米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社ディスコ

発明の名称 ウエーハの保護テープ貼着方法および貼着装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−36153(P2007−36153A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−221445(P2005−221445)
出願日 平成17年7月29日(2005.7.29)
代理人 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
発明者 カール プリワッサ
要約 課題
ウエーハに保護テープを貼り付けた後に、保護テープに付与されていた張力の作用でウエーハに反り等の変形が生じる不具合を無くして、保護テープが貼り付けられたウエーハを、変形なく元のままの平板な状態が保たれるようにする。

解決手段
張力が解放された状態でテープカセット32内にストックされた保護テープ20を、保護テープ吸着板42で吸着、保持し、剥離機構70により剥離シート22を剥離してから、保護テープ吸着板42を真空チャンバ60内に装入する。一方、ウエーハ10を吸着、保持したウエーハ吸着板41を、真空チャンバ60内に装入する。これによって、ウエーハ10の表面11に保護テープ20の粘着面21を対向させる。この状態から、真空チャンバ60内を真空にし、次いで、保護テープ吸着板42を上昇させ、保護テープ20をウエーハ10に貼り付ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
ウエーハの被保護面に保護テープを貼り付ける方法であって、
予め所定のサイズおよび形状にカットされ、片面が粘着面とされた保護テープを、張力が解放された状態で用意しておき、
この保護テープを、保護テープ保持手段によって保持し、
一方、前記ウエーハを、ウエーハ保持手段によって保持し、
これら保護テープおよびウエーハを、真空チャンバ内に、前記粘着面と前記被保護面とが対向する状態となるように配置し、
次いで、この真空チャンバ内を真空状態とし、
次いで、前記保護テープ保持手段を前記ウエーハ保持手段に対して相対的に近付けて、前記保護テープの前記粘着面を前記ウエーハの前記被保護面に貼り付けることを特徴とするウエーハの保護テープ貼着方法。
【請求項2】
ウエーハの被保護面に保護テープを貼り付ける装置であって、
予め所定のサイズおよび形状にカットされ、片面が粘着面とされた保護テープを、張力が解放された状態で保管する保護テープ保管手段と、
真空チャンバと、
前記ウエーハを、前記被保護面が露出する状態に保持するとともに、前記真空チャンバ内に配置されるウエーハ保持手段と、
前記保護テープ保管手段で保管されていた保護テープを、前記粘着面が露出する状態に保持するとともに、前記真空チャンバ内に、前記ウエーハ保持手段に対向して配置される保護テープ保持手段と、
前記保護テープ保持手段を前記ウエーハ保持手段に対して相対的に近付けて、前記保護テープの前記粘着面を前記ウエーハの前記被保護面に押し付ける押圧手段とを備えることを特徴とするウエーハの保護テープ貼着装置。
【請求項3】
前記保護テープ保管手段で保管される前記保護テープの前記粘着面には、剥離シートが貼られており、
前記保護テープ保持手段で保持された状態の保護テープの剥離シートを剥離する剥離手段を有することを特徴とする請求項2に記載のウエーハの保護テープ貼着装置。
【請求項4】
前記真空チャンバは両端部が開口する筒状に形成されたものであり、
この真空チャンバ内に対して、前記保護テープ保持手段が一方の開口から進退自在に、また、前記ウエーハ保持手段が他方の開口から進退自在に、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のウエーハの保護テープ貼着装置。
【請求項5】
前記真空チャンバは、容器状のチャンバ本体と、このチャンバ本体に、ヒンジ機構を介して回動自在に連結されて、チャンバ本体の内部空間を開閉する蓋体とからなり、
これらチャンバ本体および蓋体のうちの一方に前記保護テープ保持手段が設けられ、他方に前記ウエーハ保持手段が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のウエーハの保護テープ貼着装置。
【請求項6】
前記保護テープ保持手段および前記ウエーハ保持手段は、真空チャック式の吸着板であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のウエーハの保護テープ貼着装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの基板として用いられる半導体ウエーハ等のウエーハの表面に保護テープを貼り付ける方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICやLSI等の電子回路が表面に形成された半導体チップは、円盤状の半導体ウエーハの表面に、ストリートと呼ばれるカットラインで格子状の矩形領域を区画し、これら矩形領域に電子回路を形成した後、半導体ウエーハをストリートに沿って分割するといったプロセスを経て製造される。
【0003】
このような製造プロセスにおいて、半導体ウエーハは、半導体チップに分割されるに先だち、電子回路が形成された表面のデバイス面とは反対側の裏面が、グラインダ等による研削、あるいはケミカルエッチング等の手段によって、削除され、全体の厚さが減じられている。このような半導体ウエーハの薄化は、半導体ウエーハを搭載する機器自体の薄化や小型化、あるいは軽量化の他に、熱放散性を向上させて性能を維持させることなどを目的としており、例えば、当初厚さの600μmから、200〜100μm以下、あるいは50μm以下の厚さにする程度まで行われる。
【0004】
ところで、上記のようにして半導体ウエーハを薄化する際には、表面の電子回路を汚染や損傷から守るするために、その表面に保護テープを貼り付けている。このような保護テープを半導体ウエーハに貼り付ける技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
この文献に記載の技術は、装着ロールに巻かれている保護テープを、離型紙を剥がしつつ引き出し、展張状態を保ったまま、まず、貼り付けテーブルに粘着面側を貼り付け、次いで、非粘着面側を吸着テーブルに吸着させ、この吸着テーブルに吸着した保護テープを所定のサイズおよび形状にカットし、そのカットした保護テープを、真空チャンバ内においてウエーハに貼り付けるといったものである。
【0006】
【特許文献1】特開2001−148412号公報(段落0041〜0049等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記文献に記載される従来技術では、ウエーハに対し真空中で保護テープを貼り付けるため、両者の間に気泡が混入したり皺ができたりして正常な貼り付け状態が得られないといった不具合の発生が抑えられる利点がある。ところが、この従来技術では、保護テープは、装着ロールから引き出されて貼り付けテーブルに貼り付けられてから、ウエーハに貼り付けられた後まで、一貫して装着ロールから引き出された展張状態が保たれている。展張状態とは、すなわち張力が付与された状態であり、これは、自由状態に縮小しようとする応力が残存している状態に他ならない。このような状態の保護テープがウエーハに貼り付けられて、上記のように薄化処理がなされると、保護テープの張力によってウエーハに反りが生じ、場合によってはウエーハが破損するおそれがある。
【0008】
また、半導体チップの製造方法として、薄化してからチップに分割するといった上記の一般的工程に代えて、まず、形成した電子回路を区画するストリートに沿って、表面側に厚さの半分程度に切り込みを格子状に入れてから、その表面に保護テープを貼り付け、次いで、その切り込みに達するまで裏側を研削等により削除することにより、半導体チップを分割させるといった先ダイシング方法がある。このような製造方法を採る場合には、半導体チップを基板に実装するための接着用フィルム(例えばDAF:Die Attach Film)を、分割した個々の半導体チップが保護テープで連結されている状態の半導体ウエーハの裏面に貼り付け、この後、ストリートに沿って接着用フィルムのみをカットしている。
【0009】
このような手法を採る場合に、上記のように張力が付与されたままの保護テープを半導体ウエーハに貼り付けると、切り込みに達するまで裏側を削除して半導体チップに分割した時に、保護テープの張力によって半導体チップの格子状の配列に乱れが生じる。こうなると、この後で接着用フィルムをカットする時に、そのカットラインが直線的にならず歪んだものとなるので、カットに手間が掛かり生産効率の低下を招くことになる。
【0010】
よって本発明は、ウエーハに保護テープを貼り付けた後に、保護テープに付与されていた張力の作用でウエーハに反り等の変形が生じる不具合を無くして、保護テープが貼り付けられたウエーハを、変形なく元のままの平板な状態が保たれ、これによって生産効率の低下を抑えることができるウエーハの保護テープ貼着方法および貼着装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のウエーハの保護テープ貼着方法は、ウエーハの被保護面に保護テープを貼り付ける方法であって、予め所定のサイズおよび形状にカットされ、片面が粘着面とされた保護テープを、張力が解放された状態で用意しておき、この保護テープを、保護テープ保持手段によって保持し、一方、ウエーハを、ウエーハ保持手段によって保持し、これら保護テープおよびウエーハを、真空チャンバ内に、粘着面と被保護面とが対向する状態となるように配置し、次いで、この真空チャンバ内を真空状態とし、次いで、保護テープ保持手段をウエーハ保持手段に対して相対的に近付けて、保護テープの粘着面をウエーハの被保護面に貼り付けることを特徴としている。
【0012】
この方法によれば、予め張力を解放して用意されていた保護テープをウエーハに貼り付けるので、ウエーハに貼り付けられた保護テープに張力は残存していない。したがって、保護テープの張力による悪影響がウエーハには起こらない。例えば、保護テープを貼り付けた後に薄化加工を施しても、保護テープの張力による反りなどは生じず、平板な状態が保たれる。また、上記の先ダイシング方法を採った際には、複数の半導体チップに分割した後に、保護テープの張力によって半導体チップの配列に乱れを招くことはなく、この後に貼り付けたDAF等の接着用フィルムのカット作業を円滑に行うことができる。また、ウエーハに対し真空中で保護テープを貼り付けるため、両者の間に気泡が混入したり皺ができたりすることなく、全面が密着する正常な貼り付け状態を得ることができる。
【0013】
次に、本発明のウエーハの保護テープの貼着装置は、上記本発明の方法を実施する上で好適な装置であり、予め所定のサイズおよび形状にカットされ、片面が粘着面とされた保護テープを、張力が解放された状態で保管する保護テープ保管手段と、真空チャンバと、ウエーハを、被保護面が露出する状態に保持するとともに、真空チャンバ内に配置されるウエーハ保持手段と、保護テープ保管手段で保管されていた保護テープを、粘着面が露出する状態に保持するとともに、真空チャンバ内に、ウエーハ保持手段に対向して配置される保護テープ保持手段と、保護テープ保持手段をウエーハ保持手段に対して相対的に近付けて、保護テープの粘着面をウエーハの被保護面に押し付ける押圧手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
この装置によれば、ウエーハがウエーハ保持手段で保持され、保護テープ保管手段で保管されていた保護テープが保護テープ保持手段で保持され、これら保持手段が真空チャンバ内に配置されて、保護テープの粘着面とウエーハの被保護面とが対向させられる。この状態から、真空チャンバ内を真空にしてから、押圧手段を作動させると、保護テープの粘着面がウエーハの被保護面に押し付けられ、保護テープがウエーハに貼り付けられる。
【0015】
保護テープが保護テープ保管手段で予め張力を解放した状態で保管され、このような保護テープをウエーハに貼り付けるので、上記本発明の方法の説明で述べたように、保護テープの張力による悪影響がウエーハには起こらない。
【0016】
上記保護テープ保管手段で保管される保護テープの粘着面には、剥離シートが貼られているものが取扱いの面で好ましく、本発明の装置にあっては、その剥離シートを剥離する剥離手段を具備させるとよい。
【0017】
本発明の装置の上記真空チャンバの具体的形態としては、両端部が開口する筒状に形成されたものが挙げられ、このような真空チャンバでは、その内部に、保護テープ保持手段が一方の開口から進退自在に、また、ウエーハ保持手段が他方の開口から進退自在に、それぞれ設けるとよい。
【0018】
また、真空チャンバの他の形態としては、容器状のチャンバ本体と、このチャンバ本体に、ヒンジ機構を介して回動自在に連結されて、チャンバ本体の内部空間を開閉する蓋体とからなるものが挙げられ、この場合には、チャンバ本体および蓋体のうちの一方に保護テープ保持手段を設け、他方にウエーハ保持手段を設けた構成が好適である。
【0019】
また、保護テープ保持手段およびウエーハ保持手段の具体的形態としては、真空チャック式の吸着板が、保護テープおよびウエーハを、それぞれ片面が露出する状態で確実に保持することができる点で好ましく用いられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、張力が解放された状態の保護テープをウエーハに貼り付けることを主旨としており、このため、ウエーハに保護テープを貼り付けた後に、保護テープに付与されていた張力の作用でウエーハに反り等の変形が生じる不具合が無くなり、保護テープが貼り付けられたウエーハを、変形なく元のままの平板な状態に保つことができ、これによって生産効率の低下を抑えることができるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[1]第1実施形態
以下、図1〜図3を参照して本発明に係る第1実施形態を説明する。
(a)装置の構成
図1は、第1実施形態に係る保護テープ貼着装置1の全体を示している。同図で符号90は上側基台であり、この上側基台90の下方には、間隔をあけて下側基台95が設けられている。上側基台90上には、中央に真空チャンバ60が設置されており、この真空チャンバ60の図中左側にウエーハカセット31が着脱自在に設置されている。このウエーハカセット31内には、複数の半導体ウエーハ(以下、ウエーハと称する)10が積層されてストックされている。
【0022】
ウエーハ10は薄い円盤状で、その表面には、ストリートによって格子状に区画される半導体チップの電子回路が形成されており、裏面側がグラインダ等で製品に近い厚さまで研削されたものである。貼着装置1は、ウエーハ10の表面に、電子回路を保護するための保護テープを貼り付けるものである。ウエーハ10は、保護テープが貼り付けられる表面を下に向けてウエーハカセット31内にストックされている。
【0023】
ウエーハカセット31内のウエーハ10は、円盤状のウエーハ吸着板(ウエーハ保持手段)41によって1枚ずつ取り上げられて保持される。このウエーハ吸着板41は、周知の真空チャック方式であり、ウエーハ10を吸着する水平な吸着面を下に向けて、伸縮ビーム(ウエーハ搬送機構)51の下端部に固定されている。伸縮ビーム51は、下方に対して伸縮するように構成されたもので、図1で左右方向に延びるレール55に移動自在に取り付けられている。
【0024】
ウエーハ吸着板41は、伸縮ビーム51が伸縮することにより昇降し、また、伸縮ビーム51とともにレール55に沿って移動する。伸縮ビーム51およびウエーハ吸着板41は、レール55に対して、図1において実線で示すウエーハ取り出し位置A、真空チャンバ60上の保護テープ貼り付け位置B、この右側のウエーハ回収位置Cで、それぞれ停止させられる。
【0025】
ウエーハ吸着板41は、ウエーハ取り出し位置Aで伸縮ビーム51が伸びて降下することにより、ウエーハカセット31内に進入する。そして、ウエーハカセット31内で最も上に載っている1枚のウエーハ10に接するか、あるいは近接するまで降下し、そこで空気を吸引するように稼働すると、そのウエーハ10を下面に吸着して保持する。この保持動作を継続しつつ、伸縮ビーム51が縮んで上昇することにより、ウエーハ10はウエーハカセット31内から取り出され、次に、保護テープ貼り付け位置Bに移動させられる。
【0026】
真空チャンバ60は、両端部が開口する円筒状のもので、軸方向が上側基台90の上面に直交する状態に、上側基台90上に固定されている。上側基台90には、真空チャンバ60の内部に通じる円形の孔91が形成されている。この孔91は、真空チャンバ60の内径と同等か、もしくはやや大きい寸法に設定され、真空チャンバ60は、この孔91と同軸的に上側基台90に配されている。真空チャンバ60の内径は、保護テープ貼り付け位置Bから降下するウエーハ吸着板41が装入可能な寸法に設定されている。
【0027】
保護テープ貼り付け位置Bからウエーハ吸着板41が降下すると、図2に示すように、ウエーハ吸着板41は真空チャンバ60内に装入される。ウエーハ吸着板41の周面には、真空チャンバ60の内面に摺動して気密を保持するためのシールリング43が装着されている。
【0028】
真空チャンバ60には、半分程度の高さの部分に排気口64が設けられており、この排気口64には、上側基台90上に置かれた真空ポンプ65が、パイプ66を介して接続されている。真空ポンプ65を稼働することにより、真空チャンバ60内は空気が排気されて真空に引かれる。
【0029】
一方、下側基台95上における真空チャンバ60の下方には、上方に対して伸縮する伸縮ポスト(テープ搬送機構、押圧手段)50が設置されており、この伸縮ポスト50の下端部に、保護テープ吸着板(保護テープ保持手段)42が固定されている。この保護テープ吸着板42は、上記ウエーハ吸着板41と構造ならびに寸法が同一のものであり、吸着面を上に向けて水平に配されている。保護テープ吸着板42は、伸縮ポスト50の伸縮に伴って昇降する。
【0030】
伸縮ポスト50の、図1において右側にはテープカセット(保護テープ保管手段)32およびピックアップロボット75が、また、左側には剥離機構(剥離手段)70が、それぞれ設置されている。
【0031】
テープカセット32は着脱自在に設置されており、その内部には、図3(a)に示すような、片面の粘着面に剥離シート22が貼られ、ウエーハ10の大きさに応じた任意の形状(図示例では正方形状)にカットされた複数の保護テープ20が積層されてストックされている。正方形状にカットされた保護テープ20は、張力が解放された、言い換えると、その張力が付与もされておらず、残存もしていないという状態で、テープカセット32内にストックされている。
【0032】
図3(a)に示すように、正方形状の保護テープ20には、ウエーハ10の表面と同じ形状および寸法で実際にウエーハ10に貼り付けられる中央の円形部分が残るように切れ目20aが入れられており、図3(b)に示すように、この円形部分を残して、外側の不要部分が剥離シート22とともに剥離される。
【0033】
保護テープ20は、剥離シート22側を上に向けてテープカセット32内にストックされ、最も上に載っているものが、ピックアップロボット75で1枚ずつテープカセット32内から取り出され、降下して待機位置にある保護テープ吸着板42の上に移される。ピックアップロボット75は、アーム76の先端に保護テープ20を吸着して取り上げ、そのアーム76を旋回させて保護テープ吸着板42上に保護テープ20を載置するといった動作を行う機能を備えている。
【0034】
保護テープ吸着板42が空気を吸引するように稼働すると、保護テープ20はその吸着面に吸着して保持される。この状態で、左隣りの剥離機構70が作動することにより、保護テープ20の剥離シート22が剥離され、保護テープ20の円形部分のみが保護テープ吸着板42上に残り、粘着面21を上に向けた状態に保持される。剥離機構70は、剥離シート22を巻き取りテープ71に接着して剥離させる一般周知のものである。
【0035】
伸縮ポスト50が伸びて、保護テープ吸着板42が待機位置から上昇すると、図2に示すように、保護テープ吸着板42は真空チャンバ60内に装入される。保護テープ吸着板42の周面には、ウエーハ吸着板41と同様に、真空チャンバ60の内面に摺動して気密を保持するためのシールリング44が装着されている。
【0036】
図2では、ウエーハ10を保持したウエーハ吸着板41と、保護テープ20を保持した保護テープ吸着板42とが、真空チャンバ60内に装入され、ウエーハ10の表面(被保護面)11と保護テープ20の粘着面21とが、僅かに離れて互いに平行な状態に対向しており、各シールリング43,44の間に、排気口64がある。これらの各吸着板41,42の位置が、ウエーハ10に保護テープ20を貼り付ける直前の準備位置とされる。この準備位置から、保護テープ20を貼り付ける際には、保護テープ吸着板42が上昇して保護テープ20がウエーハ10に押し付けられる。
【0037】
(b)装置の動作
以上が第1実施形態の保護テープ貼着装置1であり、続いて、この装置の動作を以下に説明する。なお、ここで説明する一連の動作が、本発明の貼着方法の具体例となる。
【0038】
ウエーハ取り出し位置Aで停止しているウエーハ吸着板41が降下してウエーハカセット31内に進入し、1枚のウエーハ10を吸着、保持する。次いで、ウエーハ吸着板41が上昇してウエーハカセット31より出てから、保護テープ貼り付け位置Bまで移動する。次いで、ウエーハ吸着板41が降下し、表面11を下に向けてウエーハ10を保持したウエーハ吸着板41は、真空チャンバ60内に上記準備位置まで装入される。
【0039】
一方、テープカセット32内の1枚の保護テープ20が、ピックアップロボット75によって待機位置にある保護テープ吸着板42の上に移され、剥離シート22を上に向けた状態で保護テープ吸着板42上に吸着、保持される。次いで、剥離機構70によって剥離シート22が剥離される。保護テープ20は、ウエーハ10の表面に貼り付けられる円形部分のみが粘着面21を上に向けた状態で、保護テープ吸着板42に保持される。
【0040】
次いで、保護テープ吸着板42が上昇し、保護テープ20を保持した保護テープ吸着板42は、真空チャンバ60内に上記準備位置まで装入される。これにより、ウエーハ10の表面11と保護テープ20の粘着面21とが、僅かに離れて互いに平行な状態に対向する。
【0041】
続いて、真空ポンプ65を稼働して真空チャンバ60内を真空引きし、この後、保護テープ吸着板42を僅かに上昇させて、保護テープ20の粘着面21をウエーハ10の表面11に押し付ける。これにより、ウエーハ10の表面11に保護テープ20が貼り付けられる。
【0042】
保護テープ20の貼り付けが完了したら、真空ポンプ65および吸着板42の吸着動作が止められる。そして、ウエーハ吸着板41が上昇して保護テープ貼り付け位置Bに戻り、さらに、ウエーハ回収位置Cに移動し、ここで、保護テープ20が貼り付けられたウエーハ10をウエーハ吸着板41から離す。そのウエーハ10は、次の、ウエーハ10の裏側を除去して薄化してから複数の半導体チップに分割する工程に移される。
【0043】
そして、上記貼着装置1においては、ウエーハ吸着板41がウエーハ取り出し位置Aに戻され、一方、保護テープ吸着板42が降下して待機位置に戻される。そして、上記の貼り付け動作が連続して繰り返され、多数のウエーハ10に対して保護テープ20が貼り付けられる。
【0044】
上記第1実施形態によれば、予め張力を解放してストックされていた保護テープ20をウエーハ10に貼り付けるので、ウエーハ10に貼り付けられた保護テープ20に張力は残存していない。したがって、保護テープ20の張力による悪影響がウエーハ10には起こらない。
【0045】
具体的には、保護テープ20を貼り付けた後に薄化加工を施しても、保護テープ20の張力による反りなどがウエーハ10に生じず、平板な状態が保たれる。このため、半導体チップを得るためのカットなどの作業に支障が起こらない。また、ウエーハ10に対し真空中で保護テープ20を貼り付けるため、両者の間に気泡が混入したり皺ができたりすることなく、全面が密着する正常な貼り付け状態を得ることができる。
【0046】
なお、上記第1実施形態で扱ったウエーハ10は、表面に電子回路が形成され、その表面に保護テープ20を貼り付けてから薄化した後、半導体チップに分割されるものであるが、前述の先ダイシング方法を採用して半導体チップを得るウエーハを扱うこともできる。
【0047】
その場合のウエーハは、電子回路が形成された表面に、ストリートに沿って厚さの半分程度の切り込みが格子状に形成されたものであり、その切り込みが形成された表面に、上記のようにして保護テープ20が貼り付けられる。
【0048】
保護テープ20が貼り付けられたこのウエーハ10は、切り込みに達するまで裏側を研削等により削除されて半導体チップに分割される。分割された半導体チップは、保護テープ20で連結されたウエーハの状態であり、そのウエーハには、保護テープ20の張力による変形は生じないので、半導体チップの配列に乱れが生じることがない。そして、このウエーハ10の裏面に、半導体チップを基板に実装するためのDAF等の接着用フィルムを貼り、保護テープ20を除去した後に、その接着用フィルムをストリートに沿ってカットする際には、ストリートに歪みがなく直線が維持されているので、そのカット作業を円滑に行うことができるといった格別の効果を奏する。
【0049】
[2]第2実施形態
次に、図4〜図6を参照して本発明に係る第2実施形態を説明する。
(a)装置の構成
図4は、第2実施形態に係る保護テープ貼着装置2の全体を示している。この貼着装置2も、上記第1実施形態のウエーハ10に保護テープ20を貼り付ける装置である。図4で符号60は、チャンバ本体61と、このチャンバ本体61の内部空間を開閉する蓋体62とを主体とする真空チャンバ60である。チャンバ本体61と蓋体62とは、図5および図6にも示すように、全体が円盤状で、リング状の壁部67内に凹所68が形成された容器状を呈する同一構成のもので、両者は、ヒンジ63を介して、回動自在に連結されている。
【0050】
図5に示す蓋体62が開いた状態から、蓋体62をチャンバ本体61側に回動させて壁部67どうしを合わせると、図6に示すように、内部空間が閉じられた真空チャンバ60が構成されるようになっている。チャンバ本体61側における壁部67の、蓋体62との合わせ面には、閉状態で真空チャンバ60内を気密にするためのシールリング69が装着されている。この真空チャンバ60内は、図示せぬ真空ポンプ65で真空引きされるようになっている。
【0051】
図5に示すように、チャンバ本体61の底面には、真空チャック式のウエーハ吸着板41が固定されており、このウエーハ吸着板41上に、ウエーハ10が表面(被保護面)11を上に向けて吸着、保持される。一方、蓋体62の底面には、シリンダ(押圧手段)80を介して、同じく真空チャック式の保護テープ吸着板42が取り付けられており、この保護テープ吸着板42上に、保護テープ20が剥離シート22を上に向けた状態に吸着、保持される。保護テープ吸着板42は、シリンダ80によって、蓋体62に対して離れたり近付いたりする方向に往復動させられる。
【0052】
図4に示すように、真空チャンバ60の近傍には、ウエーハ10をストックするウエーハカセット31、保護テープ20をストックするテープカセット32がそれぞれ配置されている。テープカセット32内には、上記第1実施形態と同様に、粘着面に剥離シート22が貼られた矩形状の保護テープ20が、張力を解放された状態でストックされている。
【0053】
ウエーハカセット31内のウエーハ10は、ウエーハ搬送機構51によって、チャンバ本体61内のウエーハ吸着板41の上に搬送され、また、テープカセット32内の保護テープ20は、テープ搬送機構52によって、開いた状態の蓋体62内の保護テープ吸着板42上に搬送されるようになっている。また、開いた蓋体62の近傍には、保護テープ吸着板42上で保持された保護テープ20の剥離シート22を剥離する剥離機構70が配置されている。
【0054】
(b)装置の動作
次に、上記第2実施形態の貼着装置2の動作を説明する。
まず、図5に示すように、真空チャンバ60は、予め蓋体62が開いた状態とされる。そして、ウエーハ搬送機構51によって、ウエーハカセット31内から1枚のウエーハ10が取り出され、そのウエーハ10は、表面11を上に向けた状態で、チャンバ本体61のウエーハ吸着板41上に載せられ、吸着、保持される。
【0055】
これと並行して、テープカセット32内から1枚の保護テープ20が取り出され、その保護テープ20は、剥離シート22を上に向けた状態で、蓋体62の保護テープ吸着板42上に載せられ、吸着、保持される。次いで、剥離機構70によって剥離シート22が剥離され、円形の保護テープ20が、粘着面を上に向けた状態に保護テープ吸着板42で保持される。
【0056】
次に、蓋体62が回動させられて真空チャンバ60が閉じられ、この時、図6に示すように、ウエーハ吸着板41に保持されたウエーハ10に対し、保護テープ吸着板42に保持された保護テープ20は、その僅か上方に平行に位置し、ウエーハ10の表面11と保護テープ20の粘着面21とが、僅かに離れて互いに対向する。
【0057】
続いて、真空ポンプを稼働して真空チャンバ60内を真空引きし、この後、シリンダ80によって保護テープ吸着板42を降下させて、保護テープ20の粘着面21をウエーハ10の表面11に押し付ける。これにより、ウエーハ10の表面11に保護テープ20が貼り付けられる。保護テープ20の貼り付けが完了したら、真空ポンプおよび各吸着板41,42の吸着動作が止められる。そして、蓋体62が開けられてウエーハ吸着板41上の保護テープ20が貼り付けられたウエーハ10が、次の工程に移される。
以上の動作が連続して繰り返され、多数のウエーハ10に対して保護テープ20が貼り付けられる。
【0058】
上記第2実施形態の貼着装置によっても、張力が解放された保護テープ20をウエーハ10に貼り付けることができることによる効果を、上記第1実施形態と同様に得ることができる。そして、特にこの第2実施形態の貼着装置2は、開閉式の真空チャンバ60に、ウエーハ10および保護テープ20の吸着板41,42を設けているので、これら吸着板41,42を搬送させて真空チャンバ60内に対して出し入れする構成が不要である。このため、装置の構成が簡素になるとともに、装置の小型化が図られるといった利点を備える。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係る保護テープ貼着装置の一部断面正面図である。
【図2】一実施形態の装置の真空チャンバ内でウエーハに保護テープが貼り付けられる時の状態を示す断面図である。
【図3】(a)テープカセットにストックされるカット済みの剥離シート付き保護テープを示す斜視図、(b)テープ吸着板に保持された保護テープから剥離シートを剥離している状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る保護テープ貼着装置の平面図である。
【図5】他の実施形態の保護テープ貼着装置であって、真空チャンバを開いた状態の側断面図である。
【図6】図5の状態から真空チャンバを閉じた状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1,2…保護テープ貼着装置
10…半導体ウエーハ
11…半導体ウエーハの表面(被保護面)
20…保護テープ
21…保護テープの粘着面
22…剥離シート
31…ウエーハカセット
32…テープカセット(保護テープ保管手段)
41…ウエーハ吸着板(ウエーハ保持手段)
42…保護テープ吸着板(保護テープ保持手段)
50…伸縮ポスト(テープ搬送機構、押圧手段)
51…伸縮ビーム(ウエーハ搬送機構)
52…テープ搬送機構
60…真空チャンバ
61…チャンバ本体
62…蓋体
63…ヒンジ
65…真空ポンプ
75…ピックアップロボット
70…剥離機構(剥離手段)
80…シリンダ(押圧手段)




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013