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レジスト膜の除去方法、制御プログラム、コンピュータ読取可能な記憶媒体 - 東京エレクトロン株式会社
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発明の名称 レジスト膜の除去方法、制御プログラム、コンピュータ読取可能な記憶媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−109724(P2007−109724A)
公開日 平成19年4月26日(2007.4.26)
出願番号 特願2005−296632(P2005−296632)
出願日 平成17年10月11日(2005.10.11)
代理人 【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
発明者 折居 武彦 / 関口 賢治 / 飯野 正
要約 課題
表面に難剥離性の硬化層を有するレジスト膜を、基板にダメージを与えることなく、基板から効果的に除去することが可能なレジスト膜の除去方法を提供する。

解決手段
基板60上に設けられた、表面に硬化層63aを有するレジスト膜63の除去方法を、レジスト膜63の表面に保護膜64を被覆する工程と、保護膜64で被覆されたレジスト膜63にポッピングを発生させる工程と、ポッピングが発生したレジスト膜63’と保護膜64とを水溶性に変性させる工程と、水溶性に変性したレジスト膜63”および保護膜64’を、純水での洗浄により基板60から除去する工程とから構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、
前記レジスト膜の表面に保護膜を被覆する工程と、
前記保護膜で被覆されたレジスト膜にポッピングを発生させる工程と、
前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、所定の液体により基板から除去する工程と
を有することを特徴とするレジスト膜の除去方法。
【請求項2】
前記除去工程では、前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜および保護膜を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することを特徴とする請求項1に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項3】
前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることを特徴とする請求項2に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項4】
水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことを特徴とする請求項3に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項5】
前記保護膜は、可撓性を有する樹脂製であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項6】
基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、
前記レジスト膜の表面に熱収縮性を有するシュリンク材を被覆する工程と、
前記シュリンク材を加熱して収縮させることにより、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜の硬化層にクラックを生じさせる工程と、
前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、所定の液体により基板から除去する工程と
を有することを特徴とするレジスト膜の除去方法。
【請求項7】
前記除去工程では、前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜およびシュリンク材を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することを特徴とする請求項6に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項8】
前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることを特徴とする請求項7に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項9】
水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことを特徴とする請求項8に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項10】
前記クラック発生工程では、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜にポッピングを発生させることによっても、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜の硬化層にクラックを生じさせることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項11】
基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、
前記レジスト膜の硬化層を軟化させる作用を有する軟化材を前記レジスト膜の表面に被覆する工程と、
前記軟化材の作用により、前記軟化材で被覆されたレジスト膜の硬化層を軟化させる工程と、
前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、所定の液体により基板から除去する工程と
を有することを特徴とするレジスト膜の除去方法。
【請求項12】
前記除去工程では、前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜および軟化材を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することを特徴とする請求項11に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項13】
前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることを特徴とする請求項12に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項14】
水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことを特徴とする請求項13に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項15】
前記軟化材は、前記レジスト膜の硬化層と接触した状態で加熱されると、硬化層から発生する酸と反応して硬化層を軟化させる性質を有し、
前記軟化工程は、前記軟化材を加熱することによって行うことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項16】
前記硬化層は、イオン注入によって形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法。
【請求項17】
コンピュータ上で動作し、実行時に、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法が行われるように、コンピュータに処理装置を制御させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項18】
コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のレジスト膜の除去方法が行われるように、コンピュータに処理装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン注入処理やエッチング処理等によって表面が硬化したレジスト膜を基板から除去するレジスト膜の除去方法、制御プログラムおよびコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、イオン注入技術を利用して、半導体ウエハであるシリコン基板やシリコン基板の表面に形成された絶縁膜等の各種膜などに所定のイオンを注入し、その表面特性を変化させるといったことが行われている。例えば、基板に砒素(As)やリン(P)、ホウ素(B)等を注入することによってp−n接合を形成することができる。
【0003】
イオン注入処理は通常、基板(シリコン基板のほか、シリコン基板の表面に形成された各種膜を含むレジスト膜の下地材を意味する)に所定の回路パターンを有するレジスト膜を形成した後に行われ、レジスト膜はイオン注入処理後に除去されることとなるが、高濃度でイオン注入が行われたレジスト膜は、表面に難剥離性の硬化層が形成されて基板から剥離しにくい状態になる。このため、表面に硬化層を有するレジスト膜の除去には一般的に、レジスト膜をプラズマアッシング処理した後、基板をウエット洗浄するといった方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ところが、このようなレジスト膜にプラズマアッシング処理を施すと、注入されたイオンにより基板が酸化されたり、プラズマアッシングの異方性によりアッシングガスが打ち込まれて基板の特性が変化したり、プラズマアッシングにより帯電した基板が放電したりして、基板が損傷してしまうおそれがある。
【0005】
また、レジスト膜にプラズマアッシング処理を施すと、加熱されたレジスト膜の内部から溶剤成分がガス化したものや窒素ガス(N)等のガスが発生し、このガスがレジスト膜の硬化層を破壊して吹き出すことによりレジスト膜が爆発する、所謂ポッピングと呼ばれる現象が起こってしまう。ポッピングは、レジスト膜を現像処理した後の熱処理温度が、その後に行われるプラズマアッシング処理時の温度よりも低いために、イオン注入処理前後で実質的に変わらない未硬化の状態(粘性を有する状態)にあるレジスト膜の内部に、プラズマアッシング処理時の加熱によって蒸発する成分が残存していることにより起こるものである。ポッピングが起こると、爆発したレジスト膜の未硬化部の飛沫が基板に付着するおそれがあり、このような飛沫が基板に付着すると、基板をウエット洗浄しても除去することが難しい。
【0006】
そこで、上述のような問題を解消するため、プラズマアッシング処理を用いずに、基板を加熱しつつレジスト膜に水分を供給することにより、レジスト膜の硬化層にクラックを発生させ、このクラックを介してレジスト膜の内部の基板との境界部にまで水分を浸透させてレジスト膜を基板から剥離させる、または剥離しやすくさせるといった試みがなされている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、上記特許文献2の技術では、レジスト膜を効果的に除去するためには、レジスト膜の硬化層に多くのクラックを生じさせる必要があり、そのために加熱温度を高くすると、レジスト膜にポッピングが起こって未硬化部の飛沫が基板に付着するおそれがある。したがって、この技術では、レジスト膜にポッピングが起こらない程度のクラックしか発生させることができず、結果的に、レジスト膜を十分に除去することが困難である。
【特許文献1】特開平7−37780号公報
【特許文献2】特開2001−93806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、表面に難剥離性の硬化層を有するレジスト膜を、基板にダメージを与えることなく、基板から効果的に除去することが可能なレジスト膜の除去方法の提供を目的とする。また、本発明は、このような方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムおよびこのようなプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点は、基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、前記レジスト膜の表面に保護膜を被覆する工程と、前記保護膜で被覆されたレジスト膜にポッピングを発生させる工程と、前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、所定の液体により基板から除去する工程とを有することを特徴とするレジスト膜の除去方法を提供する。
【0010】
本発明の第1の観点において、前記除去工程では、前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜および保護膜を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することが好ましい。この場合に、前記ポッピングが発生したレジスト膜と保護膜とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることが好ましく、さらにこの場合に、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことが好ましい。
【0011】
以上の本発明の第1の観点において、前記保護膜は、可撓性を有する樹脂製であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の第2の観点は、基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、前記レジスト膜の表面に熱収縮性を有するシュリンク材を被覆する工程と、前記シュリンク材を加熱して収縮させることにより、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜の硬化層にクラックを生じさせる工程と、前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、所定の液体により基板から除去する工程とを有することを特徴とするレジスト膜の除去方法を提供する。
【0013】
本発明の第2の観点において、前記除去工程では、前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜およびシュリンク材を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することが好ましい。この場合に、前記クラックが生じたレジスト膜とシュリンク材とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることが好ましく、さらにこの場合に、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことが好ましい。
【0014】
以上の本発明の第2の観点において、前記クラック発生工程では、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜にポッピングを発生させることによっても、前記シュリンク材で被覆されたレジスト膜の硬化層にクラックを生じさせることが好ましい。
【0015】
また、本発明の第3の観点は、基板上に設けられた、表面に硬化層を有するレジスト膜を除去するレジスト膜の除去方法であって、前記レジスト膜の硬化層を軟化させる作用を有する軟化材を前記レジスト膜の表面に被覆する工程と、前記軟化材の作用により、前記軟化材で被覆されたレジスト膜の硬化層を軟化させる工程と、前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、所定の液体により基板から除去する工程とを有することを特徴とするレジスト膜の除去方法を提供する。
【0016】
本発明の第3の観点において、前記除去工程では、前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させた後、前記変性したレジスト膜および軟化材を、水または有機溶剤で溶解することにより基板から除去することが好ましい。この場合に、前記軟化したレジスト膜と軟化材とを、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給により、水または有機溶剤で溶解可能となるように変性させることが好ましく、さらにこの場合に、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスの供給を、密閉チャンバ内に基板を配置し、前記密閉チャンバ内を陽圧に保持した状態で行うことが好ましい。
【0017】
以上の本発明の第3の観点において、前記軟化材は、前記レジスト膜の硬化層と接触した状態で加熱されると、硬化層から発生する酸と反応して硬化層を軟化させる性質を有し、前記軟化工程は、前記軟化材を加熱することによって行うことが好ましい。
【0018】
以上の本発明の第1、2および3の観点において、前記硬化層は、イオン注入によって形成されたものであることが好適である。
【0019】
また、本発明の第4の観点は、コンピュータ上で動作し、実行時に、上記レジスト膜の除去方法が行われるように、コンピュータに処理装置を制御させることを特徴とする制御プログラムを提供する。
【0020】
さらに、本発明の第5の観点は、コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、上記レジスト膜の除去方法が行われるように、コンピュータに処理装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、表面に硬化層を有するレジスト膜に保護膜を被覆し、保護膜で被覆された状態でレジスト膜にポッピングを発生させるため、レジスト膜内部の未硬化部の飛沫が基板に付着したり、基板がダメージを受けたりするといったことなく、硬化層を大きく壊してレジスト膜の透水性を効果的に高めることができ、これにより、所定の液体によってレジスト膜を基板から効果的に除去することが可能となる。
【0022】
また、本発明によれば、表面に硬化層を有するレジスト膜に、熱収縮性を有するシュリンク材を被覆し、シュリンク材を加熱して収縮させることにより、レジスト膜の硬化層にクラックを生じさせるため、レジスト膜内部の未硬化部の飛沫が基板に付着したり、基板がダメージを受けたりするといったことなく、硬化層を大きく壊してレジスト膜の透水性を効果的に高めることができ、これにより、所定の液体によってレジスト膜を基板から効果的に除去することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明によれば、表面に硬化層を有するレジスト膜に、この硬化層を軟化させる作用を有する軟化材を被覆して硬化層を軟化させるため、レジスト膜内部の未硬化部の飛沫が基板に付着したり、基板がダメージを受けたりするといったことなく、レジスト膜の透水性を効果的に高めることができ、これにより、所定の液体によってレジスト膜を基板から効果的に除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【0025】
図1(a)は、半導体の製造過程でシリコンウエハ61の主面に不純物拡散領域61aを形成するためのイオン注入を行った状態を示している。符号62は、シリコンウエハ61上に形成された絶縁膜であり、符号63は、イオン注入の際のマスクとして絶縁膜62上に形成されたレジスト膜である。レジスト膜63は、イオン注入処理が施される前に、露光処理および現像処理が施され、その後に熱処理が施されており、表面部が、高濃度のイオン注入処理により硬化した硬化層63aとなっており、内部が硬化していない状態(以下、未硬化部とする)63bとなっている。シリコンウエハ61および絶縁膜62は、レジスト膜63の下地材となる基板60を構成している。
【0026】
本実施形態においてレジスト膜63を除去するには、まず、図1(b)に示すように、例えば基板60(絶縁膜62)の表面が覆われるように、レジスト膜63の表面に保護膜64を被覆形成する(工程1)。保護膜64は、シリコン含有レジスト等の可撓性を有する樹脂材料で形成される。ここでは、保護膜64を、除去しやすいように極力薄く形成することが好ましいが、後述するポッピングの際にレジスト膜63の飛沫が突き破ってしまうことがない程度の膜厚を有するように形成する必要がある。
【0027】
次に、図1(c)に示すように、レジスト膜63を加熱することにより、保護膜64で被覆された状態でレジスト膜63にポッピングを発生させる(工程2)。符号63’,63a’,63b’はそれぞれ、ポッピング発生後のレジスト膜、硬化層および未硬化部である。ポッピングは、前述のように、レジスト膜63を現像処理後の熱処理(ポストベーク)温度よりも高い温度で加熱することにより、レジスト膜63内部の未硬化部63bの一部が硬化層63aを突き破って噴出する現象である。
【0028】
続いて、図1(d)に示すように、ポッピング発生後のレジスト膜63’と保護膜64とに、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスを供給して接触させることにより、ポッピング発生後のレジスト膜63’および保護膜64をそれぞれ、水溶性(または有機溶剤で溶解可能)に変性させる(工程3)。符号63”,63a”,63b”,64’はそれぞれ、水溶性に変性後のレジスト膜、硬化層、未硬化部および保護膜である。
【0029】
その後、図1(e)に示すように、水溶性に変性したレジスト膜63”および保護膜64’を純水洗浄により基板60から溶解除去する(工程4)。なお、レジスト膜63”および保護膜64’の除去には、純水に限らず、他の水系洗浄液または有機溶剤を用いてもよい。
【0030】
本実施形態では、従来のレジスト膜の除去方法のように、プラズマアッシング等のアッシングを行わないため、基板60にダメージを与えてしまうといったことを回避することができる。そして、保護膜64で被覆された状態でレジスト膜63のポッピングを発生させるため、レジスト膜63の未硬化部63bの飛沫が基板60に付着することが防止され、これにより、ポッピングの規模を大きくしてレジスト膜63の硬化層63aを大きく破壊することができる。また、ポッピング後にも、保護膜64によって未硬化部63b’の大気との接触が抑止されるため、ポッピング後の未硬化部63b’の硬化を抑止することができる。したがって、ポッピング後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまで処理ガスを浸透させることができ、これにより水溶性に変性したレジスト膜63”を、その後の純水洗浄によって基板60から完全に除去することが可能となる。レジスト膜は通常、1×1015atoms/cm以上の高ドーズ量のイオン注入が行われると特に硬化するため、本実施形態は、このような高ドーズ量のイオン注入が行われた場合に特に有効である。
【0031】
なお、工程2の後、工程3、4に代えて、硫酸および過酸化水素水を含むSPM薬液により、ポッピング発生後のレジスト膜63’と保護膜64とを基板60から除去してもよい(工程3b)。この場合にも、ポッピング発生後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまでSPM薬液を浸透させることができるため、このレジスト膜63’を基板60から完全に溶解除去することが可能となる。
【0032】
次に、以上のような一連の処理を行うための装置の一例およびこのような装置による上記工程の詳細について説明する。
図2は、本発明に係るレジスト膜の除去方法を行う基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0033】
基板処理システム100は、ウエハW(基板60)に保護膜等を塗布形成する塗布装置101と、ウエハWからレジスト膜および保護膜等を除去する除去装置102とを備えており、図示しない搬送装置により、これら装置間でウエハWが搬送されるように構成されている。
【0034】
基板処理システム100の塗布装置101と除去装置102とは、CPUを備えたプロセスコントローラ111に接続されて制御されるように構成されている。プロセスコントローラ111には、工程管理者が基板処理システム100の各装置を管理するためのコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理システム100の各装置の稼動状況を可視化して表示するディスプレイなどからなるユーザインターフェース112と、基板処理システム100で実行される各処理をプロセスコントローラ111の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等を記録したレシピが格納された記憶部113とが接続されている。
【0035】
そして、必要に応じて、ユーザインターフェース112からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部113から呼び出してプロセスコントローラ111に実行させることで、プロセスコントローラ111の制御化で基板処理システム100において所望の各処理が行われる。また、前記レシピは、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリ等の読み出し可能な記憶媒体に格納されたものを利用したり、あるいは、基板処理システム100の各装置間または外部の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0036】
塗布装置101は、例えば、ウエハWにレジスト膜63を塗布形成するのと同様のスピンコータで構成されており、スピン塗布により、レジスト膜63を覆うようにウエハWに保護膜64あるいは後述するシュリンク膜65(図8参照)または軟化膜66(図9参照)を形成するものである(塗布装置101の詳細な構成は図示せず)。
【0037】
次に、除去装置102について説明する。
図3は基板処理システム100の除去装置102を示す概略平面図であり、図4はその概略正面図であり、図5はその概略背面図である。
【0038】
除去装置102は、処理前のウエハWが収容されたキャリアを塗布装置101から搬入するとともに、処理終のウエハWが収容されたキャリアを次の処理を行う処理装置等へ搬出するためのキャリアステーション4と、ウエハWのレジスト膜の変性処理や洗浄処理等をそれぞれ行う複数の処理ユニットが設けられた処理ステーション2と、処理ステーション2とキャリアステーション4との間でウエハWの搬送を行う搬送ステーション3と、処理ステーション2で使用する薬液や純水、処理ガス等の製造、調製、貯留を行うケミカルステーション5とを備えている。
【0039】
キャリアCの内部において、ウエハWは、略水平姿勢で鉛直方向(Z方向)に一定の間隔で収容されている。このようなキャリアCに対するウエハWの搬入出はキャリアCの一側面を通して行われ、この側面は蓋体10a(図2には図示せず。図3および図4に蓋体10aが取り外された状態を示す)によって開閉自在となっている。
【0040】
図3に示すように、キャリアステーション4は、図中Y方向に沿って3箇所にキャリアCを載置できる載置台6を有している。キャリアCは、蓋体10aを有する側面がキャリアステーション4と搬送ステーション3との間の境界壁8a側を向くようにして載置台6に載置される。境界壁8aにおいて、キャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9aが形成されており、各窓部9aの搬送ステーション3側には窓部9aを開閉するシャッタ10が設けられている。各シャッタ10は、キャリアCの蓋体10aを把持する把持手段(図示せず)を有しており、図4および図5に示すように、蓋体10aを把持した状態で搬送ステーション3側に蓋体10aを退避させることができるように構成されている。
【0041】
搬送ステーション3に設けられたウエハ搬送装置7は、ウエハWを保持可能なウエハ搬送ピック7aを有している。ウエハ搬送装置7は、搬送ステーション3の床にY方向に延在するように設けられたガイド11(図4および図5参照)に沿ってY方向に移動可能である。また、ウエハ搬送ピック7aは、X方向にスライド自在であり、かつ、Z方向に昇降自在であり、かつ、X−Y平面内で回転自在(θ回転)である。
【0042】
このような構造により、キャリアCの内部と搬送ステーション3とが窓部9aを介して連通するようにシャッタ10を退避させた状態において、ウエハ搬送ピック7aは、載置台6に載置された全てのキャリアCにアクセス可能であり、キャリアC内の任意の高さ位置にあるウエハWをキャリアCから搬出することができ、逆にキャリアCの任意の位置にウエハWを搬入することができる。
【0043】
処理ステーション2は、搬送ステーション3側に2台のウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bを有している。例えば、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、搬送ステーション3からウエハWを受け入れる際にウエハWを載置するために用いられ、ウエハ載置ユニット(TRS)13aは、処理ステーション2において所定の処理が終了したウエハWを搬送ステーション3に戻す際にウエハWを載置するために用いられる。
【0044】
搬送ステーション3と処理ステーション2との間の境界壁8bにおいて、ウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bの位置に対応する部分には窓部9bが設けられている。搬送ステーション3に設けられたウエハ搬送装置7のウエハ搬送ピック7aは、この窓部9bを介してウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bにアクセス可能であり、キャリアCとウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bとの間でウエハWを搬送する。
【0045】
処理ステーション2のケミカルステーション5側には、後述する主ウエハ搬送装置14を挟んでウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bと対向するように、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dが4段に積み重ねられて配置されている。ホットプレートユニット(HP)19a〜19dは、ウエハWを加熱してウエハWのレジスト膜にポッピングを発生させるとともに、後述する洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dでの処理を終えたウエハWを加熱乾燥するものである。また、ウエハ載置ユニット(TRS)13aの上側には、加熱乾燥処理されたウエハWを冷却するクーリングプレートユニット(COL)21a・21bが積み重ねられている。なお、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは、クーリングプレートユニット(COL)21a・21bとして用いることが可能である。
【0046】
処理ステーション2の上部には、処理ステーション2内に清浄な空気をダウンフローするファンフィルターユニット(FFU)25が設けられており、これにより、処理後に上段のウエハ載置ユニット(TRS)13aに載置されたウエハWの汚染が抑止される。
【0047】
処理ステーション2の背面側には、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dでのポッピング発生処理を終了したウエハWのレジスト膜等を、水蒸気およびオゾン(O)を含む処理ガスによって水溶性に変性させる変性処理ユニット(VOS)15a〜15hが2列4段に配置されている。
【0048】
処理ステーション2の正面側には、変性処理ユニット(VOS)15a〜15hにおける変性処理の終了したウエハWからレジスト膜を純水洗浄により除去する、あるいは、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dにおけるポッピング発生処理の終了したウエハWからレジスト膜を薬液に除去する洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dが2列2段に配置されている。
【0049】
処理ステーション2の中央部には、処理ステーション2内においてウエハWを搬送するためのウエハ搬送アーム14aを有する主ウエハ搬送装置14が設けられている。主ウエハ搬送装置14は、Z軸周りに回転自在であり、主ウエハ搬送装置14のウエハ搬送アーム14aは、水平方向で進退自在、かつ、Z方向に昇降自在である。このような構造により、ウエハ搬送アーム14aは、処理ステーション2に設けられた各ユニットにアクセス可能であり、これら各ユニット間でウエハWを搬送できるように構成されている。
【0050】
ケミカルステーション5は、変性処理ユニット(VOS)15a〜15hおよび洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dにそれぞれ、所定のガスを供給するガス供給部16aと、純水や各種薬液等を貯留するとともに、これらの純水や各種薬液等を洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dに供給する洗浄液/薬液供給部16bとを有している。
【0051】
次に、変性処理ユニット(VOS)15aの構造について詳細に説明する。なお、変性処理ユニット(VOS)15b〜15hも変性処理ユニット(VOS)15aと全く同様の構造を有しており、変性処理ユニット(VOS)15a〜15dと変性処理ユニット(VOS)15e〜15hとは、その境界壁22bについて略対称な構造を有している。
図6は、除去装置102の変性処理ユニット(VOS)15aを示す概略断面図である。
【0052】
変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30を有しており、チャンバ30は、固定された下部容器41aと、下部容器41aの上面を覆う蓋体41bとから構成され、蓋体41bは、変性処理ユニット(VOS)15aのフレーム42に固定されたシリンダ43によって昇降自在である。図6は、蓋体41bが、下部容器41aに密接した状態および下部容器41aの上方に待避した状態を示している。
【0053】
下部容器41a周縁の立起部の上面にはOリング51が配置されている。シリンダ43を駆動して蓋体41bを降下させると、蓋体41bの裏面周縁が下部容器41a周縁の立起部の上面に当接するとともに、Oリング51が圧縮されてチャンバ30内に密閉された処理空間が形成される。
【0054】
下部容器41aにはウエハWを載置するステージ33が設けられており、このステージ33の表面には、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が複数箇所に設けられている。
【0055】
ステージ33の内部にはヒータ45aが、蓋体41bにはヒータ45bがそれぞれ埋設され、ステージ33と蓋体41bをそれぞれ所定温度で保持することができるようになっており、これにより、ウエハWの温度が一定に保持される。
【0056】
蓋体41bの裏面には、ウエハWを保持する爪部材46が、例えば3箇所(図6では2箇所のみ図示)に設けられている。ウエハ搬送アーム14aはこの爪部材46に対してウエハWの受け渡しを行う。爪部材46がウエハWを保持した状態で蓋体41bを降下させると、その降下途中でウエハWがステージ33に設けられたプロキシミティピン44に受け渡される。
【0057】
チャンバ30では、処理ガスがチャンバ30の内部において略水平方向に流れるように、処理ガスを内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bが下部容器41aに設けられている。ガス導入口34aには、処理ガスを供給するケミカルステーション5のガス供給部16aが接続され、ガス排出口34bには排気機構32が接続されている。
【0058】
ウエハWの処理ガスによる処理は、チャンバ30の内部を一定の陽圧に保持して行うことが好ましい。このために下部容器41aと蓋体41bとがシリンダ43により押圧されるだけでなく、これらの端面に設けられた突起部47a,47b同士が後述するロック機構35によって締め付けられる。
【0059】
ロック機構35は、支持軸52と、回転装置54によって回転自在にされた回転筒55と、回転筒55に固定された円板56と、その周縁に設けられた挟持部材57とを有している。挟持部材57は、押圧ローラ59a,59bと、回転軸58を保持するローラ保持部材48とを有している。
【0060】
突起部47a,47bは、等間隔に4カ所に設けられており、これらの間には間隙部49が形成されている。突起部47a,47bはそれぞれ重なる位置に配置される。この間隙部49の位置に挟持部材57が配置されている状態では、蓋体41bの昇降を自由に行うことができる。
【0061】
回転筒55とともに円板56が所定角度回転すると、押圧ローラ59bは突起部47bの上面で静止し、押圧ローラ59aは突起部47aの下側で静止する。
【0062】
次に、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aの構造について詳細に説明する。なお、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12b〜12dも洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aと全く同様の構造を有しており、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a・12bと洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12c・12dとは、その境界壁22aについて略対称な構造を有している。
図7は、除去装置102の洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aを示す概略断面図である。
【0063】
洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aは、中央部に環状のカップ(CP)が配置され、カップ(CP)の内側にスピンチャック71が配置されている。スピンチャック71は、真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で駆動モータ72によって回転駆動する。カップ(CP)の底部には薬液、純水を排出するドレイン73が設けられている。
【0064】
駆動モータ72は、ユニット底板74に設けられた開口74aに昇降移動可能に配置され、キャップ状のフランジ部材75を介して例えばエアシリンダからなる昇降駆動機構76および昇降ガイド77と結合されている。駆動モータ72の側面には、筒状の冷却ジャケット78が取り付けられ、フランジ部材75は、この冷却ジャケット78の上半部を覆うように取り付けられている。
【0065】
薬液等をウエハWに供給する際には、フランジ部材75の下端75aは、開口74aの周縁付近でユニット底板74に密着し、これによってユニット内部が密閉される。スピンチャック71とウエハ搬送アーム14aとの間でウエハWの受け渡しが行われる際には、昇降駆動機構76が駆動モータ72およびスピンチャック71を上方へ持ち上げることでフランジ部材75の下端がユニット底板74から浮くようになっている。
【0066】
洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aのカップ(CP)の外側には、ケミカルステーション5の洗浄液/薬液供給部16bからの純水や薬液等を、スピンチャック71に保持されたウエハWのレジスト膜に供給する洗浄液/薬液供給機構80aと、ウエハWに乾燥ガスを噴射するガス供給機構(図示せず)とが設けられている。
【0067】
洗浄液/薬液供給機構80aは、洗浄液/薬液供給部16bから送られた所定の薬液を、スピンチャック71に保持されたウエハWの表面に吐出する薬液吐出ノズル81aと、洗浄液/薬液供給部16bから送られた純水、および純水と窒素ガス(Nガス)との混合2流体をウエハWの表面にスプレー状で噴射するスプレーノズル81cと、洗浄液吐出ノズル81aおよびスプレーノズル81cをY方向に進退自在に保持するスキャンアーム82aと、スキャンアーム82aを支持する垂直支持部材85aと、ユニット底板74の上でX軸方向に敷設されたガイドレール84に取り付けられ、垂直支持部材85aをX軸方向へ移動させるX軸駆動機構96とを有している。
【0068】
ケミカルステーション5の洗浄液/薬液供給部16bは、硫酸と過酸化水素水とを含むSPM薬液、アンモニアと過酸化水素水とを含むAPM薬液、希塩酸と過酸化水素水とを含むHPM薬液、およびリンス液として用いられる純水を選択的に洗浄液吐出ノズル81aへ送液し、純水およびNガスをスプレーノズル81cに送ることができるように構成されている。スキャンアーム82aは、垂直支持部材85aに設けられたZ軸駆動機構97によって上下方向(Z方向)に移動可能であり、これにより、洗浄液吐出ノズル81aおよびスプレーノズル81cを、ウエハW上の任意の位置に移動させ、さらにはカップ(CP)外の所定位置に退避させることができるように構成されている。
【0069】
なお、図示しないガス供給機構は、ケミカルステーション5のガス供給部16aに接続され、ガス供給部16aからの窒素ガス等の乾燥ガスをウエハWの表面に供給することができるように構成されている。
【0070】
次に、基板処理システム100による本実施形態のレジスト膜の除去方法について説明する。
【0071】
まず、図1(a)に示した状態のウエハWは、図2に示した塗布装置101に搬入される。そして、塗布装置101では、スピン塗布により、図1(b)に示すように、ウエハWに保護膜64が形成される(工程1)。
【0072】
保護膜64が形成されたウエハWは、図示しない搬送装置によって除去装置102に搬送される。除去装置102に搬入されたウエハWは、ウエハ載置ユニット(TRS)13bからウエハ搬送アーム14aによってホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれか、例えばホットプレートユニット(HP)19aに搬送される。そして、ウエハWは、ホットプレートユニット(HP)19aで加熱されることにより、図1(c)に示すように、レジスト膜63’にポッピングが発生する(工程2)。なお、ホットプレートユニット(HP)19aでのウエハWの加熱温度は、前述のように、レジスト膜63を現像処理後の熱処理温度よりも高く設定される。
【0073】
レジスト膜63’に十分にポッピングが生じたウエハWは、ホットプレートユニット(HP)19aからウエハ搬送アーム14aによって変性処理ユニット(VOS)15a〜15hのいずれか、例えば変性処理ユニット(VOS)15aに搬送される。搬送に際しては、チャンバ30の蓋体41bが下部容器41aの上方に退避した状態となっており、蓋体41bに設けられた爪部材46のウエハWを保持する部分(水平方向に突出した部分)よりも僅かに高い位置にウエハWが進入するように、ウエハWを保持したウエハ搬送アーム14aが進出する。そして、ウエハ搬送アーム14aが下方に降下すると、ウエハWは爪部材46に受け渡される。
【0074】
ウエハ搬送アーム14aがチャンバ30から退避すると、蓋体41bが降下して下部容器41aに密着し、下部容器41aおよび蓋体41bの端面に設けられた突起部47a・47b同士をローラ59a・59bで挟み込んで締め付けることにより、チャンバ30が密閉される。なお、蓋体41bが降下する途中で、ウエハWは、爪部材46からプロキシミティピン44へ受け渡される。
【0075】
チャンバ30が密閉されると、ヒータ45a・45bが発熱して、ステージ33および蓋体41bが所定の温度に保持される。ステージ33および蓋体41bが所定温度に保持され、かつ、ウエハWの温度分布がほぼ一定となったら、最初に、ガス供給部16a(図3、5参照)からガス導入口34aを介してオゾン含有ガスのみがチャンバ30内に供給され、チャンバ30の内部がオゾン含有ガスでパージされるように、かつ、所定の陽圧となるように調節される。その後、オゾン含有ガスに水蒸気を混合させた処理ガスが、ガス供給部16aからガス導入口34aを介してからチャンバ30内に供給される。この処理ガスによって、図1(c)に示した状態のレジスト膜63’および保護膜64が酸化され、図1(d)に示すように、水溶性に変性したレジスト膜63”および保護膜64’となる(工程3)。なお、処理ガスは、基板60に損傷を与えず、シリコンウエハ61にイオン注入されていないポリマー残渣が存在する場合には、これらも水溶性に変性させる。
【0076】
水溶性に変性したレジスト膜63”および保護膜64’が形成されると、処理ガスの供給が停止される。そして、ガス供給部16aからガス導入口34aを介してチャンバ30内に窒素ガスが供給され、チャンバ30内が窒素ガスでパージされる。この際には、チャンバ30の開放時にオゾン含有ガスが排気機構32から逆流してチャンバ30から排出されないように、排気機構32内からもオゾン含有ガスが完全に排出される。
【0077】
窒素ガスによるパージ処理が終了すると、チャンバ30の内圧が外気圧と同じであることが確認された後、下部容器41aと蓋体41bとのローラ59a・59bによる締め付けが解除され、蓋体41bとともに爪部材46に保持されたウエハWが上昇する。そして、ウエハ搬送アーム14aが下部容器41aと蓋体41bとの隙間に進入して、ウエハWは、爪部材46からウエハ搬送アーム14aに受け渡される。
【0078】
変性処理ユニット(VOS)15aでの変性処理が行われたウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dのいずれか、例えば洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aに搬送され、ここで洗浄処理が行われる。
【0079】
まず、ウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aのスピンチャック71に吸着される。そして、ウエハWを吸着したスピンチャック71が回転しながら、洗浄液/薬液供給部16bからスプレーノズル81cを介してウエハWに純水が供給される。これにより、図1(e)に示すように、レジスト膜63”および保護膜64’がウエハWから溶解除去される(工程4)。
【0080】
レジスト膜63”および保護膜64’が除去されると、ウエハWに、洗浄液/薬液供給部16bから薬液吐出ノズル81aを介してAPM薬液が供給され、洗浄液/薬液供給部16bからスプレーノズル81cを介して純水およびNガスの混合2流体が供給される。これにより、ウエハWに発生したパーティクルが除去される。次に、洗浄液/薬液供給部16bから薬液吐出ノズル81aを介してウエハWにHPM薬液が供給され、ウエハWから金属汚濁物が除去される。続いて、洗浄液/薬液供給部16bからスプレーノズル81cを介してウエハWに純水が供給され、ウエハWに水洗処理(リンス処理)が施され、最後に、スピンチャック71が高速回転して、ウエハWをスピン乾燥する。
【0081】
洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aでの処理が終了したウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって、必要に応じて、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれかに搬送されて加熱乾燥された後、ウエハ載置ユニット(TRS)13aに搬送され、そこからウエハ搬送装置7によってキャリアCの所定の位置に収容される。
【0082】
なお、工程2の後、工程3、4に代わって、工程3bが行われる場合には、レジスト膜63’にポッピングが生じたウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって、ホットプレートユニット(HP)19aから変性処理ユニット(VOS)15aを介さずに洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aに搬送される。
【0083】
ここで、ウエハWは、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12aのスピンチャック71に吸着され、ウエハWを吸着したスピンチャック71が回転しながら、洗浄液/薬液供給部16bから薬液吐出ノズル81aを介してウエハWにSPM薬液が供給される。これにより、レジスト膜63”および保護膜64’がウエハWから溶解除去される(工程3b)。なお、レジスト膜63”および保護膜64’の除去後には、前述のように、APM薬液および混合2流体の供給、HPM薬液の供給、純水の供給、スピン乾燥が順次行われる。
【0084】
次に、本発明に他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法について、基板処理システム100による方法とあわせて説明する。
図8は、本発明の他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【0085】
図8(a)は、図1(a)と同様の状態を示しており、同符号を付して説明を省略する。本実施形態においてレジスト膜63を除去するには、まず、図8(b)に示すように、例えば基板60の表面が覆われるように、レジスト膜63の表面にシュリンク材65を被覆する(工程1’)。シュリンク材65には、例えばSAFIER(登録商標)等の加熱収縮性を有する樹脂材料が用いられる。ここでは、シュリンク材65を、除去しやすいように極力薄く被覆することが好ましいが、加熱収縮の際にレジスト膜63の硬化層63aに十分な圧縮力および引張力が加わる程度の膜厚を有するように被覆する必要がある。基板処理システム100において、工程1’は、工程1と同様に、塗布装置101でスピン塗布により行われる。
【0086】
次に、図8(c)に示すように、シュリンク材65を加熱して収縮させ、シュリンク材65による圧縮力および引張力をレジスト膜63の硬化層63aに作用させて、レジスト膜63の硬化層63aにクラックを発生させる(工程2’)。符号63’,63a’,63b’はそれぞれ、加熱されてクラックが発生した後のレジスト膜、硬化層および未硬化部である。この際に、レジスト膜63を現像処理後の熱処理(ポストベーク)温度よりも高い温度で加熱して、レジスト膜63にポッピングを発生させれば、レジスト膜63の硬化層63aにより多くのクラックを発生させることができる(図8(c)はレジスト膜にポッピングも発生させた状態)。この場合には、工程1’において、シュリンク材65を、レジスト膜63の飛沫が突き破ってしまうことがない程度の膜厚を有するように被覆することが好ましい。基板処理システム100において、工程2’は、工程2と同様に、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれかで行われる。
【0087】
続いて、図8(d)に示すように、クラック発生後のレジスト膜63’とシュリンク材65とに、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスを供給して接触させることにより、レジスト膜63’およびシュリンク材65をそれぞれ、水溶性に変性させる(工程3’)。符号63”,63a”,63b”,65’はそれぞれ、水溶性に変性後のレジスト膜、硬化層、未硬化部およびシュリンク材である。基板処理システム100において、工程3’は、工程3と同様に、変性処理ユニット(VOS)15a〜15hのいずれかで行われる。
【0088】
そして、図8(e)に示すように、水溶性に変性したレジスト膜63”およびシュリンク材65’を純水洗浄により基板60から溶解除去する(工程4’)。なお、水溶性に変性したレジスト膜63”およびシュリンク材65’の除去には、純水に限らず、他の水系洗浄液または有機溶剤を用いてもよい。基板処理システム100において、工程4’は、工程4と同様に、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dのいずれかで行われ、その後に、前述のように、APM薬液および混合2流体の供給、HPM薬液の供給、純水の供給、スピン乾燥が順次行われる。
【0089】
本実施形態では、従来のレジスト膜の除去方法のように、プラズマアッシング等のアッシングを行わないため、基板60にダメージを与えてしまうといったことを回避することができる。そして、被覆したシュリンク材65の熱収縮性を利用してレジスト膜63の硬化層63aにクラックを発生させ、さらには、シュリンク材65で被覆された状態でレジスト膜63のポッピングを発生させるため、レジスト膜63の未硬化部63bの飛沫が基板60に付着することなく、レジスト膜63の硬化層63aを大きく破壊することができる。また、クラック発生後もシュリンク材65によって未硬化部63b’の大気との接触が抑止されるため、未硬化部63b’の硬化を抑止することができる。したがって、クラック発生後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまで処理ガスを浸透させることができ、これにより水溶性に変性したレジスト膜63”を、その後の純水洗浄によって基板60から完全に除去することが可能となる。
【0090】
なお、工程2’の後、工程3’、4’に代えて、硫酸および過酸化水素水を含むSPM薬液により、クラック発生後のレジスト膜63’と保護膜64とを基板60から除去してもよい(工程3b’)。この場合にも、クラック発生後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまでSPM薬液を浸透させることができるため、このレジスト膜63’を基板60から完全に除去することが可能となる。基板処理システム100において、工程3b’は、工程3bと同様に、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dのいずれかで行われる。
【0091】
次に、本発明にさらに他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法について、基板処理システム100による方法とあわせて説明する。
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【0092】
図9(a)は、図1(a)と同様の状態を示しており、同符号を付して説明を省略する。本実施形態においてレジスト膜63を除去するには、まず、図9(b)に示すように、例えば基板60の表面が覆われるように、レジスト膜63の表面に軟化材66を被覆する(工程1”)。軟化材66には、レジスト膜63の硬化層63aと接触した状態で加熱されると、硬化層63aから発生する酸と反応して架橋することにより、硬化層63aを軟化させる性質を有する樹脂材料、例えばAZ RELACS(商品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)が用いられる。ここでは、軟化材66を、除去しやすいように極力薄く被覆することが好ましいが、加熱の際にレジスト膜63の硬化層63aから発生する酸と十分に反応する程度の膜厚を有するように被覆する必要がある。基板処理システム100において、工程1”は、工程1と同様に、塗布装置101でスピン塗布により行われる。
【0093】
次に、図9(c)に示すように、軟化材66を加熱してレジスト膜63の硬化層63aから発生する酸と反応させることにより、硬化層63aを軟化させる(工程2”)。符号63’,63a’はそれぞれ、軟化後のレジスト膜および硬化層である。基板処理システム100において、工程2”は、工程2と同様に、ホットプレートユニット(HP)19a〜19dのいずれかで行われる。
【0094】
続いて、図9(d)に示すように、軟化後のレジスト膜63’と軟化材66とに、水蒸気およびオゾンを含む処理ガスを供給して接触させることにより、レジスト膜63’および軟化材66をそれぞれ、水溶性に変性させる(工程3”)。符号63”,63a”,63b”,66’はそれぞれ、水溶性に変性後のレジスト膜、硬化層、未硬化部および軟化材である。基板処理システム100において、工程3”は、工程3と同様に、変性処理ユニット(VOS)15a〜15hのいずれかで行われる。
【0095】
そして、図9(e)に示すように、水溶性に変性したレジスト膜63”および軟化材66’を純水洗浄により基板60から溶解除去する(工程4”)。なお、水溶性に変性したレジスト膜63”および軟化材66’の除去には、純水に限らず、他の水系洗浄液または有機溶剤を用いてもよい。基板処理システム100において、工程4”は、工程4と同様に、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dのいずれかで行われ、その後に、前述のように、APM薬液および混合2流体の供給、HPM薬液の供給、純水の供給、スピン乾燥が順次行われる。
【0096】
本実施形態では、従来のレジスト膜の除去方法のように、プラズマアッシング等のアッシングを行わないため、基板60にダメージを与えてしまうといったことを回避することができる。そして、レジスト膜63表面の硬化層63aを軟化させる作用を有する軟化材66をレジスト膜63に被覆して硬化層63aを軟化させるため、レジスト膜63内部の未硬化部63bが飛散することなく、レジスト膜63の表面の透水性を高めることができる。したがって、軟化後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまで処理ガスを浸透させることができ、これにより水溶性に変性したレジスト膜63”を、その後の純水洗浄によって基板60から完全に除去することが可能となる。
【0097】
なお、工程2”の後、工程3”、4”に代えて、硫酸および過酸化水素水を含むSPM薬液により、軟化後のレジスト膜63’と保護膜64とを基板60から除去してもよい(工程3b”)。この場合にも、軟化後のレジスト膜63’内部の基板60との境界部にまでSPM薬液を浸透させることができるため、このレジスト膜63’を基板60から完全に除去することが可能となる。基板処理システム100において、工程3b”は、工程3bと同様に、洗浄/薬液処理ユニット(CLM)12a〜12dのいずれかで行われる。
【0098】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。上記実施形態では、イオン注入により硬化したレジスト膜の除去について説明したが、これに限らず、表面に硬化層を有するレジスト膜の除去全般に適用することができる。また、上記実施形態では、基板としてシリコンウエハを例示したが、これに限らず、ガラス基板やセラミック基板であってもよい。さらに、上記実施形態では、レジスト膜および保護膜(またはシュリンク材あるいは軟化材)の変性処理、洗浄処理、薬液処理をそれぞれ同時に行ったが、これに限らず、別々に行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【図2】本発明に係るレジスト膜の除去方法を行う基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】基板処理システムの除去装置を示す概略平面図である。
【図4】基板処理システムの除去装置を示す概略正面図である。
【図5】基板処理システムの除去装置を示す概略背面図である。
【図6】除去装置の変性処理ユニット(VOS)を示す概略断面図である。
【図7】除去装置の洗浄/薬液処理ユニット(CLM)を示す概略断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るレジスト膜の除去方法の工程を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0100】
12a〜12d;洗浄/薬液処理ユニット(CLM)
15a〜15h;変性処理ユニット(VOS)
19a〜19d;ホットプレートユニット(HP)
60(W);基板(ウエハ)
63,63’,63”;レジスト膜
63a,63a’,63a”;硬化層
64,64’;保護膜
65,65’;シュリンク材
66,66’;軟化材
100;ウエハ処理システム
101;塗布装置
102;除去装置
111;プロセスコントローラ
112;ユーザインターフェース
113;記憶部




 

 


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