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発明の名称 加工装置及び加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−27577(P2007−27577A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−210381(P2005−210381)
出願日 平成17年7月20日(2005.7.20)
代理人 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
発明者 岡野 歩
要約 課題
酸化膜形成手段を増設しても加工装置の設置スペースを低減できるとともに,短時間で効率的に酸化膜を形成でき,さらに,搬送に伴う半導体ウェハの破損を防止することが可能な加工装置を提供すること。

解決手段
半導体ウェハWを保持する保持手段5と,保持手段6により保持された半導体ウェハのW裏面を研削する研削手段3,4と,保持手段6から搬送された半導体ウェハWを洗浄する洗浄手段30とを備えた加工装置1が提供される。この加工装置1は,洗浄手段30の洗浄用空間S内に出没自在に設けられ,洗浄手段30の保持部31により保持された状態の半導体ウェハWの裏面に対して,短波長紫外線を照射する紫外線照射手段40を備えることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
半導体ウェハを保持する保持手段と,前記保持手段により保持された半導体ウェハの裏面を研削する研削手段と,前記保持手段から搬送された半導体ウェハを洗浄する洗浄手段とを備えた加工装置であって:
前記洗浄手段の洗浄用空間内に出没自在に設けられ,前記洗浄手段の保持部により保持された状態の前記半導体ウェハの裏面に対して,短波長紫外線を照射する紫外線照射手段を備えることを特徴とする,加工装置。
【請求項2】
前記紫外線照射手段を,前記洗浄手段の洗浄用空間外に退避させた退避位置と,前記洗浄手段の洗浄用空間内で前記半導体ウェハの裏面に対して短波長紫外線を照射可能な照射位置と,の間で水平方向に移動させる移動手段を備えることを特徴とする,請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加工装置における半導体ウェハの加工方法であって:
前記研削手段によって,前記半導体ウェハの裏面を所定の厚さまで研削する研削行程と;
前記研削された半導体ウェハを,前記洗浄手段の洗浄用空間内に搬送して,前記洗浄手段の保持部により保持する工程と;
前記洗浄手段によって,前記研削された半導体ウェハを洗浄する洗浄工程と;
前記紫外線照射手段を前記洗浄手段の洗浄用空間内に移動させる工程と;
前記紫外線照射手段によって,前記洗浄された半導体ウェハの裏面に対して,短波長紫外線を照射する紫外線照射工程と;
を含むことを特徴とする,加工方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,半導体ウェハを加工する加工装置及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては,まず,例えば略円板形状を有する半導体ウェハの表面に,格子状に配列された切断ライン(ストリート)によって複数の矩形領域を区画し,該矩形領域の各々に半導体回路を形成する。次いで,このように複数の半導体回路が形成された半導体ウェハを上記ストリートに沿ってダイシングして,個々の半導体チップに分割する。一般的には,半導体チップの薄型化および軽量化を図るために,ダイシング工程に先立ち,半導体ウェハの裏面を研削して所定の厚さ(例えば,30〜100μm)まで薄くする工程が行われている。このような半導体ウェハの裏面研削工程は,通常,例えばダイヤモンド等の砥粒をレジンボンド等のボンド材で固着して形成された研削砥石を,高速回転させながら半導体ウェハの裏面に押圧することによって遂行される。
【0003】
かかる半導体ウェハの裏面研削工程後に,半導体ウェハの裏面(研削面)にダイシングテープを貼り付けた上で,このダイシングテープ上に保持された半導体ウェハを,切削装置,いわゆるダイシング装置によってダイシングして,個々の半導体チップに分割する。
【0004】
上記ダイシングテープを貼り付ける際には,従来では,裏面研削後の半導体ウェハをウェハカセットに収納して,ダイシングテープ貼着装置(マウンター)まで移送していた。しかし,近年では,半導体ウェハの薄層化が進んだため,半導体ウェハの剛性が低下し,その自重でも破損する危険性を伴うようになった。このため,半導体ウェハをウェハカセットに収納して移送することが困難となってきている。
【0005】
かかる理由から,半導体デバイスの製造プロセスをインライン化し,半導体ウェハの裏面研削後に,直ちに当該裏面にダイシングテープを貼り付けて,ダイシング装置に移送するようなラインが提案されている。しかし,このようなインライン化を行うと,分割された半導体チップをダイシングテープからピックアップする際に,半導体チップの製品不良が増大してしまうという問題があることが分った。
【0006】
この原因は,インライン化プロセスでは,半導体ウェハの裏面研削終了後,直ちに研削面(裏面)にダイシングテープを貼り付けているため,半導体ウェハの裏面に酸化膜がほとんど形成されないことにあると考えられる。つまり,従来では,裏面研削終了後,半導体ウェハをウェハカセットに収納し,研削された裏面が露出した状態で所定時間経過した後に,半導体ウェハを移送して,当該裏面にダイシングテープを貼着していた。このため,半導体ウェハの裏面が空気に曝される時間が長く(例えば24時間程度),この結果,当該裏面に酸化膜が形成されていた。ところが,上記インライン化された装置構成では,半導体ウェハの裏面に直ちにダイシングテープを貼り付けるため,酸化膜がほとんど形成されない。従って,当該裏面とダイシングテープの粘着剤層との間の親和性が強くなるので,半導体ウェハとダイシングテープとが強固に接着して剥離しにくくなり,この結果,ピックアップ時の製品不良が発生することが判明した。
【0007】
かかる問題を解決するために,特許文献1には,短波長紫外線照射装置によって,含酸素雰囲気中で半導体ウェハの裏面に短波長紫外線を照射し,酸化膜を形成することが記載されている。
【0008】
また,半導体ウェハの裏面を研削すると,研削面に複数のマイクロクラックが発生し,半導体チップの抗折強度を低下させてしまうため,マイクロクラックの発生を抑制する方向で技術開発しているが,それによって,半導体ウェハの素材面,即ち無垢面が露出された状態に近くなってしまうため,IC,LSI等の回路をウェハ表面に形成する際にシリコンウェハ内に入り込んだ金属イオン等が自由に移動して回路に作用し,回路の機能を損ねるという問題があった。また,半導体ウェハの無垢面が露出された状態に近いと,無垢面から大気中の不純物がシリコン基板内に入り込み,半導体チップの品質を低下させるという問題もあった。
【0009】
このような不純物が半導体ウェハ内に入り込むという問題を解決するため,特許文献2には,洗浄兼酸化被膜形成手段によって,研削後の半導体ウェハの裏面を洗浄した後に,過酸化水素水等の酸化液を半導体ウェハに供給することにより,半導体ウェハの裏面に酸化被膜を形成することが記載されている。また,この特許文献2には,エッチング兼酸化被膜形成手段によって,半導体ウェハの裏面をプラズマエッチングした後に,プラズマ発生用の混合ガスの供給と高周波電圧の印可により,半導体ウェハの裏面に酸化被膜を形成することも記載されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−72140号公報
【特許文献2】特開2005−85925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが,上記特許文献1に記載のように,短波長紫外線照射装置を加工装置に増設する場合には,ほぼ密閉された空間内に半導体ウェハの保持機構と短波長紫外線照射装置を設置する必要がある。しかしながら,加工装置において,かかる密閉空間及び短波長紫外線照射装置の設置スペースを確保することが困難であり,加工装置自体を大型化しければならないという問題があった。
【0012】
一方,上記特許文献2に記載のように,洗浄兼酸化被膜形成手段により過酸化水素水等の酸化液を供給して半導体ウェハの裏面に酸化膜を形成する場合には,酸化膜の形成後に,半導体ウェハの表面から酸化液を洗浄して除去し,再び乾燥しなければならず,酸化膜形成工程に時間がかかるという問題があった。また,エッチング兼酸化被膜形成手段によりプラズマ発生用の混合ガスを使用して酸化膜を形成する場合には,エッチング兼酸化被膜形成手段の装置構成が複雑かつ大型であるため,洗浄装置と一体化することが困難である。従って,洗浄後の半導体ウェハを洗浄装置内部からエッチング兼酸化被膜形成手段に搬送する必要があり,このときに搬送手段の保持部が半導体ウェハに接触するため,半導体ウェハが破損する可能性があるという問題があった。
【0013】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,酸化膜形成手段を効率的に配設して加工装置を小型化できるとともに,短時間で効率的に酸化膜を形成でき,さらに,搬送に伴う半導体ウェハの破損を防止することが可能な,新規かつ改良された加工装置,およびこれを用いた加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,半導体ウェハを保持する保持手段と,保持手段により保持された半導体ウェハの裏面を研削する研削手段と,保持手段から搬送された半導体ウェハを洗浄する洗浄手段とを備えた加工装置が提供される。この加工装置は,洗浄手段の洗浄用空間内に出没自在に設けられ,洗浄手段の保持部により保持された状態の半導体ウェハの裏面に対して,短波長紫外線を照射する紫外線照射手段を備えることを特徴とする。なお,短波長紫外線とは,波長が150〜300nmの紫外線である。
【0015】
かかる構成により,洗浄手段による洗浄工程後に,当該洗浄手段の洗浄用空間内に紫外線照射手段を配置して,半導体ウェハの裏面(研削面)に短波長紫外線を照射することによって,半導体ウェハ裏面に酸化膜を形成することができる。このように,洗浄手段の洗浄用空間を紫外線照射用の密閉空間としても兼用することにより,紫外線照射用の密閉空間を加工装置に新たに増設する必要がないので,紫外線照射手段の設置スペースを低減して加工装置を小型化できる。
【0016】
また,短波長紫外線の照射により酸化膜を形成するため,従来の酸化液供給により酸化膜を形成する場合のように,酸化液の洗浄処理及び乾燥処理が不要になる。従って,酸化膜形成処理を短時間で効率的に実行できるため,生産性を向上できる。
【0017】
また,加工装置の洗浄手段の保持部に半導体ウェハを保持したままの状態で,紫外線を照射して酸化膜を形成できる。従って,従来のエッチング装置により酸化膜を形成する場合のように,洗浄後の半導体ウェハを酸化膜形成手段まで搬送する必要がない。よって,かかる搬送に伴う半導体ウェハの破損を防止できる。
【0018】
また,上記紫外線照射手段を,洗浄手段の洗浄用空間外に退避させた退避位置と,洗浄手段の洗浄用空間内で半導体ウェハの裏面に対して短波長紫外線を照射可能な照射位置と,の間で水平方向に移動させる移動手段を備えるようにしてもよい。これにより,紫外線照射手段が洗浄手段の洗浄用空間内に出没可能となるように,好適に配設することができる。
【0019】
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上述した加工装置における半導体ウェハの加工方法が提供される。この加工方法は,研削手段によって,半導体ウェハの裏面を所定の厚さまで研削する研削行程と;研削された半導体ウェハを,洗浄手段の洗浄用空間内に搬送して,洗浄手段の保持部により保持する工程と;洗浄手段によって,研削された半導体ウェハを洗浄する洗浄工程と;紫外線照射手段を洗浄手段の洗浄用空間内に移動させる工程と;紫外線照射手段によって,洗浄された半導体ウェハの裏面に対して,短波長紫外線を照射する紫外線照射工程と;を含むことを特徴とする。
【0020】
かかる構成により,加工装置において,研削及び洗浄工程後の半導体ウェハの裏面に,上記のように好適に酸化膜を形成できる。このため,インライン化された製造プロセスにおいて,加工装置によって加工された後の半導体ウェハの裏面に,即座にダイシングテープを貼り付けたとしても,酸化膜の作用により半導体ウェハの裏面とダイシングテープと親和性を低減できる。よって,その後に半導体ウェハをダイシング加工して,半導体チップをピックアップするときに,半導体チップをダイシングテープから容易に剥離できるので,ピックアップ不良が生じる可能性を低減できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば,半導体ウェハの裏面に酸化膜を形成するための紫外線照射手段を,設置スペースが低減するように効率的に配設できるので,加工装置を小型化することができる。また,紫外線を照射することで,酸化液の供給により酸化膜を形成する場合と比べて,短時間で効率的に酸化膜を形成できる。さらに,洗浄後の半導体ウェハを搬送することなく,そのままの位置で酸化膜を形成できるので,酸化膜形成のための搬送に伴う半導体ウェハの破損を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる半導体ウェハの加工装置及び加工方法について説明する。
【0024】
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかる加工装置1の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる加工装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0025】
図1に示すように,加工装置1は,被加工物である半導体ウェハWを研削加工する研削装置として構成されている。半導体ウェハWは,例えば,8,12インチ等の略円板状のシリコンウェハなどである。半導体ウェハWの表面(iC,LSI等の半導体素子が形成された回路面)には,表面保護用の粘着テープであるグライディングテープTが貼り付けられている。加工装置1は,この半導体ウェハWの裏面(上記回路面とは反対側の面)を研削加工して,例えば30〜100μmの厚さにまで薄型化することができる。
【0026】
かかる加工装置1の各構成要素について具体的に説明する。図1に示すように,加工装置1は,例えば,ハウジング2と,半導体ウェハWを研削する研削手段の一例である粗研削ユニット3及び仕上げ研削ユニット4と,半導体ウェハWを保持する保持手段の一例である例えば3つのチャックテーブル6と,半導体ウェハWを収容するウェハカセット11と,仮置きテーブル13と,第1〜第4の搬送装置20,22,24,26と,洗浄手段の一例であるスピンナー洗浄装置30と,紫外線照射手段の一例である紫外線照射ユニット40と,紫外線照射ユニット40を移動させる移動手段の一例である移動装置50と,を主に備える。
【0027】
粗研削ユニット3は,スピンドル3aの下端に装着された研削ホイール3bを回転させながら,チャックテーブル6に保持された半導体ウェハWの裏面に当該研削ホイール3bを押圧することによって,半導体ウェハWの裏面を粗研削加工する。また,同様に,仕上げ研削ユニット4は,スピンドル4aに装着された研削ホイール4bを回転させながら,上記粗研削された後の半導体ウェハWの裏面に当該研削ホイール4bを押圧することによって,半導体ウェハWの裏面を高精度で仕上げ研削加工する。研削ホイール3b,4bは,例えば,ダイヤモンド等の砥粒をレジンボンド等のボンド材で固着して形成された研削砥石(レジンボンド砥石等)で構成される。上記のように,本実施形態にかかる加工装置1は,2つ研削ユニット3,4を具備するが,かかる例に限定されず,研削ユニットを1つのみ,或いは3つ以上,具備するように構成することもできる。
【0028】
ターンテーブル5は,ハウジング2の上面に設けられた比較的大径の円盤状のテーブルであり,水平方向に回転可能である。このターンテーブル5上には,例えば,3つのチャックテーブル6が例えば120度の位相角で等間隔に配設されている。これらのチャックテーブル6は,その上面に真空チャックを備えており,研削面である裏面を上向きにして載置された半導体ウェハWを真空吸着して保持する。このチャックテーブル6は,研削加工時には,図示しない回転駆動機構によって水平面内で回転可能となっている。かかる構成の各チャックテーブル6は,ターンテーブル5の回転によって,搬入・搬出領域A,粗研削加工領域B,仕上げ研削加工領域C,搬入・搬出領域Aに,順次,移動させられる。
【0029】
ウェハカセット11は,複数のスロットを有する半導体ウェハ搬送用の収容器であり,各スロットに半導体ウェハWを1枚ずつ水平に収容する。このウェハカセット11は,研削加工前の半導体ウェハWを複数収容した状態で,加工装置1の所定位置に載置される。
【0030】
仮置きテーブル13は,ウェハカセット11から取り出された半導体ウェハWが仮置きされるテーブルである。この仮置きテーブル13は,例えば6本のピンがテーブルの中心に向かって同時に縮径運動することによって,半導体ウェハWの中心位置を合わせる中心位置合わせ機構を備える。
【0031】
第1の搬送装置20は,例えば,吸着パッド(図示せず。)が設けられたウェハ保持部21(例えば杓文字型の吸着ハンド)を備えたロボットピックで構成される。この第1の搬送装置20は,ウェハ保持部21によって半導体ウェハWを吸着保持して搬送する。具体的には,第1の搬送装置20は,ウェハカセット11内の半導体ウェハWを取り出して,仮置きテーブル13に搬送する。また,第1の搬送装置20は,スピンナー洗浄装置30のスピンナーテーブル31に載置された半導体ウェハWを,ピックアップして搬送し,搬出用スペース25に載置する。
【0032】
第2〜第4の搬送装置22,24,26は,例えば,半導体ウェハWを上方より吸着する吸着部22a,24a,26aと,この吸着部22a,24a,26aを支持するアーム部22b,24b,26bと,このアーム部22b,24b,26bを水平方向に回動させる回転駆動部(図示せず。)とを備える。第2の搬送装置22は,仮置きテーブル13に載置された研削加工前の半導体ウェハWを搬送して,搬入・搬出領域Aに位置するチャックテーブル6に載置する。また,第3の搬送装置24は,搬入・搬出領域Aに位置するチャックテーブル6に載置された研削加工後の半導体ウェハWを搬送して,スピンナー洗浄装置30のスピンナーテーブル31に載置する。また,第4の搬送装置26は,搬出用スペース25に載置された半導体ウェハWを搬送して,図示しないダイシングテープ貼着装置に搬送する。
【0033】
スピンナー洗浄装置30は,例えば,半導体ウェハWを保持する保持部の一例であるスピンナーテーブル31と,洗浄用空間Sを覆う開閉可能なシャッター38とを備える。このスピンナー洗浄装置30は,研削加工後の半導体ウェハWを洗浄して,半導体ウェハWに付着している研削屑や汚染物等のコンタミネーションを除去する。
【0034】
紫外線照射ユニット40は,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間S内に出没自在に設けられ,スピンナーテーブル31に保持された状態の半導体ウェハWの裏面に対して,短波長紫外線を照射する。短波長紫外線とは,波長が150〜300nmの紫外線である。
【0035】
移動装置50は,紫外線照射ユニット40を,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間S外に退避させた退避位置と,当該洗浄用空間S内で半導体ウェハWの裏面に対して短波長紫外線を照射可能な照射位置との間で移動させる。
【0036】
かかるスピンナー洗浄装置30,紫外線照射ユニット40及び移動装置50は,本実施形態にかかる特徴的構成要素であり,その詳細については後述する。
【0037】
以上,本実施形態にかかる加工装置1の全体構成について概略的に説明した。なお,本実施形態にかかる加工装置1は,例えば,インライン化された半導体デバイス製造プロセスのうち,少なくとも研削工程を実行する研削装置として構成されている。このため,この加工装置1に隣接して,例えば,図示しないダイシングテープ貼着装置及びダイシング装置などが配設されている。これによって,図1の加工装置1によって裏面研削された半導体ウェハWを,ウェハカセットに収納することなく,即座に,第4の搬送装置26によりダイシングテープ貼着装置に搬送して,その裏面側にダイシングテープを貼り付けてグライディングテープTを剥離し,さらに,当該ダイシングテープが貼り付けられた半導体ウェハWをダイシング装置に搬送してダイシング加工することができる。このようなインライン化プロセスによって,裏面研削後の半導体ウェハWをカセットに収納して搬送しなくてよいので,裏面研削により非常に薄い厚さとなり剛性が低下した半導体ウェハWが,その自重等によって破損してしまう危険性を低減することができる。
【0038】
次に,図2及び図3に基づいて,本実施形態にかかる加工装置1における洗浄手段及び紫外線照射手段の構成について詳細に説明する。図2及び図3は,本実施形態にかかるスピンナー洗浄装置30,紫外線照射ユニット40及びその移動装置50を示す正面図と平面図である。なお,図2(a)及び図3(a)は,紫外線照射ユニット40が洗浄用空間S外の退避位置に配置された状態を示し,図2(b)及び図3(b)は,紫外線照射ユニット40が洗浄用空間S内の照射位置に配置された状態を示す。
【0039】
まず,洗浄手段の一例であるスピンナー洗浄装置30の構成について説明する。図2及び図3に示すように,スピンナー洗浄装置30は,研削加工後の半導体ウェハWを吸着保持するスピンナーテーブル31と,スピンナーテーブル31を回転駆動する電動モータ32と,スピンナーテーブル31に保持された半導体ウェハWに洗浄液(例えば洗浄水)を供給する洗浄液ノズル33と,スピンナーテーブル31に保持された半導体ウェハWに乾燥用エアーを供給するエアーノズル34と,を備えている。
【0040】
スピンナーテーブル31は,上面が平坦な略円盤状のテーブルであって,その上面にポーラスセラミック盤からなる真空チャックを備えている。このスピンナーテーブル31は,研削加工後の半導体ウェハWを,その裏面(研削面)を上向きにして真空吸着して保持する。また,このスピンナーテーブル31は,電動モータ32に連結されている。これにより,洗浄中には,半導体ウェハWを吸着保持したスピンナーテーブル31を,水平面内で回転させることができる。
【0041】
また,洗浄液ノズル33は洗浄水供給手段(図示せず。)に接続され,エアーノズル34は図示しないエアー供給手段(図示せず。)に接続されている。この洗浄液ノズル33およびエアーノズル34は,図示しない回動機構により回動可能となっており,洗浄時には,図3(a)の二点鎖線で示すように,その噴出口が半導体ウェハWの上方に位置するように配置され,一方,半導体ウェハWの搬出入時および紫外線照射時には,図3(a)の実線で示すように,半導体ウェハWの上方から退避されるようになっている。
【0042】
また,スピンナー洗浄装置30は,その筺体として,加工装置1のハウジング2と一体化されて電動モータ32等を収容するハウジング35と,洗浄用空間Sの上方を覆う天井壁36と,洗浄用空間Sの一方(紫外線照射ユニット40側)の側部を覆う側壁37と,当該一方の側部以外の側部(側壁37によって覆われていない開放部分)を覆う開閉可能なシャッター38と,を備えている。
【0043】
シャッター38には,図示しない昇降機構が連結されており,洗浄時及び紫外線照射時には,シャッター38を上昇させて天井壁36に当接される。これにより,洗浄用空間Sを,ハウジング35と天井壁36と側壁37とシャッター38とで囲んで,ほぼ密閉された空間とすることができる。また,半導体ウェハWの搬出入時には,シャッター38を降下させることによって,洗浄用空間Sの側方を開放し,第1及び第3の搬送装置20,24がスピンナーテーブル31にアクセス可能な状態にできる。
【0044】
さらに,上記側壁37には,紫外線照射ユニット40を通過させるため通過口37aが貫通形成されている。また,スピンナー洗浄装置30には,排気機構(図示せず。)が設けられており,この排気機構によって,紫外線照射ユニット40の紫外線照射により発生した活性酸素を,洗浄用空間S外部に排気することができる。
【0045】
以上のような構成のスピンナー洗浄装置30は,研削加工後の半導体ウェハWをスピンナーテーブル31によって保持して回転させながら,当該半導体ウェハWに対して洗浄液ノズル33によって洗浄水を噴射する。これによって,スピンナー洗浄装置30は,洗浄水の水圧および遠心力の作用により,半導体ウェハWに付着している汚染物を洗浄して除去することができる。さらに,スピンナー洗浄装置30は,洗浄した半導体ウェハWに対してエアーノズル34によってエアーを噴射して乾燥させることができる。
【0046】
次に,紫外線照射手段の一例である紫外線照射ユニット40およびその移動装置50の構成について説明する。図2及び図3に示すように,紫外線照射ユニット40および移動装置50は,例えば,スピンナー洗浄装置30の側方に隣接して配設されている。
【0047】
紫外線照射ユニット40は,例えば放電エキシマランプユニット(詳細は後述する。)等で構成されており,波長が150〜300nmの短波長紫外線を照射可能である。この紫外線照射ユニット40は,支持部材52の下面に取り付けられており,下方に向けて短波長紫外線を照射可能となっている。
【0048】
移動手段50は,例えば,紫外線照射ユニット40を支持する支持部材52と,支持ロッド56を介して連結された支持部材52を水平方向に往復移動させる直動スライダ54と,直動スライダ54を支持する支持基台58とから構成されている。
【0049】
支持部材52は,例えば,下向きに開放したコの字形の縦断面形状を有する板状部材で構成され,その下部側の凹部に紫外線照射ユニット40が装着されている。この支持部材52の先端部52a及び後端部52bは,例えば略矩形状の板状であり,鉛直方向に対して平行となっている。この支持部材52の先端部52a及び後端部52bは,上記スピンナー洗浄装置30の側壁37の通過口37aに対応する大きさ及び形状を有している。このため,当該支持部材52の先端部52a又は後端部52bによって,側壁37の通過口37aを好適に閉塞して,上記ほぼ密閉された洗浄用空間Sを形成することができる。
【0050】
このような移動手段50は,直動スライダ54の伸縮により,支持部材52に取り付けられた紫外線照射ユニット40を,水平方向に移動させ,紫外線照射ユニット40をスピンナー洗浄装置30の洗浄用空間S外に退避させた退避位置(図2(a)及び図3(a)参照)と,洗浄用空間S内で半導体ウェハWに対して短波長紫外線を照射可能な照射位置(図2(b)及び図3(b)参照)とに位置付けることができる。
【0051】
かかる構成により,紫外線照射ユニット40は,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間Sに出没可能となる。このため,紫外線照射用の密閉空間と,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間Sとを兼用して,半導体ウェハWをスピンナーテーブル31から移動させることなく,スピンナー洗浄装置30の内部で,半導体ウェハWの裏面に短波長紫外線を照射できるようになる。
【0052】
つまり,半導体ウェハWの洗浄時には,シャッター38を閉鎖するとともに,紫外線照射ユニット40を退避位置に配置して洗浄用空間S外に退避させ,上記支持部材52の先端部52aによって側壁37の通過口37aを閉塞して,洗浄用空間Sをほぼ密閉された空間とし,洗浄液ノズル33およびエアーノズル34を半導体ウェハWの上方に位置付けて,半導体ウェハWを洗浄することができる。一方,紫外線照射時には,図2(b)及び図3(b)に示すように,洗浄液ノズル33およびエアーノズル34を退避させるとともに,紫外線照射ユニット40を照射位置に配置して半導体ウェハWの上方に位置付け,上記支持部材52の後端部52bによって側壁37の通過口37aを閉塞して,洗浄用空間Sをほぼ密閉された空間(即ち,紫外線照射用の密閉空間)として,半導体ウェハWの裏面に対し短波長紫外線を照射することができる。また,半導体ウェハWの搬出入時には,図2(a)及び図3(a)に示すように,洗浄液ノズル33およびエアーノズル34を退避させ,紫外線照射ユニット40を退避位置に配置するとともに,シャッター38を開放して,この開放部分から上記搬送装置20,24によって,半導体ウェハWをスピンナーテーブル31に搬入/搬出できる。
【0053】
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかる紫外線照射ユニット40の構成について詳細に説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる紫外線照射ユニット40を示す断面図(a)及び底面図(b)である。
【0054】
図4に示すように,紫外線照射ユニット40は,例えば,放電エキシマランプユニット(ウシオ社製,半導体製造工程用エキシマVUV/O洗浄装置)で構成されている。この紫外線照射ユニット40は,例えば,相互に略平行に配設された複数のエキシマランプ41(例えばXeタイプ誘電体バリア放電エキシマランプ)と,このエキシマランプ41の照射方向背面側に配された山形ミラー42と,上記エキシマランプ41及び山形ミラー42を支持する支持体43と,この支持体43内部に形成された冷却水路44と,上記エキシマランプ41,山形ミラー42及び支持体43を収容する略直方体形状の筐体45と,筐体42の照射面側に形成された開口に取り付けられた合成石英ガラス板46と,筐体42の一側と他側にそれぞれ設けられた窒素供給口46及び窒素排出口47と,エキシマランプ41に給電する交流電源48とを備える。
【0055】
かかる構成の紫外線照射ユニット40は,交流電源48からエキシマランプ41に電力供給することにより,エキシマランプ41が発光して短波長紫外線を発生させる。この際,エキシマランプ41が背面側に発した短波長紫外線は,山形ミラー42によって反射されえる。このようにして,紫外線照射ユニット40は,短波長紫外線を一方向(図4(a)では下方)に面照射することができる。本実施形態では,このように照射される短波長紫外線の波長は例えば172nmであり,放射照度は例えば10mW/cmであり,交流電源48の電源容量は,例えばAC100V±10V 700VAである。
【0056】
また,かかる紫外線照射時には,冷却水路44内に冷却水を流通させて,エキシマランプ41等を冷却して過熱を防止する。この冷却水は,例えば30℃以下の水道水を使用でき,その流通量は例えば1.5〜3.0L/分である。また,紫外線照射時には,図示しない窒素供給手段により,窒素供給口46及び窒素排出口47を介して,筐体45の内部空間49に例えば窒素を流通させる。これにより,筐体45の内部空間49の酸素量を低減できるため,放射された短波長紫外線により筐体45の内部空間49において,活性酸素が発生することを抑制できる。
【0057】
次に,図5に基づいて,上記のような紫外線照射ユニット40における紫外線発生原理について説明する。なお,図5は,本実施形態にかかる紫外線照射ユニット40のエキシマランプ41による紫外線発生原理を示す模式図である。
【0058】
図5に示すように,エキシマランプ41は,例えば誘電体バリア放電エキシマランプとして構成されている。このエキシマランプ41は,石英ガラスで形成された内管411と外管412の二層構造になっており,内管411の内周側には金属電極413が配設され,外管412の外周側には金属網電極414が配設されている。また,内管411と外管412との間の閉空間415には,キセノンXe等の放電ガス416が封入されている。
【0059】
このような構造のエキシマランプ41において,上記交流電源48によって,金属電極413及び金属網電極414に交流の高電圧を印加すると,2つの誘電体(内管411と外管412)の間で,細い針金状の放電プラズマ416(誘電体バリア放電)が多数発生する。この放電プラズマ416は,高エネルギーの電子を包含しており,かつ,瞬時に消滅するという特徴を有している。この放電プラズマ416により,放電ガスの原子が励起されて,瞬間的にエキシマ状態(Xe)となり,このエキシマ状態から元の状態(基底状態)に戻るときに,そのエキシマ特有のスペクトルを発光(エキシマ発光)する。この発光スペクトルは,充填された放電ガスによって設定することができ,放電ガスがキセノンガスである場合は,図6に示すように,172nmに中心波長を有する単色光(短波長紫外線)を発光する。
【0060】
このようなエキシマランプ41を用いた短波長紫外線の照射を,含酸素雰囲気中で行うことにより,オゾン,活性酸素(酸素ラジカル)を発生させることができる。これにより,照射対象物である半導体ウェハWの裏面に,効率よく酸化膜を形成できるとともに,半導体ウェハWをドライ洗浄することが可能である。以下に,かかるエキシマランプ41による酸化膜形成及びドライ洗浄の原理について説明する。
【0061】
上記のように,キセノンガスが封入されたエキシマランプ41の放射紫外線の波長は,中心波長172nmで,半値幅は14nmである。以下の化学式1に示すように,175nmより短波長の紫外線は,直接,大気中の酸素Oに吸収され,励起酸素原子O(1D)を生成する(経路1)。また,以下の化学式2に示すように,172nmの紫外線は,大気中の酸素OからオゾンOを生成し,さらに,原子状の酸素O(1D)を生成する(経路2)。このような2つの経路1,2により,エキシマランプ41は励起酸素原子O(1D)を生成できる。
【0062】
【化1】


・・・化学式1
【0063】
【化2】


・・・化学式2
【0064】
このように,半導体ウェハW付近に,活性酸素,即ち,励起酸素原子O(1D)を発生させることによって,半導体ウェハWの酸化反応を促進させて,その表面に酸化膜を形成することができる。例えば,シリコンウェハの研削面(裏面)に,SiO(x=0〜2の任意の値)である酸化膜を形成することができる。
【0065】
また,以下の化学式3に示すように,172nmの紫外線は,光子のエネルギーによって,有機物CmHnOkの分子結合を切断できる。さらに,この切断された分子Cm’Hn’Ok’に,上記非常に酸化力の強い励起酸素原子Oが反応し,有機物をCO,CO,HO等の気体に分解して飛散除去(即ち,洗浄)することができる。このようにして,短波長紫外線を照射することにより,半導体ウェハWの裏面(研削面)に残存している有機物等の汚染物をドライ洗浄して除去することが可能となる。
【0066】
【化3】


・・・化学式3
【0067】
以上,図1〜図6に基づき,本実施形態にかかる加工装置1の全体構成,及び紫外線照射ユニット40の構成およびその原理について詳細に説明した。次に,上記構成の加工装置1を用いた半導体ウェハWの加工方法について説明する。
【0068】
図1に示した加工装置1において,ウェハカセット11には,研削加工前の半導体ウェハWが,例えば,グラインディングテープTが貼り付けられた回路面(表面)を下向き(即ち,研削される裏面を上向き)にして収容されている。そこで,まず,第1の搬送装置20によって,ウェハカセット11内の半導体ウェハWを1枚取り出して搬送し,仮置きテーブル13に載置する。次いで,仮置きテーブル13によって,載置された半導体ウェハWの中心位置合わせを行う。さらに,第2の搬送装置22によって,中心位置合わせされた半導体ウェハWをピックアップして搬送し,搬入・搬出領域Aに配置されたチャックテーブル6上に載置する。当該チャックテーブル6は,載置された半導体ウェハWを真空吸着して保持する。
【0069】
次いで,ターンテーブル5を時計回り方向に回転させて,半導体ウェハWを保持したチャックテーブル6を粗研削加工領域Bに移動させ,粗研削ユニット3の下方に位置付ける。この状態で,粗研削ユニット3によって当該半導体ウェハWの裏面を粗研削加工する(粗研削工程)。さらに,ターンテーブル5を時計回り方向に回転させて,上記粗研削加工された半導体ウェハWを保持したチャックテーブル6を仕上げ研削加工領域Cに移動させ,仕上げ研削ユニット4の下方に位置付ける。この状態で,仕上げ研削ユニット4によって当該半導体ウェハWの裏面を仕上げ研削加工する(仕上げ研削工程)。この仕上げ研削加工と同時に,後続の別の半導体ウェハWを粗研削ユニット3により粗研削加工することによって,研削加工効率を高めて,生産性を向上できる。
【0070】
次いで,ターンテーブル5をさらに時計回り方向に回転させて,上記仕上げ研削加工された半導体ウェハWを保持したチャックテーブル6を搬入・搬出領域Aに移動させる。次いで,第3の搬送装置24によって,上記研削加工された半導体ウェハWをピックアップして搬送し,スピンナー洗浄装置30のスピンナーテーブル31上に,裏面を上向きにして載置する。さらに,スピンナーテーブル31によって,半導体ウェハWを吸着保持する。
【0071】
次いで,スピンナー洗浄装置30のシャッター38を上昇させて,洗浄用空間Sをほぼ密閉空間とする。その後,電動モータ32を駆動させて,スピンナーテーブル31に吸着保持された半導体ウェハWを回転させながら,当該半導体ウェハWの裏面(研削面)に対して洗浄液ノズル33から洗浄水を噴射して,半導体ウェハWに付着している汚染物(コンタミネーション)を洗浄する(洗浄工程)。さらに,洗浄後の半導体ウェハWを回転させながら,エアーノズル34から当該半導体ウェハWの裏面に対してエアーを噴射して,半導体ウェハWを乾燥させる(乾燥工程)。なお,このような洗浄工程及び乾燥工程では,紫外線照射ユニット40は,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間S外部の退避位置に退避されている。
【0072】
次いで,移動装置50を動作させて,退避位置にある紫外線照射ユニット40を水平方向(図2の右方向)移動させて,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間S内の照射位置,即ち,半導体ウェハWの上方に配置する(紫外線照射ユニット移動工程)。この際には,上記洗浄及び乾燥された半導体ウェハWは,スピンナーテーブル31に保持されたままの状態であり,移動させなくてよい。
【0073】
そして,照射位置に配置された紫外線照射ユニット40によって,スピンナーテーブル31に保持された半導体ウェハWの裏面に対して,短波長紫外線を照射する(紫外線照射工程)。本実施形態の紫外線洗浄工程では,上述したように,例えば172nmの波長の紫外線を発光するエキシマランプ41(172nm)を光源として利用しているが,この他にも,例えば低圧水銀ランプなどを光源として利用することできる。ただし,酸化膜を効率的に形成し,汚染物を効果的に除去するという観点からは,低圧水銀ランプよりも,上記エキシマランプ41の方が有利である。
【0074】
また,この紫外線照射工程における短波長紫外線照射量は,例えば100〜6000mJ/cm程度,より好ましくは300〜2000mJ/cmである。紫外線照射空間内(即ち,上記洗浄用空間S内)における酸素濃度は,通常の大気における酸素濃度(20%程度)であればよいが,同程度の酸素分圧があれば,減圧下で照射してもよい。また,紫外線照射時には,紫外線照射用空間としての洗浄用空間S内に,積極的に高濃度酸素を供給してもよい。また,紫外線照射時間は,半導体ウェハW1枚当りの研削加工時間以下であることが好ましく,例えば,10〜60秒程度,特に,30秒程度が妥当である。これにより,後続の半導体ウェハWの研削工程と同時平行して,先行の半導体ウェハWの紫外線照射工程を行うことができる。
【0075】
また,この紫外線照射時における波長紫外線照射ユニット40と半導体ウェハWとの間隔は,例えば0.5〜30mm程度の範囲で調整可能である。具体的には,172nmのエキシマランプ41を用いた場合には,例えば1〜3mmの範囲で設定されることが好ましい。なお,紫外線照射ユニットとして低圧水銀ランプを用いた場合には,低圧水銀ランプと半導体ウェハWとの間隔は,例えば10mm程度が望ましい。
【0076】
なお,この紫外線照射工程では,スピンナーテーブル31の回転を停止させていてもよいが,半導体ウェハWの裏面全体に均一に照射するためには,スピンナーテーブル31を低速で回転させることが好適である。
【0077】
上記のようにして紫外線を照射することにより,ほぼ密閉された洗浄用空間Sにおける含酸素雰囲気中に,オゾン,活性酸素を発生させ,この活性酸素の作用により,半導体ウェハWの裏面に酸化膜を効率よく形成することができる。この酸化膜の厚さは,例えば数十Å(10−10m)である。
【0078】
このように,半導体ウェハWの裏面に予め強制的に酸化膜を形成しておくことによって,後工程で貼り付けられるダイシングテープの粘着剤層と,半導体ウェハWの裏面との間の強い親和性を弱めることができる。このため,上述したインライン化に伴い,加工装置1から搬出された半導体ウェハWの裏面にダイシングテープを直ちに貼り付けたとしても,半導体ウェハWから当該ダイシングテープとを容易に剥離できるようになる。従って,ダイシング後の半導体チップのピックアップ不良を低減することができる。
【0079】
さらに,研削された半導体ウェハWの裏面(無垢面)を酸化膜で被覆できるので,半導体ウェハW表面に回路を形成する際に半導体ウェハW内に入り込んだ金属イオン等が,半導体ウェハW内部で移動することを抑制して,回路機能の低下を防止できる。さらに,露出した無垢面から大気中の不純物が半導体ウェハW基板内に入り込むことも防止できるので,半導体チップの品質低下も防止できる。
【0080】
加えて,上記紫外線照射工程で短波長紫外線を照射して活性酸素を発生させることにより,当該活性酸素の作用によって,上記洗浄工程において除去できなかった汚染物を好適にドライ洗浄して除去することができる。ここで,洗浄工程後に,紫外線照射により半導体ウェハWの裏面の汚染物をドライ洗浄する意義について説明する。
【0081】
つまり,上記研削工程後の半導体ウェハWに有機物や残渣等の汚染物が残存している場合,後工程で問題となる場合がある。このため,従来では,上記洗浄工程を強化する,或いは,別途の洗浄装置を導入するなどして,改善を行ってきたが,一部のデバイス・プロセスにおいて有機物汚染を極端に嫌うものが存在し,従来技術では解消されていない。このように,近年では,研削加工後の半導体ウェハWの清浄さが,特に問われるようになってきている。なお,ここでいう有機物とは,例えば,研削工程において研削砥石としてレジンボンド砥石を用いた場合における,研削加工によって生じるレジンの屑などである。
【0082】
このように,従来では,主に研削工程において有機物等の汚染物が発生し,この汚染物が,研削加工により半導体ウェハW裏面に生じた傷や研削マークに付着すると,上記スピンナー洗浄装置30を用いた洗浄工程によっても,汚染物を十分に除去できないという問題があった。
【0083】
これに対し,本実施形態では,上述したように,短波長紫外線照射により発生した活性酸素の作用により,半導体ウェハWの裏面や端面に残存している有機物等の汚染物を,ガス化して好適に除去できる。従って,上記洗浄工程におけるウエット洗浄作用に加え,紫外線照射工程におけるドライ洗浄作用によって,半導体ウェハWに付着している汚染物を,より確実に除去できるという利点がある。つまり,酸化膜形成と同時に洗浄することができ,また,ドライ洗浄であるため半導体ウェハWを再度乾燥させる必要がないので,効率的かつ迅速に実行することができる。よって,上記紫外線照射によるドライ洗浄は,複数の装置で複数の半導体ウェハWを連続加工するインライン化製造プロセスに適合するものであり,生産性の向上に寄与する。
【0084】
以上のような紫外線照射工程後には,スピンナー洗浄装置30の排気機構によって,上記活性酸素等を洗浄用空間S外に排気し,次いで,紫外線照射ユニット40を退避位置まで退避させ,シャッター38を降下させる。
【0085】
その後,第1の搬送装置20によって,上記洗浄及び紫外線照射された半導体ウェハWを吸着保持して,スピンナーテーブル31から搬出用スペース25に搬送する。さらに,第4の搬送装置26によって,搬出用スペース25に載置された半導体ウェハWを吸着保持して,加工装置1に隣接配置されたダイシングテープ貼着装置(図示せず。)に搬送する。
【0086】
この結果,このダイシングテープ貼着装置によって,半導体ウェハWの裏面に対してダイシングテープが貼り付けられる(ダイシングテープ貼着工程)。さらに,当該ダイシングテープが貼り付けられた半導体ウェハWは,ダイシング装置(図示せず。)に搬送される。そして,ダイシング装置によって,半導体ウェハWの表面側からストリートに沿って格子状に切断され,個々の半導体チップに分割される(ダイシング工程)。その後,ピックアップ手段(図示せず。)によって,上記分割された半導体チップがダイシングテープからピックアップされる。このピックアップ時には,半導体チップの裏面に上記酸化膜が存在しているので,半導体チップをダイシングテープから容易に剥離することができ,チップ破損を防止できる。
【0087】
以上,本実施形態にかかる半導体ウェハWの加工装置1およびこれを用いた半導体ウェハWの加工方法について説明した。本実施形態では,加工装置1が通常具備するスピンナー洗浄装置30に対して紫外線照射ユニット40を出没自在に配設することにより,スピンナー洗浄装置30による半導体ウェハWの洗浄後に,当該半導体ウェハWを移動させることなく,洗浄用空間S内で,半導体ウェハWの裏面に短波長紫外線を照射することができる。従って,スピンナー洗浄装置30の洗浄用空間Sを,紫外線照射用の密閉空間としても兼用できるので,加工装置1に,紫外線照射ユニット40のための大きな設置スペースを必要としない。よって,紫外線照射ユニット40を増設したとしても,加工装置1の大型化を抑制することができる。
【0088】
また,特許文献2に記載の洗浄兼酸化被膜形成手段では,過酸化水素水等の酸化液の供給によって半導体ウェハWの裏面に酸化膜を形成するため,この酸化液を洗浄して乾燥させる工程が必要であった。しかし,本実施形態では,液体供給を伴わずに,紫外線照射により酸化膜を形成するので,上記酸化液の洗浄及び乾燥工程が不要となるので,短時間で効率的に酸化膜を形成できる。
【0089】
さらに,本実施形態では,スピンナー洗浄装置30のスピンナーテーブル31に半導体ウェハWを保持したままで,搬送することなく,当該半導体ウェハWの裏面に短波長紫外線を照射して,酸化膜を形成できる。従って,上記特許文献2のエッチングにより酸化膜形成する場合のように,半導体ウェハWを洗浄装置からエッチング装置への搬送する際に半導体ウェハWが破損してしまうことがない。
【0090】
加えて,短波長紫外線照射によって,半導体ウェハWに付着している有機物等の汚染物をドライ洗浄して除去できる。従って,スピンナー洗浄装置30による洗浄工程で除去できなかった汚染物,例えば,半導体ウェハW裏面に生じた傷や研削マークに付着した有機物なども,好適に除去できる。
【0091】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
例えば,上記実施形態では,研削工程は,粗研削工程と仕上げ研削工程の2工程で実施されたが,かかる例に限定されず,1工程で行ってもよい。また,研削工程後に,半導体ウェハWの研削面(裏面)をポリッシング加工する工程や,プラズマエッチング加工する工程を追加して,研削加工により半導体ウェハWの研削面に生じたマイクロクラックを除去するようにしてもよい。
【0093】
また,上記実施形態では,インライン化された半導体デバイス製造プロセスにおいて,加工装置1で加工された半導体ウェハWを,ウェハカセットに収容することなく,ダイシングテープ貼着装置及びダイシング装置に搬送したが,本発明は係る例に限定されない。例えば,本発明は,インライン化された製造プロセスではなく,通常の製造プロセス,即ち,加工装置で加工された半導体ウェハWをウェハカセットに収容して,このウェハカセットをダイシングテープ貼着装置及びダイシング装置に搬送するようなプロセスにも適用できる場合がある。
【0094】
つまり,上述したように,半導体ウェハWは,ウェハカセット内に収容して所定の長時間(例えば24時間)以上放置して大気に曝した場合には,その裏面に十分な厚さの酸化膜が形成される。しかし,加工装置による加工後の半導体ウェハWを,ウェハカセット内に収容してから比較的短時間で取り出して,ダイシングテープを貼り付けようとする場合には,その裏面に十分な厚さの酸化膜が形成されない場合もある。従って,かかる場合には,上述した紫外線照射手段により,ウェハカセットに収容される前の半導体ウェハWの裏面(研削面)に酸化膜を形成しておくことは,その後のダイシングテープの剥離を容易ならしめる観点では有益である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる加工装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】同実施形態にかかるスピンナー洗浄装置,紫外線照射ユニット及び移動装置を示す正面図である。
【図3】同実施形態にかかるスピンナー洗浄装置,紫外線照射ユニット及び移動装置を示す平面図である。
【図4】同実施形態にかかる紫外線照射ユニットを示す縦断面図(a)及び底面図(b)である。
【図5】同実施形態にかかる紫外線照射ユニットのエキシマランプによる紫外線発生原理を示す模式図である。
【図6】同実施形態にかかるエキシマランプの分光分布を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0096】
1 加工装置
3 粗研削ユニット(研削手段)
4 仕上げ研削ユニット(研削手段)
6 チャックテーブル(保持手段)
30 スピンナー洗浄装置(洗浄手段)
31 スピンナーテーブル
32 電動モータ
33 洗浄液ノズル
34 エアーノズル
36 天井壁
37 側壁
37a 通過口
38 シャッター
40 紫外線照射ユニット(紫外線照射手段)
41 エキシマランプ
42 山形ミラー
48 交流電源
50 移動装置(移動手段)
52 支持部材
52a 支持部材の先端部
52b 支持部材の後端部
54 直動スライダ
W 半導体ウェハ
T グラインディングテープ
S 洗浄用空間




 

 


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