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発明の名称 載置台構造、載置台構造の製造方法及び熱処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−81391(P2007−81391A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2006−222057(P2006−222057)
出願日 平成18年8月16日(2006.8.16)
代理人 【識別番号】100090125
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 章弘
発明者 小松 智仁
要約 課題
セラミック製の載置台の割れや、これを支持する支柱との接合部の割れを防止することが可能な載置台構造を提供する。

解決手段
処理容器4内にて被処理体Wに対して所定の熱処理を施すために前記被処理体を載置するセラミック製の載置台32と、前記載置台を支持する支持手段31とを有する載置台構造において、前記載置台の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層54を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
処理容器内にて被処理体に対して所定の熱処理を施すために前記被処理体を載置するセラミック製の載置台と、
前記載置台を支持する支持手段とを有する載置台構造において、
前記載置台の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層を形成するように構成したことを特徴とする載置台構造。
【請求項2】
前記支持手段は、前記処理容器の底部より起立されたセラミック製の支柱よりなり、前記支柱の上端と前記載置台との接合部と、少なくとも前記支柱の上端部とを含む部分に、前記石英ガラスコーティング層を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の載置台構造。
【請求項3】
前記載置台には、前記被処理体を加熱するための加熱手段が埋め込まれていることを特徴とする請求項1または2記載の載置台構造。
【請求項4】
前記石英ガラスコーティング層は、該石英ガラスコーティング層を形成すべき表面部分に溶融状態の石英ガラスを軟化点以上の温度にて付着させ、前記溶融状態の石英ガラスを歪点以下の温度まで冷却することにより形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の載置台構造。
【請求項5】
前記セラミックの線膨張率は、前記石英ガラスコーティング層の線膨張率よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の載置台構造。
【請求項6】
前記セラミックは、窒化アルミニウム、アルミナ、炭化シリコンよりなる群より選択される1の材料よりなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の載置台構造。
【請求項7】
処理容器内にて被処理体に対して所定の熱処理を施すために前記被処理体を載置するセラミック製の載置台と、
前記載置台を支持する支持手段とを有する載置台構造の製造方法において、
前記載置台の表面に、溶融状態の石英ガラスを軟化温度以上の温度にて付着させる付着工程と、
前記溶融状態の石英ガラスを歪点以下の温度まで冷却することにより平面方向への圧縮応力が保持された状態の石英ガラスコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、
を有することを特徴とする載置台構造の製造方法。
【請求項8】
前記付着工程後に、前記溶融状態の石英ガラスを流動温度以上の温度まで昇温する昇温工程を行うことを特徴とする請求項7記載の載置台構造の製造方法。
【請求項9】
前記支持手段は、前記処理容器の底部より起立されたセラミック製の支柱よりなり、前記支柱の上端と前記載置台との接合部と、少なくとも前記支柱の上端部とを含む部分に、前記石英ガラスコーティング層を形成するようにしたことを特徴とする請求項7または8記載の載置台構造の製造方法。
【請求項10】
前記セラミックの線膨張率は、前記石英ガラスコーティング層の線膨張率よりも大きいことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の載置台構造の製造方法。
【請求項11】
排気可能になされた処理容器と、
前記処理容器内へ所定の処理ガスを供給するガス供給手段と、
請求項1乃至6のいずれかに記載の載置台構造と、
を備えたことを特徴とする熱処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の熱処理装置、載置台構造及び載置台構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体集積回路を製造するには、半導体ウエハ等の被処理体に、成膜処理、エッチング処理、熱処理、改質処理、結晶化処理等の各種の処理を繰り返し行なって、所望する集積回路を形成するようになっている。上記したような各種の処理を行なう場合には、その処理の種類に対応して必要な処理ガス、例えば成膜処理の場合には成膜ガスを、改質処理の場合にはオゾンガス等を、結晶化処理の場合にはN ガス等の不活性ガスやO ガス等をそれぞれ処理容器内へ導入する。
例えば半導体ウエハに対して1枚毎に熱処理を施す枚葉式の熱処理装置を例にとれば、真空引き可能になされた処理容器内に、例えば抵抗加熱ヒータを内蔵した載置台を設置し、この上面に半導体ウエハを載置した状態で所定の処理ガスを流し、所定のプロセス条件下にてウエハに各種の熱処理を施すようになっている。
【0003】
ところで、上記した載置台は、一般的には処理容器内にその表面を露出した状態で設置されている。このため、この載置台を構成する材料、例えばアルミニウム合金等の金属材料からこれに含まれる僅かな重金属等が熱によって処理容器内へ拡散して金属汚染等のコンタミネーションを発生する原因となっていた。このコンタミネーション等を抑制するために、最近にあっては、載置台自体をセラミック材で形成した構造が提案されている(特許文献1、2、3)。
このような載置台は、一般的にはセラミック材よりなる載置台の上面側に抵抗加熱ヒータを埋め込んで一体成形し、この載置台の裏面側に、同じくセラミック材よりなる支柱を接続して処理容器内に起立させて設置されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−252055号公報
【特許文献2】特開2001−250858号公報
【特許文献3】特開2003−289024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したようなセラミック材よりなる載置台は、アルミニウム合金でこれを形成した場合よりは、金属汚染等のコンタミネーションを比較的に良好に抑制することができる。
しかしながら、上記したセラミック材よりなる載置台は、セラミック材自体が比較的脆い材料であることから、昇降温の繰り返し等により熱応力が繰り返し加えられると、比較的容易に割れてしまう、という問題があった。
特に、上述したようにセラミック製の載置台は、その下面でセラミック製の支柱の上端と接合されているが、この接合部を基点として多くの割れ(クラック)が発生する、という問題があった。
【0006】
上記したような割れの発生を防止するために、上記特許文献2に開示されているように、載置台を支持するセラミック製の支持部材を複雑な形状に成形したり、或いは特許文献3に開示されているように、載置台と支持部材の接合部の外周を特定の曲率半径になるように形成することが行われているが、載置台等の割れを十分に抑制できるものではなかった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、セラミック製の載置台の割れや、これを支持する支柱との接合部の割れを防止することが可能な載置台構造、載置台構造の製造方法及び熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、セラミック製の載置台の割れについて鋭意研究した結果、セラミック製の載置台を形成する場合には面出し等を行うために必ず表面研磨加工を行い、また載置台と支柱との接合部もR(曲面)を出すために曲面加工を施すが、この際、微視的に僅かな傷が表面に付くことは避けられず、この傷を起点として割れが生じ、特に傷の方向と直交する方向に引張り力が作用すると、割れが生じ易くなる、という知見を得ることにより、本発明に至ったものである。
【0008】
すなわち、請求項1に係る発明は、処理容器内にて被処理体に対して所定の熱処理を施すために前記被処理体を載置するセラミック製の載置台と、前記載置台を支持する支持手段とを有する載置台構造において、前記載置台の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層を形成するように構成したことを特徴とする載置台構造である。
このように、載置台の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層を形成するようにしたので、石英ガラスコーティング層の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。
また石英ガラスコーティング層自体が各種のガスに対して耐腐食性が高いので、載置台のセラミック部材等が直接的にガスに晒されることがないので、載置台自体の寿命を長くすることができる。
【0009】
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記支持手段は、前記処理容器の底部より起立されたセラミック製の支柱よりなり、前記支柱の上端と前記載置台との接合部と、少なくとも前記支柱の上端部とを含む部分に、前記石英ガラスコーティング層を形成する。
このように、支柱の上端と載置台との接合部と、少なくとも支柱の上端部とを含む部分に、石英ガラスコーティング層を形成するようにしたので、この接合部の石英ガラスコーティング層の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。
また例えば請求項3に規定するように、前記載置台には、前記被処理体を加熱するための加熱手段が埋め込まれている。
【0010】
また例えば請求項4に規定するように、前記石英ガラスコーティング層は、該石英ガラスコーティング層を形成すべき表面部分に溶融状態の石英ガラスを軟化点以上の温度にて付着させ、前記溶融状態の石英ガラスを歪点以下の温度まで冷却することにより形成される。
また例えば請求項5に規定するように、前記セラミックの線膨張率は、前記石英ガラスコーティング層の線膨張率よりも大きくなされている。
また例えば請求項6に規定するように、前記セラミックは、窒化アルミニウム、アルミナ、炭化シリコンよりなる群より選択される1の材料よりなる。
【0011】
請求項7に係る発明は、処理容器内にて被処理体に対して所定の熱処理を施すために前記被処理体を載置するセラミック製の載置台と、前記載置台を支持する支持手段とを有する載置台構造の製造方法において、前記載置台の表面に、溶融状態の石英ガラスを軟化温度以上の温度にて付着させる付着工程と、前記溶融状態の石英ガラスを歪点以下の温度まで冷却することにより平面方向への圧縮応力が保持された状態の石英ガラスコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、を有することを特徴とする載置台構造の製造方法である。
【0012】
この場合、例えば請求項8に規定するように、前記付着工程後に、前記溶融状態の石英ガラスを流動温度以上の温度まで昇温する昇温工程を行うようにしてもよい。
また例えば請求項9に規定するように、前記支持手段は、前記処理容器の底部より起立されたセラミック製の支柱よりなり、前記支柱の上端と前記載置台との接合部と、少なくとも前記支柱の上端部とを含む部分に、前記石英ガラスコーティング層を形成するようにした。
また例えば請求項10に規定するように、前記セラミックの線膨張率は、前記石英ガラスコーティング層の線膨張率よりも大きい。
請求項11に係る発明は、排気可能になされた処理容器と、前記処理容器内へ所定の処理ガスを供給するガス供給手段と、前記載置台構造と、を備えたことを特徴とする熱処理装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る載置台構造、載置台構造の製造方法及び熱処理装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
請求項1、3〜11に係る発明によれば、載置台の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層を形成するようにしたので、石英ガラスコーティング層の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。
また石英ガラスコーティング層自体が各種のガスに対して耐腐食性が高いので、載置台のセラミック部材等が直接的にガスに晒されることがないので、載置台自体の寿命を長くすることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、支柱の上端と載置台との接合部と、少なくとも支柱の上端部とを含む部分に、石英ガラスコーティング層を形成するようにしたので、この接合部の石英ガラスコーティング層の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明に係る載置台構造、載置台構造の製造方法及び熱処理装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る熱処理装置を示す断面構成図である。
図示するようにこの熱処理装置2は、例えば断面の内部が略円形状になされたアルミニウム製の処理容器4を有している。この処理容器4内の天井部には必要な処理ガス、例えば成膜ガスを導入するためにガス供給手段であるシャワーヘッド部6が設けられており、この下面のガス噴射面8に設けた多数のガス噴射孔から処理空間Sに向けて処理ガスを吹き出すようにして噴射するようになっている。
【0016】
このシャワーヘッド部6内には、中空状の2つに区画されたガス拡散室12A、12Bが形成されており、ここに導入された処理ガスを平面方向へ拡散した後、各ガス拡散室12A、12Bにそれぞれ連通された各ガス噴射孔10A、10Bより吹き出すようになっている。このシャワーヘッド部6の全体は、例えばニッケルやハステロイ(登録商標)等のニッケル合金、アルミニウム、或いはアルミニウム合金により形成されている。尚、シャワーヘッド部6としてガス拡散室が1つの場合でもよい。そして、このシャワーヘッド部6と処理容器4の上端開口部との接合部には、例えばOリング等よりなるシール部材14が介在されており、処理容器4内の気密性を維持するようになっている。
【0017】
また、処理容器4の側壁には、この処理容器4内に対して被処理体としての半導体ウエハWを搬入搬出するための搬出入口16が設けられると共に、この搬出入口16には気密に開閉可能になされたゲートバルブ18が設けられている。
そして、この処理容器4の底部20に排気落とし込め空間22が形成されている。具体的には、この容器底部20の中央部には大きな開口24が形成されており、この開口24に、その下方へ延びる有底円筒体状の円筒区画壁26を連結してその内部に上記排気落とし込め空間22を形成している。そして、この排気落とし込め空間22を区画する円筒区画壁26の底部28には、これより起立させて本発明の特徴とする載置台構造29が設けられる。具体的には、この載置台構造29は、支持手段31として例えばセラミックよりなる円筒体状の支柱30と、この上端部に接合して固定される同じくセラミックよりなる載置台32とにより主に構成される。この載置台構造29の詳細については後述する。
【0018】
そして、上記排気落とし込め空間22の入口開口24は、載置台32の直径よりも小さく設定されており、上記載置台32の周縁部の外側を流下する処理ガスが載置台32の下方に回り込んで入口開口24へ流入するようになっている。そして、上記円筒区画壁26の下部側壁には、この排気落とし込め空間22に臨ませて排気口34が形成されており、この排気口34には、図示しない真空ポンプが介設された排気管36が接続されて、処理容器4内及び排気落とし込め空間22の雰囲気を例えば真空引きして排気できるようになっている。
【0019】
そして、この排気管36の途中には、開度コントロールが可能になされた図示しない圧力調整弁が介設されており、この弁開度を自動的に調整することにより、上記処理容器4内の圧力を一定値に維持したり、或いは所望する圧力へ迅速に変化させ得るようになっている。
また、上記載置台32は、加熱手段37として例えば内部に所定のパターン形状に埋め込まれた例えばカーボンヒータよりなる抵抗加熱ヒータ38を有している。そして、この載置台32の上面には、被処理体としての半導体ウエハWを載置し得るようになっている。また、上記抵抗加熱ヒータ38は支持手段31としての上記筒状の支柱30内に配設された給電線40に接続されて、電力を制御しつつ供給できるようになっている。尚、抵抗加熱ヒータ38は、例えば上記載置台32の中央部に位置する内側ゾーンと、その外側を同心円状に囲む外側ゾーンとに分割されており、各ゾーン毎に個別に電力制御できるようになっている。図示例では給電線40は2本しか記載していないが、実際には4本設けられることになる。また、上記支柱30は、一本に限定されず、これを複数本設けるようにしてもよい。
【0020】
上記載置台32には、この上下方向に貫通して複数、例えば3本のピン挿通孔41が形成されており(図1においては2つのみ示す)、上記各ピン挿通孔41に上下移動可能に遊嵌状態で挿通させた押し上げピン42を配置している。この押し上げピン42の下端には、円形リング形状の例えばアルミナのようなセラミックス製の押し上げリング44が配置されており、この押し上げリング44に、上記各押し上げピン42の下端が乗っている。この押し上げリング44から延びるアーム部45は、容器底部20を貫通して設けられる出没ロッド46に連結されており、この出没ロッド46はアクチュエータ48により昇降可能になされている。これにより、上記各押し上げピン42をウエハWの受け渡し時に各ピン挿通孔41の上端から上方へ出没させるようになっている。また、アクチュエータ48の出没ロッド46の容器底部の貫通部には、伸縮可能なベローズ50が介設されており、上記出没ロッド46が処理容器4内の気密性を維持しつつ昇降できるようになっている。
【0021】
ここで上記本発明の特徴とする載置台構造29について具体的に説明する。前述したように載置台32と支柱30は、共にセラミック材で形成されている。このセラミック材としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)を用いることができ、この載置台32の厚さは20mm程度に設定されている。そして、上記円板状の載置台32の下面の略中央部に、上記支柱30の上端部を接合している。この接合部52の表面は曲面状に成形されて”R”が付されており、容易に割れが生じないようにしている。
そして、この載置台32の表面及び、更にはここでは載置台32と支柱30との接合部52と、少なくとも支柱30の上端部とを含む部分の表面には、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層54が形成されている。具体的には、この石英ガラスコーティング層54は、上記載置台32の上面、側面及び裏面の全ての表面を覆って形成されている。また更には、載置台32のピン挿通孔41の内周面にもこれを覆って石英ガラスコーティング層54が形成されている。
【0022】
また、支柱30に関しては、上記載置台32との接合部52の曲面状になされた表面及び支柱30の上端部の表面全体を覆うように石英ガラスコーティング層54が一体的に形成されている。そして、上記石英ガラスコーティング層54が形成された部分のセラミック材には、反対に引張り方向の応力(引張り応力)が残留することになる。尚、支柱30に関しては、この上端部のみならず、支柱30の全体の表面に石英ガラスコーティング層54を形成するようにしてもよい。
この石英ガラスコーティング層54は、例えば厚さが0.01mm以上、例えば0.5mm程度に設定されており、上述したように、平面方向への圧縮応力が付与乃至保持された状態で形成することにより、載置台32自体や支柱30との接合部52に割れが発生することを防止するようになっている。ここで上記石英ガラスコーティング層54の厚さを0.01mmより薄くした場合には、石英ガラスコーティング層54を設けた効果を十分に発生できない。この場合、ここで使用される載置台32や支柱30の線膨張率は、上記石英ガラスコーティング層54の線膨張率よりも大きいものを用い、後述するように、これにより石英ガラスコーティング層54に圧縮応力が保持(残留)された状態となるようにすることができる。
【0023】
次に、上記石英ガラスコーティング層54の形成方法について説明する。図2はセラミック材よりなる部材の表面に、圧縮応力が残留するような状態で石英ガラスコーティング層54を施すための原理的な手順を示す工程図、図3は各種石英ガラスの粘度の温度依存性を示すグラフ、図4は各種石英ガラスの線膨張係数(線膨張率)の温度依存性を示すグラフである。尚、上記図3及び図4に示す各グラフの内容は、文献「石英ガラスの世界」(著者:葛生伸,1995年10月23日発行,ISBN4−7693−4100−8)に示されている。ここでは前述したように、セラミック材として窒化アルミニウムよりなる載置台32の裏面中央部に同じく窒化アルミニウムよりなる支柱30を接合した後、各部材の表面を平坦に研磨し、そして、接合部52の表面を曲面形状になるように研磨した後に、上記石英ガラスコーティング層54が形成される。図2中では上述のように圧縮応力が残留するような状態で石英ガラスコーティング層54を形成するための原理を示すものであり、ここでは載置台32の上面のみに石英ガラスコーティング層54を形成する場合を例にとって説明する。
【0024】
このような石英ガラスコーティング層54は、コーティングの対象となるセラミックと石英ガラスコーティング層54との線膨張率の差を利用して形成するものであり、具体的には、セラミックの線膨張率は石英ガラスコーティング層54の線膨張率よりも大きいものを用い、ここではその一例として上述のように例えば窒化アルミニウム(AlN)が用いられる。
破壊力学上の知見から、同じ長さの亀裂が表面に存在する試験片と内部に存在する試験片の破壊強度を比較すると、破壊強度は表面に亀裂が存在する試験片の方が小さくなってしまい、亀裂が内部に存在する試験片の破壊強度の約6割程度まで低下してしまう。この現象は表面効果と呼ばれる。例えば強化ガラスは表面効果を利用して熱処理により表面に圧縮方向の応力(圧縮応力)を残留させ、内部に引張り方向の応力(引張り応力)を残留させ、通常のガラスの数倍の強度を得ており、本発明ではこの表面効果を利用して石英ガラスコーティング層を形成することにより載置台32等の強化を図るようにしている。
【0025】
この図2に示す処理は、例えば真空中にて行われる。まず、図2(A)に示すように、室温状態で所定の長さの窒化アルミニウム製の載置台32がある。この窒化アルミニウムの焼結温度は1900℃前後である。そして、図2(B)に示すように、この載置台32を昇温して行き、この載置台32の表面に石英ガラス54Aを設ける。そして、更に図2(C)に示すように、この載置台32を昇温して石英ガラス54Aの軟化点以上の温度、例えば1720℃以上の温度に加熱する。この場合、好ましくは石英ガラス54Aの流動温度、例えば1800℃以上まで加熱する。すると、載置台32上の石英ガラス54Aは溶融状態となって粘性が低くなることから(例えば10 P以下)、平面方向へ流動して載置台32の表面に均一に広がって付着された状態、すなわちコーティングされた状態となる。
【0026】
図3は各種の溶融石英ガラス(電気溶融石英ガラス、酸水素溶融石英ガラス及び直接法合成石英ガラス)の粘度の温度依存性を示しており、温度が高くなる程、全てのガラスの粘度が低下しているのが判る。
尚、ここで載置台32を石英ガラス54Aの軟化点以上に加熱した後に、載置台32の表面に石英ガラス54Aを設けるようにしてもよい。この場合には、石英ガラス54Aは直ちに溶融して平面方向へ均一に広がることになる。
【0027】
このように、載置台32を図2(C)に示すように軟化点以上に加熱した状態で一定の時間、例えば15分程度保持した後に、図2(D)〜図2(F)に示すように、降温速度を管理しつつ室温まで除冷し、これにより均一に流動していた石英ガラス54Aは冷却されて石英ガラスコーティング層54となる。この降温速度は、セラミック製の載置台32や表面の石英ガラスコーティング層54が割れないような速度に設定する。
上記載置台32の除冷に際しては、溶融状態の石英ガラス54Aの歪点、例えば1120℃(図2(D)参照)までは、降温するに従って、セラミック製の載置台32と溶融状態の石英ガラス54Aは、共に内部応力を生ずることなく、それぞれの線膨張率に従って熱収縮して行く。
【0028】
そして、更に除冷されて載置台32の温度が歪点以下になると、両部材は更に熱収縮し、石英ガラス54Aの粘性率が極めて大きくなるため、内部応力が事実上緩和されない。図2(E)では、750℃まで除冷した状態を示している。ここで、歪点以下では石英ガラス54Aの線膨張率は約5.5×10−7/℃程度である。図4は各種の溶融石英ガラス(直接法合成石英ガラス及び不透明石英ガラス)の線膨張係数(線膨張率)の温度依存性を示しており、温度350〜700℃程度の範囲での全石英ガラスの平均の線膨張係数は約5.5×10−7/℃程度である。これに対して窒化アルミニウムの線膨張係数は約5.5×10−6/℃であり、上記石英ガラス54Aと比較すると一桁程度大きい。すなわち、石英ガラス54Aと比較して、セラミック製の載置台32の方がより多く熱収縮しようとする。従って、ここで載置台32と石英ガラス54Aとの間の線膨張率差に応じた応力が歪量として残存し、この結果、石英ガラス54Aには、矢印F1に示すような圧縮応力が付与され、これと同時にセラミック製の載置台32には矢印F2に示すような引張り応力が付与される。
【0029】
そして、載置台32が室温まで低下すると、更に両部材は熱収縮し、結果的に、上記両部材の線膨張率差に応じた圧縮応力F1及び引張り応力F2が、それぞれ石英ガラスコーティング層54及び載置台32に残留応力として残ることになる。このようにして、石英ガラスコーティング層54中に平面方向への圧縮応力が保持された状態にすることができる。
ここで、石英ガラスコーティング層54の厚さは、セラミック製の載置台32の厚さと比較して十分に小さいので、石英ガラスコーティング層54に残留する圧縮応力F1と比較して載置台32に残留する引張り応力F2は相対的に小さくなり、載置台32に悪影響を与えることはない。
【0030】
このように、載置台32の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層54を形成するようにしたので、石英ガラスコーティング層54の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層54には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。また石英ガラスコーティング層自体が各種のガスに対して耐腐食性が高いので、セラミック製の載置台自体が直接的にガスに晒されることがないので、載置台自体の寿命を長くすることができる。
また、支柱30の上端と載置台32との接合部52と、少なくとも支柱30の上端部とを含む部分に、石英ガラスコーティング層54を形成するようにしたので、この接合部52の石英ガラスコーティング層54の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層54には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。
またこの載置台32は、一般的なプロセス時には石英ガラス54Aの歪点以下の温度で使用されるので、上記残留応力である圧縮応力F1や引張り応力F2が緩和されて消失することはない。
【0031】
更には、副次的な効果として、載置台32や支柱30の上端部の周囲を石英ガラスコーティング層54で囲むようにしたので、窒化アルミニウムよりなる載置台本体や支柱本体をプロセスガスから遮断することができるので、窒化アルミニウム自体にはプロセスガスに対する耐腐食性は要求されず、この材料選定の幅を広げることができる。例えば耐腐食性は低いが、熱伝導率の高い窒化アルミニウムを載置台32の材料として選定することができる。
またプロセスガスによっては、石英ガラスコーティング層54を構成する石英ガラス自体が徐々に腐食される場合もあるが、この場合には、石英ガラスコーティング層54自体が透明材料であることから、載置台32自体の残り寿命を外観を観察することによって判定することもできる。
尚、上記熱処理装置の実施例においては、加熱手段37として載置台32に埋め込まれた抵抗加熱ヒータ38を用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、加熱手段37として加熱ランプを用いるようにしてもよい。
【0032】
図5は上述したような本発明の熱処理装置の変形例を示す構成図である。尚、図5中において、図1中に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。図5に示すように、この変形例においては、加熱手段37として、抵抗加熱ヒータ38(図1参照)に替えて複数の加熱ランプ60を設けている。具体的には、処理容器4の底部20に大口径の開口62を形成し、この開口62にOリング等のシール部材64を介して透明な石英板よりなる透過板66を設けている。
そして、この透過板66の下方にランプハウス68を設け、このランプハウス68内に、反射板を兼ねる回転台70に取り付けた状態で上記複数の加熱ランプ60が設けられている。この回転台70は、回転モータ72によって回転可能になされている。これにより、上記加熱ランプ60からの熱線が上記透過板66を透過して上方に位置する載置台76の裏面を照射し、載置台76をその裏面から加熱するようになっている。
【0033】
ここで載置台構造29は、支持手段31として容器底部に大口径の円筒状のリフレクタ74を配置し、内面が反射面となったリフレクタ74の上端より水平方向に延びる複数、例えば3本(図示例では2本のみ記す)の支持ロッド78で上記セラミック製の載置台76を支持する構造となっている。ここで上記載置台76の表面全体、すなわち上面、側面及び下面全体に、先の実施例と同様に石英ガラスコーティング層54が付着させて設けられている。本実施例では、上記載置台76を構成するセラミックとしては、光を透過しない黒色の窒化アルミニウムを用いることができ、また、厚さ自体は非常に薄く成形されており、例えば3〜4mm程度に設定されている。
【0034】
この変形例の場合も先の実施例と同様な作用効果を発揮することができ、載置台76の表面に、平面方向への圧縮応力が保持された状態で石英ガラスコーティング層54を形成するようにしたので、石英ガラスコーティング層54の表面に傷等が発生していても、この石英ガラスコーティング層54には圧縮応力が付与されているので、上記傷を起点として載置台自体に割れが発生することを防止することができる。また石英ガラスコーティング層自体が各種のガスに対して耐腐食性が高いので、セラミック製の載置台自体が直接的にガスに晒されることがないので、載置台自体の寿命を長くすることができる。
尚、上記実施例においては、セラミック材として窒化アルミニウムを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、アルミナ(Al )、炭化シリコン(SiC)等も用いることができる。
また、本発明が適用される熱処理としては、成膜処理、エッチング処理、改質処理、アニール処理等のウエハWを加熱処理する全ての熱処理が含まれる。
更には、被処理体としては半導体ウエハに限定されず、LCD基板、ガラス基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る熱処理装置を示す断面構成図である。
【図2】セラミック材よりなる部材の表面に圧縮応力が残留するような状態で石英ガラスコーティング層をコーティング施すための原理的な手順を示す工程図である。
【図3】各種石英ガラスの粘度の温度依存性を示すグラフである。
【図4】各種石英ガラスの線膨張係数の温度依存性を示すグラフである。
【図5】本発明の熱処理装置の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0036】
2 熱処理装置
4 処理容器
6 シャワーヘッド部(ガス供給手段)
29 載置台構造
30 支柱
31 支持手段
32 載置台
37 加熱手段
38 抵抗加熱ヒータ
54 石英ガラスコーティング層
54A 石英ガラス
60 加熱ランプ
74 リフレクタ
76 載置台
78 支持ロッド
F1 圧縮応力
F2 引張り応力
W 半導体ウエハ(被処理体)





 

 


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