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発明の名称 表面実装型圧電デバイス及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−43340(P2007−43340A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−223466(P2005−223466)
出願日 平成17年8月1日(2005.8.1)
代理人 【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
発明者 永野 洋二
要約 課題
圧電振動素子等の部品を搭載したパッケージ本体上に金属蓋を被せて気密封止する構造の圧電デバイスにおいて、セラミック材料をパッケージ本体の材料として使用し、パッケージ本体と金属蓋とを接合する場合に金属の飛沫が飛散しないようなパッケージと蓋とを得ることができ、しかも大面積のシート状パッケージ本体母材を使用してバッチ処理することができる。

解決手段
パッケージ本体12と、パッケージ本体に支持した圧電振動素子20を含む空間を包囲した状態で固定される金属蓋13と、から成り、パッケージベース15の上面周縁に沿って形成された金属層と、パッケージ内側のスルーホールの各上部開口を塞ぐようにパッケージベース上面におのおの配置され、かつ圧電振動素子を支持する接続電極18と、パッケージベース下面に配置された外部電極22と、を備え、金属蓋がパッケージベースの上面周縁に沿って形成された接合金属層17と接合した構成を備え、接合面が金と錫の合金を形成するようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】
パッケージ本体と、該パッケージ本体上に支持した圧電振動素子を含むパッケージ本体上の空間を包囲した状態で固定される金属蓋と、からなり、前記パッケージ本体は、絶縁材料から成るパッケージベースと、該パッケージベースの上面周縁に沿って環状に形成された接合金属層と、該接合金属層の上面に形成されるろう材層と、該接合金属層の内径側に位置する前記複数のスルーホールと、該複数のスルーホールの各上部と電気的に接続された状態でパッケージベース上面に夫々配置され、且つ前記圧電振動素子を支持する接続電極と、前記複数のスルーホールの各下部と夫々導通した状態でパッケージベース下面に分割配置された複数の外部電極と、を備え、
前記接合金属層はその表面に形成された前記ろう材層を介して前記金属蓋の裾部と接合された構成を備えていることを特徴とする表面実装型圧電デバイス。
【請求項2】
前記環状の接合金属層の内径側のパッケージベース面には、アース側の前記外部電極と導通した前記スルーホールの上部と導通したアース電極が配置され、該アース電極と前記接合金属層とが導通していることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型圧電デバイス。
【請求項3】
前記接合金属層の表面に形成される前記ろう材層は、金と錫からなる合金であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の表面実装型圧電デバイス。
【請求項4】
底部に複数の外部電極を備えた絶縁材料から成る複数のパッケージベースをシート状に連結一体化すると共に、該各パッケージベースの各外部電極と導通したダミーメタライズ配線を備えた大面積のパッケージベース母材を用いた表面実装型圧電デバイスの製造方法において、
各パッケージベース上面に前記ダミーメタライズ配線と導通した環状の接合金属層を夫々形成する工程と、各接合金属層の内径側のパッケージベース上面に所定の配置で複数のスルーホールを形成する工程と、各スルーホールの各上部と導通した接続電極を各パッケージベース上面に形成する工程と、各パッケージベース底部に各スルーホールの各下部と夫々導通した前記外部電極を分割配置する工程と、各パッケージベースの各外部電極と前記ダミーメタライズ配線との接続を遮断する切断工程と、前記ダミーメタライズ配線を介して前記各接合金属層に通電することにより各接合金属層上にろう材層をメッキ形成する工程と、前記接続電極上に圧電振動素子を固定する工程と、各ろう材層を溶かして金属蓋を固定することによって、各圧電振動素子を含む各パッケージベース上の空間を包囲して圧電デバイス個片を完成する工程と、前記パッケージベース母材を前記圧電デバイス個片間の境界に沿って切断分割する工程と、からなることを特徴とする表面実装型圧電デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記接合金属層の表面に形成される前記ろう材層は、金と錫からなる合金であることを特徴とする請求項4に記載の表面実装型圧電デバイスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電振動子、圧電発振器等の表面実装型圧電デバイスのパッケージ構造の改良に関し、特にバッチ処理により大量生産する場合の生産性を高め、しかも不良品の発生率も低減することができる表面実装型圧電デバイス、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電振動素子等の部品を上面に搭載したフラットな樹脂製パッケージ本体上に逆椀型の金属蓋を被せて圧電振動素子等を気密封止した構造の圧電デバイスと、寸法にばらつきが発生するセラミックに代えて樹脂材料をパッケージ本体の材料として使用しながらも、シート状パッケージ本体母材を使用してバッチ処理することにより前記圧電デバイスを量産する方法が開示されている。逆椀状の金属蓋は、その裾部底面を金錫合金等のろう材層(例えば、組成比:金80wt%/錫20wt%)を用いてパッケージ本体上の接合金属層上に溶融接合することにより固定される。
しかし、このような従来の圧電デバイス及びその製造方法にあっては、パッケージ本体として樹脂材料を使用しているため、周波数感度が10-6レベル(ppm)程度の精度を要求される圧電振動子においては仕様を満足できない。樹脂製パッケージ本体を使用した場合には、例えば、時間の経過とともに周波数が低下(エージング規格不良)したり、封止後の気密レベルが低下(Heリーク規格〔1.0×10-9 Pa・m3/sec〕不良)したりする。
これは、パッケージ本体を構成する樹脂材料のガラス転移温度がろう材層の融点(例えば、金錫合金[金80wt%/錫20wt%]の融点は280℃)よりも低いため、封止工程での加熱によりパッケージ本体が一部変形あるいは劣化し、気密封止用のパッケージとしての耐久性が十分でないからである。
【0003】
また、金錫合金等のろう材層が逆椀状金属蓋の裾部底面に形成されていると、次の如き問題が発生する。
例えば、金錫合金(組成比:金80wt%/錫20wt%)から成るろう材層は、金と錫を所定の雰因気中で加熱溶融し、それを冷却したものを圧延し、その後金型でプレスして生産される。しかし、金錫合金は硬くて脆い合金であるため、圧延工程おいて所定の厚さ以下に形成できないことが知られている。具体的には、量産レベルでは、厚さ25μmが限界である。つまり、金属蓋により気密封止するために使用されるろう材の必要厚よりも常に過剰な厚みとなるため、ろう材が溶けたときに余剰分がパッケージ内に飛散、あるいはダレ込んで特性不良を引き起こしたり、パッケージ外にダレて寸法不良を起こす原因となっていた。
さらに、気密封止用のろう材層として使用される金錫は、融点が280℃で金の含有量が80wt%に達するため、高価となる。それに加えて、ろう材層はダム形状にプレス成型されているので、プレス成型時にろう材層として使用されない部分は廃棄されて無駄になり、更なるコストアップをもたらしていた。
次に、特許文献2には、中央部に凹陥部を備えたセラミックパッケージの周囲上部のフランジ部に形成したタングステンメタライズ面にニッケルメッキ層、金或いは錫メッキ層を順次形成すると共に、密封用金属蓋に錫メッキ層或いは金メッキ層を形成し、パッケージと金属蓋とを接合させるようにした電子部品用パッケージが開示されている。この従来例においても、金錫合金をろう材として使用して金属蓋を接合した場合には上記と同様にろう材の飛散、ダレ込みが発生する。
【特許文献1】特開2003−087071公報
【特許文献2】特開2001−110922公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、圧電振動子の信頼性を満足するためにパッケージベース材料をセラミックとし、かつ、パッケージベースと金属蓋とを接合する際に、ろう材が飛散したり、ダレ込むことを抑制した封止方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、圧電振動素子等の部品を搭職したパッケージベース面に金属蓋を被せて気密封止する構造の圧電デバイスにおいて、気密信頼性が満足できない樹脂材料に代えてセラミックをパッケージ材料として使用することができ、しかも個片毎の組立作業、搬送治具からの個片毎の出入れ作業を伴う煩雑な生産工程を経ることなく、大面積のシート状パッケージ本体母材を使用して、簡単な作業手順によってバッチ処理生産することができる表面実装型圧電デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、パッケージ本体と、該パッケージ本体上に支持した圧電振動素子を含むパッケージ本体上の空間を包囲した状態で固定される金属蓋と、からなり、前記パッケージ本体は、絶縁材料から成るパッケージベースと、該パッケージベースの上面周縁に沿って環状に形成された接合金属層と、該接合金属層の上面に形成されるろう材層と、該接合金属層の内径側に位置する前記複数のスルーホールと、該複数のスルーホールの各上部と電気的に接続された状態でパッケージベース上面に夫々配置され、且つ前記圧電振動素子を支持する接続電極と、前記複数のスルーホールの各下部と夫々導通した状態でパッケージベース下面に分割配置された複数の外部電極と、を備え、前記接合金属層はその表面に形成された前記ろう材層を介して前記金属蓋の裾部と接合された構成を備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記環状の接合金属層の内径側のパッケージベース面には、アース側の前記外部電極と導通した前記スルーホールの上部と導通したアース電極が配置され、該アース電極と前記接合金属層とが導通していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、又は2において、前記接合金属層の表面に形成される前記ろう材層は、金と錫からなる合金であることを特徴とする。
請求項4の発明は、底部に複数の外部電極を備えた絶縁材料から成る複数のパッケージベースをシート状に連結一体化すると共に、該各パッケージベースの各外部電極と導通したダミーメタライズ配線を備えた大面積のパッケージベース母材を用いた表面実装型圧電デバイスの製造方法において、各パッケージベース上面に前記ダミーメタライズ配線と導通した環状の接合金属層を夫々形成する工程と、各接合金属層の内径側のパッケージベース上面に所定の配置で複数のスルーホールを形成する工程と、各スルーホールの各上部と導通した接続電極を各パッケージベース上面に形成する工程と、各パッケージベース底部に各スルーホールの各下部と夫々導通した前記外部電極を分割配置する工程と、各パッケージベースの各外部電極と前記ダミーメタライズ配線との接続を遮断する切断工程と、前記ダミーメタライズ配線を介して前記各接合金属層に通電することにより各接合金属層上にろう材層をメッキ形成する工程と、前記接続電極上に圧電振動素子を固定する工程と、各ろう材層を溶かして金属蓋を固定することによって、各圧電振動素子を含む各パッケージベース上の空間を包囲して圧電デバイス個片を完成する工程と、前記パッケージベース母材を前記圧電デバイス個片間の境界に沿って切断分割する工程と、からなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記接合金属層の表面に形成される前記ろう材層は、金と錫からなる合金であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、圧電振動素子等の部品を搭載したパッケージ本体上に金属蓋を被せて気密封止する構造の圧電デバイスにおいて、気密信頼性に乏しい樹脂材料に代えてセラミック材料をパッケージ本体の材料として使用することができ、しかも気密封止するための金錫合金をパッケージ側の封止面に必要な量だけ形成しているので、圧電デバイスの信頼性が確保でき、しかもコストダウン可能なパッケージベース母材としているので、簡単な作業手順によってバッチ処理することができ、小型化・低背化に対応することができる。
本発明は、フラットなパッケージ本体と逆椀状の金属蓋からなる構造のみならず、キャビティを有したパッケージ本体上にフラット状の金属蓋を被せて気密封止する構造の圧電デバイスであっても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型圧電デバイスの外観斜視図、及び縦断面図である。この表面実装型圧電デバイスは、例えば水晶振動子(圧電振動子)であり、表面実装用の基板を構成するパッケージ本体12と、パッケージ本体12上面に支持した水晶振動素子20と、水晶振動素子20を含むパッケージ本体12上の空間を包囲した状態で固定される金属蓋13と、から成る。
パッケージ本体12は、アルミナセラミック等の絶縁材料から成り、且つ複数(この例では4個)のスルーホール16を有したパッケージベース15と、パッケージベース15の上面周縁に沿って環状に形成された接合金属層17と、接合金属層17の内側(内径側)のパッケージベース15面に位置する複数のスルーホール16の各上部開口を塞ぐようにパッケージベース上面に夫々配置され、且つ水晶振動素子20を支持する2つの接続電極18、及び水晶振動子20の自由端を水晶振動素子20の搭載時に一時的に支持するため、又は自動搭載工程においてカメラによる搭載位置の認識マークとして用いるアース電極19と、導電性接着剤21によって一端緑を2つの接続電極18上に固定された水晶振動素子20と、各スルーホール16の各下部開口を塞ぐようにパッケージベース15下面に分割配置された4つの外部電極22と、を備えている。
水晶振動素子20は、水晶基板と、水晶基板上に形成した励振電極、及びリード端子と、から成る。
【0008】
図2(a)及び(b)は、パッケージ本体12の個片を多数縦横に連結一体化したパッケージベース母材25の製造途中の段階1における全体図、及び個々のパッケージ本体12の構成を示す縦断面図である。パッケージベース15は例えばアルミナセラミックの積層体からなる平板であり、その上面側周縁には接合金属層17’が環状に形成されている。接合金属層17’は、アルミナセラミックと同時焼成して形成した、例えばタングステン層、及び/または、モリブデン層27(膜厚5〜30μm)上に、電解ニッケルメッキ膜(膜厚1.27〜8.89μm)から成る第1メッキ膜30と、第1メッキ膜30上に成膜した、例えば電解金メッキ膜(膜厚0.3〜1.5μm)から成る第2メッキ膜31と、を順次積層した構成を有している。接続電極18、及びアース電極19’は、接合金属層17’の場合と同様に、タングステン層、及び/またはモリブデン層27(膜厚5〜30μm)上に、電解ニッケルメッキ膜(膜厚1.27〜8.89μm)から成る第1メッキ膜30と、第1メッキ膜30上に成膜した、例えば電解金メッキ膜(膜厚0.3〜1.5μm)から成る第2メッキ膜31と、を順次積層した構成を有している。
また、パッケージベース15の底部に形成した実装用の外部電極22は、例えばタングステン層、及び/またはモリブデン層27(膜厚5〜30μm)上に、電解ニッケルメッキ膜(膜厚1.27〜8.89μm)からなる第1メッキ膜30と、電解金メッキ膜(膜厚0.3〜1.5μm)からなる第2メッキ膜31を順次積層した構成を有する。
スルーホール16は、例えばパッケージベース15に形成した貫通孔内壁にタングステン、及び/またはモリブデン膜を充填形成するとともに、貫通孔の上下開口部周縁に夫々ランドを備えた構成とする。このスルーホール16は各パッケージベース15の適所に形成しておくのが好ましい。接続電極18、及びアース電極19’は、各スルーホール16の上部ランドと導通するように形成される。
【0009】
ここで、セラミックパッケージ本体の製造方法について概略説明する。
パッケージベース15の個片を多数縦横に連結一体化したパッケージベース母材は、一般にセラミックグリーンシート積層法により製造される。具体的にはセラミック原料粉末に適当な有機バインダー、溶剤等を添加混合してセラミックスラリーとし、セラミックスラリーをドクターブレード法を採用してシート状とすることによって複数のセラミックグリーンシートを得る。次にセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施す。そして、このようにして用意したパッケージベース片の母材であるセラミックグリーンシートに、メタライズ配線層となるタングステン、及び/またはモリブデンのペーストをスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して所定パターンに印刷塗布する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーンシート積層体とし、該セラミックグリーンシート積層体を還元雰囲気の高温で焼成し、各セラミックグリーンシートと金属ペーストとを焼結一体化させる。ここで、焼結一体化したセラミックシート上のメタライズ配線は、ダミーメタライズ配線を介して全てのパッケージベースに設けたメタライズ配線の全てを電気的に短絡させており、これにより焼成後に所定の電流密度によって電解メッキ(ニッケルや金等の表面処理)を一括して行うことができる。
そして、パッケージ本体12を完成するには、少なくとも接続電極18に金錫メッキがされないようにパッケージベース母材25に形成された全ての接合金属層17’上に、金錫を付与する工程が必要である。
【0010】
尚、金属蓋13側に金属メッキする方法については、例えば特開2001−345394公報に、まずメッキしない部分をレジストインクでマスキングし、アルカリクリーナーを使用して40℃で30秒間浸漬して脱脂する。その後水洗し、N.E.ケムキャット社製の金錫合金メッキ液(GTA−20)を用い、液温60℃で電流密度2.0A/dm2にて金属蓋の片面外周部にリング状に金錫合をメッキし、その後水素雰囲気中で熱処理することによって金属蓋に均一に癒着させることが開示されている。
また、メッキメーカーである大和電機工業とリッドプレスメーカーである吉川工業が共同で開発した技術では、金→錫→金→錫→金というように、電解金メッキと電解錫メッキを交互にメッキし、その後の熱処理で理論組成(金80wt%/錫20wt%)に近づけている。(大和電機工業HP:http://www.yamato-elec.co.jp/sub95.htm)
このようなメッキ方法に基づき、段階1にて用意したパッケージベース母材に金錫メッキを行うと、パッケージベース母材25のメタライズ配線が、電解メッキするために全てのパッケージベース個片上の配線と電気的に短賂した配線になっていることから、全てのパッケージ本体12の接続電極18の表面上にも、金錫メッキ層が形成されてしまうが、このように接続電極18の上面にも金錫メッキ層が形成されてしまうと、接続電極18の金錫メッキ上面に導電性接着剤を介して水晶振動素子20を固定した後、金属蓋13を固定するために接合金属層17の金錫メッキを溶融した際に接続電極18の金錫メッキも溶融してしまうので、導電性接着剤が剥がれて水晶振動素子20がパッケージ本体12からはずれてしまう不具合を生じる。
従って、パッケージ12は少なくとも接続電極18上面に金錫メッキが施されていないものでなくてはならない。
【0011】
そこで、パッケージ本体12に形成された接合金属層17上(封止面)のみに、金錫合金層を付与する工程を説明する。
パッケージベース母材25に形成してあるメタライズ配線間は短絡しているため、全てのメタライズ配線に通電してメッキすると、前述のように各パッケージベース15上のメタライズパターンの全てに金錫合金層が形成されてしまうので、接合金属層17のみに金錫を形成させるためには以下に述べる手法を採用する必要がある。
即ち、図3(a)(b)及び(c)にパッケージベース母材25の裏面の構成を示す。縦方向に複数配設されたパッケージ本体12の列と、隣接する他のパッケージ本体12列との間には夫々ダミー領域(パッケージ本体12が配置されていない細長い領域)32が設けられ、各ダミー領域32内のパッケージベース15の中間層に埋設したダミーメタライズ配線35と各パッケージ本体12裏面の各外部電極22a〜22dとの間は、夫々メタライズ配線33a〜33dとスルーホール36a〜36dとにより接続されている。各ダミーメタライズ配線35の端部間は図4に示すようにパッケージベース15の中間層に埋設した接続配線35aにより接続されている。パッケージ本体12は、各接続電極18及び各アース電極19が4つのスルーホール16を介して4つの外部電極22a〜22dに接続しているが、4つの外部電極22a〜22dのうちの外部電極22dと外部電極22bが夫々接続電極18(圧電振動素子端子)と一対を成すよう電気的に接続し、外部電極22aと外部電極22cが夫々2つのアース電極19(アース端子)と電気的に接続している。
メタライズ配線33a〜33dは、隣接するパッケージ本体12のそれぞれの外部電極22a〜22dのうち、2つの接続電極18と接続しているメタライズ配線33d及び33bと、2つのアース電極19と接続しているメタライズ配線33a及び33cと、から成る。
更に、接合金属層17はダミーメタライズ配線35と、アース電極19と接続されており、その接続の為の配線は、ダミー領域32の表面上には存在しない。
【0012】
次に、図4はパッケージベース母材25の内層パターンを示す説明図である。ダミー領域32の内層に形成されたダミーメタライズ配線35は、各スルーホール36a〜36d及びメタライズ配線33a〜33dを介して各外部電極22a〜22dと接続している。
ここで、後述するようにダミー領域32に形成されたメタライズ配線33a〜33dとダミーメタライズ配線35との間を切断することによって、外部電極22a〜22dがそれぞれ電気的に分離する。つまり、各接続電極18と外部電極22b及び22dとダミーメタライズ配線35との間を電気的に遮断することができる。
符号38は、接続配線35aの適所に配置されたメッキ用の引出し電極である。
なお、メタライズ配線33a〜33dを切断する手段として、例えば図5に示すようなタイシングブレード37によるハーフダイシングや、YAG等のレーザなどによる方法が知られている。但し、パッケージベース母材25を完全に切断して各パッケージベース15を完全に分離独立した個片状態にすると、表面側の接合金属層17上に金錫合金メッキを形成できなくなるので注意が必要である。つまり、接合金属層17とダミーメタライズ配線35との間の導通だけは確保しておく必要がある。
【0013】
図6(a)(b)はハーフカットする前と、ハーフカットした後の状態を示すパッケージベース母材面図である。ハーフダイシングによってダミーメタライズ配線35とメタライズ配線33a〜33dとの接続を遮断することにより、接続電極18がダミーメタライズ配線35と切り離され、例えば接合金属層17とアース電極19と外部電極aとbとだけがダミーメタライズ配線35と導通した状態となっている。金錫合金メッキを必要とするのは、接合金属層17だけであり、アース電極19については金錫合金メッキしてもしなくても良い。
図6に示すようにアース電極19がダミーメタライズ配線35と外部電極22以外の経路にて短絡した構成を有したものであれば、外部電極22aと22bにも金錫メッキが施されてしまうので、パッケージベース母材25の各外部電極22については、金錫合金メッキがなされないようにするために、各外部電極表面にレジストインクでマスキングしておけばよい。
アース電極19と接続される外部電極22c及び22dはアース電極である。また、このアース電極19を接合金属層17を介して金属蓋13と接続することにより、金属蓋13を電気的にシールドする効果を高めることができる。
金属蓋13は、図1(a)及び(b)に示すように環状の接合金属層17の上面に固定される裾部40と、裾部40から立ち上がった逆椀部42と、から成る。逆椀部42の内部にはキャビティが形成されている。金属蓋13は、例えば金属基材の表両に電解ニッケルメッキ(1μm以下)から成る下地層と、電解金メッキ(0・1μm以下)から成る仕上げ層を形成した構成を有する。各金属蓋13は、その裾部40を、各パッケージベース15の上面の環状接合金属層17上に整合させて載置した状態で、例えば加圧しながら窒素雰囲気のリフロー炉内で、接合金属層17の最表部に形成した金錫合金メッキ膜を溶かすことによって、各パッケージベース15上に接合一体化され、内部の水晶振動素子20は気密封止される。
【0014】
尚、アース電極19に金錫メッキを施せば、接続電極18と水晶振動素子20との間に介在する導電性接着剤の厚み分を補うよう金錫メッキにて電極19の高さを稼ぐことができ、水晶振動素子20を水平に搭載することが可能であるが、このような機能を必要とせず、金属蓋を接地する必要が無い場合は、電極19上に金錫メッキが施されないよう電極19とダミーメタライズ配線35とを外部電極22a、bを介してのみ短絡させた構造とすれば良く、このような構成は、外部電極22にマスキングする手間が省けるので作業工程の簡略化が行え、更に例えば金バンプにて水晶振動素子20のパッドと接続電極18とを固定させるような構造のものに最適である。
即ち、導電性接着剤であれば硬化による収縮力によって水晶振動子20の自由端側が持ち上がるが、金バンプにて水晶振動素子20を接続した構造であれば収縮力によるような持ち上がり作用が働かないので、自由端側とパッケージ面との間には十分な空間を必要とするためである。
【0015】
図7は気密封止時に、各金属蓋13上から荷重治具50を用いて、例えば、荷重(50gf/本)をかけている状態を示している。このように荷重をかけた状態でパッケージベース母材25を窒素雰囲気のリフロー炉内に入れて加熱することにより、接合金属層17と金属蓋13とが接合する。
なお、リフロー炉を利用した加熱による封止方法以外でも、ハロゲンランプ方式や、ローラー電極を使用したシーム溶接方式を利用することもできる。
図8は最終的な分割工程を示しており、リフロー炉内での加熱によって全てのパッケージ本体12上にそれぞれ金属蓋13を一体化した後で、タイシングブレード37等の切断手段を用いて個々のパッケージベース個片に分割する。
尚、ダミーメタライズ配線35とメタライズ配線33a〜33dとの導通接続を遮断するためにハーフダイシングして得られた切断溝をスクライブラインとして用いても構わない。
このように図1に示した如き構成の圧電デバイスは、大面積の平板状パッケージベース母材25の上面に所定の配列で複数の環状の接合金属層17を形成する工程と、各接合金属層17の内側に位置するパッケージベース母材上面に夫々所定の配置で複数のスルーホール16を形成する工程と、各接合金属層17の内側に位置する各スルーホール16の各上部開口を塞ぐようにパッケージベース母村上面に夫々接続電極18及びアース電極19を形成する工程と、パッケージベース母材下面に各スルーホール16の各下部開口を塞ぐように外部電極22を形成する工程と、パッケージベース母材両面のメタライズ配線33a〜33dを切断してダミーメタライズ配線35との電気的接続を遮断する工程と、メッキ用引出し電極38から通電することにより各接合金属層17に金錫合金をメッキする工程と、接続電極18上に圧電振動素子を固定する工程と、各接合金属層17上の金錫合金を溶かして、金属蓋13の裾部40を固定(加圧しながらリフロー接続)することによって、各圧電振動素子20を含むパッケージベース母材上の空間を包囲し、個々の庄電デバイス個片を完成する工程と、パッケージベース母材25を個々の圧電デバイス個片間の境界に沿って切断分離する工程と、によって製造される。
【0016】
即ち、この製造方法は、底部に複数の外部電極22a〜22dを備えた絶縁材料から成る複数のパッケージベース15をシート状に連結一体化すると共に、各パッケージベース15の各外部電極22a〜22dと導通したダミーメタライズ配線35を備えた大面積のパッケージベース母材を用いて行われる。
まず、各パッケージベース15の上面にダミーメタライズ配線35と導通した環状の接合金属層17を夫々形成する工程が実施される。この工程は、前述したように、セラミックグリーンシートに、メタライズ配線層となるタングステン、及び/またはモリブデンのペーストをスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して所定パターンに印刷塗布し、複数のセラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーンシート積層体としてから焼成する過程で実施される。
次に、環状の各接合金属層17の内径側のパッケージベース上面に所定の配置で複数のスルーホール16を形成してから、各スルーホール16の各上部と導通した接続電極18を各パッケージベース上面に形成し、更に、各パッケージベース底部に各スルーホール16の各下部と夫々導通した外部電極22を分割配置する。更に、各パッケージベースの各外部電極22とダミーメタライズ配線35との接続を遮断する切断工程を実施してから、メッキ液中においてダミーメタライズ配線35を介して各接合金属層17に通電することにより各接合金属層上にろう材層をメッキ形成する。次いで、接続電極18上に圧電振動素子を固定してから、各ろう材層を溶かして金属蓋13を固定することによって、各圧電振動素子を含む各パッケージベース上の空間を包囲して圧電デバイス個片を完成する。最後に、パッケージベース母材を圧電デバイス個片間の境界に沿って切断分割することにより完了する。
【0017】
本発明では、樹脂に代えて、セラミック材料をパッケージ本体材料とすることで、封止後の信頼性が確保され、寸法精度の高い圧電デバイスの製作が可能となる。
また、ろう材を金属蓋側にろう材枠として形成するのではなく、パッケージの封止面にメッキにてろう材枠を形成するので、気密封止に必要な最小量のろう材となり、材料費のコストダウンとなる。また、金属蓋側は金メッキだけの表面処理で済むため、金属蓋を搭載するための位置決め等の頓雑な動作がなくなり、設備費用のコストダウンとなる。従って、市場で求められている小型化・低背化に対応することが可能である。
なお、上記実施形態では本発明をフラットなパッケージ本体上に金属蓋を被せて気密封止した構造の水晶振動子について説明したが、本発明は図9に示したように上面に凹所61を有したパッケージ本体60の外枠62の上面に設けた接合金属層17上に金属蓋64を溶接したタイプの水晶振動子についても同様に適用することができる。なお、図8において図1と同一部分には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る表面実装型圧電デバイスの外観斜視図、及び縦断面図。
【図2】(a)及び(b)はパッケージベースの個片を多数縦横に連結一体化したパッケージベース母材の全体図、及び個々のパッケージベースの構成を示す縦断面図。
【図3】(a)(b)及び(c)はパッケージベース母材の裏面の構成説明図。
【図4】パッケージベース母材25の内層パターンを示す説明図。
【図5】(a)(b)及び(c)はタイシングブレードによるハーフダイシングの説明図。
【図6】(a)及び(b)はハーフカット前と後のパッケージベース母材の断面図。
【図7】気密封止時に、各金属蓋上から荷重治具を用いて荷重をかけている状態を示した図。
【図8】(a)及び(b)は分割工程を示す図。
【図9】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態の圧電デバイスの構成を示す斜視図、及び断面図。
【符号の説明】
【0019】
12…パッケージ本体、13…金属蓋、13…金属蓋、15…パッケージベース、16…スルーホール、17…金属層、18…アース電極19…アース電極、20…圧電振動素子、21…導電性接着剤、22、22a〜22d…外部電極、25…パッケージベース母材、30…メッキ膜、32…ダミー領域、33a…メタライズ配線、33c…メタライズ配線、35…ダミーメタライズ配線、35a…接続配線、36…スルーホール、37…タイシングブレード、38…電極、40…裾部、42…逆椀部、60…パッケージ本体、61…凹所、62…外枠、64…金属蓋。




 

 


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