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気密封止構造および圧電デバイスとその製造方法 - エプソントヨコム株式会社
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発明の名称 気密封止構造および圧電デバイスとその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−184859(P2007−184859A)
公開日 平成19年7月19日(2007.7.19)
出願番号 特願2006−2812(P2006−2812)
出願日 平成18年1月10日(2006.1.10)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 桑原 卓男
要約 課題
パッケージとリッドとを環境汚染のおそれなく封止し、しかも周波数を精密に調整できて、CI値の上昇を防止できるようにした気密封止構造と、圧電デバイスならびにその製造方法を提供すること。

解決手段
電子部品を一体に形成もしくは接合するための収容体の一部となるベース基体31と、該ベース基体に対して、気密に接合される蓋体であるリッド33との気密封止構造であって、前記リッドが光を透過する材料で形成されており、該リッドの少なくとも封止部の金属層25として、メッキを行うためのメッキ可能層22と、該メッキ可能層よりも表面側に形成した金による接合層24とが形成されており、前記ベース基体31に対して、Au−Ge合金のハンダ49により接合される構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】
電子部品を一体に形成もしくは接合するための収容体の一部となるベース基体と、該ベース基体に対して、気密に接合される蓋体であるリッドとの気密封止構造であって、
前記リッドが光を透過する材料で形成されており、該リッドの少なくとも封止部の金属層として、
メッキを行うためのメッキ可能層と、
該メッキ可能層よりも表面側に形成した金による接合層と
が形成されており、
前記リッドが、前記ベース基体に対して、Au−Ge合金によるハンダにより接合される構成とした
ことを特徴とする気密封止構造。
【請求項2】
ベース基体と、該ベース基体に積層固定される枠付き振動片と、該枠付き振動片に積層固定されるリッドとを含む圧電デバイスであって、
前記リッドが光を透過する材料で形成されており、該リッドの少なくとも封止部の金属層として、
メッキを行うためのメッキ可能層と、
該メッキ可能層よりも表面側に形成した金による接合層と
が形成されており、
前記リッドが前記ベース基体に対して、Au−Ge合金によるハンダにより接合される構成とした
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項3】
前記リッド表面に予め下地層を形成し、前記メッキ可能層の上部には、ハンダ喰われを防止するバリア層を有することを特徴とする請求項2に記載の圧電デバイス。
【請求項4】
前記メッキ可能層が、無電解メッキ用として、AlCu、AlTi、AlSiCu、NiCrから選ばれるひとつの金属層、または電解メッキ用としてAuによる金属層であることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記ベース基体と、前記枠付き振動片と、前記リッドが全て水晶であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項6】
前記ベース基体と、前記リッドがガラスであり、前記枠付き振動片が水晶であることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項7】
前記枠付き振動片の封止部と、前記ベース基体の封止部にも前記金属層と同じ金属層が形成されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項8】
各層ともそれぞれ同じ個数の複数個の製品に相当する大きさとされている、ベース基体を構成するベース基体層と、枠付きの圧電振動片を構成する素子層と、リッドを構成するリッド層とを形成し、
これらベース基体層と、素子層と、リッド層の各封止部の金属層として、メッキを行うためのメッキ可能層と、該メッキ可能層より表面側に形成した金喰われ防止のためのバリア層と、該バリア層よりも表面側に形成した金による接合層とを形成し、
前記ベース基体層と前記素子層と前記リッド層とを積層して、これらをAu−Geによるハンダで固定し、
前記積層固定後に、前記各製品の大きさに切断する
上記各工程を含む
ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【請求項9】
ベース基体と、前記ベース基体に固定された圧電振動片と、前記ベース基体もしくはベース基体を含むパッケージに気密に接合されるガラス製の蓋体であるリッドとを備える圧電デバイスであって、
前記ベース基体またはベース基体を含むパッケージには、前記リッドとの接合箇所に金を含む金属膜が形成されており、
前記リッドの接合面には、接合後に前記圧電振動片に設けた周波数調整用の金属膜に対応する位置を除くようにして、接合用の蓋側金属膜が形成されていて、
前記ベース基体またはベース基体を含むパッケージの前記金属膜と、前記リッドの前記蓋側金属膜とをAu−Ge合金によるハンダを溶融させて接合封止されており、
さらに、前記ベース基体またはパッケージは、封止用の貫通孔を備えており、該封止用の貫通孔は充填材により孔封止されている
ことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項10】
前記ハンダが前記リッドの接合面にプリコートされていることを特徴とする請求項9に記載の圧電デバイス。
【請求項11】
前記ハンダもしくは前記蓋側金属膜および前記ハンダが、前記リッドの前記ベース基体またはパッケージの接合面に限定された領域に設けられていることを特徴とする請求項9または10のいずれかに記載の圧電デバイス。
【請求項12】
前記ベース基体またはパッケージは、封止用の貫通孔を備えており、該封止用の貫通孔は金属材料を充填して孔封止されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の圧電デバイス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を気密に収容する気密封止構造と、圧電デバイスおよびその製造方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
圧電デバイスは、パッケージ内に電子部品である圧電振動片を収容し、蓋体であるリッドをパッケージに気密に接合する構造である。
圧電デバイスにおいては、リッドの接合により圧電振動片の周囲の環境が変化するので、封止後に圧電振動片の周波数を正確に合わせる必要性は高い。
しかし、リッドは、通常金属であるため、パッケージを封止した後においては、内部の圧電振動片に加工を施して、その周波数の調整を行うことができない。
【0003】
そこで、図10に示すような圧電デバイスも提案されている(特許文献1、図2参照)。
図10において、圧電デバイス1は、パッケージ2の内部に電子部品である圧電振動片6を収容している。
パッケージ2の内部には、電極部3が形成されており、該電極部3はパッケージ外部の実装端子5,5とパッケージ内で導通されている。電極部3の上には、導電性接着剤4が塗布され、その上に圧電振動片6の基部が載置固定された状態で、リッド7が気密に封止されている。
リッド7には開口が設けられ、ガラスが装着されて窓8とされている。
かくして、リッド7の封止後においても、外部から窓8を通してレーザ光LB1を圧電振動片6の電極の一部などに照射することにより、質量削減方式による周波数調整をすることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−130093
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、図10のような圧電デバイス1においては、リッド7の一部に開口を形成して、該開口にガラスを装着して窓8を形成する工程を要するため、複雑な工程が必要で製造コストが上昇してしまう。特に、製品が小型化されるとこのような工程は実行が困難である。
また、リッド自体をガラスとする方法もある。
この場合、リッドを構成するガラス材料の板体を、セラミック製のパッケージのようなものに接合する上では、接合材料として、320度(「摂氏」、なお以下で用いる温度表示は全て摂氏)の融点を持つ低融点ガラスが使用される。
ところが、この種の低融点ガラスには、鉛が含有されており、鉛入りの封止材を使用することは環境汚染につながり好ましくない。
そこで、鉛を含有しない低融点ガラスを用いることになるが、そのようなものの融点は、400度以上となり、比較的高い温度となって、圧電振動片自体の特性を悪化させるおそれがある。また、比較的低い融点の鉛フリー低融点ガラスも研究されているが、高価格である。
【0006】
したがって、ガラス製のリッドに金属膜を形成し、金属材料の封止材(ロウ材)を使用することになる。金属製のロウ材としては、ハンダがある。特に鉛を含有しない鉛フリーハンダは、錫、銀、銅などの合金であり、200度ないし220度程度と低く、圧電デバイスを実装する際のリフロー工程に耐えないおそれがあり、さらに、封止後にガスを生成し、ガス成分が圧電振動片に付着すると、CI値が上昇してしまう。
【0007】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、パッケージとリッドとを環境汚染のおそれなく封止し、しかも周波数を精密に調整できて、CI値の上昇を防止できるようにした気密封止構造と、圧電デバイスならびにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、第1の発明にあっては、電子部品を一体に形成もしくは接合するための収容体の一部となるベース基体と、該ベース基体に対して、気密に接合される蓋体であるリッドとの気密封止構造であって、前記リッドが光を透過する材料で形成されており、該リッドの少なくとも封止部の金属層として、メッキを行うためのメッキ可能層と、メッキ可能層よりも表面側に形成した金による接合層とが形成されており、前記リッドが、前記ベース基体に対して、Au−Ge合金によるハンダにより接合される構成とした気密封止構造により、達成される。
【0009】
第1の発明の構成によれば、前記リッドを光を透過する材料、すなわち金属以外のガラスなどで形成することで、リッド封止後に外部からレーザ光を照射して内部の加工が可能である。
前記リッドの少なくとも封止部には、金属層が形成されており、Au−Ge合金のハンダを用いてパッケージに対して接合できるようにしている。
具体的には、金属層は、メッキ可能層を有しているから、それよりも表面側には、メッキにより金属膜を成膜することができる。そして、金による接合層を形成することにより、Au−Ge合金によるハンダを用いて気密封止できる。
【0010】
すなわち、ハンダとして、金とゲルマニウムの合金は、融点が360度程度であるから、400度以上の高い融点を持つ鉛フリーの低融点ガラスよりは低い融点となり、接合時の高温による圧電振動片への悪影響は避けられる。
他方、Au−Ge合金のハンダは、その融点が、200度ないし220度程度と低い鉛フリーハンダと比べると、かなり融点が高く、圧電デバイスを実装する際のリフロー工程で、接合が取れるおそれがなく、また、鉛フリーハンダのように、封止後にガスを生成することがないから、ガス成分が圧電振動片に付着して、CI値が上昇するという欠点もない。
【0011】
また、上述の目的は、第2の発明にあっては、ベース基体と、該ベース基体に積層固定される枠付き振動片と、該枠付き振動片に積層固定されるリッドとを含む圧電デバイスであって、前記リッドが光を透過する材料で形成されており、該リッドの少なくとも封止部の金属層として、メッキを行うためのメッキ可能層と、該メッキ可能層よりも表面側に形成した金による接合層とが形成されており、前記リッドが前記ベース基体に対して、Au−Ge合金によるハンダにより接合される構成とした圧電デバイスにより、達成される。
【0012】
第2の発明の構成によれば、前記リッドを光を透過する材料、すなわち金属以外のガラスなどで形成することで、リッド封止後に外部からレーザ光を照射して内部の加工が可能である。前記リッドの少なくとも封止部には、金属層が形成されており、Au−Ge合金によるハンダを用いて接合できるようにしている。具体的には、金属層は、メッキ可能層を有しているから、それよりも表面側には、メッキにより金属膜を成膜することができる。そして、金による接合層を形成することにより、上述した利点を有するAu−Ge合金によるハンダを用いて気密封止でき、さらに、鉛フリー化を実現できる。
かくして、製品が小型化されても精度良く容易に製造することができ、製造コストを低く抑えることができ、鉛を用いないことで環境への悪影響を防止できるようにした圧電デバイスを提供することができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記リッド表面に予め下地層を形成し、前記メッキ可能層の上部には、ハンダ喰われを防止するバリア層を有することを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、光を透過する材料、例えばガラスに金属層を形成して、ハンダを用いて接合する場合には、その前提として、ガラスなどの表面に金属層を適切に形成する必要がある。この場合、多くは、クロムやチタン等を含む下地層を形成した上に接合用の金属層が形成される。これは、リッドとなるガラス材に接合用の金属層を形成する場合、前記ガラスとの密着性のよい金属膜を介する必要があるためである。
【0014】
第4の発明は、第2または3のいずれかの発明の構成において、前記メッキ可能層が、無電解メッキ用として、AlCu、AlTi、AlSiCu、NiCrから選ばれるひとつの金属層、または電解メッキ用としてAuによる金属層であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、金属層をメッキで形成する上では、無電解メッキを可能にしようとする場合にはアルミニウムが適している。しかしながら、アルミニウム単体では耐水性などの点で信頼性に劣るので、AlCu、AlTi、AlSiCu、NiCrから選択される金属層をメッキ可能層として使用する。この場合、Al合金の各添加元素であるCu、Ti、SiCuは母材のAlに対して1パーセント以下であることが望ましい。また、Al合金以外として、NiCrも使用することができる。
電解メッキを可能にするためには、Ni電解メッキを析出させるためにAuが使用される。
なお、メッキ可能層として、AlCu、AlTi、AlSiCu、NiCrを用いる場合には、前記下地層は不要である。
【0015】
第5の発明は、第2ないし4のいずれかの発明の構成において、前記ベース基体と、前記枠付き振動片と、前記リッドが全て水晶であることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、前記リッドが水晶であると、水晶は光を透過させるので、周波数調整を封止後に外部からレーザなどを照射して行うために適しており、水晶は圧電材料であるから、枠付き振動片を形成するのに適しており、水晶は絶縁材料であるから、ベース基体として適しており、これらが互いにハンダで接合される上では、同じ材料で形成される線膨張係数が一致するので、温度環境変化により損傷が生じないので好ましい。
【0016】
第6の発明は、第2ないし4のいずれかの発明の構成において、前記ベース基体と、前記リッドがガラスであり、前記枠付き振動片が水晶であることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、枠付き振動片だけは圧電材料である必要性から水晶が選択される。リッドは透明である必要性からガラスとし、ベース基体も絶縁性を備えているので、同じガラスが適しており、これらのガラスについて水晶と線膨張係数が近似したものを選択すれば、温度環境の変化においても損傷しにくい製品となる。
【0017】
第7の発明は、第2ないし6のいずれかの発明の構成において、前記枠付き振動片の封止部と、前記ベース基体の封止部にも前記金属層と同じ金属層が形成されていることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、Au−Geで互いに接合する上では、前記金属層と同じ金属層を接合される部材表面にそれぞれ設けると好ましい。
【0018】
また、上記目的は、第8の発明にあっては、各層ともそれぞれ同じ個数の複数個の製品に相当する大きさとされている、ベース基体を構成するベース基体層と、枠付きの圧電振動片を構成する素子層と、リッドを構成するリッド層とを形成し、これらベース基体層と、素子層と、リッド層の各封止部の金属層として、メッキを行うためのメッキ可能層と、該メッキ可能層より表面側に形成した金喰われ防止のためのバリア層と、該バリア層よりも表面側に形成した金による接合層とを形成し、前記ベース基体層と前記素子層と前記リッド層とを積層して、これらをAu−Geによるハンダで固定し、前記積層固定後に、前記各製品の大きさに切断する上記各工程を含む圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第8の発明の構成によれば、第2の発明と同じ原理により、鉛を用いないことで環境への悪影響を防止できるだけでなく、多数の製品を一度に製造できるので、大幅に生産性の向上を図ることができる。
【0019】
また、上述の目的は、第9の発明にあっては、ベース基体と、前記ベース基体に固定された圧電振動片と、前記ベース基体もしくはベース基体を含むパッケージに気密に接合されるガラス製の蓋体であるリッドとを備える圧電デバイスであって、前記ベース基体またはベース基体を含むパッケージには、前記リッドとの接合箇所に金を含む金属膜が形成されており、前記リッドの接合面には、接合後に前記圧電振動片に設けた周波数調整用の金属膜に対応する位置を除くようにして、接合用の蓋側金属膜が形成されていて、前記ベース基体またはベース基体を含むパッケージの前記金属膜と、前記リッドの前記蓋側金属膜と、をAu−Ge合金によるハンダを溶融させて接合封止されており、さらに、前記ベース基体またはパッケージは、封止用の貫通孔を備えており、該封止用の貫通孔は充填材により孔封止されている圧電デバイスにより、達成される。
【0020】
第9の発明の構成によれば、リッドがガラス製で、しかも接合後に前記圧電振動片に設けた周波数調整用の金属膜に対応する位置を除くようにして、接合用の蓋側金属膜が形成されているので、リッドによる封止後に、外部からレーザ光を照射して、パッケージ内の圧電振動片の電極などの金属膜の一部を蒸散させることにより、質量削減方式による周波数調整をすることができる。
また、ガラス製のリッドの接合には、Au−Ge合金を用いているので、圧電デバイスの実装時のリフロー時の熱にも耐え、しかも、リッドの封止時に圧電振動片に悪影響を与えることも同時に防止される。
さらに、パッケージに封止用の貫通孔を備えていることから、リッドの封止時に該貫通孔から、パッケージ内のガスを排出して、その後孔封止することができる。
かくして、パッケージとリッドとを環境汚染のおそれなく封止し、しかも周波数を精密に調整できて、CI値の上昇を防止できる構造の圧電デバイスを提供することができる。
【0021】
第10の発明は、第9の発明の構成において、前記ハンダが前記リッドの接合面にプリコートされていることを特徴とする。
第10の発明の構成によれば、ハンダがリッド側にあらかじめプリコートされているので、封止時に例えば、リング状のハンダをパッケージとリッドとの間で位置合わせするといった面倒な作業を回避できる。
【0022】
第11の発明は、第9または10のいずれかの発明の構成において、前記ハンダもしくは前記蓋側金属膜および前記ハンダが、前記リッドの前記ベース基体またはパッケージの接合面に限定された領域に設けられていることを特徴とする。
第11の発明の構成によれば、蓋側金属膜やハンダの使用を最低限の量とすることができ、接合されない金属の無用な流れ出しや、金を含む高価な材料の無駄を防止することができる。
【0023】
第12の発明は、第9ないし11の発明の構成において、前記ベース基体またはパッケージは、封止用の貫通孔を備えており、該封止用の貫通孔は金属材料を充填して孔封止されていることを特徴とする。
第12の発明の構成によれば、リッドの接合時に、前記貫通孔を用いて、パッケージ内のガス出しをしてから、孔封止することができ、ガスによる悪影響を排除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1および図2は、本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のA−A概略断面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30は、パッケージ37内に圧電振動片を収容している。
具体的には、圧電デバイス30は、ベース基体であるベース基体31と、このベース基体31の上に積層固定された枠付き振動片32と、この枠付き振動片32の上に積層固定されたリッド33とを有している。
【0025】
上記パッケージ37は、この圧電デバイス30では、圧電振動片を気密に収容するもので、ベース基体31と、枠付き振動片32の枠部分と、リッド33を含んで構成されている。これらベース基体31と、枠付き振動片32の枠部分と、リッド33の外形は一致している。
ベース基体31は、絶縁基体であり、後述する絶縁材料で形成されている。このベース基体31は、パッケージ37の底部を形成するものである。
【0026】
枠付き振動片32は、圧電材料で形成されている。この枠付き振動片32を形成するもので、圧電材料として、本実施形態では、水晶が使用されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。この実施形態では特に、水晶Z板でなるウエハが使用されている。
図1および図2を参照して理解されるように、振動片本体39と、この振動片本体の周囲を矩形の枠状に包囲する、振動片本体39と一体の枠部36とを有している。
振動片本体39は、図1および図2を参照して理解されるように、枠部36と一体とされた基部38から、図において右方に平行に延びる一対の振動腕34,35を備えている。図1に示すように、各振動腕34,35の表裏面には、各振動の長さ方向に延びる長溝が形成されている。
【0027】
各振動腕34,35の長溝内には、励振電極14,13が形成されている。励振電極14と励振電極13は対をなし、互いに異極として機能する電極で、振動片本体39の内部に効率よく電解を形成するものである。このため、図1に示すように、各振動腕34,35においては、上述した長溝内に一方の電極が、各振動腕34,35の側面部には、他方の電極が配置されている。各励振電極13,14はそれぞれ表裏面の基部38に引き回され、引き出し電極13a,14aが形成されている。
【0028】
図2に示すように、ベース基体31の裏面(底面)には、その長さ方向の端部に実装端子47,48が形成されている。これに関連して、振動片本体39の基部に形成された各引き出し電極13a,14aはベース基体31に設けた図示しない導電パターンおよび導電スルーホールを介して、各実装端子47,48と電気的に接続されている。
【0029】
リッド33は、枠付き振動片32の上に後述するように固定され、振動片本体39を収容した空間を気密に封止するものである。
特に本実施形態では、リッド33は、周波数調整用の光(たとえばレーザ光)が透過される材料が選択されており、透明材料が適している。リッド33は、後述するように形成され、たとえば水晶Z板で形成されると、接合対象としての枠付き振動片32と同じ材料とすることができ、線膨張係数が同じになることから、好ましい。
【0030】
ここで、ベース基体31と、枠付き振動片32、そして、この枠付き振動片32とリッド33とは、それぞれハンダ49,49により接合されている。
この場合、ハンダ49,49は、十分な厚みを確保することで、スペーサとして機能し、図2に示すように、パッケージ37の内部空間Sにおいて、振動片本体39の上下に、所定のギャップG1,G2を形成することができる。これにより、振動片本体39は、リッド33やベース基体31の内面と当接しないで、必要な振動を支障無く行うことができる。
【0031】
次に、パッケージ37の封止構造について説明する。
図2に拡大して示すように、リッド33の封止面の全面もしくはその一部領域、あるいは少なくとも封止部(ハンダ49と接合される領域)には、金属層25もしくはメタライズ部が形成されている。
図2に示すように、この金属層25は、枠付き振動片32の封止部にも同じものが形成されており、具体的には該枠付き振動片32の裏面の封止部およびベース基体31の表面の封止部にも同じ金属層を形成することにより、これらの間にハンダ49を介在させてハンダ接合できるようになっている。
【0032】
金属層25は、どの部材に形成されている構造も同じであるから、リッド33の金属層25についてだけ代表させて説明する。
上記金属層25は、図2に拡大して示されているように、ハンダ49から遠い方から、下地層21と、その表面側に形成されたメッキ可能層22と、その表面側に形成されたバリア層23と、その表面側に形成された接合層24とを含んでいる。
下地層21は、Auなどの金属のガラスや水晶などへの付着性が弱いことを補うためにもうけられ、省略される場合もある。
この下地層21としては、スパッタリングなどにより例えばCr(クロム)が成膜されており、その膜厚は、ほぼ100ないし500オングストローム程度が好ましい。膜厚が100オングストロームより薄いと下地としての機能が不十分となる場合がある。500オングストロームを超えると、成膜による膜応力が強く作用して、メッキ後に界面剥離を生じるおそれがある。下地層21としては、ガラスなどへの付着性が高いため、Ti(チタン)を使用することもできる。
【0033】
下地層21の上のメッキ可能層22は、後の工程でメッキを行うことを可能にするための金属層である。すなわち、後段で、その表面側の金属膜が電解メッキにより形成される場合には金(Au)が成膜される。
また、無電解メッキが利用される場合には、アルミニウムが成膜されるが、アルミニウム単体では耐水性に劣ることから、好ましくは、AlCu、AlTi、AlSiCuから選択されるいずれかの金属膜をメッキ可能層として使用する。メッキ可能層22のうち、これらアルミニウムを含む金属層を形成する場合は、下地層21は不要であり、リッド表面にスパッタリング等により形成することができる。
【0034】
メッキ可能層22の表面側にはメッキによりバリア層23が形成されている。該バリア層23は、下地層21のクロムにより接合層24の金が喰われ、もしくは侵食されることを防止するための金属膜である。バリア層23としては、例えばニッケル(Ni)膜が形成されている。
接合層24としては、Au−Geのハンダ49と接合させるため、金(Au)が選択される。
このような金属層25,25の間にAu−Geでなるリング状のハンダ合金をはさんでハンダ付けすることにより、パッケージ37は気密に接合封止されている。
【0035】
本実施形態の圧電デバイス30は以上のように構成されており、実装端子47,48を所定の実装基板(図示せず)等に対して、ハンダなどにより接合することにより、実装基板側から、供給された駆動電圧が振動片本体39の励振電極13,14に印加されて、各振動腕34,35が、互いの先端部を接近・離間するように所定の周波数で屈曲振動することができる。
【0036】
そして、リッド33を光を透過する材料、すなわち金属以外のガラスなどで形成することで、図2に示すように、リッド封止後に外部からレーザ光Bを照射して内部の加工が可能である。
また、リッド33の少なくとも封止部には、金属層25が形成されており、Au−Ge49を用いて接合できるようにしている。
具体的には、金属層25は、メッキ可能層22を有しているから、それよりも表面側には、メッキにより金属膜を成膜することができる。そして、金による接合層24を形成することにより、ハンダを用いて気密封止できるので、材料の選択により、鉛フリー化を実現できる。
したがって、製品が小型化されても精度良く容易に製造することができ、製造コストを低く抑えることができ、鉛を用いないことで環境への悪影響を防止できるようにした圧電デバイス30を提供することができる。
【0037】
(圧電デバイスの製造方法)
次に、圧電デバイス30の製造方法の実施形態を説明する。
図3は圧電デバイス30の製造方法の一例を示すフローチャートであり、この実施形態では、圧電デバイス30の製造工程は図3の鎖線Kを境界にして示す前工程と、後工程を有している。
(前工程)
圧電デバイス30の製造方法における前工程は、ベース基体層の形成工程(図3左図)と、枠付き振動片を形成するための素子層の形成工程(図3中央図)と、リッド層の形成工程(図3右図)とを有している。これらのベース基体層の形成工程と、素子層の形成工程と、リッド層の形成工程は、それぞれ別々に行われる工程である。すなわち、前工程は組み立ての準備工程であり、複数の工程が並列的に行われる。ただし、これらは、ほぼ同様な手法を用いて行われるので、図4および図5を参照しながら、まとめて説明する。
【0038】
図4(a)の左図はリッド層33−1およびこれと同形のベース基体層31−1を示している。これらは、図2で説明したリッド33と、ベース基体31とをそれぞれ複数枚一度に形成できる大きさのウエハである。この実施形態のように多くの数を同時に形成すれば、生産効率は向上する。
リッド層33−1として使用可能なウエハは、後述する周波数調整において、外部から照射されるレーザ光を透過できる透明な材料であることが必要で、水晶やガラスが使用できる。水晶である場合には、素子層32−1と同じ水晶Z板が使用される。ガラスである場合には、水晶Z板の熱膨張係数である13.8ppm/一度(摂氏)とほぼ一致した透明な材料を選択する。このような材料としては、例えば、通常のソーダガラスや、特に線膨張係数を小さくした硼珪酸ガラス、すなわちパイレックス(登録商標)ガラス等を用いることができる。
次いで、図4(a)の左図に示すように、リッド層33−1に関して、後述する切断線の交叉箇所となる製品の四隅に対応する位置にキャスタレーション16−1をそれぞれ穿設する(ST1−2)。
【0039】
図4(b)ないし図5(d)は、図4(a)のB−B切断端面図(左図)、およびC−C切断端面図(右図)を示している。
左図を順次参照する。
純水で洗浄し(ST2)、図4(b)に示すように、下地層21として、クロムをスパッタリングにより成膜する(ST3)。下地層21を設ける理由および膜厚などは既に説明したとおりである。
続いて、図4(b)に示すように、メッキ可能層22を成膜する。
【0040】
メッキ可能層22は、後の工程で、電解メッキが行われる場合には金(Au)が例えば、スパッタリングにより、成膜される。膜厚はほぼ2000オングストローム以下が好ましい。
また、後の工程で、無電解メッキが利用される場合には、アルミニウムがスパッタリングなどにより成膜されるが、アルミニウム単体では耐水性に劣ることから、好ましくは、AlCu、AlTi、AlSiCuから選択されるいずれかの金属膜をメッキ可能層として使用する。その場合の膜厚は、ほぼ5000オングストロームないし8000オングストローム程度が好ましい。比較的膜厚を厚くするのは、その後の無電解メッキの際のジンケート処理で、3000オングストローム程度エッチングされるためである。メッキ可能層22は、下地層21が形成されていない場合には、リッド表面にスパッタリングにより形成されてもよい。
【0041】
次に、メッキ前の洗浄を行う(ST4)。
メッキ可能層22として、金を成膜した場合には、塩酸により洗浄して、スパッタリングした面の酸化膜を除去し、かつ有機汚染を除去する。次いで、純水により塩酸の残りを洗浄して、続くメッキ工程におけるメッキ液の汚染を防止する。
アルミニウム合金(AlCu、AlTi、AlSiCu等)がメッキ可能層22として形成された場合には、フッ酸/界面活性剤により、洗浄しスパッタリングした面の酸化膜を除去し、かつ有機汚染を除去する。次いで、純水によりフッ酸の残りを洗浄して、続くメッキ工程におけるメッキ液の汚染を防止する。
【0042】
続いて、図4(c)に示すように、バリア層23を形成する(ST5)。
バリア層23は、既に説明したように、下地層21のクロムにより接合層24の金が喰われ、もしくはクロムが接合層24に拡散して、ハンダの濡れを阻害することを防止するために形成される。バリア層23としてはニッケル(Ni)膜が形成されている。
具体的には、メッキ可能層22として、金を成膜した場合には、スルファミン酸ニッケルにより電解メッキすることができる。
あるいは、メッキ可能層22として、アルミニウム合金(AlCu、AlTi、AlSiCu等)が成膜されている場合には、無電解メッキに必要とされるアルミニウム面の亜鉛置換処理のために、ジンケート処理(ZnO)がされて、水洗浄され、硫酸ニッケルと無機リン酸化合物による無電解メッキがされる。
なお、いずれの場合にも、ニッケル膜厚は、1ないし3μ(ミクロン)m程度が適当である。
【0043】
次に、図5(d)に示すように、接合層24を金メッキにより形成する(ST6)。
すなわち、接合層24としては、Au−Ge合金のハンダ49と接合させるため、金(Au)が選択される。その膜厚は、好ましくは1μmないし3μm程度である。金は高価であるため、できるだけ薄く成膜するのが好ましい。
【0044】
次いで、純水により3分程度洗浄し(ST7)、熱風に90度(摂氏)で3分程度さらして表面を乾燥させ(ST8)、固相拡散を目的として200度(摂氏)で30分程度加熱(アニール)する(ST9)。このとき、アニールが必要以上長時間となると、メッキ面が結晶化してしまいハンダ濡れ性が悪化する。
【0045】
以上の工程は、図3に示すように、ベース基体層31−1についても全く同様に行われる。すなわち、ベース基体層31−1は、上述したリッド層33−1と同じ材質で形成することができ、このため、全く同一の工程を経て金属層を形成することができる。
また、枠付き振動片を形成するための素子層も、既に説明したように、水晶ウエハを用いて、フッ酸溶液によるエッチングにより、図1で示すような外形を形成した後は、図4および図5(d)の右図に示すように、上述と同様の工程を経て金属層を形成することができる。
ここで、素子層32−1が、リッド層33−1と相違するのは、図2で説明したように、該素子層32−1は、これから形成される枠付き振動片32が、ベース基体31とリッド33の間に挟まれて接合されるため、素子層32−1の表裏両面に金属層が形成される必要があるという点だけであるから、素子層32−1の詳しい形成工程の説明は省略する。
【0046】
(後工程)
続いて、図5(e)に示すように、リング状としたハンダ材料であるAu−Geを間にして、下にはベ−ス基体層31−1、上にはリッド層33−1が配置され、ハンダ49の溶融温度まで加熱されることにより、各金属層25の表面にハンダ49が溶融して濡れ拡がることにより、ハンダ溶着される(ST10)。
さらに、図5(f)に示すように、キャスタレーション16を交叉位置とする縦横の切断線C1とC2に沿って切断する(ST11)。
さらに、図2に示すように、外部からレーザ光Bを内部の振動片本体の39の先端付近の励振電極に照射し、質量削減方式による周波数調整を行う(ST12)。次いで、個々の製品に関して、必要な検査を行い、圧電デバイス30が完成する。
【0047】
図6および図7は、本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示しており、図6はその概略平面図、図7は図6のD−D線概略切断端面図であり、図8はリッドを除いた状態の概略平面図である。
これらの図において、圧電デバイス130は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス130は、パッケージ140内に圧電振動片132を収容し、リッド(蓋体)148により気密に封止した構造である。
具体的には、圧電デバイス130のパッケージ140は、圧電振動片を気密に収容するもので、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。すなわち、パッケージ140は、ベース基体131となる第1の基板141およびこの第1の基板141の上に積層された第2の基板142と、第2の基板142の上にさらに積層された第3の基板147とを有している。
【0048】
上記パッケージ140の第1の基板141は、パッケージ底面を構成するもので、その上に積層される第2の基板142の端部、例えば、図6および図7における左端付近には、幅方向の各端部に電極部133,133が形成されている。この電極部133,133上に導電性接着剤134,134を介して圧電振動片132の基部の引出し電極の箇所がマウントされ、接合されている。なお、電極部133,133は図示しない導電スルーホールなどを利用して、パッケージ140の図示しない外部電極である実装端子と接続されている。
図7において、第2の基板142の圧電振動片132の先端部の下方は、凹状に材料が除かれることで、凹部142aが形成されており、外部からの振動により、圧電振動片132の先端が上下方向に振れても、その先端部がパッケージ140の内側底部に衝突して、破損することを防止している。
【0049】
第1の基板141と第2の基板142は、これらのほぼ中央付近に貫通孔143が形成されている。この実施形態では、貫通孔は第1の基板141に形成された第1の孔144と、第2の基板142に形成され第1の孔144よりも小径の第2の孔145とを有しており、第1の孔144と第2の孔145とは連通されている。そして、貫通孔143は図示するような段付き孔とされて、段部に導電パターン(金属被覆部)(図示せず)が形成されており、金属充填材146を充填することにより孔封止されている。
【0050】
図8に示す圧電振動片132は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。この圧電振動片132は、図6に示すように、パッケージ140側と固定される基部135と、この基部135を基端として、図において右に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕136,137を備える、所謂音叉型振動片である。圧電振動片は、これに限らず、水晶ウエハを矩形にカットしたATカット振動片などでもよい。
【0051】
圧電振動片132の基部135には引出し電極が形成されて、パッケージ140側電極部133,133と電気的に接続され、各振動腕136,137には、好ましくは、腕の伸びる方向に沿った長溝を表裏に同じ形態で形成して、駆動用の電極である励振電極を形成し、上記引出し電極と接続することができる。
さらに、圧電振動片132の各振動腕136,137の例えば先端付近には、周波数調整用の金属被覆部136a,137aが形成されている。この周波数調整用の金属被覆部136a,137aは、圧電振動片132に形成する駆動用電極である励振電極(図示せず)と同じ金属で、同時の工程にて形成することができる。あるいは、周波数調整用の金属被覆部136a,137aは、圧電振動片132の励振電極の一部を利用してもよい。
【0052】
リッド(蓋体)148は、ガラス製であり、例えば、硼珪酸ガラスなどでなる板状の材料から切り出して使用することができる。リッド(蓋体)148には、その接合面に蓋側金属膜と、Au−Ge合金でなるハンダを設けている。
ここで、図6に示すように、リッド(蓋体)148の光通過部149を除く領域に、ハンダを形成する。リッド(蓋体)148の光通過部149とは、パッケージ140にリッド(蓋体)148を接合後において、図6に示されているように、圧電振動片132に設けた周波数調整用の金属被覆部136a,137aに対応する位置で、外部からレーザ光を透過させる領域のことである。ここで、蓋側金属膜は、材質によっては、光通過部149を避けて形成しなくてもよい場合があるが、周波数調整用のレーザ光の光量を著しく減少させたり、多くの光量を反射することで、周波数調整に必要な光量が確保できない場合は、蓋側金属膜もハンダと同様に光通過部149を避けた領域に形成される。
【0053】
次に、この蓋側金属膜とハンダを説明する。
図9は、パッケージ140とリッド(蓋体)148の接合箇所を拡大して示す部分断面図である。
図において、パッケージ140の上端である接合面140aには、金属膜154が形成されている。この金属膜154は、例えば、セラミックスに対する下地であるタングステン(W)層151の上に、ニッケル(Ni)層152を被覆し、その上に金(Au)層153を被覆したものである。尚、図示の金属各層は理解の便宜のため実際よりも厚く示している。
【0054】
これに対して、リッド(蓋体)148の一面である接合面148aには、蓋側金属膜165が形成されている。蓋側金属膜165は、例えば、ガラス表面にクロム(Cr)層161を形成し、好ましくは、その表面にニッケル(Ni)層162を形成し、さらにその表面に金(Au)層163を形成したものである。ニッケル層162は、クロム層161から金層163へ、クロムが拡散することを阻止するために設けられる。
【0055】
リッド(蓋体)148に対する蓋側金属膜165を構成する各層は、ガラス板に、各層に対応した金属を、蒸着またはスパッタリングすることで形成できる。また、好ましくは、蓋側金属膜165の表面側にはハンダ(封止用金属)164がプリコートされている。ハンダ(封止用金属)164は、Au−Ge合金で形成されている。ここで、ハンダ(封止用金属)164、すなわち、封止材、もしくはハンダを構成するAu−Ge合金は、たとえば、蓋側金属膜165の表面側に、該Au−Ge合金を、薄く圧延し、抜き型で希望形状に形成したものを溶着させてプリコートすることができる。
【0056】
本実施形態は、以上のように構成されており、その製造の工程を簡単に説明すると、先ず、前工程として、パッケージ140とリッド(蓋体)148を別々に形成する。
パッケージ140は、貫通孔143を塞がない状態で、圧電振動片132の接合工程を行う。
すなわち、パッケージ140の内面に露出した電極部133,133上に導電性接着剤134,134を塗布し、その上に圧電振動片132をマウントして、乾燥・硬化させることにより、圧電振動片132をパッケージ140内に固定する。
次いで、例えば、真空チャンバー内にパッケージ140を入れて、封止工程を実行する。この場合、パッケージ140に図9で説明した金属膜154が形成されており、リッド(蓋体)148には、蓋側金属膜165が形成され、さらに、ハンダ(封止用金属)164がプリコートされているので、パッケージ140上にリッド(蓋体)148を載せて、所定の加熱を行うだけで、リッド(蓋体)148をパッケージ140に対して接合封止することができる。
【0057】
この場合、ハンダ(封止用金属)164は、Au−Ge合金であるから、360度程度で溶融させることができ、圧電振動片132に悪影響を与える程高い温度ではなく、また、圧電デバイス130を実装する際のリフロー工程で流れ出すような高い温度を用いなくても封止することができる。
この加熱時には、圧電振動片132を接合した導電性接着剤やパッケージ140内部の水分などがガスとして生成されるが、その生成ガスは貫通孔143から外部に放出される(脱ガス)。その後、貫通孔143の内側段部に例えば球形のAu−Ge合金を配置し、レーザ光などにより溶融させて、充填金属(金属充填材)146とし、貫通孔143を孔封止することができる。
【0058】
最後に、図7に示すように、外部からレーザ光LBを照射すると、ガラス製のリッド(蓋体)148を透過してレーザ光LBは圧電振動片132の周波数調整用金属被覆部136a,137a(図8)に当たりその一部を蒸散させることで、質量削減方式による周波数調整がされる。
以上により、圧電デバイス130が完成する。
【0059】
このように、本実施形態にあっては、リッド(蓋体)148がガラス製で、パッケージ140と接合後に圧電振動片132に設けた周波数調整用の金属被覆部136a,137aに対応する位置を除くようにして、蓋側金属膜165が形成されているので、リッド(蓋体)148による封止後に、外部からレーザ光LBを照射して、パッケージ140内の圧電振動片132の金属被覆部136a,137aを蒸散させることにより、質量削減方式による周波数調整をすることができる。
【0060】
また、ガラス製のリッド(蓋体)148の接合には、Au−Ge合金であるハンダ(封止用金属)164を用いているので、圧電デバイス130の実装時のリフロー時の熱にも耐え、しかも、リッド(蓋体)148の封止時に圧電振動片132に悪影響を与えることも同時に防止される。
さらに、パッケージ140に封止用の貫通孔143を備えていることから、リッド(蓋体)148の封止時に該貫通孔143から、パッケージ140内のガスを排出して、その後孔封止することができる。このため、圧電振動片132にガス成分が付着してCI値が上昇することがない。
かくして、パッケージとリッドとを環境汚染のおそれなく封止し、しかも周波数を精密に調整できて、CI値の上昇を防止できる構造の圧電デバイスを提供することができる。
【0061】
なお、蓋側金属膜165を構成する金属層のうち、クロム層161は、光通過部149を避けて形成しなくてもレーザ光LBを透過することができる。
また、ハンダ(封止用金属)164は、パッケージ140側の金属膜154の表面にプリコートしてもよい。
さらに、ハンダ(封止用金属)164は、図9の接合面140aに対応した領域にだけ、リッド(蓋体)148側もしくはパッケージ140側に形成することができる。
【0062】
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態の各構成はこれらを適宜省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージに被われるようにして、内部に圧電振動片を収容するものであれば、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、全ての圧電デバイスに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の圧電デバイスの実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のA−A線概略断面図。
【図3】図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態を示すフローチャート。
【図4】図1の圧電デバイスの製造工程の一例を順次示す工程図。
【図5】図1の圧電デバイスの製造工程の一例を順次示す工程図。
【図6】本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を示す概略平面図。
【図7】図6のD−D線概略切断端面図。
【図8】図6の圧電デバイスのリッドを除いた概略平面図。
【図9】図6の圧電デバイスのリッドとパッケージとの接合部分の拡大断面図。
【図10】従来の圧電デバイスの一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0064】
30・・・圧電デバイス、31・・・ベース基体、32・・・枠付き振動片、33・・・リッド、34,35・・・振動腕、36・・・枠部、37・・・パッケージ、39・・・振動片本体、31−1・・・ベース基体層、32−1・・・素子層、33−1・・・リッド層、49・・・ハンダ、130・・・圧電デバイス、131・・・ベース基体、132・・・圧電振動片、133・・・電極部、136,137・・・振動腕、140・・・パッケージ、143・・・貫通孔、148・・・リッド(蓋体)、154・・・金属膜、164・・・ハンダ(封止用金属)、165・・・蓋側金属膜




 

 


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