米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> エプソントヨコム株式会社

発明の名称 圧電振動片および圧電デバイスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−173906(P2007−173906A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−364449(P2005−364449)
出願日 平成17年12月19日(2005.12.19)
代理人 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉
発明者 村上 資郎 / 黒田 勝巳 / 小峰 賢二
要約 課題
小型もしくは超小型の圧電振動片を形成する場合であっても精密に電極膜を形成することができる圧電振動片およびこれを使用した圧電デバイスの製造方法を提供すること。

解決手段
エッチング異方性をもつ圧電基板45をウエットエッチングして圧電振動片の素子片を形成する外形形成工程と、該外形形成後に、必要な駆動用の電極を形成する電極形成工程とを含む圧電振動片の製造方法であって、前記電極形成工程においては、前記エッチング後に、エッチング異方性により異形となる箇所54−1,54−2,54−3を除いて、残り領域に前記駆動用の電極となる電極膜を成膜し、フォトリソグラフィの手法により前記駆動用の電極を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
エッチング異方性をもつ圧電基板をウエットエッチングして圧電振動片の素子片を形成する外形形成工程と、該外形形成後に、必要な駆動用の電極を形成する電極形成工程とを含む圧電振動片の製造方法であって、
前記電極形成工程においては、前記エッチング後に、エッチング異方性により異形となる箇所を除いて、残り領域に前記駆動用の電極となる電極膜を成膜し、
フォトリソグラフィの手法により前記駆動用の電極を形成する
ことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
前記圧電基板として、水晶ウエハが使用され、該水晶ウエハは水晶の結晶軸に関して、X軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光学軸とした直交座標系において、Z軸から所定角度傾けた面で切り出したものであり、
前記外形形成工程において、前記水晶ウエハをウエットエッチングして、後の工程で折り取り部となる細いフレーム部が、前記素子片に対して一体に接続された素子片集合体の状態で、一枚の前記水晶ウエハから多数の前記素子片を同時に形成し、
前記電極形成工程の実行後に前記折り取り部において、前記水晶ウエハから前記素子片を折り取るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスの製造方法であって、
前記圧電振動片が、
エッチング異方性をもつ圧電基板をウエットエッチングして圧電振動片の素子片を形成する外形形成工程と、該外形形成後に、必要な駆動用の電極を形成する電極形成工程とを含む工程を経て形成され、
前記電極形成工程においては、前記エッチング後に、エッチング異方性により異形となる箇所を除いて、残り領域に前記駆動用の電極となる電極膜を成膜し、
フォトリソグラフィの手法により前記駆動用の電極を形成し、
前記電極形成工程の実行後に、前記水晶ウエハから前記圧電振動片を切り離し、
該圧電振動片を、パッケージに形成した接続用の電極部もしくは前記ケースに装着されるプラグの電極に対して接合する接合工程を含む
ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電基板をエッチングして形成される圧電振動片と、これを利用して形成される圧電デバイスの製造方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧電デバイスに用いる圧電振動片は、例えば水晶振動片を形成するために、例えば矩形にカットした圧電材料でなる素子片(ブランク)に、駆動用の電極を成膜することにより形成されている。
図8は、従来の電極形成工程の一部を示している(特許文献1、図9参照)。
図において、素子片1はその厚み方向の断面図として示されている。この素子片1の主面、すなわち、表裏面にマスク2を配置して、該主面の遮蔽すべき箇所を覆う。しかる後、ターゲット3,3を用いて、スパッタリングによりマスク2から露出した主面4,4に導電性の金属膜を成膜するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−217675
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような手法によれば、以下のような問題がある。
特許文献1の構造では、折り取った素子片1では、図8に示すような状態で支持部6,7が残される。
図9は、上記素子片1の概略平面図であり、素子片1は水晶などの圧電材料をウエットエッチングして形成した矩形の板である。
ここで、水晶には、ウエットエッチングを行うと、エッチング異方性が見られ、結晶軸方位によりエッチングの進行速度に違いが生じる。
【0005】
図10は、上記エッチング異方性により素子片1の端面が異形になった状態を示すもので、図10(a)は図9のA−A概略端面図、図10(b)は図9のB−B端面図である。
このように、素子片1の大きさに比して、エッチング異方性による異形部の大きさが比較的大きく表れるのは、従来、素子片1が、その厚みは変化しないとしても、素子片外形サイズが小さくなったきていることにもよる。
このため、従来と同様の手法で、マスキングして、フォトリソグラフィにより電極膜を形成すると、図10に示したような異形形状の影響で、影になって露光できない箇所が生じ、精密な電極形成ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、小型もしくは超小型の圧電振動片を形成する場合であっても精密に電極膜を形成することができる圧電振動片およびこれを使用した圧電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的は、第1の発明にあっては、エッチング異方性をもつ圧電基板をウエットエッチングして圧電振動片の素子片を形成する外形形成工程と、該外形形成後に、必要な駆動用の電極を形成する電極形成工程とを含む圧電振動片の製造方法であって、前記電極形成工程においては、前記エッチング後に、エッチング異方性により異形となる箇所を除いて、残り領域に前記駆動用の電極となる電極膜を成膜し、フォトリソグラフィの手法により前記駆動用の電極を形成する圧電振動片の製造方法により、達成される。
【0008】
第1の発明の構成によれば、外形形成工程では、ウエットエッチングにより素子片の外形を形成するようにしているので、外形形成が容易であり、特に、ドライエッチングではなくウエットエッチングで外形形成を行うので、効率がよい。
さらに、電極形成工程では、エッチング異方性の影響で異形となる箇所には、マスクを配して電極膜を形成しないようにしている。このため、全体に電極膜を形成してから、マスクを配して不要な領域の電極膜を露出してエッチングする手法と比べると、精密に電極膜を形成することができる。
すなわち、全体に電極膜を形成した後、フォトレジストを配して、露光現像し、露出した電極膜を除くことで、必要な電極分離を行おうとすると、上記したエッチング異方性により異形となった箇所で、十分露光することができない場合がある。このため、このような領域に電極が残ると、十分に電極分離が行われず、短絡するおそれがある。
そこで、特にこのような領域に、当初より電極膜を形成しないことで、精密に電極分離することができるものである。
【0009】
第2の発明は第1の発明の発明の構成において、前記圧電基板として、水晶ウエハが使用され、該水晶ウエハは水晶の結晶軸に関して、X軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光学軸とした直交座標系において、Z軸から所定角度傾けた面で切り出したものであり、前記外形形成工程において、前記水晶ウエハをエッチングして、後の工程で折り取り部となる細いフレーム部が、前記素子片に対して一体に接続された素子片集合体の状態で、一枚の前記水晶ウエハから多数の前記素子片を同時に形成し、前記電極形成工程の実行後に前記折り取り部において、前記水晶ウエハから前記素子片を折り取るようにしたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明の構成によれば、ウエットエッチングによるエッチング異方性がある水晶を用いた圧電振動片において、特にエッチング異方性の影響を排除して精密な電極形成ができるだけでなく、一枚の水晶ウエハから多数の素子片を同時に形成できるものである。
【0011】
また、上記目的は、第3の発明にあっては、パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスの製造方法であって、前記圧電振動片が、エッチング異方性をもつ圧電基板をエッチングして圧電振動片の素子片を形成する外形形成工程と、該外形形成後に、必要な駆動用の電極を形成する電極形成工程とを含む工程を経て形成され、前記電極形成工程においては、前記エッチング後に、エッチング異方性により異形となる箇所を除いて、残り領域に前記駆動用の電極となる電極膜を成膜し、フォトリソグラフィの手法により前記駆動用の電極を形成し、前記電極形成工程の実行後に、前記水晶ウエハから前記圧電振動片を切り離し、該圧電振動片を、パッケージに形成した接続用の電極部もしくは前記ケースに装着されるプラグの電極に対して接合する接合工程を含む圧電デバイスの製造方法により、達成される。
第3の発明の構成によれば、第1の発明と同じ原理で小型の圧電振動片を精密に形成することにより、これを用いた圧電デバイスが精度よく製造されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1および図2は、本発明の圧電デバイスの実施形態を示しており、図1は圧電デバイスの概略平面図、図2は図1の圧電デバイスに収容された圧電振動片の概略断面図である。
図1において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30のパッケージ31内に圧電振動片40を収容している。
パッケージ31は、後述するように、図2の形状に成形したグリーンシートを積層し、焼結して形成することができる。この場合、パッケージ31の底部を構成する基板には、電極部33が形成されている。
また、パッケージ31は内部空間Sを有する箱状の収容体とされている。この内部空間Sを利用して、圧電振動片40を収容するようにしている。このパッケージ31には、セラミックやガラスあるいはコバールなどの金属で形成された蓋体35が低融点ガラスやニッケルなどを介して接合されている。これにより、パッケージ31は気密に封止されている。
【0013】
図1に示すように、パッケージ31の内面の長さ方向の端部には、その幅方向の両端付近に、電極部33,33が形成されている。
該電極部33は、パッケージ31の底面に露出した実装端子32,32と図示しない導電パターンにより接続されている。
【0014】
圧電振動片40には、圧電材料により形成されたウエハを、厚みの薄い矩形の基板となるように加工した、所謂、ATカット振動片が使用されている。すなわち、後述するように、圧電チップである素子片が後述のように先ず形成され、この素子片に駆動用の励振電極41を形成したものが、ATカット振動片である圧電振動片40である。
圧電振動片40は、圧電材料として、例えば、この実施形態では水晶が使用されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料で、エッチング異方性が見られれば、これらを利用して形成することができる。圧電振動片40は、フラットタイプに限らず、コンベックスタイプや、逆メサ型の振動片を用いることができる。
【0015】
すなわち、素子片51としての圧電チップの表面には、駆動用の電極として、励振電極41が形成されている。励振電極41は、圧電チップの積極的に振動させようとする領域に形成され、圧電材料に駆動電圧を印加することで、材料内に効率よく電界を生じさせ、励振するためのものである。励振電極41は、素子片51の裏面にも同様の形態で形成されている。
また、図2に示すように、励振電極41は、それぞれ圧電振動片40の長さ方向の端部において、その幅方向の両端にそれぞれ形成された接続電極である引出し電極42に対して、各別に接続されている。各引出し電極42は圧電チップの側面を回り込んで、裏面にも形成されている。
【0016】
このような圧電振動片40は、図1に示されているように、パッケージ31側の電極部33の上に片持ち式に接合されている。
これにより、パッケージ31の外部から実装端子32,32を介して供給された駆動電圧は、パッケージ31側の電極部33から導電性接着剤43および圧電振動片40の引出し電極42を介して、励振電極41に印加される。したがって、圧電振動片40の主面は圧電作用により厚みすべり振動することで、駆動されるようになっている。
【0017】
なお、パッケージ31を箱状ではなく、単なる絶縁基板として、その上に電極を形成し、浅い箱状とした蓋体(図示せず)により、圧電振動片40を気密に封止する形式のパッケージを用いてもよい。あるいは、圧電振動片40に外部の駆動電圧源と接続したプラグを接続し、一端を閉止した金属製の筒状のケースに圧電振動片40を差し入れて、このプラグによりケースを気密に封止するようにしてもよい(図示せず)。
【0018】
(圧電振動片および圧電デバイスの製造方法)
次に、上記した圧電デバイス30の製造方法の実施形態を説明する。
先ず、圧電デバイス用のパッケージと、圧電振動片40を別々に形成する。
図1および図2において説明したパッケージ31は、セラミックが適しており、特に、好ましい材料としては圧電振動片40や、後述する蓋体の熱膨張係数と一致もしくは、きわめて近い熱膨張係数を備えたものが選択され、この実施形態では、例えば、セラミックのグリーンシートが利用される。
【0019】
このグリーンシートは、例えば、所定の溶液中にセラミックパウダを分散させ、バインダを添加して生成される混練物をシート状の長いテープ形状に成形し、これを所定の長さにカットして得られるものである。
すなわち、パッケージ31は、図2の形状に成形したグリーンシートを積層し、焼結して形成する。
【0020】
ここで、パッケージ31の底部を構成する基板には、電極部33が形成される。
図2に示すように、上記基板に重ねられるグリーンシートは、内側の材料が除去された枠状のものであり、これを上記基板に重ねることで、パッケージ31は内部空間Sを有する箱状の収容体とされる。
パッケージ31を形成するセラミック材料の上には、例えば、銀・パラジウムなどの導電ペーストもしくはタングステンメタライズなどの導電ペーストなどを用いて、必要とされる導電パターンを形成後に、焼結をした後で、ニッケルおよび金もしくは銀などを順次メッキして、上述した電極部33が形成されている。
【0021】
該電極部33は、パッケージ31の底面に露出した実装端子32,32と図示しない導電パターンにより接続されている。この電極部33と実装端子32とを接続するための導電パターンは、パッケージ31の形成時に利用されるキャスタレーション(図示せず)の表面に形成して、パッケージ31の外面を引き回してもよいし、あるいはパッケージ31の底部を構成する絶縁基板を貫通する導電スルーホールなどにより接続してもよい。
この内部空間S内に、後述するように圧電振動片40を収容するものである。
このパッケージ31には、後述する封止工程において、セラミックやガラスあるいはコバールなどの金属で形成された蓋体35が低融点ガラスやニッケルなどを介して接合されている。これにより、パッケージ31は気密に封止される。
【0022】
次に圧電振動片の形成方法について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
(外形形成工程)
図4(a)は、圧電振動片40をつくるための素子片を切り出すための圧電基板としての水晶ウエハ45を示す概略平面図である。
この場合、水晶ウエハは水晶の結晶軸に関して、X軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光学軸となるように、水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸から所定角度、例えば、35.15度傾けた面で切り出したATカット水晶板を得る。
【0023】
次に、上記圧電素子片であるATカット水晶板の主面を研磨して平坦度を持たせて、所謂水晶ウエハを形成し、これをウエットエッチングして、後述する素子片集合体を得る。
すなわち、水晶ウエハを、ウエットエッチングすることにより、水晶ウエハ45の縦横の方向に、多数の素子片を同時に形成する。この場合、素子片の個々の外形周囲を分離し、細い支持部で、エッチング残りの枠状の水晶材料と接続した形態のものを得る。
図4(b)ないし(d)および図5(e)は、図4(a)の水晶ウエハ45のひとつの素子片が形成される領域についてD−D断面を加工順に示している。
【0024】
図4(b)に示すように、水晶ウエハ45を純水で洗浄し(ST11)、続いて、水晶ウエハ45の表面に、下地層61が設けられる。これは耐食膜となる金属が水晶など圧電材料への付着性が弱いことを補うためにもうけられ、該下地層61としては、たとえば、スパッタリングや蒸着などによりCr(クロム)が成膜されている。その上には、耐食層62として金(Au)をスパッタリングまたは蒸着などにより成膜する。なお、水晶ウエハ45の表裏に同じ膜を形成するので、断面において上側の符号だけ示す。
【0025】
次に図4(c)に示すように、耐食膜62の表面全体にレジスト63を塗布し、露光・現像することで、マスクを形成する(ST13)。
続いて、図4(d)に示すように、マスク開口から露出した耐食層62である金を、例えば、よう化カリウム溶液を用いて、ウエットエッチングし、次いで、硝酸2セリウムアンモニウム溶液により、下地層であるクロム61をエッチングする(ST14)。
次に、マスク開口から露出した水晶を、例えばフッ化アンミニウム溶液などを用いてウエットエッチングする(ST15)。これにより、図5(a)に示すように、素子片1が形成される。
続いて、レジスト63を剥離し、上記各エッチングに用いた溶液を使って、耐食層62および下地層61を全て除去する(ST16)。
【0026】
(電極形成工程)
図5(b)は上記工程を経て、水晶ウエハ45に、多数の素子片51が形成された状態である素子片集合体50を示す概略平面図である。
素子片集合体50の水晶ウエハ45には、縦横にならんで多数の素子片51が形成されている。各素子片51は、その外形が分離され水晶ウエハ45により枠状に包囲されている。この枠状の部分に対して、細いフレーム部52,52でのみ一体に接続されている。
このフレーム部52,52が折り取り部であり、後の工程で該折り取り部を折ることで、個々の圧電振動片が分離されるものである。
折り取り部は、素子片51ひとつ当たり、2つのフレーム部52,52で構成されているが、ひとつでもよく、あるいは3つ以上でもよい。
【0027】
図5(c)は、素子片集合体50に形成されたひとつの素子片51の部分を拡大して示す概略平面図である。
次に、電極成膜用のマスク53を配置する(ST17)。マスク53は素子片集合体50全体を覆うように形成される。このマスク53によって、素子片51のエッチング異方性により異形となる箇所であって、電極形成の必要がない領域54−1,54−1と54−2、54−3を塞ぐようになっている。
このうち、図5(c)においては、水晶の結晶軸に関して、X軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光学軸であるX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系が示されており、水晶のエッチング異方性によって、例えば、上記領域54−1は、図10(a)で示すような異形の端面となり、領域54−2は図10(a)で示すような異形の端面となる箇所に対応している。
【0028】
図6(a)では、マスク53から露出した領域に電極膜55が成膜される(ST18)。
この電極膜55は、例えば、下地層と電極層からなり、下地層としてはクロムやニッケルが適しており、電極層としては金が適している。すなわち、下地層と電極層をST14で形成した下地層と耐食層と同じにすれば、例えば同一のスパッタリング装置およびターゲットを用いて形成できる利点がある。
【0029】
図6(b)は、マスク53を取り外す(ST19)。ここからは、理解の便宜のため素子片51だけを図示して説明するが、折り取り部であるフレーム部52,52は未だ水晶ウエハとつながっている。
次に、図6(c)に示すように、全体にレジスト56を塗布する(ST20)。図6(c)および図7では左側の図が平面図であり、右側の図がそのE−E線断面図である。
【0030】
図7(a)において、図示しないマスクを用いて露光・現像してレジスト56をパターニングし、不要な電極膜55を露出させる(ST21)。
次いで、図7(b)に示すように、露出した電極膜55をエッチングにより除去し(ST22)、レジスト56を除去する(ST23)と、図7(c)に示すように、素子片51には、励振電極41および引出し電極42,42が形成される。
以上により、図1および図2で説明した圧電振動片40が完成する。
【0031】
かくして、上記製造方法では、エッチング異方性の影響で異形となる箇所には、マスク53を配して電極膜55を形成しないようにしている。このため、全体に電極膜を形成してから、マスクを配して不要な領域の電極膜を露出してエッチングする従来の手法と比べると、エッチング異方性の影響で異形となる箇所における電極分離が確実となり、より精密に電極膜を形成することができる。
【0032】
(接合工程)
次に、圧電振動片とは別に形成された図1および図2のパッケージ31側の電極部33の上に導電性接着剤43を塗布する。
そして、該導電性接着剤43の上に、素子片集合体50から折り取られた圧電振動片40の図2で説明した各引出し電極42が形成されている基端部もしくは一端部を載置する。
そして、これら導電性接着剤43を加熱して硬化させることにより圧電振動片40をパッケージ31の内側底面に片持ち式に接合する。
ここで、導電性接着剤43としては、所定の合成樹脂でなるバインダー成分に、銀粒子などの導電粒子を添加したものを使用することができる。また、圧電振動片40は必ずしも片持ち式でなく、先端側の一部をパッケージ31の内側底面に形成した凸部(枕部)に載置した構成としてもよい。
【0033】
そして、圧電振動片40に対して、パッケージ31の実装端子32などから駆動電圧を印加し、圧電振動片40を駆動してその周波数を計測して、計測結果に基づいて、励振電極41の一部を削減することで、重量を減じて周波数調整する。
この周波数調整工程では、さらに、周囲の温度環境を変化させて駆動電圧を印加し、温度変化に応じた周波数を計測して圧電振動片40の温度−周波数特性を合わせて計測し、その結果に応じて調整を行う。
【0034】
次に、パッケージ31を真空チャンバー内に移し、セラミックやガラスあるいはコバールなどの金属で形成された蓋体35を低融点ガラスやニッケルなどを介して真空雰囲気下で接合する。これにより、パッケージ31は気密に封止される。
最後に必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
【0035】
本発明は上述の実施形態に限定されない。上記実施形態では、エッチング異方性により異形になることから、マスクにより被覆する領域として、図5(c)の54−1,54−2,54−3の各領域を示しているが、必ずしもこれら領域を全てをマスクで覆う必要はなく、また、エッチング条件などにより、これら以外にエッチング異方性が出る場合には、そのような領域をマスクで覆って電極膜を成膜してもよいことは勿論である。
さらに、上記実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージやケースを利用し、内部に圧電振動片を収容するものであれば、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、全ての圧電デバイスに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る圧電デバイスの概略平面図。
【図2】図1のC−C概略断面図。
【図3】図1の圧電デバイスに収容される圧電振動片の製造方法の一例を示すフローチャート。
【図4】図1の圧電振動片の製造工程の一例を順次に示す工程図。
【図5】図1の圧電振動片の製造工程の一例を順次に示す工程図。
【図6】図1の圧電振動片の製造工程の一例を順次に示す工程図。
【図7】図1の圧電振動片の製造工程の一例を順次に示す工程図。
【図8】従来の圧電振動片の製造工程の一部を示す図。
【図9】圧電振動片に駆動電極を形成する前の素子片の概略平面図。
【図10】図9の部分断面図。
【符号の説明】
【0037】
30・・・圧電デバイス、31・・・パッケージ、40・・・圧電振動片、41・・・励振電極、50・・・素子片集合体、51・・・素子片、53・・・マスク




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013