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発明の名称 水晶発振器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−103985(P2007−103985A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−287190(P2005−287190)
出願日 平成17年9月30日(2005.9.30)
代理人
発明者 珎道 幸治
要約 課題
SCカット水晶振動子を用いた高安定水晶発振器のC、B両モードを選択的に発振させる回路を得る。

解決手段
トランジスタと、SCカット水晶振動子と、第1及び第2の容量の直列回路とを備えたコルピッツ型水晶発振器において、前記トランジスタのエミッタと接地との間に第3及び第4の容量の直列回路を接続し、前記第1及び第2の容量の接続点と第3及び第4の容量の接続点との間に、インダクタンスと第5の容量との並列回路を接続し、第6の容量と可変容量ダイオードと第7の容量との直列回路を前記第5の容量に並列接続し、前記可変容量ダイオードのカソードに第1の抵抗の一方の端子を接続し、他方の端子を制御電圧に接続し、可変容量ダイオードのアノードに第2の抵抗の一方の端子を接続し、他方の端子を接地して水晶発振器を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
トランジスタと、SCカット水晶振動子と、第1及び第2の容
量の直列回路とを備えたコルピッツ型水晶発振器において、
前記トランジスタのエミッタと接地との間に第3及び第4の容量の直列回路を
接続し、前記第1及び第2の容量の接続点と第3及び第4の容量の接続点との間
に、インダクタンスと第5の容量との並列回路を接続し、
第6の容量と可変容量ダイオードと第7の容量との直列回路を前記第5の容量
に並列接続し、
前記可変容量ダイオードのカソードに第1の抵抗の一方の端子を接続し、可変
容量ダイオードのアノードに第2の抵抗の一方の端子を接続したものであり、前
記第1の抵抗の他方の端子、及び前記第2の抵抗の他方の端子にそれぞれ、制御
電圧或いは固定電圧のいずれかを排他的に供給したことを特徴とする水晶発振器。
【請求項2】
トランジスタと、SCカット水晶振動子と、第1及び第2の容
量の直列回路とを備えたコルピッツ発振器において、
前記トランジスタのエミッタと接地との間に第3及び第4に容量の直列回路を
接続し、前記第1及び第2の容量の接続点と第3及び第4の容量の接続点との間
に、インダクタンスと第5の容量との直列回路を接続し、
前記第5の容量に可変容量ダイオードを並列接続し、
前記可変容量ダイオードのカソードに第1の抵抗の一方の端子を接続し、可変
容量ダイオードのアノードに第2の抵抗の一方の端子を接続したものであり、前
記第1の抵抗の他方の端子、及び前記第2の抵抗の他方の端子にそれぞれ、制御
電圧或いは固定電圧のいずれかを排他的に供給したことを特徴とする水晶発振器。
【請求項3】
前記固定電圧は接地電圧であることを特徴とする請求項1、または請求項2のいずれかに記載の水晶発振器。



発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電発振器に関し、特にSCカット水晶振動子を用いた水晶発振器において、CモードあるいはBモードを選択的に発振させるようにした水晶発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電発振器は優れた周波数精度、周波数温度特性、周波数エージング特性等を有するために移動体無線基地局から測定器まで多くの分野で使用されている。
圧電発振器に用いる圧電振動子に2回回転カットのSCカット水晶振動子(Z軸の回りに約22度回転し、更にX軸の回りに約34度回転して切り出した水晶板を用いた水晶振動子)やITカット水晶振動子を用いると、ATカット水晶振動子を用いた場合に比べて応力感度特性や熱衝撃特性等に優れた高安定水晶発振器が得られるため、実用に供されてきた。
【0003】
図5はSCカット水晶振動子の共振特性を示す図であって、横軸が周波数、縦軸がリアクタンスである。同図から明らかのように、主振動の厚みすべり振動モード(Cモード)以外に、これより周波数が高い振動モードとして厚みねじれモード(Bモード)、厚み縦モード(Aモード)が存在する。
そのため、Cモード以外のBモード、Aモードの振動は発振器を構成した際に、スプリアス成分(不要振動成分)として種々の不具合を発生させる原因となっている。特に、主振動たるCモードに隣接するBモードの周波数f2はCモードの周波数f1の約9〜10%程度しか離れていないため、発振周波数がf1からf2に変化する周波数ジャンプ現象を引き起こす原因となっていた。
【0004】
そこで、上記問題を解決した水晶発振器が、特開平9−153740号公報に開示されている。図6はこの公報に示されたコルピッツ型水晶発振回路であって、発振用増幅器としてのコレクタ接地したトランジスタTrのベースに、水晶振動子Y1の一端を接続し、他端を可変容量Cvを介して接地する。そして、トランジスタTrのベース−コレクタ間に分割容量C1、C2の直列回路を接続すると共に、C1、C2の直列回路の中点(分割点)とエミッタとの間に水晶振動子Y2を挿入接続する。図中の符号Vcは電源、符号R2、R3はブリーダ抵抗、R1は帰還抵抗(負荷抵抗)であり、Voは発振器の出力端子である。尚、水晶振動子Y2は、例えばATカット水晶振動子を用いて、その直列共振周波数を主振動(Cモード)による発振周波数にほぼ一致するように設定する。
【0005】
ここで、水晶発振器に多く用いられているコルピッツ型発振回路について簡単に説明する。図7はコルピッツ型発振回路であって、その構成はトランジスタTrのコレクタ−ベース間に誘導性素子を、ベース−エミッタ間及びコレクターエミッタ間にそれぞれ容量性素子を接続して構成する発振回路である。トランジスタTrのコレクタ−ベース間の誘導性素子として、ベース−接地間に挿入された水晶振動子Y1を用いる。エミッタ−接地間に抵抗R1を接続し、ベース−接地間に容量C1とC2との直列接続回路を接続すると共に、容量C1、C2の接続中点とエミッタとを接続して、コルピッツ型発振回路を構成する。
【0006】
コルピッツ型発振回路においては一般的に、電源Vc−接地間はバイパスコンデンサによって高周波的には短絡されているため、等価回路的にコレクタ−ベース間に誘導性素子として利用する水晶振動子Y1が挿入されたことになる。また、容量C1とC2との中点がエミッタに接続されているため、トランジスタTrのベース−エミッタ間には容量C1が、コレクタ−エミッタ間には容量C2が挿入されることになり、いずれも容量性として作用することになる。抵抗R2、R3はブリーダ抵抗でベースバイアス電圧を設定する。
また、コルピッツ型水晶発振回路においては、水晶振動子Y1の両端から回路側をみた増幅度、所謂負性抵抗R(Ω)は、容量C1、C2と周波数の自乗ω2とに逆比例し、コレクタ電流に比例することが知られている。即ち、周波数が高くなると共に負性抵抗R(Ω)の絶対値は増大し、所定の周波数にてピーク値に達し、その後は周波数が高くなるにつれて減少する。
【0007】
図8は負性抵抗特性(周波数−負性抵抗)を示す図であって、図6に示した発振回路の負性抵抗(実線)イと、比較のために一般的なコルピッツ型発振回路の負性抵抗(破線)ロとを示した図である。負性抵抗値が大きい程、発振し易くなることは周知の通りであるが、消費電流、不要振動の抑圧等の理由から、水晶振動子の実効抵抗の数倍程度の値に設定するのが一般的である。尚、ここで実効抵抗とは各モードの共振周波数における水晶振動子の呈する抵抗のことである。
【0008】
負性抵抗特性イは、一般的なコルピッツ回路の負性抵抗ロに比較して、水晶振動子Y2を分割容量C1、C2の直列回路の中点とトランジスタのエミッタとの間に挿入することにより、帰還回路に周波数選択性を持たせ、負性抵抗特性を狭帯域としたもので、主振動のCモードの周波数(10.0MHz)では充分に大きな負性抵抗となり、Bモードの周波数(10.9MHz)では負性抵抗が小さく、あるいは正の抵抗を呈することを示しており、その結果Bモードの周波数では発振できないことを示している。
【0009】
図9は前述の公報に開示された変形実施例を示すものであって、図6の水晶振動子Y2をインダクタンスLと容量Ctとの直列回路で置換した発振回路であり、インダクタンスLと容量Ctとによる直列共振周波数を主振動Cモードの周波数に一致するように設定する。この発振回路の負性抵抗特性は図8の一点鎖線ハに示すように、曲線イよりも幾分広帯域な周波数特性となり、主振動Cモードの周波数では充分に大きな負性抵抗を示すが、Bモードの周波数ではその値が小さくなり、該モードで発振することはできないと上記公報には記載されている。
【0010】
Cモード、Bモード間のジャンプ問題を解決した水晶発振器が、特開2000−295037号公報に開示されている。図10は高安定度水晶発振器の構成を示す回路図であり、発振増幅用としてのトランジスタTrのベースに水晶振動子Y1の一端を接続し、他端を可変容量Cvを介して接地する。トランジスタTrのベース−接地間に分割容量C1、C2の直列回路を接続し、エミッタ−接地間に分割容量C3、C4の直列回路を接続すると共に、分割容量C1、C2の接続点(中点)と、分割容量C3、C4の接続点(中点)との間にインダクタンスL1と可変リアクタンスZの直列回路を接続する。そして、トランジスタTrのエミッタ−アース間、電源Vcとコレクタ間にはそれぞれ帰還抵抗R1、負荷抵抗R4を接続すると共に、電源とトランジスタTrのベース間及びベースとアース間にそれぞれブリーダ抵抗R2、R3を接続する。尚、出力端子VoはトランジスタTrのコレクタに接続する。
【0011】
図10の発振回路を用い、分割容量C1、C2、C3、C4、インダクタンス(L1+Z)を含む複合回路網の回路定数を種々変えて、発振回路の負性抵抗のシミュレーションをおこなったところ、容量C1=100pF、C2 =C3=C4=200pF、Cv=50pF、抵抗R1=1kΩ、R2=220Ω、R3=R4=10kΩ、インダクタンス(L1+Z)=1.3μH〜1.5μHの定数を用いた場合に、図11に示す狭帯域の負性抵抗特性が得られた。この図の負性抵抗特性から主振動(Cモード)の周波数では充分に大きな負性抵抗が得られ、Bモードの周波数(10.9MHz〜11.0MHz)では負性抵抗が極めて小さい又は正となることが明らかである。即ち、主振動(Cモード)のみを発振させ、Bモードの発振を完全に抑圧した回路が得られたことが証明される。このとき前記複合回路網の直列共振周波数がCモードの周波数に、並列共振周波数がBモードの周波数にそれぞれほぼ一致している。
【0012】
図12に示す水晶発振回路は、図10に示した水晶発振回路のインダクタンス(L1+Z)の代わりに、インダクタンスL1と容量C5の並列回路を用いた例で、この並列回路の共振周波数をBモードの周波数に一致させて、Bモードの発振を抑圧した回路構成である。つまり、発振ループ中にインダクタンスL1と容量C1、C2、C3、C4、C5とによりバンドエリミネーション・フィルタを形成することになり、Bモードの周波数を阻止し、この周波数での発振を防止する。
【0013】
周知のように、高安定水晶発振器では発振周波数を一定に保持するために、水晶振動子を恒温槽に入れ、該恒温槽の温度を一定に制御するため、一般に感温素子としてサーミスタを用いてきた。しかし、不要モードとして抑圧していたSCカット水晶振動子のBモードを温度センサーとして用い、発振周波数を補償する水晶発振器が、特開平5−243892号公報に開示されている。図13はこの公報に示された高安定水晶発振器のブロック図である。Bモードの周波数温度特性は、1次温度係数が約−30ppm/℃でほぼ直線的に変化する。つまり、水晶振動子の周波数を10MHzとした場合、1度の変化で−300Hz変化することになる。この温度−周波数特性を利用して発振周波数を補償するのである。
【0014】
C、Bモードの両モードを発振させるデュアルモード発振回路が、「Highly Stable and Low Phase-Noise Oven-Controled Crystal Oscillators Using Dual-Mode Excitation」 IEICE Trans.Fundamentals,Vol.E85-A,No2 February 2002に開示されている。図14はデュアルモード発振回路の構成を示す回路で、発振回路1と、発振回路2と、SCカット水晶振動子Xtalと可変容量ダイオードCvとの直列接続回路とから構成される。発振回路1は、トランジスタTr1のエミッタと接地(GND)間に抵抗Re1を接続し、Tr1のベース接地間に抵抗Rb1を接続し、さらに容量C1と容量C2との直列接続回路を接続する。そして、容量C1とC2の接点とエミッタとの間に水晶振動子Xtal1と容量Ca1との直列接続回路を接続する。電源VcとTr1のコレクタ間、VcとTr1のベース間にそれぞれ抵抗Rc1、Ra1を接続し、エミッタから出力OUT1を取り出す。SCカット水晶振動子Xtalと可変容量ダイオードCvとの直列接続回路の一端を容量Ci1を介してTr1のベースに接続し、他端を接地し、可変容量ダイオードCvのカソードに制御電圧Vcntを印加する。
【0015】
発振回路2は発振回路1と同じ構成であり、SCカット水晶振動子Xtalと可変容量ダイオードCvとの直列接続回路に対して対称に構成されている。そして、水晶振動子Xtal1、Xtal2の共振周波数をそれぞれCモード、Bモードの周波数に設定することにより、発振回路1をCモード用発振回路、発振回路2をBモード用発振回路とし、出力端子OUT1に繋がる水晶振動子Xtal1はCモードの発振周波数のみを通過させるフィルタとして作用し、出力端子OUT2に繋がる水晶振動子Xtal2はBモードの発振周波数のみを通過させるフィルタとして作用する。
【特許文献1】特開平5−243892号公報
【特許文献2】特開平9−153740号公報
【特許文献3】特開2000−295037号公報
【非特許文献1】「Highly Stable and Low Phase-Noise Oven-Controled Crystal Oscillators Using Dual-Mode Excitation」IEICE Trans.Fundamentals,Vol.E85-A,No2 February 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1にはBモードを具体的に発振させる方法が開示されてなく、また非特許文献1に開示された回路図は複雑であり、コストが高くなるという問題があった。
本発明はこの問題を解決するためになされたもので、Cモード、Bモードを容易に発振させる、低コストの発振回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る圧電発振器の請求項1の発明は、トランジスタと、SCカット水晶振動子と、第1及び第2の容量の直列回路とを備えたコルピッツ型水晶発振器において、前記トランジスタのエミッタと接地との間に第3及び第4の容量の直列回路を接続し、前記第1及び第2の容量の接続点と第3及び第4の容量の接続点との間に、インダクタンスと第5の容量との並列回路を接続し、 第6の容量と可変容量ダイオードと第7の容量との直列回路を前記第5の容量に並列接続し、前記可変容量ダイオードのカソードに第1の抵抗の一方の端子を接続し、可変容量ダイオードのアノードに第2の抵抗の一方の端子を接続したものであり、前記第1の抵抗の他方の端子、及び前記第2の抵抗の他方の端子にそれぞれ、制御電圧或いは固定電圧のいずれかを排他的に供給して水晶発振器を構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、トランジスタと、SCカット水晶振動子と、第1及び第2の容量の直列回路とを備えたコルピッツ発振器において、前記トランジスタのエミッタと接地との間に第3及び第4に容量の直列回路を接続し、前記第1及び第2の容量の接続点と第3及び第4の容量の接続点との間に、インダクタンスと第5の容量との直列回路を接続し、前記第5の容量に可変容量ダイオードを並列接続し、 前記可変容量ダイオードのカソードに第1の抵抗の一方の端子を接続し、可変容量ダイオードのアノードに第2の抵抗の一方の端子を接続したものであり、前記第1の抵抗の他方の端子、及び前記第2の抵抗の他方の端子にそれぞれ、制御電圧或いは固定電圧のいずれかを排他的に供給して水晶発振器を構成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記固定電圧は接地電圧であることを特徴とする請求項1、または請求項2のいずれかに記載の水晶発振器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1の発明は、分割容量C1、C2の中点と分割容量C3、C4 の中点との間に、インダクタンスと可変容量ダイオードを含む容量との並列回路を挿入し、これらが形成するバンドエリミネーション・フィルタの帯域を制御電圧により可変することにより、CモードあるいはBモードを選択的に発振させることができるという利点がある。
本発明の請求項2の発明は、分割容量C1、C2の中点と分割容量C3、C4 の中点との間に、インダクタンスと可変容量ダイオードを含む容量との直列回路を挿入し、これらが形成するバンドパス・フィルタの帯域を制御電圧により可変することにより、CモードあるいはBモードを選択的に発振させることができるという利点がある。
本発明の請求項3の発明は、請求項1又は2において、固定電圧の一方を接地電圧としたことにより、回路の動作がより安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明に係る高安定度水晶発振器の実施の形態を示す回路図であって、発振増幅用としてのトランジスタTrのベースに水晶振動子Y1の一端を接続し、他端を可変容量Cvを介して接地する。トランジスタTrのベース−接地間に分割容量C1、C2の直列回路を接続し、エミッタ−接地間に分割容量C3、C4の直列回路を接続する。そして、トランジスタTrのエミッタ−アース間、電源Vc−コレクタ間にはそれぞれ帰還抵抗R1、負荷抵抗R4を接続すると共に、電源とトランジスタTrのベースとの間及びベースとアースとの間にそれぞれブリーダ抵抗R2、R3を接続する。
【0020】
そして、分割容量C1、C2の接続点(中点)と分割容量C3、C4の接続点(中点)との間に、インダクタンスL1と容量C5との並列回路を接続する。さらに、容量C6と可変容量ダイオードD1と容量C7との直列回路を、容量C5に並列接続し、可変容量ダイオードD1のカソードに抵抗R5の一方の端子を接続し、他方の端子を制御電圧Vcntに接続する。可変容量ダイオードD1のアノードには抵抗R6の一方の端子を接続し、他方の端子を接地し、トランジスタTrのコレクタから出力端子Voを取り出して、本発明に係る両モード発振高安定水晶発振器を構成する。
【0021】
図2は、図1に示した発振回路の負性抵抗特性を示したものである。図1の回路条件としては、SCカット水晶振動子Y1の周波数を20MHzとし、抵抗R1、R2、R3をそれぞれ680Ω、8kΩ、22kΩ、容量C1、C2、C3、C4をそれぞれ100pF、150pF、150pF、150pF、インダクタンスL1を0.3μHとし、容量C5、C6、C7(C5、C6、C7は固定値)と可変容量ダイオードD1との合成容量が60pFになるように制御電圧Vcntを適切に設定している。図2より負性抵抗のピークは約20MHzであり、水晶発振器はCモードの周波数20MHzで発振することが分かる。一方、Cモードの周波数20MHzより9%〜10%程度高周波側に位置するBモードの周波数(21.8MHz〜22MHz)では負性抵抗はほぼ零であり、Bモードでは発振しないことが分かる。
【0022】
図3は、可変容量ダイオードD1に加える制御電圧Vcntを変化させたとこの負性抵抗を示したものであり、その他の条件は前述した図2の例と同一にしている。ここで、容量C5、C6、C7と可変容量ダイオードD1との合成容量が20pFになるように前期制御電圧Vcntを適切に設定している。図3より負性抵抗のピークは約22MHzであり、Cモードの周波数20MHzにおける負性抵抗は−22Ωを示している。従って、Cモードで発振せず、Bモードのみで発振することがあ分かる。
このように、本発明は、容量C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7及びインダクタンスL1を固定値とし、可変容量ダイオードD1の制御電圧Vcntを適切に設定することにより、発振ループ中のバンドエリミネーション・フィルタの帯域を可変し、その結果発振回路の負性抵抗特性を変化させて、Cモード、Bモードのいずれか一方を選択的に発振させることができる。
【0023】
図4は本発明に係る他の両モード発振可能な高安定度水晶発振器の実施の形態を示す回路であり、図1と異なるところは、分割容量C1、C2の接続点(中点)と分割容量C3、C4の接続点との間に、インダクタンスL1と容量C5との直列回路を接続し、更に容量C5に可変容量ダイオードD1を並列接続すると共に、可変容量ダイオードD1のカソードに抵抗R5の一端を接続し、他端を制御電圧Vcntに接続する。そして、可変容量ダイオードD1のアノードに抵抗R6の一端を接続し、他端を接地して構成した発振回路である。容量C1、C2、C3、C4、C5とインダクタンスL1と可変容量ダイオードD1とで、発振ループ中にバンドパスフィルタを形成し、負性抵抗特性に選択特性をもたせる。つまり、制御電圧Vcntを所定のV1に設定すればCモードを発振し、所定のV2に設定すればBモードを発振するようにできる。
【0024】
なお、図1、4の実施例では、可変容量ダイオードのアノード側を抵抗を介して接地し、カソード側に抵抗を介して正電圧を印加することによって可変容量ダイオードに逆バイアス与えているが、カソード側を一定の電源に接続し、アノード側に電源より低い制御電圧を印加することによって逆バイアスを与えるようにしても良い。また、電源より抵抗を介してカソードと接続し、アノード側にカソード側の電圧より低い制御電圧を印加しても良い。
また、上記説明では、可変容量ダイオードを用いて説明したが、電圧を可変することにより、容量値を可変できる電子素子を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る両モード発振高安定水晶発振器の実施の形態を示す回路である。
【図2】制御電圧VcntをV1に設定した場合の図1の発振回路負性特性である。
【図3】制御電圧VcntをV2に設定した場合の図1の発振回路負性特性である。
【図4】本発明に係る他の両モード発振高安定水晶発振器の実施の形態を示す回路である。
【図5】SCカット水晶振動子の共振特性である。
【図6】Cモードのみを発振させる高安定水晶発振器の回路である。
【図7】コルピッツ型水晶発振器の回路である。
【図8】高安定水晶発振器の負性抵抗を説明する図である。
【図9】Cモードのみを発振させる高安定水晶発振器の回路である。
【図10】Cモードのみを発振させる高安定水晶発振器の回路である。
【図11】図10の回路のインダクタンスL1を変化させたときの負性抵抗特性の変化を示す図である。
【図12】Cモードのみを発振させる高安定水晶発振器の回路である。
【図13】Bモードを温度センサーとしてCモードの発振周波数を補償する水晶発振器のブロック図である。
【図14】Cモード、Bモード両モード発振水晶発振器の回路である。
【符号の説明】
【0026】
Y1 水晶振動子
Tr トランジスタ
R1、R2、R3、R4、R5、R6 抵抗
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7 容量
Cv 可変容量
L1 インダクタンス
D1 可変容量ダイオード
Vc 電源電圧
Vcnt 制御電圧







 

 


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