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発明の名称 ウエーハの分割方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12878(P2007−12878A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−191914(P2005−191914)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
発明者 中村 勝 / 永井 祐介
要約 課題
ストリートに配設されたテスト用の金属パターンの影響を受けることなく個々のデバイスに分割することができるとともに、分割されたデバイスの構成を検出することができないようにしたウエーハの分割方法を提供する。

解決手段
ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハ2の裏面からテスト用の金属パターン23の近傍に集光点Pを位置付けてストリートに沿って照射し、テスト用の金属パターン23に破断線を形成する金属パターン破断工程と、ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハ2の裏面からウエーハ2の内部における破断線の上側に集光点Pを位置付けてストリートに沿って照射し、ウエーハの内部における破断線の上側にストリートに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、変質層が形成されたウエーハ2に外力を付与し、ウエーハ2を変質層に沿って個々のチップに分割する分割工程とを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成されており、ストリートにテスト用の金属パターンが配設されているウエーハの分割方法であって、
ウエーハを裏面を上側にして保持し、ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハの裏面から該テスト用の金属パターンの近傍に集光点を位置付けて該ストリートに沿って照射し、該テスト用の金属パターンに破断線を形成する金属パターン破断工程と、
ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハの裏面からウエーハの内部における該破断線の上側に集光点を位置付けて該ストリートに沿って照射し、ウエーハの内部における該破断線の上側に該ストリートに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
該変質層が形成されたウエーハに外力を付与し、ウエーハを該変質層に沿って個々のチップに分割する分割工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法。
【請求項2】
該金属パターン破断工程において照射されるパルスレーザー光線は、波長が1064nm、繰り返し周波数が20〜80kHz、平均出力が0.05〜0.2Wに設定されている、請求項1記載のウエーハの分割方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成され、ストリートにテスト用の金属パターンが配設されているウエーハを、ストリートに沿って分割するウエーハの分割方法に関する。
【背景技術】
【0002】
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体基板の表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスが形成されている半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによってデバイス毎に分割して個々の半導体チップを製造している。
【0003】
上述した半導体ウエーハの多くは、ストリート上にデバイスの機能をテストするためのテスト エレメント グループ(TEG)と称するテスト用の金属パターンが複数個配設されている。このようにテスト用の金属パターンが配設された半導体ウエーハは、個々の半導体チップに分割する前に、テスト用の金属パターンを用いてデバイスの機能をチェックする。そして、半導体ウエーハを分割する際には、テスト用の金属パターンも同時に切断して除去している。即ち、テスト用の金属パターンが残っていると、この金属パターンを用いてデバイスの構成を検出することが可能であるため、企業秘密を守る観点からテスト用の金属パターンは除去される。
【0004】
一方、近年半導体ウエーハ等の板状の被加工物を分割する方法として、その被加工物に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を用い、分割すべき領域の内部に集光点を合わせてパルスレーザー光線を照射するレーザー加工方法も試みられている。このレーザー加工方法を用いた分割方法は、被加工物の一方の面側から内部に集光点を合わせて被加工物に対して透過性を有する赤外光領域のパルスレーザー光線を照射し、被加工物の内部にストリートに沿って変質層を連続的に形成し、この変質層が形成されることによって強度が低下したストリートに沿って外力を加えることにより、被加工物を分割するものである。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許第3408805号公報
【0005】
しかるに、ウエーハのストリートにTEGが配設されている場合には、TEGがレーザー光線の妨げとなり、変質層を均一に形成することができないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した問題を解消するためには、TEGが配設されていないウエーハの裏面側からストリートに沿ってレーザー光線を照射することにより、変質層を均一に形成することができる。しかるに、変質層が形成されたウエーハに外力を加えて破断すると、TEGが鋸刃状に破断され、コンタミの原因となるとともにデバイスの品質を低下させるという問題がある。また、残存するTEGを用いてデバイスの構成を検出することが可能であるため、企業秘密が漏洩するという問題もある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、ストリートに配設されたテスト用の金属パターンの影響を受けることなく個々のデバイスに分割することができるとともに、分割されたデバイスの構成を検出することができないようにしたウエーハの分割方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成されたストリートによって複数の領域が区画され、この区画された領域に複数のデバイスが形成されており、ストリートにテスト用の金属パターンが配設されているウエーハの分割方法であって、
ウエーハを裏面を上側にして保持し、ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハの裏面から該テスト用の金属パターンの近傍に集光点を位置付けて該ストリートに沿って照射し、該テスト用の金属パターンに破断線を形成する金属パターン破断工程と、
ウエーハに対して透過性を有するパルスレーザー光線をウエーハの裏面からウエーハの内部における該破断線の上側に集光点を位置付けて該ストリートに沿って照射し、ウエーハの内部における該破断線の上側に該ストリートに沿って変質層を形成する変質層形成工程と、
該変質層が形成されたウエーハに外力を付与し、ウエーハを該変質層に沿って個々のチップに分割する分割工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの分割方法が提供される。
【0009】
上記金属パターン破断工程において照射されるパルスレーザー光線は、波長が1064nm、繰り返し周波数が20〜80kHz、平均出力が0.05〜0.2Wに設定されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるウエーハの分割方法においては、金属パターン破断工程を実施することによりストリートに沿って配設された複数のテスト用の金属パターンはストリートに沿って破断さて破断線が形成されているので、変質層形成工程によって形成された変質層に沿ってウエーハが破断されてもテスト用の金属パターンが鋸刃状に破断されることはない。また、テスト用の金属パターン23は、破断されるとともにレーザー光線の照射によって機能が破壊されるので、残留したテスト用の金属パターンを用いてデバイスの構成を検出することはできない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明によるウエーハの分割方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0012】
図1には本発明によるウエーハの分割方法によって個々のチップに分割される半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、シリコンウエーハからなり、その表面2aに格子状に配列された複数のストリート21によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。この半導体ウエーハ2には、ストリート21にデバイス22の機能をテストするためのテストエレメント グループ(TEG)と称するテスト用の金属パターン23が部分的に複数配設されている。
【0013】
上述したように構成された半導体ウエーハ2は、図2に示すように環状のフレーム3に装着されたポリオレフィン等の合成樹脂シートからなる保持テープ4に表面2a側を貼着する。従って、半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。
【0014】
次に、半導体ウエーハ2を複数のストリート21に沿って分割する分割方法について説明する。
先ず、半導体ウエーハ2を裏面2bを上側にして保持し、半導体ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線を半導体ウエーハ2の裏面2bからテスト用の金属パターン23の近傍に集光点を位置付けてストリート21に沿って照射し、テスト用の金属パターン23に破断線を形成する金属パターン破断工程を実施する。この金属パターン破断工程は、図3に示すレーザー加工装置を用いて実施する。図3に示すレーザー加工装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52を具備している。チャックテーブル51は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない加工送り機構によって図3において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り機構によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
【0015】
上記レーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521の先端に装着された集光器522からパルスレーザー光線を照射する。また、図示のレーザー加工装置5は、図3に示すように上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の先端部に装着された撮像手段53を備えている。この撮像手段53は、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
【0016】
以下、上述したレーザー加工装置5を用いて実施する金属パターン破断工程について説明する。
先ず図3に示すレーザー加工装置5のチャックテーブル51上に上述した環状のフレーム3に保持テープ4を介して支持された半導体ウエーハ2を載置し、チャックテーブル51上に半導体ウエーハ2を吸着保持する。このとき、半導体ウエーハ2は裏面2aを上側にして保持される。なお、図3においては、半導体ウエーハ2が貼着されている保持テープ4が装着された環状のフレーム3を省いて示しているが、環状のフレーム3はチャックテーブル51に配設された図示しないフレーム保持クランプによって固定される。
【0017】
上述したように半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル51は、図示しない加工送り機構によって撮像手段53の直下に位置付けられる。チャックテーブル51が撮像手段53の直下に位置付けられると、撮像手段53および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段53および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されているストリート21と、ストリート21に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。このとき、半導体ウエーハ22のストリート21が形成されている表面2aは下側に位置しているが、撮像手段53が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面2bから透かしてストリート21を撮像することができる。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びるストリート21に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
【0018】
以上のようにしてチャックテーブル51上に保持された半導体ウエーハ2に形成されているストリート21を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図4の(a)で示すようにチャックテーブル51をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定のストリート21の一端(図4の(a)において左端)を集光器522の直下に位置付ける。このとき、パルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ2の表面2a即ちテスト用の金属パターン23の近傍に合わせる。次に、集光器522から半導体ウエーハ2に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2を図4の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図4の(a)で示すように集光器522の照射位置が半導体ウエーハ2の他端(図4の(a)において右端)の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2の移動を停止する。この結果、ストリート21に形成されたテスト用の金属パターン23にパルスレーザー光線が照射されるため、テスト用の金属パターン23は破断され、テスト用の金属パターン23には図4の(b)で示すようにストリート21に沿って破断線231が形成される。また、パルスレーザー光線が照射されたテスト用の金属パターン23は、その機能が破壊される。
【0019】
上記金属パターン破断工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
レーザー光線の光源 :YVO4レーザーまたはYAGレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :20〜80kHz
平均出力 :0.05〜0.2W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :300〜500mm/秒
【0020】
上述した金属パターン破断工程を半導体ウエーハ2の所定方向に形成された全てのストリート21に沿って実施したならば、チャックテーブル51従って半導体ウエーハ2を90度回動する。そして、半導体ウエーハ2に上記所定方向と直交する方向に形成された全てのストリート21に沿って上述した金属パターン破断工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ2の全てのストリート21に配設された全てのテスト用の金属パターン23には、ストリート21に沿って破断線231が形成される。
【0021】
なお、本発明者等の実験によると、上記金属パターン破断工程において照射するパルスレーザー光線は、繰り返し周波数が20kHz未満で、平均出力が0.05W未満であると、金属パターン23を破断することができなかった。また、繰り返し周波数が80kHzより高く、平均出力が0.2Wより高いと、金属パターン23が破壊され綺麗な破断線231を形成することができなかった。従って、金属パターン破断工程において照射するパルスレーザー光線は、繰り返し周波数が20〜80kHz、平均出力が0.05〜0.2Wに設定することが望ましい。
【0022】
上述した金属パターン破断工程を実施したならば、半導体ウエーハ2に対して透過性を有するパルスレーザー光線を半導体ウエーハ2の裏面2bから半導体ウエーハ2の内部における破断線231の上側に集光点を位置付けてストリート21に沿って照射し、半導体ウエーハ2の内部における破断線231の上側にストリート21に沿って変質層を形成する変質層形成工程を実施する。
即ち、図5の(a)で示すようにチャックテーブル51をレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定のストリート21の一端(図5の(a)において左端)を集光器522の直下に位置付ける。このとき、、図5の(b)に示すようにパルスレーザー光線の集光点Pを半導体ウエーハ2の厚さ方向中間部におけるテスト用の金属パターン23に形成された破断線231の上側に合わせる。次に、集光器522から半導体ウエーハ2に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2を図5の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図5の(a)で示すように集光器522の照射位置が半導体ウエーハ2の他端(図5の(a)において右端)の位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51即ち半導体ウエーハ2の移動を停止する。この結果、図5の(b)および図5の(c)に示すように半導体ウエーハ2の内部にはテスト用の金属パターン23に形成された破断線231の上側にストリート21に沿って分割起点となる変質層24が形成される。この変質層24は、溶融再固化層、クラック層として形成される。
【0023】
上記変質層形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
レーザー光線の光源 :YVO4レーザーまたはYAGレーザー
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :300〜500kHz
平均出力 :0.5〜3W
集光スポット径 :φ1μm
加工送り速度 :400〜800mm/秒
【0024】
上述した変質層形成工程を半導体ウエーハ2に所定方向に形成された全てのストリート21に沿って実施したならば、チャックテーブル51従って半導体ウエーハ2を90度回動する。そして、半導体ウエーハ2に上記所定方向と直交する方向に形成された全てのストリート21に沿って上述した変質層形成工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ2の内部には、全てのストリート21におけるテスト用の金属パターン23に形成された破断線231の上側にストリート21に沿って変質層24が形成される。
【0025】
上述した変質層形成工程を実施したならば、半導体ウエーハ2に外力を作用せしめ、半導体ウエーハ2を分割起点となる変質層24に沿って破断する分割工程を実施する。この分割工程は、図示の実施形態においては図6に示す分割装置6を用いて実施する。図6に示す分割装置6は、上記環状のフレーム3を保持するフレーム保持手段61と、該フレーム保持手段61に保持された環状のフレーム3に装着された保持テープ4を拡張するテープ拡張手段62を具備している。フレーム保持手段61は、環状のフレーム保持部材611と、該フレーム保持部材611の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ機構612とからなっている。フレーム保持部材611の上面は環状のフレーム3を載置する載置面611aを形成しており、この載置面611a上に環状のフレーム3が載置される。そして、載置面611a上に載置された環状のフレーム3は、クランプ機構612によってフレーム保持部材611に固定される。このように構成されたフレーム保持手段61は、テープ拡張手段62によって上下方向に進退可能に支持されている。
【0026】
テープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611の内側に配設される拡張ドラム621を具備している。この拡張ドラム621は、環状のフレーム3の内径より小さく該環状のフレーム3に装着された保持テープ4に貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム621は、下端に支持フランジ622を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611を上下方向に進退可能な支持手段63を具備している。この支持手段63は、上記支持フランジ622上に配設された複数のエアシリンダ631からなっており、そのピストンロッド632が上記環状のフレーム保持部材611の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ631からなる支持手段63は、環状のフレーム保持部材611を載置面611aが拡張ドラム621の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム621の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。従って、複数のエアシリンダ631からなる支持手段63は、拡張ドラム621とフレーム保持部材611とを上下方向に相対移動する拡張移動手段として機能する。
【0027】
以上のように構成された分割装置6を用いて実施する分割工程について図7を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ2(ストリート21に沿って変質層24が形成されている)を保持テープ4を介して支持した環状のフレーム3を、図7の(a)に示すようにフレーム保持手段61を構成するフレーム保持部材611の載置面611a上に載置し、クランプ機構612によってフレーム保持部材611に固定する。このとき、フレーム保持部材611は図7の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段62を構成する支持手段63としての複数のエアシリンダ631を作動して、環状のフレーム保持部材611を図7の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材611の載置面611a上に固定されている環状のフレーム30も下降するため、図7の(b)に示すように環状のフレーム4に装着された保持テープ4は拡張ドラム621の上端縁に当接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、保持テープ4に貼着されている半導体ウエーハ2は放射状に引張力が作用する。このように半導体ウエーハ2に放射状に引張力が作用すると、ストリート21に沿って形成された変質層24は強度が低下せしめられているので、この変質層24が分割起点となって半導体ウエーハ2は変質層24に沿って破断され個々の半導体チップ20に分割される。このとき、ストリート21に沿って配設された複数のテスト用の金属パターン23は、上記金属パターン破断工程においてストリート21に沿って破断さて破断線231が形成されているので、鋸刃状に破断されることはない。また、テスト用の金属パターン23は、破断されているとともにレーザー光線の照射によって機能が破壊されるので、残留したテスト用の金属パターン23を用いてデバイス22の構成を検出することはできない。
【0028】
なお、分割工程は上述した分割方法の外に、次のような分割方法を用いることができる。
即ち、保持テープ4に貼着された半導体ウエーハ2(ストリート21に沿って変質層24が形成されている)を柔軟なゴムシート上に載置し、その上面をローラーによって押圧することによって、半導体ウエーハ2を変質層24、24が形成され強度が低下したストリート21に沿って割断する方法を用いることができる。また、変質層が形成され強度が低下したストリート21に沿って例えば周波数が28kHz程度の縦波(疎密波)からなる超音波を作用せしめる方法や、変質層24が形成され強度が低下したストリート21に沿って押圧部材を作用せしめる方法、或いは変質層24が形成され強度が低下したストリート21に沿ってレーザー光線を照射してヒートショックを与える方法等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるウエーハの分割方法によって分割される半導体ウエーハの斜視図。
【図2】図1に示す半導体ウエーハを環状のフレームに装着された保護テープの表面に貼着した状態を示す斜視図。
【図3】本発明によるウエーハの分割方法における金属パターン破断工程および変質層形成工程を実施するためのレーザー加工装置の要部を示す斜視図。
【図4】本発明によるウエーハの分割方法における金属パターン破断工程を示す説明図。
【図5】本発明によるウエーハの分割方法における変質層形成工程を示す説明図。
【図6】本発明によるウエーハの分割方法における分割工程を実施する分割装置の一実施形態を示す斜視図。
【図7】本発明によるウエーハの分割方法における分割工程の説明図。
【符号の説明】
【0030】
2:半導体ウエーハ
21:ストリート
22:デバイス
23:テスト用の金属パターン
24:変質層
25:レーザー加工溝
3:環状のフレーム
4:保持テープ
5:レーザー加工装置
51:チャックテーブル
52:レーザー光線照射手段
522:集光器
53:撮像手段
6:分割装置
61:フレーム保持手段
62:テープ拡張手段
63:支持手段




 

 


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