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発明の名称 半導体製造装置の構成部材及び半導体製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−36197(P2007−36197A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2006−148592(P2006−148592)
出願日 平成18年5月29日(2006.5.29)
代理人 【識別番号】100091513
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 俊夫
発明者 田村 明威 / 土橋 和也 / 林 輝幸
要約 課題
半導体製造装置を構成する構成部材の表面に堆積膜を形成することにより、当該構成部材の耐久性や、前記腐食性ガスに対する耐食性を向上させること。

解決手段
処理容器、処理容器内に設けられる部品、処理ガスを処理容器に供給するための配管、この配管に接続されるガス供給機器、または排気管から選択される構成部材の処理ガスとの接触面に原料ガスと反応ガスを交互に供給して、堆積を行うことにより、処理ガスとの接触面に、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムのいずれかを含む酸化物よりなる堆積膜を成膜する。
特許請求の範囲
【請求項1】
半導体製造装置に用いられる構成部材であって、
前記構成部材の基材を、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムからなる群から選択された元素を含む第1の原料ガスの雰囲気に置いて、当該基材の表面に、第1の原料ガスを吸着させ、次いで当該雰囲気を第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスの雰囲気に切り替えることにより、前記元素の化合物である化合物層を形成し、こうして基材が置かれる雰囲気を第1の原料ガスの雰囲気と第2の原料ガスの雰囲気との間で、交互に多数回切り替えることにより、前記基材の表面に前記元素を含む化合物層の積層膜である堆積膜を形成してなることを特徴とする半導体製造装置の構成部材。
【請求項2】
前記基材はアルミニウム又はステンレスからなることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項3】
前記構成部材は、処理ガスをガス供給路を介して処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体製造装置に用いられる構成部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項4】
前記構成部材は、処理容器、処理容器内に設けられる部品、腐食性ガスを処理容器に供給するための配管、この配管に接続されるガス供給機器、または排気管から選択されるものであることを特徴とする請求項3記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項5】
前記構成部材は、プラズマ処理工程を含む半導体製造装置の構成部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項6】
前記構成部材の基材と堆積膜との間には溶射膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項7】
前記溶射膜は、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、ガリウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、タンタル、ネオジムのいずれかを含むものであることを特徴とする請求項6記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項8】
前記構成部材は、基材にアルマイト処理を施し、その上に堆積膜が形成されているものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の半導体製造装置の構成部材。
【請求項9】
処理ガスをガス供給路を介して処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体製造装置であって、
請求項1ないし8のいずれか一に記載の構成部材を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項10】
プラズマ処理工程を含む半導体製造装置であって、
請求項1ないし8のいずれか一に記載の構成部材を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置を構成する構成部材の表面に堆積膜を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやLCD基板の半導体製造プロセスに用いられる半導体製造装置、例えば成膜処理装置や、酸化処理装置、エッチング処理装置等は、例えば半導体デバイスを製造するための半導体ウエハW(以下「ウエハW」という)に対して処理ガスにより成膜処理等の所定の処理を行う処理容器と、この処理容器に処理ガス供給管を介して処理ガスを供給するための処理ガス供給源と、前記処理容器を排気管を介して排気するための排気手段と、を備えている。
【0003】
前記処理容器や、処理ガス供給管、排気管等の構成部材は、通常ステンレスの電解研磨品やアルミニウム等の金属により構成されている。また処理容器の内部にも金属製の構成部材が含まれている。これら半導体製造装置を構成する金属製の構成部材に対しては、例えば腐食性ガスを用いた場合の耐食性を向上させるために、腐食性ガスと接触する領域の表面、つまり処理ガス供給管や排気管の内面や、処理容器の内壁、処理容器の内部の構成部材の表面に所定の表面処理が施される場合がある。
【0004】
前記表面処理としては、フッ化被膜形成処理や、オゾンパッシベーション処理(被膜形成処理)、SiOコーティング処理、セラミック溶射膜形成処理、陽極酸化処理、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理等の様々な手法が用いられているが、従来では、このような表面処理が行われた構成部材を個別に購入した後、半導体製造装置を組み立てているので、前記構成部材が高コストになり、半導体製造装置トータルの製造コストが増大してしまうという問題がある。
【0005】
さらに各表面処理方法では、次のような問題がある。即ち前記フッ化被膜形成処理では、表面処理が施された配管を装置の組み立て時に曲げ施工を行おうとすると、曲げた領域の不動態膜(表面処理膜)が破壊されて剥離してしまい、メタルコンタミネーションやパーティクル発生の要因になってしまう。酸化被膜形成処理や陽極酸化処理では、十分な厚さの酸化膜の形成が困難であり、耐食性に劣る。SiOコーティング処理では、処理対象である配管の内径が小さい場合には処理が不可能であり、またフッ素雰囲気には適さない。セラミック溶射膜形成処理は、被膜がポーラス構造であり、表面が粗いため、処理中に膜剥がれが発生し、パーティクル発生の要因となる。CVD(Chemical Vapor Deposition)処理では、緻密で良好な膜が成膜できるものの、高温になるため成膜対象が限られ、アルミニウム製の構成部材には適用しにくい。
【0006】
またアルミニウム製の処理容器(成膜チャンバ)は例えばイットリア(Y)やアルミナ(Al)を溶射した、耐食性の大きな溶射膜により表面処理が行われる場合があるが、処理ガスの腐食性が強かったり、プラズマ処理を行う場合であってプラズマに晒される時間が長いと、前記溶射膜はポーラス構造であるため、処理によっては短時間で局所的に膜の剥離が発生してしまい、再溶射を行なわなければならない場合もある。
【0007】
ところで特許文献1には、処理ガスを導入する処理ガス導入管部、及び排気系に通じる排気管部を備えた熱処理装置において、処理炉の炉内環境に晒される金属製部材の接ガス面にクロム酸化物被膜をコーティングしたり、配管の接ガス面にフッ素樹脂被膜をコーティングする技術が記載されている。しかしながら既述のように、クロム酸化物被膜は十分な耐食性を確保するための厚さに形成することが困難であり、またフッ素樹脂被膜は、配管を曲げようとすると、被膜が剥離しやすく、メタルコンタミネーションやパーティクル発生の要因になってしまう。
【0008】
また特許文献2には、CVD法にて表面処理を行なう技術が示唆されている。しかしながらCVD法では400℃〜500℃以上の高温に加熱することが必要であり、アルミニウムより構成された構成部材ではアルミニウムの溶解が起こってしまう。またステンレス製の配管に対しては、通常テープヒータを配管の外面に巻回することにより加熱を行っているが、このような手法では400℃〜500℃以上の高温に加熱することが困難であって、CVD法による表面処理は実現できないのが実情である。
【0009】
【特許文献1】特開2002−222807号公報
【特許文献2】特開2000−290785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、半導体製造装置を構成する構成部材の基材の表面に堆積膜を形成することにより、当該構成部材の耐久性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため本発明は、半導体製造装置に用いられる構成部材であって、
前記構成部材の基材を、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムからなる群から選択された元素を含む第1の原料ガスの雰囲気に置いて、当該基材の表面に、第1の原料ガスを吸着させ、次いで当該雰囲気を第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスの雰囲気に切り替えることにより、前記元素の化合物である化合物層を形成し、こうして基材が置かれる雰囲気を第1の原料ガスの雰囲気と第2の原料ガスの雰囲気との間で、交互に多数回切り替えることにより、前記基材の表面に前記元素を含む化合物層の積層体である堆積膜を形成してなることを特徴とする。前記基材としては、例えばアルミニウム又はステンレスが用いられる。
【0012】
また前記構成部材は、処理ガスをガス供給路を介して処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体製造装置に用いられる構成部材であり、具体的には、処理容器、処理容器内に設けられる部品、腐食性ガスを処理容器に供給するための配管、この配管に接続されるガス供給機器、または排気管から選択されるものである。また前記構成部材は、プラズマ処理工程を含む半導体製造装置の構成部材であってもよい。
【0013】
さらに前記構成部材の基材と堆積膜との間には溶射膜が形成されてもよく、前記溶射膜としては、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、ガリウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、タンタル、ネオジムのいずれかを含むものが形成される。さらにまた前記構成部材は、基材にアルマイト処理を施し、その上に堆積膜が形成されているものであってもよい。
【0014】
また本発明は、処理ガスをガス供給路を介して処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体製造装置であって、既述のように堆積膜が形成された構成部材を備える半導体製造装置であることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明は、プラズマ処理工程を含む半導体製造装置であって、既述のように堆積膜が形成された構成部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、半導体製造装置の構成部材の基材の表面に、当該基材が置かれる雰囲気を、堆積しようとする膜の原料ガスを含むガス雰囲気と酸素原子を含むガス雰囲気とに交互に多数回切り替えることにより、極めて薄い膜を多層に積層して堆積膜を形成する手法によって、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムからなる群から選択された元素を含む緻密な堆積膜を形成しているので、当該構成部材の耐久性を向上させることができる。
【0017】
また処理容器内に腐食性ガスを導入する半導体製造装置において、前記半導体製造装置の構成部材の表面に前記元素の化合物である化合物層を堆積して堆積膜を形成しているので、構成部材の表面が高耐食性の緻密な膜で被覆され、当該構成部材の耐食性を向上させることができる。このため腐食性ガスを処理容器に導入して処理を行なっても、構成部材の腐食が抑えられ、この腐食が原因となるパーティクルの発生が抑制される。
【0018】
また表面処理が行われていない安価な構成部材を購入し、その後前記堆積膜を形成する表面処理を行うことにより当該構成部材の耐食性を向上させることができるので、安価な構成部材を用いて半導体製造装置を製造することができ、半導体製造装置のトータルの製造コストの低廉化を図ることができる。
【0019】
さらに溶射膜が形成された構成部材の表面に前記堆積膜を形成することにより、ポーラス構造の溶射膜の孔部に入り込むように前記堆積膜が形成されるので、元々耐食性の大きい溶射膜上に緻密な前記堆積膜が形成され、より強固な膜で構成部材の表面を被覆することができて、腐食性ガスに対するより大きな耐食性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、半導体製造装置に用いられる構成部材の表面に堆積膜を形成することにより、前記構成部材の耐久性や腐食性ガスに対する耐食性を向上させるものである。前記半導体製造装置としては、半導体デバイスのみならずフラットパネルディスプレイを製造するものも含まれ、例えば腐食性ガスを処理ガスとして用いる装置、基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする装置、プラズマを用いて処理を行う装置等が挙げられ、具体的にはエッチング装置、成膜装置あるいはアッシング装置等が相当する。
【0021】
続いて表面処理の対象となる半導体製造装置の構成部材について、図1に示す装置を用いて簡単に説明する。この装置では、処理容器10内に設けられた載置台11上にウエハWが載置され、前記載置台11と対向するように処理容器10内に設けられたガス供給部(ガスシャワーヘッド)12の多数のガス孔13aが形成された下面部材13から、載置台11上のウエハWに対して例えば腐食性の処理ガスが供給されるようになっている。この処理容器10内には処理ガス供給管14からガス供給部12を介して処理ガスが供給されると共に、排気管15を介して図示しない排気手段により処理容器10内が排気されるようになっている。またこの装置は、載置台11の周囲に、例えば複数のガスの排気口16aが載置台11の周囲に環状に配置されるように形成されたバッフル板16が設けられ、処理容器10内の排気が載置台11の周囲から周方向にほぼ均一に行なわれるようになっている。図中17は、ウエハWの周囲を機械的に押圧して、このウエハWを載置台11に保持させるためのメカチャックである。
ここで図1に示す装置では、本発明の表面処理対象となる構成部材は、大きく分けて、内面が処理ガスと接触し、当該内面が表面処理の対象となる構成部材である第1の構成部材21と、内面や外面が処理ガスと接触し、これら内面や外面が表面処理の対象となる構成部材である第2の構成部材22とがある。
【0022】
前記第1の構成部材21としては、例えば前記金属製の処理容器10や、この処理容器10内に処理ガスを供給するための配管である処理ガス供給管14や、処理容器10内を排気するための排気管15、当該配管に設けられるバルブや、流量調整部、圧力計等の計測機器、またこれらバルブや流量調整部、フィルタ等がまとめられたガス供給ユニット等の前記金属製配管に接続され、内面が処理ガスと接触するガス供給機器が含まれ、これらの処理ガスと接触する面に表面処理が行われる。
【0023】
また前記第2の構成部材22としては、例えば図1に示すガス供給部(ガスシャワーヘッド)12の下面部材13や、バッフル板16、メカチャック17等の処理容器10の内部に設けられる部品が含まれ、これらの処理ガスと接触する面に表面処理が行われる。
【0024】
続いて本発明の実施の形態について説明する。図2は本発明の表面処理方法が実施される表面処理装置の一例であり、以下に表面処理の対象となる構成部材の表面に、堆積膜として、アルミニウム(Al)を含む化合物であるAl膜を形成する表面処理を行う場合を例にして説明する。
【0025】
図中31は第1の原料ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA:Al(CH)の供給源(第1の原料ガス供給源)であり、この第1の原料ガス供給源31は、前記TMAのガス化機構を備えている。また図中32は第2の原料ガスであるオゾン(O)ガスの供給源(第2の原料ガス供給源)であり、これら第1及び第2の原料ガス供給源31,32の下流側には接続部33が設けられている。前記第1及び第2の原料ガス供給源31,32は、例えば第1及び第2の開閉バルブV1,V2と、第1及び第2のマスフローコントローラM1,M2を備えた第1の原料通流路41を介して前記接続部33に接続されている。
【0026】
この接続部33の下流側は、開閉バルブV3を備えた第2の原料通流路42を介して真空排気手段例えば真空ポンプ5に接続されていると共に、第1の原料通流路41から分岐し、開閉バルブV4を備えた第3の原料通流路43を介して、第2の構成部材22に対して表面処理を行うときに用いられる表面処理用の成膜容器6に接続されている。この成膜容器6は、前記第2の原料通流路42の開閉バルブV3と真空ポンプ5との間に、開閉バルブV5を備えた第4の原料通流路44を介して接続されている。
【0027】
前記接続部33は、表面処理対象が第1の構成部材21であるときに、この第1の構成部材21を、第1の原料通流路41と第2の原料通流路42とに対して接続する部位である。この接続部33には、例えば第1の原料通流路41と第2の原料通流路42の第1の構成部材21との接続側の端部に、これら原料通流路41,42を構成する配管と第1の構成部材21の両側の接続端とを接続するためのコネクタ部材34,35が夫々設けられている。
【0028】
このコネクタ部材34,35は、前記原料通流路41,42と、第1の構成部材21の接続端の夫々の開口部の大きさが異なるときに用いられるものであり、一端側に原料通流路41(42)、他端側に第1の構成部材21が夫々接続され、内部に原料ガスの通流路が形成されるように構成されている。
【0029】
そして例えば第1の構成部材21が処理ガス供給管14や排気管15等の金属製配管である場合には、図3に示すように、前記金属製配管の両端に第1の原料通流路41と第2の原料通流路42とが、コネクタ部34,35を介して接続される。図中36は例えば加熱手段をなすテープヒータであり、前記接続部33に前記金属製配管が接続されたときには、例えば当該配管の外面にテープヒータ36が巻回されて、当該配管が加熱されるようになっている。
【0030】
なお前記コネクタ部材34,35は、例えば第1の構成部材21の接続端の開口部に合わせて複数個用意される。また第1の構成部材21と原料通流路41,42を構成する配管との接続部の口径がほぼ同じ大きさである場合には、コネクタ部34,35を用いずに、例えば夫々の配管の接続端に設けられたフランジ部同士を接続することにより、これら同士を直接接続するようにしてもよい。
【0031】
続いて第2の構成部材22の表面処理を行う成膜容器6について図4を用いて説明する。この成膜容器6は、例えば内面がアルミナ溶射膜により構成され、内部には上部側にガス供給部61が設けられている。このガス供給部61には前記第3の原料通流路43の他端側が接続されると共に、下面には多数の原料ガスの供給孔61aが形成されている。成膜容器6内部の下部側には、例えばガス供給部61と対向するように、支持台62が設けられており、表面処理対象である第2の構成部材22はこの支持台62上に載置されるようになっている。これらガス供給部61と支持台62とは例えば表面処理の原料ガスとの接触面が例えばアルミニウムにより構成されている。また成膜容器6の壁部には例えば抵抗発熱体よりなるヒータ63が設けられている。さらに成膜容器6の底部には排気口64が形成され、この排気口64は第4の原料通流路44、第2の原料通流路42を介して真空ポンプ5と接続されている。
【0032】
続いて本発明の表面処理方法について、図3及び図5を参照しながら説明する。この表面処理は、例えば装置を組み立てる前、又はメンテナンス時に行なわれる。先ず第1の構成部材21として処理ガス供給管14や排気管15に対して、堆積膜を形成するための表面処理を行う場合について説明する。この際、例えば前記処理ガス供給管14や排気管15がステンレスやアルミニウム等の金属製基材により構成されている場合には、この金属製基材の表面に堆積膜が形成される。
【0033】
先ず図3に示すように前記処理ガス供給管14や排気管15等の金属製配管を接続部33に既述のように接続し(ステップS1)、例えばテープヒータ36により金属製配管の内面が例えば150℃程度になるように加熱すると共に、バルブV1,V2,V4,V5を閉じ、バルブV3を開いて真空ポンプ5により金属製配管の内部を例えば133Pa(1Torr)程度まで真空排気する。
【0034】
次いでバルブV3を閉じ、バルブV1を開いて金属製配管内部に、第1の原料ガスであるTMAガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給する。これによりTMAガスが表面処理の対象である金属製配管の内面に吸着される(ステップS2)。
【0035】
続いてバルブV1を閉じ、バルブV3を開いて金属製配管の内部を2秒程度真空排気する(ステップS3)。これにより金属製配管内面に吸着せずに、金属製配管の内部に浮遊した状態で残存する第1の原料ガスが排出される。次いでバルブV3を閉じ、バルブV2を開いて金属製配管内部に、第2の原料ガスであるOガスを例えば1000ml/min程度の流量で1秒程度供給する。これによりOガスは金属製配管に吸着している液状のTMAと反応してAlの化学式にて示される反応生成物(固相)を生成し、例えば膜厚が0.1nm程度のAlよりなる極めて薄い化合物層(酸化物層)が形成される(ステップS4)。
【0036】
続いてバルブV2を閉じ、バルブV3を開いて金属製配管の内部を2秒程度真空排気して、金属製配管の内部に残存するOガスを排気する(ステップS5)。そしてこのステップS2〜ステップS5の工程を例えば数百回繰り返して行うことにより、例えば膜厚が30nmの堆積膜を形成する(ステップS6)。
【0037】
このように本発明では、既述のように、処理対象の金属製の基材を、第1の原料ガスの雰囲気に置いて、当該基材の表面に、第1の原料ガスを吸着させ、次いで当該雰囲気を第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスの雰囲気に切り替えることにより、例えば膜厚が0.1nm程度の化合物層を形成し、こうして基材が置かれる雰囲気を第1の原料ガスの雰囲気と第2の原料ガスの雰囲気との間で、交互に多数回切り替えることにより、前記基材の表面に化合物層の積層膜である堆積膜を形成している。
【0038】
さらにこの工程を図6により説明すると、この図6は、原料ガスであるTMAガスとOガスとの給断のタイミングを時系列に沿って示したものであり、図示するように第1の構成部材21内にTMAガスとOガスとを交互に供給し、各々のガス供給の間(時刻t2〜t3及び時刻t4〜t5)に金属製配管内を例えば2秒間ずつ引き切りの状態とすることで、金属製配管の内面には極めて薄いAl膜が形成される。そして時刻t1〜t5の各ステップを1サイクルとしたとき、例えば数百サイクル繰り返すことで金属製配管の内表面には例えば30nmの膜厚のAl膜よりなる堆積膜が形成される。
【0039】
また例えば第1の構成部材21が金属製の処理容器10である場合には、例えばこの処理容器10は、その基材が、アルミニウムや、アルミニウムの表面に溶射膜が形成されたものやイットリア溶射膜より形成されているので、これらアルミニウムや、溶射膜が形成されたアルミニウムの溶射膜の表面や、イットリア溶射膜の表面に堆積膜が形成される。前記溶射膜としては、例えばホウ素(B),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),ガリウム(Ga),クロム(Cr),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ゲルマニウム(Ge),ネオジム(Nd)等を含むものが形成される。
【0040】
この場合においても、金属製配管と同じように、前記接続部33において、前記処理容器10の処理ガス供給管14との接続部である処理ガス供給口14a(図1参照)に、第1の原料通流路41をコネクタ部34を介して接続し、当該処理容器10の排気管15との接続部である排気口15a(図1参照)に、第2の原料通流路42をコネクタ部35を介して接続し、図5に示す工程に従って、処理容器10の内面に堆積膜を形成する表面処理が行なわれる。
【0041】
また例えば図8に示すように、処理容器10の内面を表面処理する専用の装置を設け、この装置にて処理を行うようにしてもよい。この装置は、図2に示す表面処理装置において、第1の原料通流路41と第2の原料通流路42との間に処理容器10を配置し、第1の原料通流路41の下流端と、第2の原料通流路42の上流端とを、夫々前記の処理ガス供給口14aと排気口15aに接続するための専用の接続端として設けるように構成されている。この装置では、成膜容器6と第3及び第4の原料通流路43,44を設けない以外は図2に示す装置と同様に構成されており、第1及び第2の原料通流路41,42の間に、表面処理対象である処理容器10を接続すると、例えば処理容器10の側壁の周囲に、例えば抵抗発熱体37よりなる加熱手段が設けられ、当該処理容器10が加熱されるようになっている。なお処理容器10の内面の表面処理の場合には、処理容器10にガス供給部12を配設した状態で行うようにしてもよいし、ガス供給部12を取り付けない状態で処理を行い、その後、別個表面処理を行ったガス供給部12を処理容器10内に配設するようにしてもよい。
【0042】
続いて第2の構成部材22に対して表面処理を行う場合について説明する。この際、前記第2の構成部材21、例えばガス供給部12の下面部材13や、バッフル板16や、メカチャック17の基材は、例えばステンレスやアルミニウム等の金属により構成されているので、これらの表面に堆積膜が形成される。
【0043】
この場合においては図4及び図7に示すように、接続部33では第1の原料通流路41と第2の原料通流路42とを直接接続し、第2の構成部材22を成膜容器6内部の支持台62上に載置する(ステップS11)。そして例えばヒータ63により成膜容器6の内面が例えば150℃程度になるように加熱すると共に、バルブV1,V2,V3,V4を閉じ、バルブV5を開いて真空ポンプ5により成膜容器6の内部を例えば133Pa(1Torr)程度まで真空排気する。
【0044】
次いでバルブV5を閉じ、バルブV1,V4を開いて成膜容器6内部に、第1の原料ガスであるTMAガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給し、第2の構成部材22の第1の原料ガスとの接触面に吸着させる(ステップS12)。続いてバルブV1,V4を閉じ、バルブV5を開いて成膜容器6の内部を2秒程度真空排気して、残存するTMAガスを排気する(ステップS13)。
【0045】
次いでバルブV5を閉じ、バルブV2,V4を開いて成膜容器6内部に、第2の原料ガスであるOガスを例えば1000ml/min程度の流量で1秒程度供給して、例えば膜厚が0.1nm程度のAlよりなる極めて薄い化合物層(酸化物層)を形成する(ステップS14)。続いてバルブV2,V4を閉じ、バルブV5を開いて成膜容器6の内部を2秒程度真空排気して、残存するOガスを排気する(ステップS15)。そしてこのステップS12〜ステップS15の工程を例えば数百回繰り返して行うことにより、例えば30nm程度の膜厚のAl膜よりなる堆積膜を第2の構成部材22の表面に形成する(ステップS16)。ここで前記堆積膜は、例えば室温〜200℃程度の温度でも形成されるので、テープヒータ36や抵抗発熱体37、ヒータ63による加熱を行なわなくてもよい。
【0046】
また上述した表面処理方法において、ステップ3及びステップ13に示すように処理対象物(上述の例では金属製配管及び成膜容器6)の内部を真空排気する際に、処理対象物内にパージガスである窒素(N2)ガスを供給して、処理対象物内をパージ処理してもよい。このように真空排気時に窒素ガスを導入することで、処理対象物の内部に浮遊した状態で残存するTMAガスを効率よく排気することができる。
【0047】
またステップ3及びステップ13において、処理対象物内部を真空排気する際に、処理対象物内部の圧力を上述の値よりも高い圧力とすると、処理対象物の内面に対するTMAの吸着量が多くなり1回の反応で形成される膜厚をより厚くすることができる。反対に、処理対象物内部を上述の値よりも低い圧力とすると、1回の反応で形成される膜厚をより薄くすることができる。
【0048】
そしてこの処理を半導体製造装置の製造時に行う場合には、第1の構成部材21や第2の構成部材22の処理ガスとの接触面に堆積膜を形成する表面処理を行った後、これら第1の構成部材21や第2の構成部材22を組み立てて半導体製造装置を製造する。またこの処理を半導体製造装置のメンテナンス時に、定期的又は必要に応じて行う場合には、先ず表面処理を行う構成部材を半導体製造装置から取り外して、当該構成部材の処理ガスとの接触面に堆積膜を形成する表面処理を行った後、この構成部材を半導体製造装置に取り付ける。
【0049】
以上において前記堆積膜としては、前記の手法で形成されるAl膜の他に、第1の原料ガスとしてAl(T−OCガス、第2の原料ガスとしてHOガスを用いて形成されるAl,第1の原料ガスとしてHfClガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてHf(N(CH)(C))ガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてHf(N(Cガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてZrClガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるZrO,第1の原料ガスとしてZr(T−OCガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるZrO,第1の原料ガスとしてYClガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるY,第1の原料ガスとしてY(Cガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるY等の、アルミニウム(Al),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)を含む結合子分有機で囲まれる形状の化合物や、前記アルミニウム(Al),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)を含む塩化物等の化合物よりなるものが形成される。
【0050】
このような実施の形態では、第1の構成部材21の場合には、第1の構成部材21の内部に原料ガスを供給することにより、また第2の構成部材22の場合には、成膜容器6の内部に当該構成部材22を載置して成膜容器6の内部に原料ガスを供給することにより、夫々化合物層を積層して薄膜を形成しているので、前記第1及び第2の構成部材21,22の内面全体に満遍なく堆積膜を形成することができ、当該構成部材21,22の耐久性を大きくすることができる。
【0051】
つまりこの堆積法により形成された堆積膜は、極めて薄い化合物層を積層して形成されているので、形成される膜は緻密な膜であって、耐久性や腐食性の処理ガスに対する耐食性が大きい。また表面の平坦性の高い膜が形成されるので、表面の粗さが原因となる膜剥がれ等が発生するおそれがない。
【0052】
この際、本発明では、表面処理対象となる構成部材に対して、腐食性ガス等の処理ガスと同じように原料ガスを供給して表面処理を行っているので、当該構成部材の処理ガスと接触する領域に原料ガスを供給することができ、このため構成部材21の処理ガスと接触する内面に表面処理を行い、堆積膜を形成することができる。
【0053】
さらに堆積膜は真空プロセスにより形成されるので、これにより第1の構成部材21を構成する配管内部に設けられたバルブや流量調整部の内部の処理ガスとの接触面や、第2の構成部材22の複雑な形状であっても、細部まで原料ガスが行き渡り、当該領域まで堆積膜を形成することができる。この際、堆積膜は、既述のように極めて薄い層を一層ずつ積み上げて形成されるので、既述のステップS2〜ステップS5(ステップS12〜ステップS15)の繰り返し回数を制御することにより、所望の厚さの堆積膜を形成することができ、このため例えば表面処理の対象に応じて、堆積膜の厚さを容易に調整できる。これにより多数の配管とそれに接続されるバルブや流量計、フィルタ等をまとめて設けたガス供給機器ユニット等の複雑な形状の部位には、薄い膜厚の堆積膜で表面処理を行うことによって、ガスの通流を妨げずに、例えば腐食性ガスに対する耐食性を高めることができる。
【0054】
また第1の原料ガスと第2の原料ガスの供給の間に真空排気を行い、第1の原料ガスが残存しない状態で第2の原料ガスを供給しているので、構成部材21の内部や成膜容器6の内部での第1の原料ガスと第2の原料ガスとの反応が抑えられ、この反応物の生成によるパーティクルの発生を抑えることができる。
【0055】
このように、当該構成部材の処理ガスとの接触面全体に緻密な膜を形成することができるので、当該構成部材21の腐食性の処理ガスに対する耐食性を向上させることができ、これにより構成部材の腐食により生じるパーティクルの発生を抑えることができる。
【0056】
この際、堆積膜は例えば室温〜200℃程度の温度で形成され、CVD法に比較して低温で処理が行われるので、例えばアルミニウムや、アルミニウムの上に溶射膜が形成された処理容器に対しても、アルミニウムの溶解を起こさずに表面処理を行うことができる。ここで溶射膜の上に堆積膜を形成する場合には、ポーラスな溶射膜の多数の孔部に化合物層が入り込んだ状態で堆積膜が形成されるので、より強固な膜が形成されることになる。このため、元々耐食性の大きな溶射膜の上に緻密な堆積膜を形成することによって、より耐食性を大きくすることができる上、ポーラス構造であって表面が粗いという溶射膜の弱点をカバーすることができ、腐食性の処理ガスを用いた場合であっても、処理中の膜剥がれが発生等を抑えることができる。
【0057】
また金属製配管に対して表面処理を行う場合においても、既述のように堆積膜は低温で処理が行われるので、テープヒータ36による加熱で第1の原料ガスと第2の原料ガスとの反応を十分進行させることができ、簡易な加熱方法で処理を行なうことができて有効である。
【0058】
このように本発明では、アルミニウム製やステンレス製の処理容器、配管や下面部材等の、表面処理が行われていない安価な構成部品に堆積膜を形成する表面処理を行なうことにより、耐久性や腐食性ガスに対する耐食性を向上させることができるので、予め表面処理が行われた高価な構成部材を購入することなく、安価な構成部品を用いて半導体製造装置を製造することができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0059】
また構成部材に表面処理を行う装置として、図2に示す構成のものを用いれば、原料供給路の開閉バルブの切り替えにより、接続部33に接続して処理を行なう金属製配管等の第1の構成部材21と、成膜容器6内に搬入して処理を行なう第2の構成部材22とのいずれかを選択して表面処理を行なうことができる。また接続部33に金属製配管等の第1の構成部材21を接続すると共に、成膜容器6内に第2の構成部材22を搬入して、原料ガスを供給するときには、第1及び第2の構成部材21,22の両方に原料ガスを供給すると共に、真空排気するときには、第1及び第2の構成部材21,22の両方を真空排気するようにすることにより、第1の構成部材21と第2の構成部材22とに対して同時に表面処理を行うことができる。このように1台の装置にて、第1の構成部材21、第2の構成部材22のいずれか又は両方に対して表面処理を行うことができ、装置の汎用性が高い。
【0060】
但し、図8に、処理容器10の例にて示すように、成膜容器6を設けない金属製配管専用や、処理容器10専用の表面処理装置や、接続部33を設けず成膜容器6のみを設けた第2の構成部材22専用の表面処理装置を設け、各構成部材に対して夫々の専用の装置にて表面処理を行うようにしてもよく、この場合には異なる処理装置にて異なる構成部材に対して並列に表面処理を行うことができ、表面処理のスループットを高めることができる。
【0061】
また本発明の表面対象となる構成部材は、半導体製造プロセスの一工程を実施する装置に用いられる構成部材であって、既述のような金属製の構成部材のみならず、アルミニウム製の基材の表面にアルマイト処理が施された構成部材や、電極板やフォーカスリング、デポシールド等のPEEK(ポリエートルエートルケトン)等の樹脂や石英により構成された部材も含まれ、このような構成部材に堆積膜を形成する表面処理を行うことにより、これら構成部材の耐久性を向上させることができる。
【0062】
また本発明は、処理容器10に、第2の構成部材22を取り付けた後、処理容器10の内面と第2の構成部材22に対して、一括して同時に表面処理を行うようにしてもよい。さらに本発明では、処理容器10の内面に対して表面処理を行う場合に、図2の成膜容器6の接続部に、成膜容器6の代わりに処理容器10を接続して当該処理容器10の表面処理を行うようにしてもよい。
【0063】
また第2の構成部材としては、既述のガス供給部12の下面部材13、バッフル板16、メカチャック17等の、半導体製造プロセスの一工程を実施する装置であって、基板に対して処理を行う処理容器に処理ガスを導入する半導体製造装置の、前記処理容器に設けられる構成部材の全てが含まれる。
【実施例】
【0064】
次に本発明の効果を確認するために行った実験について述べる。
【0065】
(サンプルの作成)
図4に示す表面処理装置を用いてステンレス基材の表面にAlよりなる堆積膜を形成した。先ず、図4に示す成膜容器6内部の支持台62上に載置されたステンレス基材を、ヒータ63により200℃に加熱すると共に、成膜容器6内を133Pa程度に真空引きする。次いで、成膜容器6内にTMAガスを100ml/minの流量で1秒程度供給した後、成膜容器6内を5秒程度真空引きする。次いで成膜容器6内に水蒸気を100ml/minの流量で1秒程度供給する。そしてこれらの工程を100回繰り返して、ステンレス基材上に堆積膜を形成した。このステンレス基板をサンプル1とする。
【0066】
ステンレス基材の表面をブラスト材で粗面化処理した後、プラズマ溶射処理にて当該基材上にAlよりなる溶射膜を形成し、この溶射膜上にサンプル1と同じ処理方法で堆積膜を形成した。このステンレス基材をサンプル2とする。
【0067】
(密着性試験)
サンプル1とサンプル2について、ステンレス基材の表面に形成された堆積膜の密着力の試験を行った。試験方法については、堆積膜表面に粘着テープを貼り付け、粘着テープを引き剥がしたときに、粘着テープへの堆積膜の付着状況を見ることで、堆積膜とステンレス基材との密着強度、及び堆積膜と溶射膜との密着強度を夫々評価した。この試験の結果では、サンプル1及びサンプル2のいずれも粘着テープを引き剥がしたときに、当該粘着テープには堆積膜が全く付着しておらず、堆積膜の剥離はなかった。このようなことから前記堆積膜とステンレス基材との密着強度及び堆積膜と溶射膜との密着強度のいずれについても問題がないと判断できる。
【0068】
(耐腐食性試験)
本発明の処理を行っていない比較サンプルであるステンレス基材とサンプル1について、腐食性試験を行った。先ず、チャンバ内に比較サンプルとサンプル1とを配置して、チャンバ内にフッ素(F)ガスを3L/min、窒素(N)ガスを8L/minの流量で夫々供給すると共に、チャンバ内の圧力を50kPaに設定し、比較サンプル及びサンプル1を1時間放置することによって、これらサンプル表面の耐腐食性を評価した。しかる後、比較サンプル及びサンプル1をチャンバ内から取り出し、X線電子分光分析(XPS)装置でこれらサンプル表面のデプスプロファイルを測定した。比較サンプルのプロファイルでは、堆積膜の表面からクロム(Cr)が抜けて行く様子が観察され、時間の経過と共にステンレス基材が腐食して行った。これに対してサンプル1のプロファイルでは、堆積膜の最表面だけが若干フッ化アルミニウム(AlF)になっただけであり、膜厚は殆ど変わらなかった。このようなことからステンレス基材の表面に堆積膜を形成することで、腐食性ガスに対する大きな耐食性を確保できることから、ステンレス基材上に堆積膜を形成することが有効であることが理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の堆積膜を形成する表面処理の対象となる半導体製造装置を説明するための断面図である。
【図2】前記半導体製造装置の構成部材に対して堆積膜を形成する表面処理を行うための表面処理装置の一例を示す構成図である。
【図3】前記表面処理装置において、金属製配管に対して堆積膜を形成する場合を示す構成図である。
【図4】前記表面処理装置において、処理容器内に用いられる構成部材に対して堆積膜を形成する場合を示す構成図である。
【図5】前記表面処理装置において、金属製配管に対して堆積膜を形成する場合を説明するための工程図である。
【図6】前記金属製配管に対して堆積膜を形成する場合の原料ガスの給断の様子を示す構成図である。
【図7】前記表面処理装置において、処理容器内に用いられる構成部材に対して堆積膜を形成する場合を説明するための工程図である。
【図8】前記半導体製造装置の構成部材である処理容器に対して堆積膜を形成する表面処理を行うための表面処理装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0070】
1 半導体製造装置
10 処理容器
11 載置台
12 ガス供給部
13 下面部材
14 処理ガス供給管
15 排気管
16 バッフル板
17 メカチャック
31 第1の原料ガス供給源
32 第2の原料ガス供給源
33 接続部
41 第1の原料供給路
42 第2の原料供給路
43 第3の原料供給路
44 第4の原料供給路
5 真空ポンプ
6 成膜容器




 

 


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