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発明の名称 逓倍発振器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−96524(P2007−96524A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−280717(P2005−280717)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
発明者 珎道 幸治
要約 課題
コレクタ出力波形のスペクトル中の2次高調波成分を特に強調し、コレクタ出力波形に含まれる基本波成分、即ち発振周波数成分よりもレベルを高くして同調回路に入力するにより、不要なスペクトル成分の少ない逓倍発振回路を提供する。

解決手段
この発振回路100は、L1、C1、C2、C4からなる共振回路1と、L1、C1間のノードとベースBを共通にし、且つエミツタEをC1、C2間のノードと共通にしたトランジスタQ1と、トランジスタQ1のベースに適切な動作点を与えるためのバイアス用の抵抗R1、R2と、トランジスタQ1のコレクタと電源Vccの間に設けた抵抗R5と、トランジスタQ1のエミツタとC1、C2間のノードとコレクタを共通にしたトランジスタQ2と、同トランジスタQ2のエミツタとGND間に接続した抵抗R17と、トランジスタQ2の動作点を与えるバイアス抵抗R3、R4と、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ2のベースをC3を介して接続した構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】
インダクタンス性素子と、該インダクタンス性素子に対する複数の負荷容量と、前記インダクタンス性素子及び複数の負荷容量を直列ループにした時の共振信号を帰還増幅する第1のトランジスタと、該第1のトランジスタのエミツタと電位を共通としたコレクタを有する第2のトランジスタと、を備え、
前記第1のトランジスタのコレクタ信号を遅延して前記第2のトランジスタのベースに帰還するように、前記第1のトランジスタのコレクタと前記第2のトランジスタのベースとの間に遅延素子を接続するように構成したことを特徴とする逓倍発振器。
【請求項2】
前記インダクタンス性素子を圧電振動素子としたことを特徴とする請求項1に記載の逓倍発振器。
【請求項3】
前記インダクタンス性素子を圧電振動素子とした場合に、該逓倍発振器の発振周波数をオーバートーン発振により得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の逓倍発振器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、逓倍発振器に関し、さらに詳しくは、圧電発振器により発振された発振周波数を逓倍する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電発振回路の逓倍方法としては、非特許文献1に示されるような方法が一般的であった。この方法は、図5(b)に示したようにコンデンサC16、C17の間を信号出力点としており、コンデンサC16、C17、インダクタL12の共振周波数を発振周波数の2倍の周波数に設定した場合、この出力点からは発振周波数の2逓倍の出力が得られる。ここで逓倍出力になる原理を説明すると、一般的にコルピッツ発振回路は図5(a)のように構成するが、発振の定常状態においてはトランジスタQ11はC級動作をするため、コレクタの波形は歪みが大きい。波形がサイン波に対して歪む場合、その波形スペクトルには高調波が含まれる。即ち、L11、C11、C12、C14、R11、R12、Q11、R17でコルピッツ発振回路を形成している。Q11のコレクタでの出力波形は次の様に得られる。L11、C11、C12、C14から構成される共振回路11の共振信号がQ11のベースに印加される過程で、その共振波形の負の半周期の発振信号が入力した時Q11のコレクタ電圧はVcc付近となる。また正の半周期の発振信号がQ11のベースに入力した時は、コレクタ電位は低下する。これを繰り返して波形出力となり、図6のような出力波形が得られる。図6は縦軸にコレクタ電圧(V)、横軸に時間(μsec)を表す図である。この図から解るとおり、この波形では立下りと立ち上がりが急峻な歪み波形であるため高調波成分が多く含まれることが解る。
図7は図6の波形をスペクトル解析した図である。縦軸に電圧を表し、横軸に周波数(MHz)を表す。この図から解るとおり、図6の波形には発振周波数成分(基本波成分)である10MHzが強く残留していることが解る。
そこで、コンデンサC16、C17、インダクタL12の同調回路を発振周波数の2倍に設定し図5(b)の様に構成することで同調回路の並列共振周波数が高調波に同調し、高調波に対して同調回路が高インピーダンスとなるので逓倍出力が得られる。そして、高レベルの高調波出力を得るためには図5(a)のコレクタに発生する出力信号が、サイン波に対して単に歪んだ信号ではなく、必要とする高調波成分のレベルが高いものである様な歪み波形であることが望ましい。
【非特許文献1】改訂第3版高周波回路設計ノウハウ(吉田武著、CQ出版ISBN4−7898−3078−0、PP.179−18q)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、図5(a)に示す従来方式では発振周波数成分が出力周波数成分(高調波成分)よりも高いレベルで残存する(図7参照)。そのため、図5(b)に示すように、コレクタに同調回路を設けた場合でも発振周波数成分が十分に除去しきれないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、コレクタ出力波形のスペクトル中の2次高調波成分を特に強調し、コレクタ出力波形に含まれる基本波成分、即ち発振周波数成分よりもレベルを高くして同調回路に入力するにより、不要なスペクトル成分の少ない逓倍発振回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明は、インダクタンス性素子と、該インダクタンス性素子に対する複数の負荷容量と、前記インダクタンス性素子及び複数の負荷容量を直列ループにした時の共振信号を帰還増幅する第1のトランジスタと、該第1のトランジスタのエミッタと電位を共通としたコレクタを有する第2のトランジスタと、を備え、前記第1のトランジスタのコレクタ信号を遅延して前記第2のトランジスタのベースに帰還するように前記第1のトランジスタのコレクタと前記第2のトランジスタのベースとの間に遅延素子を接続するように構成したことを特徴とする。
本発明の回路は第1のトランジスタのエミッタと第2のトランジスタのコレクタを接続することにより波形の歪んだ発振波形が取り出せる。しかしこの波形のスペクトラムには発振周波数成分が出力周波数成分に強いレベルで残存する。そこで本発明では、第1のトランジスタのコレクタ波形を遅延させて第2のトランジスタのベースに帰還させることにより、第1のトランジスタの動作点を変化させてコレクタ電位を下げ、発振周波数成分が抑圧され、2次高調波が高レベルで現れるようにした。
請求項2は、前記インダクタンス性素子を圧電振動素子としたことを特徴とする。
コイル等のインダクタンス性素子はその値が環境変動(温度や電圧変動等)により変化する割合が大きい。それに比較して水晶等の圧電振動素子は環境変動に比較的強い。そこで本発明では、インダクタンス性素子に圧電振動素子を使用することにより、環境変動に対して発振周波数変動が少ない発振器を構成するものである。
請求項3は、前記インダクタンス性素子を圧電振動素子とした場合に、当該逓倍発振器の発振周波数をオーバートーン発振により得ることを特徴とする。
水晶発振子は、基本周波数だけでなく、奇数次の周波数にも共振点をもつことを利用し、奇数次周波数の発振出力を得る回路3次、5次などが一般的である。オーバートーン発振すると、その発振出力には基本波やその偶数次の周波数成分は現れないので、スプリアスが少なくなる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明によれば、第1のトランジスタのコレクタ波形を遅延させて第2のトランジスタのベースに帰還させるので、第1のトランジスタの動作点を変化させてコレクタ電位を下げ、発振周波数成分が抑圧され、2次高調波が高レベルで取り出すことができる。
また請求項2では、インダクタンス性素子を圧電振動素子としたので、環境変動に対して発振周波数変動が少ない発振器を構成することができる。
また請求項3では、インダクタンス性素子を圧電振動素子とした場合に、当該逓倍発振器の発振周波数をオーバートーン発振により得るので、奇数次周波数発振出力には基本波やその偶数次の周波数成分は現れないので、スプリアスを少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の発振回路の出力波形を特に2逓倍発振回路に適するように歪ませる仕組みを有する回路構成の一例を示す図である。尚、以下ではLをインダクタ素子、Cを容量素子、Rを抵抗として表す。
この発振回路100は、L1、C1、C2、C4からなる直列共振回路1と、L1、C1間のノードとベースを共通にし、且つエミッタをC1、C2間のノードと共通にしたトランジスタQ1と、トランジスタQ1のベースに適切な動作点を与えるためのバイアス用の抵抗R1、R2と、トランジスタQ1のコレクタと電源Vccの間に設けた抵抗R5と、トランジスタQ1のエミッタとC1、C2間のノードとコレクタを共通にしたトランジスタQ2と、同トランジスタQ2のエミッタとGND間に接続した抵抗R17と、トランジスタQ2の動作点を与えるバイアス抵抗R3、R4と、トランジスタQ1のコレクタとトランジスタQ2のベースを遅延素子としてC3を介して接続した構成であり、L1、C1、C2、C4、R1、R2、Q1、R17でコルピッツ発振回路を形成している。尚、抵抗R17はショートしても動作可能である。
【0007】
次にこの構成の動作を説明する。まず、トランジスタQ1のコレクタに発生する出力波形は次の様に得られる。L1、C1、C2、C4から構成される共振回路1の共振信号がトランジスタQ1のベースに印加される過程で、その共振信号の波形の負の半周期の信号がトランジスタQ1のベースに入力した時トランジスタQ1のコレクタ電圧はVcc付近となる。またその後、正の半周期の信号がトランジスタQ1のベースに入力した時は、コレクタ電圧は低下する。これを繰り返して波形出力となるが、本発明では図1の発振回路のトランジスタQ1のエミッタにトランジスタQ2を挿入した構成であるので、トランジスタQ1のコレクタの信号がトランジスタQ2のベースに帰還し、これにより、トランジスタQ1のコレクタに図2に示す波形が発生する。即ち、トランジスタQ1のベースに共振信号の負の半周期を供給した時トランジスタQ1のコレクタ電圧がVcc付近になり、その信号をC3により遅延させて、トランジスタQ2のベースに帰還させることでトランジスタQ2のベース電位が上がりトランジスタQ2にトランジスタ電流(コレクタ電流)が流れる。従って、トランジスタQ1のエミッタ電位が下がるのでトランジスタQ1の動作点が変化し、トランジスタQ1のコレクタ電位が下がる、という動作をする。その結果、トランジスタQ1のコレクタ電圧がVcc付近にある時の電圧を一瞬低下させること(A部の波形)が可能となり、図2の波形が得られる。
【0008】
図3は本発明の発振回路の出力波形をスペクトル解析した図である。縦軸に電圧を示し、横軸に周波数(MHz)を示す。出力成分は発振周波数成分(10MHz)が抑圧されており、発振周波数成分よりも2次高調波(20MHz)が高レベルで現れているため、図7の従来方式との差は歴然である。
図4は本発明に係る発振回路の実施例を示す図である。この発振回路110は、図1のトランジスタQ1のコレクタにコンデンサC8、C9の間を信号出力点としており、コンデンサC8、C9、インダクタL3の共振周波数を発振周波数の2倍の周波数に設定した場合、この出力は発振周波数の2逓倍の出力が得られる。当然ながら、従来回路及び本発明による回路の双方の回路に逓倍出力の為の同調回路を適用した場合、即ち図5(b)及び図4の構成とした場合でもこのスペクトル上の差の優位性は残るため、本発明による回路のほうが不要周波数成分が少ない出力が得られる。
以上の通り本発明によれば、トランジスタQ1のコレクタ波形を遅延させてトランジスタQ2のベースに帰還させるので、トランジスタQ1の動作点を変化させてコレクタ電位を下げ、発振周波数成分が抑圧され、2次高調波を高レベルで取り出すことができる。
また、インダクタンス性素子を圧電振動素子としたので、環境温度の変動に対して発振周波数変動が少ない発振器を構成することができる。
また、インダクタンス性素子を圧電振動素子とした場合に、当該逓倍発振器の発振周波数をオーバートーン発振により得るので、奇数次周波数発振出力には基本波やその偶数次の周波数成分は現れないので、スプリアスを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る発振回路を示す図である。
【図2】本発明に係る発振回路の出力波形を示す図である。
【図3】本発明に係る出力の周波数成分解析結果を示す図である。
【図4】本発明に係る発振回路の実施例を示す図である。
【図5】従来の発振回路の一例を示す図である。
【図6】従来方式の出力波形を示す図である。
【図7】従来方式の出力の周波数成分解析結果を示す図である。
【符号の説明】
【0010】
1 共振回路、C1〜C4 容量素子、L1 インダクタ素子、R1〜R5、R17 抵抗、Q1、Q2 トランジスタ、100 発振回路




 

 


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