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発明の名称 基板処理装置およびそれに用いる基板載置台
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−67394(P2007−67394A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2006−214444(P2006−214444)
出願日 平成18年8月7日(2006.8.7)
代理人 【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
発明者 村上 誠志 / 生越 啓
要約 課題
ウエハを支持するサセプタにプリコートを施した場合でも、その上のウエハの温度を均一にすることができる基板処理装置およびそれに用いられるサセプタを提供する。

解決手段
サセプタ12のウエハ支持面の中央部の周囲に、環状の凹部12aが形成されている。凹部12aは、サセプタ12の中央部の中央凸部12bと、サセプタ12の周縁部の周縁凸部12cとの間の溝として形成されている。この凹部12aにより、載置されたウエハWとサセプタ12との間に、チャンバ内の圧力に応じて、支持されたウエハWの面内温度が均一になるような空間が形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
チャンバと、
前記チャンバ内を減圧する排気手段と、
前記チャンバ内で基板を支持する基板載置台と、
前記基板載置台を介して基板を加熱する加熱手段と
を有し、基板に対する熱処理または基板を加熱しつつ所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板載置台の基板支持面の中央部の周囲に、凹部を形成したことを特徴とする、基板処理装置。
【請求項2】
前記基板支持面は、前記基板載置台の中央部に形成され、基板を支持する第1の面と、該基板載置台の周縁部に形成され、基板を支持する第2の面と、を有しており、前記第1の面と前記第2の面との間に前記凹部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記チャンバ内の圧力に応じて、支持された基板の面内温度が均一になるような形状で設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記凹部により、前記基板支持面の中央部の中央凸部と、前記基板支持面の周縁部の周縁凸部とが区画され、前記基板載置台に基板を載置した状態で、前記中央凸部と前記周縁凸部との間に環状の空間が形成されることを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板載置台は、その中央部において支持部材により支持されており、前記中央凸部は、前記支持部材の断面に略対応する領域に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記加熱手段は、前記基板載置台内に埋設された抵抗ヒーターを有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記抵抗ヒーターは、前記基板載置台の中央側の領域に配備された第1のヒーターと、前記第1のヒーターよりも外側の領域に配備され、該第1のヒーターとは独立して制御される第2のヒーターと、を有することを特徴とする、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記凹部の底面には、段差が設けられていることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
減圧下に保持されたチャンバ内で基板を支持し、加熱手段により加熱されてその熱により基板を加熱する基板載置台であって、
前記基板載置台の基板支持面の中央部の周囲に、凹部を形成したことを特徴とする、基板載置台。
【請求項10】
前記基板支持面は、前記基板載置台の中央部に形成され、基板を支持する第1の面と、該基板載置台の周縁部に形成され、基板を支持する第2の面と、を有しており、前記第1の面と前記第2の面との間に前記凹部が形成されることを特徴とする、請求項9に記載の基板載置台。
【請求項11】
前記凹部は、前記チャンバ内の圧力に応じて、支持された基板の面内温度が均一になるような形状で設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の基板載置台。
【請求項12】
前記凹部により、前記基板支持面の中央部の中央凸部と、前記基板支持面の周縁部の周縁凸部とが区画され、前記基板載置台に基板を載置した状態で、前記中央凸部と前記周縁凸部との間に環状の空間が形成されることを特徴とする、請求項9または請求項11に記載の基板載置台。
【請求項13】
前記基板載置台は、その中央部において支持部材により支持されており、前記中央凸部は、前記支持部材の断面に略対応する領域に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の基板載置台。
【請求項14】
内部に抵抗ヒーターが埋設され、これに通電されることにより加熱されることを特徴とする、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の基板載置台。
【請求項15】
前記抵抗ヒーターは、前記基板載置台の中央側の領域に配備された第1のヒーターと、前記第1のヒーターよりも外側の領域に配備され、該第1のヒーターとは独立して制御される第2のヒーターと、を有することを特徴とする、請求項14に記載の基板載置台。
【請求項16】
前記凹部の底面には、段差が設けられていることを特徴とする、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の基板載置台。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ等の基板に対する熱処理または基板を加熱しつつCVD等の所定の処理を行う基板処理装置およびそれに用いる基板載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)に成膜処理、エッチング処理等の種々のガス処理が施される。これらの中で、例えばTi,TiN,W等のCVD成膜処理では、ウエハをセラミック製や金属製のサセプタに載置した状態で抵抗ヒーターまたはランプによってウエハを例えば500〜700℃程度まで加熱する。
【0003】
この場合に、処理の均一化の観点からウエハ温度の面内分布を均一にする必要があり、そのためにはサセプタ温度を均一に制御することが考えられるが、通常のサセプタでは、周縁部(エッジ部)側の熱の逃げが大きいため、サセプタのウエハ支持面の温度分布は、相対的に中央部が高く、周縁部が低くなる。また、サセプタに対向配備されるシャワーヘッドからの反射熱も、中央部の方が大きく周縁部側が少ない。その結果、実際にはウエハの中央部の温度が上昇しやすくなり、ウエハ面内での均一な温度分布が得られない。
【0004】
このような理由から、ウエハ面内で均一な温度を得るためには、サセプタの中央部と周縁部とで意図的に温度差を生じさせる必要がある。そして、抵抗ヒーターによる加熱の場合には、ヒーターを複数のゾーン例えば中央部と周縁部とに分離して配備し、各ゾーンのヒーターのパワーを個別に制御することによって、ウエハ面内温度が均一になるように制御している。しかしながら、セラミック製のサセプタの場合、中央部と周縁部との温度差が大きくなり過ぎると、熱応力によりサセプタにクラックが入ったり、破損するという問題が生じる。従って、ヒーターをサセプタの中央部と周縁部とに別々に配置して温度制御する場合においても、ヒーターのみによって非常に高い均熱性が得られるように温度制御することは困難である。図21は従来のサセプタを使用してウエハを加熱した場合のウエハ面内温度の測定結果を示している。ウエハ面内の温度分布としては、図21に四角印のプロットで示すように、周縁部に比べて中央部の温度が高くなる傾向があった。
【0005】
このため、ウエハの温度を均一にする目的で、サセプタのウエハ支持面に、サセプタの中央の深さが最も大きく、中央から周縁部に向けて浅くなるような形状の凹部を形成することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−52098号公報(特許請求の範囲など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サセプタをはじめとするチャンバ内部品には、その構成金属元素によるウエハへの汚染を回避するため、通常、成膜処理の前にプリコートが行なわれている。サセプタにプリコートを行う場合には、サセプタにウエハを載置しない状態でサセプタ面にプリコート膜を成膜する。この場合、サセプタのウエハ載置領域を含む全表面にプリコート膜が形成されることになる。このため、サセプタ表面からの熱輻射が全体的に抑制される。
【0007】
ところが、通常サセプタは、その中央部に配設された支持部材に支持され、チャンバ底部に連結されているため、この支持部材の取付け部からの熱逃げは、プリコート膜の形成前後で変化しない。このため、支持部材の上方にあたるウエハ支持面の中央部の温度は、下方(支持部材側)への熱伝導により低下する。その結果、ウエハ支持面の中央部の温度は、ウエハ支持面の他の領域に比べて大幅に低下する結果となり、これがウエハ面内の温度に反映されて面内温度の不均一が生じる。
【0008】
この場合、支持部材の取付け部からの熱逃げが大きいため、中央部(内側)のヒーターのパワーを少し上げて、周縁部(外側)とのパワー比を制御することが行われる。しかし、プリコート膜が形成されていると、周縁部(外側)はプリコート膜により保温された状態となるが、中央部(内側)は特に支持部材の取付け部から熱が逃げていくため、ウエハの中央部の温度が低くなる。つまり、ウエハの中央部と周縁部との温度差をなくすために、中央部と周縁部のヒーターのパワー比を、サセプタにクラックや破損が生じない程度に制御すると、例えば図21に黒丸印のプロットで示すように、ウエハの中央部と周縁部の温度に対して、両者の中間領域の温度が高い面内温度分布になってしまうという課題があった。このようにして発生するウエハ面内温度の不均一は、プリコート膜によりサセプタからの熱放射が抑制された場合に顕在化するものである。
【0009】
従って、本発明は、ウエハを支持する基板載置台にプリコートを施した場合でも、ウエハの面内温度を均一にすることができる基板処理装置およびそれに用いられる基板載置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、
チャンバと、
前記チャンバ内を減圧する排気手段と、
前記チャンバ内で基板を支持する基板載置台と、
前記基板載置台を介して基板を加熱する加熱手段と
を有し、基板に対する熱処理または基板を加熱しつつ所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板載置台の基板支持面の中央部の周囲に、凹部を形成したことを特徴とする、基板処理装置を提供する。
【0011】
また、本発明の第2の観点は、減圧下に保持されたチャンバ内で基板を支持し、加熱手段により加熱されてその熱により基板を加熱する基板載置台であって、
前記基板載置台の基板支持面の中央部の周囲に、凹部を形成したことを特徴とする、基板載置台を提供する。
【0012】
上記第1の観点および第2の観点では、基板支持面の中央部の周囲に凹部を形成するようにした。すなわち、プリコート膜を形成した場合に相対的に基板温度が低くなる基板載置台の中央部と、基板載置台の周縁部との間に凹部を形成したので、この部分は基板載置台と基板との間の距離(ギャップ)の増加によって基板載置台からの熱伝達の効果が抑制される。従って、基板の中央部と周縁部との間の中間領域の温度を下げ、面内温度を均一化させることができる。
【0013】
前記基板支持面は、前記基板載置台の中央部に形成され、基板を支持する第1の面と、該基板載置台の周縁部に形成され、基板を支持する第2の面と、を有しており、前記第1の面と前記第2の面との間に前記凹部が形成されることが好ましい。前記凹部は、前記チャンバ内の圧力に応じて、支持された基板の面内温度が均一になるような形状で設けられていることが好ましい。これにより、基板の面内温度をより確実に均一化することができる。基板載置台に基板を載置した際に、微視的に見れば基板載置台と基板との間には僅かな隙間が形成されている。このような状況において基板の加熱は、基板載置台からの熱輻射による熱伝達とガス分子によるガス伝熱効果によってなされる。この際のガス伝熱効果は、チャンバ内の圧力によって大きく変化する。また、ガス分子による熱伝達効果もガス圧力(分圧)によって変化するから、処理の際のガス圧力(分圧)に応じて凹部の形状、例えばギャップを調整すれば、基板載置台の温度が不均一になるような制御を行うことなく基板温度を均一にすることができる。
【0014】
また、前記凹部により、前記基板支持面の中央部の中央凸部と、前記基板支持面の周縁部の周縁凸部とが区画され、前記基板載置台に基板を載置した状態で、前記中央凸部と前記周縁凸部との間に環状の空間が形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記基板載置台は、その中央部において支持部材により支持されており、前記中央凸部は、前記支持部材の断面に略対応する領域に形成されていることが好ましい。これにより、支持部材を介しての放熱による基板中央部の温度低下を抑制しつつ、その周辺の温度を低下させることができる。
【0016】
また、前記加熱手段は、前記基板載置台内に埋設された抵抗ヒーターを有することが好ましい。
【0017】
また、前記抵抗ヒーターは、前記基板載置台の中央側の領域に配備された第1のヒーターと、前記第1のヒーターよりも外側の領域に配備され、該第1のヒーターとは独立して制御される第2のヒーターと、を有することが好ましい。また、前記凹部の底面には、段差が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基板載置台の基板支持面の中央部の周囲に凹部を形成したので、基板面内の温度の均一化を図ることができる。基板載置台から基板への熱伝達は、基板載置台と基板との間の距離によって変化するから、元々熱逃げが多く温度が低くなりやすい基板載置台の周縁部と、プリコートを施した場合に温度が低くなりやすい基板載置台の中央部との間に凹部を形成することにより、この部分からの基板への熱伝達を抑制できる。これにより、基板面内の温度を均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る成膜装置を示す断面図である。この成膜装置100は、TiN膜またはTi膜を成膜するためのものであり、略円筒状のチャンバ11を有している。チャンバ11の内部には、被処理基板であるウエハWを水平に支持するための円盤状のサセプタ12がその中央下部に設けられた円筒状の支持部材13により支持された状態で配置されている。サセプタ12は、例えば、Al、AlN等のセラミック製であり、ここではAlNが用いられる。後で詳細に説明するように、そのウエハ支持面の中央部の外側に凹部12aが形成されている。サセプタ12の外縁部にはウエハWをガイドするためのガイドリング14が設けられている。
【0020】
また、サセプタ12には加熱手段としてのヒーター15aおよびヒーター15bが埋め込まれている。ヒーター15aは、サセプタ12の主として中央部を加熱するための抵抗加熱ヒーターとして構成されており、給電線17aによりヒーター電源16aと電気的に接続されている。また、ヒーター15bは、サセプタ12の主として周縁部を加熱するための抵抗加熱ヒーターとして構成されており、給電線17bにより、ヒーター電源16aと電気的に接続されている。ヒーター15aおよび15bは、例えばコイル状ヒーターまたはパターンヒーターとして構成されている。これらのヒーター15a,15bへの電力供給は、それぞれ独立して給電されることにより加熱温度が制御される構成になっており、これによって被処理基板であるウエハWを所定の温度に加熱する。
また、サセプタ12には熱電対16bが配備され、サセプタ12の温度を検知してヒーター電源16aにフィードバックすることにより温度制御が行なわれる。
【0021】
図示しないが、サセプタ12の表面近傍には、W、Mo等の金属や合金からなる電極が埋設されており、プラズマ処理する際にプラズマの安定性を維持するために用いられる。また、この電極に高周波電源を接続して所定の周波数の高周波バイアスを印加することにより成膜分子をウエハWに引き込んでホール内の膜形成を効果的に行うことができる。
【0022】
チャンバ11の天壁11aには、絶縁部材19を介してシャワーヘッド20が設けられている。このシャワーヘッド20は、上段ブロック体20a、中段ブロック体20b、下段ブロック体20cで構成されている。下段ブロック体20cにはガスを吐出する吐出孔27と28とが交互に形成されている。上段ブロック体20aの上面には、第1のガス導入口21と、第2のガス導入口22とが形成されている。上段ブロック体20aの中では、第1のガス導入口21から多数のガス通路23が分岐している。中段ブロック体20bにはガス通路25が形成されており、上記ガス通路23が水平に延びる連通路23aを介してこれらガス通路25に連通している。さらにこのガス通路25が下段ブロック体20cの吐出孔27に連通している。また、上段ブロック体20aの中では、第2のガス導入口22から多数のガス通路24が分岐している。中段ブロック体20bにはガス通路26が形成されており、上記ガス通路24がこれらガス通路26に連通している。さらにこのガス通路26が中段ブロック体20b内に水平に延びる連通路26aに接続されており、この連通路26aが下段ブロック体20cの多数の吐出孔28に連通している。そして、上記第1および第2のガス導入口21,22は、それぞれガスライン31および32に接続されている。
【0023】
ガス供給機構30は、ここでは図示しないが、成膜ガス、キャリアガス、クリーニングガスのガス供給源、ガス配管、およびマスフローコントローラーを有し、プロセス時には、ガスライン31およびガス導入口21を介してNガス等のキャリアガスとともにTi含有ガスであるTiClガスをシャワーヘッド20へ供給し、ガスライン32およびガス導入口22を介してNガス等の希釈ガスとともに還元ガスであるNHガス(TiN膜成膜時)またはHガス(Ti膜成膜時)をシャワーヘッド20へ供給するようになっている。ガス導入口21からシャワーヘッド20内へ導入されたTiClガスはガス通路23,25を経て吐出孔27からチャンバ11内へ吐出される一方、ガス導入口22からシャワーヘッド20内へ導入されたNHガスまたはHガスはガス通路24,26を経て吐出孔28からチャンバ11内へ吐出される。すなわち、シャワーヘッド20は、TiClガスと還元ガスであるNHガスまたはHガスとが全く独立してチャンバ11内に供給されるポストミックスタイプとなっており、これらは吐出後に混合され反応が生じる。なお、シャワーヘッド20は、プリミックスタイプとしてもよい。チャンバ11のクリーニング時には、ガス供給機構30からクリーニングガスとして例えばClFガスがガスライン31およびシャワーヘッド20を介してチャンバ11内に供給される。
【0024】
シャワーヘッド20には、整合器33を介して高周波電源34が接続されており、必要に応じてこの高周波電源34からシャワーヘッド20に所定周波数の高周波電力が供給されるようになっている。Ti膜を成膜する場合は、TiClとHとの成膜反応の反応性を高めるために、高周波電源34から高周波電力を供給することにより、シャワーヘッド20を介してチャンバ11内に供給されたガスをプラズマ化してプラズマCVD成膜することも可能である。
【0025】
チャンバ11の底壁11bの中央部には円形の穴35が形成されており、底壁11bにはこの穴35を覆うように下方に向けて突出する凹状の排気室36が設けられている。排気室36の側面には排気管37が接続されており、この排気管37には排気装置38が接続されている。そしてこの排気装置38を作動させることによりチャンバ11内を所定の真空度まで減圧することが可能となっている。
【0026】
サセプタ12には、ウエハWを支持して昇降させるための3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン39がサセプタ12の表面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ支持ピン39は支持板40に固定されている。そして、ウエハ支持ピン39は、エアシリンダ等の駆動機構41により支持板40を介して昇降される。
【0027】
チャンバ11の側壁には、隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口42と、この搬入出口42を開閉するゲートバルブ43とが設けられている。
【0028】
上記サセプタ12のウエハ支持面の中央部の周囲には、環状の凹部12aが形成されている。サセプタ12のウエハ支持面に凹部12aを形成することにより、ウエハWの中央部と、周縁部と、その間の中間領域(凹部形成領域)との温度差を小さくした状態を形成することができる。これにより、ウエハWの温度を均一にすることができる。
すなわち、凹部12aを形成すれば、その部分はサセプタ12からの熱伝達が抑制されるため、温度が高くなりやすいウエハWの中間領域(ウエハWの中央部と周縁部との間)の温度を凹部12aがない場合に比べて低くすることができる。よって、このような凹部12aを設けることにより、ウエハWの面内温度分布を均一化することができる。この場合に、サセプタ12からの熱伝達によるウエハWの加熱効果は、サセプタ12とウエハWとの距離(ギャップ)によって変化するので、ウエハWとサセプタ12との間に、サセプタ12に載置されたウエハWの面内温度が均一になるような空間領域を形成できるように、凹部12aの形状や大きさ、深さ(つまり、ギャップ)を設定できる。ギャップは、1mm以下、例えば0.01mm〜1mmの範囲に設定することが好ましい。
この凹部12aにおいては、載置されたウエハWとサセプタ12との間に、チャンバ11内の圧力に応じて、支持されたウエハWの面内温度が均一になるような空間が形成されている。そして、その空間の内部の圧力とチャンバ11内の圧力は略同じになっている。
【0029】
凹部12aは、例えば図2に示すように、サセプタ12の中央部の中央凸部12bと、サセプタ12の周縁部の周縁凸部12cとの間に均一な深さの溝として形成されている。これにより、中央凸部12bの頂部には、ウエハWの中央部を支持する第1の支持面Sが形成され、周縁凸部12cの頂部には、ウエハWの周縁部を支持する第2の支持面Sが形成される。凹部12aは、サセプタ12からウエハWへの熱伝達を調節し、ウエハWの面内温度を均一化するように作用する。また、サセプタ12の中央部を囲むように環状に凹部12aを形成することにより、その内側の中央凸部12bからウエハWの中央部への熱伝達が維持される。プリコート膜を形成した場合には、支持部材13への放熱の影響が顕在化し、サセプタ12の中央部の温度低下が起こり、これに伴いウエハWの中央部の温度も低下するが、凹部12aを形成し、この部分からのウエハWへの熱伝達を抑制することにより、ウエハWの中央部と周縁部との間の中間領域の温度を低下させ、ウエハ面内の温度を略均一にすることができる。
【0030】
凹部12aは、支持部材13の径Dに対して中央凸部12bの径Dが略同等か、径Dが径Dに対して僅かに大きくなるように形成することが好ましい。つまり、凹部12aの内周端を、支持部材13の外周の直上もしくは若干外側に位置させることが好ましい。中央凸部12bは、サセプタ12の下面を支持する支持部材13により、熱の逃げが促進される部分であるから、中央凸部12bの面積を、支持部材13の断面積に略対応させることが好ましい。また、凹部12aの面積も、支持部材13の断面積に応じて決定することが好ましい。例えば、支持部材13の断面積を小さくして、熱の逃げを小さくすることが好ましく、これにより凹部12aの形成領域も小さくすることができる。
凹部12aは、サセプタ12の温度が最も高くなりやすい領域、例えばヒーターを内側と外側の2ゾーンに形成する場合には、内側のヒーター15aに重なるように凹部12aを形成してもよく、また、凹部12aは、ヒーター15aとヒーター15bとの間の領域に重なるように形成してもよい。
また、凹部12aの外縁、すなわち周縁凸部12cとの境界(周縁凸部12Cの内周)は、サセプタ12の径にもよるが、ウエハWの外周よりも1〜30mm内側に位置するように設定することが好ましい。
【0031】
なお、ウエハWの面内温度に所望の均一性が得られれば、凹部(溝)の形状は、図2に示す態様(凹部12a)には限定されない。例えば図3に示す凹部112aのように、サセプタ12の中央側から周縁部側に向かうに従い曲面状(例えばすり鉢状)に浅くなるように形成してもよく、あるいは、例えば図4に示す凹部112bのように、サセプタ12の中央側から周縁部側に向かうに従い断面視階段状に浅くなるような形状であってもよい。
また、例えば図5に示すように、サセプタ12の中央側から周縁部側に向かうに従い直線的に浅くなる凹部112cであってもよいし、さらには、例えば図6に示すように、サセプタ12の中央部側から周縁部側に向かうに従い一旦は深くなり、さらに周縁部側にいくほど浅くなるような断面視V字形の凹部112dであってもよい。
【0032】
またさらに、凹部の底面に環状に高低差(段差)が形成された形状であってもよく、例えば図7に示すように、サセプタ12の中央部側から周縁部側に向かうに従い、第1底部113、第2底部114、第3底部115が形成された形状の凹部112eを設けてもよい。この場合、凹部112eの深さは、第3底部115が最も浅く、第2底部114が最も深く、第1底部113は第2底部114と第3底部115との中間の深さに形成されている。各底部の深さは、平面状態のサセプタ12を用いてウエハWを加熱し、ウエハWの温度分布を測定することにより決定することができる。すなわち、ウエハW面内で温度が高い部分に対応するサセプタ12上の領域では凹部を深く形成してギャップを大きくし、ウエハW面内で温度が低い部分に対応するサセプタ12上の領域では凹部を浅く形成してギャップを小さく設定すればよい。
なお、図2〜図7では、各凹部の深さを強調して描いている。また、例示した凹部12a,112a,112b,112c,112d,112eにおいて、各凹部の隅をなす角部を丸め(面取り)加工をしておくことが好ましい。
【0033】
凹部12a(112a,112b,112c,112d,112e)の深さとウエハWへの熱伝達量には相関関係があり、さらにチャンバ内圧力が高いほどガス分子による熱伝達効率が高まるので、凹部12aの深さが同じでもウエハWへ熱が伝わりやすくなる。従って、予めチャンバ内のガス圧力に応じて凹部12aの深さ(すなわち、空間の高さ)と熱伝達量との関係を把握しておけば、そのプロセスに最適な凹部12aの深さや形状を選択することができる。
【0034】
また、サセプタ12に凹部12aを設けることに加え、ヒーターを例えば図1のように内側のヒーター15aと外側のヒーター15bとに区別して配備し、各ヒーター15aと15bとをそれぞれ別々にパワー制御して温度分布の微調整を行なっても、サセプタ12にクラックや破損を生じさせることなく、より高精度な温度制御を行うことができる。ヒーターとしては、図1のように別々に2つに配置した態様である必要はなく、単一のヒーターであってもよい。なお、ヒーターが単一である場合でも、あるいは2つ以上の複数である場合でも、例えば300mm以上の大径ウエハWでは、面内温度の均一性を維持することが困難であり、また、サセプタのヒーターパターンやコイルの巻き数の調整も難しく、サセプタ(セラミックスヒータ)の均熱性の微調整が困難となるので、本発明のように凹部12aを設けてウエハW面内の温度制御を行うことが特に効果的である。
【0035】
図8は、支持部材13の内部構造を示す要部断面図である。支持部材13は、主要な構成として、サセプタ12を支持する略円筒状の支持体50と、該支持体50の下部に配設されたニッケル、アルミ、SUS等の材質からなる取付プレート51と、該取付プレート51に取付られた端子ボックス52と、を備えている。
【0036】
取付プレート51とアルミ等の材質の端子ボックス52とは、例えば螺子止め等の手段により固定されており、さらに取付プレート51は押えリング53によって固定されている。支持体50と取付プレート51とは、支持体50と取付プレート51の各々の面で面シールによりシールされ、取付プレート51は、端子ボックス52のフランジ52aとOリングによりシールされている。ニッケル、アルミ、SUS等の材質からなる端子ボックス52のフランジ52aは、排気室36の底壁36aに図示しない固定手段により気密に固定されている。
支持体50は、腐食性ガス耐性およびプラズマ耐性に優れた材料、例えばAl、AlN、SiCやグラファイトなどのセラミック材料から構成することができる。ここでは、窒化アルミを使用している。
【0037】
略円筒状をした支持体50の内部には、給電線17a、給電線17bおよび熱電対(TC)16bに給電する熱電対用給電線57が配設されている。給電線17a,17bは、それぞれの周囲が絶縁材料(例えばAlなどのセラミックスなど)からなる被覆部54により絶縁被覆されている。給電線17a,17bの上部は、絶縁板55を貫通してサセプタ12内に挿入されている。なお、給電線17a,17bおよび熱電対用給電線57は、互いに接触しないように支持されている。
図9(a)は、サセプタ12に埋設されたヒーター15a,15bの配置例を示す水平断面図である。給電線17aの先端は、接続部18a,18bにおいて内側のヒーター15aと接続している。また、給電線17bは、サセプタ12内で横方向に折曲し、接続部18c,18dにおいて外側のヒーター15bと接続している。熱電対用給電線57の上端は、サセプタ12内に挿通されている。
なお、サセプタ12に埋設されたヒーターとしては、例えば図9(b)に示すようなコイルヒーター15c,15dを用いることも可能である。内側のコイルヒーター15cは、給電線17aの先端と接続部18e,18fにおいて接続し、また、外側のコイルヒーター15dは、給電線17bの先端と接続部18g,18hにおいて接続するように配備される。
【0038】
給電線17a,17bおよび熱電対用給電線57の下端は、取付プレート51および端子ボックス52の壁を貫通して端子ボックス52内に挿入されている。この端子ボックス52内で給電線17a,17bは、ヒーター電源16aからの接続端子58a,58bと接続されている。なお、図8において符号56aは、絶縁材料(例えばAlなどのセラミックスなど)からなり、接続端子58a,58bを固定する固定具である。同様に、符号56bは、絶縁材料(例えばAlなどのセラミックスなど)からなり、給電線17a,17bを固定する固定具である。
【0039】
次に、このような成膜装置100の成膜動作について説明する。
まず、チャンバ11内にウエハWが存在しない状態で、TiClガスおよびNHガス等の還元ガスを導入してサセプタ12の表面に対するプリコート膜形成処理を行う。
【0040】
プリコート処理が終了後、TiClガスおよび還元ガスを停止し、排気装置38によりチャンバ11内を急激に真空排気して引き切り状態とし、ゲートバルブ43を開にして、搬入出口42を介してウエハ搬送装置によりウエハWをチャンバ11内へ搬入し、サセプタ12上に載置する。そして、チャンバ11内にNガスを供給してウエハWを予備加熱してウエハの温度がほぼ安定した時点で、Nガス、還元ガスであるNHガスまたはHガス、およびTiClガスを所定流量で導入する。この際、排気ラインにプリフローを行った後、前記ガスをシャワーヘッド20を介して所定流量でチャンバ11内に導入し、チャンバ11内の圧力を所定値に維持しつつ、ヒーター15a,15bにヒーター電源16aから所定のパワー比で個別に給電を行うことにより、ウエハWの面内温度が均一になるように加熱する。このようにして、ウエハW上にTiN膜を成膜する。この際の基板の加熱温度は400〜700℃程度、好ましくは600℃程度である。Ti膜を成膜する際には、高周波電源34から高周波電力を供給してガスをプラズマ化してもよい。このようにプラズマを形成する場合には、ガスの反応性が高いのでウエハWの温度は300〜700℃とすることが好ましく、より好ましくは400〜600℃程度とすることができる。
【0041】
次に、本発明の効果を確認した試験結果について、図10および図11を参照しながら説明する。図10(a)は従来のサセプタ120にプリコート膜を形成する前の状態、図10(b)は従来のサセプタ120にプリコート膜を形成した状態、図10(c)は凹部12aを形成したサセプタ12にプリコート膜を形成した状態をそれぞれ示す。各図に示す1,3,5,7,9,11および13の数字は、熱電対(TC)付ウエハを用いてウエハW上の温度測定をした際の測定ポイントを意味しており、図11の各測定ポイントに対応している。ポイント1がウエハWの中央部であり、ポイント11およびポイント13はウエハWの周縁部を意味している。また、図10(a)〜(c)における白矢印は、サセプタ12,120からの放出熱量の大きさを示しており、黒矢印は、サセプタ12,120からウエハWへの伝熱量の大きさを示している。
【0042】
まず、図10(a)に示すようにプリコート膜を形成しないサセプタ120に対し、プリコート膜形成時のパワー比で温度制御を行うと、前掲の図21に四角印のプロットで示すように、ウエハWの温度分布は、周縁部(測定ポイント11,13)で低く、中央部(測定ポイント1,3,5)で高くなるような熱分布になり、ウエハWの中央部と周縁部との温度格差(最大温度と最小温度との差)が15℃程度になる。この理由は以下のとおりである。
まず、サセプタ120の中央部と周縁部とを比較した場合には、単位体積当りの表面積が中央部よりも周縁部で大きいことから熱放射量が多く、温度が不均一になる。また、実際の成膜装置内においてウエハWは、サセプタ120と対向するシャワーヘッド20からの熱反射も受けており、ウエハWに対して、対向するシャワーヘッド20からの熱反射の立体角は、中央部で大きく、周縁部で小さい。従って、ウエハWの中央部はより大きい熱反射を受け、相対的に高温になるとともに周縁部ではこれが小さいことから相対的に低温となる。これらの要因により、サセプタの均熱性(ウエハWの面内温度均一性)が悪化する。
【0043】
次に、図10(b)に示すように、ウエハ支持面が平面状のサセプタ120にプリコート処理をしてプリコート膜121を形成した場合には、サセプタ120表面からの輻射熱や、シャワーヘッド20からの熱反射が全体的に減少するため、ウエハWの面内温度が全体的に低下する。ところが、ウエハWの中央部(測定ポイント1)は、周縁部(測定ポイント11,13)との間の中間領域(測定ポイント3,7および測定ポイント5,9)に比べて温度低下が著しくなり、ウエハWの中央部と周縁部の温度が低く二つの中間領域の温度が高い、径方向に2ピーク型をした面内温度分布となる。つまり、ウエハWの面内温度が均一になるようにパワー比を制御しても、図11に黒丸印のプロットで示すような不均一な温度分布が形成される。これは、支持部材13との接続部にはプリコート膜121が形成できないため、この部分でサセプタ120から支持部材13への熱の逃げが大きいことによるものである。つまり、支持部材13への熱逃げ(支持部材13を介しての熱伝達と支持部材13内部空間への熱輻射)がサセプタ120の中央部の温度低下を生じさせ、これがウエハWの面内温度に反映された結果である。支持部材への熱逃げがウエハWの面内温度分布に与える影響は、プリコート膜を形成しない状態[図10(a)]では、サセプタ120からの熱輻射やシャワーヘッド20からの熱反射が大きいため、あまり顕在化しないが、プリコート膜形成後[図10(b)]のサセプタ120では、熱輻射や熱反射が全体として抑制され、支持部材13への熱伝達と支持部材13内部への熱輻射が大きいままである結果、顕在化するものと考えられる。
【0044】
本発明の一実施形態であるサセプタ12においては、図10(c)に示すように、ウエハWの中央部と周縁部との間の中間領域(測定ポイント3,7および測定ポイント5,9)に対応するように環状に溝、つまり凹部12aを設けた。凹部12aでは、サセプタ12のウエハ支持面とウエハWとの間に空間が形成されるので、ウエハWの中間領域への熱伝達が抑制される。つまり、他の領域に比べて凹部12aでは、サセプタ12からウエハWへの熱伝達が小さくなる。
従って、図11に白丸で示すように、プリコート状態でもウエハWの中央部や周縁部と同程度になるまで中間領域の温度を低下させることができた。また、前記したように、凹部の形状や深さ、チャンバ内圧力などを調節することにより、高い精度でウエハWの面内温度の均一化を図ることが可能になる。
【0045】
次に、本発明の別の実施形態について、図12〜図20を参照しながら説明を行なう。
まず、凹部を形成することにより生じるサセプタ12からウエハWへの伝熱量の減少効果は、凹部の深さ(つまり、凹部の底からウエハW裏面までの距離;ギャップ)、チャンバ内圧力、サセプタ12におけるヒーター15a,15bの設定温度、プリコート膜の有無等の要因により左右される。そこで、図1に示すものと同様の構成の成膜装置100を用い、ギャップによる温度降下率が、プリコート膜の有無、チャンバ内圧力、およびサセプタ12の設定温度によってどの程度影響を受けるかについて、以下の条件で試験を行なった。ここで、「温度降下率」は、サセプタ12に凹部が形成されていない場合のウエハW上のある計測ポイントの温度に対して凹部を形成した場合に同じ計測ポイントの温度がどの程度減少するかを、凹部の深さ(ギャップ)1mm当たりの温度として示したものである。この温度降下率は、次のように算出した。
【0046】
まず、サセプタ12にTC付きウエハを載置した状態から、ウエハ支持ピン39によりTC付きウエハを少しずつ上昇させていき、サセプタ12表面との距離を変化させながら温度計測を行なった。そして、サセプタ12から完全にTC付きウエハが離れている状態で起こる温度降下から、次式;
温度降下[℃]/TC付きウエハとサセプタとの距離(mm)=温度降下率[℃/mm]
に基づき温度降下率を算出した。
【0047】
<試験条件>
ガス流量(ガス導入口21);N 1800mL/min(sccm)
ガス流量(ガス導入口22);N 1800mL/min(sccm)
ヒーターパワー比(ヒーター15a/ヒーター15b)=1.00/0.85
チャンバ内圧力;100Pa、260Pa、400Pa、666Pa、1kPa
ヒーター設定温度;300℃、400℃、500℃、600℃、650℃、680℃、700℃
【0048】
図12および図13は、ギャップによる温度降下率[℃/mm]とチャンバ内圧力との関係を示すグラフであり、図12がプリコート膜有りの場合、図13がプリコート膜無しの場合である。図12および図13から、プリコート膜の有無に関わらず、チャンバ内圧力が高くなると、ギャップによる温度降下率[℃/mm]の絶対値が大きくなることが読み取れる。また、全体的傾向として、サセプタ12の設定温度が高い程、ギャップによる温度降下率の圧力依存性が観られ、高圧力側ほど温度降下率の絶対値が増加している。
【0049】
次に、図14および図15は、ギャップによる温度降下率[℃/mm]とサセプタ12の設定温度との関係を示すグラフであり、図14がプリコート膜有りの場合、図15がプリコート膜無しの場合である。図14から、プリコート膜有りの場合には、サセプタ12の設定温度が500℃〜600℃程度までは、ギャップによる温度降下率[℃/mm]の絶対値が大きくなっていくが、それ以上の温度になると、温度降下率[℃/mm]の絶対値が頭打ちになることがわかる。また、図15から、プリコート膜なしの場合には、サセプタ12の設定温度が400℃〜600℃以上になると、温度降下率[℃/mm]の絶対値が頭打ちになることがわかる。そして、図14および図15より、処理圧力が低いほどギャップによる温度降下率[℃/mm]の絶対値が早く頭打ちになる傾向を持つことがわかる。
【0050】
以上の基礎実験の結果を踏まえ、サセプタ12に形成する凹部の形状を図16に示す手順で決定した。
なお、以下の手順において、ウエハWの温度は、TC(熱電対)付きウエハによる直接計測と、温度モニタ用ウエハによる間接計測によって行った。この温度モニタ用ウエハは、半導体ウエハに不純物をイオンの状態で打ち込んで注入することにより作製されたウエハ(例えば、特開2000−208524号公報、特開2004−335621号公報)であり、そのシート抵抗を測定することによりウエハ温度を間接的に計測できるものである。
【0051】
まず、温度モニタ用ウエハを用い、ウエハW上の複数(例えば5〜17)のポイントについて、温度計測を行う(ステップS1)。加熱条件としては、サセプタ設定温度680℃、チャンバ内圧力260Pa(条件1)とサセプタ設定温度650℃、チャンバ内圧力666Pa(条件2)と、の二通りでおこなった。
【0052】
次に、凹部を形成する領域を決定する(ステップS2)。この際、ウエハW裏面に堆積物が発生することを防ぐ観点から、サセプタ12の周縁部は削らないようにする。具体的には、例えばウエハWの外周端から内側に1〜30mmの幅でウエハ支持面(第2の支持面S)が形成されるようにサセプタ12の周縁部を残しておく。また、高温時にウエハWに反りが発生した場合に凹部の機能が十分に発揮されなくなることを防止するため、サセプタ12の中央部は削らず、第1の支持面(S)が形成されるようにする。この場合、サセプタ中央部における非切削領域(中央凸部)の範囲は、サセプタ12を支持する支持部材13の径と同等か、僅かに大きくなるようにする。
【0053】
次に、任意の計測ポイントについて、温度モニタ用ウエハによる計測値と実際にTC付きウエハにより測定された計測値との相関関係を求めて補正値を決定し、その補正値を全測定ポイントに適用して全ての測定ポイントにおける正確な温度を把握する(ステップS3)。この時に、TC付きウエハにより計測された温度は、図19および図20に黒塗りのプロット(黒丸または黒菱形)として示した。なお、図19および図20において、横軸はウエハ上の径方向の位置を示しており、0(ゼロ)はウエハ中心部を意味する。
【0054】
次に、図12〜図15に示す温度降下率の基礎試験データを参照し、削る部分(凹部を形成する領域)の温度が、凹部を形成しない領域の温度と同等になるように、各計測ポイントにおける削り量を決定する(ステップS4)。この際の削り量は、次に示す式により算出できる。
削り量(mm)=温度差/温度降下率
ここで、「温度差」は、凹部を形成する予定の領域の温度と凹部を形成しない領域の温度との差である。そして、必要となる削り量を例えば周方向(サセプタ12上の同心円上の位置)において平均化して削り量とする。
【0055】
このように凹部を形成する領域とその削り量を決定した後、サセプタ12を切削加工することによって、凹部を有するサセプタ12を作製することができる(ステップS5)。
【0056】
以上のステップS1〜ステップS5の手順で作製されたサセプタ12の構造を図17および図18に示す。このサセプタ12は、サセプタ12の中央部側から周縁部側に向かうに従い、第1底部113、第2底部114、第3底部115が形成された形状の凹部112eが形成された構造である。ここで、中央凸部12bの半径Lは45mm、凹部112eにおいて、第1底部113の径方向の幅Lが30mm、第2底部114の径方向の幅Lが25mm、第3底部115の径方向の幅Lが25mmであり、周縁凸部12cの径方向幅Lが25mmである。
また、凹部112eにおいて、第1底部113のギャップGが0.05mm、第2底部114のギャップGが0.13mm、第3底部115のギャップGが0.1mmである。
【0057】
このような形状で凹部112eが形成されたサセプタ12を用いて、前記条件1、2でTC付きウエハを加熱して温度計測を実施した。その結果を図19および図20において白抜きのプロット(白丸または白菱形)で示した。図19および図20における黒塗りのプロット(凹部なし)と白抜きのプロット(凹部形成)との比較から、白抜きのプロットでは、ウエハWの中央部と周縁部との間(中間領域)の温度が低下して面内温度が均一化していることがわかる。従って、凹部112eを形成することにより、ウエハ面内における温度差を小さくできることが確認された。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形することが可能である。例えば、上記実施形態では本発明をTiN、Ti膜成膜、およびW膜成膜に適用した場合について示したが、これらの膜に限定されず、他のCVD膜の成膜に適用することが可能である。また、成膜に限らず、加熱をともなう処理であれば、他の処理も可能である。また、単に加熱処理のみを行う装置に適用することも可能である。さらに、基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、これに限らず他の基板、例えば液晶表示装置(LCD)用のガラス基板等にも適用することが可能である。この場合、基板の大型化に伴い、多数のヒーターを備えた大型の載置台を用いる必要があることから、凹部を形成して温度調節することによって大型基板の面内温度の均一化を図ることができる利点は大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係る成膜装置を示す断面図。
【図2】図1の成膜装置に用いられた第1実施形態のサセプタを示す拡大断面図。
【図3】第2実施形態のサセプタを示す断面図。
【図4】第3実施形態のサセプタを示す断面図。
【図5】第4実施形態のサセプタを示す断面図。
【図6】第5実施形態のサセプタを示す断面図。
【図7】第6実施形態のサセプタを示す断面図。
【図8】支持部材の構造を示す断面図。
【図9】ヒーターの配置を示すサセプタの水平断面図。
【図10】試験例におけるサセプタの状態を模式的に示す図面であり、(a)は非プリコート状態、(b)はプリコート状態、(c)は凹部を形成したサセプタのプリコート状態を示す。
【図11】ウエハ面内温度の測定結果を示すグラフ図。
【図12】ギャップによる温度降下率とチャンバ内圧力との関係を示すグラフ図(プリコート有りの場合)。
【図13】ギャップによる温度降下率とチャンバ内圧力との関係を示すグラフ図(プリコートなしの場合)。
【図14】ギャップによる温度降下率とヒーター設定温度との関係を示すグラフ図(プリコート有りの場合)。
【図15】ギャップによる温度降下率とヒーター設定温度との関係を示すグラフ図(プリコートなしの場合)。
【図16】サセプタにおける凹部の作製手順を示すフロー図。
【図17】凹部が形成されたサセプタの構造を示す平面図。
【図18】凹部が形成されたサセプタの構造を示す断面図。
【図19】凹部の有無におけるサセプタ上のウエハ面内の温度分布を示すグラフ図。
【図20】凹部の有無におけるサセプタ上のウエハ面内の温度分布を示すグラフ図。
【図21】従来のサセプタを使用した場合のウエハ面内温度の測定結果を示すグラフ図。
【符号の説明】
【0060】
1;チャンバ
12;サセプタ
12a;凹部
12b;中央凸部
12c;周縁凸部
15a;ヒーター(内側)
15b;ヒーター(外側)
20;シャワーヘッド
30;ガス供給機構
38;排気装置
100;成膜装置
;第1の支持面
;第2の支持面
W;半導体ウエハ




 

 


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