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発明の名称 ガス処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−27490(P2007−27490A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208760(P2005−208760)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100099944
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 宏志
発明者 松島 範昭 / 高橋 毅
要約 課題
シャワーヘッド等のガス吐出機構の温度上昇を効果的に抑止し、ガス吐出機構の温度上昇に起因する処理の不良や不均一を低減すること。

解決手段
成膜装置100は、ウエハを収容するチャンバー1と、チャンバー1内に配置され、ウエハが載置される載置台と、載置台上と対向する位置に設けられ、チャンバー1内へ処理ガスを吐出するシャワーヘッド4と、チャンバー1内を排気する排気機構とを具備し、シャワーヘッド4は、処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔45a、45bが形成された中央部46と、中央部46の外周側に位置する、ガス吐出孔45a、45bの存在しない外周部47とを有し、成膜装置100は、シャワーヘッド4の熱を外周部47の全周から大気側に放熱する放熱機構をさらに具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
被処理基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、
前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、
前記処理容器内を排気する排気機構と
を具備するガス処理装置であって、
前記ガス吐出機構は、
前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、
前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部と
を有し、
前記ガス吐出機構の熱を前記外周部の略全周から大気側に放熱する放熱機構をさらに具備することを特徴とするガス処理装置。
【請求項2】
被処理基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、
前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、
前記処理容器内を排気する排気機構と、
を具備するガス処理装置であって、
前記ガス吐出機構は、
前記処理ガスを導入するためのガス導入孔が形成されたガス導入部と、
前記載置台に向けて前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成されたガス吐出部と、
前記ガス導入部と前記ガス吐出部との間に設けられた、前記処理ガスを拡散させるガス拡散部と
を有し、
前記ガス吐出部は、
前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、
前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部と
を有し、
前記ガス吐出機構の熱を前記外周部の略全周から大気側に放熱する放熱機構をさらに具備することを特徴とするガス処理装置。
【請求項3】
前記放熱機構は、前記外周部に略全周にわたって環状に、かつ大気に接するように設けられ、前記ガス吐出機構の熱を伝熱して大気側に放熱する放熱部材を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理装置。
【請求項4】
前記放熱機構は、前記外周部と前記放熱部材との熱伝達を調整する環状の伝熱調整部材をさらに有し、
前記放熱部材は、前記伝熱調整部材を介して前記外周部に略全周にわたって接するように設けられていることを特徴とする請求項3に記載のガス処理装置。
【請求項5】
前記放熱機構は、前記放熱部材に設けられ、前記外周部から前記ガス吐出機構を冷却する冷却機構を有していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のガス処理装置。
【請求項6】
前記冷却機構は、冷却媒体が流通する環状の冷媒流路を有していることを特徴とする請求項5に記載のガス処理装置。
【請求項7】
前記冷却機構は熱電半導体素子を有していることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のガス処理装置。
【請求項8】
前記放熱機構は、加熱して前記ガス吐出機構の温度を調整する加熱機構をさらに有することを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項9】
被処理基板を収容する処理容器と、
前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、
前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、
前記処理容器内を排気する排気機構と、
を具備するガス処理装置であって、
前記ガス吐出機構は、
前記処理ガスを導入するためのガス導入孔が形成されたガス導入部と、
前記載置台に向けて前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成されたガス吐出部と、
前記ガス導入部と前記ガス吐出部との間に設けられた、前記処理ガスを拡散させるガス拡散部と
を有し、
前記ガス吐出部は、
前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、
前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部と
を有し、
前記外周部は、環状をなし、その上側に略全周にわたって放熱面が形成されており、
前記放熱面に対応するように前記外周部の略全周に沿って環状に、かつ大気に接するように設けられ、前記ガス吐出機構の熱を伝熱して大気側に放熱する放熱部材と、
前記放熱面と前記放熱部材との間に、全周にわたってこれらに接触するように設けられ、これらの接触面積を調整することにより、前記外周部からの前記放熱部材への熱伝達を調整する伝熱調整部材と、
前記放熱部材に設けられ、この放熱部材を介して前記ガス吐出機構を冷却する冷却機構と、
前記放熱部材に設けられ、この放熱部材を加熱して前記ガス吐出機構の温度を調整する加熱機構と
を具備することを特徴とするガス処理装置。
【請求項10】
前記冷却機構は、冷却媒体が流通する環状の冷媒流路を有していることを特徴とする請求項9に記載のガス処理装置。
【請求項11】
前記冷却機構は、熱電半導体素子を有していることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のガス処理装置。
【請求項12】
前記中央部の前記載置台上と対向する面には、前記ガス吐出孔を有するカバー部材が着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項13】
前記カバー部材の表面にはアルマイト加工が施されていることを特徴とする請求項12に記載のガス処理装置。
【請求項14】
MOCVD装置であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項15】
前記処理ガスはハフニウム系原料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のガス処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理ガスを用いて被処理基板のガス処理を行うガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LSIの高集積化、高速化の要請からLSIを構成する半導体素子のデザインルールが益々微細化されており、それにともなってCMOSデバイスにおいては、ゲート絶縁膜がSiO容量換算膜厚のEOT(Equivalent Oxide Thickness)で1.5nm程度以下の値が要求されている。このような薄い絶縁膜を、ゲートリーク電流を増加させずに実現する材料として高誘電率材料、いわゆるHigh−k材料が注目されている。
【0003】
高誘電率材料をゲート絶縁膜として用いる場合は、シリコン基板との相互拡散がなく、熱力学的に安定である必要があり、その観点からハフニウム、ジルコニウムあるいはランタン系元素の酸化物またはその金属シリケートが有望視されている。
【0004】
そして、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)など、金属シリケート膜のCMOSロジックデバイス評価が精力的に進められ、その高いキャリア移動度により、次世代ゲート絶縁膜の候補として大きな期待が寄せられている。
【0005】
このような高誘電率材料からなる絶縁膜を微細な厚さで精度良く形成する方法として、ガス化させた有機金属化合物の熱分解を利用して薄膜の形成を行うMOCVD技術が知られている。
【0006】
MOCVD技術をはじめ、一般的にCVD技術は、載置台に載置されて加熱された半導体ウエハに、対向するシャワーヘッドから原料ガスを供給し、原料ガスの熱分解や還元反応等によって半導体ウエハ上に薄膜形成を行うものであり、通常、ガスの均一な供給を行うため、シャワーヘッドでは、内部に半導体ウエハ径と同程度の大きさの偏平なガス拡散空間を設け、シャワーヘッドの対向表面には、このガス拡散空間に連通する多数のガス吐出孔を分散して配置する構成がとられている(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−291385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のようにシャワーヘッド内に偏平なガス拡散空間を設ける場合には、その空間が背面側への伝達(放熱)を妨げるため、半導体ウエハを加熱する載置台からの輻射熱にて熱せられ、成膜を繰り返すうちにシャワーヘッドの温度が上昇してしまう。
【0008】
特に、MOCVDでは、原料ガスの熱分解を利用するため、シャワーヘッドの温度が上昇してその温度が当該原料ガスの熱分解温度を超えると、シャワーヘッド内部やシャワーヘッドの手前の配管内等で望ましくない熱分解反応が発生し、半導体ウエハに供給される原料ガスの濃度が低下したり、原料ガスの分解生成物がシャワーヘッドの表面に付着してシャワーヘッドの反射率が低下することにより半導体ウエハの温度が低下したりする結果、成膜不良の原因となる。
【0009】
その上、上述のようにシャワーヘッドの温度が経時的に上昇すると、膜質や膜組成の大きなばらつきが生じる原因となり、さらには、上述の分解生成物がシャワーヘッドの表面から剥がれ、異物となって半導体ウエハに飛着することによっても成膜不良の原因となる。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、シャワーヘッド等のガス吐出機構の温度上昇を効果的に抑止し、ガス吐出機構の温度上昇に起因する処理の不良や不均一を低減することができるガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、前記処理容器内を排気する排気機構とを具備するガス処理装置であって、前記ガス吐出機構は、前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部とを有し、前記ガス吐出機構の熱を前記外周部の略全周から大気側に放熱する放熱機構をさらに具備することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、前記処理容器内を排気する排気機構と、を具備するガス処理装置であって、前記ガス吐出機構は、前記処理ガスを導入するためのガス導入孔が形成されたガス導入部と、前記載置台に向けて前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成されたガス吐出部と、前記ガス導入部と前記ガス吐出部との間に設けられた、前記処理ガスを拡散させるガス拡散部とを有し、前記ガス吐出部は、前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部とを有し、前記ガス吐出機構の熱を前記外周部の略全周から大気側に放熱する放熱機構をさらに具備することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0013】
本発明において、前記放熱機構は、前記外周部に略全周にわたって環状に、かつ大気に接するように設けられ、前記ガス吐出機構の熱を伝熱して大気側に放熱する放熱部材を有することが好ましく、前記放熱機構は、前記外周部と前記放熱部材との熱伝達を調整する環状の伝熱調整部材をさらに有し、前記放熱部材は、前記伝熱調整部材を介して前記外周部に略全周にわたって接するように設けられていることが好ましい。
【0014】
さらに、この場合に、前記放熱機構は、前記放熱部材に設けられ、前記外周部から前記ガス吐出機構を冷却する冷却機構を有していることが好ましく、前記冷却機構は、冷却媒体が流通する環状の冷媒流路または/および熱電半導体素子を有していることが好ましい。
【0015】
さらに、この場合に、前記放熱機構は、加熱して前記ガス吐出機構の温度を調整する加熱機構をさらに有することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、被処理基板を収容する処理容器と、前記処理容器内に配置され、被処理基板が載置される載置台と、前記載置台上と対向する位置に設けられ、前記処理容器内へ処理ガスを吐出するガス吐出機構と、前記処理容器内を排気する排気機構と、を具備するガス処理装置であって、前記ガス吐出機構は、前記処理ガスを導入するためのガス導入孔が形成されたガス導入部と、前記載置台に向けて前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成されたガス吐出部と、前記ガス導入部と前記ガス吐出部との間に設けられた、前記処理ガスを拡散させるガス拡散部とを有し、前記ガス吐出部は、前記処理ガスを吐出するための多数のガス吐出孔が形成された中央部と、前記中央部の外周側に位置する、前記ガス吐出孔の存在しない外周部とを有し、前記外周部は、環状をなし、その上側に略全周にわたって放熱面が形成されており、前記放熱面に対応するように前記外周部の略全周に沿って環状に、かつ大気に接するように設けられ、前記ガス吐出機構の熱を伝熱して大気側に放熱する放熱部材と、前記放熱面と前記放熱部材との間に、全周にわたってこれらに接触するように設けられ、これらの接触面積を調整することにより、前記外周部からの前記放熱部材への熱伝達を調整する伝熱調整部材と、前記放熱部材に設けられ、この放熱部材を介して前記ガス吐出機構を冷却する冷却機構と、前記放熱部材に設けられ、この放熱部材を加熱して前記ガス吐出機構の温度を調整する加熱機構とを具備することを特徴とするガス処理装置を提供する。この場合に、前記冷却機構は、冷却媒体が流通する環状の冷媒流路または/および熱電半導体素子を有していることが好ましい。
【0017】
本発明において、前記中央部の前記載置台上と対向する面には、前記ガス吐出孔を有するカバー部材が着脱可能に設けられていることが好ましい。さらに、この場合に、前記カバー部材の表面にはアルマイト加工が施されていることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明のガス処理装置は、MOCVD装置であることが好ましく、処理ガスはハフニウム系原料を含んで構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、ガス吐出機構のガス吐出孔が存在しない外周部の略全周から放熱機構(または放熱部材)によってガス吐出機構の熱を処理容器外の大気側に放熱するため、ガス吐出機構の熱を極めて効率良く放熱して、ガス吐出機構の温度上昇を有効に抑制することができる。
【0020】
この結果、ガス処理が、ガス吐出機構から載置台上の被処理基板に供給される処理ガスの熱分解反応により被処理基板に成膜する成膜処理である場合には、ガス吐出機構の温度を原料ガスの熱分解温度以下に維持することが可能となり、ガス吐出機構の過熱によって、原料ガスが被処理基板に至る前に当該ガス吐出機構の内部や接続配管内で熱分解してしまう等の不都合を回避でき、原料ガスの濃度の低下やばらつき、あるいは分解生成物の付着によるガス吐出機構の反射率の変化等による薄膜形成速度の低下(所要時間の増大)、膜厚、膜質のばらつきの発生、さらには、分解生成物がガス吐出機構から剥離して被処理基板に飛着することに起因する成膜欠陥の発生等を抑止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0022】
図1は本発明のガス処理装置の一実施形態に係る成膜装置を示す断面図であり、図2は成膜装置を構成するチャンバーおよびシャワーヘッドの要部を示す断面図であり、図3はチャンバーおよびシャワーヘッドの要部を示す切欠き斜視図である。
【0023】
この成膜装置100は、気密に構成された処理容器としての略円筒状のチャンバー1を有しており、その中には被処理体であるSi基板(ウエハ)Wを水平に支持するための載置台2が、その中央下部に設けられた円筒状の支持部材20により支持された状態で配置されている。この載置台2はAlN等のセラミックスからなっている。また、載置台2にはヒーター21が埋め込まれており、このヒーター21にはヒーター電源22が接続されている。一方、載置台2の上面近傍には熱電対23が設けられており、熱電対23の信号はコントローラ24に伝送されるようになっている。そして、コントローラ24は熱電対23の信号に応じてヒーター電源22に指令を送信し、ヒーター21の加熱を制御してウエハWを所定の温度に制御するようになっている。
【0024】
チャンバー1の内壁、および載置台2および支持部材20の外周には、付着物が堆積することを防止するための石英ライナー3が設けられている。石英ライナー3とチャンバー1の壁部との間にはパージガス(シールドガス)を流すようになっており、壁部への付着物の堆積、およびこれに起因するコンタミネーションが防止される。
【0025】
チャンバー1の上面は開口しており、そこからチャンバー1内へ突出するようにシャワーヘッド4が設置されている。シャワーヘッド4は、後述するガス供給機構7から供給された成膜用のガスをチャンバー1内に吐出するためのものであり、上側から順に、ガス導入プレート(ガス導入部)40と、ガス拡散プレート(ガス拡散部)43と、ガス吐出プレート(ガス吐出部41)とを有している。
【0026】
ガス導入プレート40には、金属原料ガスであるハフニウムテトラターシャリブトキサイド(HTB)およびシリコン原料ガスであるテトラエトキシシラン(TEOS)が導入される第1の導入孔42aと、酸化剤であるOガスが導入される第2の導入孔42bとが設けられている。ガス拡散プレート43は、上側および下側にそれぞれ、略水平に拡がるガス拡散空間44a、44bを有して構成されている。上側の第1のガス拡散空間44aには第1の導入孔42aが繋がっており、下側の第2のガス拡散空間44bには第2の導入孔42bが繋がっている。ガス吐出プレート41は、第1のガス拡散空間44aに繋がる第1のガス吐出孔45a、および第2のガス拡散空間44bに繋がる第2のガス吐出孔45bがそれぞれ、略等間隔に多数形成された中央部46と、この中央部46の外周側に設けられ、ガス吐出孔45a、45bの存在しない環状の外周部47とを有している。そして、外周部47によりガス拡散プレート43の側面が覆われている。このような構成により、シャワーヘッド4は、HTBおよびTEOSとOガスとが混じることなくそれぞれ独立して第1のガス吐出孔45aおよび第2のガス吐出孔45bから吐出されるポストミックスタイプとなっている。
【0027】
シャワーヘッド4の中央部46の底面、すなわち載置台2の上面と対向する面には、多数の第1のガス吐出孔45aおよび第2のガス吐出孔45bが形成されたカバー部材48が、図示しないボルト等により着脱可能に設けられている。カバー部材48は、表面に特殊アルマイト加工が施されており、あらかじめ反射率が低く抑えられている。このため、分解生成物または反応生成物等の付着によるシャワーヘッド4表面の反射率の大幅な低下が防止される。
【0028】
シャワーヘッド4を構成する外周部47は、ガス導入プレート40およびガス拡散プレート43よりも外側に設けられ、中央部46からガス拡散プレート43の側面に密着するように上方に向かって延び、その上端部が外側にフランジ状に突出している。シャワーヘッド4は、外周部47がチャンバー1の開口端部上に設けられたリッド10に図示しないボルト等で固定されることにより、チャンバー1内に保持されている。外周部47の上側または上端には、略全周にわたって放熱面が形成されており、この放熱面と対応するように、シャワーヘッド4の熱を放熱するための環状の放熱部材50が外周部47の略全周にわたって設置されている。放熱部材50は、熱伝導性に優れた材質で形成され、その内部に、冷却水等の冷却媒体が流通する環状冷媒流路51を有している。環状冷媒流路51は、冷却媒体を供給する給水管52、および冷却媒体を排出する排水管53を介して、図示しない冷媒源に接続されており、これにより、冷却媒体が循環して環状冷媒流路51内を流通し、放熱部材50を冷却してシャワーヘッド4の放熱効率がより高められるように構成されている。また、シャワーヘッド4には熱電対54が設けられ、放熱部材50には、冷却媒体に冷却された放熱部材50の温度、すなわちシャワーヘッド4の温度を加熱することにより調整するヒーター55が設けられている。
【0029】
このような構成により、熱電対54の検出信号が温度コントローラ56に入力され、温度コントローラ56はこの検出信号に基づいて、冷媒源に設けられた冷媒源出力ユニット57、およびヒーター55に接続されたヒーター電源出力ユニット58に制御信号を出力し、環状冷媒流路51内を流通する冷媒の温度、およびヒーター55の加熱温度を調整して、シャワーヘッド4の温度をフィードバック制御することが可能となっている。
【0030】
外周部47と放熱部材50との間には、これらの熱伝達を調整する環状の伝熱調整部材59が設けられており、放熱部材50は、伝熱調整部材59を介して外周部47の放熱面に略全周にわたって接するように設置されている。伝熱調整部材59の幅等を適宜設定して、外周部47と放熱部材50との接触面積を調整することにより、放熱部材50によるシャワーヘッド4の放熱効率の調整、すなわちシャワーヘッド4の温度調整を行うことができる。
【0031】
環状冷媒流路51、給水管52、排水管53、熱電対54、温度コントローラ56、冷媒源および冷媒源出力ユニット58は冷却機構を構成し、熱電対54、ヒーター55、温度コントローラ56およびヒーター電源出力ユニット58は加熱機構を構成している。また、放熱部材50、伝熱調整部材59、冷却機構および加熱機構は放熱機構を構成している。
【0032】
なお、環状冷媒流路51による冷却では放熱部材の放熱効果が不十分な場合には、図4に示すように、放熱部材50に熱電半導体素子60を設けてもよい。この場合にも、放熱部材50内に環状冷媒流路51を設けることができる。
【0033】
チャンバー1の底壁12には、下方に向けて突出する排気室13が設けられている。排気室13の側面には排気管14が接続されており、この排気管14には排気装置15が接続されている。そして、この排気装置15を作動させることによりチャンバー1内を所定の真空度まで減圧することが可能となっている。すなわち、排気室13、排気管14、および排気装置15は、チャンバー1内を排気するための排気機構を構成している。
【0034】
チャンバー1の側壁には、ウエハ搬送室(図示せず)との間でウエハWの搬入出を行うための搬入出口16と、この搬入出口16を開閉するゲートバルブ17とが設けられている。
【0035】
ガス供給機構7は、ハフニウム原料である液体のHTBを貯留するHTBタンク70と、HTBのキャリアガスであるNガスを供給するNガス供給源71と、シリコン原料である液体のTEOSを貯留するTEOSタンク82と、TEOSのキャリアガスであるNガスを供給するNガス供給源83と、酸化剤であるOガスを供給するOガス供給源72とを有している。
【0036】
HTBタンク70にはHeガス等の圧送ガスが導入され、HTBタンク70内の液体状のHTBは、配管73および液体マスフローコントローラ81を介して気化ユニット74に導かれる。気化ユニット74で気化されたHTBは、Nガス供給源71から配管75およびマスフローコントローラ78を介して気化ユニット74に導入されたNガスによって配管76を搬送され、シャワーヘッド4の第1の導入孔42aに導かれる。なお、配管76およびシャワーヘッド4には、気化した後のHTBが凝縮しない程度の温度に加熱する図示しない加熱ヒーターが設けられている。
【0037】
TEOSタンク82は、内部の液体状のTEOSが、一部蒸発する程度に加熱されており、TEOSタンク82内で蒸発して形成されたTEOS蒸気は、Nガス供給源83から配管85を介して配管84に導入されたNガスによって、高温マスフローコントローラ86を介して配管87を搬送され、配管76に合流してシャワーヘッド4の第1の導入孔42aに導かれる。TEOSは、活性度が比較的低いため、配管76でHTBと合流しても反応が起こらず、むしろHTBの分解を抑制する。なお、配管87には、気化したTEOSが液状化しない程度の温度に加熱する図示しない加熱ヒーターが設けられている。
【0038】
ガス供給源72からのOガスは、配管77を搬送されてシャワーヘッド4の第2の導入孔42bに導かれる。
【0039】
なお、気体を搬送する配管75、77にはそれぞれ、マスフローコントローラ78を挟んで2つのバルブ79が設けられている。また、配管83、84にもそれぞれバルブ79が設けられ、さらに、配管76、77、87のシャワーヘッド4近傍にもそれぞれ、バルブ79が設けられている。
【0040】
成膜装置100の各構成部は、プロセスコントローラ90に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ90には、工程管理者が成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース91が接続されている。
【0041】
また、プロセスコントローラ90には、成膜装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ90の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマエッチング装置の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納された記憶部92が接続されている。レシピは、ハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよいし、CD−ROM、DVD等の可搬性の記憶媒体に収容された状態で記憶部92の所定位置にセットするようになっていてもよい。さらに、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0042】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース91からの指示等にて任意のレシピを記憶部92から呼び出してプロセスコントローラ90に実行させることで、プロセスコントローラ90の制御下で、成膜装置100での所望の処理が行われる。
【0043】
このように構成された成膜装置100においては、まず、チャンバー1内を排気して圧力を400Pa程度とし、ヒーター21によりウエハWを所定の温度に加熱する。この状態で、HTBタンク70からHTBを気化ユニット74で気化させてHTBを第1の導入孔42aへ供給するとともに、TEOSタンク82から気化したTEOSを第1の導入孔42aへ供給し、Oガス供給源72からのOガスを第2の導入孔42bへ供給して、HTBおよびTEOSとOガスとをそれぞれ、第1のガス吐出孔45aと第2のガス吐出孔45bとから吐出し、成膜を開始する。この際に、HTBは、配管76およびシャワーヘッド4内で図示しないヒーターにより加熱されて凝縮が防止され、TEOSは、配管87およびシャワーヘッド4内で図示しないヒーターにより加熱されて液状化が防止される。
そして、成膜温度に加熱されたウエハW上でHTB、TEOSおよびOガスの反応が生じ、ウエハW上にハフニウムシリケート(HfSiO)膜が成膜される。
【0044】
このようにして所定の膜厚のハフニウムシリケート膜を成膜後、チャンバー1内の圧力を調整し、ゲートバルブ17を開放して搬入出口16からウエハWを搬出し、1枚のウエハの熱処理が終了する。
【0045】
シャワーヘッド4を構成する外周部47は、ガス吐出孔45a、45b等の空隙が存在せず、放熱部材50を介して大気側に連なるため、成膜中には、シャワーヘッド4、特にガス吐出プレート41の熱が、外周部47の放熱面から放熱部材50を介してチャンバー1外の大気側に効率よく放熱される。したがって、シャワーヘッド4の温度上昇が抑止され、HTBの自己分解温度未満に維持することができる。また、冷却媒体が環状冷媒流路51内を流通して放熱部材50が冷却されるため、放熱部材50によるシャワーヘッド4の放熱効率がさらに高められる。
【0046】
長期の連続使用等によりシャワーヘッド4に設けたカバー部材48に酸化物等の反応生成物が堆積した際には、カバー部材48を取り外し、クリーニングを行ってから再び取り付け、あるいは新たなカバー部材を取り付けばよい。成膜装置では通常、シャワーヘッドへの反応生成物の付着を完全に防止することが難しく、特に、本実施形態のように成膜ガスにHTB等のハフニウム系原料を用いた場合には、チャンバー内の有効なクリーニング手段がなかったが、中央部46の載置台2上と対向する面にカバー部材48を着脱可能に設けることにより、このカバー部材48の取り外しての清掃または交換が可能となることから、中央部46に付着した酸化物等の反応生成物を容易に除去することができ、装置のメンテナンス性を向上させることができる。
【0047】
図5は、成膜装置100を用いてウエハWを多数枚連続的に成膜した場合(載置台2の加熱温度500℃、チャンバー1内の圧力30Pa程度、ハフニウムシリケート膜の基準膜厚2mm)におけるシャワーヘッド4の温度およびハフニウムシリケート膜の膜厚を示す図である。
【0048】
図5に示すように、ウエハWを約600枚連続的に成膜しても、成膜装置100ではシャワーヘッド4の温度およびウエハWに施したハフニウムシリケート膜の膜厚は、ほとんど変動せずに安定していることが確認された。放熱機構または放熱部材50によりシャワーヘッド4が放熱され、シャワーヘッド4から吐出される以前での成膜ガスの熱分解反応が抑止されるためと考えられる。さらには、カバー部材48によりシャワーヘッド4への酸化物等の付着が抑止されることにも起因すると考えられる。
【0049】
図6は、成膜装置100を用い、チャンバー1内に膜厚1.5μm(ウエハ750枚相当)分の成膜ガスを供給した場合と膜厚6μm(ウエハ3000枚相当)分の成膜ガスを供給した場合(チャンバー1内の圧力30Pa程度、実際にウエハWに成膜は行わず)とにおけるウエハWの温度と載置台2の温度との相関関係を示す図であり、図7は、図6と同様の場合におけるシャワーヘッド4の温度と載置台2の温度との相関関係を示す図である。
【0050】
図6に示すように、膜厚1.5μm分の成膜ガスを供給した場合と膜厚6μm分の成膜ガスを供給した場合とで、ウエハWと載置台2との温度上昇の挙動がほぼ等しく、かつ、ウエハWの温度と載置台2の温度がほぼ等しいことが確認できる。また、図7に示すように、膜厚1.5μm分の成膜ガスを供給した場合と膜厚6μm分の成膜ガスを供給した場合とで、シャワーヘッド4と載置台2との温度上昇の挙動はほぼ等しいが、シャワーヘッド4の温度上昇が抑制されることが確認できる。すなわち、本発明の成膜装置100を用いることにより、少なくともウエハ3000枚程度の成膜であれば、シャワーヘッド4の温度上昇を低く抑えるとともに、ウエハWの温度低下を防止し、シャワーヘッド4とウエハWとの温度変化の違いによる膜質等のばらつきを抑制することができると考えられる。
【0051】
以上から、本実施形態においては、ウエハWのみを成膜温度に加熱することが可能であるため、シャワーヘッド4の温度を低く、ウエハWの温度を高く設定してウエハW上のみで所定の反応を生じさせることができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、成膜原料としてHTBを用いたが、これに限らず他のハフニウムアルコキシド原料、例えば、ハフニウムテトライソプロポキサイド、ハフニウムテトラノルマルブトキサイドを用いてもよい。また、上記実施形態ではハフニウムシリケート膜を形成する場合について示したが、他の金属のシリケートを形成する場合にも適用することができ、その場合にはその金属を含むアルコキシド原料を用いればよい。例えばジルコニウムシリケートを成膜する場合にも適用することができ、その場合にはジルコニウムテトラターシャリブトキサイド(ZTB)を用いることができる。さらに、ランタン系元素の金属シリケートを成膜する場合にも適用可能である。また、上記実施形態では、シリコン原料としてTEOSを用いたが、ジシランやモノシラン等のシリコン水素化物であってもよい。また、上記実施形態では、半導体ウエハの処理を例にとって説明したが、これに限るものではなく、液晶表示装置用ガラス基板等、他の基板に対する処理にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、シャワーヘッドの温度上昇が抑止されるため、原料ガスの分解に起因する濃度低下や分解生成物の付着によるシャワーヘッドの反射率低下などを有効に防止することが可能となり、これにより、ウエハの加熱温度低下を防止して成膜の均一性や再現性を向上させることが可能となるから、本発明は、処理容器内において、載置台に載置されて加熱された基板に対向して設けられたシャワーヘッドから処理ガスを供給して所望の成膜処理を行う成膜装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明のガス処理装置の一実施形態に係る成膜装置を示す断面図である。
【図2】成膜装置を構成するチャンバーおよびシャワーヘッドの要部を示す断面図である。
【図3】チャンバーおよびシャワーヘッドの要部を示す切欠き斜視図である。
【図4】成膜装置を構成する放熱部材の変更例を示す図である。
【図5】成膜装置を用いてウエハを多数枚連続的に成膜した場合におけるシャワーヘッドの温度およびハフニウムシリケート膜の膜厚を示す図である。
【図6】成膜装置を用い、チャンバー内に膜厚1.5μm分の成膜ガスを供給した場合と膜厚6μm分の成膜ガスを供給した場合とにおけるウエハの温度と載置台の温度との相関関係を示す図である。
【図7】成膜装置を用い、チャンバー内に膜厚1.5μm分の成膜ガスを供給した場合と膜厚6μm分の成膜ガスを供給した場合とにおけるシャワーヘッドの温度と載置台の温度との相関関係を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1…チャンバー(処理容器)
2…載置台
4…シャワーヘッド(ガス吐出機構)
40…ガス導入プレート(ガス導入部)
41…ガス吐出プレート(ガス吐出部)
42a…第1のガス導入孔
42b…第2のガス導入孔
43…ガス拡散プレート(ガス拡散部)
44a…第1のガス拡散空間
44b…第2のガス拡散空間
45a…第1のガス吐出孔
45b…第2のガス吐出孔
46…中央部
47…外周部
48…カバー部材
50…放熱部材
51…環状冷媒流路
52…給水管
53…排水管
54…熱電対
55…ヒーター
56…温度コントローラ
57…冷媒源出力ユニット
58…ヒーター電源出力ユニット
59…伝熱調整部材
60…熱電半導体素子
W…ウエハ(被処理基板)




 

 


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