ71と、該ユニットホルダ71に取り付けられたスピンドルハウジング72と、該スピンドルハウジング72に回転可能に支持された回転スピンドル73を具備している。ユニットホルダ71は、上記装着部622に設けられた一対の案内レール622a、622aに摺動可能に嵌合する一対の被案内溝71a、71aが設けられており、この被案内溝71a、71aを上記案内レール622a、622aに嵌合することにより、矢印Zで示す切り込み送り方向に移動可能に支持される。上記回転スピンドル73はスピンドルハウジング72の先端から突出して配設されており、この回転スピンドル73の先端部に切削ブレード74が装着されている。切削ブレード74を装着した回転スピンドル73は、サーボモータ75等の駆動源によって回転駆動せしめられる。なお、切削ブレード74の両側には、切削ブレード74による切削部に切削水を供給する切削水供給ノズル76が配設されている。上記スピンドルハウジング72の先端部には、上記第1のチャックテーブル4aおよび第2のチャックテーブル4b上に保持された被加工物を撮像し、上記切削ブレード74によって切削すべき領域を検出するための撮像手段77を具備している。この撮像手段77は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、上記第1のチャックテーブル4aに配設された赤外線ランプ43によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
【0020】
図示の実施形態におけるスピンドルユニット7は、ホルダ71を一対の案内レール622a、622aに沿って矢印Zで示す方向に移動させるための切込み送り手段78を具備している。切込み送り手段78は、上記加工送り手段53および割り出し送り手段63と同様に案内レール622a、622a の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ782等の駆動源を含んでおり、パルスモータ762によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ71とスピンドルハウジング72および回転スピンドル73を案内レール622a、622a に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動せしめる。
【0021】
図示の実施形態における切削装置1は以上のように構成されており、以下、切削装置1を用いて上記半導体ウエーハ10をストリート101に沿って切削する加工方法について説明する。
先ず、第1のチャックテーブル4aの本体部41a上に半導体ウエーハ10の表面10aを載置する(従って、半導体ウエーハ10は裏面10bが上側となる)。具体的には、図4に示すように第1のチャックテーブル4aの本体部41aを構成する環状の吸引保持部412aの上面である吸引保持面上に半導体ウエーハ10の外周部に形成された余剰領域103を載置する。このとき、半導体ウエーハ10の表面10aには保護テープを貼着しない。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10は環状の吸引保持部412aの上面である吸引保持面に吸引保持される。このように、半導体ウエーハ10はデバイス120が形成されていない余剰領域103が環状の吸引保持部412aの上面である吸引保持面に吸引保持されるので、デバイス102を損傷させることはない。
【0022】
このようにして第1のチャックテーブル4a上に半導体ウエーハ10を吸引保持したならば、加工送り手段53を作動して第1のチャックテーブル4aを撮像手段77の直下まで移動せしめる。第1のチャックテーブル4aが撮像手段77の直下に位置付けられると、撮像手段77および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ10の切削加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段77および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されているストリート101と、ストリート101に沿って切削する切削ブレード74との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削加工すべき加工領域のアライメントを遂行する。このとき、第1のチャックテーブル4aに配設された赤外線ランプ43を附勢(ON)する。従って、半導体ウエーハ10のストリート101が形成されている表面10aは下側に位置しているが、撮像手段77が上述したように赤外線を捕らえる光学系と該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されているので、半導体ウエーハ10の裏面10bから透かしてストリート101を撮像することができる。また、半導体ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びるストリート101に対しても、同様に切削加工すべき加工領域のアライメントが遂行される。
【0023】
上述したように、半導体ウエーハ10の切削加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行したならば、ウエーハの裏面側からストリートに沿ってウエーハの厚さの略半分の深さの第1の切削溝を形成する第1の切削工程を実施する。
なお、第1の切削工程を実施するに際しては、図示しない流体供給手段を作動して第1のチャックテーブル4aの本体部41aに形成された円形の凹部411aに例えば圧力が大気圧よりも0.001から0.0001メガパスカル(MPa)高い空気を通路421aを介して供給する。このように凹部411aに圧縮空気を供給するのは、半導体ウエーハ10は上述したように外周部の余剰領域103だけが環状の吸引保持部412aに保持されているので、中央部が下方に湾曲するのを規制するためである。
【0024】

次に、第1のチャックテーブル4aを切削領域に移動し、図4に示すように所定のストリート101の一端部(図4において左端部)を切削ブレード74の直下に位置付ける。具体的には、所定のストリート101の左端が切削ブレード74の直下より僅かに左側になるように位置付ける。そして、切削ブレード74を回転しつつ切削ブレード74を矢印Z1で示す方向に所定量切り込み送りし、上記加工送り手段53を作動して第1のチャックテーブル4aを図4において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動する。なお、上記切り込み送り量は、厚さが700μmの半導体ウエーハ10の裏面10bから例えば340μmに設定されている。そして、第1のチャックテーブル4aに保持された半導体ウエーハ10の所定のストリート101の他端(図4において右端)より僅かに左の位置が切削ブレード74の直下に達したら、第1のチャックテーブル4aの移動を停止するとともに、切削ブレード74を矢印Z2で示す方向に後退せしめる。この結果、半導体ウエーハ10には、図5に示すように所定のストリート101に沿って、半導体ウエーハ10の厚さの略半分の深さ(本実施形態の場合は、半導体ウエーハ10の裏面10bから340μm)の第1の切削溝110が形成される。この第1の切削溝110は、半導体ウエーハ10の外周まで達していない。なお、第1の切削溝110は、必要に応じて半導体ウエーハ10の外周まで達するように形成してもよい。上述した第1の切削工程においては、切削ブレード77による切削部には切削水供給ノズル76から切削水が供給される。
【0025】
上述した第1の切削工程を半導体ウエーハ10の所定方向に形成された全てのストリート101に沿って実施したならば、第1のチャックテーブル4aを90度回動する。そして、半導体ウエーハ10に上記所定方向と直交する方向に形成された全てのストリート101に沿って上述した第1の切削工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ10には、全てのストリート101に沿って裏面10aから深さが340μmの第1の切削溝110が形成される。
【0026】
半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って第1の切削工程を実施したならば、第1のチャックテーブル4aを最初に半導体ウエーハ10を載置した位置に戻し、上述した第1の切削工程が実施された半導体ウエーハ10を第1のチャックテーブル4aから搬出し、隣接して配設された第2のチャックテーブル4bの吸着チャック42bに裏面10bを載置する(従って、半導体ウエーハ10は表面10aが上側となる)。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、半導体ウエーハ10は吸着チャック42b上に吸引保持面に吸引保持される。このとき、半導体ウエーハ10の裏面10bには保護テープを貼着しない。
【0027】
このようにして第2のチャックテーブル4b上に半導体ウエーハ10を吸引保持したならば、加工送り手段53を作動して第2のチャックテーブル4bを撮像手段77の直下まで移動せしめる。第2のチャックテーブル4bが撮像手段77の直下に位置付けられると、撮像手段77および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ10の切削加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段77および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ10の所定方向に形成されているストリート101と、ストリート101に沿って切削する切削ブレード74との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削加工すべき加工領域のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びるストリート101に対しても、同様に切削加工すべき加工領域のアライメントが遂行される。
【0028】
上述したように、半導体ウエーハ10の切削加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行したならば、ウエーハの表面側からストリートに沿って第1の切削溝に達しない深さの第2の切削溝を形成する第2の切削工程を実施する。
即ち、第2のチャックテーブル4bを切削領域に移動し、図6に示すように所定のストリート101の一端を切削ブレード74の直下より図6において僅かに右側に位置付ける。そして、切削ブレード74を回転しつつ切削ブレード74を矢印Z1で示す方向に所定量切り込み送りし、上記加工送り手段53を作動して第1のチャックテーブル4aを図6において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動する。なお、上記切り込み送り量は、厚さが700μmの半導体ウエーハ10の表面10aから例えば340μmに設定されている。そして、第2のチャックテーブル4bに保持された半導体ウエーハ10の所定のストリート101の他端が図6に示すように切削ブレード74の直下より僅かに左側に達したら、第2のチャックテーブル4bの移動を停止するとともに、切削ブレード74を矢印Z2で示す方向に後退せしめる。この結果、半導体ウエーハ10には、図7に示すように所定のストリート101に沿って、半導体ウエーハ10の厚さの略半分の深さ(本実施形態の場合は、半導体ウエーハ10の表面10aから340μm)の第2の切削溝120が形成される。この第2の切削溝120は、半導体ウエーハ10の外周まで達して形成される。従って、半導体ウエーハ10は、第1の切削溝110と第2の切削溝120との間、即ち厚さ方向中央部に厚さ20μmの未切削部130が残される。なお、上述した第2の切削工程においては、切削ブレード74による切削部には切削水供給ノズル76から切削水が供給される。しかるに、半導体ウエーハ10は第1の切削溝110が形成された裏面10bが第2のチャックテーブル4b上に吸引保持されているが、第1の切削溝110は半導体ウエーハ10の外周まで達していないので、第1の切削溝110への切削水の浸入が防止でき、半導体ウエーハ10の裏面の汚染を防止することができる。
【0029】
上述した第2の切削工程を半導体ウエーハ10に所定方向に形成された全てのストリート101に沿って実施したならば、第2のチャックテーブル4bを90度回動する。そして、半導体ウエーハ10に上記所定方向と直交する方向に形成された全てのストリート101に沿って上述した第2の切削工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ10には、全てのストリート101に沿って表面10aから深さが340μmの第2の切削溝120が形成される。従って、半導体ウエーハ10は、全てのストリート101に沿って第1の切削溝110と第2の切削溝120との間、即ち厚さ方向中央部に厚さ20μmの未切削部130が残される。このように、未切削部130が残されるので、切削水が半導体ウエーハ10の裏面に入り込み汚染されることがない。
【0030】
半導体ウエーハ10に形成された全てのストリート101に沿って第2の切削工程を実施したならば、第2のチャックテーブル4bを最初に半導体ウエーハ10を載置した位置に戻し、上述した第1の切削工程および第2の切削工程が実施された半導体ウエーハ10を第2のチャックテーブル4bから搬出する。このとき、搬出手段としては半導体ウエーハ10の全面を吸着保持する全面吸引パッドを使用することが望ましい。
【0031】
上述したように第2のチャックテーブル4bから搬出された半導体ウエーハ10は、図8に示すように分割装置9のゴム等の弾性体からなる弾性パッド91上に載置される。そして、弾性パッド91上に載置され半導体ウエーハ10上を弾性ローラ92によって押圧しつつ転動する。この結果、半導体ウエーハ10のストリートに沿って曲げ荷重が作用し、第1の切削溝110と第2の切削溝120との間の未切削部130が破断され、半導体ウエーハ10は図9に示すように個々の半導体チップ100に分割される。このようにして分割された半導体チップ100は図8に示すように未切削部130が破断されるが、未切削部130は半導体チップ100の厚さ方向中央部であるため、未切削部130に欠けが生じても応力が集中せず抗折強度の低下を招かない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるウエーハの分割方法によって分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。
【図2】本発明によるウエーハの分割方法においてウエーハをストリートに沿って切削するための切削装置の要部斜視図。
【図3】図2に示す切削装置に装備される第1のチャックテーブルの要部断面図。
【図4】本発明によるウエーハの分割方法における第1の切削工程の説明図。
【図5】本発明によるウエーハの分割方法における第1の切削工程が実施された半導体ウエーハの拡大断面図。
【図6】本発明によるウエーハの分割方法における第2の切削工程の説明図。
【図7】本発明によるウエーハの分割方法における第1の切削工程および第2の切削工程が実施された半導体ウエーハの拡大断面図。
【図8】本発明によるウエーハの分割方法における分割工程の説明図。
【図9】本発明によるウエーハの分割方法によって分割された半導体チップの斜視図。
【符号の説明】
【0033】
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
31:チャックテーブル
4a:第1のチャックテーブル
4b:第2のチャックテーブル
5:チャックテーブル移動機構
51:案内レール
52:チャックテーブル支持基台
53:加工送り手段
6:スピンドル支持機構
62:可動支持基台
7:スピンドルユニット
71:ユニットホルダ
72:スピンドルハウジング
73:回転スピンドル
74:切削ブレード
9:分割装置
91:弾性パッド
92:弾性ローラ
10:半導体ウエーハ
100:半導体チップ
101:ストリート
102:デバイス
110:第1の切削溝
120:第2の切削溝
130:未切削部




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013